JP2517087Y2 - パチンコ機の入賞装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電気的駆動源の駆動により打球を受け入れ
ない状態と打球を受け入れ易い状態とに変換可能なパチ
ンコ機の入賞装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、例えば特開昭58-112571号公報記載のように、
取付板の前面に左右一対の開閉片を対向状に軸着し、該
開閉片にソレノイドを連結して打球を受け入れない第１
状態と打球が入り易い第２状態とに変換させるように
し、開閉片が第２状態において受け入れた打球が継続入
賞口に入賞すると開閉片をあらかじめ定められた特定の
状態で第２状態に変換させるようにした入賞装置が知ら
れている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来の入賞装置にあっては、開閉片の開閉によっ
て打球の受け入れ状態を変化させるに過ぎず、単調で面
白さに欠けるものであった。また長い間使用されてきて
遊技者に飽きられつつあるのが現状である。

本考案は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、回転体の回転により打球を受け
入れない状態と打球を受け入れ易い状態とに変換させる
ようにして変化に富み、遊技者の興味を引くような新規
な入賞装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案の入賞装置におい
ては、取付板に円形の開口部を形成すると共に、取付板
の裏面側に開口部に沿う環状枠を突設して入賞空間を形
成し、前記開口部には、電気的駆動源によって回転する
回転円板を設けると共に、該回転円板には入賞空間に連
通する球入口と、該球入口の縁に沿って前面側に突出す
るＶ字形の球受部材を設け、前記環状枠の下方には球受
け部材に受けられて球入口から入賞空間に導かれた打球
を入賞させる一般入賞口及び継続入賞口を設けたもので
ある。

前記電気的駆動源は、例えばステッピングモーターを
使用し、回転円板を電気信号に応じた所定位置に停止さ
せるようにして球受け部材による打球の受け入れ状態を
変化させるようにすることが好ましい。

また、回転円板の前面に打球検出器を設けたり、風車
を設けるようにしてもよい。

さらに打球検出器を設けた場合、環状枠の背面に導電
部を設け、打球検出器の導電端子を導電部に接続させる
ようにすることが好ましい。

〔作用〕

電気的駆動源の駆動によって回転円板が回転し、球受
け部材が上向きになると打球の受け入れが可能となる。
そして、球受け部材に受けられた打球は球入口から入賞
空間に導かれて継続入賞口又は一般入賞口に入賞する。

また回転円板の停止位置によって球受け部材に対する
入賞領域が変化するため、遊技の興趣を高めることがで
きる。

〔実施例〕

以下に本考案の実施例を図面について説明する。第１
図は本考案に係る入賞装置の斜視図、第２図は正面図、
第３図は裏面図、第４図は平面図、第５図は分解斜視図
である。入賞装置１は、遊技盤面に取付けられる取付板
10を有する。取付板10の中央には円状の開口部11が形成
され、その開口部11に透明な回転円板12が配設される。
また取付板10の裏面側には開口部11の周縁に沿う環状枠
13が一体に形成されており、該環状枠13によって回転円
板12の後方に入賞空間14（第６図参照）形成される。

前記回転円板12は、環状枠13の背面板15に形成された
軸孔16に中心軸17を挿通して回転自在に支持されてい
る。また回転円板12には入賞空間14に連通し、かつ回転
円板12を３等分する大きさの扇形状の球入口18が設けら
れており、その球入口18の両側縁に沿ってＶ字形の球受
け部材19が前面側に突出して固定的に設けられている。

前記環状枠13の内周下部には、球受け部材19に受けら
れて球入口18から入賞空間14に落下する打球を後方へ導
く誘導部材20が設けられる。誘導部材20は、前面が透光
性のレンズ部材20aで形成され、両側に傾斜面20bが形成
され、かつ後面が開口した中空状に形成されており、そ
の中空内部に複数のLED21が収納されている。また誘導
部材20の後方には、入賞口構成枠22が取付られており、
この入賞口構成枠22によって継続入賞口23を中心に、一
般入賞口24,24を左右に形成し、継続入賞口23に入賞球
検出器25を臨ませ、一般入賞口24,24に入賞球検出器26,
26をそれぞれ臨ませている。

前記環状枠13の背面板15の下端には、入賞口構成枠22
の後部と左右縁を囲むようにＬ形断面の透光性レンズ部
材15aが連着されており、その後方に複数のLED27が配設
され、両側外方にはランプ28,28が配設されている。ま
た背面板15の後面には、取付板29及び30が固着される。
取付板29には回転円板12を回転させる電気的駆動源とし
てステッピングモーター31が取付られ、そのモーター軸
32にウォーム33が固着されている。そしてウォーム33
は、回転円板12の中心軸17に固定されたウオーム歯車34
に噛合されており、ステッピングモーター31の回転を回
転円板12に伝達するようにされている。また取付板30に
は、投光素子と受光素子とからなるフォトセンサ35が取
付られている。このフォトセンサ35は、回転円板12の中
心軸17に固定されたフォト遮断片36が投光素子の光を遮
断することによってステッピングモーター31への通電を
停止するように回路設定されている。またフォト遮断片
36は、回転円板12の球受け部材19が第２図（イ）で示す
ように下向きの状態のとき、光を遮断するようにその位
置が選ばれる。なお、37は配線基板、38は入賞球検出器
25,26,26をそれぞれ装着保持するための係合爪片であ
る。

第７図は本考案に係る入賞装置１が装着されたパチン
コ機２の正面図である。パチンコ機２の遊技盤３の中央
部には可変表示装置４が配設されている。また可変表示
装置４の下方には、その可変表示装置４を始動させたる
めの始動入賞口5a,5b,5cと、本考案に係る入賞装置１が
設けられている。その他、遊技盤３には、種々の入賞
口、風車等が適宜配設される。前記可変表示装置４は３
個の７セグメント型表示部4a,4b,4cを横に配列した周知
構造のものである。

次に上記構成のパチンコ機に関連ずけて本考案の入賞
装置１の作用について説明する。すなわち、遊技盤３上
に発射された打球が始動入賞口5a,5b,5cのいずれかに入
賞すると、その検出信号に基づいて可変表示装置４の各
表示部4a,4b,4cの表示が相互に独立してランダムに変動
される。そして、変動開始のときから所定時間経過する
と各表示部4a,4b,4cの表示の変動が停止され、その変動
停止時において各表示部4a,4b,4cの表示があらかじめ設
定された組合せ、例えば「1,1,1」，「2,2,2」，「7,7,
7」のようにぞろ目に揃うと特定遊技状態（大当り）が
発生し、その大当り信号が入賞装置１のステッピングモ
ーター31に与えられる。この大当り信号によってステッ
ピングモーター31は始動を開始し、ウォーム33,ウォー
ム歯車34を介して回転円板12を回転し、これのＶ字形の
球受け部材19が第２図（ロ）で示すように上向きの状態
になったとき、ステッピングモーター31に停止信号を与
えて停止させる。

これによって、遊技盤３上を流下してくる打球が球受
け部材19の上面に受けられて球入口18から入賞空間14に
落下し、誘導部材20によって後方に導かれて継続入賞口
12或いは一般入賞口24,24に入賞する。なお、この大当
り状態は例えば球受け部材19の上向き状態が所定時間
（例えば６秒間）継続されるか又は打球が所定個数（例
えば10個）入賞すると回転円板12を回転させて球受け部
材19を下向きの状態にする動作を１サイクルとし、打球
が継続入賞口23に入賞することを条件として上記サイク
ルを所定回数（例えば10回）更新できるようにして短時
間で多量の景品球を獲得できるチャンスを与えるもので
ある。なお、上記大当り状態の動作はマイクロコンピュ
ータのプログラムによって制御される。

上記のように構成された入賞装置１は、回転円板12の
回転、停止によつてＶ字形の球受け部材19を上向き又は
下向きとし、それによつて打球を受け入れない状態と打
球を受け入れ易い状態とに変換するものであるから、そ
の球受け部材19の変換状態が常に視認できるため遊技者
の興味を引くことができると同時に、回転円板12の回転
による動的な面白さが得られて盤面の装飾効果を高める
ことができる。

また、Ｖ字形の球受け部材19を利用して打球を両サイ
ドに装着された入賞口へ誘導して入賞率を高めることも
可能であり、さらに可変表示装置４の表示の組合せが例
えば「1,1,X」，「2,2,X」，「7,7,X」のような場合、
景品球の獲得数が少ない中当り、小当りとして回転円板
12の停止位置を第２図（イ）に鎖線で示すように変化さ
せるようにすることもできる等従来にない変化に富んだ
ゲーム性を付与することができる。

なお、上記フォトセンサ35は、パチンコ機への電源入
力時例えばパチンコホールの開店時に球受け部材19を下
向きの状態に正しく位置させるように機能する。また上
記実施例では回転円板12の電気的駆動源としてステッピ
ングモーター31としたが、通常のモーターを使用するこ
とができることは勿論である。

第８図ないし第13図は本考案の他の実施例を示すもの
で、回転円板12の前面に始動入賞口39と風車45,45を設
けている。なお、第８図ないし第13図において第５図と
対応する部分には同一の番号を付して重複した説明を省
略する。前記始動入賞口39は、入賞口構成枠41に打球検
出器42を臨ませて構成され、球受け部材19が第９図に示
すように下向きの状態のとき回転円板12の上部に位置し
て打球が通過可能なようにその配設位置が選ばれる。ま
た前記入賞球検出器42は、第12図に示すように後端に導
電端子43を突出させており、環状枠13の背面板15に該導
電端子43が接触する導電板44を設けている。この導電板
44は、第10図に示すように導電端子43の回転軌跡と一致
する円形状に配設してもよいし、第11図に示すように始
動入賞口39の停止位置に対応させて設けるようにしても
よい。これによって、入賞球検出器42から直接的にリー
ド線を引き出せなくても済むため、回転円板12の回転に
よるリード線のねじれ現象を解消することができる。

前記始動入賞口39は、球受け部材19が下向きの状態の
とき、打球の受け入れが可能な上方位置にあり、回転円
板12の回転に伴ない下方に移動する。このように始動入
賞口39が移動することにより、ゲーム性に変化を与える
ことができる。また回転円板12の前面に風車45,45を設
けることによって、打球の流動性及び誘導性に変化を与
えてさら興趣に富んだ入賞装置にすることが可能であ
る。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案によれば、回転円板を回転させ
ることによって該回転円板と一体のＶ字形の球受け部材
を上向き又は下向きとし、それによって打球を受け入れ
ない状態と打球を受け入れ易い状態とに変換するように
したものであるから、回転円盤の回転による動的な面白
さと斬新な入賞感覚を楽しむことができ、しかも回転円
盤の停止位置によって打球を受け入れる確率を変えるこ
とができるものであるから、新規で変化に富み、パチン
コ遊技を非常に面白くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第７図は本考案の実施例を示し、第１図は
入賞装置の斜視図、第２図（イ），（ロ）は正面図、第
３図は裏面図、第４図は平面図、第５図は分解斜視図、
第６図は中央縦断面図、第７図はパチンコ機の正面図で
ある。第８図ないし第13図は他の実施例を示し、第８図
は入賞装置の斜視図、第９図は正面図、第10図及び第11
図は回転円板を外した状態の正面図、第12図は打球検出
器の導電端子と導電板の接触状態を示す断面図、第13図
は風車の取付状態を示す断面図である。 １……入賞装置、10……取付板、11……開口部、12……
回転円板、13……環状枠、14……入賞空間、15……背面
板、19……球受け部材、23……継続入賞口、24,24……
一般入賞口、31……電気的駆動源としてのモーター、42
……打球検出器、43……導電端子、44……導電板、45,4
5……風車。

Claims (5)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】取付板に円形の開口部を形成すると共に、
   取付板の裏面側に開口部に沿う環状枠を突設して入賞空
   間を形成し、 前記開口部には、電気的駆動源によって回転する回転円
   板を設けると共に、該回転円板には入賞空間に連通する
   球入口と、該球入口の縁に沿って前面側に突出するＶ字
   形の球受け部材を設け、 前記環状枠の下方には球受け部材に受けられて球入口か
   ら入賞空間に導かれた打球を入賞させる一般入賞口及び
   継続入賞口を設けたパチンコ機の入賞装置。
2. 【請求項２】上記電気的駆動源がステッピングモーター
   であり、回転円板を電気信号に応じた所定位置に停止さ
   せ、それによって球受け部材による打球の受け入れ状態
   を変化させるようになっている請求項１記載のパチンコ
   機の入賞装置。
3. 【請求項３】上記回転円盤の前面に打球検出器を設けた
   請求項１記載のパチンコ機の入賞装置。
4. 【請求項４】上記環状枠の背面板に導電部を設け、打球
   検出器の導電端子を導電部に接続させるようにした請求
   項３記載のパチンコ機の入賞装置。
5. 【請求項５】上記回転円板の前面に風車を設けた請求項
   １記載のパチンコ機の入賞装置。