JPH0678167B2 - NaFe3V9O19の組成を持つ化合物及びその合成法 - Google Patents
NaFe3V9O19の組成を持つ化合物及びその合成法Info
- Publication number
- JPH0678167B2 JPH0678167B2 JP3146464A JP14646491A JPH0678167B2 JP H0678167 B2 JPH0678167 B2 JP H0678167B2 JP 3146464 A JP3146464 A JP 3146464A JP 14646491 A JP14646491 A JP 14646491A JP H0678167 B2 JPH0678167 B2 JP H0678167B2
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- Japan
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- compound
- oxide
- heating
- sodium
- vanadium
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- Expired - Lifetime
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- Compounds Of Iron (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、AB12O19(A、Bは
共に金属元素)の組成を持つ六方晶系の化合物及びその
製造法に関する。
共に金属元素)の組成を持つ六方晶系の化合物及びその
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
BaFe12O19、SrAl12O19、BaGa12O19等、数多く
の六方晶系に属するAB12O19(A、Bは共に金属元素)
の組成を持つ化合物が知られている。これらは、マグネ
トプランバイト型化合物として知られているが、Aの形
式電価は+2に限られ、かつBの主成分はFe、Al、G
aに限られていた。
BaFe12O19、SrAl12O19、BaGa12O19等、数多く
の六方晶系に属するAB12O19(A、Bは共に金属元素)
の組成を持つ化合物が知られている。これらは、マグネ
トプランバイト型化合物として知られているが、Aの形
式電価は+2に限られ、かつBの主成分はFe、Al、G
aに限られていた。
【0003】本発明は、AB12O19の組成を持つ新規な
化合物を提供し、またその製造法を提供することを目的
とするものである。
化合物を提供し、またその製造法を提供することを目的
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するため、AB12O19の組成におけるA成分並びに
B成分について種々の元素の可能性を鋭意研究した結
果、ここに新規な化合物を見い出したものである。
解決するため、AB12O19の組成におけるA成分並びに
B成分について種々の元素の可能性を鋭意研究した結
果、ここに新規な化合物を見い出したものである。
【0005】すなわち、本発明に係る化合物は、組成式
NaFe3V9O19で示される六方晶系の化合物である。
NaFe3V9O19で示される六方晶系の化合物である。
【0006】この化合物は六方晶系に属し、その格子定
数は次のとおりである。 a=5.84±0.01(Å) c=22.81±0.01(Å) この化合物の面指数(hkl)、面間隔(d(Å))
(d0は実測値、dcは計算値を示す)及びX線に対する
相対反射強度(I(%))は表1〜表3に示すとおりで
ある。
数は次のとおりである。 a=5.84±0.01(Å) c=22.81±0.01(Å) この化合物の面指数(hkl)、面間隔(d(Å))
(d0は実測値、dcは計算値を示す)及びX線に対する
相対反射強度(I(%))は表1〜表3に示すとおりで
ある。
【0007】この化合物は、次の方法によって製造する
ことができる。
ことができる。
【0008】本発明に用いる出発原料としては、各成分
の金属或いは加熱により金属酸化物又は金属複合酸化物
を得る化合物(それぞれの金属の水酸化物、複水酸化
物、炭酸塩、複炭酸塩、硝酸塩、複硝酸塩等)を用い
る。市販のものをそのまま使用してもよいが、化学反応
を速やかに進行させるためには粒径が小さいほうがよ
く、特に10μm以下であることが好ましい。原料はそ
のまま、或いはアルコール類、アセトン等と共に充分に
混合する。原料の混合割合は、Na、Fe及びVの割合が
原子比で1対3対9であることが必要である。この割合
を外すと目的とする化合物の単一相を得ることができな
い。
の金属或いは加熱により金属酸化物又は金属複合酸化物
を得る化合物(それぞれの金属の水酸化物、複水酸化
物、炭酸塩、複炭酸塩、硝酸塩、複硝酸塩等)を用い
る。市販のものをそのまま使用してもよいが、化学反応
を速やかに進行させるためには粒径が小さいほうがよ
く、特に10μm以下であることが好ましい。原料はそ
のまま、或いはアルコール類、アセトン等と共に充分に
混合する。原料の混合割合は、Na、Fe及びVの割合が
原子比で1対3対9であることが必要である。この割合
を外すと目的とする化合物の単一相を得ることができな
い。
【0009】すなわち、金属ナトリウム、或いは酸化ナ
トリウム若しくは加熱により酸化ナトリウムに分解され
る化合物、或いはナトリウム鉄複合酸化物若しくは加熱
によりナトリウム鉄複合酸化物に分解される化合物、或
いはナトリウムバナジウム複合酸化物若しくは加熱によ
りナトリウムバナジウム複合酸化物に分解される化合
物、或いはナトリウムバナジウム鉄複合酸化物若しくは
加熱によりナトリウムバナジウム鉄複合酸化物に分解さ
れる化合物と、金属鉄、或いは酸化鉄若しくは加熱によ
り酸化鉄に分解される化合物、或いはバナジウム鉄複合
酸化物或いは加熱によりバナジウム鉄複合酸化物に分解
される化合物と、金属バナジウム、或いは酸化バナジウ
ム若しくは加熱により酸化バナジウムに分解される化合
物とを、Na、Fe及びVの割合が原子比で1対3対9と
なるように混合する。
トリウム若しくは加熱により酸化ナトリウムに分解され
る化合物、或いはナトリウム鉄複合酸化物若しくは加熱
によりナトリウム鉄複合酸化物に分解される化合物、或
いはナトリウムバナジウム複合酸化物若しくは加熱によ
りナトリウムバナジウム複合酸化物に分解される化合
物、或いはナトリウムバナジウム鉄複合酸化物若しくは
加熱によりナトリウムバナジウム鉄複合酸化物に分解さ
れる化合物と、金属鉄、或いは酸化鉄若しくは加熱によ
り酸化鉄に分解される化合物、或いはバナジウム鉄複合
酸化物或いは加熱によりバナジウム鉄複合酸化物に分解
される化合物と、金属バナジウム、或いは酸化バナジウ
ム若しくは加熱により酸化バナジウムに分解される化合
物とを、Na、Fe及びVの割合が原子比で1対3対9と
なるように混合する。
【0010】次いで、この混合物を600℃以上800
℃未満の温度で、Na、Fe、V及びOの割合が原子比で
1対3対9対19となるように非酸化性雰囲気中で加熱
する。加熱時間は数時間若しくはそれ以上である。加熱
の際の昇温速度には制約はない。加熱終了後急冷すれば
よい。
℃未満の温度で、Na、Fe、V及びOの割合が原子比で
1対3対9対19となるように非酸化性雰囲気中で加熱
する。加熱時間は数時間若しくはそれ以上である。加熱
の際の昇温速度には制約はない。加熱終了後急冷すれば
よい。
【0011】得られるNaFe3V9O19化合物の粉末は、
黒色であり、粉末X線回折法によって六方晶系の結晶構
造を有することを確認できる。また、室温で電導性があ
り、240±30Kに磁気転移点を持つこと、その転移
点以下の温度では強磁性或いはフェリ磁性的振る舞いを
示す。
黒色であり、粉末X線回折法によって六方晶系の結晶構
造を有することを確認できる。また、室温で電導性があ
り、240±30Kに磁気転移点を持つこと、その転移
点以下の温度では強磁性或いはフェリ磁性的振る舞いを
示す。
【0012】次に本発明の実施例を示す。
【0013】
【0014】いずれも純度99.9%以上のNa2CO3と
Fe2O3をモル比で1:1の割合で秤量し、めのう乳鉢
内でエタノールと共に混合した。この混合物を900℃
で24時間加熱し、β−NaFeO2を得た。
Fe2O3をモル比で1:1の割合で秤量し、めのう乳鉢
内でエタノールと共に混合した。この混合物を900℃
で24時間加熱し、β−NaFeO2を得た。
【0015】一方、純度99.9%以上のV2O5をH2:
N2=1:1流量比の雰囲気のもとで、600℃で1時
間、更に800℃で2時間加熱し急冷して、V2O3を得
た。また、V2O3と純度99.9%以上のV2O5をモル
比で1:1の割合で秤量し、めのう乳鉢内で乾式混合
し、この混合物を石英管内に真空封入し、600℃で1
時間、更に1000℃で3日間加熱してV2O4を得た。
N2=1:1流量比の雰囲気のもとで、600℃で1時
間、更に800℃で2時間加熱し急冷して、V2O3を得
た。また、V2O3と純度99.9%以上のV2O5をモル
比で1:1の割合で秤量し、めのう乳鉢内で乾式混合
し、この混合物を石英管内に真空封入し、600℃で1
時間、更に1000℃で3日間加熱してV2O4を得た。
【0016】得られたβ−NaFeO2、V2O3、V2O4
と、純度99.9%以上のFe2O3をモル比で1:4:
0.5:1の割合で秤量し、めのう乳鉢内で乾式混合し
た。この混合物を白金管に入れ、更に石英管内に真空封
入し、700℃で2日間加熱した。室温に冷却後、生成
物を取り出し、めのう乳鉢内で粉砕した。これを再度白
金管/石英管内に真空封入し700℃で2日間加熱し
た。室温に冷却後、生成物を取り出し、めのう乳鉢内で
粉砕した。これをもう一度白金管/石英管内に真空封入
し、700℃で9日間加熱した。室温に冷却後、生成物
を取り出した。
と、純度99.9%以上のFe2O3をモル比で1:4:
0.5:1の割合で秤量し、めのう乳鉢内で乾式混合し
た。この混合物を白金管に入れ、更に石英管内に真空封
入し、700℃で2日間加熱した。室温に冷却後、生成
物を取り出し、めのう乳鉢内で粉砕した。これを再度白
金管/石英管内に真空封入し700℃で2日間加熱し
た。室温に冷却後、生成物を取り出し、めのう乳鉢内で
粉砕した。これをもう一度白金管/石英管内に真空封入
し、700℃で9日間加熱した。室温に冷却後、生成物
を取り出した。
【0017】得られた試料は、NaFe3V9O19単一相で
あり、粉末X線回折法によって面指数(hkl)、面間
隔(d0)及び相対反射強度を測定した結果は、
あり、粉末X線回折法によって面指数(hkl)、面間
隔(d0)及び相対反射強度を測定した結果は、
【表1】 、
【表2】 、
【表3】 のとおりであった。また、六方晶系としての格子定数
は、 a= 5.84±0.01(Å) c=22.81±0.01(Å) であった。この格子定数及び表1の面指数(hkl)よ
り算出した面間隔(dc(Å))は、実測の面間隔(d0
(Å))と極めてよく一致していた。
は、 a= 5.84±0.01(Å) c=22.81±0.01(Å) であった。この格子定数及び表1の面指数(hkl)よ
り算出した面間隔(dc(Å))は、実測の面間隔(d0
(Å))と極めてよく一致していた。
【0018】得られた焼結体試料についての外部磁場4
0KOeでの磁化と温度の関係(図1)、温度5Kでの
磁化と外部磁場ヒステリシスの関係(図2)より、Na
Fe3V9O19化合物は、240±30Kに磁気転移点を
持つこと、その転移点以下の温度では強磁性或いはフェ
リ磁性的振る舞いを示すことが確認された。また、得ら
れた資料は、室温で電導性があった。
0KOeでの磁化と温度の関係(図1)、温度5Kでの
磁化と外部磁場ヒステリシスの関係(図2)より、Na
Fe3V9O19化合物は、240±30Kに磁気転移点を
持つこと、その転移点以下の温度では強磁性或いはフェ
リ磁性的振る舞いを示すことが確認された。また、得ら
れた資料は、室温で電導性があった。
【0019】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明により、磁
性材料、電子材料として有用な新規な化合物を提供する
ことができる。
性材料、電子材料として有用な新規な化合物を提供する
ことができる。
【図1】NaFe3V9O19焼結体試料についての外部磁場
40KOeにおける磁化(μв/FormulaUnit)の温度
依存性を示す図である。
40KOeにおける磁化(μв/FormulaUnit)の温度
依存性を示す図である。
【図2】NaFe3V9O19焼結体試料についての温度5K
における磁化(μв/FormulaUnit)の外部磁場(K
Oe)依存性を示す図である。
における磁化(μв/FormulaUnit)の外部磁場(K
Oe)依存性を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 組成式NaFe3V9O19で示される六方晶
系の化合物。 - 【請求項2】 金属ナトリウム、或いは酸化ナトリウム
若しくは加熱により酸化ナトリウムに分解される化合
物、或いはナトリウム鉄複合酸化物若しくは加熱により
ナトリウム鉄複合酸化物に分解される化合物、或いはナ
トリウムバナジウム複合酸化物若しくは加熱によりナト
リウムバナジウム複合酸化物に分解される化合物、或い
はナトリウムバナジウム鉄複合酸化物若しくは加熱によ
りナトリウムバナジウム鉄複合酸化物に分解される化合
物と、金属鉄、或いは酸化鉄若しくは加熱により酸化鉄
に分解される化合物、或いはバナジウム鉄複合酸化物或
いは加熱によりバナジウム鉄複合酸化物に分解される化
合物と、金属バナジウム、或いは酸化バナジウム若しく
は加熱により酸化バナジウムに分解される化合物とを、
Na、Fe及びVの割合が原子比で1対3対9となるよう
に混合し、該混合物を600℃以上800℃未満の温度
で、Na、Fe、V及びOの割合が原子比で1対3対9対
19となるような非酸化性雰囲気中で加熱することを特
徴とするNaFe3V9O19で示される六方晶系の化合物の
合成法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3146464A JPH0678167B2 (ja) | 1991-04-24 | 1991-04-24 | NaFe3V9O19の組成を持つ化合物及びその合成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3146464A JPH0678167B2 (ja) | 1991-04-24 | 1991-04-24 | NaFe3V9O19の組成を持つ化合物及びその合成法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04325420A JPH04325420A (ja) | 1992-11-13 |
JPH0678167B2 true JPH0678167B2 (ja) | 1994-10-05 |
Family
ID=15408233
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3146464A Expired - Lifetime JPH0678167B2 (ja) | 1991-04-24 | 1991-04-24 | NaFe3V9O19の組成を持つ化合物及びその合成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0678167B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103401010A (zh) * | 2013-08-13 | 2013-11-20 | 湖南省银峰新能源有限公司 | 一种全钒液流电池电解液的制备方法 |
-
1991
- 1991-04-24 JP JP3146464A patent/JPH0678167B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103401010A (zh) * | 2013-08-13 | 2013-11-20 | 湖南省银峰新能源有限公司 | 一种全钒液流电池电解液的制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04325420A (ja) | 1992-11-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |