JPH062077U - 冷蔵ショーケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】運転経費を高くしたり、客に違和感を与えたり
する事なく、生鮮食料品を長持ちさせる。 【構成】アルミニウム合金板により造った導風板１１、
１１を、陳列板６の上面に載置し、各導風板１１、１１
の上面に冷蔵保存すべき商品７、７を載置自在とする。
各導風板１１、１１の内部に設けた多数の空間の一端を
冷気吐出口１７に、他端を吸気口９に、それぞれ通じさ
せる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案に係る冷蔵ショーケースは、スーパーマーケット等に設置して、刺身 等の傷み易い商品を並べておく為に利用する。

【０００２】

【従来の技術】

スーパーマーケット等に於いて刺身等の生鮮食料品を販売する際には、この生 鮮食料品を納めたパック（以下、単に『商品』とする。）を冷蔵ショーケースに 収納し、客が自由に手で取れる様にしている。図４は、この様な場合に使用され る冷蔵ショーケースの１例を略示している。

【０００３】 客が通る通路１の脇で、この通路１よりも高くなった部分には、この通路１側 のみが開口した陳列スペース２を設けている。この陳列スペース２は、下壁３と 上壁４と奥壁５とにより三方を囲まれている。そして、下壁３の上面に陳列板６ を設け、この陳列板６の上面に商品７、７を陳列している。

【０００４】 更に、上記上壁４の一部で、通路１寄り端部には、下方に向けて開口した冷気 吹き出し口８を設け、下壁３の一部で、通路１寄り端部には、上方に向けて開口 した吸気口９を設け、この吸気口９と上記冷気吹き出し口８とを、ダクト１０に より通じさせている。そして、図示は省略したが、このダクト１０の途中に、送 風機と空気冷却器（冷凍機のエバポレータ）とを設け、吸気口９より吸引した空 気を冷却してから、上記冷気吹き出し口８より吹き出す様にしている。

【０００５】 従って、上記陳列スペース２の開口部には、図４に矢印ａ、ａで示す様にエア カーテンが設けられ、上記商品７、７の温度上昇を防止出来る。尚、冷気吹き出 し口８は、図４のａ部或はｂ部に、吸気口９に向けて設ける事もある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】 本考案の冷蔵ショーケースは、運転経費を少なく抑えつつ、商品の温度を低く 保てる様にする事で、商品の傷みを防止するものである。

【０００７】 上述した従来の冷蔵ショーケースの場合、陳列スペース２に並べた商品７、７ の温度は、外気温度（通路１部分の温度）よりも低く保てるとは言え、商品７、 ７の種類によっては十分とは言えないのが現状である。

【０００８】 即ち、客が陳列スペース２に並べられた商品７、７を手に取る場合、図４に矢 印ａ、ａで示したエアカーテンを横断して、手を（場合によっては上半身を）陳 列スペース２内に入れる。この結果、上記陳列スペース２内に頻繁に外気が流入 し、この陳列スペース２内の温度を上昇させる。

【０００９】 上述の様な原因による、陳列スペース２部分の温度上昇を防止する為には、冷 気吹き出し口８から吹き出す冷気の温度をより低く抑えると共に、この冷気吹き 出し口８から吸気口９に向けて流れ、上記エアカーテンを構成する、冷気の流速 を速くする事が効果がある。但し、この様な手段によれば、冷気の消費量が増え て、運転経費が嵩むだけでなく、陳列スペース２内に手や上半身を入れる客に違 和感を与え、しかも通路１部分の温度迄必要以上に低下して、客に寒い思いをさ せる原因となる為、好ましくない。

【００１０】 この為、従来の冷蔵ショーケースを利用して生鮮食料品を販売する場合、売れ 残った商品７、７は、比較的早期に廃棄しなければならず、商品の歩留まりが悪 く、販売店の収益率を悪化させている。

【００１１】 本考案の冷蔵ショーケースは、上述の様な事情に鑑みて考案されたものである 。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

本考案の冷蔵ショーケースは、それぞれが熱伝導性の高い金属材製の平板であ り、互いに平行に且つ間隔をあけて配置された下板及び上板と、熱伝導性の高い 金属材製の板材を折り曲げ形成した、少なくとも１枚の波板により構成され、一 部を上記下板の上面及び上板の下面にろう付け若しくは半田付け接合した状態で 、これら上板と下板との間に挟持されたスペーサとから成る導風板を、ショーケ ース上面の陳列板上に載置し、この導風板の上面に冷蔵保存すべき商品を載置自 在とすると共に、上記導風板の内部で、上記下板の上面と上板の下面との間に存 在する多数の空間の一端を冷気吐出口に、他端を吸気口に、それぞれ通じさせる 事で、構成される。

【００１３】

【作用】

上述の様に構成される本考案の冷蔵ショーケースの場合、内部に冷気を流通さ せる導風板の温度が低下し、この導風板に載せられた商品が冷却される。導風板 内部の多数の空間内を流通する冷気は、冷気吐出口から吸気口に向けて効率良く 流れ、冷蔵ショーケース外に流失する事は少ない為、運転経費が嵩む事もない。

【００１４】

【実施例】

図１〜２は本考案の第一実施例を示している。前述した従来の冷蔵ショーケー スと同様に、客が通る通路１の脇で、この通路１よりも高くなった部分には、下 壁３と上壁４と奥壁５とにより三方を囲まれ、上記通路１側のみが開口した陳列 スペース２を設けている。そして、下壁３の上面に陳列板６を設け、この陳列板 ６の上面に、刺身等の冷蔵すべき商品７、７を陳列している。

【００１５】 特に、本考案の冷蔵ショーケースの場合、上記陳列板６の上面に、図２に示す 様な導風板１１を、図１に示す様に複数枚載せ、この複数枚の導風板１１、１１ の上面に、上記商品７、７を陳列している。この導風板１１は、それぞれがアル ミニウム合金製の平板である上板１２及び下板１３と、２枚の波板１４、１４を 組み合わせて成るスペーサ１５とにより構成されている。

【００１６】 上記上板１２と下板１３とは互いに平行に、且つ、互いに間隔をあけて配置し ている。又、アルミニウム合金製の板材を折り曲げ形成した２枚の波板１４、１ ４は、互いの片面凸部同士を当接させて、スペーサ１５とすると共に、このスペ ーサ１５の上下両面の凸部を、上記上板１２の下面、下板１３の上面に当接させ ている。そして、上記スペーサ１５を構成する２枚の波板１４、１４同士をろう 付けすると共に、一方（図２の上方）の波板１４を上板１２の下面に、他方（同 図の下方）の波板１４を下板１３の上面にろう付け接合し、上記下板１３の上面 と上板１２の下面との間に多数の空間１６、１６を有する、導風板１１を構成し ている。

【００１７】 上述の様な導風板１１、１１は、前記陳列板６の上面に載置する。この場合に 於いて、各導風板１１、１１内に設けられた上記多数の空間１６、１６が、前記 陳列スペース２の開口から奥壁５に向けて、図１の左右方向に亙って配置される 様に、各導風板１１、１１を上記陳列板６の上面に載せる。

【００１８】 一方、上記奥壁５の中間部で、上記導風板１１、１１内の空間１６、１６の奥 端開口に対向する部分には、冷気吐出口１７を設けている。又、下壁３の通路１ 寄り端部には、上方に向けて開口した吸気口９を設け、この吸気口９と上記冷気 吐出口１７とを、ダクト１０により通じさせている。そして、このダクト１０の 途中に設けた、図示しない送風機と空気冷却器とにより、吸気口９から吸引した 空気を冷却してから、上記冷気吐出口１７より吹き出す様にしている。

【００１９】 上述の様に構成される本考案の冷蔵ショーケースの場合、冷気吐出口１７から 各導風板１１、１１内の空間１６、１６に吹き込まれる冷気により、上記各導風 板１１、１１の温度が低下し、この導風板１１、１１に載せられた商品７、７が 冷却される。上記各導風板１１、１１内部の多数の空間１６、１６内を流通する 冷気は、上記冷気吐出口１７から吸気口９に向けて効率良く流れ、冷蔵ショーケ ースの陳列スペース２外に流失する事は少ない。

【００２０】 又、客が上記商品７、７に手を延ばす際に、上記冷気吐出口１７から吸気口９ に向けて流れる冷気に体の一部が触れる事はない為、この冷気の温度や流速は比 較的自由に設定出来る。従って、上記各導風板１１、１１の温度を十分に低くし て、上記商品７、７の傷み防止を確実に図れる。この場合に於いて、陳列スペー ス２外に流失する冷気を少なく抑える事が出来る為、運転経費が徒に嵩む事はな い。

【００２１】 尚、商品７、７が断熱性のパックに納められている等により、導風板１１、１ １を冷却するのみでは、上記商品を十分低温に保てない様な場合には、図３に示 した第二実施例の様に、導風板１１の上面に複数の小孔１８、１８を形成し、各 小孔１８、１８を通じて、前記空間１６、１６内を流れる冷気の一部が、導風板 １１、１１上面の商品７、７（図１）に向けて吹き出す様に構成する事も出来る 。この様に導風板１１、１１の上面から吹き出した冷気は、この導風板１１、１ １或は商品７、７の上面に沿って流れてから、前記吸気口９に吸引される。

【００２２】 又、空間１６、１６内を流れる冷気の一部を導風板１１の上面に流出させる為 には、上述の様に、導風板１１の上面に小孔１８、１８を形成する他、前後に隣 り合う導風板１１、１１の間に隙間を設け、この隙間を通じて上記冷気を導風板 １１、１１の上面に流出させる事も出来る。

【００２３】 又、導風板１１、１１に加えて、前記従来の冷蔵ショーケースの様なエアカー テンを設けたり、上壁４の広い範囲から冷気を商品７、７に向けて流下させる事 も可能である。この場合に於いて、図３に示す様な導風板１１を、上下逆にして 上壁４の下面に支持すれば、商品７、７に冷気を、広い範囲に亙って流下させる 事を容易に行なえる。更に、導風板１１の下面、即ち商品７、７とは反対側の面 に断熱材を添着する事により、この下面に於ける熱伝達を防止すれば、より運転 経費の節減を図れる。

【００２４】

【考案の効果】

本考案の冷蔵ショーケースは、以上に述べた通り構成され作用する為、客に違 和感を与えたり、或は運転経費を高くしたりする事なく、商品の温度を十分に低 く保つ事が出来て、刺身等の傷み易い生鮮食料品の歩留まりを向上させる事が出 来る。

【００２５】 又、従来の冷蔵ショーケースに比較的簡単な改良を施す事により構成出来る為 、既存の設備を利用する事により、定休日等を利用して短時間で設置出来る。こ の為、改良作業に伴なって休業する必要もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す略縦断側面図。

【図２】導風板の第一実施例を示す部分斜視図。

【図３】同第二実施例を示す部分斜視図。

【図４】従来構造の１例を示す略縦断側面図。

【符号の説明】 １ 通路 ２ 陳列スペース ３ 下壁 ４ 上壁 ５ 奥壁 ６ 陳列板 ７ 商品 ８ 冷気吹き出し口 ９ 吸気口 １０ ダクト １１ 導風板 １２ 上板 １３ 下板 １４ 波板 １５ スペーサ １６ 空間 １７ 冷気吐出口 １８ 小孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれが熱伝導性の高い金属材製の平
   板であり、互いに平行に且つ間隔をあけて配置された下
   板及び上板と、熱伝導性の高い金属材製の板材を折り曲
   げ形成した、少なくとも１枚の波板により構成され、一
   部を上記下板の上面及び上板の下面にろう付け若しくは
   半田付け接合した状態で、これら上板と下板との間に挟
   持されたスペーサとから成る導風板を、ショーケース上
   面の陳列板上に載置し、この導風板の上面に冷蔵保存す
   べき商品を載置自在とすると共に、上記導風板の内部
   で、上記下板の上面と上板の下面との間に存在する多数
   の空間の一端を冷気吐出口に、他端を吸気口に、それぞ
   れ通じさせた冷蔵ショーケース。