JPH067814B2 - 低温ショーケース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明な貯蔵室の下方に冷却室を形成した低温ショーケ
ースに関する。

(ロ)従来の技術 実公昭６２−９５１１号公報(F25D23／00)には、近年店
舗において数多く使用されている対面販売形の低温ショ
ーケースが示されている。この低温ショーケースは、貯
蔵室の前面に透明窓、背面に引違式の透明扉を設け、顧
客の注文に基づいて販売員が透明扉を開けて商品を取り
出す構成となっており、又、貯蔵室内には商品を載置す
るために、棚及び底板が配置され、この底板の下方には
蒸発器及び送風ファンを収納した冷却室が形成された構
成である。かゝる構成において貯蔵室内への商品の収納
は上述した取り出しと同様に透明扉を開けて行なわれ
る。

(ハ)発明が解決しようとする課題 上記従来の技術においては、底板に商品を展示陳列する
際、顧客が商品を見やすい貯蔵室前部への収納作業は販
売員が腰を屈めた姿勢で行なわなければならず、又商品
取り出しの際にも同様に腰を屈める姿勢をとるために、
貯蔵室内の商品陳列は入れやすく取り出しやすい透明扉
に近い部分から順次行なわれることになり、その結果と
して顧客が商品を見やすい貯蔵室前部へ商品が展示陳列
されず、商品の売り上げが伸びないという問題点があっ
た。

又、冷却室の蒸発器や送風ファンの保守点検の際には、
先ず底板上の商品、次に底板を取り除いた上で行なわれ
る関係上、保守点検の時間が長く且つ作業そのものが煩
雑となるために保守点検が行なわれず、そのため冷却室
が非衛生になる問題点があった。

本発明は上記問題点を解決することを目的とするもの
で、貯蔵室への商品収納及び貯蔵室からの商品取り出し
が容易に行なえ、且つ顧客が商品を見やすい位置に商品
を展示陳列できるようにすると共に、冷却室の保守点検
を容易にしたことにある。

(ニ)課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明の低温ショーケースに
おいては、貯蔵室と冷却室との境に前後両底板を相互に
間隔を存して配置すると共に、この両底板のうち少なく
とも一方を前後方向に移動可能となし、又この前後両底
板及び間隔の上に配置される商品載置板に間隔内に挿入
されて両底板のうち何れか一方に接するストッパーを設
け、商品載置板を間隔の範囲で前後方向移動可能とした
構成である。

(ホ)作用 上記構成において、商品載置板の移動に伴ない間隔内を
移動するストッパーは商品載置板の前後方向の移動を規
制する作用をなし、前底板の後面に前面が接していると
きには、商品載置板の前方への移動を規制して商品載置
板が貯蔵室の前寄りに配置された状態、即ち商品の展示
陳列状態となり、又後底板の前面に後面が接していると
きには、商品載置板の後方への移動を規制して商品載置
板が貯蔵室の後寄りに配置された状態、即ち商品の収納
又は取り出し状態となる。

又、前後両底板の少なくとも一方を前後方向移動可能と
している関係上、前底板を後方に移動して間隔の幅を狭
くした場合には、冷却室の前部上方が大きく開放され、
又逆に後底板を前方に移動して間隔の幅を狭くした場合
には冷却室の後部上方が大きく開放されることになり、
貯蔵、冷却両室の連通範囲が大きくなる。

(ヘ)実施例 以下図面に基づいて本発明の実施例を説明すると、(1)
は生菓子等の物品を冷却保存するのに適した対面販売形
クローズタイプの低温ショーケースで、貯蔵室(2)と、
この貯蔵室の直下に位置する冷却室(3)と、この冷却室
の直下に位置する機械室(4)とにより本体を構成されて
いる。前記貯蔵室(2)は前面から上面にわたって配置さ
れた湾曲透明板(5)と、背面に配置された枠(6)内を左右
方向引違式に摺動される複数枚の透明扉(7)と、左右両
側面に夫々配置された透明側板(8)とから構成され、内
部に仕切板兼用の着脱自在な対をなす前後両底板(9A)(9
B)、この両底板に載置される商品載置板(10)、棚(11)及
び蛍光灯(L)が設けられている。前記底板(9A)(9B)は商
品載置板(10)と共に前記貯蔵、冷却両室(2)(3)を上下に
仕切るもので、相互に間隔(M)を存して配置され、後底
板(9B)の後縁に沿って吹出口(12)、前底板(9A)前縁に沿
って吸込口(13)が形成され、この吹出、吸込両口を通し
て前記貯蔵、冷却両室(2)(3)が連通する構成となってい
る。前記冷却室(3)は前記貯蔵室(2)と載置支持する上面
を開口した断熱壁(14)にて構成され、又前記機械室(4)
は前記断熱壁(14)の下方に形成されている。前記断熱壁
(14)は底壁に排水口(15)を有するもので、金属製の台脚
(16)と共に基台(17)を構成する。

(20)(21)は前記冷却室(3)に配置された第１，第２両蒸
発器で、第１蒸発器(20)が内側、第２蒸発器(21)が外側
に位置するよう露受板兼用の金属製仕切板(22)を介して
上下に重なり前記排水口(15)方向に低く傾斜して配置さ
れている。この第１，第２両蒸発器(20)(21)は等間隔に
並設された多数枚の板状フィン(23)と、左右両管板(24)
と、このフィン及び両管板に直交する多数本の冷媒管(2
5)とからなるプレートフィン形をなすものである。前記
仕切板(22)はその一端を前記第１，第２両蒸発器(20)(2
1)の空気入口面よりも前方、即ち後述する送風ファン方
向に延ばした延出部(26)を形成している。この延出部(2
6)には第１蒸発器(20)からの露を溜める段落部(27)と、
この段落部の露を下方に滴下させる複数の小さな排水穴
(28)が形成されている。この排水穴(28)は後述する送風
ファンの風圧の弱い部分に形成されることが好ましい。

(30)(31)は常時運転され、前記第１，第２両蒸発器(20)
(21)を通過する冷気を第６図矢印の如く冷却室(3)−吹
出口(12)−貯蔵室(2)−吸込口(13)−冷却室(3)と強制循
環させる対をなす第１，第２両送風ファンで、第８図に
示す如く中央に中仕切板(32)を備えた箱形のファンケー
ス(33)に双方が取付けられている。この第１，第２両送
風ファン(30)(31)は低温ショーケース(1)の長さ、換言
すれば第１，第２両蒸発器(20)(21)の長さが長くなれば
個数が増し、例えば第７図に示す如く第１，第２両蒸発
器(20)(21)の長さが６尺用のものであれば２対使用され
る。(34)は後縁が前記第１蒸発器(20)の上面前縁及び第
１，第２両蒸発器(20)(21)の左右両管板(24)の前縁に重
なるように配置され、ビス等の止め具でもって前記両管
板(24)に止着されるダクトで、この止着に伴ない第１，
第２の両蒸発器(20)(21)の空気入口面及び仕切板(22)の
延出部(26)がこのダクト(34)に覆われ、一方このダクト
内は前記延出部(26)によって内外即ち上下に仕切られ第
１蒸発器(20)に相対する第１風路(35)と、第２蒸発器(2
1)に相対する第２風路(36)とに分けられる。このダクト
(34)は前記第１，第２両ファン(30)(31)から対応する蒸
発器(20)(21)に向けて送られる冷気が両蒸発器(20)(21)
の全幅にわたって拡散されるようにするためのものであ
り、その前面上半部適所には第８図に示す如く第１風路
(35)に相対する第１開口(37)が、又前面下半部適所には
第２風路(36)に相対する第２開口(38)が夫々形成されて
いる。(39)は前記ファンケース(33)をダクト(34)に上下
方向回動自在に取付けるヒンジ等の回動具で、この回動
具の取付けに伴ない第１送風ファン(30)は第１開口(3
7)、第１風路(35)及び第１蒸発器(20)により形成される
内側ルートに対応し、又第２送風ファン(31)は第２開口
(38)、第２風路(36)及び第２蒸発器(31)により形成され
る外側ルートに対応することになり、夫々対応する蒸発
器(20)(21)に対して貯蔵室(2)からの帰還冷気を送る。
前記ファンケース(33)は開放されたときには第８図左側
に示すように前記ダクト(34)の上面に載置されることに
なり、この状態で第１開口(37)又は第２開口(38)を介し
て前記延出部(26)上面の掃除又は断熱壁(14)の底壁上面
の掃除が行なわれる一方で時として第１，第２両送風フ
ァン(30)(31)の保守点検が行なわれる。

前記商品載置板(10)は第５図に示す如く、貯蔵、冷却両
室(2)(3)の境に配置された左右一対のレール(40A)(40B)
に案内されるスライドピース又は図示するローラ(41A)
(41B)を左右両側縁に備え、又前記間隔(M)の幅に略等し
い奥行幅をもった取付板(42)の前部に止着され、前記間
隔(M)に配置されるストッパー(43)を下面に備え、更に
載置部(44)の復縁に沿って把手(45)を設けている。前記
取付板(42)の下面と後底板(9B)の上面との間の隙間は、
吹出口(12)から吸込口(13)に至る冷気のうち商品載置板
(10)の下方を通過する冷気所謂ショートサイクル冷気の
流量を制限する必要がある関係上、５mm以下にすること
が好ましい。

前記ストッパー(43)は商品載置板(10)の前後方向の移動
を規制するもので、第１図に示す如く前底板(9A)の後面
に前面が接しているときには、商品載置板(10)の前方へ
の移動を規制して商品載置板(10)が貯蔵室(2)の前寄り
に配置された状態、即ち商品の展示陳列状態となり、又
第２図に示す如く後底板(9B)の前面に後面が接している
ときには、商品載置板(10)の後方への移動を規制して商
品載置板(10)が貯蔵室(2)の後寄りに配置された状態、
即ち商品の収納又は取り出し状態となる。

又、第３図に示す如く前底板(9A)を後方に移動して間隔
(M)の幅を狭くした場合には、冷却室(3)の前部上方が大
きく開放され、又逆に第４図に示す如く後底板(9B)を前
方に移動して間隔(M)の幅を狭くした場合には冷却室(3)
の後部上方が大きく開放されることになる。詳しくは、
第３図は第２図において前底板(9A)を後方に移動した状
態であり、又第４図は第１図において後底板(9B)を前方
に移動した状態である。

従ってかゝる構成によれば、前後両底板(9A)(9B)間に形
成された間隔(M)の範囲内で商品載置板(10)を前後方向
に移動できるので、商品の展示陳列時には顧客が商品を
見やすい貯蔵室(2)の前部に商品載置板(10)を移動で
き、又商品収納及び取り出し時には販売員と商品載置板
(10)との距離が短くなるよう貯蔵室(2)の後部に商品載
置板(10)を移動でき、この結果、商品の展示陳列効果の
向上が図れると共に、商品の出し入れ作業が容易とな
る。

又、前後両底板(9A)(9B)のうち少なくとも一方を間隔
(M)を狭めるように移動することにより、貯蔵、冷却両
室(2)(3)の境が大きく開放される関係上、蒸発器(20)(2
1)及び送風ファン(30)(31)の保守点検又は及び冷却室
(3)の掃除が頗る簡単に行なえる。

(ト)発明の効果 上述した本発明によれば、次に列挙する効果が生じる。

前後両底板間に形成された間隔の範囲内で商品載置板
を前後方向に移動できるので、商品の展示陳列時には顧
客が商品を見やすい貯蔵室の前部に商品載置板を移動で
き、又商品収納及び取り出し時には販売員と商品載置板
との距離が短くなるように貯蔵室の後部に商品載置板を
移動でき、この結果、商品の展示陳列効果の向上が図れ
ると共に、商品の出し入れ作業が容易となる。

前後両底板のうち少なくとも一方を間隔を狭めるよう
移動すると共に商品載置板も移動することにより、貯
蔵、冷却両室の境が大きく開放される関係上、蒸発器及
び送風ファンの保守点検又は及び冷却室の掃除が頗る簡
単に行なえる。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本発明低温ショーケースの実施例を示し、
第１図乃至第４図は商品載置板及び前後両底板の移動を
説明する要部縦断面図、第５図は第１図Ａ−Ａ断面図、
第６図は第７図Ｂ−Ｂ断面図、第７図は全体斜視図、第
８図は蒸発器ユニットの斜視図である。 (2)……貯蔵室、(3)……冷却室、(9A)(9B)……底板、(1
0)……商品載置板、(43)……ストッパー、(M)……間
隔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】貯蔵室と、この貯蔵室の下方の冷却室と、
   この貯蔵、冷却両室の境に配置され相互に間を存し、少
   なくとも一方が前後方向に移動可能な前後両底板と、こ
   の両底板の上に重なって配置され、下面に前記間隔に挿
   入され、前面が前記前底板の後面に、後面が前記後底板
   の前面に接するストッパーを具備した前後方向移動可能
   な商品載置板とを具備してなる低温ショーケース。