JPH0677685B2 - エチレンからエチレンオキシドの製造方法 - Google Patents

エチレンからエチレンオキシドの製造方法

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JPH0677685B2
JPH0677685B2 JP4280794A JP28079492A JPH0677685B2 JP H0677685 B2 JPH0677685 B2 JP H0677685B2 JP 4280794 A JP4280794 A JP 4280794A JP 28079492 A JP28079492 A JP 28079492A JP H0677685 B2 JPH0677685 B2 JP H0677685B2
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silver
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pores
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直弘 野尻
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、エチレンを分子状酸素で酸化し
てエチレンオキシドを製造するための新規な銀触媒の製
造方法に関するものである。
【0002】近来上記反応に用いられる銀触媒の調製法
としてはアンモニアも含めたアミンにより銀塩を錯化し
た水性溶液を多孔質耐火性担体に含浸し、空気などによ
り加熱して担体上に銀を析出させる方法が公知である。
アミンを使用することにより、低温で分解還元される銀
塩を該アミン錯体として均一な水性溶液とすることがで
き、このため微細で均一な銀粒子を耐火性物質の成形体
からなる多孔質担体上に析出させることが可能で、優秀
な触媒を調製し得るとされている。特公昭55−221
46号公報によれば、銀塩含有水溶液から銀を析出させ
て触媒とするためには、100〜375℃において2〜
8時間の加熱が必要で、加熱媒体として空気が使用され
ている。本発明者らによれば上記加熱方式では触媒粒子
内において銀担持量の不均一な分布が生じ、しかも同公
報の実施例に記載されている加熱温度と時間を採用する
と銀粒子の凝集・生長が起ることが観察された。例えば
空気中で270℃、2時間焼成して調製した、表面積
0.4m2/gの担体上にAgを13重量%担持した触媒
では、担持された銀粒子の多くのものが粒子径0.4μ
以上となり、銀粒子が大きく、かつ触媒粒子中に不均一
に分布していることが確認される。この為充分な触媒性
能を得ることができない。
【0003】本発明によれば、担体上に担持された銀粒
子が微小且つ均一で、このため触媒としての活性が高
く、さらに銀粒子の担持量が触媒の外表層部から内層部
にわたつて非常に均一であり、反応に伴なう銀粒子の凝
集速度が遅く、触媒寿命が長いエチレンからエチレンオ
キシドを製造するための新規な触媒の製造方法が提供さ
れる。本発明の方法により製造される触媒は、その上、
反応活性種である銀を修飾し反応の選択性を改善する効
果のあるカチオン成分及びアニオン成分の担持量の触媒
粒子内分布が均一であり、銀を均一に修飾するので生成
するエチレンオキシドの選択性が向上する。
【0004】さらに、本発明の製造方法によれば、従来
技術の欠点を克服した上記特徴を有する触媒を、殊に低
温、短時間で作り得ることができる利点がある。
【0005】以下本発明について詳細に説明する。
【0006】本発明によれば、銀塩及び錯体形成剤とし
てのアミンを含有する水性溶液を耐火性物質の成形体か
らなる多孔質担体に含浸し、該担体を過熱水蒸気で加熱
して該担体上に銀を析出させることにより上述した特徴
及び利点を有するエチレンからエチレンオキシド製造用
の触媒を製造することができる。
【0007】本発明の製造方法においては、銀塩及び錯
体形成剤としてのアミンを含有する水性溶液を含浸した
該多孔質担体が、該水性溶液の少くとも一部を含有する
状態で、120℃以上の温度の過熱水蒸気と接触させる
ことにより該担体上に銀を析出させることが好ましい。
特に、銀塩及び錯体形成剤としてのアミンを含有する水
性溶液を含浸した該多孔質担体が、該水性溶液中の水性
媒体の乾燥率(除去率)が0〜70重量%、好ましくは
0〜50重量%の状態で、該多孔質担体を120〜50
0℃、好ましくは120〜300℃、就中150〜26
0℃の温度の過熱水蒸気と接触させることにより該担体
上に銀を析出させることが有利である。本発明の上記製
造方法で用いる銀塩としては、アミン(アンモニアを含
む)と水性媒体に可溶の錯体を形成した場合に、500
℃以下、好ましくは300℃以下、特に好ましくは26
0℃以下の温度で分解して銀を析出しうるような銀塩で
あれば如何なるものでもよい。かような銀塩としては例
えば酸化銀、硝酸銀及び炭酸銀、シユウ酸銀、酢酸銀な
どのカルボン酸銀などがあげられるが、殊にカルボン酸
銀が好ましい。
【0008】錯体形成剤としてのアミンとしては、銀を
溶液状に維持する配位子として作用するものであれば如
何なるものでもよく、例えばピリジン、アセトニトリ
ル、炭素原子数1〜6の第一級又は第二級アミン又はア
ンモニアがあげられる。好ましいアミンとしては、アン
モニア、ピリジン、ブチルアミンなどのモノアミン、ア
ルカノールアミンたとえばエタノールアミン、炭素数2
〜4のアルキレンジアミン、ポリアミンなどが挙げられ
るが、殊に炭素数2〜4のジアミンが好ましく、エチレ
ンジアミン、1,3−プロパンジアミンが好適である。
就中エチレンジアミンと、1,3−プロパンジアミンの
併用が最も好ましい。勿論他のアミンとの併用、更には
他の化合物、例えばジメチルホルムアミドの微量の添加
も効果がある。上記銀塩とアミンを、好ましくは水溶液
として均一な溶液とする。水以外にアルコール等の水可
溶性有機溶媒と水との混合溶媒も勿論使用できる。これ
を多孔質耐火性担体に含浸する。
【0009】多孔質耐火性担体としてはα−アルミナ、
炭化硅素、チタニア、ジルコニア、マグネシアなどがあ
るが、特に表面積が0.01〜2m2/g、好ましくは
0.2〜0.7m2/gで、細孔容積が0.2〜0.5ml
/g、平均細孔径が0.1〜20μのα−アルミナ担体
が好ましい。その形状は球状、リング状、円筒状などで
4〜15mm程度の成形物である。
【0010】含浸は当業者には公知の方法で行ない必要
に応じ減圧、加温、回転噴霧などの操作、装置を使用す
る。銀の担持量が、でき上りの触媒で5〜15重量パー
セントになるように含浸液の銀濃度及びアミン量を加減
する。銀塩を錯化(通常銀1モルに2個のアミノ基が対
応する)し得るに充分(通常、当量よりも1〜3割過剰
にアミンを加える)な量のアミンを加える。
【0011】本発明の製造方法においては、上記の如き
銀塩と錯体形成剤としてのアミンを含有する水性溶液を
耐火性物質の成形体からなる多孔質担体に含浸し、この
担体を過熱水蒸気で好ましくは120℃以上の温度に加
熱しながら該担体上に銀の析出を実質的に完了させるの
である。
【0012】それ故、特開昭53−1191号公開公報
には、熱分解可能な銀錯化合物、ナトリウム化合物及び
重アルカリ金属化合物の水溶液を担体に含浸させ、含浸
された担体の水分損失が起らないように水蒸気、特に飽
和水蒸気により銀化合物が分解を開始するまで処理し、
次いでCO2、N2又は空気等のガス中で150〜300
℃の温度で一定重量となるまで加熱するエチレンオキシ
ド製造用触媒の製造法が開示されているが、本発明の製
造方法はかような方法とは明瞭に相違するものである。
【0013】本発明においては、例えばシユウ酸銀を
1,3−プロパンジアミンで錯化した含浸水溶液からの
銀の析出反応は120℃付近で起り、それが完了するに
必要な熱量を過熱水蒸気により供給しさえすれば、その
温度での過熱水蒸気による加熱で触媒を調製できる。
【0014】担体上に析出した銀の凝集は空気中で殊に
200℃以上の高温で加熱した場合に著るしく起るが、
本発明におけるように過熱水蒸気中で加熱すると析出し
た銀粒子の凝集が極めて効果的に抑制される利点があ
る。
【0015】しかしながら、過熱水蒸気による加熱にお
いても、例えば過熱水蒸気の温度が260℃以上の高温
となればなる程、また加熱時間が長くなればなる程、銀
粒子の凝集が増大する傾向が大となるので、なるべく凝
集が起らないように条件を制御するのが好ましい。
【0016】触媒担体に対する銀の担持量は、触媒全体
をベースにして、銀粒子が5〜20重量%、好ましくは
8〜15重量%担持させるのが有利である。
【0017】本発明の方法によると、担体上に析出する
典型的な銀粒子の直径(球状でない場合は短かい方の直
径)d(μ)は、主としてAg担持率と担体表面積に左
右されることが見出された。本発明において好ましい範
囲、すなわちAg担持率8〜15%、担体表面積0.2
〜0.6m2/gの範囲ではその関係は上記銀粒子の直径
をd(μ)とすると、
【0018】
【数1】dα[Ag担持量]0.2[担体表面積]-1.2 という式で近似できるようである。
【0019】特公昭53−33565号公告公報には、
a)熱分解性の銀塩を不活性支持体粒子に含浸し、b)
160℃を超えない温度で乾燥し、c)温度を270〜
350℃の選定された値になるように過熱水蒸気を流
し、d)同温で少くとも1時間をかけて空気と置換し、
e)同温で少なくとも30分間加熱空気を流して触媒を
調製する方法が開示されている。この方法は触媒調製時
において非常に複雑で長時間の加熱処理を必要とし、こ
れによつてはじめて良好な触媒を得ることができる。
【0020】また同公報には、熱分解性の銀塩としてア
ミンにより錯化された状態の銀塩を使用することについ
ては記載されていない。それ故、本発明者らのアミン錯
塩を使用する立場からすると、同公報の方法では、好ま
しくない高温かつ長時間での加熱処理を採用している。
例えば、本発明の好ましい温度範囲150〜260℃、
15分程度という短時間に対し、同公報の方法では27
0〜350℃、好ましくは290〜320℃における過
熱スチーム処理と更に少くとも1.5時間以上の加熱空
気処理とを要する。本発明で用いる銀塩のアミン錯体に
対してこのような処理を行うと、析出した銀粒子の著し
い凝集と、激しい粒子内不均一分布がもたらされる。前
者は高温空気処理に、後者は水蒸発時の含浸担体の温度
(100℃付近)と、過熱スチームとの間の大きな温度
差(この為水の蒸発が激しく起りすぎる)に主に由来す
ると思われる。さらに同公報の方法においては充分長い
時間(1〜10時間)の乾式加熱による乾燥操作が、過
熱水蒸気による加熱処理の前に必須であり、本発明にお
けるように含浸担体中に水分が残つた状態での過熱スチ
ームによる加熱とは、処理方式が全く異なつている。
【0021】本発明の製造方法においては、耐火性物質
の成形体の多孔質担体に、銀粒子の他に、(D) カチ
オン成分として、(D−1) リチウム、ナトリウム、
カリウム、ルビジウム及びセシウム(アルカリ金属元
素)、(D−2) カルシウム及びバリウム(アルカリ
土類金属元素)、及び(D−3) タリウム、スズ及び
アンチモンから成る群から選ばれる少くとも1つの元
素、を担持させることが好適である。
【0022】上記(D)のカチオン成分としては、 i) リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及
びセシウムから成る群から選ばれる少くとも一種のアル
カリ金属元素、又は、 ii) 上記i)で述べた少くとも1種のアルカリ金属
元素とバリウムとの組合わせが好適である。
【0023】上記i)のグループのカチオン成分として
は、特にナトリウム−セシウムの組合わせ、ナトリウム
−カリウムの組合わせ、ナトリウム−ルビジウムの組合
わせ、カリウム−セシウムの組合わせ、リチウム−セシ
ウムの組合わせが好適であり、上記ii)のグループと
してはグループi)の上記2元素の組合わせにさらにバ
リウムを組合わせたもの、殊にナトリウム−セシウム−
バリウムの組合わせは好適である。
【0024】また、本発明の製造方法においては、耐火
性物質の成形体の多孔質担体に、銀粒子の他に、(D)
カチオン成分として、(D−1) リチウム、ナトリ
ウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムから成る群か
ら選ばれる少くとも1種のアルカリ金属元素、(D−
2) カルシウム及びバリウムから選ばれる少くとも1
種のアルカリ土類金属元素、及び(D−3) タリウ
ム、スズ及びアンチモンの少くとも1種の元素、と
(E) アニオン成分として弗素、塩素及び臭素からな
る群から選ばれる少くとも1種の元素とを担持させるこ
とがより好適である。
【0025】カチオン成分を多孔質担体に担持させるに
は、一般に水溶性の化合物の形で添加するのが望ましく
殊に硝酸塩、ハロゲン化物、水酸化物、炭酸塩、重炭酸
塩、カルボン酸塩などが一般的である。酸化物も使用で
きる。例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸
ナトリウム、酢酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸セシ
ウム、塩化セシウム、硝酸ルビジウム、硝酸バリウム、
水酸化バリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、
塩化タリウム、臭化スズ、塩化アンチモンなどが挙げら
れる。
【0026】上記化合物のそれぞれの適当量を、同時に
又は個別に含浸液中に加えて多孔質担体に担持させるこ
とができる。又はこれらの添加物を銀よりも前に又は後
に担体上に担持することも可能で、これらの加熱担持は
公知の方法によつても行なえるが、過熱スチームを使用
すると特に上記カチオン成分の触媒粒子内の分布が均一
となり、性能上好ましい。
【0027】アニオン成分の添加も上記カチオン成分の
添加と同様に行なうことができる。アニオン成分は、一
般に水溶性の化合物の形で添加するのが望ましく、殊に
添加すると好ましい上記カチオン成分すなわちリチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなど
のアルカリ金属元素、バリウム、カルシウムなどのアル
カリ土類金属元素、タリウム、スズ、アンチモンとの塩
の形で添加するのが好ましい。アンモニウム塩も使用で
きる。一例をあげれば、臭化リチウム、塩化ナトリウ
ム、弗化カリウム、塩化セシウム、塩化タリウム、塩化
アンモニウムなどである。
【0028】上記化合物の適当量を含浸液中に加えて銀
と同時に多孔質担体に担持させることができる。
【0029】又はこれらの添加物を銀よりも前に又は後
に担体上に担持することも可能で、これらの加熱担持は
公知の方法によつても行なえるが、過熱スチームを使用
すると特に上記アニオン成分の触媒粒子内の分布が均一
となり、性能上好ましい。
【0030】本発明によれば、以上述べた製造方法によ
り、耐火性物質の成形体からなる多孔質担体に少くとも
銀粒子が担持された触媒であつて、(A) 銀が該担体
の外表面及び細孔内表面上に分布されており、(B)
該担体の細孔内表面上に分布された銀粒子の平均直径は
0.05ないし0.4ミクロンの範囲内、好ましくは0.
1ないし0.3ミクロンの範囲内であり、(C) 該触
媒の外表層部の銀担持率(S)と、該触媒の最内層部の
銀担持率(I)との間に下記式、
【0031】
【化6】I≧0.65S、好ましくはI≧0.7S が充足されることを特徴とするエチレンからエチレンオ
キシドを製造するための触媒が得られる。
【0032】上記(B)の担体細孔内表面に分布されて
いる銀粒子の平均直径は、触媒粒子断面に対する走査電
子顕微鏡法によつて測定することができる。本発明にお
いては、例えば走査電子顕微鏡写真(例えば倍率10,
000倍)に明瞭に観察される銀粒子について、銀粒子
の大きなもの約30個及び銀粒子の小さなもの約30個
の各粒子の直径(球形でない場合は短かい方の直径)を
読みとり、その総和を粒子の総数(60)で割る(平均
する)ことによつて求めることができる。
【0033】上記(C)で規定した本発明の方法により
製造される触媒の外表層部の銀担持率(S)と、該触媒
の最内層部の銀担持率(I)とは、本発明触媒の外表面
から内層に向つて触媒を漸次削り取つてゆき、その削り
取つた触媒の単位重量(例えば1gram)当りの銀の
含量(重量)を定量することによつて求めることができ
る。
【0034】本発明においては、触媒の外表層部とは、
触媒粒子1個の重量を100%としたときの、該触媒
(担体)の外表面からその内層に向つてなるべく均一に
平均約5重量%(ほぼ4〜6%の範囲)を削り取つた部
分を示す。また、触媒の最内層部とは、上記触媒粒子
(担体)の外表面からその内層に向つてなるべく均一に
平均約60重量%(ほぼ50〜70%、好ましくは55
〜65%の範囲)を削り取つた後に残る触媒の内層部
(最内層部)を意味する。
【0035】上記SとIの簡便測定法としては、例えば
触媒粒子30〜50個をとり(その全重量を測定す
る)、それを回転容器中で回転して各触媒粒子の表面か
ら内層に向つて削りとり、上述した方法に従つて触媒粒
子全部の平均値としてのS及びIを求めることができ
る。
【0036】本発明の方法により製造される触媒は、以
上に述べた触媒の外表層部の銀担持率(S)及び触媒の
最内層部の銀担持率(I)との間に、下記式
【0037】
【化7】I≧0.65S、より好ましくはI≧0.7S の関係が満足される。なお上記式I≧0.65Sにおい
て、Iが0.65Sよりも大きい程好適である。
【0038】これにより、本発明の方法により製造され
る触媒においては、触媒粒子の表層部から、その最内層
部にわたつて、銀粒子が極めて均一に担持されているこ
とが明らかである。
【0039】さらに、前記(B)の平均直径から明らか
なように、本発明の方法により製造される触媒において
は触媒担体の細孔内表面上に分布される銀粒子は、極め
て微細且つ均一で、大きな凝集塊を実質的に含んでいな
いことが明らかである。
【0040】本発明によれば担体上に析出した銀粒子の
平均直径は好ましくは0.3μ以下、特に0.2μ以下と
微小でこの為触媒としての活性が高く、さらに触媒粒子
内の銀粒子の分布は、代表的にはI≧0.7S、好まし
くはI≧0.75Sというように非常に均一であり、反
応に伴なう銀粒子の凝集速度が遅く触媒の寿命が長くな
る。その上、好適な態様としては、反応活性種である銀
を修飾し反応の選択性を改善する効果のあるカチオン成
分及びアニオン成分が使用される。
【0041】かくして、本発明によれば、より好ましい
触媒として、耐火性物質の成形体からなる多孔質担体
に、少くとも銀粒子が担持されている他に、(D) カ
チオン成分として、(D−1) リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、ルビジウム及びセシウムから成る群から
選ばれる少くとも1種のアルカリ金属元素、(D−2)
カルシウム及びバリウムから成る少くとも1種のアル
カリ土類金属元素、及び(D−3) タリウム、スズ及
びアンチモンの少くとも1種の元素が担持されている触
媒が得られる。
【0042】上記(D)のカチオン成分としては、特
に、 i) (D−1)リチウム、ナトリウム、カリウム、ル
ビジウム及びセシウム、から成る群から選ばれる少くと
も1種のアルカリ金属元素、又は ii) 上記(D−1)の少くとも1種のアルカリ金属
元素と(D−2)のバリウムが好適である。
【0043】本発明の方法により製造されるさらに好適
な触媒は、耐火性物質の成形体からなる多孔質担体に、
少くとも銀粒子が担持されている他に、(D) カチオ
ン成分として(D−1) リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、ルビジウム及びセシウムから成る群から選ばれる
少くとも1種のアルカリ金属元素、(D−2) カルシ
ウム及びバリウムの少くとも1種のアルカリ土類金属元
素、及び(D−3) タリウム、スズ及びアンチモンの
少くとも1種の元素と、(E) アニオン成分として弗
素、塩素及び臭素からなる群から選ばれる少くとも1種
の元素が担持されているものである。
【0044】上記カチオン成分としては、リチウム、ナ
トリウム及びバリウムの1種又は2種以上及び/又はカ
リウム、ルビジウム又はセシウムの少くとも1種が好ま
しい。
【0045】特に、該担体の外表面及び細孔内表面上に
カチオン成分が担持されており、該細孔内表面の触媒外
表層部における該カチオン成分としてのアルカリ金属元
素の担持率(Sc)と該細孔内表面の触媒最内層部にお
けるカチオン成分としてのアルカリ金属元素の担持率
(Ic)との間に下記式、
【0046】
【化8】Ic≧0.3Sc が満足されるものは、本発明の好ましい触媒である。上
記のSc及びIcの測定は、既に述べた銀粒子の触媒内
分布に関するS及びIの測定と同じ測定法によつて行う
ことができる。
【0047】本発明の方法により製造される触媒は、該
担体の外表面及び細孔内表面上にリチウム、ナトリウム
及びバリウムの少くとも1種のカチオン成分が担持され
ている場合は、該細孔内表面の触媒外表層部における該
リチウム及び/又はナトリウムの担持率(Sc)と、該
細孔内表面の触媒最内層部におけるリチウム及び/又は
ナトリウムの担持率(Ic)との間に下記式
【0048】
【化9】Ic≧0.3Sc、好ましくはIc≧0.4Sc が充足され、また、該担体の外表面及び細孔内表面上に
カリウム、ルビジウム及びセシウムの少くとも1種のア
ルカリ金属元素が担持されている場合は、該細孔内表面
の触媒外表層部における該アルカリ金属元素の担持率
(Sc)と、該細孔内表面の触媒最内層部における該ア
ルカリ金属元素の担持率(Ic)との間に下記式
【0049】
【化10】 Ic≧0.5Sc、好ましくはIc≧0.6Sc が充足されるものが特に有利である。
【0050】カチオン成分の担持量としては、触媒全体
をベースにして、 1) ナトリウム及びリチウムの場合は0.1〜1重量
%、 2) カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムの
場合は0.1重量%以下、 3) バリウムの場合は1重量%以下 が好ましく、アニオン成分の担持量としては0.05重
量%以下が好適である。本発明によれば、図1に示すよ
うに過熱スチームは、含浸担体が低温の状態にある場合
に速かにその温度を上昇させかつ担体層全体を均一に加
熱する。通常本発明の触媒製造法においては、水の蒸発
および銀錯塩の分解による銀の析出反応が加熱過程にお
いて起るが、過熱スチームはこの水の蒸発および銀の析
出反応を同時又は別々に均一に行わせる点で従来法より
も勝れており、このため図2に示すように析出した銀粒
子が微細で、かつ図6に示すように銀及び他の添加成分
が均一な分布をしている。本発明により製造した触媒
は、従がつて、高活性で、選択性も優れかつ長寿命であ
る。
【0051】本発明で使用する過熱スチームは触媒の工
業的調製法においては常圧付近の圧力を持つものが実用
的であり、その温度が120〜500℃、特に120〜
300℃が好ましい。特に好ましくは150〜260℃
である。加熱時間は1分〜3時間の程度が好ましく、殊
に実用的な見地及び触媒の性能の面から短かい方が望ま
しく、通常3分〜15分が最も好適である。勿論加熱す
べき含浸担体の量、スチームの温度及びその流速により
最低必要な時間が決定される。スチームの流速は0.3
m/秒〜5m/秒が生成した触媒の性能面および実用的
な見地から好適である。
【0052】本発明における過熱スチームによる加熱の
方法として、含浸担体は固定床又は移動床の形で、単層
又は多層に積まれ、上方又は下方、又は側方から過熱ス
チームを流通することができる。過熱スチームは層全体
を均一な温度で加熱できるので層間の銀分布の不均一性
がなく、実用的見地からは多層焼成が経済的である。過
熱スチーム中に窒素、空気などをある程度混入させるこ
とも可能である。また出口スチーム中には銀塩の分解に
より生成するアミン及び他の分解物が含まれ、その蓄積
を防止する為にある量のパージは必要であるが、基本的
には過熱スチームのリサイクルが可能であり経済的であ
る。スチーム量と含浸担体量により異なるが例えば90
%のリサイクルが可能である。
【0053】本発明の方法においては、銀塩及び錯体形
成剤としてのアミンを含有する水性溶液又はこれとカチ
オン及び/又はアニオン成分の水性溶液を含浸した多孔
性担体が、該水性溶液中の水性媒体の乾燥率(除去率)
が0〜70重量%、好ましくは0〜50重量%の状態と
なるように、含浸した担体をそのまま又は過剰の含浸液
を液切りした後過熱水蒸気で加熱するか、或は100℃
以下の温度で、例えば流通空気中で乾燥した後、上述し
た方法に従つて過熱水蒸気で加熱し、担体上に銀を析出
させるのが好適である。
【0054】本発明の方法により製造される触媒を用い
てエチレンをエチレンオキシドに転換する反応は慣用操
作法で実施できる。例えば、圧力は1〜35kg/cm
2、温度は180〜300℃、好ましくは200〜26
0℃である。エチレンは1〜40Vol%、酸素は1〜
20Vol%で、一般に希釈剤例えばメタンを一定割合
例えば20〜70Vol%で存在させることが好まし
い。酸素は空気の形態でまたは工業用酸素とし供給して
よい。反応改変剤として例えば2塩化エチレンを加える
ことにより触媒中にホツトスポツトの形成が防止できか
つ触媒の性能殊に選択性が大巾に改善される。添加量と
しては数ppm(重量)〜数10ppm程度が好まし
い。
【0055】次に実施例及び比較例をあげて本発明を説
明する。
【0056】
【実施例】実施例1 Na2CO3 26.9gを水1lに溶解し、α−アルミナ
担体(8φ×3φ×8mmのリング状。表面積0.5m2
/g、細孔容積0.4ml/g)1kgを浸漬した。余
分の液をしたたり落して、切つた後140℃の過熱スチ
ームで15分乾燥した。
【0057】一方AgNO3 248gと蓚酸カリウム
(K224・H2O)148gを各々1lの水に溶解し
た後混合し、水浴中で60℃に加熱して蓚酸銀の白色沈
殿を得た。濾過後蒸留水により沈殿を洗浄して沈殿物中
のカリウムを除いた。別に1,3−プロパンジアミン2
1.7gとエチレンジアミン79.1gを水に溶解して水
溶液200mlを調製し、氷冷しながら上記蓚酸銀沈殿
に少量ずつ添加して蓚酸銀−アミン錯体溶液を調製し
た。これに、硝酸バリウム1.49g、塩化セシウム0.
234gを溶解した水溶液40mlを混合した後ロータ
リーエバポレーター中に移し、Na2CO3を含浸後乾燥
した前記のα−アルミナ担体を加えて回転下50℃にて
含浸操作を実施した。含浸操作の初期に減圧し(100
mmHg)、常圧に戻して5分後に取出した。取出した
含浸α−アルミナ担体を、200℃の過熱スチームにて
10分間、2m/秒の流速で加熱して本発明の触媒を調
製した。Ag、Na、Ba、Cs及びClの担持率はそ
れぞれ13.5%、0.4%、670ppm、158pp
m及び42ppmであつた。図1(実線)にそのときの
加熱曲線を示す。この加熱曲線により、過熱スチームに
より含浸担体が速やかに加熱され水の沸騰温度になつて
いることがわかる。このため担体全表面から水が蒸発
し、触媒成分の均一分布を得ることができるものと考え
られる。その後200℃に加熱されるまでに水の蒸発と
銀錯塩の分解が連続して起る。図2は調製した触媒の走
査型電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)である。担
体の細孔内表面上に銀粒子が、均一な微細状態で析出し
ている。触媒粒子内全体にわたり図2に示される銀の分
布が保たれておりその平均直径は0.15μであり、銀
粒子の殆んどすべてが0.05〜0.3μの範囲にあつ
た。触媒のBET表面積は0.95m2/gであつた。図
6(実線)に触媒粒子内の銀の担持率分布を示す。該触
媒粒子の外表層面から内部に向つて6重量%までのA
g、Cs、Naの触媒当りの各担持率、S、SCs、SNa
はそれぞれ15.0%、177ppm、4350ppm
であり、外表層面から内部に向つて60重量%以上の内
部における各担持率、I、ICs、INaはそれぞれ13.
0%、134ppm、3500ppmであつた。従つ
て、I≒0.87S、ICs≒0.76SCs、INa=0.8
3SNaと算出され、各成分が触媒粒子の外表層部から最
内層部にわたつて均一に分布していることを示してい
る。
【0058】上記触媒を4〜9メツシユに砕きその5m
lを内径20mmの鋼製反応管に充填し反応ガス(エチ
レン30Vol%、酸素8Vol%、塩化ビニル2pp
m、残り窒素)を18kg/cm2Gの加圧下SV40
00h-1で通過させた。通過開始直後に活性が発現す
る。浴温212℃で1週間反応後酸素転化率40%、エ
チレンオキシドの選択率81.7%を得た。反応後の触
媒のBET表面積は0.84m2/gであつた。1.5ケ
月の連続運転中に酸素転化率40%を保持するためには
浴温を2℃上昇させたが、選択率には変化は無かつた。
【0059】実施例2〜6 硝酸バリウムを添加しなかつた以外は、実施例1と全く
同様にして触媒を調製した。但し最終の加熱時の過熱ス
チームの温度、通過時間などを変化させた。これらの触
媒の過熱水蒸気による処理条件と、得られた各触媒のI
とSの比、実施例1と同様に反応を行なつた場合の結果
を第1表に示す。なおAg、Na、Cs、Clの担持率
はそれぞれ、13.5wt%、0.4wt%、158pp
m、42ppmであつた。表中のT40、S40は酸素転化
率40%を示すときの浴温(℃)、選択率(%)を示
す。
【0060】
【表1】 実施例2の触媒の3ケ月連続運転後のT40は218℃、
40は80.8%であつた。
【0061】実施例7〜8 担体としてNa2CO3を担持していないものを使用し又
硝酸バリウムを添加しなかつた以外は実施例1と全く同
様にして銀−CsCl含有触媒を調製した。それぞれの
担持量は13.5wt%および200ppmであつた。
但し加熱時の過熱スチームの通過時間を変化させ2種類
の触媒を作つた。反応の結果も併せて第2表に示す。
【0062】
【表2】 比較例1 この比較例1は、含浸担体の従来公知の空気加熱方式に
よるものではなく、本発明者らの発明による短時間空気
加熱方式によつて調製された触媒と本発明触媒との相違
を明らかにするものである。
【0063】最終の加熱を200℃の過熱スチームで行
なう代りに、200℃の加熱空気を2m/秒の流速で1
0分間流して行なつた以外は実施例2と全く同様にして
触媒を調製した。組成も実施例2と同一である。図1の
破線にその加熱曲線(対照触媒)を示す。図1の破線に
示すとおり、過熱スチームを用いた場合(図1の実線)
に比較して、加熱初期においては昇温速度が遅く沸騰温
度以下での恒率乾燥が進行する。この状態では担体粒子
の外表面で主として乾燥が起るので触媒成分は粒子外表
面に移動すると思われる。その後銀塩錯体の分解が進行
する。図3および図4に得られた触媒の走査型電子顕微
鏡写真を示す。図3は外表面近くの細孔内表面、図4は
内部の細孔内表面の状態を示し、触媒粒子内にAg粒子
の不均一分布があることが明らかである。図6(破線)
にAgの粒子内分布を示す。該触媒粒子の外表層から内
部に向つて6重量%までのAgのSは18.8%、そし
て外表層から内部に向つて60重量%以上内部における
Iは12%でI/S≒0.64であつた。以上より過熱
スチーム焼成に比し空気焼成では担体上に析出したAg
は、不均一に分布していることがわかる。
【0064】上記触媒(比較例1)を用いて実施例1と
同様にして反応を行わせたところ、反応初期においては
40=217℃、S40=81.3%であつたが、3ケ月
の連続運転後のT40は227℃、S40は79.8%であ
つた。実施例2の触媒に比較して温度の上昇巾が大き
く、かつ選択率の低下が著しいことがわかる。
【0065】比較例2 担体へのNaCOの担持のための加熱を140℃の
過熱スチームの代りに同温の空気を用い、最終の加熱を
300℃の過熱スチームの代りに300℃の加熱空気を
用いかつ2時間行なつたこと以外は、実施例6の触媒と
同一調製法、同一組成の触媒を調製した。図5にその走
査型電子顕微鏡写真(倍率10.000倍)を示す。A
g粒子の凝集が著しいことが分る。Ag粒子の平均直径
は0.4μであり、その分布は0.15μ〜0.7μに
わたつた。触媒のBET表面積は0.53m/gと小
さかつた。触媒粒子内のI/S≒0.60、INa/S
Na≒0.22であり、触媒粒子内のAg及びNaの分
布が不均一であることが確認された。 この触媒を実施例1と同様に反応させたが250℃にお
いて酸素転化率8%、選択率72%と、非常に低い性能
しか得られなかつた。 以下にSn、Sb、Tlをそれぞれ添加した本発明の触
媒についての実施例を示す。実施例9(Sn添加) Na CO 26.9gを水1l(リットル)に溶解
し、この溶液にα−アルミナ担体(8φ×3φ×8mm
のリング状。表面積0.5m /g、細孔容積0.4m
l/g)1Kgを浸漬した。余分の液をしたたり落とし
て、液切りした後140℃の過熱スチームで15分乾燥
した。 一方AgNO 248gと蓚酸カリウム(K
・H O)148gを各々1lの水に溶解した後混合
し、水浴中で60℃に加熱して蓚酸銀の白色沈澱を得
た。濾過後蒸留水により沈澱を洗浄して沈澱物中のカリ
ウムを除いた。別に1,3−プロパンジアミン21.7
gとエチレンジアミン79.1gを水に溶解して水溶液
200mlを調製し、氷冷しながら上記蓚酸銀沈澱に少
量ずつ添加して蓚酸銀−アミン錯体溶液を調製した。こ
れに、塩化セシウム0.234g及びSnCl 0.1
2gを溶解した水溶液40mlを混合した後ロータリー
エバポレーター中に移し、Na CO を含浸後乾燥し
た前記α−アルミナ担体を加えて回転下50℃にて含浸
操作を実施した。含浸操作の初期に減圧し(100mm
Hg)、常圧に戻して5分後に取り出した。取り出した
含浸α−アルミナ担体を、220℃の過熱スチームにて
20分間、2m/秒の流速で加熱して本発明の触媒を調
製した。 実施例10(Sb添加) SnCl を加える替わりに、SbCl 0.06gを
添加した以外は実施例9と同様にして触媒を調製した。 実施例11(Tl添加) SnCl を加える替わりに、TlNO 0.18gを
添加した以外は実施例9と同様にして触媒を調製した。 上記各触媒のI/S比と触媒性能の測定 (1) I/S比の測定 触媒の外表層部の銀担持率(S)と、該触媒の最内層部
の銀担持率(I)とは、触媒の外表面から内層に向かっ
て触媒を漸次削り取ってゆき、その削り取った触媒の単
位重量(例えば1gram)当たりの銀の含量(重量)
を定量することによって求めることができる。 触媒の外表層部とは、触媒粒子1個の重量を100%と
したときの、該触媒(担体)の外表面からその内層に向
かってなるべく均一に平均約5重量%(ほぼ4〜6%の
範囲)を削り取った部分を示す。また、触媒の最内層部
とは、上記触媒粒子(担体)の外表面からその内層に向
かってなるべく均一に平均約60重量%(ほぼ50〜7
0%)、好ましくは55〜65%の範囲を削り取った後
に残る触媒の内層部(最内層部)を意味する。 上記SとIの簡易測定法としては、触媒粒子30〜50
個をとり(その全重量を測定する)、それを回転容器中
で回転して各触媒粒子の表面から内層に向かって削りと
り、上述した方法に従って触媒粒子全部の平均値として
のS及びIを求めることができる。 この様にして測定した各触媒のI/S比を第3表に示し
た。 (2) 触媒性能の測定 触媒を6〜10メッシュに砕きその8mlを内径7.5
mmのステンレス製反応管に充填し反応ガス(エチレン
30Vol%、酸素8Vol%、塩化ビニル1.5pp
m、残り窒素)を14.5Kg/cm Gの加圧SV4
300h −1 で通過させた。1週間反応後、酸素転化率
40%のときの反応浴温度(T40℃)と、エチレンオ
キシドの選択率(S40%)を測定し、表1に示した。
T40は触媒の活性の尺度であり、より低いT40値は
より高い活性を意味する。S40は、T40における触
媒の選択率を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明触媒(実施例1)及び空気加熱に
よる対照触媒(比較例1)の昇温パターンを示す。
【図2】図2は走査型電子顕微鏡写真(倍率10,00
0倍)であつて、本発明の触媒(実施例2)の内部の多
孔表面の粒子構造を示す。
【図3】図3は走査型電子顕微鏡写真(倍率10,00
0倍)であつて、対照触媒(比較例1)の外表面近くの
粒子構造を示す。
【図4】図4は走査型電子顕微鏡写真(倍率10,00
0倍)であつて、対照触媒(比較例1)の内部の細孔内
表面の粒子構造を示す。
【図5】図5は対照触媒(比較例2)の内部の多孔表面
の粒子構造を示す。
【図6】図6は本発明の触媒(実施例2)及び空気加熱
による対照触媒(比較例1)の触媒粒子内の分布を示
す。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀塩及び錯体形成剤としてのアミンを含
    有する水性溶液を耐火性物質の成形体からなる多孔質担
    体に含浸し、該担体を過熱水蒸気で加熱して該担体上に
    銀を析出させて、耐火性物質の成形体からなる多孔質担
    体に少くとも銀粒子が担持された触媒で、(A) 銀が
    該担体の外表面及び細孔内表面上に分布されており、
    (B) 該担体の細孔内表面上に分布された銀粒子の平
    均直径は0.05ないし0.4ミクロンの範囲内であり、
    (C) 該触媒の外表層部の銀担持率(S)と、該触媒
    の最内層部の銀担持率(I)との間に下記式、 【化1】I≧0.65S を充足させる、ことを特徴とするエチレンからエチレン
    オキシド製造用触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 銀塩及び錯体形成剤としてのアミンを含
    有する水性溶液を含浸した該多孔質担体が、該水性溶液
    の少くとも一部を含有する状態で、120℃以上の温度
    の過熱水蒸気と接触させることにより該担体上に銀を析
    出させる特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 銀塩及び錯体形成剤としてのアミンを含
    有する水性溶液を含浸した該多孔質担体が、該水性溶液
    中の水性媒体の乾燥率(除去率)が0〜80重量%の状
    態で、該多孔質担体を120〜500℃の過熱水蒸気と
    接触させることにより該担体上に銀を析出させる特許請
    求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記(B)の担体の細孔内表面上に分布
    された銀粒子の平均直径が0.1ないし0.3ミクロンの
    範囲である特許請求の範囲第1項記載の触媒の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 上記(C)の触媒の外表層部の銀担持率
    (S)と、触媒の最内層部の銀担持率(I)との間に下
    記式、 【化2】I≧0.7S が充足される特許請求の範囲第1項記載の触媒の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 耐火性物質の成形体からなる多孔質担体
    に、少くとも銀粒子が担持されている他に、(D) カ
    チオン成分として、(D−1) リチウム、ナトリウ
    ム、カリウム、ルビジウム及びセシウム(アルカリ金属
    元素)、(D−2) カルシウム及びバリウム(アルカ
    リ土類金属元素)、及び(D−3) タリウム、スズ及
    びアンチモンから成る群から選ばれる少くとも1つの元
    素、が担持されている特許請求の範囲第1項記載の触媒
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 耐火性物質の成形体からなる多孔質担体
    に、少くとも銀粒子が担持されている他に、(D) カ
    チオン成分として、(D−1) リチウム、ナトリウ
    ム、カリウム、ルビジウム及びセシウム、から成る群か
    ら選ばれる少くとも1種の元素(アルカリ金属元素)、
    又は上記(D−1)の少くとも1種の元素と(D−2)
    のバリウムが担持されている特許請求の範囲第6項記載
    の触媒の製造方法。
  8. 【請求項8】 耐火性物質の成形体からなる多孔質担体
    に、少くとも銀粒子が担持されている他に、(D) カ
    チオン成分として(D−1) リチウム、ナトリウム、
    カリウム、ルビジウム及びセシウム(アルカリ金属元
    素)、(D−2) カルシウム及びバリウム(アルカリ
    土類金属元素)、及び(D−3) タリウム、スズ及び
    アンチモンから成る群から選ばれる少くとも1種の元
    素、と(E) アニオン成分として弗素、塩素及び臭素
    からなる群から選ばれる少くとも1種の元素が担持され
    ている特許請求の範囲第6項記載の触媒。
  9. 【請求項9】 該担体の外表面及び細孔内表面上にカチ
    オン成分が担持されており、該細孔内表面の触媒外表層
    部における該カチオン成分としてのアルカリ金属元素の
    担持率(Sc)と該細孔内表面の触媒最内層部における
    アルカリ金属元素の担持率(Ic)との間に下記式、 【化3】 Ic≧0.3Sc が充足される特許請求の範囲第1項ないし第項のいず
    れかに記載の触媒の製造方法。
  10. 【請求項10】 該担体の外表面及び細孔内表面上にリ
    チウム、ナトリウム及びバリウムの少くとも1種のカチ
    オン成分が担持されており、該細孔内表面の触媒外表層
    部におけるリチウム及び/又はナトリウムの担持率(S
    c)と、該細孔内表面の触媒最内層部におけるリチウム
    及び/又はナトリウムの担持率(Ic)との間に下記式 【化4】Ic≧0.3Sc が充足される特許請求の範囲第1項ないし第9項のいず
    れかに記載の触媒の製造方法。
  11. 【請求項11】 該担体の外表面及び細孔内表面上にカ
    リウム、ルビジウム及びセシウムの少くとも1種のカチ
    オン成分(アルカリ金属元素)が担持されており、該細
    孔内表面の触媒外表層部における該カチオン成分の担持
    率(Sc)と、該細孔内表面の触媒最内層部における該
    カチオン成分の担持率(Ic)との間に下記式 【化5】Ic≧0.5Sc が充足される特許請求の範囲第1項ないし第9項及び第
    10項のいずれかに記載の触媒の製造方法。
  12. 【請求項12】 該多孔質担体に少くとも銀粒子が担持
    された触媒であつて、該触媒全体をベースにして銀粒子
    が5ないし20重量%担持されている特許請求の範囲第
    1ないし第11項のいずれかに記載の触媒の製造方法。
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