JPH0675370A - ポジ型感光性カチオン電着レジスト組成物およびこの組成物を用いたプリント配線基板の製造方法 - Google Patents

ポジ型感光性カチオン電着レジスト組成物およびこの組成物を用いたプリント配線基板の製造方法

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JPH0675370A
JPH0675370A JP26644792A JP26644792A JPH0675370A JP H0675370 A JPH0675370 A JP H0675370A JP 26644792 A JP26644792 A JP 26644792A JP 26644792 A JP26644792 A JP 26644792A JP H0675370 A JPH0675370 A JP H0675370A
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JP
Japan
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weight
parts
resin
mol
water
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JP26644792A
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English (en)
Inventor
Keisuke Naruse
圭祐 成瀬
Reijiro Nishida
礼二郎 西田
Yutaka Inoue
裕 井上
Naozumi Iwazawa
直純 岩沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 稼動安定性に優れ、塗装作業性が良く、さら
に導体画像形成の信頼性の高いレジスト組成物、特にプ
リント配線基板用に適するポジ型感光性カチオン電着レ
ジスト組成物とこの組成物を用いたプリント配線基板の
製造方法を提供する。 【構成】 (a)樹脂1Kg中にアミノ基0.075〜
0.55モルおよび水酸基1.5〜5.5モルを有する
アクリル樹脂20〜50重量部、(b)樹脂1Kg中に
アミノ基1.00〜2.50モルおよび水酸基1.5〜
5.5モルを有するアクリル樹脂25〜70重量部およ
び(c)1分子中に1,2−ナフトキノンジアジドスル
ホニルオキシ基又は1,2−ベンゾキノンジアジドスル
ホニルオキシ基を1個以上有する感光剤7.5〜30重
量部の混合物を酸で中和、水分散化した組成物を主成分
として含有するポジ型カチオン電着レジスト組成物およ
びこの組成物を用いてプリント配線基板を製造する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、稼動安定性に優れ、塗
装作業性が良く、さらに導体画像形成の信頼性の高いレ
ジスト、特にプリント配線基板製造用エッチングレジス
トとして適するポジ型感光性カチオン電着レジスト組成
物に関し、また該レジスト組成物を用いたプリント配線
基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器などに用いられるプリント配線
基板は主として導体層を表面に有する絶縁基板上にスク
リーン印刷によるパターン印刷法や感光性ドライフイル
ムを用いたフォトリソグラフィーにより形成された回路
パターンを利用したサブストラクト法で製造されてい
る。しかし、最近の回路パターンの微細化、スルーホー
ル径の小径化に対応するためポジ型感光性電着レジスト
を利用する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポジ型感光性電着レジ
ストとしてはイオン形成基を有するアクリル樹脂等の基
体樹脂にキノンジアジドスルフォン酸類をスルフォン酸
エステル結合を介して基体樹脂に結合せしめた樹脂を主
成分とする組成物(特開昭61−206293号公報参
照)、キノンジアジドスルフォン酸類をポリヒドロキシ
ベンゾフェノンの様なポリフェノール類にスルフォン酸
エステル結合を介して結合せしめた感光性化合物を、イ
オン形成基を有するアクリル樹脂などの基体樹脂と混合
した組成物(特開昭61−206293号公報参照)、
イオン形成基を有するアクリル樹脂などの基体樹脂にヒ
ドロキシルアミンとキノンジアジドスルフォン酸とをウ
レタン結合およびスルフォンイミド結合を介して結合さ
せた樹脂を主成分とする組成物(特開平1−12137
5号公報参照)、水酸基を有する化合物又は樹脂にヒド
ロキシルアミンとキノンジアジドスルフォン酸とをウレ
タン結合およびスルフォンイミド結合を介して結合させ
た化合物又は樹脂を、イオン形成基を有するアクリル樹
脂などの基体樹脂と混合した組成物(特開平2−289
660号公報参照)等の、水溶性又は水分散性組成物が
提案されている。
【0004】しかしながら、上記従来の組成物において
は下記の問題があり、その解決が望まれている。即ち、
感光性基をスルフォン酸エステル基を介して導入した樹
脂系においては、スルフォン酸エステル基が加水分解さ
れ易く、電着レジスト液としての貯蔵安定性、浴の稼動
安定性に問題がある。また、スルフォン酸エステル結合
を有する感光性化合物を混合した組成物については水溶
化物又は水分散物そのものの安定性が充分でないという
問題がある。また、前記スルフォン酸イミド結合及びウ
レタン結合を介して感光性基を導入する方法に於いては
加水分解に関する問題点は大幅に改善され、稼動安定性
に優れた電着レジスト浴液が得られるが、ウレタン結合
のためか露光部分の現像液に対する溶解速度が遅く、現
像を高温で行なわなければならない、現像可能な条件幅
がやや狭くなるなどの問題点がある。また、感光基導入
のためにスルフォン酸エステル型の場合に比して複雑で
長時間を要する工程が必要となるという問題もある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、電
着レジスト液の貯蔵安定性に優れ、低ターンオーバー速
度に於いても電着浴の稼動安定性が高く、現像の条件幅
が広く、しかも複雑で長時間を要する工程を必要としな
い方法で製造出来るポジ型感光性電着レジスト組成物を
得るべく鋭意研究を行なった。また電着レジスト組成物
を使用したプリント配線基板の製造方法についても検討
を行なった。その結果、上記問題点を解決出来る組成物
およびプリント配線基板の製造方法を見出し本発明を完
成させたのである。
【0006】すなわち本発明は、 「1. (a)樹脂1Kg中にアミノ基0.075〜
0.55モルおよび水酸基1.5〜5.5モルを有する
アクリル樹脂 20〜50重量部、(b)樹脂1Kg中
にアミノ基1.00〜2.50モルおよび水酸基1.5
〜5.5モルを有するアクリル樹脂 25〜70重量部
および(c)1分子中に下記式[1]、[2]または
[3]で表わされる基式[1]
【化4】 式[2]
【化5】 式[3]
【化6】 を1個以上有する感光剤7.5〜30重量部を含有し、
成分(a)、(b)および(c)の合計量が100重量
部であって、成分(a)、(b)および(c)の合計に
おけるアミノ基の含有量が0.55〜1.50モル/K
g、水酸基の含有量が1.2〜3.5モル/Kgである
樹脂混合物を酸で中和、水分散化して得られる水分散性
樹脂組成物を主成分として含有することを特徴とするポ
ジ型感光性カチオン電着レジスト組成物。 2. (a)、(b)、(c)各成分が、合計100重
量部中(a)成分20〜40重量部、(b)成分35〜
70重量部、(c)成分7.5〜25重量部である1項
に記載されたポジ型感光性カチオン電着レジスト組成
物。 3. 固形分の割合が3〜50%である、1項または2
項に記載されたポジ型感光性カチオン電着レジスト組成
物。 4. (i)電導性被膜を有する回路用基板表面に、1
項記載の電着レジスト組成物を電着塗装し、ポジ型感光
性被膜を形成する工程; (ii)該ポジ型感光性被膜をパターンマスクを介して
露光する工程; (iii)露光部の感光性被膜を除去してエッチングパ
ターンを形成する工程; (iV)露出した電導性被膜をエッチングにより除去す
る工程;及び (V)回路パターン上の感光性被膜を除去する工程 を有することを特徴とするプリント配線基板の製造方
法。 5. 電着されたポジ型感光性被膜が乾燥膜厚で2〜5
0μmである、4項に記載されたプリント配線基板の製
造方法。 6. ポジ型感光性被膜をパターンマスクを介して行な
う露光を、3,000〜4,500Åの波長の光線を5
0〜800mj/cm照射して行なう、4項または5
項に記載されたプリント配線基板の製造方法。」 に関する。
【0007】
【作用】本発明レジスト組成物における,成分(a)で
あるアクリル樹脂は、樹脂1Kg中にアミノ基を0.0
75〜0.55モル、好ましくは0.10〜0.45モ
ル、および水酸基を1.5〜5.5モル、好ましくは
1.5〜4.0モル有するアクリル樹脂であればよい
が、一般に数平均分子量2,000〜200,000程
度のものが用いられる。
【0008】上記アクリル樹脂(a)は公知の方法で重
合することによって得ることが出来る。アクリル樹脂
(a)を得るためのモノマー成分は、要求される性能に
応じて適宜選択でき、好ましくは、例えばメチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アク
リレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレートなどの炭素数1〜18のアルキル(メタ)アク
リレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリル
アルコールなどの水酸基含有不飽和単量体;(メタ)ア
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸などの
カルボキシル基含有不飽和単量体;グリシジル(メタ)
アクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなど
のエポキシ基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリルアミドなどのアミノ基含
有不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、
(メタ)アクリロニトリル、N−メチロール(メタ)ア
クリルアミドブチルエーテルなどの、その他の共重合可
能なモノマーを挙げることが出来る。
【0009】アクリル樹脂(a)は、上記アミノ基含有
不飽和単量体および水酸基含有不飽和単量体を必須と
し、他のモノマー成分を配合して、例えば重合触媒およ
び好ましくは有機溶剤の存在下で共重合することによつ
て得ることが出来る。またアクリル樹脂(a)は、上記
エポキシ基含有不飽和単量体および水酸基含有不飽和単
量体を必須とし共重合して得られる共重合体のエポキシ
基にアミン化合物を付加反応させてアミノ基を導入する
ことによって得ることも出来る。
【0010】本発明組成物における、成分(b)である
アクリル樹脂は樹脂1Kg中にアミノ基を1.00〜
2.50モル好ましくは1.20〜2.00モル、およ
び水酸基を1.5〜5.5モル、好ましくは2.0〜
4.0モル有するアクリル樹脂であればよいが、一般に
数平均分子量2,000〜20,000程度のものが用
いられる。上記アクリル樹脂(b)は、前記アクリル樹
脂(a)の合成と同様の方法にて、アミノ基および水酸
基の量が所定の値となるようにして、重合することによ
って得ることが出来る。
【0011】本発明においては、アミノ基の含有量の異
なる2種類のアクリル樹脂を用い、水分散粒子の芯部分
にアミノ基含量の低いアクリル樹脂が多く存在し、この
芯部分に後記(c)成分である感光剤を存在させ、安定
な水分散体とするとともに感光剤(c)の加水分解を起
こりにくくするものであり、2種類のアクリル樹脂のバ
ランスによって系の安定化を図るものである。
【0012】成分(a)は、基本的に非水溶性の樹脂で
あって、疎水性の高い、かつ加水分解を受けやすい感光
性成分(c)を包埋し、連続層の水が成分(c)を攻撃
するのを防止する効果を有する。成分(b)は中和によ
り水溶性または水分散性を示す樹脂であり、成分(c)
を包埋した成分(a)の粒子に対し保護コロイドとして
作用し安定な分散体を形成する。成分(a)と成分
(b)とは互いに適切な親和性を有することが必要であ
り、そのために成分(a)および成分(b)の水酸基含
有量、アミノ基含有量が所定範囲内であることが要求さ
れる。
【0013】アクリル樹脂(a)におけるアミノ基の含
有量が0.075モル/Kg樹脂より少なくなると得ら
れる水分散体の分散粒子の粒径が大きくなって水分散体
の安定性が劣化し、一方、アミノ基の含有量が0.55
モル/Kg樹脂より多くなると、(c)成分を包埋する
能力が低下し貯蔵中に(c)成分が連続相中に析出しや
すくなって水分散体の安定性が劣化するとともに(c)
成分中のスルホン酸エステル基が加水分解され易くな
る。
【0014】アクリル樹脂(b)におけるアミノ基の含
有量が1.00モル/Kg樹脂より少なくなると保護コ
ロイドとしての作用が不足し、得られる水分散体の分散
粒子の粒径が大きくなって水分散体の安定性が劣化し、
一方、アミノ基の含有量が2.50モル/Kg樹脂より
多くなると水親和性が高くなりすぎ、達続相である水中
に溶解しやすくなり(c)成分を包埋した(a)成分の
粒子に吸着しにくくなって、水分散体における静電的お
よび立体的保護相としての効果が低下し水分散体の安定
性は低下する。
【0015】アクリル樹脂(a)およびアクリル樹脂
(b)はいずれも水酸基の含有量が1.5〜5.5モル
/Kg樹脂であることが必要である。それぞれのアクリ
ル樹脂において、水酸基の含有量が1.5モル/Kg樹
脂より低い場合には水分散体の分散粒子の親水性が不足
して安定性が低下し、一方、水酸基の含有量が5.5モ
ル/Kg樹脂を超える場合には、水親和性が高くなり過
ぎ(c)成分に対する保護相としての効果が低下し安定
性が劣化するとともに、形成されたレジスト皮膜が現像
液やエッチングによって膨潤しやすくなるため、解像力
が低下し良好なパターンが得られなくなる。
【0016】本発明組成物における(c)成分は前記式
[1]、[2]または[3]で表わされる基を1個以上
有する感光剤である。この感光剤は、例えば、水酸基を
有する化合物と、o−ナフトキノンジアジド−5−スル
ホン酸ハライド、o−ナフトキノンジアジド−4−スル
ホン酸ハライドおよび/またはo−ベンゾキノンジアジ
ド−4−スルホン酸ハライドとを反応させることによっ
て得ることが出来る。該感光剤は一般的に分子量約40
0〜10,000であり、好ましくは約500〜約5,
000の範囲のものである。該感光剤は、代表的には、
トリ−またはテトラ−ヒドロキシベンゾフェノン、ノボ
ラック型フェノール樹脂、ノボラック型クレゾール樹脂
またはポリヒドロキシスチレン等と、o−ナフトキノン
ジアジド−5−スルホン酸クロリド、o−ナフトキノン
ジアジド−4−スルホン酸クロリドまたはo−ベンゾキ
ノンジアジドー4−スルホン酸クロリドとを反応させる
ことによって得ることが出来る。
【0017】(c)成分である感光剤は、光照射によっ
てオルトキノンジアジド部がケテンを経てカルボン酸と
なり、照射されたレジスト部が現像処理によって除去さ
れるようになる。本発明における水分散性樹脂組成物に
おいて、(a)、(b)および(c)成分の配合割合
は、(a)、(b)および(c)成分の合計量100重
量部中、(a)成分20〜50重量部、好ましくは20
〜40重量部、(b)成分25〜70重量部、好ましく
は35〜70重量部、(c)成分7.5〜30重量部、
好ましくは7.5〜25重量部である。
【0018】本発明における水分散性樹脂組成物におい
て、(a)、(b)および(c)成分の合計量100重
量部中、(a)成分が20重量部未満では感光剤を充分
に包埋することが出来ず分散粒子の安定性が劣化し、一
方、(a)成分が50重量部を超えると親水性の低い
(a)成分が分散媒である水に多く接するようになるた
め、(b)成分による分散保護効果が不充分となり、分
散粒子の安定性が劣化する。(b)成分が25重量部未
満では分散保護効果が不充分となって分散粒子の安定性
が劣化し、一方、(b)成分が70重量部を超えると系
中の親水性の高い成分が多くなり過ぎ、分散粒子同志が
溶着しやすくなり不安定化する。(c)成分が7.5重
量部未満では、レジスト露光後の、露光部と未露光部と
の現像液に対する溶解性の差が小さくなるため現像性が
低下し、一方、(c)成分が30重量部を超えると分散
粒子の安定性が劣化するとともに、感光剤を多量に配合
することによる感度向上も殆ど認められず、高価な感光
剤を多量に使用することは経済的にも不利である。
【0019】また本発明組成物においては、(a)、
(b)および(c)成分の合計における、アミノ基の含
有量は0.55〜1.50モル/Kg、好ましくは0.
65〜1.35モル/Kgであり、水酸基の含有量は
1.2〜3.5モル/Kg、好ましくは1.35〜3.
0モル/Kgである。上記アミノ基の含有量が0.55
モル/Kg未満では系全体の親水性が不足し分散粒子が
不安定となり、一方、1.50モル/Kgを超える場合
には、水溶性のものが多くなるため、電着塗装時のクー
ロン効率が低下し、所定の膜厚を得るのに電着時間を長
くする必要が生じるとともに分散粒子の溶着が起こりや
すく系の安定性が低下する。また上記水酸基の含有量が
1.2モル/Kg未満では現像性が低下し、現像液温度
を高くしたり、現像時間を長くする必要が生じるととも
に得られる画像の解像力も低下し、一方、3.5モル/
Kgを超える場合には、レジスト膜が現像液やエッチン
グ液で膨潤しやすくなり、パターン欠陥を生じやすく解
像力も低下する。
【0020】本発明組成物の主成分である水分散性樹脂
組成物は(a)、(b)および(c)成分の混合物を酸
で中和、水分散化して得ることが出来る。中和に用いら
れる酸としては、酢酸、プロピオン酸、乳酸などの有機
酸や塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸を挙げることが出
来る。中和の程度は通常、混合物中のアミノ基の50〜
100%が中和される程度が好ましい。水分散化する方
法としては、(a)、(b)および(c)成分の混合中
和物を水中に加えて分散させる方法、混合中和物に水を
加えて分散させる方法、(a)、(b)および(c)成
分の混合物を中和用の酸を含む水中に加えて分散させる
方法および混合物に酸を含む水を加えて分散させる方法
などを挙げることが出来る。
【0021】本発明組成物は、必要に応じて、溶剤、界
面活性剤、流展性調整剤、キレート化剤などの添加剤、
フェノール類、ノボラックフェノールやレゾールなどポ
リフェノール類等の溶解性制御剤、顔料、染料等を含有
することが出来る。本発明レジスト組成物の固形分割合
は特に限定されるものではないが、通常3〜50重量%
の固形分範囲である。
【0022】本発明のポジ型感光性電着レジスト組成物
を用いるプリント配線基板の製造は次のようにして行な
うことが出来る。電着塗装浴(浴固形分濃度:3〜30
重量%)中に銅箔などの導電性被膜を有する回路用基板
を陰極として浸漬し、最高印加電圧20〜400Vの直
流電流を通電して電着塗装することによって行われる。
通電時間は30秒〜5分が適当であり、膜厚は乾燥膜厚
で2〜50μm、好適には3〜20μmの範囲内である
ことが望ましい。電着塗装後、電着浴から被塗物を引き
上げ水洗したのち、電着塗装中に含まれる水分を熱風な
どで除去する。次いで、このように形成される感光性電
着塗膜面にパターンマスク(写真ポジ)を介して紫外線
などの活性光線を照射露光する。この露光により露光さ
れた部分のオルトキノンジアジド部がケテンを経てカル
ボン酸となるため、アルカリ水溶液などの現像液の現像
処理によって除去され、高解像度を実現することが出来
る。本発明において露光に使用する活性光線は3,00
0〜4,500Åの波長を有する光線がよい。これらの
光源としては、太陽光、水銀灯、キセノンランプ、アー
ク灯などが挙げられる。活性光線の照射は通常、50〜
800mj/cm、好ましくは50〜500mj/c
の範囲内で行われる。また、露光部の感光性被膜を
除去してエッチングパターンを形成する現像処理は通
常、塗膜面上に希アルカリ水を吹き付けて塗膜の露光部
分を洗い流すことによって行なうことが出来る。希アル
カリ水としては通常、pH8〜12のカセイソーダ、カ
セイカリ、ケイ酸ソーダ、炭酸ソーダ、アンモニア水な
ど塗膜中に露光により生成するカルボン酸を中和して水
溶性を与えることの出来るものが使用可能である。現像
処理によって基板上に形成されたエッチングパターンで
ある露出した導電性被膜(非回路部分)は次いで、例え
ば、塩化第2鉄溶液等の酸性エッチング液またはアンモ
ニア/塩化アンモニウム系のようなアルカリエッチング
液等を用いた通常のエッチング処理によって除去され
る。しかる後、回路パターン上の未露光塗膜である感光
性被膜を除去することによってプリント配線基板を製造
することが出来る。未露光塗膜の除去はエチルセロソル
ブ、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶
剤;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケ
トン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステ
ル系溶剤;トリクロルエチレンなどのクロル系溶剤によ
ってまたは、酢酸、乳酸等の有機酸又はその水溶液等に
よって除去される。以上述べたとおり、本発明のポジ型
感光性カチオン電着レジスト組成物は回路用基板表面に
容易に電着塗装することが出来、析出した塗膜は乾燥さ
れて均一な感光膜を形成する。この感光膜にパターンマ
スクを通して光照射すると、露光部は前記のごとく変化
して希アルカリ水によって現像され、またエッチング
後、感光性被膜を除去する工程で未露光部の感光性被膜
は溶剤または酸によって除去することが出来る。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0024】(a)成分 アクリル樹脂の製造 製造例1 メチルメタクリレート 184重量部 スチレン 250重量部 n−ブチルアクリレート 350重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 197重量部 N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート 19重量部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 80重量部 上記混合物1080重量部を115℃に加熱した600
重量部の2−メトキシプロパノール中に3時間かけて滴
下し、さらに同温度に1時間保持した。次いでこの中に
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル10重量部を2
−メトキシプロパノール200重量部に溶解させた溶液
210重量部を30分間かけて滴下し、さらに115℃
に2時間保持した後、冷却し、固形分約55.5重量%
の樹脂溶液(a−1)を得た。得られた樹脂(固形分)
は、数平均分子量(ゲルパーミュエーションクロマトグ
ラフィーによる、以下同様)約12,000、アミノ基
含量0.12モル/Kg樹脂、水酸基含量1.70モル
/Kg樹脂であった。
【0025】製造例2 n−ブチルメタクリレート 102重量部 スチレン 200重量部 n−ブチルアクリレート 400重量部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 234重量部 グリシジルメタクリレート 64重量部 t−ブチルパーオキシオクトエート 100重量部 上記混合物1100重量部を120℃に加熱した600
重量部のジメチルジグライム中に3時間かけて滴下し、
さらに同温度に2時間保持した後、70℃まで冷却させ
た.次いでこの中に34重量部のN−メチルアミノエタ
ノールを20.5重量部のジメチルジグライムに溶解さ
せた溶液54.5重量部を2時間かけて滴下し、さらに
70℃に1時間保持した後、冷却して、固形分約62.
5重量%の樹脂溶液(a−2)を得た。得られた樹脂
(固形分)は、数平均分子量約8,700、アミノ基含
量0.435モル/Kg樹脂、水酸基含量2.61モル
/Kg樹脂であった。
【0026】製造例3 エチルメタクリレート 105重量部 メチルメタクリレート 300重量部 2−エチルヘキシルメタクリレート 150重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 406重量部 N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート 39重量部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 40重量部 上記混合物1040重量部を115℃に加熱した600
重量部の2−ブトキシエタノール中に3時間かけて滴下
し、さらに同温度に1時間保持した。次いでこの中に
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル10重量部を2
−メトキシプロパノール200重量部に溶解させた溶液
210重量部を30分間かけて滴下し、さらに115℃
に2時間保持した後、冷却し、固形分約55.5重量%
の樹脂溶液(a−3)を得た。得られた樹脂(固形分)
は、数平均分子量約19,000、アミノ基含量0.2
5モル/Kg樹脂、水酸基含量3.50モル/Kg樹脂
であった。
【0027】(b)成分 アクリル樹脂の製造 製造例4 メチルメタクリレート 100重量部 スチレン 150重量部 n−ブチルアクリレート 221重量部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 325重量部 N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート 204重量部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 80重量部 前記製造例1において、混合物1080重量部のかわり
に上記混合物1080重量部を使用する以外は製造例1
と同様に行なって、固形分約55.5重量%の樹脂溶液
(b−1)を得た。得られた樹脂(固形分)は、数平均
分子量約13,200、アミノ基含量1.30モル/K
g樹脂、水酸基含量2.50モル/Kg樹脂であった。
【0028】製造例5 n−ブチルメタクリレート 200重量部 スチレン 200重量部 エチルアクリレート 93重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 209重量部 N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート 298重量部 t−ブチルパーオキシベンゾエート 60重量部 上記混合物1060重量部を115℃に加熱した550
重量部のジメチルジグライム中に3時間かけて滴下し、
さらに同温度に2時間保持した。次いで、この中にt−
ブチルパーオキシベンゾエート30重量部をジメチルジ
グライム50重量部に溶解した溶液80重量部を1時間
かけて滴下し、さらに115℃に3時間保持した後、冷
却して、固形分約62.5重量%の樹脂溶液(b−2)
を得た。得られた樹脂(固形分)は、数平均分子量約3
4,000、アミノ基含量1.90モル/Kg樹脂、水
酸基含量1.80モル/Kg樹脂であった。
【0029】製造例6 スチレン 200重量部 n−ブチルアクリレート 109重量部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 208重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 232重量部 N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート 251重量部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 30重量部 上記混合物1030重量部を115℃に加熱した600
重量部の2−ブトキシエタノール中に3時間かけて滴下
し、さらに同温度に1時間保持した。次いでこの中に
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル10重量部を2
−ブトキシエタノール200重量部に溶解させた溶液2
10重量部を30分間かけて滴下し、さらに115℃に
2時間保持した後、冷却し、固形分約55.5重量%の
樹脂溶液(b−3)を得た。得られた樹脂(固形分)
は、数平均分子量約28,000、アミノ基含量1.6
0モル/Kg樹脂、水酸基含量3.60モル/Kg樹脂
であった。
【0030】製造例7 n−ブチルメタクリレート 128重量部 スチレン 200重量部 n−ブチルアクリレート 300重量部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 117重量部 グリシジルメタクリレート 255重量部 t−ブチルパーオキシオクトエート 100重量部 上記混合物1100重量部を120℃に加熱した600
重量部のジメチルジグライム中に3時間かけて滴下し、
さらに同温度に2時間保持した後、70℃まで冷却させ
た。次いでこの中に135重量部のN−メチルエタノー
ルアミンを81重量部のジメチルジグライムに溶解させ
た溶液216重量部を2時間かけて滴下し、さらに12
0℃に1時間保持した後、冷却し、固形分約62.5重
量%の樹脂溶液(b−4)を得た。得られた樹脂(固形
分)は、数平均分子量約8,500、アミノ基含量1.
59モル/Kg樹脂、水酸基含量3.96モル/Kg樹
脂であった。 比較用アクリル樹脂の製造
【0031】製造例8 スチレン 250重量部 n−ブチルアクリレート 176重量部 メチルメタクリレート 196重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 371重量部 N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート 7重量部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 80重量部 前記製造例1において、混合物1080重量部のかわり
に上記混合物1080重量部を使用する以外は製造例1
と同様に行なって、固形分約55.5重量%の樹脂溶液
(d−1)を得た。得られた樹脂(固形分)は、数平均
分子量約12,500、アミノ基含量0.045モル/
Kg樹脂、水酸基含量3.20モル/Kg樹脂であっ
た。
【0032】製造例9 メチルメタクリレート 207重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 754重量部 N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート 39重量部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 40重量部 前記製造例3において、混合物1040重量部のかわり
に上記混合物1040重量部を使用する以外は製造例3
と同様に行なって、固形分約55.5重量%の樹脂溶液
(d−2)を得た。得られた樹脂(固形分)は、数平均
分子量約19,000、アミノ基含量0.25モル/K
g樹脂、水酸基含量6.50モル/Kg樹脂であった。
【0033】製造例10 スチレン 100重量部 n−ブチルアクリレート 73重量部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 325重量部 N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート 502重量部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 80重量部 前記製造例1において、混合物1080重量部のかわり
に上記混合物1080重量部を使用する以外は製造例1
と同様に行なって、固形分約55.5重量%の樹脂溶液
(d−3)を得た。得られた樹脂(固形分)は、数平均
分子量約12,800、アミノ基含量3.20モル/K
g樹脂、水酸基含量2.50モル/Kg樹脂であった。
【0034】製造例11 n−ブチルアクリレート 66重量部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 208重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 475重量部 N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート 251重量部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 30重量部 前記製造例6において、混合物1030重量部のかわり
に上記混合物1030重量部を使用する以外は製造例6
と同様に行なって、固形分約55.5重量%の樹脂溶液
(d−4)を得た。得られた樹脂(固形分)は、数平均
分子量約29,000、アミノ基含量1.60モル/K
g樹脂、水酸基含量5.70モル/Kg樹脂であった。
【0035】(c)成分 感光剤の製造 製造例12 テトラヒドロフラン10,000重量部中に1,2−ナ
フトキノンジアジド−5−スルホニルクロライド535
重量部および2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノ
ン230重量部を配合、溶解した後、0℃に冷却し、こ
の中に撹拌下にて、トリエチルアミン210重量部とテ
トラヒドロフラン400重量部との混合溶液610重量
部を1時間かけて徐々に滴下した。この滴下によって系
の温度は30℃まで上昇した。滴下終了後、30℃で2
時間保持した後、この反応液を大量の0.1N塩酸水溶
液中に投入し沈殿物を生成させた。この沈殿物を瀘別
し、洗浄液(メタノール/脱イオン水=1/1混合液)
にて洗液が中性となるまで洗浄し、得られた固形物を室
温にて減圧下で乾燥させて感光剤Aを得た。得られた感
光剤Aは1分子中に平均約2個の前記式[1]で表わさ
れる感光基を有していた。
【0036】製造例13 テトラヒドロフラン15,000重量部中に1,2−ナ
フトキノンジアジドー4−スルホニルクロライド80
2.5重量部および2,3,4,4′−テトラヒドロキ
シベンゾフェノン246重量部を配合、溶解した後、0
℃に冷却し、この中に撹拌下にて、トリエチルアミン2
10重量部とテトラヒドロフラン400重量部との混合
溶液610重量部を1時間かけて徐々に滴下した。滴下
終了後、30℃で2時間保持した後、この反応液を製造
例11と同様の方法にて沈殿、▲ろ▼過、乾燥させて感
光剤Bを得た。得られた感光剤Bは1分子中に平均約3
個の前記式[2]で表わされる感光基を有していた。
【0037】製造例14 数平均分子量約3,000のポリ(パラヒドロキシビニ
ルベンゼン)100重量部をテトラヒドロフラン100
重量部に溶解させた溶液に、o−ナフトキノンジアジド
−5−スルホン酸クロリド100重量部をテトラヒドロ
フラン1,000重量部に溶解させた溶液1,100重
量部を加えた後、撹拌下にて、液温を20℃に保持しな
がらトリエチルアミン50重量部を30分かけて滴下
し、さらに20℃に2時間保持し、次いで内容物を多量
の0.5%塩酸水溶液中に注ぎ込み、沈降物を濾別し、
多量の脱イオン水で洗浄後、常温で減圧乾燥させて感光
剤cを得た。得られた感光剤cは1分子中に平均約11
個の前記式[1]で表わされる感光基を有していた。
【0038】製造例15 テトラヒドロフラン5,000重量部中に1,2−ベン
ゾキノンジアジド−4−スルホニルクロライド546重
量部および2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン
230重量部を配合、溶解した後、0℃に冷却し、この
中に撹拌下にて、トリエチルアミン270重量部とテト
ラヒドロフラン300重量部との混合溶液570重量部
を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、30℃で
2時間保持した後、この反応液を製造例11と同様の方
法にて沈殿、▲ろ▼過、乾燥させて感光剤Dを得た。得
られた感光剤Dは1分子中に平均2.5個の前記式
[3]で表わされる感光基を有していた。
【0039】実施例1 製造例1で得た樹脂溶液(a−1) 450重量部 製造例5で得た樹脂溶液(b−1) 960重量部 製造例12で得た感光剤A 150重量部 ベンジルアルコール 250重量部 上記混合物に酢酸53重量部(中和度75重量%に相当
する量)を加えて撹拌中和した後、この中和物を撹拌機
にて1500rpmで撹拌しつつ脱イオン水994重量
部を加えて安定なエマルジョン液である、不揮発分約3
5重量%の電着レジスト組成物を得た。
【0040】実施例2〜6および比較例1〜7 後記表1に示す配合とする以外は実施例1と同様に行な
い各電着レジスト組成物を得た。各例で得た電着レジス
ト組成物の性状値を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】なお表1における(註)は下記の通りであ
る。 (註1)E:HLB16のノニオン系界面活性剤 (註2)F:HLB14のノニオン系界面活性剤 (註3)BA:ベンジルアルコール、CH:シクロヘキ
サン、DMG:ジメチルジグライム、nBE:n−ブト
キシエタノール、の略号である。
【0043】実施例1〜6および比較例1〜7で得た各
電着レジスト組成物を脱イオン水にて不揮発分が10重
量%になるよう希釈して各電着浴を作成した。各電着レ
ジスト組成物(原液)および各電着浴液の液安定性につ
いて試験を行なった。試験結果を表2に示す。試験方法
は下記の通りである。
【0044】液安定性:各原液および電着浴液を密閉
し、30℃にて6ヶ月間まで1ヶ月おきに液状態を調べ
た。貯蔵1日後の液状態も調べた。また、各電着浴液に
ついて貯蔵前および貯蔵6ヶ月後における、分散してい
るエマルジョン粒子の粒径をcoulter Mode
l NS 4D(coulter Electroni
cs Inc. 製)にて測定した。液状態について
は、固化、沈降、分離などの異常のないものを○と表示
した。長期貯蔵における○は6ヶ月貯蔵後に上記異常の
ないことを示す。また上記、貯蔵前および6ヶ月貯蔵後
の各電着浴液を28℃に保った浴中で、0.3mmφの
銅メッキ付きスルーホールを有する銅張り積層板(基
板)を陰極として対極との間に60mA/dmの直流
を60秒間印加した後、該積層板(基板)を浴より引き
出し、水洗後80℃で10分間水切乾燥してレジスト膜
を得た。得られたレジスト膜の膜厚、塗面外観を後記表
2に示す。外観上、異常の認められないものを○とし
た。また、得られたレジスト膜のスルーホール部を遮光
し、その他の部分にラインスペース30μm/30μm
の白黒パターンを有するポリエステル製パターンマスク
を密着し、超高圧水銀灯で150mj/cmの露光を
行なった。さらに、露光を行なった基板に、それぞれ2
0℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃に保っ
た1%炭酸ソーダ水溶液を1分間噴霧して現像を行なっ
た。次いで、現像処理によって露出した銅をアンモニア
/塩化アンモニウム系エッチング液にてエッチング除去
後、50℃の3%乳酸水溶液で残存するレジスト膜を除
去してエッチングパターンを得た。得られたエッチング
パターンの状態をラインスペース部およびスルーホール
部について調べた。ラインスペース部においては、パタ
ーンの剥離欠損や銅残りのないものを○と表示し、スル
ーホール部についてはメッキが完全な状態で残っている
ものを○と表示した。また、現像が行なえる現像液の実
用温度範囲も調べた。試験結果を後記表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】(註)表中のHCはハードケーキングの略
号である。×は著しい増粘の略号である。
【0047】
【発明の効果】本発明レジスト組成物は、塗装時の稼動
安定性に優れ、塗装作業性が良く、導体画像形成の信頼
性の高いレジストを得ることが出来るものである。本発
明レジスト組成物は、特にプリント配線基板製造用エッ
チングレジストに適しており、本発明レジスト組成物を
使用した本発明のプリント配線基板の製造方法によれば
溶液の滞留時間の長い稼動条件下においても信頼性の高
いプリント配線基板を製造することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩沢 直純 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)樹脂1Kg中にアミノ基0.07
    5〜0.55モルおよび水酸基1.5〜5.5モルを有
    するアクリル樹脂 20〜50重量部、(b)樹脂1K
    g中にアミノ基1.00〜2.50モルおよび水酸基
    1.5〜5.5モルを有するアクリル樹脂 25〜70
    重量部および(c)1分子中に下記式[1]、[2]ま
    たは[3]で表わされる基式[1] 【化1】 式[2] 【化2】 式[3] 【化3】 を1個以上有する感光剤7.5〜30重量部を含有し、
    成分(a)、(b)および(c)の合計量が100重量
    部であって、成分(a)、(b)および(c)の合計に
    おけるアミノ基の含有量が0.55〜1.50モル/K
    g、水酸基の含有量が1.2〜3.5モル/Kgである
    樹脂混合物を酸で中和、水分散化して得られる水分散性
    樹脂組成物を主成分として含有することを特徴とするポ
    ジ型感光性カチオン電着レジスト組成物。
  2. 【請求項2】 (a)、(b)、(c)各成分が、合計
    100重量部中(a)成分20〜40重量部、(b)成
    分35〜70重量部、(c)成分7.5〜20重量部で
    ある請求項1に記載されたポジ型感光性カチオン電着レ
    ジスト組成物。
  3. 【請求項3】 固形分の割合が3〜50%である、請求
    項1または2に記載されたポジ型感光性カチオン電着レ
    ジスト組成物。
  4. 【請求項4】 (i)電導性被膜を有する回路用基板表
    面に、請求項1記載の電着レジスト組成物を電着塗装
    し、ポジ型感光性被膜を形成する工程; (ii)該ポジ型感光性被膜をパターンマスクを介して
    露光する工程; (iii)露光部の感光性被膜を除去してエッチングパ
    ターンを形成する工程; (iV)露出した電導性被膜をエッチングにより除去す
    る工程;及び (V)回路パターン上の感光性被膜を除去する工程 を有することを特徴とするプリント配線基板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 電着されたポジ型感光性被膜が乾燥膜厚
    で2〜50μmである、請求項4に記載されたプリント
    配線基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポジ型感光性被膜をパターンマスクを介
    して行なう露光を、3,000〜4,500Åの波長の
    光線を50〜800mj/cm照射して行なう、請求
    項4または5に記載されたプリント配線基板の製造方
    法。
JP26644792A 1992-08-25 1992-08-25 ポジ型感光性カチオン電着レジスト組成物およびこの組成物を用いたプリント配線基板の製造方法 Pending JPH0675370A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005338849A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Dongjin Semichem Co Ltd 感光性樹脂組成物、lcd基板及びlcd基板のパターン形成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005338849A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Dongjin Semichem Co Ltd 感光性樹脂組成物、lcd基板及びlcd基板のパターン形成方法

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