JPH0676286U - 移動式クレーン装着型の高所作業用ゴンドラ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 大型構造物の建設工事やメンテナンスに用い
られ、移動式クレーンの伸縮ブームの先端に着脱自在に
取り付け、クレーンベースに設けられている動力線と接
続することなく、ゴンドラ装置内の駆動源を用いてゴン
ドラ装置自体を所定方向に変位させることができる高所
作業用ゴンドラ装置を得ることを目的とする。 【構成】 多段式の伸縮ブーム５を旋回体に固定したク
レーンベース１と、この伸縮ブーム５の先端ブーム５ｄ
に高所作業用のゴンドラ装置７を着脱自在に構成してな
る移動式クレーン装着型の高所作業用ゴンドラ装置にお
いて、上記のゴンドラ装置７に回動軸を中心にゴンドラ
装置自体を上下方向及び左右方向に駆動させるシリンダ
ーを設けると共に、該シリンダーの駆動源を伸縮ブーム
５などの駆動源とは別体にゴンドラ装置７内に設けて構
成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ビル、マンション、工場建家、タンク等の大型構造物の建設工事や メンテナンスに用いられ、移動式クレーンの伸縮ブームの先端に着脱自在に取り 付けて高所作業を行うゴンドラ装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の装置としてトラッククレーンのブーム先端にバケットを固定し 、電話工事や電気工事等の比較的低い個所の作業用の装置が開発されている。し かしながら、固定されたバケット式のトラッククレーンにおいては、バケットが 固定されている状態であるために、バケットの取り付け取り外し等の作業は省略 されるものの、固定されるバケットの大きさはトラックの通常走行を妨げること がないように限定される。すなわち、クレーン加重が５トン前後の比較的小型で ブームの作業範囲が１５ｍ前後というトラッククレーンに限定されている。 このためにブームの作業範囲が２０ｍ乃至５０ｍというような大型のトラック クレーンやラフタークレーン等の高所作業クレーンにおいては、複数の作業者が 乗れるようなバケットやゴンドラ装置等を固定状態とすることができず、また、 公道や遠距離の移動に際して安全な通常走行が可能なように取り付け取り外しが 自在に構成されているものである。

【０００３】 上記のような大型のトラッククレーンやラフタークレーン等の移動式クレーン は、車両の上に旋回自在に設けられた旋回体に多段伸縮ブームの基端ブームの基 端部が支持され、ブーム起伏シリンダによって当該多段伸縮ブームが起伏される ようになっている。そのブームの作業範囲は、例えばクレーン加重が２０トンク ラスのラフタークレーンにおいては、図５に示すように作業高さが３０ｍで作業 半径が２５ｍである。 そして、多段伸縮ブームは、基端ブーム、中間ブーム、先端ブームとから構成 されテレスコープ状に伸縮自在に構成されている。また、この多段伸縮ブームの 先端ブームの先端には、クレーンフック、張出し用のジブやゴンドラ装置が着脱 自在に取り付けられ、多段伸縮ブームの起伏及び伸縮によって高所作業が可能と なっている。

【０００４】 そして、公道や遠距離の移動には、図４に示すようにゴンドラ装置を取り外し たり、張出しジブをブーム側に折曲したり、クレーンフックを固定して標準走行 姿勢で移動するものである。 現場での使用に当たっては、まず、車体を所定の位置に停止させた後、車体の 前後部の左右に配置されているアウトリガーを横及び下方向へ伸長し、車体を地 上に固定して安定を図る。そして、あらかじめ別送したゴンドラ装置を伸縮ブー ムの先端ブームに取り付けて固定し、このゴンドラ装置に作業者が乗り込み、ク レーン操作室の作業者が適宜操作すると、図示しない油圧回路により伸縮シリン ダ、起伏シリンダ、旋回モータなどの油圧作動機器を作動し、ゴンドラ装置を所 望の高所位置へ変位させることができるものである。 伸縮ブーム自体の移動操作は、上記のようにゴンドラ装置自体が２０ｍ乃至５ ０ｍという超高所位置まで変位するものであることからゴンドラ装置内の操作と は別に無線等の手段によりクレーン操作室の作業者との連携作業により行われて いる。すなわち、操作室からの操作によりブームの伸縮、起伏またはブームの旋 回などを行わせ、ゴンドラ装置を所望の位置へ変位させることができるようにな っている。また、ゴンドラ装置自体も高所の作業位置において作業を容易にする ために左右方向や上下方向に任意に移動することができるように、シリンダー装 置が設けられている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

以上のように、従来開発されている大型のトラッククレーンやラフタークレー ン等に装着されるゴンドラ装置は、作業時以外は取り外しておき、作業時に取り 付けることから、その作業の度にゴンドラ装置を先端ブームに取り付ける作業の 他に、ゴンドラ装置自体の駆動源や装置内で使用する機器等の動力源は、ラフタ ークレーン本体等の外部より動力線を接続して用いる必要があり、ゴンドラ装置 の着脱作業以外に動力線の着脱のために取り付け取り外し作業に時間がかかると いう問題を有している。特に動力線の接続は、単に一本のコネクタを接続すると いうものではなく、複数の作業者により複数本の太い動力線を接続するために熟 練を要する作業となっている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記のような課題を解決するために次のような手段を講じたものであ る。 登録を受けようとする考案は、多段式の伸縮ブームを旋回体に固定したクレー ンベースと、この伸縮ブームの先端ブームに高所作業用のゴンドラ装置を着脱自 在に構成してなる移動式クレーン装着型の高所作業用ゴンドラ装置において、上 記のゴンドラ装置に回動軸を中心にゴンドラ装置自体を上下方向及び左右方向に 駆動させるシリンダーを設けると共に、該シリンダーの駆動力を伸縮ブームなど の駆動力とは別体にゴンドラ装置内に設けたものである。

【０００７】 上記のように構成することにより、ゴンドラ装置の取り付け取り外し作業の度 毎にクレーンベースに設けられている動力線と接続することなく、ゴンドラ装置 内の駆動源を用いてゴンドラ装置自体を所定方向に変位させることができるもの である。そのために現場における作業能率の向上が図れるものである。使用する 駆動源としてはバッテリーを用いるもので、ゴンドラ装置の大きさにより数個の バッテリーの搭載が可能で、また充電も可能となっている。

【０００８】

【作用】

まず、車体を所定の位置に停止させた後、車体の前後部の左右に配置されてい るアウトリガーを横及び下方向へ伸長し、車体を地上に固定して安定を図る。そ して、先端ブームの先端部分にゴンドラ装置の接続部を取り付けて固定する。こ の場合、従来のように動力線の複雑な接続作業が必要がないものである。 次にゴンドラ装置に作業者が乗り込み、クレーン操作室の作業者が適宜操作す ると、図示しない油圧回路により伸縮シリンダ、起伏シリンダ、旋回モータなど の油圧作動機器を作動し、ゴンドラ装置を所望の高所位置へ変位させることがで きるものである。超高所の作業位置においてはゴンドラ装置内の作業者は、作業 位置をより容易にするためにシリンダーを駆動させてゴンドラ装置を左右方向や 上下方向に任意に移動する。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面により説明すると、図１は本願考案に係る ゴンドラ装置を移動式クレーンに装着し、伸縮ブームを伸長した場合と水平にし た場合の側面図で、図２は同ゴンドラ装置の平面図、図３は図２における〓−〓 線側断面図で、図４はクレーンベースとなるラフタークレーンの側面図で、図５ は同ラフタークレーンのブームの作動範囲の一例を示す説明図である。

【００１０】 図において、１はクレーンベースとなるラフタークレーンで、このラフターク レーン１の前後には、一対のアウトリガー２，２が設けられて、作業中の安定を 図るようになっている。また、ラフタークレーン１の中央部分には、操作室３を 有する多段式の伸縮ブーム５を固定した旋回体４が旋回自在に設けられている。 この伸縮ブーム５の先端ブーム５ｄには高所作業用のゴンドラ装置の他にクレー ンフックや張出しジブ等が着脱自在に構成されている。そして、公道や遠距離の 移動に際しては、図４に示すようにゴンドラ装置を取り外したり、張出しジブを ブーム側に折曲したり、クレーンフックを固定して標準走行姿勢で移動するもの である。 なお、ゴンドラ装置を装着するクレーンベースとしてラフタークレーンに装着 する場合について示してあるが、この他、大型のトラッククレーンやクローラク レーン等に装着するようにしても良いこと勿論である。

【００１１】 多段状の伸縮ブーム５は、基端ブーム５ａ、中間ブーム５ｂ，５ｃ、先端ブー ム５ｄ及びブームポイント５ｅとから構成されており、これらのブームはテレス コープ状に伸縮自在になっている。この多段状の伸縮ブーム５は、基端ブーム５ ａの基端部がラフタークレーン１の旋回体４の上に回動自在に設けられている。 そして、基端部が固定された基端ブーム５ａの略中間部分と旋回体４との間には 、ブーム起伏シリンダ６が配設され、該シリンダ６の駆動力によって当該伸縮ブ ーム５の全体が起伏されるようになっている。 また、ラフタークレーン１に固定した伸縮ブーム５の先端ブーム５ｄには、後 述するゴンドラ装置７が着脱自在に取り付けられる他に、クレーンフック７′や 張出しジブ７″等を着脱自在に取り付けてクレーン作業として使用するものであ る。

【００１２】 ７はゴンドラ装置で、このゴンドラ装置７は、伸縮ブーム５の先端ブーム５ｄ に着脱自在に取り付けるものであり、大別してボックス部と、駆動部と、接続部 とから構成されている。 このゴンドラ装置７の接続部８は、一端がボックス部１１に固定され、他端が 先端ブーム５ｄに設けられているブームポイント５ｅとの間で固定部９を介して ポイントピン１０，１０により保持して固定される。

【００１３】 ゴンドラ装置７のボックス部１１は、２〜３人の作業者が乗って作業すること ができ、一辺が約２ｍ四方の広さで、約１ｍの高さの壁部１１ａ，１１ｂ，１１ ｃ，１２により形成されている。そのうち一辺の壁部１２は内側に向かってＶ字 形状の凹状壁部１２ａ，１２ｂに形成されている。この凹状壁部１２ａ，１２ｂ の外側には上下方向に軸部１３が形成され、その上端側にはボックス部１１全体 を左右方向に回動することができる回動軸１３ａが設けられ、該回動軸１３ａの 側部と接続部８の一端とが固着され、ゴンドラ装置全体が変位する支点部１４が 形成されている。 そして、凹状壁部１２ａ，１２ｂの一端部と接続部８との間にはシリンダー１ ５が配設され、このシリンダー１５の駆動によりボックス部１１を右方向か左方 向の９０度の範囲内で移動させることができるようになっている。

【００１４】 また、軸部１３の下端側にはボックス部１１全体が支点部１４を中心にして上 下方向に傾動することができる回動軸１３ｂが設けられ、該回動軸１３ｂと接続 部８の側部との間にはシリンダー１６が配設され、このシリンダー１６の駆動に よりボックス部１１を上方向か下方向の９０度の範囲内で傾動させることができ るようになっている。 なお、ゴンドラ装置７には図示しないが伸縮ブーム５の起伏に追随してゴンド ラ装置のボックス部１１の床面部１１ｄを水平に維持するため、自動的にシリン ダー１６を駆動させる自動水平維持機構が設けられている。 従って、この自動水平維持機構の動作モードを解除しない限り、ゴンドラ装置 のボックス部の床面部は地上部分に対して常に水平状態を維持することとなり、 シリンダー１６が所定状態で停止しており、駆動することはないものである。

【００１５】 １７はボックス部１１の凹状壁部１２ａ，１２ｂの外側に設けられた駆動源で 、この駆動源１７はシリンダー１５，１６を駆動させるための駆動源として用い るものである。使用する駆動源１７としては、ＤＣ１２Ｖの２個のバッテリーを 用いるもので、ゴンドラ装置の大きさにより数個のバッテリーの搭載が可能とな っている。また、使用頻度に応じて充電することができる。なお、駆動源１７と 各シリンダー１５，１６との間の接続配線は省略してある。 このようにゴンドラ装置自体が駆動される動力は、伸縮ブーム５等の駆動源の 動力線とは接続されているものではなく、ゴンドラ装置７と先端ブーム５ｄとの 接続作業において、熟練を要する動力線の接続作業を省略することができる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は叙上のように、多段式の伸縮ブームを旋回体に固定したクレーンベー スと、この伸縮ブームの先端ブームに高所作業用のゴンドラ装置を着脱自在に構 成してなる移動式クレーン装着型の高所作業用ゴンドラ装置において、上記のゴ ンドラ装置に回動軸を中心にゴンドラ装置自体を上下方向及び左右方向に駆動さ せるシリンダーを設けると共に、該シリンダーの駆動力を伸縮ブームなどの駆動 力とは別体にゴンドラ装置内に設けたものである。

【００１７】 従って、従来は構造物のメンテナンスにおいて、建物の周囲に作業用の組足場 を設けていたが、その必要がなくなる。組足場の組立て分解の時間が不要となり 、工事期間の短縮が可能となる。また、必要なとき、必要な高さへ大型の作業台 を提供することができ、しかもゴンドラ装置の取り付け取り外し作業の度毎にク レーンベースに設けられている動力線と接続が不要なため、熟練を要する接続作 業が不要となり、現場における作業能率の向上が図れるものである。 そのためゴンドラ装置内の駆動源を用いてゴンドラ装置自体を所定方向に変位 させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ゴンドラ装置を移動式クレーンに装着し、伸縮
ブームを伸長した場合と水平にした場合の側面図であ
る。

【図２】同ゴンドラ装置の平面図である。

【図３】図２における〓−〓線側断面図である。

【図４】クレーンベースとなるラフタークレーンの側面
図である。

【図５】同ラフタークレーンのブームの作動範囲の一例
を示す説明図である。

【符合の説明】

１ ラフタークレーン ３ 操作室 ４ 旋回体 ５ 伸縮ブーム ６ 起伏シリンダ ７ ゴンドラ装置 ８ 接続部 １１ ボックス部 １２ａ，１２ｂ 凹状壁部 １４ 支点部 １５，１６ シリンダー １７ 駆動源

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 多段式の伸縮ブームを旋回体に固定した
   クレーンベースと、この伸縮ブームの先端ブームに高所
   作業用のゴンドラ装置を着脱自在に構成してなる移動式
   クレーン装着型の高所作業用ゴンドラ装置において、上
   記のゴンドラ装置に回動軸を中心にゴンドラ装置自体を
   上下方向及び左右方向に駆動させるシリンダーを設ける
   と共に、該シリンダーの駆動源を伸縮ブームなどの駆動
   源とは別体にゴンドラ装置内に設けたことを特徴とする
   移動式クレーン装着型の高所作業用ゴンドラ装置。