JP3132313U - 作業機 - Google Patents

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伸二 木村
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Abstract

【課題】不使用時には可及的にコンパクトにすることができるとともに、各使用者毎に異なる体型や使い勝手に応じて一対の把持部の相対位置を変更できる作業機を提供する。
【解決手段】先端部に刈刃等の作動体を設けた長尺の操作杆3と、操作杆3に対して交差し且つ両端部に把持部を有する概略U字状のハンドル4と、ハンドル4を保持するホルダ5と、操作杆3に設けられ且つホルダ5を操作杆3に取り付けるための取付部6とを備え、ホルダ5を、取付部6に対する取付角度を複数の取付角度から選択可能なものとするとともに、ハンドル4を、左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42とを相対回転可能に連結したものとした。
【選択図】図14

Description

本考案は、刈払機等の作業機に関するものである。
従来より、先端部に刈刃等の作動体を設けた長尺の操作杆と、操作杆に対して交差し且つ両端部にそれぞれ把持部を設けた概略U字状のハンドルと、ハンドルを保持するホルダと、操作杆に設けられ且つホルダを操作杆に取り付けるための取付部とを備えた作業機が知られている(例えば特許文献1参照)。そして、使用時には、ハンドルの中央部位における軸方向を操作杆の軸方向に略直交させた状態で固定するとともに、不使用時には、作業機全体の最大巾寸法を使用時よりも小さくするために、取付部に対するホルダの取付角度を変更して、ハンドルの中央部位における軸方向を操作杆の軸方向と略平行となる状態で固定するようにしている。
実公平1−32511号公報
しかしながら、従来のものは、ハンドルがパイプ状の部材を概略略U字状に湾曲させた一体品であるため、不使用時に、ハンドルの中央部位における軸方向を操作杆の軸方向と略平行となる状態に設定した場合であっても、操作杆の一方の側方側にのみハンドルが位置付けられ、作業機全体がアンバランスな状態となるのみならず、作業機全体の最大巾寸法が、操作杆の軸方と略平行なハンドルの中央部位から把持部までの寸法に相当し、今ひとつコンパクトにできないという問題があった。さらに、左右の把持部の相対位置が常に一定であるため、各使用者毎に異なる体型や使い勝手に応じて把持部の相対位置を変更することができないという不具合があった。また、この種の作業機は、組み立てた状態である程度の巾寸法を有するため、通常、各部材を分解した状態で梱包、搬送され、搬送先(例えばホームセンタ等)で組み立てる必要があった。
本考案は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、不使用時には可及的にコンパクトにすることができるとともに、各使用者毎に異なる体型や使い勝手に応じて一対の把持部の相対位置を変更できる作業機を提供することにある。
すなわち、本考案の作業機は、先端部に刈刃等の作動体を設けた長尺の操作杆と、当該操作杆に対して交差し且つ両端部に把持部を有する概略U字状のハンドルと、当該ハンドルを保持するホルダと、前記操作杆に設けられ且つ前記ホルダを前記操作杆に取り付けるための取付部とを備えた作業機であり、前記ホルダが、前記取付部に対する取付角度を複数の取付角度から選択可能なものであり、前記ハンドルが、左側ハンドル要素と右側ハンドル要素とを相対回転可能に連結したものであることを特徴とするものである。
このようなものであれば、左側ハンドル要素と右側ハンドル要素とを相対的に回動させることによって、把持部として機能する各ハンドル要素の反連結端部同士の相対位置を変更することができ、各使用者の体型や使い心地に応じて把持部の相対位置を好適に変更することができ、実用及び汎用性に富むものとなる。また、不使用時には、ハンドル全体が概略S字状をなすように左側ハンドル要素と右側ハンドル要素とを相対回転させ、さらに取付部に対するホルダの取付角度を変更することによって、作業機の最大巾寸法を可及的に小さく抑えることができ、コンパクトな状態で収納することができる。
また、前記ホルダが、前記ハンドル要素の連結部分近傍領域における外面を嵌合した状態で挟持し得る一対のホルダ要素と、これらホルダ要素同士を締め付ける締付部材とを備えたものであり、前記ハンドルが、前記左側ハンドル要素の軸心と前記右側ハンドル要素の軸心とをずらした状態でこれらハンドル要素同士を連結したものであれば、ハンドルに対する各ホルダ要素の内面の当接面積を有効に稼ぎ、良好な締付状態を実現することができる。
特に、前記各ホルダ要素が、前記各ハンドル要素の連結部分近傍領域を収容する凹溝と、当該凹溝の一部に設けられ且つ当該凹溝よりも大きい径を有する大径部とを備えたものであり、前記ハンドルが、前記左側ハンドル要素と前記右側ハンドル要素との連結部分に、他の部位よりも軸方向に直交する方向に突出し且つ前記大径部に収容される突出部を備えたものであれば、大径部に突出部を収容させることによって、ハンドルがホルダから不意に抜け外れることを防止することができる。この場合、前記ハンドルが、前記左側ハンドル要素又は前記右側ハンドル要素の何れか一方に設けた軸部を、他方に設けた軸受け部に挿入することによってハンドル要素同士を連結するものであり、前記突出部が、前記軸部又は前記軸受け部の少なくとも何れか一方に設けた鍔部であれば、鍔部とは別に専用の突出部が必要な態様と比較して、部品の共通化を図ることができ、組立工数の削減をも有効に図ることができる。
好適な実施態様としては、前記ホルダが、前記取付部に対する取付角度を、少なくとも前記ハンドルの連結部分における軸方向を前記操作杆の長手方向と略直交させた第1取付角度と、前記ハンドルの連結部分における軸方向が前記操作杆の長手方向と略平行となる角度と前記第1取付角度との略中間である第2取付角度とから選択可能なものである態様が挙げられる。
以上説明したように本考案によれば、不使用時には作業機全体を可及的にコンパクトにすることができるとともに、各使用者毎に異なる体型や使い勝手に応じて一対の把持部の相対位置を変更することができ、実用性に優れたものとなる。
以下、本考案の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る部材の連結構造は、図1に示すように、刈払機1のハンドル4を構成する左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42とを連結する際に適用されるものである。
刈払機1は、原動機2と、基端部を原動機2に接続した操作杆3と、操作杆3の所定部位に設けたハンドル4と、ハンドル4を保持するホルダ5と、操作杆3に設けられ且つホルダ5を操作杆3に取り付けるための取付部6とを備えたものである。
操作杆3は、略直線状をなす横断面円筒状のものであり、先端部に刈刃31を設けている。
ハンドル4は、図2〜図4に示すように、左側ハンドル要素41と、右側ハンドル要素42とを連結したものである。各ハンドル要素41、42はそれぞれ横断面円筒状をなし、所定形状に湾曲させたものである。以下の説明において、各ハンドル要素41、42のうち、連結する側の端部を「連結端部」とし、反対側の端部を「反連結端部」とする。各ハンドル要素41、42はそれぞれ横断面円筒状をなし、反連結端部にそれぞれ左側ハンドルグリップ411、右側ハンドルグリップ421(本考案の「把持部」に相当)を設けたものである。そして、左側ハンドル要素41の連結端部に、コネクタとして機能する軸部43を設けるとともに、右側ハンドル要素42の連結端部に軸部43を受け入れる軸受け部44を設けている。
軸受け部44は、図4及び図5(図5(a)、(b)、(c)はそれぞれ軸受け部44の底面図、(a)のx方向矢視図、(a)のy−y線断面図である)に示すように、弾性素材からなり、内部に軸部43が挿入可能な挿入孔44aを有する軸受け本体441と、軸受け本体441の外面よりも外方に突出し且つ左側ハンドル要素41の連結端部近傍に形成した係合孔412に弾性係合可能な弾性係合部442とを備えたものである。なお、以下の説明において、軸受け部44のうち、左側ハンドル要素41に取り付けた状態において左側ハンドル要素41の連結端側に位置付けられる端部を「開口端部」とし、反対側の端部を「奥方端部」とする。
軸受け本体441は、前記左側ハンドル要素41の内径と略同一又は若干小さい外径を有するものである。この軸受け本体441に、軸方向に沿って延伸する単一のスリット441aを形成している。スリット441aは、軸受け本体441の開口端部から奥方端部に亘る領域に軸方向に沿って連続して延伸するものである。本実施形態では、弾性係合部442と対向する位置にスリット441aを形成している。
弾性係合部442は、概略円柱状をなす凸部である。本実施形態では、左側ハンドル要素41に対する軸受け部44の挿入作業をスムーズ且つ的確に行えるように、弾性係合部442の一部に斜面状に面取りした傾斜部442aを設けている。
また、軸受け部44は、開口端部に、軸受け本体441の外面よりも外方に突出し且つ左側ハンドル要素41の連結端部に当接し得る鍔部443を備えたものである。本実施形態では、一対の鍔部443を相互に対向する位置に設けている。なお、軸受け部44は、合成樹脂製の一体成形品である。
左側ハンドル要素41に対する軸受け部44の取付作業は、軸受け部44を奥方端部側から左側ハンドル要素41の連結端部に挿入することによって行う。軸受け部44を左側ハンドル要素41の連結端部に挿入する際、弾性係合部442の傾斜部442aが左側ハンドル要素41の開口端部に当接することによって軸受け部44全体が挿入孔44aの径を小さくする方向に一時的に弾性変形する。そして、弾性係合部442が左側ハンドル要素41の係合孔412に到達した際に、軸受け部44全体が弾性復帰し、弾性係合部442が左側ハンドル要素41の係合孔412に弾性係合する。これにより、軸受け部44を左側ハンドル要素41の連結端部に位置決めした状態で取り付けることができる。
一方、右側ハンドル要素42に取り付けられる軸部43は、図4及び図6(図6(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ軸部43の平面図、(a)のx方向矢視図、(a)のy方向矢視図、(a)のz方向矢視図である)に示すように、前記挿入孔44aに挿入可能な第1挿入軸431と、右側ハンドル要素42の連結端部に挿入可能な第2挿入軸432と、第1挿入軸431と第2挿入軸432との間に設けられ且つ右側ハンドル要素42の連結端部に当接し得る鍔部433とを備えたものである。
第1挿入軸431は、前記挿入孔44aの径と略同一又は若干小さい外径を有するものである。また、第1挿入軸431は、二股状をなし相互に対向する一対の第1対向部4311を有するものである。これら第1対向部4311間には所定の間隙431sが形成されている。各第1対向部4311の先端部近傍に、軸方向に対して略直交する方向にタッピングした第1ネジ孔4312をそれぞれ設けている。
第2挿入軸432は、右側ハンドル要素42の内径と略同一又は若干小さい外径を有するものである。また、第2挿入軸432は、二股状をなし相互に対向する第2対向部4321を有するものである。これら第2対向部4321間には所定の間隙432sが形成されている。各第2対向部4321の先端部近傍に、軸方向に対して略直交する方向にタッピングした第2ネジ孔4322をそれぞれ設けている。
鍔部433は、右側ハンドル要素42の外径よりも大きい径を有する円盤状のものである。
本実施形態では、第1挿入軸431、第2挿入軸432及び鍔部433を金属素材により一体に成形している。また、本実施形態に係る軸部43は、第1挿入軸431の軸心431mを第2挿入軸432の軸心432mに対して偏心させている(図6参照)。
さらに、本実施形態に係る軸部43は、図7に示すように、第1挿入軸431を挿入孔44aに挿入した状態において一対の第1対向部4311を相互に離間させてこれら第1対向部4311をそれぞれ軸受け本体441の内壁に当接又は近接する方向に押し広げる第1拡開手段434を備えている。
第1拡開手段434は、各第1対向部4311の第1ネジ孔4312にそれぞれ螺合可能な一対の第1螺合体4341を備えたものである。本実施形態では、第1螺合体4341として止めネジを適用している。これら一対の第1螺合体4341を備えてなる第1拡開手段434の作用については後述する。
また、本実施形態に係る軸部43は、第2挿入軸432を右側ハンドル要素42に挿入した状態において一対の第2対向部4321を相互に離間させてこれら第2対向部4321をそれぞれ右側ハンドル要素42の内壁に当接又は近接する方向に押し広げる第2拡開手段435を備えている。
第2拡開手段435は、各第2対向部4321の第2ネジ孔4322にそれぞれ螺合可能な一対の第2螺合体4351を備えたものである。本実施形態では、第2螺合体4351として止めネジを適用している。これら一対の第2螺合体4351を備えてなる第2拡開手段435の作用については後述する。
右側ハンドル要素42に対する軸部43の取付作業は、軸部43の第2挿入軸432を右側ハンドル要素42の連結端部に挿入することによって行う。この際、予め、第2挿入軸432の各第2対向部4321に形成した第2ネジ孔4322にそれぞれ第2螺合体4351を螺合しておく。なお、螺合状態において各第2螺合体4351が第2対向部4321の外面よりも外方に突出しないようにしておく。そして、軸部43の鍔部433が右側ハンドル要素42の縁部に当接することにより第2挿入軸432のそれ以上の挿入動作が規制される。第2挿入軸432を右側ハンドル要素42の連結端部に挿入した状態において、何れか一方の第2ネジ孔4322と、右側ハンドル要素42の連結端部に形成した操作孔422とが連通し、操作孔422から挿入した六角レンチ等の治具を用いて、当該一方の第2ネジ孔4322に螺合している一方の第2螺合体4351に対してネジ送り操作を行う。このネジ送り操作によって、一方の第2螺合体4351の先端部と他方の第2螺合体4351の先端部同士が相互に押圧し合う。すると、一対の第2螺合体4351を用いてなる前記第2拡開手段435がその機能を発揮し、第2対向部4321が相互に離間する方向に押し広げられ、各第2対向部4321の外面が右側ハンドル要素42の内面に圧接する。その結果、軸部43と右側ハンドル要素42とが同期回転可能な状態となる。なお、第2挿入軸432を右側ハンドル要素42の連結端部に挿入した状態において、何れか一方の第2ネジ孔4322と、右側ハンドル要素42の連結端部に形成した操作孔422とが連通しない場合には、右側ハンドル要素42に対して軸部43を回動させて何れか一方の第2ネジ孔4322と操作孔422とを連通させればよい。
次に、軸受け部44を装着した左側ハンドル要素41と、軸部43を装着した右側ハンドル要素42とを連結する手順を図4及び図7等を参照して説明する。
先ず、軸部43の第1挿入軸431を軸受け部44の挿入孔44aに挿入する。この際、予め、第1挿入軸431の各第1対向部4311に形成した第1ネジ孔4312のうち何れか一方の第1ネジ孔4312にのみ一方の第1螺合体4341を螺合しておく。なお、第1螺合体4341が、第1対向部4311の外面よりも外方に突出しないようにしておく。軸部43の第1挿入軸431を軸受け部44の挿入孔44aに挿入することによって、軸受け部44全体が、挿入孔44aの径を小さくする方向への弾性変形を規制された状態となり、軸受け部44の弾性係合部442と左側ハンドル要素41に形成した係合孔412との係合状態が解除不能となる。そして、軸部43の鍔部433が軸受け部44の鍔部443に当接することにより第1挿入軸431のそれ以上の挿入動作が規制される。第1挿入軸431を左側ハンドル要素41の連結端部に挿入した状態において、他方の第1ネジ孔4312と、左側ハンドル要素41の連結端部に形成した操作孔413とが連通し、操作孔413から他方の第1螺合体4341を他方の第1ネジ孔4312に挿入して、六角レンチ等の治具を用いてネジ送り操作を行う。ある程度ネジ送り操作を続けることによって、やがて一方の第1螺合体4341の先端部と他方の第1螺合体4341の先端部同士が相互に押圧し合う。すると、一対の第1螺合体4341を用いてなる前記第1拡開手段434がその機能を発揮し、第1対向部4311が相互に離間する方向に押し広げられ、各第1対向部4311の外面が軸受け本体441の内面に当接又は近接する。その結果、軸部43と軸受け本体441との間に所定の摩擦力を生じさせた状態で左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42とを連結することができる。そして、前記摩擦力に抗する回転操作力を付与することにより、左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42とを相対的に回動させることが可能となる。また、軸部43の第1挿入軸431の軸心431mと第2挿入軸432の軸心432mとをずらしているため、左側ハンドル要素41の回転中心41mと右側ハンドル要素42の回転中心42mもずれた状態となる(図3参照)。さらに、他方の第1螺合体4341が、第1対向部4311の外面よりも外方に突出した状態となる。これにより、第1挿入軸431が反挿入方向へ移動した際に挿入孔44aの奥方端部に当接し、第1挿入軸431が挿入孔44aから抜け外れることを防止できる。すなわち、第1螺合体4341が、軸受け部44に挿入した状態において反挿入方向へ移動した際に挿入孔44aの奥方端部に当接するストッパとして機能する。また、本実施形態では、第1螺合体4341の軸径を前記スリット441aの横断開口巾寸法よりも大きく設定し、第1螺合体4341がスリット441aを通過し得ないようにしている。なお、第1挿入軸431を左側ハンドル要素41の連結端部に挿入した状態において、他方の第1ネジ孔4312と、左側ハンドル要素41の連結端部に形成した操作孔413とが連通しない場合には、左側ハンドル要素41に対して軸部43を回動させて他方の第1ネジ孔4312と操作孔413とを連通させればよい。
このようにして、左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42とを連結してなるハンドル4はホルダ5に保持される。
ホルダ5は、左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42との連結部分4R近傍領域を保持するものである。ホルダ5は、ハンドル4を挟持し得る下側ホルダ要素51及び上側ホルダ要素52と、これら下側ホルダ要素51、上側ホルダ要素52同士を締め付ける締付部材53とを備えたものである。
下側ホルダ要素51は、図8及び図9(同図(a)、(b)、(c)はそれぞれ下側ホルダ要素51の平面図、側面図、底面図である)に示すように、上面部に、ハンドル4の連結部分4R近傍領域における外周の下半部を嵌合した状態で被覆し得る第1凹溝511を形成したものである。そして、この第1凹溝511の長手方向中央部に、第1凹溝511の径よりも大きい径を有する第1大径部512を形成している(図9参照)。また、第1凹溝511の長手方向略中央部位に、曲率の中心を第1凹溝511の他の部位の曲率の中心と異ならせ且つ他の部位よりも優先してハンドル4に当接する第1当接円弧面513を設けている。また、下側ホルダ要素51の一端部には、後述する上側ホルダ要素52の引掛け部524が引掛け可能な回動軸514を設け、他端部には、締付部材53が挿入可能な第1挿入孔515を設けている。なお、この回動軸514と第1凹溝511との間に引掛け部524の挿入及び回動を許容する挿入許容空間51sを形成している。さらに、他端部の底面部には、ホルダ5を操作杆3に取り付けるための取付部6に嵌合可能な第1嵌合部516を設けている。第1嵌合部516は、前記第1挿入孔515を中心として放射状に延伸する複数の第1凸部516aを周方向に沿って所定ピッチで設けた凹凸状のものである。
上側ホルダ要素52は、図10(同図(a)、(b)、(c)はそれぞれ下側ホルダ要素52の平面図、側面図、底面図である)に示すように、底面部に、ハンドル4の連結部分4R近傍領域における外周の上半部を嵌合した状態で被覆し得る第2凹溝521を形成したものである。そして、この第2凹溝521の長手方向中央部に、第2凹溝521の径よりも大きい径を有する第2大径部522を形成している。また、この第2凹溝521における長手方向両端部位に、曲率の中心を第2凹溝521の他の部位の曲率の中心と異ならせ且つ他の部位よりも優先してハンドル4に当接する第2当接円弧面523を設けている。また、上側ホルダ要素52の一端部には、下側ホルダ要素51の回動軸514に係合可能な引掛け部524を設け、他端部には、締付部材53が挿入可能であり且つ下側ホルダ要素51の第1挿入孔515に連通する第2挿入孔525を設けている。引掛け部524は、他の部位より下方に突出した側面視部分円弧状をなすものである。
下側ホルダ要素51及び上側ホルダ要素52は、それぞれアルミダイキャスト製の一体成形品である。
締付部材53は、図1及び図11に示すように、外周にネジを螺刻した締付軸531と、締付軸531の基端部に設けた操作部532とを有するものである。締付軸531の基端部側に、他の部位より大径であり且つ締め付け作業時に上側ホルダ要素52の上面に押圧する押圧部533を設けている。
このようなホルダ5にハンドル4を保持させる作業は、左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42との連結部分4R近傍領域を下側ホルダ要素51の第1凹溝511に収容し、この下側ホルダ要素51と、下側ホルダ要素51の回動軸514に引掛け部524を引掛けた上側ホルダ要素52とによってハンドル4を挟持させることによって行う。左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42との連結部分4R近傍領域を下側ホルダ要素51の第1凹溝511に収容する際、軸部43の鍔部433及び軸受け部44の鍔部443を下側ホルダ要素51の第1大径部512に収容する。そして、下側ホルダ要素51と上側ホルダ要素52とによってハンドル4を挟持した状態において、軸受け部44の鍔部443及び軸部43の鍔部433が下側ホルダ要素51の第1大径部512および上側ホルダ要素52の第2大径部522に収容されることにより、ハンドル4がホルダ5から抜け外れることを防止している。すなわち、軸受け部44の鍔部443及び軸部43の鍔部433が本考案の「突出部」として機能する。
ホルダ5を操作杆3に取り付けるための取付部6は、操作杆3を挟持し得る下側取付要素61及び上側取付要素62と、これら下側取付要素61、上側取付要素62同士を締め付ける図示しない締付部材とを備えたものである。
下側取付要素61は、図12(同図(a)、(b)、(c)はそれぞれ下側取付要素61の平面図、側面図、底面図である)に示すように、上面部に操作杆3の外周の下半部を嵌合した状態で被覆し得る第3凹溝611を形成したものである。この下側取付要素61は、第3凹溝611を跨ぐ位置に上下方向に貫通する一対の貫通孔612を形成している。
上側取付要素62は、図13(同図(a)、(b)、(c)はそれぞれ上側取付要素62の平面図、側面図、底面図である)に示すように、底面部に操作杆3の外周の上半部を嵌合した状態で被覆し得る第4凹溝621を形成したものである。この上側取付要素62は、第4凹溝621を跨ぐ位置に前記一対の貫通孔612に連通し得るネジ孔622を形成している。また、上側取付要素62は、上面部に上方に突出し且つ前記下側ホルダ要素51の第2挿入孔525に挿入可能な上方突出部623を設け、この上方突出部623の中心に、上下方向に貫通し且つ前記締付部材53の締付軸531が螺合可能な締付軸用ネジ孔624を形成している。さらに、上側取付要素62の上面部に、前記下側ホルダ要素51の第1嵌合部516に嵌合可能な第2嵌合部625を設けている。第2嵌合部625は、前記上方突出部623を中心として放射状に延伸する複数の第2凸部625aを周方向に沿って所定ピッチで設けた凹凸状のものである。
取付部6を操作杆3に固定する作業は、下側取付要素61の第3凹溝611と上側取付要素62の第4凹溝621に操作杆3を収容させるように上側取付要素62と下側取付要素61とを組み付け、下側取付要素61の各貫通孔612から挿入した図示しないネジ等の締付部材をネジ孔622に螺合することにより行う。
このようにして操作杆3に固定した取付部6にホルダ5を取り付ける作業は、上側取付要素62の上方突出部623を下側ホルダ要素51の第1挿入孔515に挿入するとともに、下側ホルダ要素51の第1嵌合部516と上側取付要素62の第2嵌合部625とを嵌合させ、その状態で、上側ホルダ要素52の第2挿入孔525から挿入した締付部材53の締付軸531を上側取付要素62の締付軸用ネジ孔624に螺合することによって行う。締付作業は、締付部材53の操作部532を所定方向へ回動させる操作力を付与することにより行い、この操作力に基づいて締付部材53の押圧部533が上側ホルダ要素52を下方へ押圧し、第1凹溝511の第1当接円弧面513及び第2凹溝521の第2当接円弧面523の全域がハンドル4の外面にその周方向に沿って当接する(図11参照)。具体的には、ハンドル4のうち、第1凹溝511及び第2凹溝521に被覆される領域を「被覆領域」とした場合、第1当接円弧面513が被覆領域の中央部位に当接し、第2当接円弧面523が被覆領域の両端部位に当接する。そして、これら第1当接円弧面513及び第2当接円弧面523をそれぞれハンドル4の外面に接触させた状態でハンドル4を締め付けることによりハンドル4が強固に固定される。また、本実施形態では、被覆領域が、左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42との連結部分4R近傍領域を包含するものであり、左側ハンドル要素41の連結端部に形成した係合孔412及び操作孔413及び右側ハンドル要素42の連結端部に形成した操作孔422も被覆領域内に包含されるため、ハンドル4をホルダ5に保持させた状態において係合孔412、操作孔413、422は外部に露出しない。さらに、左側ハンドル要素41の軸心41mと右側ハンドル要素42の軸心42mとをずらしているため(図3参照)、下側ホルダ要素51及び上側ホルダ要素52によってこれら左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42との連結部分4R近傍領域をより強固に締め付けることができる。
以上の手順により各部を相互に一体的に組み付けた刈払機1は、締付部材53の操作部532を前記回転方向とは逆方向に回転させる操作力を付与すると、第1当接円弧面513及び第2当接円弧面523によるハンドル4の締付状態が解除又は緩められることによって左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42とを相対回転させることが可能であり、使用者の体型や使い勝手に応じて左側ハンドル要素41のハンドルグリップ411と右側ハンドル要素42のハンドルグリップ421の相対高さ位置を変更することができる。また、締付部材53による締付状態を解除する又は緩めることによってホルダ5と取付部6とが相互に離間する方向に移動可能な状態となる。この状態で、ホルダ5又は取付部6の何れか一方を他方から離間する方向に移動させることによって下側ホルダ要素51の第1嵌合部516と上側取付要素62の第2嵌合部625との嵌合状態を一旦解除し、下側ホルダ要素51の第1嵌合部516と上側取付要素62の第2嵌合部625との嵌合位置を変更することにより取付部6に対するホルダ5の取付角度を変更することができる。その結果、操作杆3に対するハンドル4の取付角度・取付姿勢を変更することができる。本実施形態では、取付部6に対するホルダ5の取付角度を、第1嵌合部516の第1凸部516a及び第2嵌合部625の第2凸部625aのピッチ寸法に対応させて調整することができる。なお、ホルダ5又は取付部6の何れか一方を他方から離間する方向に移動させる際、上側取付要素62の上方突出部623が下側ホルダ要素51の第1挿入孔515から完全に抜け外れない限り、ホルダ5又は取付部6の何れか一方が他方に対して上下方向に平行移動することとなり、ホルダ5と取付部6との相対取付角度変更をスムーズに行うことができる。すなわち、上側取付要素62の上方突出部623及び下側ホルダ要素51の第1挿入孔515が、ホルダ5と取付部6との相対移動を案内する案内手段として機能する。
そして、刈払機1を使用する場合には、図14に示すように、取付部6に対するホルダ5の取付角度を、少なくともハンドル4の連結部分4Rにおける軸方向を操作杆3の長手方向と略直交させた第1取付角度(5A)に設定する。この場合、刈払機1の最大巾寸法W1は左右のハンドルグリップ411、412間の離間寸法に相当する。一方、刈払機1を使用しない場合には、図15に示すように、ハンドル4を概略S字状となるように左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42とを相対回動させるとともに、取付部6に対するホルダ5の取付角度を、ハンドル4の連結部分4Rにおける軸方向が操作杆3の長手方向と略平行となる角度と第1取付角度との略中間である第2取付角度(5B)に設定する。この場合、左右のハンドルグリップ411、412が、それぞれ操作杆3と交差した状態で操作杆3の軸方向に沿って対向する。これにより、不使用時の刈払機1の最大巾寸法W2が、使用時の最大巾寸法W1よりも格段に小さくなり、コンパクトな状態で所定の収納スペースに収納しておくことができる。
このように、本実施形態に刈払機1は、ホルダ5が、取付部6に対する取付角度を複数の取付角度から選択可能なものであり、ハンドル4が、左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42とを相対回転可能に連結したものであるため、左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42とを相対的に回動させることによって、把持部(実施形態ではハンドルグリップ411、421を設けた箇所)として機能する各ハンドル要素41、42の反連結端部同士の相対位置を変更することができ、各使用者の体型や使い心地に応じてハンドルグリップ411、421の相対位置を好適に変更することができ、実用及び汎用性に富むものとなる。また、不使用時には、ハンドル4全体が概略S字状をなすように左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42とを相対回転させ、さらに取付部6に対するホルダ5の取付角度を変更することによって、作業機1の最大巾寸法W2を可及的に小さく抑えることができ、コンパクトな状態で収納することができる。また、このように、コンパクトな状態で梱包し、そのまま搬送先(ホームセンタ等)へ搬送することも可能となり、搬送先で各部材を組み立てる手間を省くことができる。
特に、ホルダ5が、ハンドル要素41、42の連結部分4R近傍領域における外面を嵌合した状態で挟持し得る一対のホルダ要素51、52と、これらホルダ要素51、52同士を締め付ける締付部材53とを備えたものであり、ハンドル4が、左側ハンドル要素41の軸心41mと右側ハンドル要素42の軸心42mとをずらした状態でこれらハンドル要素41、42同士を連結したものであるため、各ホルダ要素51、52によるハンドル4の締付をより強固に行うことができ、ハンドル4のぐらつきを防止し、良好な締付状態を実現することができる。
また、各ホルダ要素51、52が、各ハンドル要素41、42の連結部分4R近傍領域を収容する凹溝511、521と、凹溝511、521の一部に設けられ且つ凹溝511、521よりも大きい径を有する大径部512、522とを備えたものであり、ハンドル4が、左側ハンドル要素41と右側ハンドル要素42との連結部分4Rに、他の部位よりも軸方向に直交する方向に突出し且つ大径部512、522に収容される鍔部433、443を備えているため、大径部512、522に鍔部433、443を収容させることによって、ハンドル4がホルダ5から不意に抜け外れることを防止することができる。
さらに、ホルダ5が、取付部6に対する取付角度を、ハンドル4の連結部分4Rにおける軸方向を操作杆2の長手方向と略直交させた第1取付角度(5A)と、ハンドル2の連結部分4Rにおける軸方向が操作杆2の長手方向と略平行となる角度と第1取付角度(5A)との略中間である第2取付角度(5B)とから選択可能なものであるため、不使用時には、ハンドル4を概略S字形状にするとともに、取付部6に対するホルダ5の取付角度を第2取付角度(5B)とすることにより、作業機1の最大巾寸法を可及的に小さくすることができる。
なお、本考案は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、左側ハンドル要素に軸受け部を設け、右側ハンドル要素に軸部を設ける態様を例示したが、これの逆、すなわち、左側ハンドル要素に軸部を設け、右側ハンドル要素に軸受け部を設ける態様を採用しても勿論構わない。
また、軸部は、一方のハンドル要素に一体に設けたものであってもよい。
また、左側ハンドル要素と右側ハンドル要素との間に、これらハンドル要素を相対回転させた際に、所定の回転角度ごとに両ハンドル要素を節度停止させる節度機構を設けても構わない。
さらに、ホルダと取付部との間に、相対取付角度を変更した際に、一定の角度ごとにホルダを節度停止させる節度機構を設けても構わない。
また、ハンドルが、各ハンドル要素の軸心を相互に一致させたものであってもよい。
また、凹溝の一部に設ける大径部の数や形状も適宜変更しても構わない。大径部の数や形状に対応させて、突出部の数や形状も適宜変更すればよい。
突出部として、前記軸部の鍔部のみ、又は軸受け部の鍔部のみを突出部として機能させてもよく、あるいは、これら鍔部とは別に専用の突出部をハンドル要素の連結部位に設けても構わない。
また、前記実施形態では、作業機として刈払機を例示したが、これに限らず、作業機として、チェーンソー、ヘッジトリマ、オリーブシェーカ、或いは噴霧器等を適用してもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本考案の一実施形態に係る刈払機の全体斜視図。 同実施形態に係るハンドルの底面図。 図2の要部拡大図。 図2の分解斜視図。 同実施形態に係る軸受け部を示す図。 同実施形態に係る軸部を示す図。 図2のx−x線断面図。 同実施形態に係る下側ホルダ要素を示す図。 同実施形態に係る下側ホルダ要素にハンドルを載せ置いた状態を示す平面図。 同実施形態に係る上側ホルダ要素を示す図。 同実施形態に係るハンドルをホルダで保持させた状態を模式的に示す断面図。 同実施形態に係る下側取付要素を示す図。 同実施形態に係る上側取付要素を示す図。 同実施形態においてホルダを第1取付角度に位置付けた刈払機の全体平面図。 同実施形態においてホルダを第2取付角度に位置付けた刈払機の全体平面図。
符号の説明
1…作業機(刈払機)
3…操作杆
4…ハンドル
41…左側ハンドル要素
42…右側ハンドル要素
411、421…把手部(左側ハンドルグリップ、右側ハンドルグリップ)
433、443…鍔部
5…ホルダ
51、52…ホルダ要素(下側ホルダ要素、上側ホルダ要素)
511、521…凹溝(第1凹溝、第2凹溝)
512、522…大径部(第1大径部、第2大径部)
53…締付部材
6…取付部

Claims (5)

  1. 先端部に刈刃等の作動体を設けた長尺の操作杆と、当該操作杆に対して交差し且つ両端部に把持部を有する概略U字状のハンドルと、当該ハンドルを保持するホルダと、前記操作杆に設けられ且つ前記ホルダを前記操作杆に取り付けるための取付部とを備えた作業機であり、
    前記ホルダが、前記取付部に対する取付角度を複数の取付角度から選択可能なものであり、
    前記ハンドルが、左側ハンドル要素と右側ハンドル要素とを相対回転可能に連結したものであることを特徴とする作業機。
  2. 前記ホルダが、前記ハンドル要素の連結部分近傍領域における外面を嵌合した状態で挟持し得る一対のホルダ要素と、これらホルダ要素同士を締め付ける締付部材とを備えたものであり、
    前記ハンドルが、前記左側ハンドル要素の軸心と前記右側ハンドル要素の軸心とをずらした状態でこれらハンドル要素同士を連結したものである請求項1記載の作業機。
  3. 前記各ホルダ要素が、前記各ハンドル要素の連結部分近傍領域を収容する凹溝と、当該凹溝の一部に設けられ且つ当該凹溝よりも大きい径を有する大径部とを備えたものであり、
    前記ハンドルが、前記左側ハンドル要素と前記右側ハンドル要素との連結部分に、他の部位よりも軸方向に直交する方向に突出し且つ前記大径部に収容される突出部を備えたものである請求項2記載の作業機。
  4. 前記ハンドルが、前記左側ハンドル要素又は前記右側ハンドル要素の何れか一方に設けた軸部を、他方に設けた軸受け部に挿入することによってハンドル要素同士を連結するものであり、
    前記突出部が、前記軸部又は前記軸受け部の少なくとも何れか一方に設けた鍔部である請求項3記載の作業機。
  5. 前記ホルダが、前記取付部に対する取付角度を、少なくとも前記ハンドルの連結部分における軸方向を前記操作杆の長手方向と略直交させた第1取付角度と、前記ハンドルの連結部分における軸方向が前記操作杆の長手方向と略平行となる角度と前記第1取付角度との略中間である第2取付角度とから選択可能なものである請求項1、2、3又は4記載の作業機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010154841A (ja) * 2008-12-03 2010-07-15 Honda Motor Co Ltd パイプハンドル保持機構
JP2011239728A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Toru Shimamori 刈払機

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