JPH0674846B2 - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の制御装置

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JPH0674846B2
JPH0674846B2 JP58245806A JP24580683A JPH0674846B2 JP H0674846 B2 JPH0674846 B2 JP H0674846B2 JP 58245806 A JP58245806 A JP 58245806A JP 24580683 A JP24580683 A JP 24580683A JP H0674846 B2 JPH0674846 B2 JP H0674846B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、車両用自動変速機の制御装置に関するもので
ある。
[従来の技術] 従来、自動変速機付きの車両において動力性能及び燃費
性能を向上させるためには、自動変速機を多段化するこ
とが望ましい。しかし、自動変速機を多段化した場合、
その分構造が複雑になるだけでなく重量及び寸法が増大
して搭載性が低下するとともに、価格が上昇し、小型車
両への採用が困難となる。
この自動変速機の多段化による重量、寸法及び価格の増
大は、主に変速時のショックを軽減するため自動変速機
に加えられた一方向クラッチによってもたらされる。
例えば、第1図に示す自動変速機においては、トルクコ
ンバータTCの出力軸に3段のプラネタリギアP1,P2,P3が
連結されていて、前進4段後進1段の遊星歯車変速機AT
1を構成している。この場合、上記自動変速機を達成す
るため、摩擦係合要素として、クラッチC1,C2とブレー
キB4,B5に加えて、1−2シフト、2−3シフト、3−
4シフトの各変速時においてショックが発生するのを防
止するため、三つの一方向クラッチF1,F2,F3が使用され
る。そして、エンジンブレーキが効くようにするために
三つのブレーキB1,B2,B3が追加されている。
上記構成の自動変速機においては、上記一方向クラッチ
F1,F2,F3を廃止することによって第2図に示すような前
進4段後進1段の遊星歯車変速機AT2の構成にすること
ができる。
図において、R1,R2,R3,S1,S2,S3,CR1,CR2,CR3,p1,p2,p3
は各プラネタリギアP1,P2,P3のリングギヤ、サンギア、
キャリア及びプラネタリギアピニオンを示している。
次に、第1図に示す遊星歯車変速機AT1を例にとり、変
速のメカニズムについて説明する。
第1図の遊星歯車変速機AT1においては、変速の種類は
各種考えられ、表1は各変速時のクラッチ、ブレーキ、
一方向クラッチの作動を示す。
表中で○は係合状態、△はエンジンブレーキ時の係合状
態、×は解放状態、◎はロック状態を示す。また、OWC
は一方向クラッチを示し、Rは後進(リバース)、Nは
中立(ニュートラル)、〜Dは前進(ドライブ)であ
り、いずれも運転席に設けたセレクト(選速)レバーの
設定位置を示す。
この種の自動変速機において考えられる変速には、次の
ようなものがある。
(a)発進時に行われる手動変速 N(中立)→D(前進)(クラッチC1を係合する) N→R(後進)(クラッチC2及びブレーキB2を係合す
る) (b)1st(第1速)、2nd(第2速)、3rd(第3
速)、4th(第4速)における自動変速及びプラネタリ
ギアを構成するギアの切換え(表1に示す。) (c)各変速段間における飛び越しの変速 上記いずれの変速においても、摩擦係合要素であるクラ
ッチ及びブレーキの係合及び解放(摩擦係合要素のつか
み変え)が行われ、原理的には同じものである。そこ
で、第2速と第3速間の変速(2−3シフト)を例にと
って第3図を併用して説明する。
表1を見れば分かるように、2−3シフトにおいては、
第2速時に一方向クラッチF2を介してブレーキB5で受け
ていた反力を、第3速時のブレーキB4の係合によって一
方向クラッチF1を介して切り換えるようにしている。
第3図は変速時の過渡特性を模式的に示したものであ
る。各経過ごとの、各部材の回転速度、摩擦係合要素の
油圧サーボ内の油圧、伝達トルクの変化の様子を表して
いる。また、時間t0〜t1間は第2速で走行しており、時
間t1〜t4間で変速し、時間t4以降では第3速の走行とな
る。
[t0]:変速の開始を示す。走行状態に応じて制御され
た油圧制御装置に設けられた2−3シフト弁(図示しな
い)が切り換わり、第2速の状態から第3速の状態とな
る。該2−3シフト弁が切り換わると、ブレーキB4の油
圧サーボB−4に油が供給され始め、油圧PB−4の上昇
が開始される。
[t0〜t1]:油圧が供給されることにより、油圧制御装
置の管路内の空間が満たされ、更に油圧サーボB−4の
ピストンが移動してピストンの遊びが零となる。この区
間内においては、ピストンによるブレーキB4の摩擦プレ
ートへの押圧力は零であり、ブレーキB4のトルク容量は
零である。したがって、ギアの状態は第2速のままであ
り、キャリアCR1は一方向クラッチF2を介してブレーキB
5によってトランスミッションケースに固定されてい
る。このときに受ける反力がTF2であり、これとリング
ギアR2を介して入力してくる入力トルクTEを加えたもの
が出力軸トルクT0であり、下の式で表される。
T0=TF2+TE この時、サンギアS1は入力軸の回転速度NEとは反対方向
に、回転速度NS1で回転している。
[t1〜t2]:油圧サーボB−4内の油圧PB−4が上昇
し、ブレーキB4がトルク容量を持ち始める。これに伴っ
て反力TF2が減少し、時間t2において零になり、出力軸
トルクT0は減少する。
しかしながら、この区間においては各部材の回転変化は
生じない。したがって、この区間のことをトルク変化区
間(トルク相)と言う。なおこの区間から時間t4までの
間は、第3図に示すようにB4ブレーキのトルク容量TBS
に対応して出力軸トルクT0が出力され、これが変速時の
ショックとなる。
したがって、上記区間(t1〜t4)におけるB4ブレーキの
油圧サーボB−4への供給油圧の特性は非常に重要であ
る。
そこで、従来の自動変速機においては、アキュームレー
タを用いたり、ソレノイド弁を電子制御することによっ
て調圧を行うことによって油圧PB−4の立上がり特性を
制御し、滑らかな変速を得るようにしている。
[t2〜t4]:油圧サーボB−4内の油圧PB−4がさらに
上昇し、ブレーキB4のトルク容量TB4が増加し、時間t2
において反力TF2が零になったキャリアCR1は回転速度NC
R1で回転を開始する。
また、油圧PB−4が上昇するとともにトルク容量TB4が
増加し、ブレーキB4は摺動しながら徐々にサンギアS1の
逆方向の回転を減少させていき、時間t4において停止さ
せ変速を完了する。この時、キャリアCR1の回転速度NCR
1及びエンジン回転速度NEは第3速の回転に同期され
る。
すなわち、この区間は各部材が第2速の状態から第3速
の状態に同期される過程であり、この区間のことを回転
変化区間(慣性相)という。これらの回転変化により、
回転エネルギの変換及び入出力が行われ、特にブレーキ
B4は変速時の回転変動によるエネルギを吸収する役割を
持っており、変速時にはかなりの熱が発生し、温度が上
昇する。これは潤滑油によって冷却される。
すなわち、第1図に示す遊星歯車変速機AT1のギアトレ
イン(歯車列)のように、変速前の反力要素が一方向ク
ラッチである場合には、変速時に摩擦係合要素が一方向
に係合していくことにより、一方向クラッチの反力は減
少し零となる。そして、その後は回転が拘束されること
がないため、摩擦係合要素から摩擦係合要素への切換え
をスムーズに行うことができ、変速制御を比較的容易に
行って変速ショックを抑制することができる。
これが自動変速機に一方向クラッチを使用している例が
多い理由である。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記従来の車両用自動変速機の制御装置
においては、第2図に示すような遊星歯車変速機AT2の
ギアトレイン(歯車列)を採用する場合、摩擦係合要素
から摩擦係合要素への切換えを行うことが非常に難し
い。
これを第2図、第4図、第5図、第6図及び表2を用い
て説明する。表2は第2図の自動変速機の作動表を示
す。
2−3シフトについて説明する。表2から分かるよう
に、2−3シフト時においてはブレーキB2が解放され、
ブレーキB1が係合される。
このときの切換えの過程を第4図を用いて説明する。
[t0〜t2]:この区間における伝達トルク及び回転速度
NEの変化の関係は第3図の場合と同じである。
但し、この区間で重要なことは第3図においては反力TF
2はブレーキB4のトルク容量TB4に対応して変動し、これ
を一方向クラッチF2で受けている。一方向クラッチF2
は、十分な容量に設定してあるので、余裕を持って対応
することができる。
これに対し、第4図の場合は、第3図の反力TF2に相当
するのはブレーキB2が受けているトルク容量TB2であ
り、同様に第3図にブレーキB4のトルク容量TB4に相当
するブレーキB1のトルク容量TB1に対応して変動する。
したがって、ブレーキB2は、常にトルク容量TB2を確保
することができるような油圧PB−2が確保されていなけ
ればならない。
2−3シフトバルブは、時間t0において既に第3速の状
態になっており、その瞬間から油圧サーボB−2内の油
圧の排出が開始されていて、油圧PB−2は低下し始めて
いる。この状態で、ブレーキB2がトルク容量TB2を上回
るトルク容量を確保しなければキャリアCR1はスリップ
し、自動変速機はニュートラル(N)状態となってエン
ジンオーバーラン等の不具合を生じる。したがって、こ
の区間において油圧PB−2をトルク容量TB2を上回る容
量に確保することは非常に重要な課題となる。
上記区間において油圧PB−2の排出が早すぎた場合の状
態を第6図の太線で示す。この場合、一瞬ニュートラル
状態となるためエンジンがオーバーランするとともに、
出力軸トルクT0が急激に低下し、その後ブレーキB1の油
圧サーボB−1内の油圧PB−1が上昇するとともに急激
に出力軸トルクT0が上昇し、大きな変速ショックが発生
する。
逆に第5図の太線で示すように、油圧PB−2の降圧が遅
れた場合には、時間t2においてトルク容量TB2が零にな
った後、本来はキャリアCR1が時間t3以後回転しなけれ
ばならないが、ブレーキB2がトルク容量TB2を保持して
いるため回転が阻害されて逆に抵抗となりトルク容量TB
2はマイナスの状態となり、その結果出力軸トルクT0が
図のように大きな変動を示し、やはり大きな変速ショッ
クが発生する。
すなわち変速時においては、油圧PB−1を最適に調圧す
るとともに油圧PB−2を保持しタイミングよく排出する
ことが非常に大切なことであることおが分かる。
本発明は、上記の一方向クラッチを使用しない車両用自
動変速機の制御装置の問題点を解決し、変速(シフト)
時に解放される側の油圧サーボの油圧を保持しタイミン
グ良く排出すると共に、供給される側の油圧をサーボを
一つのショックコントロール弁と一つのソレノイド弁に
より制御し、供給する作動油を最適に調圧することがで
き、簡単な構成ですべての変速段へのシフトをスムーズ
に行うことができる車両用自動変速機の制御装置を提供
することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決する為に本発明の車両用自動変速機の
制御装置は、複数の摩擦係合要素の油圧サーボへの油圧
の給排を選択的に切換えることにより複数の変速段を達
成する自動変速機と、前記複数の摩擦係合要素の油圧サ
ーボの給排を選択的に切換える油圧制御装置と、車両走
行条件に応じて該油圧制御装置に信号を出力する電子制
御装置とからなる制御装置において、 前記油圧制御装置は、 油圧源と、 該油圧源と各油圧サーボとの間、あるいは各油圧サーボ
と各ドレンポートとの間の接続を各変速時に切換える第
1及び第2のシフト弁と、 前記電子制御装置からの信号に基づいて前記第1及び第
2のシフト弁を切換える第1及び第2のソレノイド弁
と、 前記第1及び第2のシフト弁の切換えにより前記各油圧
サーボに供給される油圧を蓄圧する一つアキュームレー
タと、 信号圧が前記第2のシフト弁を介して供給されることに
より三つの位置に切換えられて、各変速時に解放される
摩擦係合要素の油圧サーボと前記一つのアキュムレータ
の連通又は、係合する摩擦係合要素の油圧サーボと前記
一つのアキュムレータの連通を切換える一つのアキュー
ムレータリレー弁と、 該アキュムレータリレー弁と前記ドレインポートとの間
に配設され、前記信号圧により前記解放される摩擦係合
要素の油圧サーボの降圧を調整するタイミング弁と、 前記電子制御装置からの信号に基づいて前記アキューム
レータリレー弁及び前記タイミング弁へ前記信号圧を供
給する第3のソレノイド弁と、 前記油圧源と前記第1のシフト弁との間に配設され、各
変速時に係合する摩擦係合要素の油圧サーボと前記一つ
のアキュムレータへ供給する油圧を信号圧に基づいて昇
圧する一つのショックコントロール弁と、 前記電子制御装置からの信号に基づいて前記各油圧サー
ボへの昇圧のタイミングを制御せしめるべく前記ショッ
クコントロール弁への信号圧を供給する第4のソレノイ
ド弁とを備えたことを特徴とする。
[作用及び発明の効果] 本発明によれば、複数の摩擦係合要素の油圧サーボへの
油圧の給排を選択的に切換えることにより複数の変速段
を達成する自動変速機と、前記複数の摩擦係合要素の油
圧サーボの給排を選択的に切換える油圧制御装置と、車
両走行条件に応じて該油圧制御装置に信号を出力する電
子制御装置とにより作動する摩擦係合要素が選択的に係
脱されるようになっており、各変速時にシフト弁の切換
えにより解放される摩擦係合要素の油圧サーボは、供給
される油圧が断たれ排出を行うが前記一つのアキューム
レータにより一定圧以上を保持し、前記一つのアキュー
ムレータリレー弁の切換えにより前記一つのアキュムレ
ータとの連通を断たれ、係合される摩擦係合要素の油圧
サーボと前記一つのアキュムレータを連通する。これに
より解放される摩擦係合要素は反力トルクを受けること
ができ、さらに前記第4のソレノイドが作動して前記一
つのショックコントロール弁が係合する摩擦係合要素の
油圧サーボへ供給する油圧を昇圧している。このよう
に、一つのアキュムレータと各油圧サーボとの連通を一
つのアキュームレータリレー弁により切換えると共に、
ドレインポートと各油圧サーボとの連通を一つのタイミ
ング弁により切換え、ショックコントロール弁により係
合する摩擦係合要素の油圧サーボへ供給する油圧をタイ
ミングよく昇圧する制御を行うことができるので、一方
向クラッチがなくても変速ショックのないスムーズな変
速を行うことができる。
また、自動変速機に一方向クラッチを設ける必要がなく
なるため、変速機を単純な構造にできるとともに、コン
パクト化、低コスト化を図ることができ、小型車両への
搭載が可能となる。更に、単純な構造を採用しているの
で故障の発生を減少させることができる。
[実施例] つぎに本発明の車両用自動変速機の制御装置を第7図に
示す実施例に基づき説明する。
車両用自動変速機の制御装置は油圧制御装置100と電子
制御装置200とからなる。
油圧制御装置100は、車両のエンジンにより駆動される
油圧源であり油溜め104からオイルストレーナ101を介し
て作動油を吸い上げるオイルポンプ102、油圧調整装置
であり、通常1または2の調圧弁からなり、前記オイル
ポンプ102の吐出油圧を車速、エンジン負荷など車両走
行条件に応じて調圧し油路1にライン圧を発生させると
ともに流体継手TCへ作動油を供給し、さらに歯車変速機
へ潤滑油を供給する油圧調整装置103、および油圧回路
の所定位置に設けられ油圧の保持および排圧を行なう第
1、第2、第3及び第4のソレノイド弁S1、S2、S3及び
S4を含み第2図に示す前記車両用自動変速機の前記摩擦
係合装置であるクラッチC1、C2、ブレーキB1、B2、B3の
各油圧サーボC−1、C−2、B−1、B−2、B−3
への作動油の給排を行う油圧変速機構110からなる。
電子制御装置200は、車速センサ、スロットル開度など
の車両条件を入力として前記油圧制御装置100内に設け
られたソレノイド弁S1〜S4を選択的にON、OFFさせる。
油圧変速機構110は、運転席に設けられたセレクトレバ
ーにリンク機構を介して連結され、手動により作動され
る油路切換弁であり、前記油路1と油圧サーボC−1、
C−2、B−1、B−2、B−3との連絡を選択的に行
い、変速範囲を選択するための油路切換弁である選速弁
(マニュアル弁)10と、該選速弁10と前記各油圧サーボ
C−1、C−2、B−1、B−2、B−3との間に設け
られた油路切換弁である第1シフト弁20および第2シフ
ト弁30および電子制御装置200の出力で作動され前記第
1および第2シフト弁20および30を制御するソレノイド
弁S1およびS2を有する自動変速機構300と、前記マニュ
アル弁10と前記第1シフト弁20との間に設けられ各油圧
サーボへの供給油圧の立上りを調整するための油圧サー
ボの昇圧調整機構400と、各油圧サーボからの排圧の速
度を調整し摩擦係合要素の解放時期(タイミング)を調
整する油圧サーボの降圧調整機構(またはシフトタイミ
ング機構)500とからなる。
マニュアル弁10は、運転席に設けられたセレクトレバー
に連動されるスプール11を有し、油路1に連絡したイン
ポート10Aおよび10B、ドレインポート10Cおよび10D、前
進用油路2に連絡したアウトポート10Eおよび10F、後進
用油路3に連絡したアウトポート10Gおよび10H、および
前後進時に油圧が供給されている油路4に連絡したアウ
トポート10Iおよび10Jを備え、セレクトレバーに設けら
れたセレクト位置である後進:R(リバース)、中立:N
(ニュートラル)、および前進:D(ドライブ)の各設定
位置に応じてライン圧の発生している油路1と、前進用
クラッチC1に連絡した油路2、後進用油路3、および走
行時に常時油圧が発生している油路4とを選択的に連絡
する。表3にセレクトレバーの各設定位置における油路
1と油路2〜4連絡状態を示す。○は油路1と連絡して
ライン圧が供給されている状態を示し、×はドレインポ
ートに連絡して排圧されている状態を示す。
油圧サーボの昇圧調整機構400は、油路切換弁であると
同時にスプール弁であるショックコントロール弁40と、
電子制御装置200の出力によりON、OFFされ該ショックコ
ントロール弁40を制御するソレノイド弁S4とからなる。
ショックコントロール弁40は一方にスプリング42が背設
されたスプール43、前記油路4に連絡したインポート40
A、ドレインポート40B、オリフィス44を介して油路1に
連絡するとともに前記ソレノイド弁S4が取付けられた油
路1Aに連絡され前記ソレノイド弁S4によって制御される
ソレノイド圧が入力される入力ポート40C、油路4Aに連
絡されたアウトポート40D、該アウトポート40Dの油圧が
スプール43にフィードバックされるフィードバックポー
ト40Eを備える。ソレノイド弁S4は前記オリフィス44を
介して油路1に連絡した1Aに設けられ、車両走行条件に
応じて第8図に示す如く変速時にデューティコントロー
ルされる。これにより、油路1Aには立ち上りが早く、且
つなめらかに目標油圧に収束するソレノイド圧が発生
し、スプール43は、一方から前記スプリング42のばね荷
重およびソレノイド圧Psを受け、他方からは油路4Aに出
力した油圧のフィードバックを受けて変位され、ポート
40A、40Bの開口度合が調整されて、油路4Aに漸変する油
圧を発生させる。
自動変速機構300の第1シフト弁20は、一方にスプリン
グ21が配設されたスプール22を備えたスプール弁であ
り、オリフィス23を介して油路1に連絡するとともに前
記ソレノイド弁S1が設けられた油路1Bに連絡し、ソレノ
イド弁S1により制御されるソレノイド圧が入力する入力
ポート20A、前記油路3に連絡したライン圧入力ポート2
0B、前記油路4Aに連絡したインポート20C、ドレインポ
ート20D、それぞれ絞りであるオリフィスAおよびBが
設けられたドレインポート20Eおよび20F、油路4Bに連絡
したインアウトポート20G、油路4Cに連絡したインアウ
トポート20H、および油路5Cに連絡したインポート20Iを
有する。この第1シフト弁20のスプール22は一方(図示
左方)から油路1Bに発生するソレノイド圧Psを受け、他
方(図示右方)からはスプリング21のばね荷重および油
路3から供給されるライン圧を受けて変位される。マニ
ュアル弁10がDまたはN位置に設定され、油路3が排圧
されているとき、ソレノイド弁S1がONされたとき油路1B
の油圧がソレノイド弁S1から排圧されて低いレベルとな
るため、スプール22はスプリング21の作用で図示左方に
設定され、それぞれポート20Dと20I、20Gと20F、20Cと2
0Hとが連絡し、ポート20Eがスプール22の図示左端ラン
ドにより閉じられる。
ソレノイド弁S1がOFFされたときは、油路1Bの油圧が高
いレベル(ライン圧と同等)に保持されるためスプール
22はスプリング21を圧縮して図示右方に設定され、それ
ぞれポート20Cと20G、20Eと20Hとが連絡し、ポート20I
はスプール22の図示右端ランドにより閉じられる。また
マニュアル弁10がR位置に設定されたとき油路3に発生
するライン圧およびスプリング21のばね重荷によりスプ
ール22はソレノイド弁S1のON、OFFの如何にかかわらず
図示左方に固定される。
ソレノイド弁S1はオリフィス23を介して油路1に連絡し
た油路1Bに設けられ、前記電子制御装置200により車両
走行条件に応じて表4および第8図に示す如くON(図
示;O)、OFF(図示:×)される。
第2シフト弁30は、一方にスプリング31が背設されたス
プール32を備えたスプール弁であり、オリフィス33を介
して油路1に連絡すると共に前記ソレノイド弁S2が設け
られた油路ICに連絡し、ソレノイド弁S2により制御され
るソレノイド圧が入力する入力ポート30A、油圧サーボ
B−1に連絡した油路5に連絡したインアウトポート30
B、前記油路4Bに連絡したインアウトポート30C、油圧サ
ーボB−2への連路油路6に連絡したインアウトポート
30D、前記油路4Cに連絡したインアウトポート30E、油圧
サーボB−3への連絡油路7に連絡したインアウトポー
ト30F、後記するアキュームレータリレー弁60の一方の
制御油圧供給油路1Eに連絡したインアウトポート30G、
アキュームレータリレー弁60の他方の制御油圧供給油路
1Fに連絡したインアウトポート30H、ドレインポート30
I、30J、30K、30L、後記するタイミング弁50を介して油
路3に連絡する油路3Aに連絡したインアウトポート30
M、油圧サーボC−2への連絡油路8に連絡したインア
ウトポート30N、絞り53を介して油路1に連絡した油路1
Dに連絡したポート30Oを有する。
この第2シフト弁30のスプール32は、一方(図示左方)
からオリフィス33を介して油路1に連絡した油路1Cに発
生するソレノイド圧Psを受け、他方からスプリング31の
ばね荷重を受けて変位される。ソレノイド弁S2がONされ
たとき、油路1Cの油圧はソレノイド弁S2の弁口からの排
油により低レベルとなるため、スプール32はスプリング
31の作用で図示左方に設定され、それぞれポート30Bと3
0J、30Cと30D、30Mと30N、30Eと30F、30Gと30K、30Oと3
0Hとが連通し、ポート30Lはスプール32の図示右端ラン
ドにより閉じられる。ソレノイド弁S2がOFFされたとき
は、油路1Cの油圧は高いレベル(ライン圧と同等)に保
持されるため、スプール32は図示左端ランドに加わるソ
レノイド圧によりスプリング31を圧縮して図示右端に設
定され、ポート30Jはスプール32の図示左端ランドで閉
じられ、それぞれポート30Bと30C、30Dと30M、3Eと30
N、30Fと30K、30Gと30O、30Hと30Lとが連絡する。
ソレノイC弁S2は、前記電子制御装置200に後記する表
4および第8図に示す如くON(図示:O)、OFF(図示:
X)される。
これにより第2図に示す前進4段後進1段の自動変速機
AT2は表2に示す如くクラッチおよびブレーキが選択的
に係合されて前進4段後進1段の変速がなされる。
油圧サーボの降圧調整機構500は、一方にスプリング51
が背設されたスプール52を有するタイミング弁50と、前
記電子制御装置200によりON、OFFされ、前記タイミング
弁50を制御するソレノイド弁S3と、アキュムレータリレ
ー機構600とからなる。
タイミング弁50は、一方にスプリング51が背設されたス
プールを有するスプール弁であり、前記1Dに連絡した入
力ポート50A、前記油路3に連絡したインアウトポート5
0B、前記油路7に連絡したインアウトポート50C、油路3
Aに連絡したインアウトポート50D、油路5Cに連絡したイ
ンアウトポート50E、前記油路5に連絡したインアウト
ポート50F、ドレインポート50G、絞りであるオリフィス
C付のドレインポート50Hを有する。タイミング弁50の
スプール52は、一方から油路1Dに発生するソレノイド圧
を受け、他方から前記スプリング51のばね荷重を受けて
変位される。ソレノイド弁S3がONされているとき、油路
1Dの油圧はソレノイド弁S3の弁口からの排油により低レ
ベルとなるため、スプリング51の作用で図示左方に設定
され、それぞれポート50Bと50C、ポート50Dと50H、ポー
ト50Eと50Fが連絡する。ソレノイド弁S3がOFFのとき油
路1Dの油圧は高レベルに保たれるためスプール52は図示
左端ランドに加わる前記ソレノイド圧によりスプリング
51を圧縮して図示右端に設定され、ポート50Bと50D、50
Eと50Hとが連絡しポート50Fはいずれのポートとも連絡
されない状態となる。
アキュムレータリレー機構600は、アキュムレータ54、
アキュムレータリレー弁60、および該アキュムレータリ
レー弁60を制御するためのソレノイド弁であり、本実施
例では前記自動変速機構300の制御弁を兼ねたソレノイ
ド弁S2および制御圧を発生させるソレノイド弁S3からな
る。
アキュムレータリレー弁60は、第1スプール61および該
第1スプール61に直列された第2スプール62とこれら第
1スプール61および第21スプール62間に配されたスプリ
ング63を備えたスプール弁であり、前記油路1Eに連絡し
第1スプール61に図示左方から制御油圧を印加するため
の入力ポート60A、前記油路1Fに連絡し第2スプール62
に図示右方から制御油圧を印加するための入力ポート60
B、第1スプール61と第2スプール62との中間のスプリ
ング63装着部に設けられたドレインポート60C、前記油
路5に連絡したインアウトポート66D、油路6に連絡し
たインアウトポート60E、油路7に連絡したインアウト
ポート60F、油路5Aにより相互に連絡したインアウトポ
ート60Gおよび60H、油路5Bに連絡したインアウトポート
60Iを有する。
アキュームレータリレー弁60は、ソレノイド弁S3がOFF
され油路1Dに高レベルのソレノイド圧が発生していると
きにおいて、第2シフト弁30を介して油路1Dと油路1Fと
が連絡し油路1Eはドレインポート30Kに連絡していると
き第1および第2スプール61および62は図示左方に設定
され、それぞれポート60Fと60G、ポート60Iと60Fとが連
絡し、それぞれ60Dと60Hとは第10スプール61の右端ラン
ドと第2スプール62の右端ランドにより閉じられる。ま
た第2シフト弁30を介して油路1Dと油路1Eとが連絡し、
油路1Fはドレインポート30Lに連絡して排圧されている
とき、第1および第2スプール61および62は図示右方に
設定され、それぞれポート60Gと60D、60Iと60Hとが連絡
し、それぞれポート60Eと60Fは第1スプールの左端ラン
ドと、第2スプール62の左端ランドとにより閉じられ
る。またソレノイド弁S3がONされ油路1Dが低レベルにあ
るときは油路1Eおよび1Fはいずれも排圧されているため
スプリング62の作用で、それぞれ第1スプール61は図示
左方、第2スプール62は図示右方に設定され、ポート60
Eと60G、60Iと60Hとが連絡し60Dと60Fとはそれぞれ第1
スプール61の右端ランドと第2スプール62の左端ランド
とにより閉じられる。
本発明において油圧制御装置の各構成要素はつぎの役割
を有する。
イ)ソレノイド弁S1、S2 第1および第2のシフト弁20および30を制御して、各ク
ラッチおよびブレーキの油圧サーボC−1、C−2、B
−1、B−2、B−3への油圧の切換を行い、前進4段
変速を制御する。
ロ)ソレノイド弁S3 シフトタイミング弁50の作動およびドレインポート50H
に設けられたオリフィスC、第1シフト弁20のドレイン
ポート20Eおよび20Fに設けられたオリフィスAおよび
B、さらにはオリフィス(絞り)なしドレインポートと
の組合せで、シフト時排圧される油圧サーボの排出圧油
の排出タイミングを制御する。この場合、オリフィス
A、B、Cはそれぞれの変速段の最適変速時間に対応し
てそれぞれ寸法が独自に設定される。
ハ)ソレノイド弁S4 ショックコントロール弁40との組合せでシフト時に圧油
が供給される各クラッチおよびブレーキの油圧サーボへ
の供給圧をコントロールする。
ニ)アキュムレータリレー機構600 シフト時に排圧される油圧サーボの排出圧の圧力レベル
を一定時間保持する。
つぎに上記油圧制御装置100の作動を表4に示す作動表
および第8図とともに説明する。
表4において×はソレノイド弁がOFF、○はソレノイド
弁がON、△はソレノイド弁がデューティー作動している
状態を示す。
R) マニュアル弁10がR位置に設定されたとき 表2に示す
如くブレーキB2、クラッチC2を係合することによりR状
態となる。
N→R) 手動によりセレクトレバーをN→Rシフトしたときに油
圧サーボB−2の油圧PB−2は、マニュアル弁10、油路
3、タイミング弁50、油路3A、第シフト弁20および油路
6を経由してただちに供給される。このときに油路3の
圧力は第1シフト弁20の右端ポート30Bにも供給される
ため、ライン圧とスプリング21のバネ荷重によりスプー
ル22はソレノイド弁S1がOFFしているにもかかわらず図
示左方に固定される。油圧サーボC−2へはマニュアル
弁10、油路4、ショックコントロール弁41、油路4A、第
1シフト弁20、油路4C、第2シフト弁30、油路8を経由
して供給されるが、このときソレノイドS4をデューティ
ー制御することによりショックコントロール弁41により
油路4Aから出力される供給圧を制御してクラッチC2の係
合を滑らかに行いN→Rショックを軽減することができ
る。クラッチC2の係合の完了後はソレノイド弁S4はOFF
となり、油圧サーボC−2へはライン圧が保持できる。
N) マニュアル弁10がN位置に設定されたとき ステップ1: ソレノイド弁S1〜S4はすべてOFFされ、油圧サーボC−
1、C−2、B−1、B−2、B−3はすべて排圧され
ておりクラッチC1、C2およびブレーキB1、B2、B3は全て
解放状態にある。
N→Dシフト) 手動によりセレクトレバーがN→Dシフトされたとき ステップ2:この時点では第2図に示す歯車変速機内での
要素の係合状態(以下ギアという)はN(ニュートラ
ル)のままである。(ギアはN) (1)油圧サーボC−1にはライン圧が直接供給される
ため、該油圧サーボのピストンがストロークした後、直
ちに油圧サーボC−1内の油圧が高まる。
(2)油圧サーボB−3には昇圧を調整するショックコ
ントロール弁40、第1シフト弁20および第2シフト弁30
を経由して油圧が供給されるが、この時はソレノイド弁
S4をOFFのままとしているためライン圧が直接供給さ
れ、油圧サーボB−3ピストンが短時間でストロークで
きる。
(3)ソレノイド弁S2がONして第2シフト弁30のスプー
ル32が図示左方に行くため、ソレノイド弁S3により油路
1Dに発生しているソレノイド圧(ソレノイド弁S3はOFF
しているためライン圧と同等)が油路1Eから油路1Fに切
換わりアキュムレータリレー弁60の第1および第2スプ
ール61および62が図示左方に移動し、油圧サーボB−3
への供給と同時にアキュムレータ54への供給(蓄圧)も
開始される。
D) マニュアル弁10がD位置に設定されたとき ステップ3:ギアはNからDの第1速へ 電子制御装置200はソレノイド弁S4のデューティー制御
を開始し、これによりソレノイド弁S4は第8図に示す如
く所定のデューティー比でデューティー作動され、油圧
サーボB−3内の油圧PB−3は第8図に示す如く昇圧速
度が調整されてブレーキB3を滑らかに係合させてショッ
クの少ないN→Dシフトを完了する。
[1st時](自動変速による第1速時) ステップ4:クラッチC1とブレーキB3が係合して1stギア
状態となる。1st状態、アキュムレータ54の蓄圧も完了
している。
N→Dシフト後は、油圧サーボC−1へはマニュアル弁
10および油路2を経由して直ちにライン圧が供給され
る。油圧サーボB−3への油圧の供給は、油路4、ショ
ックコントロール弁40、油路4A、第2シフト弁30および
油路7を経由するため、N→Dシフト時には、ソレノイ
ド弁S4のデューティー制御によりブレーキB3の係合を滑
らかに行い変速ショックを軽減することができる。また
このときに油圧サーボB−3へ供給される圧力は油路
7、アキュムレータリレー弁60、油路5Bを経由してアキ
ュムレータ54にも供給されて蓄圧状態となる。
[1→2シフト時] ステップ5:この時ではギアは第1速状態に保持されたま
まである。
(1)ソレノイド弁S1がOFFし、第1シフト弁20はスプ
ール62が図示右方に設定されて第2速状態となる。
(2)油圧サーボB−2への圧油の供給はソレノイド弁
S4OFFのままのためライン圧が供給されてピストンが短
時間でストロークする。ストローク完了にて次のステッ
プ6へ移行する。
(3)油圧サーボB−3へのライン圧供給が断たれる
が、アキュムレータ54とオリフィスAにより一定以上に
保持され、ブレーキB3の反力トルク以上のトルクは確保
されている。
すなわちソレノイド弁S1がON→OFFとなり第1シフト弁2
0が切換わり、ショクコントロール弁41より油路4A、第
1および第2シフト弁20および30を経由して油圧サーボ
B−3に供給されていた油圧は、油路4A、第1シフト弁
20、油路4B、第2シフト弁30、油路6を介して油圧サー
ボB−2に供給されるようになる。同時に油圧サーボB
−3内の油圧は油路7、第2シフト弁30、油路4Cおよび
第1シフト弁20を経由してオリフィスAより排出され
る。この時にアキュムレータ54に蓄圧されていた圧力が
放出されるためオリフィスAとの組合せにより圧力が保
持されている。油圧サーボB−2への油圧が高まるにつ
れてブレーキB3の反力が徐々に減少し零に近づいてい
く。
ステップ6:ギアが1−2シフトトルク相のとき (1)ソレノイド弁S4はデューティー作動を開始し、油
圧サーボB−2内での圧油が調圧されてブレーキB2の係
合が開始する。ブレーキB2のトルクが増すにつれてブレ
ーキB3の反力が減少する。ブレーキB3のトルクが零にな
った時点で次のステップ7へ移行する。
(2)依然として油圧サーボB−3内の油圧は保持され
てブレーキB3の反力トルク以上のトルクは確保されてい
る。
ステップ7:ギアが1−2シフト慣性相のとき (1)ブレーキB3の反力トルクが零になるのを見はから
い、ソレノイド弁S3をONすることにより油圧サーボB−
3内の圧油はタイミング弁50、マニュアル弁10を経由し
て一気に排出される。
(2)同時にアキュムレータリレー弁60の第1スプール
弁61および第2スプール弁62が左右に分かれアキュムレ
ータ54と油圧サーボB−3の連絡を断つため油圧サーボ
B−3内の圧油は瞬時に排出されることにより、トルク
容量は瞬間的に零とすることができる。
(3)(1)、(2)によって第2図に示す歯車変速機
のリングギアR3は回転自由となり慣性相の開始となる。
(4)油圧サーボB−2内の油圧は調圧による立上り途
中であり、キャリアCR1の回転を滑りながら係合しつづ
け、徐々にキャリアCR1の回転を減少させていき、つい
には停止させる。
(5)これに伴ないリングギアR3は回転を増加させキャ
リアCR1の停止と同時に第2速時の回転に同期される。
(6)したがってこのステップ7と前記ステップ6にお
けるトルクおよび回転変動は全てブレーキB2に依存して
おり、油圧サーボB−2内の油圧の調圧特性が非常に重
要であることがわかる。油圧サーボB−2内の油圧PB−
2を滑らかに供給することにより変速ショックがコント
ロールされる。
(7)前記(2)項にてアキュムレータリレー弁60のス
プール61および62が左右に分かれ、アキュムレータ54と
油圧サーボB−3が断たれると同時に、アキュムレータ
リレー弁60は油圧サーボB−2とアキュムレータ54とを
連絡しアキュムレータ54に再び蓄圧が開始される。
ステップ8:ギアが第2速になったとき 変速は完了して第2速ギアになっているが、ソレノイド
弁S1はデューティー作動をしており、時間的に余裕をも
たせている。
すなわち自動変速による1−2シフトは、油圧サーボB
−2への供給圧が充分に高まり、ブレーキB3への反力が
零になった瞬間にソレノイド弁S3をONにすると、タイミ
ング弁50のスプール52が移動して油圧サーボB−3内の
油圧は油路7、タイミング弁50、油路3を経由してマニ
ュアル弁のドレインポート10Dから一気に放出されるた
め油圧サーボB−3内の油圧が瞬時に排圧されリングギ
アR2の回転拘束がなくなりすみやかに第2速回転状態に
移っていく。ソレノイド弁S3をONにするタイミングを設
定する方法としては色々と考えられるが、あらかじめ実
験的に求めたタイミングを電子制御装置に記憶させてお
く方法や出力軸やブレーキ、クラッチなどのトルクの変
化する部位のトルクを検出してフィードバックする方
法、エンジンなどの回転変化する部位の回転変化を検出
してフィードバックする方法などが考えられる。その後
は前記昇圧調整機構400により油圧サーボB−2内の圧
力を滑らかに調圧して変速を達成する。変速完了後はソ
レノイドS4はOFFとし、ライン圧が油圧サーボB−2に
供給されるようになる。この過程は第4図に示す2−3
シフトの場合と同様である。
[2nd時] ステップ9: 第2速状態、アキュムレータ54は蓄圧を完了している。
[2−3シフト時] ステップ10:この時点では歯車変速機内のギアは第2速
状態のままである。
(1)ソレノイド弁S2がOFFし、第2シフト弁30は第3
速の係合状態となる。
(2)ブレーキB1の油圧サーボB−1への油圧の供給が
ソレノイド弁S4がOFFの状態にてなされるためライン圧
の供給となり、ピストンのストローク時間を短くでき
る。ピストンのストローク完了にてステップ11へ移行す
る。
(3)油圧サーボB−2への油圧の供給は第2シフト弁
30により断たれるが、アキュムレータ54とオリフィスC
により油圧サーボB−2内の油圧は別定値に保持され
る。
ステップ11:ギアが2−3シフトトルク相のとき (1)ソレノイド弁S4がデューティー作動を開始されて
ブレーキB1が係合を開始する。ブレーキB1のトルクが増
すにつれてブレーキB2の反トルクが減少する。ブレーキ
B2トルク零にてステップ12へ移行する。
(2)依然として油圧サーボB−2内の油圧は保持され
てブレーキB2への反力トルク以上のトルクは確保されて
いる。
ステップ12:ギアが2−3シフト慣性相のとき (1)ブレーキB−2の反力トルクが零になるのを見は
からい、ソレノイド弁S3をOFFすることにより油圧サー
ボB−2内の油圧はマニュアル弁10を介して一気に排出
される。
(2)同時にアキュムレータリレー弁60の図示左端油室
の第2シフト弁30を経由してソレノイド弁S3のソレノイ
ド圧が供給され、第1および第2スプール弁61および62
は共に右側に変位する。このために、油圧サーボB−2
とアキュムレータ54は連絡が断たれ、(1)項と合せて
油圧サーボB−2内の油圧PB−2の排出は瞬時に行われ
ることになる。したがってブレーキB2のトルク容量は瞬
間的に零とすることができる。
(3)(1)、(2)によりキャリアCR1は回転自由と
なり慣性相の開始となる。
(4)油圧サーボB−1は調圧を続けており、サンギア
S1は回転を滑りながら係合しつづけ徐々にS1の回転を減
少させていき、ついには停止させる。
(5)これに伴ないキャリアCR1は回転を増加させサン
ギアS1の停止と同時に第2速時の回転に同期される。
(6)したがってこのステップと次のステップ13におけ
るトルクおよび回転変動は全てブレーキB1に依存してお
り、油圧サーボB−1内の油圧の調圧特性が非常に重要
であることがわかる。油圧サーボB−1内の油圧PB−1
を滑らかに供給することにより変速ショックがコントロ
ールされる。
(7)(2)項にてアキュムレータリレー弁60のスプー
ル61および62が共に右に寄ると同時にアキュムレータリ
レー弁60は油圧サーボB−1とアキュムレータ54を結
び、アキュムレータ54は再び蓄圧を開始する。
ステップ13:ギアが第3速になったとき 変速は完了する。ソレノイド弁S4は余裕を持たせるため
デューティー作動が維持される。
[第3速完了] ステップ14:第3速が完了し、アキュムレータ54は蓄圧
を完了する。
[3−4シフト] ステップ15:この時点ではギアは第3速状態のままであ
る。
(1)ソレノイド弁S1がONし、第1シフト弁20は第4速
状態となる。
(2)クラッチC1への油圧の供給がソレノイド弁S4がOF
Fのままにてなされるためライン圧の供給のためストロ
ーク時間を短くできる。ストローク完了にてステップ16
へ移行する。
(3)油圧サーボB−1への油圧の供給は第2シフト弁
30により断たれるが、アキュムレータ54とオリフィスB
とにより油圧サーボB−1内の油圧は所定値に保持され
る。
ステップ16:3−4シフトトルク相のとき (1)ソレノイド弁S4がデューティー作動を開始されて
クラッチC2が係合を開始する。クラッチC2のトルクが増
すにつれてブレーキB1の反力トルクが減少する。ブレー
キB1トルク零にてステップ17へ移行する。
(2)依然として油圧サーボB−1内の油圧は保持され
てブレーキB1の反力トルク以上のトルクは確保されてい
る。
ステップ17:ギアが3−4シフト慣性相のとき (1)ブレーキB1の反力トルクが零になるのを見はから
い、ソレノイド弁S3をONすることにより油圧サーボB−
1内の油圧PB−1は第1シフト弁20を介して排出され
る。
(2)同時にアキュムレータリレー弁60へのソレノイド
弁S3よるソレノイド圧が断たれるため、第1スプール61
および第2スプール62は左右に分かれる。このため油圧
サーボB−1内の油圧とアキュムレータ54との連絡は断
たれ(1)項と合せ油圧サーボB1の排出は瞬時に行なわ
れる。したがってブレーキB1のトルク容量も瞬時に零と
なる。
(3)(1)、(2)によりサンギアS1は回転自由とな
り慣性相の開始となる。
(4)C2圧は調圧を続けており、サンギアS1を回転しな
がら係合しつづけて徐々にS1の回転を増加させて、つい
には一体となり第4速状態となる。
(5)したがってこのステップとステップ16のクラッチ
C2内に油圧はショックコントロールのために非常に重要
である。
ステップ18:ギアが第4速になったとき 変速は完了し、ソレノイド弁S4は余裕をもたせるためデ
ューティー作動が維持される。
[第4速] ステップ19:第4速状態が完了する。
すなわちいずれの場合も所定の油圧サーボへの作動油の
供給および排圧の過程は同一であり以下の様に役割が設
定されている。
ソレノイドS4+ショックコントロール弁 すべての変速時の係合クラッチまたはブレーキの供給圧
を滑らかに制御する。
アキュムレータ54+オリフィスA、B、C 変速時、解放されるクラッチ、ブレーキの圧力を一定レ
ベルに保持する。
ソレノイドS3+タイミング弁50 変速におけるトルク相の完了後、アキュムレータの排出
を急速に行いクラッチブレーキの解放を急速に行わせ
る。
なお上記実施例では油路切換弁としてスプール弁を用い
ているが、スプール弁の構成は上記実施例に限定され
ず、またスプール弁以外の油路切換弁が用いられても良
く、さらに歯車変速機も遊星歯車変速機以外の歯車変速
機であっても良いことは当然である。また、前記実施例
においてはソレノイド弁をデューティ制御しているがリ
ニヤソレノイド弁に電気信号を送って制御するようにし
てもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の前進4速後進1速の車両用自動変速機の
ギアトレーンの骨格図、第2図は本発明の車両用自動変
速機の制御装置によって制御される前進4速後進1速の
自動変速機のギアトレーンの骨格図、第3図は従来の車
両用自動変速機の制御装置におけるシフト時の回転速
度、伝達トルク、油圧サーボ内の油圧の変化を示すグラ
フ、第4図、第5図、第6図は本発明の車両用自動変速
機の制御装置におけるシフト時の回転速度、伝達トル
ク、油圧サーボ内の油圧の変化を示すグラフ、第7図は
本発明の車両用自動変速機の制御装置の油圧回路図、第
8図はその作動説明のための車両用自動変速機の制御装
置におけるシフト時の回転速度、伝達トルク、油圧サー
ボ内の油圧の変化を示すグラフである。 図中 10……マニュアル弁、20……第1シフト弁、30…
…第2シフト弁、40……ショックコントロール弁、50…
…タイミング弁、60……アキュームレータリレー弁、10
0……自動変速機の油圧制御装置、200……自動変速機の
電子制御装置、110……自動変速機構、400……昇圧調整
機構、500……降圧調整機構、600……アキュームレータ
リレー機構、S1、S2、S3、S4……ソレノイド弁、B1、B
2、B3……ブレーキ、C1、C2……クラッチ、B−1、B
−2、B−3、C−1、C−2……油圧サーボ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−119250(JP,A) 特開 昭56−156543(JP,A) 特開 昭55−24222(JP,A) 特開 昭55−129645(JP,A) 特開 昭52−107470(JP,A) 特開 昭54−7062(JP,A) 特開 昭55−40326(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の摩擦係合要素の油圧サーボへの油圧
    の給排を選択的に切換えることにより複数の変速段を達
    成する自動変速機と、前記複数の摩擦係合要素の油圧サ
    ーボの給排を選択的に切換える油圧制御装置と、車両走
    行条件に応じて該油圧制御装置に信号を出力する電子制
    御装置とからなる制御装置において、 前記油圧制御装置は、 油圧源と、 該油圧源と各油圧サーボとの間、あるいは各油圧サーボ
    と各ドレンポートとの間の接続を各変速時に切換える第
    1及び第2のシフト弁と、 前記電子制御装置からの信号に基づいて前記第1及び第
    2のシフト弁を切換える第1及び第2のソレノイド弁
    と、 前記第1及び第2のシフト弁の切換えにより前記各油圧
    サーボに供給される油圧を蓄圧する一つのアキュームレ
    ータと、 信号圧が前記第2のシフト弁を介して供給されることに
    より三つの位置に切換えられて、各変速時に解放される
    摩擦係合要素の油圧サーボと前記一つのアキュムレータ
    の連通又は、係合する摩擦係合要素の油圧サーボと前記
    一つのアキュムレータの連通を切換える一つのアキュー
    ムレータリレー弁と、 該アキュムレータリレー弁と前記ドレインポートとの間
    に配設され、前記信号圧により前記解放される摩擦係合
    要素の油圧サーボの降圧を調整するタイミング弁と、 前記電子制御装置からの信号に基づいて前記アキューム
    レータリレー弁及び前記タイミング弁へ前記信号圧を供
    給する第3のソレノイド弁と、 前記油圧源と前記第1のシフト弁との間に配設され、各
    変速時に係合する摩擦係合要素の油圧サーボと前記一つ
    のアキュムレータへ供給する油圧を信号圧に基づいて昇
    圧する一つのショックコントロール弁と、 前記電子制御装置からの信号に基づいて前記各油圧サー
    ボへの昇圧のタイミングを制御せしめるべく前記ショッ
    クコントロール弁への信号圧を供給する第4のソレノイ
    ド弁とを備えたことを特徴とする車両用自動変速機の制
    御装置。
JP58245806A 1983-12-30 1983-12-30 車両用自動変速機の制御装置 Expired - Fee Related JPH0674846B2 (ja)

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