JPH0675367U - 替刃式包丁 - Google Patents

替刃式包丁

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JPH0675367U
JPH0675367U JP2415993U JP2415993U JPH0675367U JP H0675367 U JPH0675367 U JP H0675367U JP 2415993 U JP2415993 U JP 2415993U JP 2415993 U JP2415993 U JP 2415993U JP H0675367 U JPH0675367 U JP H0675367U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】替刃のがたつき発生や本体からの外れを防止で
き、かつ替刃の交換が容易にできる構造の替刃式包丁を
提供する。 【構成】包丁主体3の尾端に把手4を固定する。替刃5
の先端に中板2の替刃受部2aに係合する係止部5aを
設け、把手4側の上方に突出部5bを設ける。替刃5を
替刃挟持部1bに把手4側よりスライド嵌合させて替刃
5の上辺5cを中板2の下辺2cに当接させると共に、
替刃5の係止部5aを中板2の替刃受部2aに係止させ
る。替刃5の突出部5bと包丁主体3の把手側部分に両
側より固定用金具6、7を当てて包持嵌着すると共に、
固定用金具6、7の尾端面を把手4の先端面4aに当接
させる。固定用金具6、7の対向面に突出させて設けた
替刃受部6aで替刃5の突出部5bを受ける。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、切れ味の悪くなった刃を新しい替刃に自由に取り替えできる替刃式 包丁に関する。
【0002】
【従来の技術および考案が解決しようとする課題】
従来この種の包丁として、種々のものが考案されており、例えば、実開昭63 −123269号公報に開示されている例等、把手から先の刃部全体を交換する ものがあるが、このタイプのものは、交換する刃の部分が大きく無駄が多いとい う欠点があった。
【0003】 この欠点を解決するため、他の多くの例は、刃部を上下に分割し、この刃上部 と把手とをねじ等により一体化して包丁本体とし、刃下部のみを替刃として、こ の替刃を前記包丁本体に着脱可能に装着する構造を有している。この種の例とし ては、例えば、実開昭60−36868号公報に開示されているもの等のように 、本体の刃上部に複数のめねじを形成し、ここに替刃をねじ止めするものがある が、この場合、ねじ山数を確保するために前記刃上部を厚くしなければならず重 量が大きくなり、また、ねじが替刃面から突き出ると切れ味が悪くなる恐れがあ り、さらに刃の着脱に非常に手間がかかるという問題点があった。また、他の例 として、実開昭62−120963号公報に開示されているもの等のように、刃 上部の把手側部分で替刃をねじ止めするものがあり、この場合には、刃による切 断時に替刃が受ける力をねじ部が直接受ける構造のため、止ねじの破損や替刃の 装着部にがたつきが発生する恐れがあるという問題点があった。
【0004】 さらに、図9は実開昭49−73658号公報に開示されている従来の替刃包 丁の別の例であり、(A)はその側面図、(B)はその分解斜視図である。この 例は、把手30にビス31により中板32を固定し、該中板32に溶接等により ホルダ−33を合着してなる包丁本体に替刃34を着脱可能に装着するものであ る。該替刃34の装着は、前記ホルダ−33の挿入溝33aに替刃34をスライ ド嵌合させて、替刃34の先端部に設けた係止凹部34aをホルダ−33の先端 に形成した係止部33bに嵌入して替刃34の先端部を係止し、替刃34の後端 突出部34bを固定具35の穴35aに嵌め込むと共に、該固定具35の突起3 5bを中板32の係止孔32aに該固定具35の弾性を利用して弾発的に嵌入さ せ、替刃34の後端側を係止することにより行われる。
【0005】 しかし、上記従来例においては、固定具35はその突起35bを中板32の係 止孔32aに弾発的に係止させているため、固定具35と中板32との結合が弱 く、また、固定具35と把手30の先端との間に替刃34の着脱時に必要なスラ イド幅分の隙間Sがあり、固定具35および替刃34の把手側に押えがない構造 であった。このため、切断作業時に替刃34を把手側に押す力により前記固定具 35が動き、替刃34にがたつきが発生し、最悪の場合、固定具35と共に替刃 34が本体から外れる恐れがあるという問題点があった。
【0006】 本考案は、上記問題点に鑑み、替刃のがたつき発生や本体からの外れを防止で き、かつ替刃の交換が容易にできる構造の替刃式包丁を提供することを目的とす る。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本考案は、逆U字形断面の本体の溝の奥側に、先端 に替刃受部を設けた中板を嵌着固定して、前記本体の溝の開口側に替刃挟持部を 有する包丁主体を形成し、該包丁主体の尾端に把手を固定し、替刃の先端に前記 中板の替刃受部に係合する係止部を設け、該替刃の把手側の上方に前記把手側に 突出した突出部を設け、該替刃を前記替刃挟持部に把手側よりスライド嵌合させ て該替刃の上辺を中板の下辺に当接させると共に、替刃の先端の係止部を中板の 替刃受部に係止させ、前記替刃の突出部と前記包丁主体の把手側部分に両側より 固定用金具を当てて包持嵌着すると共に、該固定用金具の尾端面を前記把手の先 端面に当接させ、かつ該固定用金具に設けた替刃受部を前記替刃の突出部の尾端 面に当接させて、両側の固定用金具どうしをねじで固定したことを特徴とする( 請求項1)。
【0008】 また、本考案は、前記包丁主体の下辺部の前記把手側に下方に突出した突出部 を設けることが好ましく、この場合、前記固定用金具の対向面に突出させて設け た替刃受部を、前記包丁主体の下辺部に設けた突出部と前記替刃の突出部との間 に嵌合する(請求項2)。
【0009】 また、本考案において、前記替刃の突出部の代わりに、切欠きまたは穴を設け 、前記固定用金具の対向面に突出させて設けた替刃受部を前記替刃の切欠きまた は穴に嵌合してもよい(請求項3)。
【0010】 また、本考案は、逆U字形断面の本体の溝の奥側に、先端側にS字形状の替刃 受部を有しかつ把手寄りの下辺部分を傾斜辺とした中板を嵌着固定して、前記本 体の溝の開口側に替刃挟持部を有する包丁主体を形成し、該包丁主体の尾端に把 手を固定し、替刃の先端に前記中板の替刃受部に係合するS字形状の係止部を設 けると共に、替刃の上辺には前記傾斜辺に対応した傾斜辺を設け、該替刃を前記 替刃挟持部に先端側より把手側に向けてスライド嵌合させて替刃の前記S字形状 の係止部を前記中板の前記替刃受部に嵌合させると共に、前記替刃の傾斜辺を前 記中板の傾斜辺に当接させ、前記包丁主体の把手寄りの部分と替刃の一部に両側 より固定用金具を当てて包持嵌着することにより、替刃を包丁主体に固定したこ とを特徴とする(請求項4)。
【0011】 また、本考案は、逆U字形断面の本体の溝の奥側に、斜めに突出させた凸部を 下辺部に少なくとも1か所形成した中板を嵌着固定して、前記本体の溝の開口側 に替刃挟持部を有する包丁主体を形成し、該包丁主体の尾端に把手を固定し、替 刃の上辺には前記中板の凸部に係合する凹部を設け、該替刃を前記替刃挟持部に 把手側より先端側に向けてスライド嵌合させて替刃の前記凹部を前記中板の前記 凸部に嵌合させ、前記包丁主体の把手寄りの部分と替刃の後端部に両側より固定 用金具を当てて包持嵌着すると共に、該固定用金具の尾端面を前記把手の先端面 に当接させ、かつ、固定用金具に設けた替刃受部を前記替刃の後端部に当接させ て、両側の固定用金具どうしをねじで固定したことを特徴とする(請求項5)。
【0012】 また、本考案において、本体の溝の奥側に前記中板の一部を嵌着固定して包丁 主体を形成し、該中板の本体から尾端側に突出した部分に本体との間に間隔を有 して把手を固定し、前記中板の前記把手および本体で覆われていない部分に前記 固定用金具を取付けてもよい(請求項6)。
【0013】 また、本考案において、前記本体と中板とをピンを用いたかしめ付けにより固 定することが好ましい(請求項7)。
【0014】
【作用】
請求項1の替刃式包丁において、替刃を前方に押す力は中板の先端の替刃受部 により受けられ、また、固定用金具は包丁主体に包持するように嵌着固定される と共に、把手に当接して替刃を後方に押す力を受けるので、替刃の取付け強度が 大となり、がたつきが発生しない。請求項2においては、替刃を後方に押す力は 、固定用金具の替刃受部を介して包丁主体の下辺部の把手側に下方に突出した突 出部により支えられるので、さらに取付け強度が大となる。請求項3においては 、替刃にかかる後方に押す力は、切欠きまたは穴と固定用金具の替刃受部との係 合によって、固定用金具ないし把手あるいは包丁主体にかかる。請求項4におい ては、替刃を前方に押す力は中板の傾斜辺により受けられ、替刃を後方に押す力 は中板の先端のS字形状の替刃受部により受けられる。請求項5においては、替 刃を前後方向に押す力は中板の凸部により受けられ、また、固定用金具は包丁主 体に包持するように嵌着固定されると共に、把手に当接して替刃を後方に押す力 を受ける。
【0015】
【実施例】
図1は本考案による替刃式包丁の一実施例を示す分解斜視図、図2(A)はそ の刃部を示す側面図、同(B)はその把手部を示す一部断面側面図、同(C)は 把手部の平面図である。また、図3(A)、(B)、(C)はそれぞれ図2(A )のE−E、F−F、G−G断面図である。これらの図において、1はステンレ ス製の逆U字形断面を有する本体であり、2は先端にかぎ形の替刃受部2aを形 成し、下辺部の把手側に下方に突出した突出部2bを設けたステンレス製の中板 である。図1および図3(C)に示すように、本体1の溝1aの奥側に前記中板 2を嵌着し、かしめ、あるいは溶接等により固着(図3(C)は、ピン23をこ れらに設けた穴に挿入してかしめ付けた例を示す)することにより、替刃挟持部 1bを有する包丁主体3が形成される。4はポリプロピレン等の樹脂製の把手で あり、該把手は前記包丁主体3の尾端側に一体に成形される。なお、木製や樹脂 製の把手4を包丁主体3にねじ等で止めてもよい。5はステンレス製の替刃であ り、先端に前記中板2の替刃受部2aに係合する係止部5aが形成され、把手4 側の上方に把手4側に突出した突出部5bが形成されている。なお、図3(C) に示すように、前記替刃挟持部1bの開口端部の外面1cは替刃5の刃先面5e のテ−パ−角度に合わせて形成されている。
【0016】 前記替刃5の装着は、まず、該替刃5を前記替刃挟持部1bに、図1の矢印ハ に示す方向にスライド嵌合させて該替刃5の上辺5cを中板2の下辺2cに当接 させると共に、替刃5の先端の係止部5aを中板2の替刃受部2aに係止させる 。次に、替刃5の突出部5bと前記包丁主体3の把手側部分に両側よりアルミニ ウム合金等の金属製の断面コ字形の固定用金具6、7を当てて包持嵌着すると共 に、一方の固定用金具6の他方との対向面に突出させて設けた替刃受部6aを、 前記中板2の下辺部に設けた突出部2bと前記替刃5の突出部5bとの間に嵌合 し、両面の固定用金具6、7どうしをねじ20で固定する。該ねじ20による固 定は、ねじ20を固定用金具7に形成した穴7aおよび中板2に形成した穴2e を介して固定用金具6に形成しためねじ6bに螺合させて行う。
【0017】 また、前記替刃5を交換する場合には、前記ねじ20および固定用金具6、7 を外し、替刃5を図1の矢印ハの反対方向にスライドさせて、替刃挟持部1bか ら替刃5を取り外し、前述の手順で新しい替刃5を組付ける。
【0018】 上記実施例において、固定用金具6、7はどちらか一方が包持嵌着できる形状 であれば、両方が断面コ字形でなくてもよい。また、固定用金具6に設けた替刃 受部6aは両面の固定用金具6、7の両方に分割して設けてもよいし、固定用金 具6、7の対向面に相互に嵌合される凸凹嵌合部を設ける構造にしてもよい。ま た、前記中板2の突出部2bは一部が把手4側に入り込んでいてもよい。
【0019】 なお、図2(B)、(C)において、21は把手部に収納可能な包丁吊り具で あり、把手4を中板2にモ−ルドする時に、中板2の後端に形成した切欠き部2 dの両側に板22aを当て、抜け止め用ピン22bと共に組込んでおく。包丁を かけるときは、該吊り具21を2点鎖線で示すように引き出して釘等の吊下げ具 にかける。
【0020】 このように、替刃5の先端の係止部5aを中板2の替刃受部2aと係合したの で、替刃5を前方に押す力は中板2の替刃受部2aにより受けられ、また、固定 用金具6、7は包丁主体3に包持するように嵌着固定されると共に、把手4に当 接して替刃5を後方に押す力を受けるので、替刃5の取付け強度が大となり、が たつきが発生しない。また、本実施例においては、替刃を後方に押す力は、固定 用金具6の替刃受部6aを介して包丁主体3の下辺部の把手側に下方に突出した 中板2の突出部2bでも支えられ、さらに替刃5の取付け強度が大となる。
【0021】 また、本体1は把手4の部分にまで及ぶ長さ、すなわち包丁主体3の全長にわ たる長さとしてもよいが、本例に示すように、該本体1を替刃挟持部1bと同じ 長さで形成することにより、包丁主体3の全長にわたって本体1を形成した場合 と比較して軽量化できる。また、ねじ20の着脱により固定用金具6、7が着脱 できるので、替刃5の交換が容易にできる。さらに、本体1の替刃挟持部1bの 開口端部1cと替刃5の刃先面5eとが連続するように形成しているので、切断 面がきれいな切れ味のよい包丁が構成される。
【0022】 図4(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例を示す側面図、同(B)は その替刃9の側面図、同(C)は(A)のH−H断面図、同(D)は固定用金具 の平面図である。本例は、前記実施例に対して、下方に突出した突出部を削除し た中板8を本体1に嵌着固定し、把手4側の端部に切欠き部9bを設けた替刃9 を装着するものである。該替刃9の装着は、前記実施例と同様に替刃9を替刃挟 持部1bにスライド嵌合させて、固定用金具10、11の尾端面10b、11b を前記把手4の先端面4aに当接させ、かつ一方の固定用金具10の他方との対 向面に突出させて設けた替刃受部10aを前記替刃9の切欠き部(穴としてもよ い)9bに嵌合し、両面の固定用金具10、11どうしをねじ20で固定するこ とにより行われる。
【0023】 図4の例においても、前記実施例と同様に、替刃9を把手4側に押す力を、前 記固定用金具10の替刃受部10aを介して把手4の先端面4aで受けるので、 替刃9の取付け強度が大となり、がたつきが発生しない。なお、図4の例におい ても、前記中板8の下辺部の把手側に下方に突出させて突出部を形成して、該突 出部で替刃9を把手4側に押す力を受けるようにすれば、さらに替刃の取付け強 度が大となる。
【0024】 図5(A)は図4の変形例を示す側面図、同(B)はその替刃12の側面図で ある。本例は、図4に示した実施例に対して、替刃12の把手4側の端部の切欠 き部12bと先端の係止部12aとを半円状に同形状に形成し、それらの形状に 合わせて中板13の先端の替刃受部13aおよび固定用金具14の替刃受部14 aを形成したものであり、図4に示した実施例の効果に加えて、替刃12の前後 の区別がないので、どちら側からでも替刃12を替刃挟持部1bにスライド嵌合 させることができる。また、替刃12を装着する時、まず、矢印ヘに示すように 替刃12を替刃挟持部1bに嵌め込んで替刃受部13aに係止部12aを嵌合し た後、矢印トで示すように替刃受部13aを中心に替刃12を回すことによって 容易に装着できるという利点がある。また、替刃12の構造が簡単になるので、 量産に適し、安価に製造できる。
【0025】 図6(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例を示す側面図、同(B)は 替刃25の側面図、同(C)は(A)のK−K断面図、同(D)は替刃25の製 造工程の一部を示す図である。本例においては、替刃25の突出部25bと包丁 主体3の把手側部分に固定用金具26、27を当てて包持嵌着すると共に、該固 定用金具26、27の替刃受部26a、27aに前記突出部25bを突き当て、 また、固定用金具26、27どうしをねじ20で固定したものである。本例にお いても、替刃25を把手4側に押す力を、前記固定用金具26、27の尾端面2 6b、27bを介して把手4の先端面4aで受けるので、替刃25の取付け強度 が大となり、がたつきが発生しない。また、本例の替刃25は、突出部25bの 下側に切り欠き部25cを設けており、図6(D)に示すように、替刃25を製 造する際には、帯状のステンレス板等に2点鎖線で示すように、穴40を開け、 続いて線Xで切断することにより、替刃25の先端の係止部25aと後端の突出 部25bになる部分が同時に形成できるので、連続して、しかも歩留りよく替刃 25を製造することができる。従って、量産に適し、安価に製造できる。
【0026】 図7(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例を示す側面図、同(B)は 替刃16の側面図である。本例の中板15は、先端側にS字形状の替刃受部15 aを形成し、把手4寄りの下辺部分に傾斜辺15bを形成し、これらの間を下方 に突出させて突出部15cを形成したものであり、該突出部15cをピン23を 用いて本体1にかしめ付けて包丁主体を形成している。一方、替刃16には、上 辺に前記中板15の替刃受部15aに係合するS字形状の係止部16aを形成し 、把手4側の上方に把手4側に突出した突出部16cを形成し、把手4寄りの上 辺部分に前記傾斜辺15bに対応する傾斜辺16bを形成している。該替刃16 の装着は、まず、替刃挟持部1bに先端下側より矢印ニに示すように替刃16を スライド嵌合させて、前記中板15の先端側のS字形状の替刃受部15aに替刃 16のS字形状の係止部16aを係合させつつ、把手4側上方に替刃16を引き 上げて、替刃16の前記傾斜辺16bを中板15の前記傾斜辺15bに当接させ る。次に、替刃16の突出部16cと前記包丁主体1の把手側部分に両側より固 定用金具17を当てて包持嵌着し、固定用金具17どうしをねじ20で固定する 。
【0027】 本例の構造においては、傾斜辺16bと傾斜辺15bを合わせることにより、 替刃16が矢印ニ方向に付勢されて替刃受部15aに係止部16aが緊密に嵌合 されると共に、矢印ニと反対方向の動きは、傾斜辺16bと傾斜辺15bとの当 接によって防止されるので、がたつきのない強固な替刃の取り付け構造が実現さ れる。
【0028】 また、本体1と中板15との固着を中板15の下方への突出部15cで行うこ とにより、替刃挟持部1bの開口端部1cとかしめ用ピン23位置との距離が前 述の実施例と比較して短くできるので、開口端部1cの開きを抑え、替刃16と 替刃挟持部1bとの隙間発生を防止でき、替刃16をより強固に挟持できる。ま た、替刃挟持部1bの溝深さが浅くなるので、溝内部の掃除が容易にでき、衛生 的である。
【0029】 図8(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例を示す側面図、同(B)は 替刃29の側面図、同(C)は(A)のM−M断面図である。本例の中板28は 、下辺28bの先端側と把手寄りの部分に把手側に向けて斜め下方に突出させた 凸部28aを形成して前記同様に本体1にかしめ付けする一方、替刃29の上辺 29bには前記中板28の凸部28aに係合する傾斜した凹部29aを設けてあ り、該替刃29のの装着は、まず、替刃挟持部1bに矢印イに示す方向から替刃 29をスライド嵌合させて、替刃29の前記凹部29aを前記中板28の前記凸 部28aに嵌合させ、次に、替刃29の後端部29cと前記包丁主体の把手側部 分に両側より固定用金具30、31を当てて包持嵌着すると共に、該固定用金具 30、31の尾端面30b、31bを把手4の先端面4aに当接させ、かつ、固 定用金具30、31に設けた替刃受部30a、31aを前記替刃29の後端部2 9cに当接させて、固定用金具30、31どうしをねじ20で固定する。
【0030】 本例の構造においては、凹部29aと凸部28aとの嵌合および替刃受部30 a、31aと替刃29の後端部29bに当接により、替刃29の前後方向および 下方向の動きが防止されるので、がたつきのない強固な替刃の取り付け構造が実 現される。
【0031】
【考案の効果】
請求項1によれば、替刃の先端の係止部を中板の替刃受部と係合し、替刃の後 端の突出部を包丁主体と共に固定用金具により包持固定すると共に、前記突出部 を固定用金具の替刃受部を介して固定用金具で押えると共に、固定用金具を介し て把手で押えるようにしたので、替刃の前後方向および上下方向のずれが防止さ れ、替刃のがたつき発生を防止できる。
【0032】 請求項2によれば、替刃の後端の突出部を固定用金具の替刃受部を介して包丁 主体の下辺に形成した突出部で押えるようにしたので、替刃を把手側に押す力を 該包丁主体の突出部で強固に受けることができ、さらに確実に替刃のがたつき発 生を防止できる。
【0033】 請求項3によれば、請求項1または2と同様の効果を上げることができる。
【0034】 請求項4によれば、替刃挟持部の開口端部と固着位置との距離を短くできるの で、該開口端部の開きを抑え、替刃と替刃挟持部との隙間発生を防止でき、替刃 をより強固に挟持できる。また、替刃挟持部の溝深さが浅くなるので、溝内部の 掃除が容易にでき、衛生的である。
【0035】 請求項5によれば、請求項1または2と同様の効果を上げることができる。
【0036】 請求項6によれば、替刃挟持部の長さで本体を形成するので、前記本体を短く でき、包丁を軽量化できる。
【0037】 請求項7によれば、ピンのかしめ付けにより本体と中板を一体化するので、ス ポット溶接を用いた場合のたわみがなく、外観が良好となる。
【提出日】平成6年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、切れ味の悪くなった刃を新しい替刃に自由に取り替えできる替刃式 包丁に関する。
【0002】
【従来の技術および考案が解決しようとする課題】
従来この種の包丁として、種々のものが考案されており、例えば、実開昭63 −123269号公報に開示されている例等、把手から先の刃部全体を交換する ものがあるが、このタイプのものは、交換する刃の部分が大きく無駄が多いとい う欠点があった。
【0003】 この欠点を解決するため、他の多くの例は、刃部を上下に分割し、この刃上部 と把手とをねじ等により一体化して包丁本体とし、刃下部のみを替刃として、こ の替刃を前記包丁本体に着脱可能に装着する構造を有している。この種の例とし ては、例えば、実開昭60−36868号公報に開示されているもの等のように 、本体の刃上部に複数のめねじを形成し、ここに替刃をねじ止めするものがある が、この場合、ねじ山数を確保するために前記刃上部を厚くしなければならず重 量が大きくなり、また、ねじが替刃面から突き出ると切れ味が悪くなる恐れがあ り、さらに刃の着脱に非常に手間がかかるという問題点があった。また、他の例 として、実開昭62−120963号公報に開示されているもの等のように、刃 上部の把手側部分で替刃をねじ止めするものがあり、この場合には、刃による切 断時に替刃が受ける力をねじ部が直接受ける構造のため、止ねじの破損や替刃の 装着部にがたつきが発生する恐れがあるという問題点があった。
【0004】 さらに、図9は実開昭49−73658号公報に開示されている従来の替刃包 丁の別の例であり、(A)はその側面図、(B)はその分解斜視図である。この 例は、把手30にビス31により中板32を固定し、該中板32に溶接等により ホルダ−33を合着してなる包丁本体に替刃34を着脱可能に装着するものであ る。該替刃34の装着は、前記ホルダ−33の挿入溝33aに替刃34をスライ ド嵌合させて、替刃34の先端部に設けた係止凹部34aをホルダ−33の先端 に形成した係止部33bに嵌入して替刃34の先端部を係止し、替刃34の後端 突出部34bを固定具35の穴35aに嵌め込むと共に、該固定具35の突起3 5bを中板32の係止孔32aに該固定具35の弾性を利用して弾発的に嵌入さ せ、替刃34の後端側を係止することにより行われる。
【0005】 しかし、上記従来例においては、固定具35はその突起35bを中板32の係 止孔32aに弾発的に係止させているため、固定具35と中板32との結合が弱 く、また、固定具35と把手30の先端との間に替刃34の着脱時に必要なスラ イド幅分の隙間Sがあり、固定具35および替刃34の把手側に押えがない構造 であった。このため、切断作業時に替刃34を把手側に押す力により前記固定具 35が動き、替刃34にがたつきが発生し、最悪の場合、固定具35と共に替刃 34が本体から外れる恐れがあるという問題点があった。
【0006】 本考案は、上記問題点に鑑み、替刃のがたつき発生や本体からの外れを防止で き、かつ替刃の交換が容易にできる構造の替刃式包丁を提供することを目的とす る。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本考案は、逆U字形断面の本体の溝に、先端に替刃 受部を設けた中板を嵌着固定して、前記本体の溝の開口側に替刃挟持部を有する 包丁主体を形成し、該包丁主体の尾端に把手を固定し、替刃の先端に前記中板の 替刃受部に係合する係止部を設け、該替刃の把手側の上方に前記把手側に突出し た突出部を設け、該替刃を前記替刃挟持部に把手側よりスライド嵌合させて該替 刃の上辺を中板の下辺に当接させると共に、替刃の先端の係止部を中板の替刃受 部に係止させ、前記替刃の突出部と前記包丁主体の把手側部分に両側より固定用 を当てて包持嵌着すると共に、該固定用具の尾端面を前記把手の先端面に当接 させ、かつ該固定用具に設けた替刃受部を前記替刃の突出部の尾端面に当接させ て、両側の固定用具どうしをねじで固定したことを特徴とする(請求項1)。
【0008】 また、本考案は、前記包丁主体の下辺部の前記把手側に下方に突出した突出部 を設けることが好ましく、この場合、前記固定用具の対向面に突出させて設けた 替刃受部を、前記包丁主体の下辺部に設けた突出部と前記替刃の突出部との間に 嵌合する(請求項2)。
【0009】 また、本考案において、前記替刃の突出部の代わりに、切欠きまたは穴を設け 、前記固定用具の対向面に突出させて設けた替刃受部を前記替刃の切欠きまたは 穴に嵌合してもよい(請求項3)。
【0010】 また、本考案は、逆U字形断面の本体の溝に、先端側にS字形状の替刃受部を 有しかつ把手寄りの下辺部分を傾斜辺とした中板を嵌着固定して、前記本体の溝 の開口側に替刃挟持部を有する包丁主体を形成し、該包丁主体の尾端に把手を固 定し、替刃の先端に前記中板の替刃受部に係合するS字形状の係止部を設けると 共に、替刃の上辺には前記傾斜辺に対応した傾斜辺を設け、該替刃を前記替刃挟 持部に先端側より把手側に向けてスライド嵌合させて替刃の前記S字形状の係止 部を前記中板の前記替刃受部に嵌合させると共に、前記替刃の傾斜辺を前記中板 の傾斜辺に当接させ、前記包丁主体の把手寄りの部分と替刃の一部に両側より 定用具 を当てて包持嵌着することにより、替刃を包丁主体に固定したことを特徴 とする(請求項4)。
【0011】 また、本考案は、逆U字形断面の本体の溝に、斜めに突出させた凸部を下辺部 に少なくとも1か所形成した中板を嵌着固定して、前記本体の溝の開口側に替刃 挟持部を有する包丁主体を形成し、該包丁主体の尾端に把手を固定し、替刃の上 辺には前記中板の凸部に係合する凹部を設け、該替刃を前記替刃挟持部に把手側 より先端側に向けてスライド嵌合させて替刃の前記凹部を前記中板の前記凸部に 嵌合させ、前記包丁主体の把手寄りの部分と替刃の後端部に両側より固定用具を 当てて包持嵌着すると共に、該固定用具の尾端面を前記把手の先端面に当接させ 、かつ、固定用具に設けた替刃受部を前記替刃の後端部に当接させて、両側の 定用具 どうしをねじで固定したことを特徴とする(請求項5)。
【0012】 また、本考案において、本体の溝に前記中板の一部を嵌着固定して包丁主体を 形成し、該中板の本体から尾端側に突出した部分に本体との間に間隔を有して把 手を固定し、前記中板の前記把手および本体で覆われていない部分に前記固定用 を取付けてもよい(請求項6)。
【0013】 また、本考案において、前記本体と中板とをピンを用いたかしめ付けにより固 定することが好ましい(請求項7)。
【0014】
【作用】
請求項1の替刃式包丁において、替刃を前方に押す力は中板の先端の替刃受部 により受けられ、また、固定用具は包丁主体に包持するように嵌着固定されると 共に、把手に当接して替刃を後方に押す力を受けるので、替刃の取付け強度が大 となり、がたつきが発生しない。請求項2においては、替刃を後方に押す力は、 固定用具 の替刃受部を介して包丁主体の下辺部の把手側に下方に突出した突出部 により支えられるので、さらに取付け強度が大となる。請求項3においては、替 刃にかかる後方に押す力は、切欠きまたは穴と固定用具の替刃受部との係合によ って、固定用具ないし把手あるいは包丁主体にかかる。請求項4においては、替 刃を前方に押す力は中板の傾斜辺により受けられ、替刃を後方に押す力は中板の 先端のS字形状の替刃受部により受けられる。請求項5においては、替刃を前後 方向に押す力は中板の凸部により受けられ、また、固定用具は包丁主体に包持す るように嵌着固定されると共に、把手に当接して替刃を後方に押す力を受ける。
【0015】
【実施例】
図1は本考案による替刃式包丁の一実施例を示す分解斜視図、図2(A)はそ の刃部を示す側面図、同(B)はその把手部を示す一部断面側面図、同(C)は 把手部の平面図である。また、図3(A)、(B)、(C)はそれぞれ図2(A )のE−E、F−F、G−G断面図である。これらの図において、1はステンレ ス製の逆U字形断面を有する本体であり、2は先端にかぎ形の替刃受部2aを形 成し、下辺部の把手側に下方に突出した突出部2bを設けたステンレス製の中板 である。図1および図3(C)に示すように、本体1の溝1aに前記中板2を嵌 着し、かしめ、あるいは溶接等により固着(図3(C)は、ピン23をこれらに 設けた穴に挿入してかしめ付けた例を示す)することにより、替刃挟持部1bを 有する包丁主体3が形成される。4はポリプロピレン等の樹脂製の把手であり、 該把手は前記包丁主体3の尾端側に一体に成形される。なお、木製や樹脂製の把 手4を包丁主体3にねじ等で止めてもよい。5はステンレス製の替刃であり、先 端に前記中板2の替刃受部2aに係合する係止部5aが形成され、把手4側の上 方に把手4側に突出した突出部5bが形成されている。なお、図3(C)に示す ように、前記替刃挟持部1bの開口端部の外面1cは替刃5の刃先面5eのテ− パ−角度に合わせて形成されている。
【0016】 前記替刃5の装着は、まず、該替刃5を前記替刃挟持部1bに、図1の矢印ハ に示す方向にスライド嵌合させて該替刃5の上辺5cを中板2の下辺2cに当接 させると共に、替刃5の先端の係止部5aを中板2の替刃受部2aに係止させる 。次に、替刃5の突出部5bと前記包丁主体3の把手側部分に両側より断面コ字 形の固定用具 6、7を当てて包持嵌着すると共に、一方の固定用具6の他方との 対向面に突出させて設けた替刃受部6aを、前記中板2の下辺部に設けた突出部 2bと前記替刃5の突出部5bとの間に嵌合し、両面の固定用具6、7どうしを ねじ20で固定する。該ねじ20による固定は、ねじ20を固定用具7に形成し た穴7aおよび中板2に形成した穴2eを介して固定用具6に形成しためねじ6 bに螺合させて行う。
【0017】 また、前記替刃5を交換する場合には、前記ねじ20および固定用具6、7を 外し、替刃5を図1の矢印ハの反対方向にスライドさせて、替刃挟持部1bから 替刃5を取り外し、前述の手順で新しい替刃5を組付ける。
【0018】 上記実施例において、固定用具6、7はどちらか一方が包持嵌着できる形状で あれば、両方が断面コ字形でなくてもよい。また、固定用具6に設けた替刃受部 6aは両面の固定用具6、7の両方に分割して設けてもよいし、固定用具6、7 の対向面に相互に嵌合される凸凹嵌合部を設ける構造にしてもよい。また、前記 中板2の突出部2bは一部が把手4側に入り込んでいてもよい。
【0019】 なお、図2(B)、(C)において、21は把手部に収納可能な包丁吊り具で あり、把手4を中板2にモ−ルドする時に、中板2の後端に形成した切欠き部2 dの両側に板22aを当て、抜け止め用ピン22bと共に組込んでおく。包丁を かけるときは、該吊り具21を2点鎖線で示すように引き出して釘等の吊下げ具 にかける。
【0020】 このように、替刃5の先端の係止部5aを中板2の替刃受部2aと係合したの で、替刃5を前方に押す力は中板2の替刃受部2aにより受けられ、また、固定 用具 6、7は包丁主体3に包持するように嵌着固定されると共に、把手4に当接 して替刃5を後方に押す力を受けるので、替刃5の取付け強度が大となり、がた つきが発生しない。また、本実施例においては、替刃を後方に押す力は、固定用 6の替刃受部6aを介して包丁主体3の下辺部の把手側に下方に突出した中板 2の突出部2bでも支えられ、さらに替刃5の取付け強度が大となる。
【0021】 また、本体1は把手4の部分にまで及ぶ長さ、すなわち包丁主体3の全長にわ たる長さとしてもよいが、本例に示すように、該本体1を替刃挟持部1bと同じ 長さで形成することにより、包丁主体3の全長にわたって本体1を形成した場合 と比較して軽量化できる。また、ねじ20の着脱により固定用具6、7が着脱で きるので、替刃5の交換が容易にできる。さらに、本体1の替刃挟持部1bの開 口端部1cと替刃5の刃先面5eとが連続するように形成しているので、切断面 がきれいな切れ味のよい包丁が構成される。
【0022】 図4(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例を示す側面図、同(B)は その替刃9の側面図、同(C)は(A)のH−H断面図、同(D)は固定用具の 平面図である。本例は、前記実施例に対して、下方に突出した突出部を削除した 中板8を本体1に嵌着固定し、把手4側の端部に切欠き部9bを設けた替刃9を 装着するものである。該替刃9の装着は、前記実施例と同様に替刃9を替刃挟持 部1bにスライド嵌合させて、固定用具10、11の尾端面10b、11bを前 記把手4の先端面4aに当接させ、かつ一方の固定用具10の他方との対向面に 突出させて設けた替刃受部10aを前記替刃9の切欠き部(穴としてもよい)9 bに嵌合し、両面の固定用具10、11どうしをねじ20で固定することにより 行われる。
【0023】 図4の例においても、前記実施例と同様に、替刃9を把手4側に押す力を、前 記固定用具10の替刃受部10aを介して把手4の先端面4aで受けるので、替 刃9の取付け強度が大となり、がたつきが発生しない。なお、図4の例において も、前記中板8の下辺部の把手側に下方に突出させて突出部を形成して、該突出 部で替刃9を把手4側に押す力を受けるようにすれば、さらに替刃の取付け強度 が大となる。
【0024】 図5(A)は図4の変形例を示す側面図、同(B)はその替刃12の側面図で ある。本例は、図4に示した実施例に対して、替刃12の把手4側の端部の切欠 き部12bと先端の係止部12aとを半円状に同形状に形成し、それらの形状に 合わせて中板13の先端の替刃受部13aおよび固定用具14の替刃受部14a を形成したものであり、図4に示した実施例の効果に加えて、替刃12の前後の 区別がないので、どちら側からでも替刃12を替刃挟持部1bにスライド嵌合さ せることができる。また、替刃12を装着する時、まず、矢印ヘに示すように替 刃12を替刃挟持部1bに嵌め込んで替刃受部13aに係止部12aを嵌合した 後、矢印トで示すように替刃受部13aを中心に替刃12を回すことによって容 易に装着できるという利点がある。また、替刃12の構造が簡単になるので、量 産に適し、安価に製造できる。
【0025】 図6(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例を示す側面図、同(B)は 替刃25の側面図、同(C)は(A)のK−K断面図、同(D)は替刃25の製 造工程の一部を示す図である。本例においては、替刃25の突出部25bと包丁 主体3の把手側部分に固定用具26、27を当てて包持嵌着すると共に、該固定 用具 26、27の替刃受部26a、27aに前記突出部25bを突き当て、また 、固定用具26、27どうしをねじ20で固定したものである。本例においても 、替刃25を把手4側に押す力を、前記固定用具26、27の尾端面26b、2 7bを介して把手4の先端面4aで受けるので、替刃25の取付け強度が大とな り、がたつきが発生しない。また、本例の替刃25は、突出部25bの下側に切 り欠き部25cを設けており、図6(D)に示すように、替刃25を製造する際 には、帯状のステンレス板等に2点鎖線で示すように、穴40を開け、続いて線 Xで切断することにより、替刃25の先端の係止部25aと後端の突出部25b になる部分が同時に形成できるので、連続して、しかも歩留りよく替刃25を製 造することができる。従って、量産に適し、安価に製造できる。
【0026】 図7(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例を示す側面図、同(B)は 替刃16の側面図である。本例の中板15は、先端側にS字形状の替刃受部15 aを形成し、把手4寄りの下辺部分に傾斜辺15bを形成し、これらの間を下方 に突出させて突出部15cを形成したものであり、該突出部15cをピン23を 用いて本体1にかしめ付けて包丁主体を形成している。一方、替刃16には、上 辺に前記中板15の替刃受部15aに係合するS字形状の係止部16aを形成し 、把手4側の上方に把手4側に突出した突出部16cを形成し、把手4寄りの上 辺部分に前記傾斜辺15bに対応する傾斜辺16bを形成している。該替刃16 の装着は、まず、替刃挟持部1bに先端下側より矢印ニに示すように替刃16を スライド嵌合させて、前記中板15の先端側のS字形状の替刃受部15aに替刃 16のS字形状の係止部16aを係合させつつ、把手4側上方に替刃16を引き 上げて、替刃16の前記傾斜辺16bを中板15の前記傾斜辺15bに当接させ る。次に、替刃16の突出部16cと前記包丁主体1の把手側部分に両側より 定用具 17を当てて包持嵌着し、固定用具17どうしをねじ20で固定する。
【0027】 本例の構造においては、傾斜辺16bと傾斜辺15bを合わせることにより、 替刃16が矢印ニ方向に付勢されて替刃受部15aに係止部16aが緊密に嵌合 されると共に、矢印ニと反対方向の動きは、傾斜辺16bと傾斜辺15bとの当 接によって防止されるので、がたつきのない強固な替刃の取り付け構造が実現さ れる。
【0028】 また、本体1と中板15との固着を中板15の下方への突出部15cで行うこ とにより、替刃挟持部1bの開口端部1cとかしめ用ピン23位置との距離が前 述の実施例と比較して短くできるので、開口端部1cの開きを抑え、替刃16と 替刃挟持部1bとの隙間発生を防止でき、替刃16をより強固に挟持できる。ま た、替刃挟持部1bの溝深さが浅くなるので、溝内部の掃除が容易にでき、衛生 的である。
【0029】 図8(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例を示す側面図、同(B)は 替刃29の側面図、同(C)は(A)のM−M断面図である。本例の中板28は 、下辺28bの先端側と把手寄りの部分に把手側に向けて斜め下方に突出させた 凸部28aを形成して前記同様に本体1にかしめ付けする一方、替刃29の上辺 29bには前記中板28の凸部28aに係合する傾斜した凹部29aを設けてあ り、該替刃29のの装着は、まず、替刃挟持部1bに矢印イに示す方向から替刃 29をスライド嵌合させて、替刃29の前記凹部29aを前記中板28の前記凸 部28aに嵌合させ、次に、替刃29の後端部29cと前記包丁主体の把手側部 分に両側より固定用具30、31を当てて包持嵌着すると共に、該固定用具30 、31の尾端面30b、31bを把手4の先端面4aに当接させ、かつ、固定用 30、31に設けた替刃受部30a、31aを前記替刃29の後端部29cに 当接させて、固定用具30、31どうしをねじ20で固定する。
【0030】 本例の構造においては、凹部29aと凸部28aとの嵌合および替刃受部30 a、31aと替刃29の後端部29bに当接により、替刃29の前後方向および 下方向の動きが防止されるので、がたつきのない強固な替刃の取り付け構造が実 現される。
【0031】
【考案の効果】
請求項1によれば、替刃の先端の係止部を中板の替刃受部と係合し、替刃の後 端の突出部を包丁主体と共に固定用具により包持固定すると共に、前記突出部を 固定用具 の替刃受部を介して固定用具で押えると共に、固定用具を介して把手で 押えるようにしたので、替刃の前後方向および上下方向のずれが防止され、替刃 のがたつき発生を防止できる。
【0032】 請求項2によれば、替刃の後端の突出部を固定用具の替刃受部を介して包丁主 体の下辺に形成した突出部で押えるようにしたので、替刃を把手側に押す力を該 包丁主体の突出部で強固に受けることができ、さらに確実に替刃のがたつき発生 を防止できる。
【0033】 請求項3によれば、請求項1または2と同様の効果を上げることができる。
【0034】 請求項4によれば、替刃挟持部の開口端部と固着位置との距離を短くできるの で、該開口端部の開きを抑え、替刃と替刃挟持部との隙間発生を防止でき、替刃 をより強固に挟持できる。また、替刃挟持部の溝深さが浅くなるので、溝内部の 掃除が容易にでき、衛生的である。
【0035】 請求項5によれば、請求項1または2と同様の効果を上げることができる。
【0036】 請求項6によれば、替刃挟持部の長さで本体を形成するので、前記本体を短く でき、包丁を軽量化できる。
【0037】 請求項7によれば、ピンのかしめ付けにより本体と中板を一体化するので、ス ポット溶接を用いた場合のたわみがなく、外観が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による替刃式包丁の一実施例を示す分解
斜視図である。
【図2】(A)は該実施例の刃部を示す側面図、(B)
は把手部を示す一部断面側面図、同(C)は把手部を示
す平面図である。
【図3】(A)、(B)、(C)はそれぞれ図2(A)
のE−E、F−F、G−G断面図である。
【図4】(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例
を示す側面図、(B)はその替刃の側面図、(C)は
(A)のH−H断面図、(D)は固定用金具を示す平面
図である。
【図5】(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例
を示す側面図、(B)はその替刃の側面図である。
【図6】(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例
を示す側面図、(B)はその替刃の側面図、(C)は
(A)のK−K断面図、(D)は替刃の製造工程を示す
図である。
【図7】(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例
を示す側面図、(B)はその替刃の側面図である。
【図8】(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例
を示す側面図、(B)はその替刃の側面図、(C)は
(A)のM−M断面図である。
【図9】(A)は従来の替刃式包丁の一例を示す側面
図、(B)はその分解斜視図である。
【符号の説明】
1 本体 1a 溝 1b 替刃挟持部 1c 開口端部 2、8、13、15、24、28 中板 2a、13a、15a 替刃受部 2b、15c、16c 突出部 3 包丁主体 4 把手 4a 先端面 5、9、12、16、25、29 替刃 5a、12a、16a、25a 係止部 5b、25b 突出部 5e 刃先面 6、7、10、11、14、17、26、27、30、
31 固定用金具 6a、10a、14a 替刃受部 9b、12b、25c 切欠き部 15b、16b 傾斜辺 20 ねじ 21 包丁吊り具 23 ピン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 替刃式包丁
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による替刃式包丁の一実施例を示す分解
斜視図である。
【図2】(A)は該実施例の刃部を示す側面図、(B)
は把手部を示す一部断面側面図、同(C)は把手部を示
す平面図である。
【図3】(A)、(B)、(C)はそれぞれ図2(A)
のE−E、F−F、G−G断面図である。
【図4】(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例
を示す側面図、(B)はその替刃の側面図、(C)は
(A)のH−H断面図、(D)は固定用具を示す平面図
である。
【図5】(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例
を示す側面図、(B)はその替刃の側面図である。
【図6】(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例
を示す側面図、(B)はその替刃の側面図、(C)は
(A)のK−K断面図、(D)は替刃の製造工程を示す
図である。
【図7】(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例
を示す側面図、(B)はその替刃の側面図である。
【図8】(A)は本考案による替刃式包丁の他の実施例
を示す側面図、(B)はその替刃の側面図、(C)は
(A)のM−M断面図である。
【図9】(A)は従来の替刃式包丁の一例を示す側面
図、(B)はその分解斜視図である。
【符号の説明】 1 本体 1a 溝 1b 替刃挟持部 1c 開口端部 2、8、13、15、24、28 中板 2a、13a、15a 替刃受部 2b、15c、16c 突出部 3 包丁主体 4 把手 4a 先端面 5、9、12、16、25、29 替刃 5a、12a、16a、25a 係止部 5b、25b 突出部 5e 刃先面 6、7、10、11、14、17、26、27、30、
31 固定用具 6a、10a、14a 替刃受部 9b、12b、25c 切欠き部 15b、16b 傾斜辺 20 ねじ 21 包丁吊り具 23 ピン

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】逆U字形断面の本体の溝の奥側に、先端に
    替刃受部を設けた中板を嵌着固定して、前記本体の溝の
    開口側に替刃挟持部を有する包丁主体を形成し、該包丁
    主体の尾端に把手を固定し、替刃の先端に前記中板の替
    刃受部に係合する係止部を設け、該替刃の把手側の上方
    に前記把手側に突出した突出部を設け、該替刃を前記替
    刃挟持部に把手側よりスライド嵌合させて該替刃の上辺
    を中板の下辺に当接させると共に、替刃の先端の係止部
    を中板の替刃受部に係止させ、前記替刃の突出部と前記
    包丁主体の把手側部分に両側より固定用金具を当てて包
    持嵌着すると共に、該固定用金具の尾端面を前記把手の
    先端面に当接させ、かつ該固定用金具に設けた替刃受部
    を前記替刃の突出部の尾端面に当接させて、両側の固定
    用金具どうしをねじで固定したことを特徴とする替刃式
    包丁。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記包丁主体の下辺部
    の前記把手側に下方に突出した突出部を設け、前記固定
    用金具の対向面に突出させて設けた替刃受部を前記包丁
    主体の下辺部に設けた突出部と前記替刃の突出部との間
    に嵌合したことを特徴とする替刃式包丁。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記替刃の突
    出部の代わりに、切欠きまたは穴を設け、前記固定用金
    具の対向面に突出させて設けた替刃受部を前記替刃の切
    り欠きまたは穴に嵌合したことを特徴とする替刃式包
    丁。
  4. 【請求項4】逆U字形断面の本体の溝の奥側に、先端側
    にS字形状の替刃受部を有しかつ把手寄りの下辺部分を
    傾斜辺とした中板を嵌着固定して、前記本体の溝の開口
    側に替刃挟持部を有する包丁主体を形成し、該包丁主体
    の尾端に把手を固定し、替刃の先端に前記中板の替刃受
    部に係合するS字形状の係止部を設けると共に、替刃の
    上辺には前記傾斜辺に対応した傾斜辺を設け、該替刃を
    前記替刃挟持部に先端側より把手側に向けてスライド嵌
    合させて替刃の前記S字形状の係止部を前記中板の前記
    替刃受部に嵌合させると共に、前記替刃の傾斜辺を前記
    中板の傾斜辺に当接させ、前記包丁主体の把手寄りの部
    分と替刃の一部に両側より固定用金具を当てて包持嵌着
    することにより、替刃を包丁主体に固定したことを特徴
    とする替刃式包丁。
  5. 【請求項5】逆U字形断面の本体の溝の奥側に、斜めに
    突出させた凸部を下辺部に少なくとも1か所形成した中
    板を嵌着固定して、前記本体の溝の開口側に替刃挟持部
    を有する包丁主体を形成し、該包丁主体の尾端に把手を
    固定し、替刃の上辺には前記中板の凸部に合致する傾斜
    した凹部を設け、該替刃を前記替刃挟持部に把手側より
    先端側に向けてスライド嵌合させて替刃の前記凹部を前
    記中板の前記凸部に嵌合させ、前記包丁主体の把手寄り
    の部分と替刃の後端部に両側より固定用金具を当てて包
    持嵌着すると共に、該固定用金具の尾端面を前記把手の
    先端面に当接させ、かつ、固定用金具に設けた替刃受部
    を前記替刃の後端部に当接させて、両側の固定用金具ど
    うしをねじで固定したことを特徴とする替刃式包丁。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかにおいて、前
    記本体の溝の奥側に前記中板の一部を嵌着固定して包丁
    主体を形成し、該中板の本体から尾端側に突出した部分
    に本体との間に間隔を有して把手を固定し、前記中板の
    前記把手および本体で覆われていない部分に前記固定用
    金具を取付けたことを特徴とする替刃式包丁。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかにおいて、前
    記本体と中板とをピンを用いたかしめ付けにより固定し
    たことを特徴とする替刃式包丁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011092580A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Prince Kogyo Kk 替刃式皮むき器

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