JPH0673566B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、パチンコ遊技機、特にその遊技状態が変遷
するように構成されたものに関する。

パチンコ遊技機は、打球駆動部から打出された打球がラ
ンダムに運動しながら落下する遊技領域を有する。この
遊技領域には、上記打球が不確定的に入り込んで入賞す
る入賞領域が設けられている。遊技領域内をランダムに
運動しながら落下する打球は、その多くは該遊技領域の
下方に設けられたアウト穴に落ちるが、その一部は上記
入賞領域に偶然的に入り込んで入賞する。この入賞があ
つた場合に所定の入賞利益が遊技者に与えられる。この
入賞利益は例えば所定個数の賞品球を払いだすという形
で遊技者に与えられる。

ところで、この種のパチンコ遊技機においては、いかに
して射幸心を煽らずにその遊技内容を面白くすることが
できるかが当業者の最大の関心事の一つとなつている。
また、パチンコ遊技機が一般大衆から親しまれるために
は、熟練した特定の遊技者のみならず、初心の遊技者で
も多大の入賞利益を獲得できる機会が与えられるように
することが必要である。

しかし、ただ単に初心者でも多大な入賞利益を得ること
ができるようにするということは、射幸心のみをいたず
らにそそるという結果を招く恐れが生じる。

パチンコ遊技機においてもつとも大きな課題は、いかに
してその射幸心を増大させることなく初心者でも十分に
楽しめるようにするかにある。

この発明は以上のような従来の課題を鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、初心者でも多大の入賞
利益が与えられる機会を得ることができるようにする一
方、その多大な入賞利益そのものよりも該利益が与えら
れるときに遊技者が体験するであろう臨場感の方を効果
的に増大させられるようにし、これにより遊技者は多大
の利益を得るという結果だけを期待することなく、その
遊技過程そのものも多く楽しむことができるようにし、
これにより射幸的要素を押えるとともに娯楽的要素を高
め、初心者でも十分に，かつ健全に楽しめるようにした
パチンコ遊技機を提供することにある。

本願において開示される発明のうち代表的なものの概要
を簡単に説明すれば、下記のとおりである。

すなわち、打球駆動部から打出された打球がランダムに
運動しながら落下し，かつ該打球が不確定的に入り込ん
で入賞する入賞領域が設けられた遊技領域を有するとと
もに、上記入賞があつた場合に所定の入賞利益を遊技者
に与えるように構成されたパチンコ遊技機において、該
遊技機は、表示手段を有し、また遊技者に対して特別の
権利を与えない第１の遊技状態と遊技者に特別の権利を
与える第２の遊技状態との間を可逆的に遷移するように
構成される一方、上記第1,第２の遊技状態間の可逆的遷
移を行なわせるための特定入賞領域を有し、さらに上記
遊技領域内には、入賞の確率を増大させる特別利益領域
と、該特別利益領域に打球が侵入するのを制限する障害
手段と、該障害手段を可変駆動する変換手段とが設けら
れ、遊技機が上記第２の遊技状態に遷移することにもと
づいて、上記変換手段を作動させて上記障害手段による
制限を解除するとともに、上記表示手段を動作させ、さ
らに第１の遊技状態に遷移したときに該表示手段の動作
を停止させるようにして、初心者でも多大の入賞利益が
与えられる機会を得ることできるようにする一方、その
多大な入賞利益そのものよりも該利益が与えられるとき
に遊技者が体験するであろう臨場感の方を効果的に増大
させられるようにし、これにより遊技者は多大の利益を
得るという結果だけを期待することなく、その遊技過程
そのものも多く楽しむことができるようにし、これによ
り射幸的要素を押えるとともに娯楽的要素を高め、初心
者でも十分に，かつ健全に楽しめるようにするというを
目的達成するものである。

以下、この発明の代表的な実施例を図面を参照しながら
説明する。

なお、図面において同一あるいは相当する部分は同一符
号で示す。

第1,2,3,4,5,6,7,8図は、この発明によるパチンコ遊技
機の一実施例を示す。

先ず、第１図はパチンコ遊技機本体10の遊技盤12側を示
す。同図において、パチンコ遊技機本体10は、ガイドレ
ール16に囲まれた遊技領域14、打球供給装置18、電動式
の打球発射装置20、打球操作ノブ22、供給皿24、受け皿
26、音響表示手段としてのスピーカ28などを有する。遊
技領域14には障害釘30および風車などが設けられ、これ
により遊技領域14内に打込まれた打球に不規則な運動軌
跡を与えるようになつている。また、遊技領域14内に
は、通常入賞口32、いわゆるチユーリツプと呼ばれる入
賞具34a,34b,34c、および特定入賞領域38などが設けら
れている。また、遊技領域14の最下部には、入賞しなか
つた打球を排出するアウト穴36が設けられている。ま
た、遊技領域14の中央上部には後述する変換装置42が配
置され、さらにその変換装置42の下方には、下方に入賞
確率の高い入賞口を有する特別利益領域40が設けられて
いる。この特別利益領域40は、第３図に示すように、障
害釘30に囲まれた中に形成されている。なお、この特別
利益領域40は、第３図に２点鎖線で示すように、障害壁
40bで囲んで形成するようにしてもよい。

第２図は、上記遊技盤12の裏側機械盤50の状態を示す。
この機械盤50には、上タンク52、タンクシユート54、賞
品球排出装置56、賞品球導出路58、供給皿60、分流樋6
2、受け皿出口64、電動モータ66などが設けられてい
る。入賞があつた場合は、賞品球排出装置56が動作し
て、上タンク52内に貯留されている賞品球を導出路58お
よび供給皿出口60を通して前記供給皿24へ払い出す。供
給皿24が溢れると分流樋62および受け皿出口64を介して
前記受け皿26へ排出する。

第３図は前記変換装置42およびその付近の状態を示す。
変換装置42は、その下方に設けられた特別利益領域40に
打球72が侵入するのを制限する障害手段としての障害片
76を有する。この障害片76は、遊技機が遊技者に対して
特別の権利を与えない第１の遊技状態においては、第３
図の実線で示すように、打球72が上記特別利益領域40に
侵入するのを制限する位置におかれる。

変換装置42の上部には特定入賞領域38が設定されてい
る。この領域38に打球が入賞すると、その入賞球によつ
て上記障害片76が上方へ可変駆動される。この状態は第
３図において鎖線で示すとおりである。この状態におい
ては、打球72は障害片76で妨げられることなく、高い確
率でもつて上記特別利益領域40に侵入し、さらに入賞ケ
ース40bの入賞口に入ることができる。この状態が第２
の遊技状態である。この第２の遊技状態においては、打
球72は容易に特別利益領域40に侵入して入賞する。この
ようにして、この第２の遊技状態では、第１の遊技状態
に比べて多大の入賞利益が遊技者に与えられるようにな
っている。この第２の遊技状態は、上記特定入賞領域38
に次の打球72が入賞することにより解除され、第１の遊
技状態に復帰するようになっている。すなわち、特定入
賞領域38に入つた入賞球でもつて、第１の遊技状態から
第２の遊技状態あるいは第２の遊技状態から第１の遊技
状態に交互に変遷するように構成されている。

以上のようにして、特定入賞領域38に打球72が入賞する
と、これにより遊技機は第１の遊技状態から第２の遊技
状態に遷移し、上記特別利益領域40に打球が侵入しやす
くなることによつて、一層多くの入賞利益を得る機会が
遊技者に与えられる。

ここで、上記特別利益領域40下方の入賞ケース40bに
は、第４図にその一部を示すように、半透明な着色パネ
ル40aが入賞口の前面に設けられ、さらにこのパネル40a
には例えば発光ダイオードからなるランプL₁,L₂が取付
けられている。このランプL₁,L₂は前記表示手段の一部
をなすものであつて、後述する回路によつて前記スピー
カ28とともに駆動されるようになつている。

また第３図にその外観を示した変換装置42は、第５図，
第６図，第７図に示すような回転式入賞具110を用いて
形成されている。この回転式入賞具110は、第５図およ
び第６図に示すように表側回転部材112と裏側回転部材1
14とにより構成されている。障害片76は表側回転部材11
2に形成されている。表側回転部材112と裏側回転部材11
4とは、第７図に示すように、永久磁石120,122,124,126
により無接触でもつて機械的に連結されている。裏側回
転部材114は、上記特定入賞領域38に入賞した入賞球に
よつて前後方向に回転駆動される。すると、上記永久磁
石120〜126によるＮ極とＳ極の反発および吸引の力によ
つて、表側回転部材112が遊技盤12と平行方向に180度回
転駆動される。そして、再度特定入賞球が入ると、表側
回転部材112は裏側回転部材114に磁気力で誘導されて再
び180度回転する。このようにして、特定入賞領域38に
入賞がある毎に第１の遊技状態と第２の遊技状態とが交
互に生じる。

第８図は上記表示手段の駆動回路の一例を示す。同図に
示す回路は、上記特定入賞領域38に入賞した特定入賞球
検出器S1の出力により起動される。検出器S1の出力は波
形成形回路132を経て２進歩進型フリツプフロツプFF1の
クロツクとして入力される。これにより、フリツプフロ
ツプFF1がセツトされ、このセツト出力により、間けつ
発振回路134がANDゲートG1およびトランジスタQ1を介し
て上記ランプL₁,L₂を間けつ的に点滅駆動する。これと
ともに、効果音発生回路136および増幅回路138が動作し
て上記スピーカ28から効果音が発生させる。これによ
り、遊技者は遊技機の状態が遷移したことを実感する臨
場感を十分に堪能することができるようになる。上記フ
リツプフロツプFF1は２進歩進型なので、特定入賞領域3
8に次の入賞球が入ることによりリセツト復帰される。

なお、上記実施例では変換装置42を構成する表側回転部
材112が、入賞球によつて回動される永久磁石120〜126
により回転されるようになつているが、上記のような機
械的な回転駆動機構のみならず、例えば特定入賞領域38
に入賞球検出スイツチを設け、このスイツチにより電動
モータやソレノイドを駆動させて表側回転部材112を電
気的に回転駆動させるようにしてもよい。

以上のように、この発明によるパチンコ遊技機は、初心
者でも多大の入賞利益が与えられる機会を得ることがで
きるようにする一方、その多大な入賞利益そのものより
も該利益が与えられるときに遊技者が体験するであろう
臨場感の方を効果的に増大させられるようにし、これに
より遊技者は多大の利益を得るという結果だけを期待す
ることなく、その遊技過程そのものも多く楽しむことが
できるようにし、これにより射幸的要素を押えるととも
に娯楽的要素を高め、初心者でも十分に，かつ健全に楽
しめるようにすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明によるパチンコ遊技機の遊技盤側の状
態の実施例を示す正面図、第２図はその裏側の機械盤の
状態を示す正面図、第３図は第１図の部分拡大正面図、
第４図は特別利益領域の一部を示す一部破断斜視図、第
５図は変換装置の上側断面図、第６図はその側面図、第
７図は永久磁石の配置状態を示す図、第８図は表示手段
の駆動部分の一実施例を示す回路図である。 10……パチンコ遊技機本体、12……遊技盤、14……遊技
領域、16……ガイドレール、18……打球供給装置、20…
…打球駆動部（打球発射装置）、24……供給皿、26……
受け皿、28……表示手段（スピーカ）、30……障害釘、
31……障害壁、32……通常入賞口、38……特定入賞領
域、40……特別利益領域、40b……入賞ケース、42……
変換装置、72……打球、74……入賞球、76……障害片、
110……回転式入賞具、112……表側回転部材、114……
裏側回転部材、120,122,124,126……永久磁石、136……
効果音発生回路。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】打球駆動部から打ち出された打球がランダ
   ムに運動しながら落下し、かつ該打球が不確定的に入り
   込んで入賞する入賞領域が設けられた遊技領域を有する
   とともに、上記入賞があった場合に所定の入賞利益を遊
   技者に与えるように構成されたパチンコ遊技機におい
   て、該遊技機は、遊技機の遊技状態を表示するための表
   示手段を有し、また遊技者に対して特別の権利を与えな
   い第１の遊技状態と遊技者に特別の権利を与える第２の
   遊技状態との間を可逆的に遷移するように構成される一
   方、上記第1,第２の遊技状態間の可逆的遷移を行なわせ
   る条件を与えるための特定入賞領域を有し、さらに上記
   遊技領域内には、入賞の確率を増大させる特別利益領域
   と、該特別利益領域に打球が侵入するのを制限する障害
   手段と、該障害手段を可変駆動する変換手段とが設けら
   れ、第１の遊技状態における上記特定入賞領域への打球
   の入賞によって上記障害手段が変動されて第１の遊技状
   態から第２の遊技状態に遷移されるとともに、第２の遊
   技状態における上記特定入賞領域への打球の入賞によっ
   て上記障害手段が復帰されて第１の遊技状態に遷移され
   るように構成されていることを特徴とするパチンコ遊技
   機。
2. 【請求項２】上記障害手段が上記特別利益領域への打球
   の侵入を制限する状態から制限しない状態へ変動したと
   きに、該障害手段が上記特定入賞領域の実質的入賞口面
   積を拡大させるように構成されていることを特徴とする
   特許請求の範囲の範囲第１項記載のパチンコ遊技機。