JPH0678403U - プレキャストコンクリート製柱梁間接合構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレキャストコンクリート製の柱、梁を容易
に速く、かつ強固に接合する。 【構成】 上下の柱１Ａ、１ＢにＸ字ないし十字状の接
合金物３を、前後左右の梁２Ｃ、２Ｄに接合金物４をそ
れぞれ突出して設け、柱１Ａ、１Ｂの接合金物３と前後
左右の梁２Ｃ、２Ｄの接合金物４とを接合し、ボルト・
ナットで結合してプレキャストコンクリート製の柱、梁
を接合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ＲＣ、ＳＲＣ造の建築物の構造部材である柱及び梁をプレキャスト 部材で構築する場合の柱梁間接合構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

プレキャスト部材の柱及び梁を用いて建築物を構築する場合、各ピース間の端 部より出ている差し筋どうしを種々の方法で接合した後、接合部にコンクリート を打設する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、部材のＰＣ化の目的は、製作コストの安いコンクリート部材を用い て、鉄骨の組立て同様に速く施工する事にある。

【０００４】 しかし、従来の工法では、接合部に打設したコンクリートが所定の強度を発現 するまで、他の仮設構造体、例えばパイプサポート及び仮設梁等で支持する必要 がある。

【０００５】 そこで、接合部が鉄骨と同様の容易さで接合を行うことができ、コンクリート の強度の発現を待たずに少なくとも当該接合部以上の数階の建込みが可能となる ようなものがあるとＰＣ化のメリットは最大限に発揮される。

【０００６】 したがって、本考案は、かかる要望に応え得るプレキャストコンクリート製柱 梁間接合構造を提供することを目的としてなされたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、本願考案は、プレキャストコンクリート製の柱梁 を接合する構造において、上下の柱の接合端よりそれぞれ平面Ｘ字ないし十字状 の接合金物を突出して設け、また前後左右の梁の接合端よりそれぞれ上下の柱の 前記接合金物と接合する接合金物を突出して設け、上下の柱の接合金物と梁の接 合金物及び隣り合う梁の接合金物の３者をボルト・ナットで結合してなるプレス キャストコンクリート製柱梁間接合構造とする。

【０００８】

【作用】

まず、下方の柱を建込む。次いで、前後左右の梁を建込み先に建込んだ下方の 柱の接合金物と梁の接合金物とをそれぞれ接合する。次いで、上方の柱を建込み 先に建込んだ梁の接合金物と上方の柱の接合金物とをそれぞれ接合する。そして 、上下の柱の接合金物と梁の接合金物及び隣り合う梁の接合金物の３者をボルト ・ナットで結合する。ボルト・ナットで結合した柱梁間の接合部にコンクリート を打設するが、柱梁間の接合構造は強固なものであるので、コンクリートの強度 の発現を待たずに当該接合部以上の数階の建込みを行うことができる。

【０００９】

【実施例】

図１ないし図４に本考案の第１実施例を示し、柱及び梁は共にプレキャストコ ンクリート製の柱及び梁である。上下の柱１Ａ、１Ｂの接合端よりそれぞれ平面 Ｘ字状の接合金物３を突出させて設け、また前後左右の梁２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２ Ｄの接合端よりそれぞれ上下の柱１Ａ、１Ｂの前記接合金物３と接合する接合金 物４を突出させて設ける。柱の接合金物３と梁の接合金物４の関係は、この例で は柱の接合金物３の一片を隣り合う梁の接合金物４で挟んでボルト・ナットで結 合するものである。

【００１０】 組立手順を図２５ないし図２７に示す。まず、下方の柱１Ａを建込む。次いで 、前後左右の梁２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄを建込み先に建込んだ下方の柱１Ａの接 合金物３と梁２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄの接合金物４とをそれぞれ接合する。次い で、上方の柱１Ｂを建込み先に建込んだ梁２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄの接合金物４ と上方の柱１Ｂの接合金物３とをそれぞれ接合する。そして図１ないし図４に示 すように、上下の柱１Ａ、１Ｂの接合金物３と梁２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄの接合 金物４及び隣り合う梁２Ａ、２Ｃ・・・の接合金物４の３者をボルト・ナット５ で結合する。ボルト・ナットで結合した柱梁間の接合部にコンクリートを打設す る。

【００１１】 図５ないし図７及び図８ないし図１０に柱１の接合金物３及び梁２の接合金物 ４の変形例を示す。また、図１１及び図１２に梁２の接合金物４において、上下 の柱毎に金物をグループ分けたした例、及びボルトの穴毎に金物をグループ分け した例を示す。

【００１２】 図１３ないし図１６に本考案の第２実施例を示し、上下の柱１Ａ、１Ｂの接合 端よりそれぞれ平面十字状の接合金物３を突出させて設けられている。柱の接合 金物３と梁の接合金物４の関係は、柱の接合金物３の１片を１つの梁の接合金物 ４で挟んでボルト・ナット５で結合し、また隣り合う梁の接合金物４をボルト・ ナット５で結合したものである。

【００１３】 図１７ないし図１９、図２０ないし図２２、及び図２３、図２４は前記第２実 施例の変形例を示し、先に述べた第１実施例の変形例にそれぞれ対応するもので ある。

【００１４】

【考案の効果】

上下の柱の接合端より突出して設けたＸ字ないし十字状の接合金物と前後左右 の梁の接合端より突出して設けた接合金物とを接合させ、上下の柱の接合金物と 梁の接合金物及び隣り合う梁の接合金物の３者をボルト・ナットで結合して柱梁 間の接合を行うものであり、したがつて、プレキャストコンクリート製柱、梁を 用いて鉄骨の組立て同様に容易に速く施工することができる。また柱梁間接合部 はそれぞ自体で強固なものであるので、柱梁間接合部に打設したコンクリートの 強度の発現を待たずに少なくとも当該接合部以上の数階の建込みが可能となる。 これにより柱梁のＰＣ化のメリットが最大限に発揮される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示すプレキャストコンク
リート製柱梁を接合する前の正面図。

【図２】図１の平面図。

【図３】プレキャストコンクリート製柱梁を接合した正
面図。

【図４】図３の平面図。

【図５】柱に設けた接合金物の第１変形例の平面図。

【図６】第２変形例の平面図。

【図７】第３変形例の平面図。

【図８】梁に設けた接合金物の第１変形例の平面図。

【図９】第２変形例の平面図。

【図１０】第３変形例の平面図。

【図１１】上下柱毎に接合金物をグループ分した梁の正
面図。

【図１２】ボルト穴毎に接合金物をグループ分した梁の
正面図。

【図１３】本考案の第２実施例を示すプレキャストコン
クリート製柱梁を接合する前の正面図。

【図１４】図１３の平面図。

【図１５】プレキャストコンクリート製柱梁を接合した
正面図。

【図１６】図１５の平面図。

【図１７】柱に設けた接合金物の第１変形例の平面図。

【図１８】第２変形例の平面図。

【図１９】第３変形例の平面図。

【図２０】梁に設けた接合金物の第１変形例の平面図。

【図２１】第２変形例の平面図。

【図２２】第３変形例の平面図。

【図２３】上下柱毎に接合金物をグループ分した梁の正
面図。

【図２４】ボルト穴毎に接合金物をグループ分した梁の
正面図。

【図２５】組立手順を示し、下部柱を建込む正面図。

【図２６】梁を建込む正面図。

【図２７】上部柱を建込む正面図。

【符号の説明】

１Ａ、１Ｂ・・・柱 ２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ・・・梁 ３・・・柱の接合金物 ４・・・梁の接合金物

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プレキャストコンクリート製の柱梁を接
   合する構造において、上下の柱の接合端よりそれぞれ平
   面Ｘ字ないし十字状の接合金物を突出して設け、また前
   後左右の梁の接合端よりそれぞれ上下の柱の前記接合金
   物と接合する接合金物を突出して設け、上下の柱の接合
   金物と梁の接合金物及び隣り合う梁の接合金物の３者を
   ボルト・ナットで結合してなることを特徴とするプレス
   キャストコンクリート製柱梁間接合構造。