JPH0676636A - 導電性基材 - Google Patents

導電性基材

Info

Publication number
JPH0676636A
JPH0676636A JP5184220A JP18422093A JPH0676636A JP H0676636 A JPH0676636 A JP H0676636A JP 5184220 A JP5184220 A JP 5184220A JP 18422093 A JP18422093 A JP 18422093A JP H0676636 A JPH0676636 A JP H0676636A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tin oxide
conductive
particles
fine powder
colloid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5184220A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0743967B2 (ja
Inventor
Goro Sato
藤 護 郎 佐
Michio Komatsu
松 通 郎 小
Hiroo Yoshitome
留 博 雄 吉
Toshiharu Hirai
井 俊 晴 平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Original Assignee
Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from JP61018363A external-priority patent/JPS62175794A/ja
Application filed by Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd filed Critical Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Priority to JP5184220A priority Critical patent/JPH0743967B2/ja
Publication of JPH0676636A publication Critical patent/JPH0676636A/ja
Publication of JPH0743967B2 publication Critical patent/JPH0743967B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)酸化スズ微粒子または異種元素をドープ
した酸化スズ微粒子が分散媒中に分散された酸化スズコ
ロイドと、 (b)バインダー樹脂とが、溶媒に溶解あるい
は分散されてなる導電性塗料を用いて形成された透明導
電膜を表面に有する導電性基材。 【効果】 上記導電性基材は、ヘーズが小さく、透明性
に優れた導電膜を表面に有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、導電性基材に関し、さら
に詳しくは透明性に優れた導電膜を表面に有する導電性
基材に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、硝子あるいはプラスチック
などの透明な基材に導電性を付与させることによって、
基材の帯電防止が図られることが多くなっている。
【0003】基材に導電性を付与するには、従来、基材
表面に、カーボン粉末、金属粉末、カーボン繊維あるい
は金属繊維を混入して導電性が付与された塗料を塗布す
ることが行われてきた。ところがこの塗料では、塗膜が
灰色または黒色を呈しているため、基材の色調が損なわ
れてしまうという問題点があった。これは、カーボン粉
末、金属粉末、カーボン繊維あるいは金属繊維自体が光
を吸収してしまうためである。
【0004】また、基材に導電性を付与するために、有
機溶媒に導電性粉末とバインダー樹脂とを分散あるいは
溶解してなる導電性塗料を基材表面に塗布して導電性塗
膜を形成する方法が広く行われてきた。そして透明性に
優れた導電性塗膜を形成するには、導電性粉末として酸
化スズ、酸化インジウムなどが用いられてきた。
【0005】ところが導電性粉末として酸化スズ、酸化
インジウムなどの導電性酸化物を用いて透明な導電性塗
膜を形成しようとすると、その透明性は必ずしも満足で
きず、基材表面に曇り(ヘーズ)が生じてしまうという
問題点があった。
【0006】もし基材表面に塗膜を形成した際にヘーズ
が生じてしまうと、たとえばディスプレイなどの表示材
料では画像が不鮮明となってしまう。このようなヘーズ
の発生原因としては、塗膜表面の凹凸に起因する光散乱
あるいは塗膜内部における導電性粒子による光散乱が考
えられる。
【0007】これらの塗膜表面の凹凸あるいは導電性粒
子による光の散乱を防止するには、塗膜中に含まれる導
電性粒子の平均粒径を小さくし、かつ0.8μm以上好
ましくは0.4μm以上の粗大粒子の存在割合を少なく
しなければならない。
【0008】このような透明導電性塗膜の透明性に伴う
問題点を解決するため、たとえば特公昭61−9343
号公報には、アンチモンを含有する酸化スズからなり、
その平均粒径が可視光の波長よりも小さい0.2μm以
下である導電性粉末を用いた導電性塗料が開示されてい
る。
【0009】しかしながら、特公昭61−9343号公
報に開示された導電性塗料では、特定量の塩化スズと塩
化アンチモンを溶解させた水溶液を加熱水中に注いで前
記塩化物を加水分解させ、析出する沈殿物を濾別洗浄し
た後、加熱処理することによって、0.2μm以下の導
電性粉末を製造しているため、以下のような問題点が生
じていた。すなわち、上記公報に開示されるように、ハ
ロゲン化物を加水分解することによって液中に導電性微
粉末の前駆体を沈殿させると、得られる沈殿は極めて微
細な一次粒子が凝集した状態にある。このため、この沈
殿を濾別洗浄した後、加熱処理して得られる微粉末は、
一次粒子が焼結してその粒度分布も一般にブロードであ
る。
【0010】したがって、導電性微粉末をプラスチック
や塗料に混入分散させるに際して、その混入分散を均一
にするために、焼結した微粉末を粉砕する必要がある。
しかしながら、上記のような沈殿生成工程を経て製造さ
れる加熱処理前の導電性微粉末は、その粒径が極めて小
さく、表面活性が高いため、粒子同士の結合力が強く、
加熱処理時に焼結が進行しており、前記の粉砕は必ずし
も容易でない。これに加えて、たとえ粉砕によって微粉
化し、その平均粒径を小さくしても、粒度分布がシャー
プな導電性微粒子を得ることはできず、また粒子は本来
凝集力が強いので、再凝集を防ぐためには比較的多量の
界面活性剤を使用しなければならない。
【0011】このため、導電性微粉末を含む導電性塗料
を用いて形成された透明導電膜を表面に有する従来の導
電性基材は、透明導電膜のヘーズが大きく、透明性に劣
るという問題点があった。
【0012】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、硝子あるいは
プラスチックなどの基板上に、導電性および透明性に優
れた被膜が形成された導電性基材を提供することを目的
としている。
【0013】
【発明の概要】本発明に係る導電性基材は、(a)酸化ス
ズ微粒子または異種元素をドープした酸化スズ微粒子が
分散媒中に分散された酸化スズコロイドと、(b)バイン
ダー樹脂とが、溶媒に溶解あるいは分散されてなる導電
性塗料を用て形成された透明導電膜を表面に有すること
を特徴としている。
【0014】本発明に係る導電性基材を形成する際に用
いられる導電性塗料は、(a) 酸化スズコロイドと(b) バ
インダー樹脂とが、溶媒に溶解あるいは分散されて形成
されており、塗料中での導電性粒子である酸化スズ微粒
子の平均粒径は0.1μm以下と極めて細かく、しかも
0.8μm以上の粒径を有する粗大粒子はほとんど含ま
れていないため、このような導電性塗料を用いて形成さ
れた透明導電膜を表面に有する本発明の導電性基材は、
透明導電膜のヘーズが小さく、透明性に優れている。
【0015】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る導電性基材に
ついて具体的に説明する。本発明に係る導電性基材は、
(a) 酸化スズコロイドと、(b) バインダー樹脂とが溶剤
に溶解あるいは分散されてなる導電性塗料を用いて形成
された透明導電性膜を表面に有している。
【0016】本明細書において、酸化スズコロイドと
は、酸化スズ微粒子または異種元素をドープした酸化ス
ズ微粒子あるいはこの両者が、水または有機溶媒中に分
散されてなるコロイドを意味する。
【0017】酸化スズコロイド中の酸化スズ微粒子また
は異種元素をドープした酸化スズ微粒子の平均粒径は、
通常0.1μm以下であって、全粒子の60%以上好ま
しくは70%以上が0.1μm以下の粒径を有してお
り、塗膜の透明性を大きく低下させる0.8μm以上の
粗大粒子はほとんど含まれていない。
【0018】このような酸化スズコロイドは、以下のよ
うにし製造することができる。まず酸化スズ微粉末を調
製し、この酸化スズ微粉末を酸水溶液またはアルカリ水
溶液中で加熱処理することによって、酸化スズコロイド
を製造することができる。
【0019】ここで酸化スズ微粉末とは、酸化スズ自体
の微粉末あるいは酸化スズにアンチモン、フッ素、リ
ン、テルル、ビスマス、カドミウムなどの元素の一種ま
たは二種以上を少量ドープさせた酸化スズ微粉末を意味
する。このような酸化微スズ粉末の製造方法は従来公知
であって、たとえば塩化スズと塩化アンチモンとを溶解
させたアルコール溶液、塩酸水溶液もしくはアセトン溶
液を、加熱水中に加えて加水分解し、生成した沈殿を乾
燥次いで焼成することにより、アンチモンがドープされ
た酸化スズ微粉末を製造することができる(特開昭56
−156606号公報参照)。またスズ化合物の水溶液
をpH8〜12の条件下に保持して、液中の化合物を徐
々に加水分解することによってコロイド粒子を含有する
ゾルを生成させ、次いでこのゾルを乾燥、焼成すること
により、酸化スズ微粉末を製造することもできる。
【0020】この酸化スズ微粉末の製造法は、本出願人
が別に出願した特願昭62−51008号明細書に詳細
に記載されている。上記したような製法により得られた
酸化スズも含めて、公知の方法で製造された酸化スズ微
粉末がいずれも使用可能であるが、これらの微粉末は、
導電性を付与する目的で焼成処理が施されているため、
酸化スズの一次粒子は焼結した状態にあり、このため酸
化スズ微粉末は、通常、その粒径が数μ〜数十μの範囲
にある。
【0021】このような酸化スズ微粉末を酸水溶液ある
いはアルカリ水溶液中で加熱処理すると、酸化スズコロ
イドが得られる。酸水溶液あるいはアルカリ水溶液に対
する酸化スズ微粉末の添加量は、水溶液60重量部当り
40重量部以下とすることが好ましい。余り多量の酸化
スズ微粉末を添加すると、個々の酸化スズ微粉末に対し
て酸あるいはアルカリを平均に作用させることが困難で
あるため、ゾル化が難しく、たとえゾル化が可能でもそ
の状態を安定に保持できないからである。
【0022】酸としては、硫酸、塩酸などのような鉱
酸、酒石酸、乳酸などのようなオキシカルボン酸、シュ
ウ酸のようなカルボン酸が用いられ、アルカリとして
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのようなア
ルカリ金属水酸化物あるいは第四級アンモニウム塩など
が用いられる。そして、酸あるいはアルカリの使用量
は、処理すべき粉末の少なくとも5重量%が適当であっ
て、これ以下の使用量では酸化スズ微粉末をゾル化する
ことができない。一方、酸あるいはアルカリの使用量を
増大させることは、特に不都合をもたらさないが、経済
的見地から余り推奨できない。
【0023】加熱処理に際しての温度は、30〜200
℃の範囲で任意に選択することができる。酸水溶液ある
いはアルカリ水溶液の沸点以上の温度を採用する場合
は、溶液が液相を保持できるよう加圧する必要がある。
なお、通常は処理温度を200℃以上としても格別な有
利な結果をもたらさない。酸化スズ微粉末をゾル化する
に要する時間は、添加した微粉末の量および粒径にもよ
るが、一般に処理温度に関係し、処理温度が高ければ、
短い処理時間で微粉末をゾル化することができる。
【0024】加熱処理に際しては、酸あるいはアルカリ
の水溶液と、粉末との接触を良好ならしめる目的で攪拌
を行うことが好ましい。この場合、単なる攪拌だけでな
く粉末を多少とも粉砕できる機器、たとえばアトライタ
ー、サンドミル、ボールミルなどの適当な粉砕機を同時
に使用することにより、微粉末のゾル化を一層促進させ
ることができる。また、加熱処理に供する酸化スズ微粉
末を、上記の粉砕機にて、予め粉砕しておくこともゾル
化を促進させる上で有効である。
【0025】上記のようにして酸化スズ微粉末を処理す
ることによって、酸水溶液あるいはアルカリ水溶液を分
散媒とし、酸化スズがコロイド粒子として分散する水性
ゾルが調製される。この水性ゾルは必要に応じて脱酸あ
るいは脱アルカリすることも可能で、たとえば脱アルカ
リにはイオン交換処理をすればよい。
【0026】また前記した水性ゾルをそのまま、もしく
は脱酸あるいは脱アルカリした後、その分散媒である水
を親水性有機溶媒で置換すると、酸化スズオルガノゾル
を得ることができる。そして、このような水を有機溶媒
で置換するには、公知の方法が採用でき、親水性有機溶
媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノー
ル、iso-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノー
ル、sec-ブタノール、tert- ブタノール、エチレングリ
コール、トリメチレングリコール、グリセリン等のアル
コール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テト
ラヒドロフラン等のエーテル類、メタノールアミン、エ
タノールアミン、モルホリン等のアミン類、ジメチルホ
ルムアミド、N-メチル-2- ピロリドン等の酸アミド類な
どが用いられる。
【0027】このようにして酸化スズコロイドが得られ
るが、原料である酸化スズ微粉末を微視的に見た場合、
この粉末は微細な一次粒子の幾つかが焼成工程で焼結し
た焼結体の集合と捉えることができるが、この粉末を酸
水溶液あるいはアルカリ水溶液で加熱処理すると、酸あ
るいはアルカリが個々の焼結体の焼結部分に作用してそ
の結合を解きほぐしたり、あるいはその結合力を著しく
低下せしめるので、酸化スズの分散液を攪拌する程度の
操作で酸化スズ微粉末はコロイド次元まで微細化される
ものと考えられる。
【0028】上述の酸化スズ微粉末の製造方法は、本出
願人が別に出願した特願昭61−75283号明細書に
記載されている。本発明に係る導電性基材を形成する際
の導電性塗料に用いられる(b) バインダー樹脂として
は、従来導電性塗料においてバインダー樹脂として用い
られているものが広く用いられる。具体的には、たとえ
ば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、メラミン系樹脂、ブチラ
ール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルフォン系樹
脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂あるいは紫外線硬化
樹脂などが用いられる。また上記樹脂の混合物あるいは
上記樹脂の共重合体もまた用いることができる。
【0029】上記(a) 酸化スズコロイドと(b) バインダ
ー樹脂との混合割合は、酸化スズ微粒子または異種元素
をドープした酸化スズ微粒子と、バインダー樹脂の全体
重量に対して、該微粒子が40〜95重量%、好ましく
は60〜90重量%の量で用いられることが好ましい。
該微粒子が40重量%未満では、得られる塗膜の導電性
が悪くなり、一方、95重量%を越えると、塗膜と基材
との密着性および得られる塗膜の透明性が悪くなるため
好ましくない。
【0030】本発明に係る導電性基材を形成する際に用
いられる導電性塗料では、上記の各成分が溶剤中に溶解
あるいは分散されているが、この溶剤としては、(b) バ
インダー樹脂を溶解しうるものであれば用いることがで
き、具体的には、たとえばメチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、トルエン、シクロヘキサン、イソプ
ロパノール、n-ブタノールなどが単独あるいは組み合わ
せて用いられる。このような有機溶剤は、導電性塗料を
基体上に塗布しうるような粘度となるような量で用いら
れる。また水溶性バインダー樹脂を用いた場合には、溶
剤として水を用いることもできる。
【0031】本発明では導電性塗料中に、上記の(a) 酸
化スズコロイドおよび(b) バインダー樹脂に加えて、酸
化スズコロイドの分散性を向上させて粒子同士の再凝集
を防止するため、界面活性剤を添加することができ、界
面活性剤としてはアニオン系、ノニオン系、カチオン系
などのものを広く用いることができる。また酸化スズコ
ロイドの分散性を向上させて粒子同士の再凝集を防止す
るためにカップリング剤を導電性塗料中に添加すること
もできる。このようなカップリング剤としては、シラン
系、チタン系、アルミニウム系、ジルコニウム系、マグ
ネシウム系のカップリング剤が用いられる。
【0032】本発明に係る導電性基材を形成する際に用
いられる導電性塗料は、上記のような(a) 酸化スズコロ
イドおよび(b) バインダー樹脂などを溶剤に加え、次い
でバインダー樹脂中に均一に分散されることによって得
られる。
【0033】本発明に係る導電性基材は、基体上に上述
した導電性塗料を従来公知の塗布法たとえばバーコート
法、スプレー法、ロールコート法、スピナー法、ディッ
プ法、メイヤバー法、エアーナイフ法、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法などの方法で塗布し、次いで乾燥
することにより得られる。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る導電性基材は、(a) 酸化ス
ズコロイドと(b) バインダー樹脂とが、溶媒に溶解ある
いは分散されてなる導電性塗料を用いて形成された透明
導電膜を表面に有している。この透明導電膜中に含まれ
ている導電性粒子である酸化スズの平均粒径は0.1μ
m以下と極めて細かく、しかも0.8μm以上の粒径を
有する粗大粒子はほとんど透明導電膜中に含まれていな
い。このため本発明に係る導電性基材は、透明性に優れ
た透明導電膜を有している。
【0035】以下実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0036】
【実施例1】スズ酸カリウム316.0gと吐酒石3
8.4gとを、水686gに溶解して原料液を調製し
た。50℃に加温されて攪拌下にある1000gの水
に、前記の原料液を硝酸とともに12時間かけて添加
し、系内のpHを8.5に保持して加水分解させ、ゾル
を得た。このゾルからコロイド粒子を濾別し、洗浄して
副生塩を除去した後、粒子を乾燥し、空気中350℃で
3時間焼成し、さらに空気中650℃で2時間焼成して
微粉末を得た(微粉末A)。
【0037】このように得られた微粉末A300gを、
水酸化カリウム水溶液700g(KOH30g含有)中
に加え、この混合液を30℃に保持しながらサンドミル
で3時間攪拌しながら酸化スズコロイドを得た。次いで
この酸化スズコロイドをイオン交換樹脂で処理すること
により、脱アルカリされた酸化スズコロイドを得た。こ
の脱アルカリされた酸化スズコロイドは沈殿物を含ま
ず、固形分濃度は30重量%であって、コロイド粒子の
平均粒径は0.07μmであった。そして、0.1μm
以下の粒子の量は、全粒子の86%であった。
【0038】このようにして脱アルカリされた酸化スズ
コロイド100gとアクリルエマルジョン樹脂20gと
を、水/メタノール(重量比1/1)混合溶剤380g
に加え、充分に攪拌して塗料を得た。この塗料をバーコ
ーター#6で硝子板に塗布し、110℃で10分間乾燥
して塗膜を形成し、導電性基材を得た。
【0039】
【実施例2】実施例1で得られた脱アルカリされた酸化
スズコロイド200gに、n-ブタノール800gを加
え、次いでロータリーエバポレーターで水とn-ブタノー
ルの一部を留去して、n-ブタノールを分散媒するオルガ
ノ酸化スズコロイドを得た。このオルガノ酸化スズコロ
イドは沈殿物を含まず、固形分濃度は30重量%であっ
て、コロイド粒子の平均粒径は0.07μmであった。
また0.1μm以下の粒子の量は、全粒子の86%であ
った。
【0040】このようにして得られたオルガノ酸化スズ
コロイド100gとブチラール樹脂15gとをi-プロパ
ノール/n-ブタノール(重量比1/1)混合溶剤100
gに加え、充分に攪拌して塗料を得た。この塗料をバー
コーター#6でPETフィルム上に塗布し、110℃で
10分間乾燥して塗膜を形成し、導電性基材を得た。
【0041】
【比較例1】実施例1で得られた微粉末A30gとブチ
ラール樹脂15gとをiso-プロパノル/n-ブタノール
(重量比1/1)混合溶剤100gに加え、充分に攪拌
して塗料を得た。この塗料中の導電性酸化スズの平均粒
径は、0.3μmであり、0.1μm以下の粒子の量
は、全粒子の7%であった。この塗料をバーコーター#
6でPETフィルム上に塗布し、110℃で10分間乾
燥して塗膜を形成し、導電性基材を得た。
【0042】
【比較例2】塩化スズ173gと塩化アンチモン20.
9gをメタノール300ccに溶解させて溶液を調製し
た。90℃に加温されて攪拌下にある水3000gに、
上記のようにして得られた溶液を4時間かけて添加して
加水分解を行わせ、生成した沈殿を濾別して洗浄し、乾
燥後空気中500℃で2時間焼成して酸化スズ微粉末を
得た。
【0043】このようにして得られた酸化スズ微粉末1
50gと、ブチラール樹脂64gとを、iso-プロパノー
ル/n-ブタノール(重量比1/1)の混合溶剤500g
中に加えて混合し、これをサンドミルで2時間粉砕して
導電性塗料を得た。
【0044】この導電性塗料を用いて、実施例1と同様
にして塗膜を形成し、導電性基材を得た。このようにし
て得られた導電性塗料中の導電性微粒子の平均粒径は
0.32μmであり、この導電性塗料中には0.8μm
以上の粒径を有する粒子が約20重量%の量で存在して
いた。
【0045】前記の実施例および比較例で得られた塗料
中に含まれる導電性微粒子の平均粒径は、超遠心粒度測
定装置(堀場製作所製)を用いて、測定試料液の固形分
濃度を0.5重量%に調整して、5000r.p.m.で測定
した。また得られた塗膜の全光線透過率(Tt)、ヘーズ
(H)をヘーズコンピューター(スガ試験機製)で測定
し、さらに表面抵抗(Rs)を電極セル(YHP製)で測
定した。
【0046】結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1から、本発明に係る導電性基材は、導
電性および透明性に優れた透明導電膜を表面に有してい
ることがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)酸化スズ微粒子または異種元素をドー
    プした酸化スズ微粒子が分散媒中に分散された酸化スズ
    コロイドと、(b)バインダー樹脂とが、溶媒に溶解ある
    いは分散されてなる導電性塗料を用いて形成された透明
    導電膜を表面に有することを特徴とする導電性基材。
JP5184220A 1986-01-29 1993-07-26 導電性基材 Expired - Lifetime JPH0743967B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5184220A JPH0743967B2 (ja) 1986-01-29 1993-07-26 導電性基材

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61018363A JPS62175794A (ja) 1986-01-29 1986-01-29 文字発生装置
JP5184220A JPH0743967B2 (ja) 1986-01-29 1993-07-26 導電性基材

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61189363A Division JPH0619074B2 (ja) 1986-08-12 1986-08-12 導電性塗料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0676636A true JPH0676636A (ja) 1994-03-18
JPH0743967B2 JPH0743967B2 (ja) 1995-05-15

Family

ID=26355040

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5184220A Expired - Lifetime JPH0743967B2 (ja) 1986-01-29 1993-07-26 導電性基材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0743967B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0743967B2 (ja) 1995-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3302186B2 (ja) 透明導電性被膜付基材、その製造方法および該基材を備えた表示装置
EP0514557B1 (en) Coating solution for forming transparent electrically conductive film, method of preparation thereof, electrically conductive substrate, method of preparation thereof, and display device having transparent electrically conductive substrate
JP3429958B2 (ja) 銀コロイド液の製造方法
US5204177A (en) Process for preparing conductive fine particles and conductive coating materials containing said particles
WO2006129411A1 (ja) 中空状SiO2を含有する分散液、塗料組成物及び反射防止塗膜付き基材
US4937148A (en) Process for preparing conductive fine particles
JPH0619074B2 (ja) 導電性塗料
JP4088721B2 (ja) 導電性酸化スズ微粉末及び導電性酸化スズゾルの製造方法
JP5284632B2 (ja) 導電性繊維状中空シリカ微粒子分散質およびその製造方法
EP2913827A1 (en) Fine powder of transparent and electric conductive oxide composites and production method thereof and transparent electric conductive film
JPS62230617A (ja) 酸化錫ゾル及びその製造方法
JP2000196287A (ja) 透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材および表示装置
JP3906933B2 (ja) 酸化インジウムオルガノゾルの製造方法
JP3483166B2 (ja) 酸化インジウムゾル、その製造方法および導電性被膜付基材
DE112014000445T5 (de) Beschichtungs-Flüssigkeit zum Bilden einer Alkali-Sperrschicht und ein Gegenstand
JPH0676636A (ja) 導電性基材
JPH07330337A (ja) 導電性微粉末分散液及びその製造方法
JP4193036B2 (ja) 導電性酸化スズの製造方法
TWI247784B (en) Organic solvent based dispersion of conductive powder and conductive coating material
JP4240905B2 (ja) インジウム系酸化物微粒子およびその製造方法、ならびにインジウム系酸化物微粒子を含む透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材、表示装置
JP3606772B2 (ja) 透明帯電防止膜形成用塗料および透明帯電防止膜付基材
JP4425530B2 (ja) インジウム系酸化物微粒子の製造方法、該微粒子を含む透明導電性被膜形成用塗布液および透明導電性被膜付基材、表示装置
JPH0255461B2 (ja)
JPS63158709A (ja) 透明導電膜を有する基材
JP3222955B2 (ja) 透明導電性粉末及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term