以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1から図10を用いて説明を行う。
図1には、ガイドレール2で囲まれ、遊技球を発射して遊技を行う遊技領域1aが前面側に形成された遊技盤1を示した。なお、パチンコ遊技機の外枠であって島設備に固定される機枠や、遊技領域1aの前面を覆うガラス枠、遊技領域1aの下側に設けられ遊技球を収容する上皿、下皿を有するとともに、遊技者が発射操作を行うための操作ハンドルを備えた操作パネルなどは図示を省略している。
この遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1aの下部には、左右に離間して一対の第1始動入賞口4,4(第1始動口)が設けられ、これら第1始動入賞口4,4の間の中央に位置して第2始動入賞口5(第2始動口)が設けられている。第1始動入賞口4,4には、第1始動入賞口4,4に入賞した遊技球を検出するための第1始動入賞センサ4a,4a(図2に図示)が配設されている。また、第2始動入賞口5には、第2始動入賞口5に入った遊技球を検出するための第2始動入賞センサ5a(図2に図示)が配設されている。また、遊技領域1aの中央には、第1変動入賞装置3が設けられている。
遊技領域1aには、その他に、風車と呼ばれる打球方向変換部材、多数の障害釘、一般入賞口6,6、アウト穴9、第2変動入賞装置8、ラウンド数表示器7、特図表示器10、特図始動記憶表示器11などが設けられている。このうち、各一般入賞口6,6には、該一般入賞口6,6に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサ6a(図2に図示)が配設されている。また、第2変動入賞装置8は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉8aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、開閉扉8aは、ソレノイド(可動部材用SOL8b、図2に図示)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するためのカウントセンサ8c(図2に図示)が配設されている。
また、ラウンド数表示器7は7セグの表示装置であって、遊技者が視認可能な位置に設けられており、特別遊技状態のサイクル遊技におけるラウンド数を表示するものである。また、特図表示器10は7セグの可変表示器10aを備える表示装置であって、後述する変動表示ゲームを表示するものである。また、特図始動記憶表示器11は、LEDの点滅によって後述する実行を待機した状態となっている変動表示ゲームの存在を報知するためのものである。
第1変動入賞装置3は、遊技盤1に形成された取付開口部(図示略)に遊技盤1の前面側から取り付けられるものであり、前方側が開放し、遊技盤1の後方に延在する入賞空間46を形成する入賞空間形成部材47を有する。なお、後述するようにこの入賞空間46は、隔壁などによって流入室45、振分空間48、第1入賞空間101、第2入賞空間201に分割されている。
また、第1変動入賞装置3の前面側は、遊技盤1の前面を覆うガラス板の近傍まで突出した状態となっており、後述する可動部材40,40が開いた場合以外は第1変動入賞装置3内に遊技球が入らないようになっている。
入賞空間46の上部には、上部構造部材(鎧部材)41が遊技盤1の表面より前方に突出するように設けられ、第1変動入賞装置3の上部の装飾装置として機能するとともに、第1変動入賞装置3の上方から流下する遊技球が入賞空間46に入ることを防止するとともに、その遊技球を左右方向に誘導するようになっている。
上部構造部材41の下側の左右側部には、第1変動入賞装置3の入賞口となる流入口43,43が設けられており、この左右の流入口43,43には、流入口43,43を開閉する可動部材40,40がそれぞれ設けられている。この可動部材40,40は、その下端部に回動中心を有しており、後述する遊技制御装置20により制御される開閉ソレノイド(可動部材用SOL40a、図2に図示)によって左右に回動可能となっている。可動部材40,40が略垂直に立った状態においては、可動部材40,40が流入口43,43を塞いだ状態となり第1変動入賞装置3へ入賞できない状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって不利な第1状態(閉状態)となる。これに対して、左右の可動部材40,40が下端部を中心にそれぞれ第1変動入賞装置3から離れる方向に回動した状態においては、可動部材40,40が、逆「ハ」の字状に開いて流入口43,43を開放した状態となり、第1変動入賞装置3への入賞が可能な状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって有利な第2状態(開状態)となる。なお、可動部材40,40は付勢部材によって通常時は閉じた状態(第1状態)を保つようになっている。
この可動部材40,40は、始動条件の成立(ここでは第1始動入賞口4又は第2始動入賞口5への遊技球の入賞(始動入賞))に基づく始動遊技において、可動部材用SOL40a(図2に図示)の駆動によって所定態様で第2状態に変換され、第1変動入賞装置3への入賞の機会が得られるようになっている。すなわち、第1始動入賞口4に入賞した遊技球が第1始動入賞センサ4aに検出されることに基づき、可動部材40,40が開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは0.5秒経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作を1回行うようになっている。同様に、第2始動入賞口5に入賞した遊技球が第2始動入賞センサ5aに検出されることに基づき、可動部材40,40が所定の態様の開放動作(ここでは開放時間0.8秒の開放動作)を所定時間(ここでは0.8秒)の閉鎖動作をはさんで2回行うようになっている。
流入口43,43が形成された入賞空間46の上部は、底壁45aによって仕切られた流入室45とされ、この底壁45aの略中央には、下部の振分空間48への連通穴45bが形成されている。また、この連通穴45bには、通過する遊技球を検出可能なカウントセンサ44(図2に図示)が設けられている。このカウントセンサ44は、遊技球が通過可能な検出部を有し、検出部を遊技球が通過したときに検出信号を出力するようになっている。そして、この検出信号を後述する遊技制御装置20でカウントすることで、第1変動入賞装置3に入賞した遊技球の数を計数することができる。また、この検出信号に基づき、所定数(例えば10個)の賞球が排出装置から排出される。
振分空間48の左右方向の中央部であって、連通穴45bの下側となる位置には振分部材49が設けられており、流入室45から流下した遊技球は、この振分部材49上に至るようになっている。この振分部材49は、振分空間48の奥行きと略同じ前後幅を有する板状の部材であって、裏面の左右方向の中心には、前後方向に延在する支持軸49aが設けられている。そして、この支持軸49aが連通穴45bの下側となる位置における振分空間48の後壁をなす入賞空間形成部材47に回動可能に取り付けられることで、振分部材49が左右に揺動可能な状態で振分空間48内に配設されるようになっている。また、この支持軸49aは、ソレノイド(振分部材用SOL49b、図2に図示)により回動駆動可能となっていて、ソレノイドを制御することにより板状の振分部材49が左もしくは右に傾き、遊技球が流下する方向(左もしくは右)を変化させることができる。これによって、流入室45から振分部材49上に至った遊技球が、振分部材49によって左右何れかへ振り分けられるようになっている。
この振分部材49を駆動するソレノイドは、遊技制御装置20によって制御されるようになっており、常時一定周期で左右に揺動するように制御されていて、始動遊技において、第1変動入賞装置3に入賞した遊技球の60%を前面側から見て右側に誘導して後述する第1入賞空間101に流入するように制御されるようになっている。なお、左右への振分率はこれに限られるものではなく、例えば、左右とも50%となるように制御しても良い。
また、振分空間48の底壁は、振分部材49によって左右に振り分けられた遊技球が中央部へ戻らないように、左右部分が中央部よりも一段低く形成されている。ここで、第1変動入賞装置3には、前面側から見て右側に第1入賞空間101を形成する第1遊技装置100が配され、左側に第2入賞空間201を形成する第2遊技装置200が配されている。また、第1遊技装置100と第2遊技装置200とは所定間隔を設けて配されており、この部分に変動表示装置50が設けられている。
そして振分空間48は、左右方向の中央部となる変動表示装置50の上部に位置する部分に振分部材49が設けられるとともに、第1入賞空間101、第2入賞空間201の上部に位置する部分の底壁が一段低く形成され、遊技球が第1遊技装置100もしくは第2遊技装置200に向かって左右に流下するようになっている。すなわち、振分空間48における左右端部は、第1入賞空間101、第2入賞空間201の上部に位置し、第1遊技装置100、第2遊技装置200の遊技球流路の一部を構成している。
この第1入賞空間101、第2入賞空間201の上部に位置し、底壁が一段低く形成された振分空間48の左右部分には、振分部材49によって振り分けられた遊技球を、第1入賞空間101、第2入賞空間201に誘導する第1誘導流路102、第2誘導流路202の流入口103,203が形成されている。なお、振分空間48の左右部分の底壁は、流入口103,203に遊技球を誘導するように傾斜しており、左右に振り分けられた遊技球が確実に流入口103,203に流入するようにされている。
第1遊技装置100は矩形凹室状の第1入賞空間101を有し、この第1入賞空間101の背面をなす背面壁104の左右方向の中央には、底面をなす流下棚106と隣接する部分に第1誘導流路102の下流側端部である流出口105が形成されており、ここから遊技球が流下棚106上に流出するようになっている。この流下棚106は、後から前に向かって下り傾斜し、流下棚106上に流出した遊技球は、後から前に流下するようになっている。また、流下棚106の中央部には、遊技球の流下方向を変更可能な第1役物装置107が設けられている。
第1役物装置107は、流下棚106の上面と平行に配される円盤状のターンテーブル108を有している。このターンテーブル108は裏面側の中心に上面に対して垂直な回動軸を有し、この回動軸が図示しない駆動手段によって回動駆動されることで流下棚106の上面と平行な状態で回転可能とされている。このターンテーブル108の上面には、遊技球の直径程度の間隔をおいた2本の平行なリブ109,109が形成され、これによって、ターンテーブル108の直径に沿った遊技球が通過可能な通路が形成されている。
また、流下棚106の前縁の前方、すなわち、第1入賞空間101の前部の下端部は第1入賞空間101内の入賞領域となっている。そして、入賞領域は、第1入賞空間101の前部の下端部に左右に延在して形成され、その中央部が第1入賞領域110とされ、第1入賞領域110の左右の入賞領域(第1入賞領域110以外の残りの入賞領域)が一般入賞領域111,111とされている。従って、流下棚106上を流下した遊技球は、入賞領域のうちの第1入賞領域110もしくは一般入賞領域111,111に流入するようになっている。なお、第1入賞領域110への遊技球の入賞率は、一般入賞領域111,111より領域が狭いことと第1役物装置107の動作によって、一般入賞領域111,111への遊技球の入賞率よりも低いものとなっている。
背面壁104に形成された流出口105は、第1入賞空間101の左右の中央部に配置され、第1役物装置107も第1入賞空間101の左右の中央部に配置され、流下棚106前縁の前方に設けられた第1入賞領域110も第1入賞空間101の左右の中央部に配置されている。従って、流出口105から流下した遊技球は、左右にぶれた場合を除いて第1役物装置107を通過して第1入賞領域110に流入するようになっている。
そして、遊技球がターンテーブル108に至った際に、リブ109,109によって形成された通路が前後方向に沿った状態となっていれば、遊技球がこの通路を流下して第1入賞領域110に入賞する確率が高くなるようになっている。また、逆に、リブ109,109によって形成された通路が前後方向に沿った状態となっていなければ、通路を流下して、もしくは、リブ109,109の側面に接触して遊技球は第1入賞空間101の左右へ誘導され、一般入賞領域111,111に入賞する確率が高くなる。なお、この場合でも、側壁に接触して流下方向が変更されるなどして第1入賞領域110に入賞する可能性はある。
ターンテーブル108は、通常遊技状態中は比較的高速で回転し、始動遊技開始(始動入賞)から所定時間は低速回転に変更するようになっている。ターンテーブル108が高速回転で回転している状態においては、通路が前後方向に沿って配される期間が、短い期間に限られる。また、上流側では通路に入ったとしても、ターンテーブル108上を流下する間に、ターンテーブル108の回転によって流下方向が一般入賞領域111,111へ向かう方向に変更される可能性があり、第1入賞領域110に入賞しにくくなる。逆に、ターンテーブル108が低速回転している状態においては、通路が前後方向に沿って配される期間がある程度長く続くことになるので、第1入賞領域110へ入賞する可能性が高くなる。つまり、始動遊技において、早めに入賞した方が比較的高い確率で第1入賞領域110に入賞する可能性が高く、遊技者にとって有利となるようにしている。
なお、第1役物装置107においては、ターンテーブル108が、上述のように第1入賞領域110への通過率が高い状態と低い状態とを制御して動作させるものとしても良い。すなわち、単に、ターンテーブル108を回転させて、第1入賞領域110への通過率の高い状態と低い状態とを繰り返させるだけでなく、例えば、第1入賞領域110への通過率の高い状態でターンテーブル108を止めたり、第1入賞領域110への通過率が低い状態でターンテーブル108を止めたりすることを繰り返すような制御をしても良い。そのために、通路の向きを検出できるようにターンテーブル108の回動角度を検出するモータ位置検出センサを設けても良い。
また、この実施形態の第1役物装置107のターンテーブル108及びリブ109,109は、遊技球が自然流下した場合に最も第1入賞領域110へ流入しやすい状態となるのを阻害するものとなっているが、例えば、遊技球が自然流下すると第1入賞領域110に遊技球が流入しづらい状態とし、第1役物装置107に遊技球が接触することで、遊技球が第1入賞領域110に流入しやすい状態となるようにしても良い。また、第1役物装置107は、上述のものに限られるものではなく、所謂羽根物といわれるパチンコ遊技機の変動入賞装置で遊技球の第1入賞領域(特別入賞領域)への入賞のし易さを変更するために用いられている役物を用いることができる。
第1入賞領域110に入賞した遊技球は、遊技盤1の裏面側であって第1入賞空間101の下部に形成された図示しない第1入賞流路に流入する。この第1入賞流路には、流下する遊技球を検出する特別入賞センサ112が設けられており、この特別入賞センサ112によって遊技球が検出されることに基づいて特別遊技状態の発生等の処理が行われるようになっている。また、一般入賞領域111,111に入賞した遊技球は、遊技盤1の裏面側であって第1入賞空間101の下部に形成された図示しない一般入賞流路に流入する。この一般入賞流路には、遊技球を検出する確認センサ113が設けられている。すなわち、この特別入賞センサ112と確認センサ113により第1入賞空間101から流出する遊技球の全てを検出できる、この検出信号を後述する遊技制御装置20でカウントすることで、第1入賞空間101から排出された遊技球の数を計数できるようになっている。
なお、第1入賞領域110に隣接した位置に特別入賞センサ112を設けるようにするとともに、一般入賞領域111,111及び第1入賞領域110に流入した遊技球をすべて確認センサ113に誘導して通過させるようにしても良い。このようにすれば、確認センサ113からの検出信号のみをカウントすることで第1入賞空間101から排出された遊技球の数を計数できる。
第2遊技装置200は、矩形凹室状の第2入賞空間201を有し、この第2入賞空間201内に円形の皿状をした所謂クルーン204を備える第2役物装置205が設けられている。また、第2入賞空間201の背面をなす背面壁206には、第2誘導流路202の下流側端部である流出口207がクルーン204の外周部に隣接するように形成されており、ここから遊技球がクルーン204上に流出するようになっている。さらに、流出口207はクルーン204の周方向に沿って遊技球を排出できるような向きで形成されている。すなわち、第2誘導流路202を流下した遊技球は、クルーン204の外周付近に、クルーン204の周方向に沿って流入するようになっている。
そして、第2誘導流路202を流下した遊技球がクルーン204に流入すると、流入時の勢いがある程度残っている間は、クルーン204の外周部を周方向に添って移動し、勢いがなくなって速度が遅くなると外周部の傾斜に従って中央部側に寄ることとなる。すなわち、遊技球のクルーン204上での周回速度が遅くなると遊技球の周回する径が小さくなっていき、中央部に形成された始動入賞口をなす第2入賞領域208に流入する。なお、このクルーン204は、遊技球を振り分ける振分手段としての機能を有するものではなく、なるべく第1入賞空間101に流入した遊技球の結果が判明した後に始動入賞させるために、始動入賞口への入賞タイミングを遅らせる入賞遅延手段としての機能を有するものである。
第2入賞領域208に流入した遊技球は、遊技盤1の裏面側であって第2入賞空間201の下部に形成された図示しない始動入賞流路に流入する。この始動入賞流路には、流下する遊技球を検出する変動表示始動センサ209が設けられており、この変動表示始動センサ209によって遊技球が検出されることに基づき、特図表示器10において変動表示ゲームが実行されるようになっている。また、特図表示器10において実行される変動表示ゲームに対応して、複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を所定時間変動表示する表示ゲームが変動表示装置50に表示されるようになっている。なお、後述するように、第1入賞領域110への入賞に基づく特別遊技状態が発生した場合は、その特別遊技状態の終了まで変動表示ゲームの実行を待機するようになっている。この待機状態となっている変動表示ゲームがあることは、特図始動記憶表示器11にて表示されるようになっている。
また、変動表示始動センサ209により第2入賞空間201から流出する遊技球の全てを検出できるようになっており、この検出信号を後述する遊技制御装置20でカウントすることで、第2入賞空間201から排出された遊技球の数を計数できるようになっている。
上述したように、第1変動入賞装置3に入賞した遊技球は、連通穴45bに設けられたカウントセンサ44により検出されるようになっており、カウントセンサ44からの検出信号をカウントすることで第1変動入賞装置3に入賞した遊技球の個数を検出できる。したがって、一回の始動遊技において、カウントセンサ44で検出した遊技球の個数から、特別入賞センサ112、確認センサ113、変動表示始動センサ209で検出した遊技球の個数を減算することで、第1変動入賞装置3内に存在する遊技球の数を検出できることとなる。
変動表示装置50は、液晶表示器42を備え、複数の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を表示可能となっている。この液晶表示器42は、デモ画面表示、遊技球が始動入賞口4、5に入賞したときの表示、始動遊技時の演出表示、遊技球が第1入賞領域110に入賞したとき(特別遊技発生時)の表示、変動表示ゲームに対応した表示ゲームの表示、特別遊技状態中の表示等、種々の表示がなされるようになっている。なお、液晶表示器42はEL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良し、複数のLEDを備えるものでも良い。
以上のことから、変動入賞装置(第1変動入賞装置3)は、第1入賞領域110を含む複数の入賞領域が形成されて所定の確率で該第1入賞領域110へ遊技球を入賞させる第1入賞空間101と、第2入賞領域208を備えた第2入賞空間201と、受け入れた遊技球を第1入賞空間101或いは第2入賞空間201の何れか一方に振り分けて流下させる振分部材49と、を備えたこととなる。
次に、遊技機の制御系について説明する。
図2に示すように、遊技機はその制御系において、遊技の進行を制御するメイン制御装置としての遊技制御装置20、この遊技制御装置20の制御下でスピーカ31や装飾ランプ・LED32、液晶表示器42などの制御を行うサブ制御装置30等を備えている。
遊技制御装置20は、CPU21a、RAM21b、ROM21c等を有する遊技用マイクロコンピュータ21、入出力インタフェース23、クロック(発振器)22等により構成されている。CPU21aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行い、後述する始動入賞処理や始動遊技処理などの制御処理を行う。また、ラウンド数決定用乱数(第1の乱数)や、変動表示ゲームの大当たり判定用乱数(第2の乱数)などの各種乱数値なども生成している。RAM21bは、各種データや各種乱数値を一時的に記憶する記憶領域、並びに、CPU21aの作業領域を備えている。また、第1変動入賞装置3内にある遊技球の数を計数する入賞カウンタ、可動部材40,40の開閉回数を設定するSOLカウンタなどの各種カウンタ記憶領域などを備えている。ROM21cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、変動表示ゲームの大当り発生を判定するための変動表示ゲームの大当り判定値などが記憶されている。
クロック22は、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力する。
また、入出力インタフェース23には、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、第1始動入賞センサ4a,4a、第2始動入賞センサ5a、一般入賞口センサ6a、第1変動入賞装置3のカウントセンサ44、第2変動入賞装置8のカウントセンサ、第1遊技装置の特別入賞センサ112および確認センサ113、第2遊技装置200の変動表示始動センサ209、排出・発射制御装置24などが接続されており、これらからの各種信号が入力される。
そして、これら各種信号は、該入出力インタフェース23により中継されて、CPU21aに対し出力される。さらに、入出力インタフェース23には、CPU21aから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェース23により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバーを介して、ラウンド数表示器7、特図表示器10としての可変表示器10a、特図始動記憶表示器11、第2変動入賞装置8の開閉扉8aを開閉する可動部材用ソレノイド(可動部材用SOL8b)、可動部材40,40の開閉ソレノイド(可動部材用SOL40a)、振分部材用ソレノイド(振分部材用SOL49b)、サブ制御装置30、排出・発射制御装置24に出力されている。
遊技制御装置20のCPU21aは遊技に関する様々な制御を行うようになっており、例えば、振分部材用ソレノイド49bにより振分部材49を左右に揺動させる制御を行う。また、遊技制御装置20のCPU21aは、第1始動入賞センサ4aもしくは第2始動入賞センサ5aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、可動部材40,40の開閉動作を行う始動遊技処理を行うとともに、変動表示ゲームの当たり外れを決定する大当たり判定用乱数の抽出や、特別遊技状態におけるラウンド数を決定するラウンド数決定用乱数の抽出などを行う。すなわち、遊技制御装置20は乱数抽出手段をなす。
そして、カウントセンサ44からの遊技球の検出信号の入力の後、特別入賞センサ112からの遊技球の検出信号の入力があった場合には、特別遊技状態を発生し、この特別遊技状態において、第2変動入賞装置8の開閉扉8aを開閉する処理を行う。また、特別遊技状態のサイクル遊技におけるラウンド数をラウンド数表示器7に表示させる処理を行う。
また、変動表示始動センサ209からの遊技球の検出信号の入力があった場合には、始動入賞時に抽出した大当たり判定用乱数の結果に基づく変動表示ゲームを可変表示器10aで実行するとともに、サブ制御装置30を介して変動表示ゲームに関連した表示ゲームを液晶表示器42に表示する制御を行う。そして、変動表示ゲームが大当たりであった場合に特別遊技状態を発生し、この特別遊技状態において、第2変動入賞装置8の開閉扉8aを開閉する処理を行う。
また、遊技制御装置20のCPU21aは、サブ制御装置30に演出コマンド(制御情報を含む演出データ)を送り、スピーカ31や装飾ランプ・LED32、液晶表示器42による演出を行わせる。
さらに、遊技制御装置20のCPU21aは、第1始動入賞センサ4a,4a、第2始動入賞センサ5a、一般入賞口センサ6a、カウントセンサ44、カウントセンサ8cから入賞球の検出信号が入力された場合に、それら検出信号に基づいて、排出・発射制御装置24に賞球データを送って、図示しない排出装置に所定数の賞球を排出させる制御も行う。
サブ制御装置30は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、遊技制御装置20から受信した演出コマンドに基づいて(遊技制御装置20の制御の下に)遊技機の制御を行うものである。サブ制御装置30が制御を行うものとしては、例えば、スピーカ31から出力される効果音や、装飾ランプ・LED32、並びに、液晶表示器42の表示内容がある。
排出・発射制御装置24は、遊技制御装置20からの賞球制御指令や、球貸機(図示略)からの球貸制御指令に基づいて所定数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御や、遊技球の発射制御を行うものである。そのほかに遊技機は、各制御装置などに電力を供給する電源供給装置(図示略)等を備える。
次に、以上のような構成を有する遊技機における遊技の流れについて、図3から5を参照して説明する。
発射装置から発射された遊技球は、ガイドレール2に沿って図1に示す遊技領域1aの上方へ誘導された後、下方へ流下する。そして、通常遊技状態A1において、遊技領域1aを流下する遊技球が、第1始動入賞口4,4または第2始動入賞口5へ入賞(始動入賞)し、第1始動入賞センサ4a、第2始動入賞センサ5aからの遊技球の検出信号が遊技制御装置20に入力されると、この検出信号に基づき、始動遊技状態A2に移行する。なお、通常遊技状態A1とは、特別遊技状態中、変動表示ゲームの実行中、始動遊技状態中の何れでもない状態である。
この始動遊技状態A2において遊技制御装置20は、第1始動入賞センサ4a、第2始動入賞センサ5aからの遊技球の検出信号に基づき、可動部材用ソレノイド40aを制御して可動部材40,40の開閉動作を行う始動遊技処理を行う。また、今回の始動遊技において、遊技球の第1入賞領域110への入賞もしくは変動表示ゲームが大当たりとなることで特別遊技状態が発生した場合における継続可能なラウンド数を決定する、ラウンド数決定用乱数の抽出、記憶をする処理を行う。
また、今回の始動遊技において、第2遊技装置200の第2入賞領域208に遊技球が入賞することに基づき実行される変動表示ゲームの当たりはずれを決定する大当たり判定用乱数値の抽出、記憶をする処理を行う。さらに、排出・発射制御装置24に賞球データを送って、図示しない排出装置に所定数の賞球を排出させる制御を行う。
このような制御により可動部材40,40が開き、遊技領域1aを流下する遊技球が流入口43,43から入賞空間46の上部の流入室45に流入する。なお、遊技領域1aにおける遊技球の流下態様によっては、可動部材40,40が開閉しても(始動遊技が行われても)遊技球が入賞しない場合もある。
流入室45に流入した遊技球は、底壁45aに形成された連通穴45bを通って振分部材49上に落下する。この際、連通穴45bに設けられたカウントセンサ44により検出され、その検出信号が遊技制御装置20に入力される。遊技制御装置20ではこの検出信号をカウントすることで、第1変動入賞装置3に流入した遊技球の数を計数する。また、遊技制御装置20は、この検出信号に基づき排出・発射制御装置24に賞球データを送って、図示しない排出装置に所定数の賞球を排出させる制御を行う。
振分部材49は、振分部材用ソレノイド(振分部材用SOL49b)が支持軸49aを回動することによって左右に傾くように構成されており、遊技球が連通穴45bから落下する際の振分部材49の傾きによって、遊技球の流下方向が左右何れかに決定される。例えば、振分部材49が右側に下るように傾斜した状態にあると、遊技球はその傾斜に沿って振分部材49の右側に流下し、流入口103から第1誘導流路102を通って第1入賞空間101に至る。また逆に、振分部材49が左側に下るように傾斜した状態にあると、遊技球は振分部材49の左側に流下し、流入口203から第2誘導流路202を通って第2入賞空間201に至る。第1入賞空間101に流入した遊技球は流下棚106を流下し、第1役物装置107によって振り分けられ、第1入賞領域110と一般入賞領域111,111の何れかに流入する。また、第2入賞空間201に流入した遊技球は、第2役物装置205としてのクルーン204に至り、その中心に形成された第2入賞領域208に流入する。
そして、始動遊技状態A2において第1入賞空間101に至った遊技球が第1入賞領域110に流入し、特別入賞センサ112からの遊技球の検出信号が遊技制御装置20に入力されると、この検出信号に基づき特別遊技状態A3に移行する。この特別遊技状態A3において遊技制御装置20は、特別入賞センサ112からの遊技球の検出信号に基づき、可動部材用ソレノイド8bを制御して開閉扉8aの開閉動作を行い、大入賞口への入賞を可能とする特別遊技状態を発生させる制御を行う。すなわち、遊技制御装置20が、第1変動入賞装置3へ受け入れられた遊技球が当該第1変動入賞装置3内の第1入賞領域110へ入賞した場合に特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段(第1特別遊技状態発生手段)をなす。
大入賞口に入賞した遊技球はカウントセンサ8cにより検出され、その検出信号が遊技制御装置20に入力される。遊技制御装置20では、この検出信号をカウントすることで、大入賞口に入賞した遊技球の数を計数する。また、遊技制御装置20は、この検出信号に基づき排出・発射制御装置24に賞球データを送って、図示しない排出装置に所定数の賞球を排出させる制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回)継続する(繰り返す)サイクル遊技が行われる。これによって、遊技者にとって多くの賞球としての遊技球を得ることが可能になる。
この継続可能なラウンド回数は、第1始動入賞口4もしくは第2始動入賞口5に入賞したとき(遊技球が第1始動入賞センサ4aもしくは第2始動入賞センサ5aに検出されたとき)に抽選して決定(例えば、2、7、15ラウンドの何れか)される。この継続可能なラウンド数は、特別遊技状態の開始時に、変動表示装置50にて報知されるようになっている。そして、このサイクル遊技が終了した時点で特別遊技状態A3が終了し、通常遊技状態A1へ戻るようになっている。
また、始動遊技状態A2において第2入賞空間201に至った遊技球が第2入賞領域208に流入し、変動表示始動センサ209からの遊技球の検出信号が遊技制御装置20に入力されると、この検出信号に基づき変動表示待機状態A4へ移行する。この変動表示待機状態A4において遊技制御装置20は、上述した第1入賞領域110への入賞に基づく特別遊技状態の発生を監視するようになっている。
変動表示待機状態A4において遊技制御装置20は、カウントセンサ44により計数した第1変動入賞装置3へ流入した遊技球の数から、変動表示始動センサ209により計数した第2入賞領域208へ流入した遊技球の数と、確認センサ113により計数した一般入賞領域111,111へ流入した遊技球の数を減算する処理を行う。そして、その結果が0になった時点で、第1入賞領域110への入賞がなかったものと判定(開始条件が成立)し、変動表示状態A5へ移行して待機していた変動表示ゲームを実行する処理を行う。
なお、始動遊技状態A2において第1変動入賞装置3に遊技球が1つだけ流入し、第2入賞領域208に入賞した場合は、その時点で変動表示状態A5に移行し、変動表示ゲームが開始されることとなる。また、第2入賞領域208への入賞はクルーン204によって遅延されるようになっており、第1入賞空間101と第2入賞空間201の両方に遊技球が流入した場合は、ほとんどの場合で、第2入賞領域208への入賞よりも第1入賞空間101に流入した遊技球の結果(第1入賞領域110もしくは一般入賞領域111への入賞)が判明する方が先になる。よって、ほとんどの場合で、第1入賞領域110への入賞が無ければ、第2入賞領域208への入賞と同時に開始条件が成立し、変動表示ゲームが開始されることとなる。
図4には、変動表示待機状態A4において変動表示ゲームの開始を待機することとなる始動遊技におけるタイミングチャートを示した。この図4に示した始動遊技においては、通常遊技状態A1において第1始動入賞口4に遊技球が入賞して第1始動入賞センサ4aで検出(B1)されて始動遊技状態A2に移行し、可動部材40,40が開閉して可動部材40,40が開状態となっている間に、2つの遊技球が第1変動入賞装置3に入賞してカウントセンサ44で検出(B2,B3)されている。
そして、2つの遊技球のうち、1つが先に第2入賞領域208に入賞して変動表示始動センサ209で検出(B4)されて変動表示待機状態A4に移行する。この時点ではカウントセンサ44により計数された遊技球のすべてが検出されておらず、変動表示ゲームの実行を待機する。なお、上述したように、このように先に第2入賞領域208に入賞するのは稀なケースである。
この後、もう1つの遊技球が一般入賞領域111,111に入賞して確認センサ113で検出(B5)された時点で、第1入賞領域110への入賞がなく、かつ、カウントセンサ44により計数された遊技球のすべてが検出されたこととなり、変動表示状態A5に移行して、待機していた変動表示ゲームが開始される(B5)。なお、変動表示ゲームの実行中に発生した始動入賞(点線で示した始動入賞)は通常遊技状態A1における始動入賞ではないので無効とするようにしている。
これに対し、変動表示待機状態A4において第1入賞領域110への入賞があった場合には、遊技制御装置20は特別遊技状態を優先して実行し、その特別遊技状態が終了した後、変動表示状態A5へ移行するような制御を行う。すなわち、遊技制御装置20が、第1入賞領域110への遊技球の入賞により発生した特別遊技状態が終了するまで変動表示ゲームの実行を待機する変動表示ゲーム待機手段をなす。
図5には、特別遊技状態の終了まで変動表示ゲームの開始を待機することとなる始動遊技におけるタイミングチャートを示した。この図5に示した始動遊技においても、通常遊技状態A1において第1始動入賞口4に遊技球が入賞して第1始動入賞センサ4aで検出(C1)されて始動遊技状態A2に移行し、可動部材40,40が開閉して可動部材40,40が開状態となっている間に、2つの遊技球が第1変動入賞装置3に入賞してカウントセンサ44で検出(C2,C3)されている。
そして、2つの遊技球のうち、1つが先に第2入賞領域208に入賞して変動表示始動センサ209で検出(C4)され、変動表示待機状態A4に移行する。この時点では、カウントセンサ44により計数された遊技球のすべてが検出されておらず、変動表示ゲームの実行を待機する。なお、上述したように、このように先に第2入賞領域208に入賞するのは稀なケースである。
この後、もう1つの遊技球が第1入賞領域110に入賞して特別入賞センサ112で検出(C5)されると、一旦特別遊技状態A3に移行し、先に第1入賞領域110に入賞したことに基づく特別遊技状態を発生させる。この間、変動表示ゲームの実行は待機した状態とする。そして、特別遊技状態の終了後、変動表示状態A5に移行し、待機していた変動表示ゲームを開始する(C6)。このとき、変動表示ゲームの開始前に所定期間のウエイトタイムを設け、変動表示ゲームの開始を遅延させるようにしても良い。なお、第1変動入賞装置3に入賞した2つの遊技球のうち、1つが先に第1入賞領域110に入賞した場合はその時点で特別遊技状態が発生するが、その特別遊技状態中にもう1つの遊技球が第2入賞領域208に入賞した場合も、特別遊技状態の終了まで変動表示ゲームの実行を待機することとなる。
以上のことから、変動入賞装置(第1変動入賞装置3)に複数の遊技球が受け入れられて、第1および第2入賞領域110,208の各々に遊技球が流入した場合に、該第1入賞領域110への遊技球の入賞により発生した特別遊技状態が終了するまで変動表示ゲームの実行を待機する変動表示ゲーム待機手段(遊技制御装置20)を備えたこととなる。
変動表示状態A5において遊技制御装置20は、特図表示器10において変動表示ゲームを実行する制御を行う。この変動表示ゲームでは、始動入賞時に抽出された大当たり判定用乱数から判定された結果が当たりであった場合(特別条件の成立)は、特図表示器10の結果態様が特別結果態様(たとえば「7」)となり、これに対応して変動表示装置50における表示ゲームの結果態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。そして、特別遊技状態A3へ移行して上述のサイクル遊技が実行され、サイクル遊技の終了後、通常遊技状態A1へ戻る。すなわち、遊技制御装置20が、変動表示ゲームの結果態様が特別結果となった場合に、特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段(第2特別遊技状態発生手段)をなす。なお、変動表示ゲームの結果態様が特別結果となった場合に発生する特別遊技状態における継続可能なラウンド数は、15ラウンドに固定されている。
また変動表示状態A5において、始動入賞時に抽出された大当たり判定用乱数から判定された結果がはずれであった場合(特別条件の不成立)は、特図表示器10の結果態様が特別結果態様以外の結果態様(たとえば「−」)となり、これに対応して変動表示装置50における表示ゲームの結果態様も特別結果態様以外の結果態様(例えば、「7,5,6」等のゾロ目数字でない表示)となる。そして、この変動表示ゲームの終了後、通常遊技状態A1へ戻る。
また、始動遊技状態A2において、可動部材40,40の開放から入賞した遊技球がカウントセンサ44を通過するのに十分な時間(例えば1.5秒)をカウント監視期間として、このカウント監視期間の間に、カウントセンサ44によって遊技球が検出されなかった場合(復帰条件の成立)は、第1変動入賞装置3への入賞がなかったものとして通常遊技状態A1へ戻り、次回の始動遊技を可能とするようになっている。また、第1変動入賞装置3に流入した遊技球が全て第1入賞空間101に流入し、かつ、第1入賞空間101に流入した遊技球がすべて一般入賞領域111,111に入賞した場合(復帰条件の成立)も、通常遊技状態A1へ戻る。なおこの場合は、遊技制御装置20において、カウントセンサ44により計数した第1変動入賞装置3へ流入した遊技球の数から、確認センサ113で検出された遊技球の数を減算した結果が0になることから検出可能である。
以上のように、成立条件によって通常遊技状態A1から各種遊技状態に遷移し、再び通常遊技状態A1に戻るようになっている。以降、これを繰り返すことによって遊技が進行するようになっている。
以上のことから、開状態と閉状態とに変換可能な変動入賞装置(第1変動入賞装置3)を遊技領域1aに備え、始動条件の成立により開状態へ変換された変動入賞装置に遊技球が受け入れられることに起因して、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段(遊技制御装置20)を備えた遊技機において、複数の識別情報を変動表示可能な変動表示装置50を備え、特別遊技状態発生手段は、変動入賞装置へ受け入れられた遊技球が当該変動入賞装置内の第1入賞領域110へ入賞した場合に特別遊技状態を発生させる第1特別遊技状態発生手段(遊技制御装置20)と、受け入れられた遊技球が第1入賞領域110とは異なる第2入賞領域208へ入賞したことに基づき、変動表示装置50において変動表示ゲームを実行するとともに、該変動表示ゲームの結果態様が特別結果となった場合に、特別遊技状態を発生させる第2特別遊技状態発生手段(遊技制御装置20)と、を備えたこととなる。
次に、図6から8を参照して、上述した遊技機の第1変形例について説明する。以下主に、上述の実施形態の遊技機と異なる部分について説明し、同様の部分については説明を省略する。
本変形例の遊技機は、第1入賞領域110と第2入賞領域208の各々に遊技球が流入した場合に、第2入賞領域208への遊技球の入賞に基づく変動表示ゲームの実行を無効化するようになっている。
図6には、変動表示ゲームの実行が無効化されることとなる始動遊技におけるタイミングチャートを示した。この図6に示した始動遊技においては、通常遊技状態A1において第1始動入賞口4に遊技球が入賞して第1始動入賞センサ4aで検出(D1)されて始動遊技状態A2に移行し、可動部材40,40が開閉して可動部材40,40が開状態となっている間に、2つの遊技球が第1変動入賞装置3に入賞してカウントセンサ44で検出(D2,D3)されている。
そして、2つの遊技球のうち、1つが先に第2入賞領域208に入賞して変動表示始動センサ209で検出(D4)されて変動表示待機状態A4に移行する。この時点では、カウントセンサ44により計数された遊技球のすべてが検出されておらず、変動表示ゲームの実行を待機する。この後、もう1つの遊技球が第1入賞領域110に入賞して特別入賞センサで検出(D5)されると、特別遊技状態A3に移行し、先に第1入賞領域110に入賞したことに基づく特別遊技状態を発生させる。遊技制御装置20は、この第1入賞領域110への入賞が発生した時点で、待機していた変動表示ゲームの実行権利を無効化し、特別遊技状態が終了(D6)しても変動表示ゲームは実行せず、通常遊技状態A1に戻るように制御するようになっている。すなわち、遊技制御装置20が、変動表示ゲームの実行を無効化する変動表示ゲーム無効化手段をなす。
また、本変形例の遊技機では、上述のように変動表示ゲームの実行が無効化された場合に、所定の条件を満たせば特別遊技状態における継続可能なラウンド数を増加させるようになっている。
上述したように、遊技制御装置20では第1始動入賞センサ4aもしくは第2始動入賞センサ5aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、今回の始動遊技において、第1入賞領域110に遊技球が入賞して特別遊技状態が発生した場合における継続可能なラウンド数を決定する。この継続可能なラウンド数の決定は、遊技制御装置20で所定時間ごとに繰り返し行われる乱数抽選処理、ラウンド数決定処理にて行われる。
図7(a)に示すように、乱数抽出処理においては、まず、有効な始動入賞があるか否かの判定(ステップS1)が行われる。ここで、有効な始動入賞とは、通常遊技状態A1における第1始動入賞口4もしくは第2始動入賞口5への入賞である。
有効な始動入賞があるか否かの判定(ステップS1)において、有効な始動入賞がなかった場合(ステップS1;N)は、乱数抽選処理を終了する。有効な始動入賞があるか否かの判定(ステップS1)において、有効な始動入賞があった場合(ステップS1;Y)は、ラウンド決定用の乱数を抽出、記憶する処理(ステップS2)を行う。この処理においては、遊技制御装置20のCPU21aで生成しているラウンド数決定用乱数を抽出し、RAM21bに記憶する処理が行われる。
ラウンド決定用乱数を抽出、記憶する処理(ステップS2)を行った後、抽出した乱数から継続可能なラウンド数を仮決定する処理(ステップS3)を行う。この処理においては、抽出、記憶した乱数と、予めROM21cに記憶されている判定値(判定テーブル)とを比較し、その結果から特別遊技状態の発生態様を決定する。この特別遊技状態の発生態様としては、遊技者に付与する遊技価値の大きさが異なるように(遊技者が得られる利益量を変更可能に)、継続可能なラウンド数が異なる複数種の特別遊技状態の発生態様が用意されていて、例えば、2ラウンド、7ラウンド、15ラウンドを継続可能なラウンド数とする3種類の発生態様が、2ラウンドが50%、7ラウンドが30%、15ラウンドが20%の確率で選択されるようになっている。
抽出した乱数から継続可能なラウンド数を仮決定する処理(ステップS3)を行った後、変動表示ゲームの大当たり乱数を抽出、記憶する処理(ステップS4)を行う。この処理においては、遊技制御装置20のCPU21aで生成している大当たり判定用乱数を抽出し、RAM21bに記憶する処理が行われる。この大当たり判定用乱数は、予めROM21cに記憶されている判定値(判定テーブル)とを比較することで当り、はずれが決定されるが、その当りとなる確率は1/256となっている。
そして、図7(b)に示すように、ラウンド数決定処理においては、まず、特別入賞(特別入賞センサ112での遊技球の検出)があるか否かの判定(ステップS5)を行う。特別入賞があるか否かの判定(ステップS5)において、特別入賞がない場合(ステップS5;N)は、ラウンド数決定処理を終了する。特別入賞があるか否かの判定(ステップS5)において、特別入賞がある場合(ステップS5;Y)は、変動表示始動入賞(変動表示始動センサ209での遊技球の検出)があるか否かの判定(ステップS6)を行う。
変動表示始動入賞があるか否かの判定(ステップS6)において、変動表示始動入賞がない場合(ステップS6;N)は、乱数抽選処理で仮決定されたラウンド数を本決定とする処理(ステップS9)を行いラウンド数決定処理を終了する。変動表示始動入賞があるか否かの判定(ステップS6)において、変動表示始動入賞がある場合(ステップS6;Y)は、変動始動入賞フラグをOFFにする処理(ステップS7)を行う。この変動始動入賞フラグをOFFにする処理(ステップS7)によって、待機していた変動表示ゲームの実行権利が無効化される。
変動始動入賞フラグをOFFにする処理(ステップS7)を行った後、ラウンド数の変更処理(ステップS8)を行い、ラウンド数決定処理を終了する。このラウンド数の変更処理(ステップS8)においては、乱数抽出処理で抽出された変動表示ゲームの大当たり乱数値が所定の条件を満たす値であった場合に、乱数抽選処理で仮決定されたラウンド数を変更する(増加する)処理が行われる。
この所定の条件としては、0から255の値からなる大当たり判定用乱数のうち、抽出された乱数値が0から63の値であった場合にラウンド数を変更するようになっている。すなわち、1/4の確率でラウンド数を変更するようになっている。そしてこの条件を満たす場合には、仮決定されていたラウンド数が2ラウンドであった場合は7ラウンドに、7ラウンドであった場合は15ラウンドに変更するようになっている。また、仮決定されていたラウンド数が15ラウンドであった場合には変更は行わない。すなわち、遊技制御装置20が、特別遊技状態の発生態様を利益量の多い発生態様に変更可能な発生態様変更手段をなす。
そして、ラウンド数の変更処理(ステップS8)、もしくは仮決定のラウンド数を本決定する処理(ステップS9)において決定されたラウンド数に関する情報はサブ制御装置30に送信される。サブ制御装置30においては受信した情報に基づき、ラウンド抽選ゲームの内容を決定するとともに、変動表示装置50にラウンド抽選ゲームを表示する処理を行う。
変動表示装置50においては、まず、始動入賞が発生すると、図8(a)に示すように「Go!」と表示され、さらに、始動入賞時に抽出されるラウンド数決定用乱数や大当たり判定用乱数に基づいて、今回の始動遊技で第1入賞領域110に遊技球が入賞して特別遊技状態が発生した場合における継続可能なラウンド数の予告表示(図示略)が行われる。予告表示は、特別遊技状態における継続可能なラウンド数によって、所定の割合で異なる演出表示(例えば、キャラクタの表示)を行うものであって、遊技者に、継続可能なラウンド数が多い(7ラウンドや15ラウンド)可能性があることを報知し遊技の興趣を向上させるものである。
そして、第1変動入賞装置3に流入した遊技球が、第2入賞領域208に入賞して変動表示始動センサ209で検出されると、変動表示ゲームの実行を待機する状態となり、図8(b)に示すように、表示画面の左下にその旨を示す始動記憶表示(黒丸の表示)がなされる。また、特図始動記憶表示器11にもその旨が表示(LEDが点灯)される。
この変動表示ゲームの実行を待機している状態で第1入賞領域110への入賞がなかった場合は、待機していた変動表示ゲームが開始され、図8(c)に示すように、複数の図柄の変動表示が行われる(変動表示装置50で表示されるのは変動表示ゲームに関連した表示ゲームである。)。また、待機していた変動表示ゲームが開始されることで、始動記憶表示は消去される。そして、始動遊技時に抽出された変動表示ゲームの大当たり判定用乱数が当たりであれば、図8(d)に示すように、結果態様として特別結果態様(ここでは、「7,7,7」のゾロ目数字)が表示され、特別遊技状態が発生する。
また、図8(c)に示す変動表示ゲームの実行を待機している状態で第1入賞領域110への入賞があった場合は、図8(e)に示すように、「大当り!」と表示されて特別遊技状態が発生する旨が報知される。この第1入賞領域110への入賞により、変動表示ゲームの実行権利は無効化されることとなるが、この実行権利に基づきラウンド数の変更処理が行われるため、始動記憶表示は表示したままとなっている。
そして、図8(f)から(i)に示すように、継続可能なラウンド数を報知するためのラウンド抽選ゲームが開始される。このラウンド抽選ゲームは、まず図8(f)に示すように、ラウンド数の変動表示(上下方向にスクロール表示)を所定時間行った後、図8(g)に示すように、仮決定されたラウンド数に対応した識別情報を停止表示する。この仮決定のラウンド数は、始動入賞時に抽出されたラウンド数決定用乱数に基づくラウンド数である。
その後、図8(h)に示すように、変動表示ゲームの実行権利に基づき、再度ラウンド数の変動表示(上下方向にスクロール表示)を開始するとともに、実行権利の存在を示していた始動記憶表示を消去する。そして、識別情報を所定時間変動表示した後、図8(i)に示すように、ラウンド数の変更処理で選択された実際の継続可能なラウンド数を確定表示する。この後、特別遊技状態が開始されるようになっている。したがって、変動表示ゲームの実行権利をラウンド数の決定権利に変更する機能を有することとなる。
以上のような制御によって、変動表示ゲームが無効化されても、それに対応して抽出した乱数を、発生した特別遊技状態に反映させることができ、変動表示ゲームが無効化されたことにより生じる遊技者の不満感を防止できる。
以上のことから、変動入賞装置(第1変動入賞装置3)に複数の遊技球が受け入れられて、第1および第2入賞領域110,208の各々に遊技球が入賞した場合に、該第2入賞領域208への遊技球の入賞に基づく変動表示ゲームの実行を無効化する変動表示ゲーム無効化手段(遊技制御装置20)を備え、第1特別遊技状態発生手段(遊技制御装置20)は、特別遊技状態を遊技者が得られる利益量を変更可能な複数の態様で発生可能に構成し、始動条件の成立毎に特別遊技状態の発生態様を決定するための第1の乱数(ラウンド数決定用乱数)、および変動表示ゲームの結果態様を特別結果とするか否かを決定するための第2の乱数(大当たり判定用乱数)を抽出する乱数抽出手段(遊技制御装置20)を備え、変動表示ゲーム無効化手段により変動表示ゲームの実行が無効化された場合であって、乱数抽出手段により抽出された第2の乱数が特定結果を満たす乱数であった場合には、第1入賞領域110への遊技球の入賞により発生する特別遊技状態の発生態様を利益量の多い発生態様に変更可能な発生態様変更手段(遊技制御装置20)を備えたこととなる。
なお、ラウンド抽選ゲームにおける表示態様はこれに限られるものではない。
また、仮決定のラウンド数は、最終的に確定表示されるラウンド数以下のラウンド数のうちからランダムに決定したものでも良い。
また、仮決定されていたラウンド数が15ラウンド(最大の利益量の発生態様)であった場合には変更は行わないとしたが、次回の特別遊技状態の発生態様を利益量の多いものに変更するようにしても良い。
また、特別遊技状態を開始するまでの間の特別遊技開始前状態中にラウンド抽選ゲームを実行し、この特別遊技開始前状態中のラウンド抽選ゲームで再抽選表示を行うようにしているが、再抽選表示を特別遊技状態が開始された後に行うようにしても良い。例えば、最初のラウンド決定ゲームで7ラウンドが決定した場合には、この7ラウンドのラウンド遊技中の何れかの遊技中に再抽選表示を行うようにする。したがって、仮に予め決定されているラウンド数が15ラウンドであった場合でも、変動表示始動入賞が生じた場合には、2ラウンドや7ラウンド等の少ない回数を仮導出しておき、再抽選表示で本来の15ラウンドに変換するような演出も可能となる。
また、遊技者に付与する遊技価値の大きさの異なる複数種の特別遊技状態実行態様として、2ラウンド、7ラウンド、15ラウンドを継続可能なラウンド数とする3種類の特別遊技状態実行態様があるとしたが、ラウンドの継続条件としては、無条件でも良いし、特別入賞を条件として継続するものとしても良い。
また、始動入賞時には乱数の抽出のみを行い、ラウンド数の決定はその後、例えば、ラウンド抽選ゲームが開始されるまでの間に行っても良い。
また、遊技制御装置20からサブ制御装置30に抽出した乱数値を送信し、サブ制御装置30でこの値によりラウンド数を決定しても良い。
また、表示ゲームの結果態様を導出する場合の再抽選機能に関しては、変動表示ゲームの実行権利がある場合以外でも行うようにしても良い。しかし、変動表示ゲームの実行権利がある場合の再抽選の方が、通常時の再抽選よりも、その再抽選で大きな価値に変換する率が高まるように制御することが望ましい。
また、変動表示ゲームの実行権利が無効化された場合には、無条件(乱数の抽出等無しで)で先に決定されているラウンド数よりも多いラウンド数(例えば、1ランクラウンド数が多いものにしたり、或いは既存のラウンド数に+1したりする)に変更したり、或いは無為条件で最高ラウンド数(15ラウンド)に変更したりするようにしても良い。
次に、図9を参照して、上述した遊技機の第2変形例について説明する。なお、主に、上述の実施形態の遊技機と異なる部分について説明し、同様の部分については説明を省略する。
本変形例の遊技球は、第1変動入賞装置3の前面側から見て右側に形成された第1入賞空間101と左側に形成された第2入賞空間201との入賞に対する取り扱いを逆転することができるようになっている。
すなわち、上述した遊技機では、第1入賞空間101においては、第1入賞領域110に入賞するか一般入賞領域111,111に入賞するかによって当たりはずれを決定するいわゆる羽根物タイプの遊技を行うようにされている。そして、第2入賞空間201においては、第2入賞領域208への入賞に基づき変動表示ゲームを行い、その結果により当たりはずれを決定するいわゆるセブン機タイプの遊技を行うようにされていて、この遊技内容は固定されたものであった。
本変形例ではこの遊技内容に加えて、遊技内容を逆転して第1入賞空間101でいわゆるセブン機タイプの遊技を行うとともに、第2入賞空間201でいわゆる羽根物タイプの遊技を行うこともできるようになっている。そして、このような入賞の取り扱いの逆転を可能とするために、本変形例の第1入賞空間101、第2入賞空間201はどちらも同じ構成を有していて、セブン機タイプと羽根物タイプのどちらの遊技も可能とされている。
第1入賞空間101、第2入賞空間201は、基本的には上述した第1入賞空間101と同様の構成を有しているが、役物装置は設けられていない。すなわち、矩形凹室状の空間の背面をなす背面壁104,206の左右方向の中央には、底面をなす流下棚302と隣接する部分に振分空間48に連通する第1、第2誘導流路102,202の流出口105,207が形成され、ここから遊技球が流下棚302上に流出するようになっている。この流下棚302は、後から前に向かって下り傾斜し、流下棚302上に流出した遊技球は、後から前に流下するようになっている。
また、流下棚302の前縁の前方には、左右に延在するように入賞領域が形成され、この入賞領域の左右方向の中央部が特別入賞領域305とされ、それ以外が一般入賞領域306とされている。従って、流下棚302上を流下した遊技球は、入賞領域のうちの特別入賞領域305もしくは一般入賞領域306に流入するようになっている。また、特別入賞領域305に入賞した遊技球を検出する特別入賞センサ307と、一般入賞領域306に入賞した遊技球を検出する確認センサ308もそれぞれ設けられている。さらに、特別入賞領域305の前部には、表示装置309(例えば、ドットLEDからなる)が設けられている。
図9(a)に示す状態では、前面側から見て右側の第1入賞空間101で羽根物タイプの遊技を行い、左側の第2入賞空間201でセブン機タイプの遊技を行う状態となっている。このとき、第1入賞空間101においては、特別入賞領域305の前部に設けられた表示装置309に「V」の表示がされ、ここに入賞することで特別遊技状態が発生することが示されている。そして、第2入賞空間201においては「Go」と表示され、ここに入賞することで、変動表示ゲームが開始されることが示されている。
なお、第2入賞空間201では、一般入賞領域306に入賞した場合も変動表示ゲームが開始されるようになっている。このため、特別入賞領域305と一般入賞領域306に対応して設けられた遊技球を検出可能なセンサ307,308は、どちらも変動表示始動センサをなす。また、変動表示装置50において左右の入賞空間の状態を示す状態報知51がなされるようになっている。
そして、状態変更条件が成立することに基づき、図9(b)に示すように、左右の入賞空間の機能を入れ替え、第1入賞空間101でセブン機タイプの遊技を、第2入賞空間201で羽根物タイプの遊技を行えるようにする。この状態変更条件としては、例えば、所定回数の特別遊技状態発生毎や所定始動遊技回数毎、所定変動表示ゲーム回数毎などである。
この入れ替えにおいて遊技制御装置20は、特別入賞領域305の前部に設けられた表示装置309の表示を変更する処理や、変動表示装置50における状態報知51の表示を変更する処理を行う。また、左右の特別入賞センサ307、確認センサ308からの検出信号に対する処理を変更する処理や、振分部材49による第1入賞空間101と第2入賞空間201への振分率が異なる場合はその変更処理などを行う。すなわち、遊技制御装置20が、入賞に対する取り扱いを逆転させる入賞取扱逆転手段をなす。
なお、第1入賞空間101、第2入賞空間201内には役物装置を設けないとしたが、流入した遊技球を特別入賞領域305と一般入賞領域306に振り分ける機能を有する役物装置を設けても良い。
以上のことから、第1入賞空間101と第2入賞空間201とで、入賞に対する取り扱いを逆転させる入賞取扱逆転手段(遊技制御装置20)を備えたこととなる。
次に、図10を参照して、上述した遊技機の第3変形例について説明する。なお、主に、上述の実施形態の遊技機と異なる部分について説明し、同様の部分については説明を省略する。
本変形例の遊技機は、第1変動入賞装置3に遊技球が流下可能なワープ通路311を有するワープ装置310を備えており、第1変動入賞装置3の中央に位置する変動表示装置50の前方に形成された後方に窪んだ凹部312に、遊技領域1aを流下する遊技球を誘導可能となっている。また、変動表示装置50の前方に形成された後方に窪んだ凹部312における下側の内周面は、遊技球が転動可能なステージ313となっている。なおここでは、第2遊技装置200側(前面側から見て左側)に設けられたワープ装置310について説明するが、第1遊技装置100側(前面側から見て右側)にも同様の構成を有するワープ装置310が設けられている。
ワープ通路311は、その上流側部分が第1変動入賞装置3の前端部に形成され、前面側に開口した溝状の凹部となっている。この溝状の凹部は、遊技球の直径より若干広い幅、深さを有しており、遊技盤1の前面を覆うガラス板によって前面側の開口が閉鎖されることで矩形筒状の流路となるようになっている。
ワープ通路311は、第2入賞空間201の上部であって第1変動入賞装置3の外周面を構成する入賞空間形成部材47に、遊技領域1aを流下する遊技球を受け入れ可能な流入口314が位置している。そして、ここから振分空間48の前側に重なるように第1変動入賞装置3の中央方向へ向かって斜め下方へ延在するように形成されている。ここで上述したように、振分空間48における左端部は、第2入賞空間201の上部に位置しており、振分部材49で振り分けられた遊技球が流下する第2遊技装置200の遊技球流路の一部をなしている。この遊技球流路をなす振分空間48における遊技球の流下方向は、第1変動入賞装置3の中央から側端方向であり、ワープ通路311の延在方向(ワープ通路311を流下する遊技球の流下方向)とは交差状に配されていることとなる。このようにワープ通路311と振分空間48を前後に重合して配設することで、ワープ装置310を各遊技装置に支障が無いように配設することが可能となる。
振分空間48の前部を斜め下方に延在するように配されたワープ通路311は、第2入賞空間201と変動表示装置50の境界部分で下方へ屈曲し、この境界部分に沿って下方へ延在するように形成されている。この下方へ延在する部分には左右の内側壁にリブ315,315,…が左右交互に突設されており、遊技球はこのリブ315,315,…に接触して左右に揺動しながら流下するようになっている。これによって、遊技球の流下速度を遅くすることができ、遊技球の流下態様を遊技者によく見せることができる。
さらにワープ通路311は、第1変動入賞装置3の下部で後方に屈曲し、変動表示装置50の前方に形成された前方開口の凹部312における側壁内を通るように形成され、該側壁の後端部に下流側端部となる流出口316が凹部312内に開口している。そして、この流出口316から遊技球がステージ313上に流出する。
ここで、ワープ通路311や前方開口の凹部312における側壁は透明な材質からなり、ワープ通路311を流下する遊技球を視認可能となっている。また、ワープ通路311が透明な材質からなることから、振分空間48の前側に重なるように形成しても、透明なワープ通路311を透して振分空間48内の遊技球の流下態様を視認可能となっている。
ステージ313は、後から前へ下る傾斜面となっていて、遊技球はこの傾斜に沿って前方向へ誘導される。また、ステージ313の前端は、第2入賞空間201の前端よりも遊技球の直径以上の幅だけ後方に位置し、遊技盤1の前面を覆うガラス板との間に遊技球が遊技領域1aへ流下可能な隙間を形成するようになっている。これによって、ステージ313上に至った遊技球は、ステージ313の前端部からその下方の遊技領域1aに流出し、第1変動入賞装置3の下方に設けられた第2始動入賞口5や第2変動入賞装置8などに流入可能となる。
また、ステージ313の上面における前端であって左右方向の中央には、前後方向に延在する誘導溝317が形成されており、この誘導溝317に流入した遊技球は、誘導溝317に沿って前方向へ誘導される。この誘導溝317が形成された位置の下方の遊技領域1aには、第2始動入賞口5が設けられており、誘導溝317に沿って流下した遊技球は、第2始動入賞口5への入賞確率が高くなるようになっている。このような構成により、第1変動入賞装置3を左右に大型化した場合に、その下方に配設された始動入賞口(第1始動入賞口4、第2始動入賞口5)への遊技球の入賞率が低下することを防止できる。
なお、ワープ装置310は、第1遊技装置100側(前面側から見て右側)、第2遊技装置200側(前面側から見て左側)の両方に設けるとしたが、第1遊技装置100側のみに設けるようにしても良いし、第2遊技装置200側のみに設けるようにしても良い。
また、ワープ通路311を、遊技球流路をなす振分空間48の前方に配設するとしたが、後方に配設するようにしても良い。ただし、何れの場合でも、各流路の遊技球が遊技者から確認できるように、透明な部材で流路を形成するようにする。
以上のことから、第1入賞空間101を形成する第1遊技装置100と第2入賞空間201を形成する第2遊技装置200とを、所定間隔を設けて遊技領域1aに配設し、第1および第2遊技装置100,200との間に変動表示装置50を配設するとともに、該変動表示装置50における表示部の前方に前方開口の凹部312を形成するように構成し、遊技領域1aを流下する遊技球を凹部312内に導入するワープ装置310を備え、ワープ装置310におけるワープ通路311を、第1及び/又は第2遊技装置に形成される遊技球流路の前方であって当該遊技球流路と交差状に設けたこととなる。
なお、以上の実施形態の遊技機において、第2入賞領域208への遊技球の入賞を変動表示ゲームの始動権利として抽出乱数とともに所定数の範囲内で記憶する始動記憶手段(RAM)を備え、開始条件の成立まで変動表示ゲームを待機するようにしてもよい。この待機期間(開始条件成立までの期間)としては、カウントセンサ44による検出から第1入賞空間101における確認センサ113での遊技球の検出まで、特別遊技状態発生中、前回の変動表示ゲームの実行中などとする。このようにすれば、たとえ第2入賞空間201に遊技球が複数流入しても、その分(全てではないが)変動表示ゲームの始動権利を与えることができ、遊技者は不満とならない。また、カウントセンサ44による検出から第1入賞空間101の入賞結果が全て導出された時点(この場合は第1入賞空間101へ流入した遊技球の数を把握できるようにする必要がある)で即座に次の始動入賞を有効化でき、始動入賞の無効化期間を短くすることが可能となる。
また、第1入賞空間101内における第1入賞領域110以外の入賞領域(一般入賞領域111)、即ち特別遊技状態が発生しない入賞領域を第3入賞領域として、この第3入賞領域への遊技球の入賞を遊技制御装置20で検出し、遊技制御装置20では、検出結果に基づき乱数を抽出するとともに変動表示装置50において変動表示ゲームを実行するように構成し、乱数の抽出結果が特別結果となった場合には、変動表示ゲームを特別結果(特別結果態様)で停止させるとともに、特別遊技状態を発生させるようにしても良い。このようにすれば、第1入賞空間101に流入してかりに第1入賞領域110へ遊技球が入賞しなかった場合でも、遊技者の落胆感を防止できる。
なお、第3入賞領域への入賞で抽出されるとした乱数を、第2入賞領域208への入賞に対して用いられる抽出乱数を流用するものとしてもよく、この場合には、第1入賞空間101の第1入賞領域110以外の入賞領域は第2入賞領域となる。また、同じ乱数値を用いる場合でも、判定値を各入賞領域毎に異ならせることも可能であるが、この場合には、各入賞領域毎に異なる判定確率を実現でき、興趣をより向上させることが可能となる。例えば、第1入賞空間101に流入して第1入賞領域110に入賞しなかった場合でも、変動表示ゲームが開始されることとなるが、この場合には変動表示ゲームが当たる確率を第2入賞領域208での変動表示ゲームの当たり確率(例えば1/256)よりも低く設定(例えば、1/512)する。
また、第3入賞領域への入賞で抽出される乱数を、第2入賞領域208への入賞に対して用いられる抽出乱数と全く異なるものとしてもよく、この場合には、全く異なる乱数カウンタを設けたり、ハード乱数とソフト乱数で分けたりする。さらに、上記した判定値を異ならせたり、異なる乱数カウンタを設けたりする場合には、第2と第3入賞領域への入賞で異なる変動表示ゲームを行うようにしても良い。異なる変動表示ゲームを行う場合には、同一の変動表示装置上で行う場合の他、別の変動表示装置を設けるようにしても良い。
また、第3入賞領域への入賞により実行される変動表示ゲームにおいても、第2入賞領域208への入賞により実行される変動表示ゲームと同様、ゲームの実行を待機したり、無効化したりするようにしても良い。
また、変動表示ゲームの結果を決定する乱数とラウンド数を決定する乱数は、異なるカウンタで構成しても良いし、同一のカウンタにより構成しても良い。同一のカウンタにより両乱数を構成する場合は、判定値を異ならせることで、ラウンド数の振分率および変動表示ゲームの当たり確率を調整する。
また、始動入賞時に両方の乱数を抽出するようにしているが、変動表示ゲームの乱数は第2入賞領域208への入賞時に抽出したり、或いはラウンド数決定用の乱数は第1入賞領域110への入賞時に抽出するようにしたりしてもよい。この場合、各入賞領域へ複数の遊技球が入賞する可能性もあるが、入賞した最先の遊技球の入賞タイミングで乱数を抽出する。このようにすれば、特別結果の導出とラウンド数との間に規則性が出てしまう等を防止できる。
また、特別遊技状態が発生した場合には第2変動入賞装置8を開状態に変換するようにしているが、第1変動入賞装置3を開状態に変換するようにしてもよい。この場合には第2変動入賞装置8は不要となる。また、特別遊技状態において第1変動入賞装置3を開状態に変換するようにした場合には、振分部材49は第2入賞空間201に遊技球が流入する状態で固定することが望ましく、このようにすれば、遊技球の入賞状態を容易に確認できるとともに、第1入賞領域110に入賞したのに継続が終了した等の誤解が生じなくなる。
また、第2特別遊技状態発生手段が発生させた特別遊技状態の場合には第2変動入賞装置8を開状態に変換し、第1特別遊技状態発生手段が発生させた特別遊技状態の場合には第1変動入賞装置3を開状態に変換するようにしてもよい。(もちろん逆でも良い)このようにすれば、特別遊技状態の種類をより明確に分けることができ、変動入賞装置への入賞率や入賞した場合の賞球数等を各特別遊技状態毎に容易に調整することができる。
また、変動表示ゲームが特別結果となった場合に発生する特別遊技状態(第2特別遊技状態)は、15Rで固定としたが、ラウンド数を変化させるようにしても良い。この場合、始動入賞時に抽出したラウンド数決定用乱数を判定して決定する。なお、ラウンド数決定用乱数の判定値を特別入賞で発生する特別遊技状態(第1特別遊技状態)のときとは異なる値にすることで、第1と第2の特別遊技状態ではラウンド数の振分率を異ならせてもよい。このようにすれば、より多彩な遊技内容を実現でき、興趣がさらに向上するものとなる。
また、始動入賞口(第1始動入賞口4、第2始動入賞口5)を開状態と閉状態とに変換可能な普通変動入賞装置により構成して、始動入賞口への遊技球の入賞率を変更可能にするとともに、複数の識別情報を可変表示可能な普通変動表示装置を設け、普通変動表示装置の結果態様が特定結果態様となった場合に、普通変動入賞装置を開状態に変換する普通変動入賞装置制御手段(遊技制御装置20)を設けるようにしても良い。
また、特定条件の成立に基づき単位時間当たりの始動入賞口への遊技球の入賞率を高めた特定遊技状態を発生させるようにしても良い。この場合、普通変動入賞装置制御手段は、特定条件の成立に基づき、前記普通変動表示装置に特定結果態様が表示された場合の前記普通変動入賞装置への開状態への変換時間を通常遊技状態時よりも長くしたり、開状態への変換回数を多くしたりして始動入賞口への遊技球の入賞率を高めるようにする。また、特定遊技状態中は普通変動表示装置の変動表示時間を通常遊技状態時よりも短く(普図時短状態)して単位時間当たりに普通変動入賞装置が開状態に変換する期間を多くするようにしても良い。
上記特定条件の成立としては、例えば、第2特別遊技状態の終了後とし、特定遊技状態の終了条件としては、第2特別遊技状態の発生(開始)とする。このようにすれば、変動表示ゲームの結果により特別遊技状態(第2特別遊技状態)が発生した場合には、その終了後に特定遊技状態が発生し、特定遊技状態が発生している間は、始動入賞が頻繁になり第1変動入賞装置3に遊技球が入賞して第1入賞領域101へ入賞する率も高くなることから、第1特別遊技状態の発生確率も高くなるが、第1特別遊技状態が発生しても特定遊技状態は継続して次の第2特別遊技状態が発生するまでその状態は続くこととなり、極めて遊技者が有利となる状態を発生させることができ期待感を極めて高めることが可能となる。なお、第1特別遊技状態の発生中は、一旦特定遊技状態は中断して、その第1特別遊技状態の終了後再開するようにする。なお、特定遊技状態の発生、終了条件は上記以外のものでも良く、第1特別遊技状態の発生と終了に対応して設定するようにしても良い。すなわち、どちらか一方の特別遊技状態の発生を契機に特定遊技状態の発生、終了を制御し、もう一方の特別遊技状態の発生は特定遊技状態に無関係にすることで、上記効果が得られるような遊技内容を実現することが可能となる。
以上のような遊技機は、開状態と閉状態とに変換可能な変動入賞装置(第1変動入賞装置3)を遊技領域1aに備え、始動条件の成立により開状態へ変換された変動入賞装置に遊技球が受け入れられることに起因して、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段(遊技制御装置20)を備えた遊技機であって、複数の識別情報を変動表示可能な変動表示装置50を備え、特別遊技状態発生手段(遊技制御装置20)は、変動入賞装置へ受け入れられた遊技球が当該変動入賞装置内の第1入賞領域110へ入賞した場合に特別遊技状態を発生させる第1特別遊技状態発生手段(遊技制御装置20)と、受け入れられた遊技球が第1入賞領域110とは異なる第2入賞領域208へ入賞したことに基づき、変動表示装置において変動表示ゲームを実行するとともに、該変動表示ゲームの結果態様が特別結果となった場合に、特別遊技状態を発生させる第2特別遊技状態発生手段(遊技制御装置20)と、を備えている。
したがって、特別遊技状態発生手段は、変動入賞装置内の第1入賞領域110へ入賞した場合に特別遊技状態を発生させる第1特別遊技状態発生手段と、第1入賞領域110とは異なる第2入賞領域208へ入賞したことに基づき変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果態様が特別結果となった場合に、特別遊技状態を発生させる第2特別遊技状態発生手段とを備えたので、両方の遊技内容を同時に楽しめるようになる。すなわち、第1および第2特別遊技状態発生手段の各々から常時特別遊技状態の発生の期待感を持つことができ、興趣を向上させることが可能となる。
また、変動入賞装置(第1変動入賞装置3)は、第1入賞領域110を含む複数の入賞領域が形成されて所定の確率で該第1入賞領域110へ遊技球を入賞させる第1入賞空間101と、第2入賞領域208を備えた第2入賞空間201と、受け入れた遊技球を第1入賞空間101或いは第2入賞空間201の何れか一方に振り分けて流下させる振分部材49と、を備えている。
したがって、変動入賞装置は、第1入賞領域110を含む複数の入賞領域が形成されて所定の確率で該第1入賞領域110へ遊技球を入賞させる第1入賞空間101と、第2入賞領域208を備えた第2入賞空間201と、受け入れた遊技球を第1入賞空間101或いは第2入賞空間201の何れか一方に振り分けて流下させる振分部材49とを備えたので遊技の興趣を向上させることができる。すなわち、2つの遊技内容を実現する入賞空間を別々に設けたことにより、遊技内容毎に異なる入賞態様を実現でき興趣を向上させることができるし、各遊技内容を明確にすることが可能も可能となる。さらに、遊技球の流入態様を決定する振分にも遊技者の興味を引き付けることができ、興趣を向上させることが可能となる。
また、変動入賞装置(第1変動入賞装置3)に複数の遊技球が受け入れられて、第1および第2入賞領域110,208の各々に遊技球が流入した場合に、該第1入賞領域110への遊技球の入賞により発生した特別遊技状態が終了するまで変動表示ゲームの実行を待機する変動表示ゲーム待機手段(遊技制御装置20)を備えている。
したがって、第1および第2入賞領域110,208の各々に遊技球が流入した場合に、該第1入賞領域110への遊技球の入賞により発生した特別遊技状態が終了するまで変動表示ゲームの実行を待機する変動表示ゲーム待機手段を備えたので、遊技店と遊技者との間の利益バランスを調整することができる。すなわち、特別遊技状態が既に発生している状況において、変動表示ゲームの実行を許容した場合には、その変動表示ゲームの結果を契機に別の特別遊技状態が発生してしまう虞があり、このような状態が発生してしまうと遊技店に不利な状況が生じてしまう。しかしながら、変動表示ゲーム待機手段を備えることで上記したような状況の発生を防止できるので、遊技店と遊技者との間の利益バランスを調整することができる。
また、変動入賞装置(第1変動入賞装置3)に複数の遊技球が受け入れられて、第1および第2入賞領域110,208の各々に遊技球が流入した場合に、該第1入賞領域110へ遊技球が入賞した場合に該第2入賞領域208への遊技球の入賞に基づく変動表示ゲームの実行を無効化する変動表示ゲーム無効化手段(遊技制御装置20)を備え、第1特別遊技状態発生手段(遊技制御装置20)は、特別遊技状態を遊技者が得られる利益量を変更可能な複数の態様で発生可能に構成し、始動条件の成立毎に特別遊技状態の発生態様を決定するための第1の乱数(ラウンド数決定用乱数)、および変動表示ゲームの結果態様を特別結果とするか否かを決定するための第2の乱数(大当たり判定用乱数)を抽出する乱数抽出手段(遊技制御装置20)を備え、変動表示ゲーム無効化手段により変動表示ゲームの実行が無効化された場合であって、乱数抽出手段により抽出された第2の乱数が特定結果を満たす乱数であった場合には、第1入賞領域への遊技球の入賞により発生する特別遊技状態の発生態様を利益量の多い発生態様に変更可能な発生態様変更手段(遊技制御装置20)を備えている。
したがって、第1および第2入賞領域の各々に遊技球が流入した場合に、該第1入賞領域110へ遊技球が入賞した場合に該第2入賞領域208への遊技球の入賞に基づく変動表示ゲームの実行を無効化する変動表示ゲーム無効化手段を備えたので、遊技者に極めて有利な状況が発生してしまうことを防止でき、遊技店と遊技者間の利益バランスを調整することができる。
また、変動表示ゲーム無効化手段により変動表示ゲームの実行が無効化された場合であって、乱数抽出手段により抽出された第2の乱数が特定結果を満たす乱数であった場合には、第1入賞領域110への遊技球の入賞により発生する特別遊技状態の発生態様を利益量の多い発生態様に変更可能な発生態様変更手段を備えたので、遊技者の不満感を防止できる。すなわち、変動表示ゲームが無効化されても、それに対応して抽出した乱数を、発生した特別遊技状態に反映させることができ、変動表示ゲームが無効化されたことにより生じる遊技者の不満感を防止できる。
また、第1入賞空間101と第2入賞空間201とで、入賞に対する取り扱いを逆転させる入賞取扱逆転手段(遊技制御装置20)を備えている。
したがって、第1入賞空間101と第2入賞空間201とで、入賞に対する取り扱いを逆転させる入賞取扱逆転手段を備えたので、例えば、第1入賞領域110への入賞確率を変化させることも可能となり、遊技内容がより多彩化し、興趣をさらに向上させることができる。
また、第1入賞空間101を形成する第1遊技装置100と第2入賞空間201を形成する第2遊技装置200とを、所定間隔を設けて遊技領域1aに配設し、第1および第2遊技装置100,200との間に変動表示装置50を配設するとともに、該変動表示装置50における表示部の前方に前方開口の凹部312を形成するように構成し、遊技領域1aを流下する遊技球を凹部312内に導入するワープ装置310を備え、ワープ装置310におけるワープ通路311を、第1及び/又は第2遊技装置に形成される遊技球流路の前方であって当該遊技球流路と交差状に設けている。
したがって、第1入賞空間101を形成する第1遊技装置100と第2入賞空間201を形成する第2遊技装置200とを、所定間隔を設けて遊技領域1aに配設して、第1および第2遊技装置との間に変動表示装置50を配設するとともに、該変動表示装置50における表示部の前方に前方開口の凹部を形成するように構成したので、各機能を集約した効率のよい役物装置となり、各ゲーム内容の視認性も向上する。
また、遊技領域1aを流下する遊技球を凹部312内に導入するワープ装置310におけるワープ通路311を、第1及び/又は第2遊技装置に形成される遊技球流路の前方であって当該遊技球流路と交差状に設けたので、ワープ装置310を各遊技装置に支障が無いように配設することが可能となり、凹部312内に遊技球を導入することで役物装置を左右に大型化しても始動入賞を補助できて始動入賞率が低下することを防止できる。すなわち、第1及び第2入賞空間101,201を形成する役物装置と変動表示装置50を一体的に構成すると、比較的役物装置全体が大型化してしまうこととなるが、従来より役物装置の下方(直下)には始動入賞口(第1始動入賞口4、第2始動入賞口5)が配設される場合が多く、このような大型化した役物装置が始動入賞口の上方に配置してしまうと、始動入賞口周辺に遊技球が集まらなくなり、始動入賞率が低下してしまうといった課題が生じるが、上記したようなワープ装置310を設けることにより、そのような課題を解消することが可能となる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。