JPH067477Y2 - ディスク状記録媒体のセンタコア - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案はディスク状記録媒体のセンタコアに係り、特に
磁気、光学及び光磁気記録再生装置によって静止画像情
報が記録され若しくは記録した画像情報が再生されるデ
ィスク状記録媒体のセンタコアに関する。

〔従来の技術〕

最近、固体撮像素子や撮像管等の撮像装置と、記録媒体
として安価で比較的記憶容量の大きな磁気ディスクを用
いた記録装置とを組合せて被写体を純電子的にスチル撮
影して回転する磁気ディスクに記録し、画像の再生は別
段のテレビジョンシステムやプリンタなどで行なう電子
式スチルカメラシステムが開発されて注目されている。

かかるシステムに用いられる磁気ディスクは磁気記録カ
ートリッジの形態で使用される。磁気記録カートリッジ
はその内部に静止画像情報等を磁気記録する磁気ディス
クが回転可能に収納され、この磁気記録カートリッジは
電子カメラ内に組み込まれた磁気記録装置やこれと一体
若しくは別体の再生装置に装着して使用される。電子カ
メラ内の磁気記録装置若しくは再生装置に磁気記録カー
トリッジを装着する際に、磁気記録カートリッジ内の磁
気ディスク中心部のセンタコアに設けられた中心孔を磁
気記録若しくは再生装置側の回転駆動軸に直接装着する
ことはその装着作業が煩わしく不便であり、磁気記録カ
ートリッジを正確に磁気記録若しくは再生装置に装着で
きないおそれがある。

このような煩わしさを除去する為に従来、磁気記録カー
トリッジの着脱装置が提案されており、この磁気記録カ
ートリッジの着脱装置は磁気記録若しくは再生装置の本
体に枢支された上蓋と、この上蓋に一体に形成される
か、或いは本体若しくは上蓋体に枢支されたバケットと
から構成され、このバケットに磁気記録カートリッジを
挿入し、その後上蓋を閉じることによりバケット内の磁
気記録カートリッジの磁気ディスクを装置本体の回転駆
動軸に装着するようにしている。磁気ディスクの中心部
にはセンタコアが設けられ、回転駆動軸は、このセンタ
コアの中心孔に嵌入して磁気記録カートリッジ内の磁気
ディスクを回転させる。

ところで、磁気ディスクのセンタコアは回転駆動軸に正
確に装着する必要があり、この装着が不十分であると磁
気ディスクが偏回転や回転むらを起こして磁気ヘッドが
正確に磁気ディスクに信号を記録あるいは再生しないお
それがある上に、磁気ディスク、磁気ヘッド等に悪影響
を与える虞がある。この為、従来の磁気ディスクのセン
タコアは、駆動軸が嵌入する中心孔に樹脂製の弾性片が
形成され、センタコアは所定の押圧力で駆動軸側に押し
付られ、センタコアは弾性片の付勢力によって駆動軸に
正確に装着さる。

しかしながら、樹脂製の弾性片は耐久性及び耐熱性が低
く塑性変形する可能性があり、磁気ディスクの芯出しに
狂いが生じ、磁気ディスクが偏心回転する。この問題を
解決すべく実開昭59−138063号公報において、樹脂製の
弾性片に代えて金属製の板ばねを使用したセンタコアが
提案されている。この金属製の板ばねは、磁気記録再生
装置の回転駆動軸が挿入されるセンタコアの中心孔内に
金属製の板ばねの両端部を支持し、中心孔に挿入された
回転駆動軸を板ばねの対向面に押圧することを特徴とし
ている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、金属製の板ばねは、樹脂性のばねと比較
して、小さな負荷でも永久変形が発生する可能性が高い
ので、再生装置内での誤動作や取扱上の不注意で板ばね
が容易に永久変形してしまい、正常なチャッキングが出
来なくなるという欠点があった。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、板ば
ねが容易に永久変形しないディスク状記録媒体のセンタ
コアを提供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、前記目的を達成する為に、可撓性記録ディス
クを保持するとともにディスクの芯出しを行うためにデ
ィスク駆動装置の回転軸が挿入される中心孔を備え、前
記中心孔の内周面には、前記回転軸の周面が当接する位
置決め面と、前記中心孔に前記位置決め面と対向して設
けられ前記回転駆動軸に前記位置決め面を押圧するため
の金属製の板ばねとを具備するディスク状記録媒体のセ
ンタコアにおいて、前記金属製の板ばねの一部がその弾
性限度内のたわみ量で前記中心孔の内周面と接触するよ
うに該中心孔を形成したことを特徴とする。

〔作用〕

本考案によれば、ディスク駆動装置の回転軸を押圧する
金属製の板ばねの中央に形成された折曲部が弾性限度内
の変形でセンタコアの中心孔の内周面と当接する。従っ
て、金属製の板ばねに弾性限度の範囲を超える負荷が作
用した場合、金属製の板ばねの折曲部とセンタコアの中
心孔の内周面とが当接して、それ以上のたわみが生じな
い。

〔実施例〕

以下添付図面に従って本考案に係るディスク状記録媒体
のセンタコアの好ましい実施例を詳説する。

第５図は磁気記録カートリッジが収納される磁気記録カ
ートリッジの平面図が示され、第６図は第５図上でＡ−
Ａ線に沿う断面図である。第５図に示すように磁気記録
カートリッジ１０のハードケースは略方形状に構成さ
れ、その内部に静止画像情報等が記録される磁気ディス
ク12が回転自在に収納されている。磁気ディスク12の中
央部には補強部材としてのセンタコア14が設けられてお
り、このセンタコア14は磁気記録カートリッジ10の円形
状の開口部16から外部に露出している。磁気記録カート
リッジ10には後述する磁気ヘッドが位置する窓部18が開
口し、この磁気ヘッド用窓部18はスライド可能なシャッ
ター20により開閉される。即ちシャッター20は磁気記録
カートリッジ10が後述するバケットに挿入される前には
窓部18を閉じて磁気ディスク12に塵埃が付着するのを防
止し、バケットに挿入されるとシャッター20は第１図上
で下方向に移動しヘッド用窓部18を開放させ、磁気ディ
スク12への記録再生が可能となる。

また、第６図に示すようにセンタコア１４の一部に金属
製のコアプレート３０を使用し、回転軸２２の受面２２
Ａにマグネット２２Ｂを配設することにより、回転軸２
２を中心孔１５に確実に挿入させることが出来る。

コアプレート３０は、第１図（Ａ）、（Ｂ）に示すよう
に、円板状に形成され、その中央部に、樹脂から成るコ
アブロック３２が固着されている。

この、コアブロック３２は中心孔１５を有し、その中心
孔１５の内周面１５Ａにテーパ面１５Ｂ、１５Ｂが形成
されている。また、コアブロック３２の内周面１５Ａに
は、スリット３８、３８が形成され、スリット３８に突
起３８Ａが形成されている。更に、突起３８Ａと３８Ａ
との間には、第１の切欠部１５Ｃと第２の切欠部１５Ｄ
とが形成されている。また、コアプレート３０の下面に
は、樹脂製のリング状のリブ３３が固着されている。

板ばね３４は、第２図（Ａ）乃至（Ｃ）に示すように、
その両端部に凸部３４Ａ、３４Ａが形成され、更に、板
ばね３４の下端部中央に折曲部３４Ｂが形成され、この
折曲部３４Ｂに突起３４Ｃが形成されている。従って、
第１図（Ａ）に示すように、板ばね３４の凸部３４Ａ、
３４Ａがスリット３８、３８に配設されている時、折曲
部３４Ｂは第１の切欠部１５Ｃに、突片３４Ｃは、第２
の切欠部１５Ｄにそれぞれ配置されている。この場合、
折曲部３４Ｂと第１の切欠部１５Ｃとの間隙ｌ_１は、突
片３４Ｃと第２の切欠部１５Ｄとの間隙ｌ_２より小さく
なるように形成されている。

また、板ばね３４は、第３図（Ａ）に示すように、その
凸部３４Ａ、３４Ａの下面がコアプレート３０の上面に
当接し、第５図（Ｂ）に示すように、突片３４Ｃが切欠
部１５Ｄ内に入り込んでいる。この結果、板ばね３４は
コアブロック３２から外れないように支持され、また折
曲部３４Ｂと突片３４Ｃとはコアブロック３２の底面か
ら突出しないように支持されている。

前記の如く構成された本考案に係るディスク状記録媒体
のセンタコアの作用を説明する。

先ず、磁気記録カートリッジが正常に再生装置に収納さ
れた場合、第４図（Ａ）に示すように、中央孔１５に回
転駆動軸２２が正常に挿入されるので、回転駆動軸２２
の外周面は、板ばね３４の中央部を押圧して板ばね３４
に弾性限度内のたわみが生じる。即ち、板ばね３４は、
第１図に示すように、スリット３８、３８に形成されて
いる突起３８Ａ、３８Ａを支点としてたわみ、同時に、
板ばね３４の付勢力は回転駆動軸２２をテーパ面１５
Ｂ、１５Ｂに押し付ける。この場合、第１の切欠部１５
Ｃと折曲部３４Ｂとの間隙は、第１図に示すｌ_１より小
さくなるが、切欠部１５Ｃと折曲部３４Ｂとは接触しな
い。

次に、再生装置内での誤動作や取扱上の不注意で板ばね
に弾性限度以上の負荷が生じた場合、板ばね３４は、突
起３８Ａ、３８Ａを支点として弾性限度以上にたわみも
うとする。しかしながら、折曲部３４Ｂは、板ばね３４
の弾性限度内のたわみ量で第１の切欠部１５Ｃと当接す
るので、板ばね３４には弾性限度以上のたわみが生じな
い。

また、第４図（Ｂ）に示すように、誤って磁気記録カー
トリッジを回転駆動軸２２に傾斜してセットした場合、
従来の磁気記録カートリッジは板ばねの折曲部がコアブ
ロックの下端部より下方に突出しているので、板ばね
は、回転駆動軸と当接して永久変形を生じたり、コアブ
ロックから外れたりする頻度が高い。しかしながら、本
考案のセンタコア１４の板ばね３４は、コアブロック３
２から突出しないように支持されているので回転駆動軸
２２との接触により、板ばねが永久変形することや、コ
アブロック３２から外れることを防止することが出来
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係るディスク状記録媒体
のセンタコアによれば、ディスク駆動装置の回転軸を押
圧する金属製の板ばねの中央の折曲部が弾性限度内の変
形でセンタコアの中心孔の内周面と当接する。従って、
金属製の板ばねに弾性限度の範囲を越える負荷が作用し
た場合、金属製の板ばねの折曲部とセンタコアの中心孔
の内周面とが当接して、それ以上のたわみが生じない。
これにより、金属製の板ばねに弾性限度の範囲を越える
負荷が作用しても、板ばねの塑性変形を阻止することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図(A)は本考案に係る磁気記録カートリッジの底面
図、第１図（Ｂ）は第１図のＡ−Ａ断面図、第２図
（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）はそれぞれ本考案に係る磁気
記録カートリッジの板ばねを示す上面図、正面図及び側
面図、第３図（Ａ）は第１図（Ａ）のＢ−Ｂ断面図、第
３図（Ｂ）は第１図（Ａ）のＣ−Ｃ断面図、第４図
（Ａ）、（Ｂ）は第１図（Ａ）のＤ−Ｄ断面図、第５図
は本考案に係る磁気記録カートリッジが収納された磁気
記録カートリッジの平面図、第６図は第５図のＡ−Ａ線
断面図である。 10…磁気記録カートリッジ、12…磁気ディスク、14…セ
ンタコア、15…中心孔、１５Ａ…内周面、１５Ｂ…テー
パ面、１５Ｃ…切欠部、２２…回転駆動軸、３４…板ば
ね、３４Ｂ…折曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】可撓性記録ディスクを保持するとともにデ
   ィスクの芯出しを行うためにディスク駆動装置の回転軸
   が挿入される中心孔を備え、前記中心孔の内周面には、
   前記回転軸の周面が当接して前記中心孔の中心に位置決
   めされる位置決め面と、前記中心孔に前記位置決め面と
   対向して設けられ前記回転軸に前記位置決め面を押圧す
   るための金属製の板ばねとを具備するディスク状記録媒
   体のセンタコアにおいて、 前記回転軸が前記センタコアの中心孔に挿入されたとき
   に前記金属製の板ばねの両端部が当接して前記金属製の
   板ばねのたわみの支点となる一対の突起をセンタコアの
   中心孔の内周面に形成し、 前記センタコアの中心孔の内周面方向へ突出した折曲部
   を前記金属製の板ばねの中央部に形成し、 前記折曲部が前記金属製の板ばねの弾性限度内のたわみ
   量で前記中心孔の内周面と接触するように該中心孔を形
   成したことを特徴とするディスク状記録媒体のセンタコ
   ア。