以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1から図14を用いて説明を行う。
図1に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、を有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に、図2に示すような遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板141との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板141が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板141が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、枠装飾装置としての装飾ランプ・LED144、音声を出力するスピーカ145,145などが設けられている。
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置52(図9に図示)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン(図示略)が設けられている。また、開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ157などが設けられている。
遊技盤1は、図2から4に示すように、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面に、ガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,…が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。また、遊技盤本体1bの裏面側には、制御ベース170が取り付けられ、該制御ベース170の裏面側には各種の制御装置や、遊技盤1の後方を覆う後部カバー182が取り付けられている。
遊技領域1a内には、普通図柄始動ゲート4と、普通図柄変動表示ゲームの未処理回数を表示する普通図柄記憶表示器6(図9に図示)、普通図柄の変動表示ゲームを表示する普通図柄表示器5(図9に図示)が設けられている。また、遊技領域1a内には、始動入賞口をなす普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13と、始動遊技としての特別図柄変動表示ゲームの未処理回数を点灯表示する特別図柄記憶表示器8、特別図柄変動表示ゲームを表示する特別図柄表示器9(図9に図示)が設けられている。また、遊技領域1a内には、補助遊技を行う変動入賞装置80、各種情報を表示可能な演出表示装置14aを備えた装飾装置14が設けられている。
また、遊技領域1aには、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11が設けられている。さらに、遊技領域1aには、一般入賞口12,12,12、打球方向変換部材としての風車(図示略)、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
普通図柄始動ゲート4内には、該普通図柄始動ゲート4を通過した遊技球を検出するための普図始動センサ4aが設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普通図柄始動ゲート4内を通過すると、普通図柄変動表示ゲームが行われる。また、普通図柄変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普通図柄変動表示ゲームが行われ、その普通図柄変動表示ゲームが終了していない状態や、普通図柄変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普通図柄始動ゲート4を遊技球が通過すると、普通図柄始動記憶数の上限数未満でならば、普通図柄始動記憶数が1加算されて普通図柄始動記憶が1つ記憶されることとなる。なお、普通図柄変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える普通図柄記憶表示器6にて表示されるようになっている。
普通図柄変動表示ゲームは普通図柄表示器5で実行されるようになっており、この普通図柄変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普通図柄の当たりとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置7は左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普通図柄変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電開閉SOL7b、図9に図示)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。この普通変動入賞装置7は、特別図柄変動表示ゲームの始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置7の内部(入賞領域)に備えられた特図始動センサ7dによって遊技球を検出することに基づき、始動遊技としての特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。
この特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特別図柄始動記憶)として記憶される。従って、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特別図柄変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。なお、特図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える特別図柄記憶表示器8にて表示されるようになっている。
始動遊技としての特図(特別図柄、識別情報)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた7セグからなる特別図柄表示器9(図9に図示)で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。この特図変動表示ゲームの結果として、特別図柄表示器9の表示態様が大当り態様(例えば、「7」)となった場合は、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、この特図変動表示ゲームの結果として、特別図柄表示器9の表示態様が小当り態様(例えば、「3」)となった場合は、小当りとなって補助遊技が実行される。なお、遊技機100に特別図柄表示器9を備えずに、始動入賞口をなす普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13への入賞に基づき補助遊技を行うようにしても良い。
遊技領域1aの略中央に設けられた変動入賞装置80は、図3,4に示すように、遊技盤1に形成された取付開口部10に遊技盤1の前面側から取り付けられるものであり、前方側が開放し、遊技盤1の後方に延在する入賞空間81を形成する入賞空間形成部材82を有する。また、変動入賞装置80の前面側は、遊技盤1の前面を覆うガラス板141の近傍まで突出した状態となっており、後述する可動部材87,87が開いた場合以外は変動入賞装置80内に遊技球が入らないようになっている。
図5から8、11から14に示すように、入賞空間81の上部には、上部構造部材(鎧部材)85が遊技盤1の表面より前方に突出するように設けられ、変動入賞装置80の上部の装飾装置として機能するとともに、変動入賞装置80の上方から流下する遊技球が入賞空間81に入ることを防止するとともに、その遊技球を左右方向に誘導するようになっている。また、この上部構造部材85には、特別図柄記憶表示器8が設けられている。
上部構造部材85の下側の左右側部には、変動入賞装置80の入賞口となる流入口86,86が設けられており、この左右の流入口86,86には、流入口86,86を開閉する可動部材87,87がそれぞれ設けられている。この可動部材87,87は、その下端部に回動中心を有しており、遊技制御装置30により制御される開閉ソレノイド(大入賞口SOL87a、図9に図示)によって左右に回動可能となっている。
そして、図11に示すように、可動部材87,87が略垂直に立った状態においては、可動部材87,87が流入口86,86を塞いだ状態となり変動入賞装置80へ入賞できない状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって不利な閉状態となる。これに対して、図13に示すように、左右の可動部材87,87が下端部を中心にそれぞれ変動入賞装置80から離れる方向に回動した状態においては、可動部材87,87が、逆「ハ」の字状に開いて流入口86,86を開放した状態となり、変動入賞装置80への入賞が可能な状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって有利な開状態となる。なお、可動部材87,87は付勢部材によって通常時は閉じた状態(閉状態)を保つようになっている。
この可動部材87,87は、補助遊技発生条件の成立(ここでは特図変動表示ゲーム表示ゲームの結果態様が小当りになること)に基づく補助遊技において、大入賞口SOL87a(図9に図示)の駆動によって所定態様で開状態に変換され、変動入賞装置80への入賞の機会が得られるようになっている。すなわち、小当たりの種類によって、例えば、可動部材87,87が開放動作(開状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは0.5秒経過後)に再び閉鎖動作(閉状態に変換)するといった所定の態様の開放動作を1回行う補助遊技か、可動部材87,87が所定の態様の開放動作(ここでは開放時間0.8秒の開放動作)を所定時間(ここでは0.8秒)の閉鎖動作をはさんで2回行う補助遊技の何れかが行われるようになっている。
図11に示すように、流入口86,86が形成された入賞空間81の上部には、誘導流路形成部材83,83が配され、流入口から流入した遊技球を下方へ誘導する誘導流路83a,83aが形成されている。この誘導流路83a,83aの下流側端部となる下端部には、通過する遊技球を検出可能なカウントセンサ88(図9に図示)が設けられている。このカウントセンサ88は、遊技球が通過可能な検出部を有し、検出部を遊技球が通過したときに検出信号を出力するようになっている。そして、この検出信号を後述する遊技制御装置30でカウントすることで、変動入賞装置80に入賞した遊技球の数を計数することができる。すなわち、このカウントセンサ88が、変動入賞装置80に受け入れた遊技球を検出する入賞球検出手段をなす。また、この検出信号に基づき、所定数(例えば10個)の賞球が排出装置51から排出される。
また、入賞空間81の上部であって誘導流路83a,83aの下方には、上方に開口するとともに前後方向に延在する樋状の上部流路形成部材89によって上部流路89aが形成されている。この上部流路89aは、図5(b)に示すように、後方へ向かって下るように形成され、上流側端部となる前端部分が誘導流路83a,83aの下流側端部の下方に位置しており、誘導流路83a,83aを流下した遊技球を受け入れて入賞空間81の後方へ流下誘導するようになっている。
また、図11に示すように、上部流路形成部材89の下方であって、入賞空間81の底部を形成する床部84から遊技球の直径以上離れた位置には、板状の棚部材92が設けられている。この棚部材92は、左右方向の中央における前端部が切欠き状に切り取られた略U字形をしており、側端及び後端が入賞空間81の左右の側壁及び後壁に沿って配されている。この棚部材92上における左右方向の中央には、上部流路89aを流下した遊技球を一時貯留可能な貯留装置160が配されている。
貯留装置160は、図5(a)に示すように、遊技球を入れるいわゆるドル箱を両手で持った人を模した人形161によって構成され、ドル箱を模した部分が遊技球を貯留可能な矩形箱状の貯留部162をなしている。この貯留装置160は、入賞空間81内で前後移動可能となっているとともに、貯留部162を支持する両腕161a,161aの一端が胴体部分161bに対して回動可能となっている。そして、図5(a)、図11に示すように貯留部162を頭上に持ち上げて該貯留部162に遊技球を貯留可能とするとともに、前後の移動範囲における後端となる位置に配された貯留状態と、図7(a)、図14に示すように、貯留部162を前方に倒して該貯留部162内の遊技球を排出可能とするとともに、前後の移動範囲における前端となる位置に配された貯留解除状態とに変換可能となっている。
この貯留装置160は、図5(b)、図6に示すように、胴体部分161bの裏面側に後方へ延出する延出部163を備え、この延出部163が入賞空間81を形成する入賞空間形成部材82によって前後移動可能に支持されることで、貯留装置160が入賞空間81内に前後移動可能な状態で配されるようになっている。この延出部163の後端部分は、入賞空間81の後壁を貫通し、入賞空間形成部材82の裏面側に延出するように配されている。そして、入賞空間形成部材82の裏面側であって後方へ延出する延出部163の下方となる位置には、貯留装置160を駆動する駆動源としての人形モータ164が配されている。
人形モータ164は、駆動軸が上下方向に沿って上方に延出するように配されており、この駆動軸にはクランク状の接続部材164aが取り付けられている。この接続部材164aの一端部は係合部164bとして、入賞空間形成部材82の裏面側に延出する延出部163に係合し、人形モータ164を駆動することにより延出部163を介して貯留装置160を駆動できるようになっている。
この係合部164bは、最も後側に位置する状態から人形モータ164を半回転することで最も前側に位置する状態に変換され、さらに半回転することで最も後側に位置する状態に戻るようになっている。そして、延出部163に係合した係合部164bが最も後側に位置する状態では貯留装置160が最も後側に位置する貯留状態となり、延出部163に係合した係合部164bが最も前側に位置する状態では貯留装置160が最も前側に位置する貯留解除状態となる。すなわち、人形モータ164を一回転することで貯留状態から貯留解除状態を経て貯留状態に連続して変換するようになっている。また、人形モータ164の回転位相は、人形モータセンサ164c(図9に図示)により検出可能となっており、遊技制御装置30は、この人形モータセンサ164cからの情報に基づき、貯留装置160の状態を検出可能となっている。
なお、貯留状態は、変換動作における所定位置のみを指すのではなく、貯留部162に上部流路89aから遊技球を受け入れ可能な所定範囲を指すものである。また、貯留解除状態も同様に、変換動作における所定位置のみを指すのではなく、貯留部162から遊技球を排出可能な所定範囲を指すものである。
貯留部162を支持する両腕161a,161aは、その胴体部分161bに接続した一端が、図6に示すように、胴体部分161bの内部に左右方向に沿って設けられた一つの回動軸165の両端にそれぞれ接続している。そして、回動軸165を回動することで両腕161a,161aを回動させ、貯留部162の状態を変化できるようになっている。この回動軸165には第1ギア165aが取り付けられ、胴体部分161bの内部に配された第2ギア166と噛み合うようになっている。さらに、第2ギア166は、入賞空間81の後壁の前面に、前後方向に沿って前方へ突出するように配されたラック167と噛み合うようになっている。これにより、人形モータ164を駆動して貯留装置160を前後に移動させることに伴って回動軸165が回動し、貯留部162の状態を変化させることができるようになっている。
矩形箱状の貯留部162は、内部に遊技球を前後左右に複数列貯留可能な大きさとされている。また、図5(b)に示すように、貯留部162が上方に開口した貯留状態で、貯留部162の底面をなす底壁部162aと前面をなす前壁部162bにおける内周面には、図7(a)に示すように、第1案内リブ162c,162c及び障害部162dが形成されている。第1案内リブ162c,162cは、前壁部162bの内周面における左右方向の中央部分に、底壁部162a側の端部から開口側の端部にかけて延在するように形成された、二条の平行なリブである。貯留部162は貯留解除状態で前壁部162bが下側となる状態となり、前壁部162bの内周面は遊技球が流下する流下面となるので、二条の第1案内リブ162c,162cの間に流入した遊技球は、その延在方向に沿って流下誘導されることとなる。この第1案内リブ162c,162cによって流下誘導された遊技球は、床部84の左右方向の中央を流下するようになり、後述するように特別入賞口90へ流入する可能性が高くなるようにされている。
第1案内リブ162c,162cとともに形成された障害部162dは、貯留解除状態で二条の第1案内リブ162c,162cの間に遊技球が流入しにくくなるようにするものである。この障害部162dは、底壁部162aと前壁部162bとの接続部分に、貯留部162の内部へ向かって突出するように形成されたもので、二条の第1案内リブ162c,162cの中間を通る直線に沿って最も突出幅が大きい部分を有し、ここから左右に向かって貯留部162の内部への突出幅が小さくなるように形成されている。これにより、底壁部162a上を前壁部162bに向かって流下した遊技球を、二条の第1案内リブ162c,162cの左右両側へ誘導するように傾斜する傾斜面が形成される。
以上のような貯留装置160は、図5(b)に示すように、貯留状態では、矩形箱状の貯留部162が上方に開口する状態となり、貯留部162内に遊技球を貯留可能となる。この貯留状態で貯留部162が配される位置は、上部流路89aから流出する遊技球が落下する位置であって、上部流路89aから直接貯留部162内に遊技球が流入するようになっている。
そして、貯留状態から人形モータ164を駆動して貯留装置160を前方へ移動させると、図7(b)、図8に示すように、貯留解除状態となる。この貯留状態から貯留解除状態に変換する過程においては、図6に示す状態から、ラック167と噛み合う第2ギア166が、右側から見て時計回り方向に回動し、第2ギア166と噛み合う第1ギア165a及び該第1ギア165aが取り付けられた回動軸165が反時計回り方向に回動する。これにより、図8に示すように、回動軸165の両端に一端が固定された両腕161a,161aが前方へ回動し、矩形箱状の貯留部162が前方に開口する状態となる。棚部材92の貯留装置160が配される部分の前方は切欠き状に切り取られており、貯留解除状態で貯留部162内から排出される遊技球は、棚部材92の下方に位置する床部84上へ排出される。また、この貯留解除状態で下側に位置する前壁部162bの内周面は、前側(開口した側)に向かって下るように傾斜するようになっており、貯留部162内の遊技球を確実に排出できるようになっている。
棚部材92における貯留装置160が配された部分の左右両側は、前方へ向かって下るように傾斜し、遊技球を前方へ流下誘導する側部流路92a,92aとされている。この側部流路92a,92aの下流側端部となる前端部は、入賞空間81の前端よりも遊技球の直径以上後退した位置にあって、側部流路92a,92aを前方へ流下した遊技球は前端部から下方の床部84上に落下するようになっている。また、この側部流路92a,92aの左右の位置となる入賞空間81の左右の側壁には、側部流路92a,92aを流下する遊技球の流下方向を変更するレバー部材93,93が設けられている。このレバー部材93,93は、遊技球を入れるいわゆるドル箱の形を模した直方体状の部材で、後方側が上下方向に沿った回動軸により軸支されているとともに、レバーソレノイド93a(図9に図示)により、駆動可能となっている。そして、レバーソレノイド93aを動作させることにより、図11に示すように側部流路92a,92a上から退避した状態から、側部流路92a,92a上に出現した状態に変換可能となっており、側部流路92a,92aを流下する遊技球を、入賞空間81の中央方向へ誘導できるようになっている。
図11に示すように、床部84は、後方に向かって下る傾斜面となっていて、側部流路92aや貯留装置160からの遊技球が入賞空間81の前端側に位置する上流側部分に流入するようになっている。この床部84の傾斜下流側となる後端部には、左右方向の中央に特別入賞口90が形成され、その左右両側が一般入賞口95とされており、床部84を流下した遊技球は特別入賞口90と一般入賞口95の何れかに流入するようになっている。すなわち、床部84が特別入賞口90へ入賞する可能性の有る第1流路をなす。特別入賞口90には、通過する遊技球を検出可能な特定領域センサ90aが設けられており、この特定領域センサ90aによって遊技球が検出されることに基づいて特別遊技状態の発生等の処理が行われるようになっている。
また、図3、図5(b)に示すように、入賞空間81の下端部には、床部84を流下して特別入賞口90もしくは一般入賞口95,95に流入した遊技球を回収する回収流路91が形成されている。この回収流路91の下流側端部は変動入賞装置80の下端に開口しており、回収流路91を流下した遊技球は、遊技盤本体1bの裏面に取り付けられる制御ベース170によって形成された後述する第2排出流路175aに流入するようになっている。この第2排出流路175aには、流下する遊技球を検出可能な残存球排出口センサ94(図9に図示)が設けられており、遊技制御装置30はこの残存球排出口センサ94からの情報に基づき、変動入賞装置80から流出する遊技球を検出できるようになっている。
また、床部84の上流側部分における左右方向の中央には、第2流路96への排出口97が形成されているとともに、該排出口97を開閉する流路切換部材98が設けられている。第2流路96の下流側端部は変動入賞装置80の下端に開口しており、第2流路96を流下した遊技球は、上述の回収流路91と接続した第2排出流路175aに流入するようになっている。すなわち、この第2流路96に流入した遊技球は、特別入賞口90へ入賞する可能性がない。なお、第2流路96を流下した遊技球は、第2排出流路175aにおける残存球排出口センサ94が設けられた位置よりも上流側の位置に流入するようになっており、第2流路96から第2排出流路175aに流入した遊技球も残存球排出口センサ94により検出される。
入賞空間81内の遊技球は、上述した回収流路91と第2流路96のいずれかの流路により排出されるようになっており、この両流路を流下した遊技球は第2排出流路175aで合流し、残存球排出口センサ94により検出されるようになっている。よって、この第2排出流路175aに設けられた残存球排出口センサ94により、変動入賞装置80から流出する全ての遊技球を検出することができる。
流路切換部材98は、排出口97を完全に閉鎖可能な大きさを有する矩形板状の部材であって、排出口97の下流側の端部に位置する左右方向に沿った回動軸により回動可能に軸支されている。また、流路切換部材98を駆動する床ソレノイド98a(図9に図示)を備え、図5(b)、図11に示すように、流路切換部材98の上面が床部84と平行となり、排出口97を閉鎖して第2流路96への流入を規制して第1流路をなす床部84へ遊技球を誘導する第1状態と、図7(b)、図14に示すように、床部84の上方へ回動し、排出口97を開放して第2流路96へ流入可能とする第2状態とに変換可能となっている。なお、排出口97は、上述の貯留装置160が貯留解除状態となった際に遊技球が流下する部分に位置している。よって、流路切換部材98を第2状態として第2流路96へ流入可能とした状態で、貯留装置160を貯留解除状態とすると、遊技球が貯留部162から第2流路96へ直接流入するようになっている。
すなわち、第1流路(床部84)は、後方へ向かって下るように傾斜するとともに下流側端部に一般入賞口95と特別入賞口90とが臨み、流下した遊技球を何れか一方の入賞口に振り分け可能であり、貯留装置160は、前方へ移動しながら貯留解除状態に変換することで、第1流路の上流側端部に遊技球を排出するように構成され、第1流路における上流側端部であって、貯留装置160から排出された遊技球が流入する部分に、第2流路96の排出口97を形成するとともに、該排出口97に流路切換部材98を設け、流路切換部材98は、第1状態では、排出口97を閉鎖して第2流路96への流入を規制することで第1流路に遊技球を誘導し、第2状態では、排出口97を開放して貯留装置160から排出された遊技球を第2流路96へ直接流入可能とするようにしたこととなる。
また、図11に示すように、排出口97を閉鎖する第1状態において、流路切換部材98の上面が床部84の上面と同一面をなすようになっており、この上面には、前後方向に沿った第2案内リブ98b,98bが形成されている。この第2案内リブ98b,98bは、貯留部162に形成された第1案内リブ162c,162cと同じ左右位置に形成された二条の平行なリブであり、貯留解除状態で貯留部162から第1案内リブ162c,162cの間を流下して排出された遊技球が、第2案内リブ98b,98bの間に流下するようになっている。そして、第2案内リブ98b,98bの間に流下した遊技球は、リブの延在方向に沿って入賞空間81の後方へ流下誘導される。この第2案内リブ98b,98bは、特別入賞口90の前方に位置しており、この第2案内リブ98b,98bによって流下誘導された遊技球は、特別入賞口90へ流入する可能性が高くなるようにされている。
また、この第2案内リブ98b,98bの下流側に位置する床部84には、第2案内リブ98b,98bに沿って流下した遊技球を案内する第3案内リブ84a,84aが形成されている。この第3案内リブ84a,84aは、第2案内リブ98b,98bよりも間隔が狭くされており、遊技球をより確実に特別入賞口90へ誘導可能となっている。
また、床部84の前後方向の中央部分には、床部84を流下する遊技球の流下方向を変更する流下方向変換部材84b,84bが、床部84の左右方向の中央に対して左右に所定距離離れるように、所定の間隔をおいて配されている。この流下方向変換部材84b,84bは、床部84に対して垂直に配された回転軸に一端が軸支され、床部84の上面に沿って回転可能に配されており、この流下方向変換部材84b,84bが遊技球に衝突することで流下方向を変更可能となっている。また、床部84の下側には、駆動源としての床モータ84cが設けられており、この床モータ84cにより流下方向変換部材84b,84bを回転駆動できるようになっている。さらに、床モータ84cの回転位相を検出可能な床モータセンサ84d(図9に図示)が設けられており、遊技制御装置30は、この床モータセンサ84dからの情報に基づき、流下方向変換部材84b,84bの状態を検出可能となっている。
また、図2に示すように、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサ12a(図9に図示)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13、変動入賞装置80等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置51によって排出される(払い出される)ようになっている。
図3,4に示すように、遊技盤本体1bの裏面側には、該遊技盤本体1bの裏面を覆うように制御ベース170が取り付けられている。この制御ベース170の前面側には、遊技盤1に形成された入賞口に入賞した遊技球が流下する流路を形成する流路形成部171、遊技盤1に設けられた装飾装置14の後部を収容する装飾装置収容部172が形成されている。また、制御ベース170の中央部分であって、遊技盤本体1bに形成された取付開口部10と対応する位置には、前後に貫通する挿入開口部173が形成されており、変動入賞装置80の後方部分を挿入可能となっている。また、制御ベース170の裏面側には、遊技制御装置30などの各種制御装置や、遊技盤1の後方を覆う後部カバー182が取り付けられている。
制御ベース170の前面側に形成された流路形成部171は、前方に開口するとともに遊技球の直径以上の深さを有する凹部であって、制御ベース170を遊技盤本体1bの裏面に沿って配することで、前方の開口が遊技盤本体1bの裏面で閉鎖されて流路が形成されるようになっている。この流路形成部171は、制御ベース170を遊技盤本体1bの裏面に取り付けた際に、各入賞口の裏面側に対応する位置に形成されており、これらの入賞口に入賞して遊技盤本体1bの裏面側に誘導された遊技球を受け入れ可能となっている。そして、各入賞口から受け入れた遊技球を、制御ベース170の下端部の中央に誘導する流路を形成するようになっている。なお、制御ベース170の下端部の中央に誘導された遊技球は、さらに図示しない別の流路に流入し、遊技機100の外部に排出されるようになっている。
このような流路形成部171のうち、遊技盤1に形成された一般入賞口12,12,12及び左側の始動入賞装置13の裏面側に対応する位置に形成された流路形成部171は、これら入賞口に入賞した遊技球を集合して流下させる第1排出流路174aを形成する第1流路形成部174とされている。また、変動入賞装置80の後方部分を挿入可能な挿入開口部173の下方に形成された流路形成部171は、変動入賞装置80から排出された遊技球を集合して流下させる第2排出流路175aを形成する第2流路形成部175とされている。さらに、右側の始動入賞装置13の裏面側に対応する位置に形成された流路形成部171は、右側の始動入賞装置13に入賞した遊技球を流下させる第3排出流路176aを形成する第3流路形成部176とされている。この第3流路形成部176は、第2流路形成部175と連通部180を介して連通しており、第2排出流路175aを流下した遊技球は第3排出流路176aに流入するようになっている。また、制御ベース170における普通変動入賞装置7と対向する位置には、普通変動入賞装置7の後部を収容可能な開口177が形成されていて、この開口177の下部に普通変動入賞装置7に流入した遊技球が流下する第4排出流路178aを形成する第4流路形成部178が設けられている。
また、制御ベース170の中央部分に形成された挿入開口部173の下端部には、後方へ延出する球受部179が形成されている。この球受部179は、底面179aと該底面179aの左右及び後端に形成された側壁179bとから上方に開口する受け皿状の形状とされている。また、球受部179の底面179aは前方へ向かって下る傾斜面とされており、前端は第2排出流路175aを形成する第2流路形成部175に接続している。
なお、図4に示すように、第2流路形成部175は球受部179の左右幅の略半分の左右幅とされ、前面側から見て球受部179の右前方の位置に形成されている。そして、球受部179と第2流路形成部175の接続部分における前面側から見た左側部分には、右側へ向かって下る傾斜面175bが形成され、遊技球を第2流路形成部175が形成された右側へ誘導するようになっている。
この球受部179は、図3に示すように、変動入賞装置80の下端部を下側から覆うように配され、その後端部分は、回収流路91の下流側端部における後端部分よりも後方に位置するようになっている。これにより、変動入賞装置80の下端に開口した回収流路91の下流側端部から排出された遊技球は、すべて球受部179上に落下する。そして、底面179aの傾斜に沿って前方へ向かって流下し、球受部179の前端まで流下した遊技球は、第2流路形成部175により形成された第2排出流路175aに流入するようになっている。
また、図3に示すように、挿入開口部173に挿入された変動入賞装置80の下端に開口した第2流路96の下流側端部は、第2流路形成部175と球受部179の接続部分の上方に位置するように配される。これにより、第2流路96を流下して排出された遊技球が、直接第2排出流路175aに流入するようになっている。
そして、図4に示すように、第2流路形成部175は、第3流路形成部176と連通部180を介して連通しており、第2排出流路175aに流入した遊技球は、この連通部180を通って第3排出流路176aに流入し、制御ベース170の下端部の中央に誘導されるようになっている。第2流路形成部175と第3流路形成部176とを連通する連通部180は、その左右幅が遊技球が一列で流下可能な幅とされており、ここにセンサ取付部181が形成されている。このセンサ取付部181には、通過する遊技球を検出可能な残存球排出口センサ94が設けられており、変動入賞装置80から排出されるすべての遊技球をここで検出できるようになっている。このように、制御ベースに残存球排出口センサ94を設けたので、変動入賞装置80にセンサ取付部を形成する必要がなく、スペースを有効に利用できる。
ここで、変動入賞装置80における床部84の下流側端部に臨む位置に形成された一般入賞口95から残存球排出口センサ94までの距離よりも、床部84の上流側端部に形成された排出口97から残存球排出口センサ94までの距離の方が近い。よって、遊技球が変動入賞装置80に流入してから排出されるまでの時間、すなわち、カウントセンサ88で流入が検出されてから残存球排出口センサ94で排出が確認されるまでの時間は、一般入賞口95を経由して排出されるよりも排出口97を経由して排出される方が短い。
以上のことから、遊技盤1の裏面に、変動入賞装置80の下方に遊技に関わる制御を行う制御装置を取り付ける制御ベース170を備え、該制御ベース170に、残存球検出手段(残存球排出口センサ94)を配したこととなる。
また、図9に示すように、遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御装置30、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置としての演出制御装置40、排出装置51による賞球または貸球の払い出しの制御と、発射装置52による遊技球の発射の制御を行うサブ制御装置としての排出発射制御装置50、電力を供給する電源供給装置60を備えている。
遊技制御装置30は、CPU31a、RAM31b、ROM31c等を有する遊技用マイクロコンピュータ31を備えるとともに、入出力インタフェース(入出力I/F)33、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(CLK)32(発振器)等により構成されている。
CPU31aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。RAM31bは、普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13に設けられた特図始動センサ7dのオン信号などを記憶する記憶領域や、各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU31aの作業領域等を備えている。ROM31cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示ゲームの当たり発生を判定するための、特図変動表示ゲームの当たり判定値などが記憶されている。
また、入出力インタフェース33には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、特図始動センサ7d、普図始動センサ4a、一般入賞口センサ12a,12a,…、カウントセンサ88、特定領域センサ90a、残存球排出口センサ94、人形モータセンサ164c、床モータセンサ84d、磁気センサ17、振動センサ18などが接続されている。なお、磁気センサ17は磁石による不正行為を検出するものであり、振動センサ18は遊技機100を振動させることによる不正行為を検出するものである。そして、入出力インタフェース33は、これらから入力された各種信号を中継し、CPU31aに対し出力する。
さらに、入出力インタフェース33には、CPU30bから出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該入出力インタフェース33により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、特別図柄表示器9、特別図柄記憶表示器8、普通図柄表示器5、普通図柄記憶表示器6、普電開閉SOL7b、人形モータ164、床モータ84c、大入賞口SOL87a、レバーソレノイド93a、床ソレノイド98a、遊技機外部の管理装置などと接続する外部出力端子16、演出制御装置40、排出発射制御装置50に出力される。
サブ制御装置としての演出制御装置40は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、遊技制御装置30から受信した演出制御データに基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)遊技機の制御を行うものである。演出制御装置40が制御を行うものとしては、例えば、枠装飾装置としての装飾ランプ・LED144の点灯、点滅や、スピーカ145,157からの効果音の出力、演出表示装置14aの表示がある。
サブ制御装置としての排出発射制御装置50は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、遊技制御装置30からの賞球制御指令(賞球数データの受信)や、球貸機(図示略)からの球貸制御指令に基づいて、排出装置51に所定数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行う。また、発射装置52による遊技球の発射制御を行ようになっており、排出発射制御装置50には、遊技者が操作ハンドル156に触れることで、操作ハンドル156に設けられたタッチセンサ54からの信号が入力されるようになっている。また、遊技者が操作ハンドル156に設けられた発射停止スイッチ53を操作することで、該発射停止スイッチ53からの入力信号がタッチセンサ54からの入力信号と併せて入力されるようになっている。
また、遊技制御装置30には、電源供給装置60から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置60から電力が供給されるようになっている。さらに、電源供給装置60には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源61が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
これらの制御回路においては、例えば以下のような制御が行われる。
遊技制御装置30のCPU31aでは、普通図柄始動ゲート4に備えられた普図始動センサ4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普通図柄の当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、普通図柄変動表示ゲームの当たりはずれを判定する処理を行う。そして、普通図柄表示器5に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普通図柄変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普通図柄変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普通図柄表示器5に特別の結果態様を表示するとともに、普電開閉SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aを所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普通図柄変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普通図柄表示器5にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、普通変動入賞装置7に備えられた特図始動センサ7dからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特別図柄の大当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、特別図柄変動表示ゲームの当たりはずれを判定する処理を行う。また、これらの結果を含む制御信号(演出制御データ)を、演出制御装置40に出力する。そして、特別図柄表示器9に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、スピーカ145,157からの音の出力、枠装飾装置としての装飾ランプ、LED144、演出表示装置14aを制御する処理を行う。
そして、遊技制御装置30のCPU31aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特別図柄表示器9に大当りの結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
この特別遊技状態を発生させる処理については後に詳しく説明するが、変動入賞装置80への遊技球の流入を通常遊技状態よりも容易にするとともに、所定の終了条件の成立に基づき終了するラウンド遊技を所定回数繰り返し行う制御を行う。すなわち、大入賞口SOL87aにより変動入賞装置80の可動部材87,87を開放し、変動入賞装置80内への遊技球の流入を通常遊技状態よりも容易とする制御を行う。また、所定の終了条件として、変動入賞装置80に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、変動入賞装置80の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が成立したことに基づきラウンド遊技終了する制御を行う。また、このラウンド遊技を、所定回数(例えば15回)繰り返し行う制御(サイクル遊技)を行う。そして、ラウンド遊技を所定回数行った後、この特別遊技状態中に変動入賞装置80内へ流入したすべての遊技球が、残存球排出口センサ94により検出されたこと、つまり、すべて排出されたことに基づいて、当該特別遊技状態を終了する制御を行う。
すなわち、遊技制御装置30が、特別遊技状態で、変動入賞装置80への遊技球の流入を通常遊技状態よりも容易にするとともに、所定の終了条件の成立に基づき終了するラウンド遊技を所定回数繰り返し行うように制御するラウンド遊技実行手段をなす。また、遊技制御装置30が、特別遊技状態中に変動入賞装置80内へ流入したすべての遊技球が、残存球検出手段(残存球排出口センサ94)により検出されたことに基づいて、当該特別遊技状態を終了する特別遊技状態終了手段をなす。
また、特図変動表示ゲームの結果が小当たりの場合は、特別図柄表示器9に小当りの結果態様を表示するとともに、補助遊技を発生させる処理を行う。この補助遊技を発生させる処理においては、例えば、大入賞口SOL87aにより変動入賞装置80の可動部材87,87を開放し、変動入賞装置80内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口90に流入し、特定領域センサ90aで検出された場合は、上述の特別遊技状態を発生させる処理を行う。また、変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口90に流入せず、かつ、流入した遊技球の全てが残存球排出口センサ94で検出された場合は、次回の特図変動表示ゲームを実行可能とする処理を行う。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特別図柄表示器9にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置30のCPU31aは、各種入賞口に設けられたセンサ(特図始動センサ7d、カウントセンサ88、一般入賞口センサ12a)から入力される遊技球の検出信号に基づき、排出発射制御装置50に制御信号(賞球数データ)を出力する。排出発射制御装置50は、制御信号の入力に基づき排出装置51を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。
また、排出発射制御装置50は、操作ハンドル156に設けられたタッチセンサ54からの信号が入力されている間は、発射装置52を動作させて遊技球を発射する制御を行う。また、タッチセンサ54から信号が入力されている間であっても、操作ハンドル156に設けられた発射停止スイッチ53からの入力信号が入力されている場合は、発射装置52を停止させて遊技球の発射を停止する制御を行う。
次に、以上のような遊技機100における特別遊技状態の詳細について説明する。
図2に示す遊技盤1の遊技領域1aには、発射装置52(図9に図示)から発射された遊技球が流入し、下方へ流下するようになっている。そして、上述したように、遊技球が普通変動入賞装置7もしくは始動入賞装置13,13に入賞し、特図始動センサ7dで検出されたことに基づき特図変動表示ゲームが開始され、その結果が大当りであった場合に特別遊技状態が発生する。また、特図変動表示ゲームの結果が小当たりであった場合には、可動部材87,87を開放して変動入賞装置80内への遊技球の流入を可能とする補助遊技が行われ、変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口90に流入した場合に特別遊技状態が発生する。
特別遊技状態においては、変動入賞装置80の可動部材87,87を開放して変動入賞装置80内への遊技球の流入を可能とし、変動入賞装置80に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、変動入賞装置80の開放から所定時間が経過するかの何れかの終了条件の達成に基づき終了するラウンド遊技を、所定ラウンド回数(例えば15回)継続するサイクル遊技が行われる。
このラウンド遊技では、まず、ラウンド遊技の開始前の状態(図10のt1)において、変動入賞装置80は、図11に示すように、大入賞口ソレノイド87aが可動部材87,87を閉鎖し、人形モータ164が貯留装置160を貯留状態とした状態となっている。また、床ソレノイド98aが流路切換部材98を第1状態とした状態となっている。なお、大入賞口ソレノイド87aをONにすることで、可動部材87,87が開放され、OFFにすることで閉鎖されるようになっている。また、床ソレノイド98aをONにすることで、流路切換部材98が排出口97を開放した第2状態となり、OFFにすることで、排出口97を閉鎖した第1状態となるようになっている。
そして、ラウンド遊技の開始時(図10のT1)からラウンド遊技の終了時(図10のT3)までのラウンド遊技中では、大入賞口ソレノイド87aは可動部材87,87の開放と閉鎖を所定時間ごとに繰り返すように動作する。また、床ソレノイド98aは流路切換部材98を第1状態とし、排出口97を閉鎖した状態とする。
また、人形モータ164は、ラウンド遊技の開始(図10のT1)に基づいて、貯留装置160を貯留解除状態に変換するように動作(半回転)する。これにより、ラウンド遊技の前期(図10のt2)では、図12に示すように、貯留装置160が貯留解除状態となっている。
その後、所定の貯留状態変換条件の成立時(図10のT2)の後、人形モータ164は貯留装置160を貯留状態に変換するように動作(半回転)する。なお、所定の貯留状態変換条件の成立とは、例えば、変動入賞装置80に、終了条件である所定数以下の規定数の遊技球が流入することや、ラウンド遊技の開始から、終了条件である所定時間より短い規定時間が経過することである。そして、人形モータ164は、ラウンド遊技の終了条件の成立(図10のT3)まで、貯留装置160を貯留状態としたままで正転と反転を交互に繰り返し、貯留部162を僅かに上下動させてゆするように動作する。すなわち、ラウンド遊技の後期(図10のt3)では、図13に示すように、貯留装置160が貯留状態となっている。
ラウンド遊技の終了条件の成立時(図10のT3)でラウンド遊技は終了し、ラウンド間演出時間の終了時(図10のT6)までラウンド間演出時間となる。ラウンド遊技の終了条件の成立時(図10のT3)には、大入賞口ソレノイド87aは可動部材87,87の開閉動作を終了し、可動部材87,87を閉鎖した状態とする。また、床ソレノイド98aは流路切換部材98を第2状態に変換し、排出口97を開放する。すなわち、ラウンド遊技の終了条件の成立が、流路切換部材98を第2状態に変換する所定の流路変換条件の成立となり、遊技制御装置30が、流路切換部材98を、ラウンド遊技の開始時には第1状態とし、所定の流路変換条件の成立に基づき第1状態から第2状態に変換する制御を行う流路切換手段をなす。
また、人形モータ164は、僅かに上下動させてゆするように動作させていた貯留部162を、真上に位置する状態に戻すように動作(正転もしくは反転)する。この人形モータ164の動作時間は、ラウンド遊技の終了条件の成立時における貯留部162の状態によって変化する。その後、人形モータ164は連続して動作(一回転)することで、貯留装置160を貯留状態から貯留解除状態にして再び貯留状態に戻す。これにより、ラウンド間演出時間中(図10のt4)では、図14に示すように、貯留装置160が貯留解除状態となって貯留部162内の遊技球を排出可能な状態となるとともに、流路切換部材98が第2状態となって貯留部162から排出された遊技球が流入可能な状態となる。すなわち、遊技制御装置30が、貯留装置160をラウンド遊技の開始に基づいて貯留解除状態とし、ラウンド遊技の開始後、所定の貯留状態変換条件の成立に基づき貯留解除状態から貯留状態に変換し、ラウンド遊技の終了後に、貯留状態から貯留解除状態に変換する制御を行う貯留装置制御手段をなす。
このように、ラウンド遊技の後期に貯留装置160を貯留状態とし、ラウンド遊技の終了後に貯留解除状態に変換することで、貯留されていた遊技球が一気に排出され、遊技者が得をしたような感覚を得ることができ、視覚的な演出効果を高めることができる。また、一般入賞口95よりも残存球排出口センサ94に近い排出口97へ遊技球が速やかに流入し、ラウンド遊技終了後の処理にかかる時間を短縮できて、特別遊技状態に費やす時間を短縮できる。
また、床ソレノイド98aは、ラウンド遊技の終了条件の成立時(図10のT3)に流路切換部材98を第2状態に変換して排出口97を開放するが、人形モータ164は、一旦貯留部162を真上に戻した後、貯留解除状態に変換するようになっている。よって、貯留装置160が貯留解除状態に変換される前に、流路切換部材98が第2状態に変換されることとなる。これにより、貯留装置160から多数の遊技球が一度に排出されても、遊技球は順次排出口97に流入するので、球詰まりの発生を防止できる。すなわち、遊技制御装置30がラウンド遊技の終了後、貯留装置160が貯留解除状態に変換される前に、流路切換部材98を第2状態に変換する流路切換手段をなす。
その後、床ソレノイド98aは流路切換部材98を第1状態に変換して排出口97を閉鎖(図10のT4)した後、人形モータ164は貯留装置160が貯留状態に戻ったところで停止(図10のT5)し、ラウンド間演出時間を終了(図10のT6)する。そして、次回のラウンド遊技が開始される。
以上のようにラウンド遊技を所定回数繰り返した後、特別遊技状態を終了する。最終回のラウンド遊技が終了した後のラウンド間演出時間では、特別遊技状態中に変動入賞装置80内へ流入したすべての遊技球が、残存球排出口センサ94により検出され、完全に排出されたことを確認してからラウンド間演出時間を終了するようになっている。
以上のことから、遊技盤1と、該遊技盤1に配設され、内部の入賞空間81に一般入賞口95および特別入賞口90を有すると共に開状態と閉状態とに変換可能な可動部材87,87を有する変動入賞装置80と、遊技を制御する遊技制御装置30と、を備え、始動条件の成立に基づき該変動入賞装置80の可動部材87,87を所定時間開状態に変換する補助遊技を行い、該可動部材87,87の開状態への変換により入賞空間81に受け入れられた遊技球が該特別入賞口90へ入賞したことに基づき遊技者に遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生するようにした遊技機100において、変動入賞装置80へ流入した遊技球が当該変動入賞装置80外へ排出されたことを検出する残存球検出手段(残存球排出口センサ94)を備え、変動入賞装置80は、特別入賞口90および一般入賞口95よりも上流側に位置する排出口97と、排出口97を閉鎖する第1状態と、排出口97を開放する第2状態とに変換可能な流路切換部材98と、を入賞空間81内に備え、残存球検出手段は、一般入賞口95からの距離よりも排出口97からの距離の方が近くなるように配置され、遊技制御装置30は、特別遊技状態で、変動入賞装置80への遊技球の流入を通常遊技状態よりも容易にするとともに、所定の終了条件の成立に基づき終了するラウンド遊技を所定回数繰り返し行うように制御するラウンド遊技実行手段(遊技制御装置30)と、特別遊技状態中に変動入賞装置80内へ流入したすべての遊技球が、残存球検出手段により検出されたことに基づいて、当該特別遊技状態を終了する特別遊技状態終了手段(遊技制御装置30)と、流路切換部材98を、ラウンド遊技の開始時には第1状態とし、所定の流路変換条件の成立に基づき第1状態から第2状態に変換する制御を行う流路切換手段(遊技制御装置30)と、を備えたこととなる。
また、変動入賞装置80は、遊技球を貯留可能な貯留状態と、遊技球を貯留不能であるとともに貯留した遊技球を排出可能な貯留解除状態と、に変換可能な貯留装置160を、貯留解除状態で排出される遊技球が排出口97に直接流入するような位置に備え、遊技制御装置30は、貯留装置160を、ラウンド遊技の開始に基づいて貯留解除状態とし、ラウンド遊技の開始後、所定の貯留状態変換条件の成立に基づき貯留解除状態から貯留状態に変換し、ラウンド遊技の終了後に、貯留状態から貯留解除状態に変換する制御を行う貯留装置制御手段(遊技制御装置30)を備えたこととなる。
また、流路切換手段(遊技制御装置30)は、ラウンド遊技の終了後、貯留装置160が貯留解除状態に変換される前に、流路切換部材98を第2状態に変換するようにしたこととなる。
なお、補助遊技の始動条件として、特図変動表示ゲームの結果態様が小当たりとなることとしたが、これに限られるものではなく、始動入賞口への遊技球の入賞や始動ゲートへの遊技球の通過を始動条件としても良い。この場合は、変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口90に流入した場合にのみ特別遊技状態を発生する。
また、流路切換部材98を第2状態に変換する所定の流路変換条件を、ラウンド遊技の終了条件と同じとしたが、これに限られるものではなく、ラウンド遊技の終了条件の成立以前に成立する条件としても良い。ラウンド遊技の終了条件の成立以前に成立する条件としては、例えば、変動入賞装置80に、終了条件である所定数以下の規定数の遊技球が流入することや、ラウンド遊技の開始から、終了条件である所定時間より短い規定時間が経過することである。
また、ラウンド遊技の終了時に貯留部162を真上の位置に戻すようにしたが、ラウンド遊技の終了時の位置からそのまま貯留解除状態に変換するようにしても良い。
以上のような遊技機100は、遊技盤1と、該遊技盤1に配設され、内部の入賞空間81に一般入賞口95および特別入賞口90を有すると共に開状態と閉状態とに変換可能な可動部材87,87を有する変動入賞装置80と、遊技を制御する遊技制御装置30と、を備え、始動条件の成立に基づき該変動入賞装置80の可動部材87,87を所定時間開状態に変換する補助遊技を行い、該可動部材87,87の開状態への変換により入賞空間81に受け入れられた遊技球が該特別入賞口90へ入賞したことに基づき遊技者に遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生するようにした遊技機100であって、変動入賞装置80へ流入した遊技球が当該変動入賞装置80外へ排出されたことを検出する残存球検出手段(残存球排出口センサ94)を備え、変動入賞装置80は、特別入賞口90および一般入賞口95よりも上流側に位置する排出口97と、排出口97を閉鎖する第1状態と、排出口97を開放する第2状態とに変換可能な流路切換部材98と、を入賞空間81内に備え、残存球検出手段は、一般入賞口95からの距離よりも排出口97からの距離の方が近くなるように配置され、遊技制御装置30は、特別遊技状態で、変動入賞装置80への遊技球の流入を通常遊技状態よりも容易にするとともに、所定の終了条件の成立に基づき終了するラウンド遊技を所定回数繰り返し行うように制御するラウンド遊技実行手段(遊技制御装置30)と、特別遊技状態中に変動入賞装置80内へ流入したすべての遊技球が、残存球検出手段により検出されたことに基づいて、当該特別遊技状態を終了する特別遊技状態終了手段(遊技制御装置30)と、流路切換部材98を、ラウンド遊技の開始時には第1状態とし、所定の流路変換条件の成立に基づき第1状態から第2状態に変換する制御を行う流路切換手段(遊技制御装置30)と、を備えている。
したがって、変動入賞装置80は、特別入賞口90および一般入賞口95よりも上流側に位置する排出口97と、排出口97を閉鎖する第1状態と、排出口97を開放する第2状態とに変換可能な流路切換部材98と、を備えるので、流路を容易に切り替えることができる。また、遊技制御装置30は、特別遊技状態中に変動入賞装置80内へ流入したすべての遊技球が、残存球検出手段により検出されたことに基づいて、当該特別遊技状態を終了する特別遊技状態終了手段と、流路切換部材98をラウンド遊技の開始時には第1状態とし、所定の流路変換条件の成立に基づき第1状態から第2状態に変換する制御を行う流路切換手段と、を備えるので、特別遊技状態に費やす時間を短縮でき、遊技者の興趣を損なわないようにすることができる。すなわち、排出口97を開放することで、通常よりも上流側で遊技球を排出できるので、特に、ラウンド遊技終了後の処理にかかる時間を短縮でき、特別遊技状態に費やす時間を短縮できる。
また、残存球検出手段を一般入賞口95からの距離よりも排出口97からの距離の方が近くなるように配したので、特別遊技状態に費やす時間を短縮できる。すなわち、排出口97に流入した遊技球は、一般入賞口95に流入した遊技球よりも検出までの時間が短く、上述した排出口97が一般入賞口95よりも上流側に位置する効果と併せて、特に、ラウンド遊技終了後の処理にかかる時間を短縮でき、特別遊技状態に費やす時間を短縮できる。
また、変動入賞装置80は、遊技球を貯留可能な貯留状態と、遊技球を貯留不能であるとともに貯留した遊技球を排出可能な貯留解除状態と、に変換可能な貯留装置160を、貯留解除状態で排出される遊技球が排出口97に直接流入するような位置に備え、遊技制御装置30は、貯留装置160を、ラウンド遊技の開始に基づいて貯留解除状態とし、ラウンド遊技の開始後、所定の貯留状態変換条件の成立に基づき貯留解除状態から貯留状態に変換し、ラウンド遊技の終了後に、貯留状態から貯留解除状態に変換する制御を行う貯留装置制御手段(遊技制御装置30)を備えている。
したがって、遊技球を貯留可能な貯留装置160を備え、ラウンド遊技の開始に基づいて貯留解除状態とし、所定の貯留状態変換条件の成立に基づき貯留解除状態から貯留状態に変換し、ラウンド遊技の終了後に貯留状態から貯留解除状態に変換する貯留装置制御手段を備えるので、視覚的な演出効果を高めることができる。すなわち、貯留されていた遊技球が一気に排出されることにより遊技者が得をしたような感覚を得ることができる。
また、貯留装置160を貯留解除状態で排出される遊技球が排出口97に直接流入するような位置に備えたので、遊技球が速やかに排出口97に流入し、特に、ラウンド遊技終了後の処理にかかる時間を短縮できて、特別遊技状態に費やす時間を短縮できる。
また、流路切換手段(遊技制御装置30)は、ラウンド遊技の終了後、貯留装置160が貯留解除状態に変換される前に、流路切換部材98を第2状態に変換するようにしている。
したがって、流路切換手段が、ラウンド遊技の終了後、貯留装置160が貯留解除状態に変換される前に、流路切換部材98を第2状態に変換するので、球詰まりを防止できる。すなわち、貯留装置160からは、多数の遊技球が一度に排出されるが、このとき排出口97が完全に開放されていない状態であると、球詰まりが発生する虞がある。しかし、貯留装置160を貯留解除状態に変換する前に、流路切換部材98を第2状態に変換することで、貯留装置160から排出された遊技球は順次排出口97に流入するようになり、球詰まりの発生を防止できる。
また、遊技盤1の裏面に、変動入賞装置80の下方に遊技に関わる制御を行う制御装置を取り付ける制御ベース170を備え、該制御ベース170に、残存球検出手段(残存球排出口センサ94)を配している。
したがって、遊技盤1の裏面に変動入賞装置80の下方に制御装置を取り付ける制御ベース170を備え、該制御ベース170に、残存球検出手段を配したので、変動入賞装置80にセンサ取付部を形成する必要がなく、スペースを有効に利用できる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、遊技球を貯留可能な貯留装置を備えた全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。