JPH0672895B2 - モノクロ−ナル抗体を用いて血清中の抗ヒト肝特異抗原抗体量を測定する方法 - Google Patents

モノクロ−ナル抗体を用いて血清中の抗ヒト肝特異抗原抗体量を測定する方法

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JPH0672895B2 JP8266485A JP8266485A JPH0672895B2 JP H0672895 B2 JPH0672895 B2 JP H0672895B2 JP 8266485 A JP8266485 A JP 8266485A JP 8266485 A JP8266485 A JP 8266485A JP H0672895 B2 JPH0672895 B2 JP H0672895B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ヒト肝細胞抗原に対して特異的に作用する新
規なモノクローナル抗体を用いる、血清中の肝細胞抗原
に対する抗体、いわゆる自己抗体の量を測定するための
方法に関する。
[従来の技術] 従来肝機能の診断にはALT(アラニンアミノ転移酵
素)、AST(アスパラギン酸アミノ転移酵素)等肝臓に
存在する酵素の活性を測定する方法等が用いられてい
た。これらの方法によって肝機能や肝疾患について種々
の情報を得ることができるが必ずしも肝機能に特有のも
のではなく正確な測定や診断のためにはさらに他の情報
を得る手段が求められていた。
[本発明の背景] 本発明者らはさきにヒト肝細胞抗原に対して特異的に作
用する新規なモノクローナル抗体およびその製造法を提
案した(昭和60年2月15日出願特願昭60−26532号)。
このヒト肝細胞抗体に対して特異的に利用する新規なモ
ノクローナル抗体は、マウスをヒト肝細胞抗原で免疫し
て得られるマウスの脾細胞と、マウスのミエローマ細胞
とを細胞融合し、得られたヒト肝細胞抗原に対するモノ
クローナル抗体を産生する能力を有する融合細胞を培地
で培養するか、またはマウスの腹腔内に移植して、培養
液中にかまたは腹水中にこのモノクローナル抗体を生成
させることによって得られたものである。
ところで、ヒトの血清中にはヒトの肝細胞組織に由来す
る種々の抗原すなわち肝細胞抗原に反応する抗体である
いわゆる自己抗体が存在することが知られている。本発
明者らはこのヒト肝細胞抗原に対して特異的に作用する
上記の新規なモノクローナル抗体の挙動を研究する過程
で、血清中の自己抗体の量をこのモノクローナル抗体を
用いて測定しうること、およびこのようにして測定した
自己抗体量の多寡が肝疾患の有無と深い関連があること
を見出してこの発明を完成したのである。
すなわち、自己抗体量をこのモノクローナル抗体を用い
て測定すると以下に詳述するように肝疾患を持つ被検者
の血清中には正常人のそれと比較して多量の自己抗体が
存在することが見出され、この自己抗体量をモニターす
ることによって肝疾患の有無をマークしうることが明ら
かにされたのである。従ってこの発明による血清中の自
己抗体の測定によって肝疾患の診断に新たな手段と可能
性を導入したことになる。
[本発明の具体的内容] 本発明は、ヒト肝細胞抗原に対するモノクローナル抗体
を用いて、免疫化学的方法によって被検者の血清中の抗
ヒト肝特異抗原抗体量を測定する方法を提供するもので
ある。
更に具体的には本発明は、ヒト肝細胞抗原に対するモノ
クローナル抗体を固定化し、これに被検者の血清とこの
モノクロナール抗体に対する抗血清を加え、上記の固定
化したモノクローナル抗体と抗血清とを結合させ、固定
化したモノクローナル抗体に結合した抗血清に更に酵
素、ラジオアイソートープ、蛍光体等で標識した抗血清
免疫グロブリンを加えて結合させこの係合した抗血清免
疫グロブリンの量を免疫化学的に測定することによる、
被検者の血清中の抗ヒト肝特異抗原抗体量を測定する方
法を提供するもである。
このモノクローナル抗体を調製するために本発明者ら
は、マウスをヒト肝細胞抗原で免疫して得られるマウス
の脾細胞と、マウスミエローマ細胞とを融合してヒト肝
細胞抗原に対するモノクローナル抗体を産生する能力を
有する融合細胞を得たが、この場合に用いられるマウス
ミエローマ細胞にはこの技術分野で既知の種々の株、例
えばST2−NS1株、P3株、P3U1株、MPC−11株、SP2株、X6
3株などが挙げられる。これら既知の種々のマウスミエ
ローマ細胞株が本発明の方法で用いるモノクローナル抗
体を産生するための融合細胞調製のために用いうるもの
であるが、これら多数のミエローマ細胞株の一つとして
以下の実施例ではマウスミエローマ細胞ST2−NS1株を使
用した例を示す。
このマウスミエローマ細胞ST2−NS1株を用いて得られた
融合細胞については本発明者らはこれを融合細胞H−2
株と命名した。そしてこの融合細胞H−2株が産生する
モノクローナル抗体については本発明者らはこれをH−
2モノクローナル抗体とも呼称することとした。
このようにして得られるモノクローナル抗体はIgG2bに
属する免疫グロブリンであるヒト肝細胞抗原に対して特
異なモノクローナル抗体である。
そして本発明者らはヒトの肝臓で産生する肝臓組織由来
の抗原に対する自己抗体量は以下に詳述するように肝疾
患を持つ被検者と正常者との間には著しい差があること
を見出したが、本発明によるモノクローナル抗体を用い
る上記の自己抗体量の検定によって肝疾患の有無の判定
が可能となったのである。
このモノクローナル抗体は従って各種ヒト肝疾患の病態
診断のために用いうるものである。
かくして本発明の測定方法は従来の肝機能検査の1つで
あるALTの検査結果とは相互関係を有しないので全く異
なった面から肝機能の測定を可能としたものである。
[本発明の詳細の内容の説明] 本発明の方法で用いるヒト肝細胞抗原に対して特異なモ
ノクローナル抗体は次のようにして製造される。
(1)ヒト肝細胞抗原の調製 ヒト肝臓組織(正常肝)の破砕物をシュクロース水溶液
で抽出し、抽出物を超遠心にかけ、上清をゲル過処理
する。ゲル過は好ましくはセファレックスG−100
(米国、ファルマシア社製)カラムを用い、Tris−HCl,
NaCl,EDTAからなる緩衝液で溶出し、溶出液の第1ピー
ク分画をセファロース(米国、ファルマシア社製)6Bカ
ラムにかけ、上記の緩衝液で溶出する。溶出液の第1ピ
ーク画分から抗原物質が得られる。
(2)免疫化動物細胞の調製 マウスをヒト肝細胞抗原で免疫し、その動物から脾細胞
を採取する。免疫化はそれ自体公知の方法によって実施
される。
(3)融合細胞の作成 上記免疫化脾細胞とマウスミエローマ細胞とを常法に従
って融合させる。融合細胞はヒポキサンチン−アミノプ
リラン−チミジン(HAT)培地中で選択培養する。ラジ
オイムノアッセイ(RIA)により抗体を産生している細
胞群を選別し、クローニングを行ない、ヒト肝細胞抗原
に特異的なモノクローナル抗体を産生する融合細胞H−
2株を得る。
(4)モノクローナル抗体の調製 融合細胞H−2株を培地で培養するかまたはマウス腹腔
内に移植して腹水癌化することにより培養液中または腹
水中にモノクローナル抗体を生成蓄積させ、培養液また
は腹水中から常法によりモノクローナル抗体を採取す
る。
このようにして得られる融合細胞H−2株は次の特性を
有する。
(由 来) マウスミエローマ細胞(ST2−NS1)とマウス脾臓細胞と
の融合細胞である。
(形 態) マウスミエローマ細胞とほゞ同様の形態を示す。
(機 能) 免疫グロブリンIgG2bを定常的に産生する。
(増殖性) ミエローマ細胞とほゞ同様の増殖性を示す。たとえば、
72時間で約10倍に増殖する。
(保存性) −80℃以下で長期間保存可能である。
(最適増殖条件) pH7.2、温度37℃ (培 地) RPMI1640(米国、ギブコ社製)に10%の牛胎児血清を含
ませたもの。
上記融合細胞H−2株は昭和60年2月12日に工業技術院
微生物工業技術研究所に寄託申請された(寄託受託拒否
通知書、60微寄文第192号)。
つぎに、上記のようにして得られるモノクローナル抗体
を用いる被検査血清中の抗ヒト肝特異抗原抗体すなわち
ヒトの肝臓で産生する肝臓組織由来の抗原に対する自己
抗体の存在量の測定方法について述べる。
本発明において用いる測定原理は次の如くである。即
ち、ある抗体に対するイディオタイプの抗体は、該抗体
に対する抗原の性質を有するという免疫学の学説から、
H2モノクローナル抗体に対する家兎血清の中には構成要
素としてH2モノクローナル抗体の抗原(肝特異抗原)に
相当する抗体が含まれていると考えられる。したがっ
て、肝特異抗原的な性質を有するこの抗H2イディオタイ
プの抗体は、血清中の肝特異抗原抗体と結合する。そこ
で本発明では自己抗体に対応する抗原に対するモノクロ
ーナル抗体を固相化し、当該モノクローナル抗体に対す
る抗血清(抗イディオタイプ抗血清)と被検体液(血液
や骨ずい液)と当該固相化モノクローナル抗体の三者を
接触競合反応に付したのち、当該固相化モノクローナル
抗体に結合した抗血清の量を求めることにより被検体液
中の自己抗体を定量するものである。
従来の自己抗体の定量法は例えばオクタロニー法や組織
切片を用いた間接蛍光法により行なわれそれぞれ組織抽
出抗原や組織切片を必要としていたことからこれら組織
抽出抗原や組織切片の入手がしばしば困難を来してい
た。これに対し、本法はその安定供給が可能なモノクロ
ーナル抗体と抗血清とを用いるもので、従来法に比べ試
薬原料の入手等に問題は全くない。
この方法は広く自己抗体の検出・定量を可能にしたもの
であり、ヒト肝特異抗原に対する自己抗体の定量にのみ
使用されるものではない。
このモノクローナル抗体を用いる血清中の自己抗体の測
定は免疫化学的測定法によって行なわれる。例えばこの
モノクローナル抗体を固相化し、これに濃度が既知のモ
ノクローナル抗体の一定量を加え、次にこのモノクロー
ナル抗体で動物、例えば家ウサギを免疫化して得られる
抗血清を加え、上記の固相化したモノクローナル抗体お
よび添加したモノクローナル抗体と結合させ、洗浄して
固相化したモノクローナル抗体とこれに結合した抗血清
は残留させるが添加したモノクローナル抗体と結合した
抗血清は除去し、酵素、ラジオアイソトープ、蛍光体等
で標識した抗血清免疫グロブリンを加えて固相化したモ
ノクローナル抗体に結合した抗血清に結合させ、この結
合した抗血清免疫グロブリンの量を測定する。この抗血
清免疫グロブリンの量は例えば標識酵素がペルオキシダ
ーゼである場合にはO−フェニルジアミンと過酸化水素
とで呈色させ、その490nmの吸光度で測定する。これら
の測定法の他に、ラテックス凝集反応のような反応を用
いる方法も利用可能である。このように既知量の添加さ
れたモノクローナル抗体と固相化されたモノクローナル
抗体との間で競合的に抗血清と反応するので、抗血清は
両方に分配されるが、洗浄によって固相化されたモノク
ローナル抗体と結合した抗血清のみが残ることになる。
かくして添加されるモノクローナル抗体量に応じて固相
化されたモノクローナル抗体と結合した抗血清の量が決
ることになる。従ってこの結合した抗血清の量を例えば
酵素で標識した抗血清免疫グロブリンを結合させて測定
すれば既知量の添加されれたモノクローナル抗体に対応
する固相化されたモノクローナル抗体と結合した抗血清
の量が分ることになる。この操作を添加させるモノクロ
ーナル抗体の量を変動させて繰返し行ない第1図に示す
ような検量線が得られる。次いで自己抗体の濃度が不明
である被検査血清を固相化したモノクローナル抗体に加
え、さらにこれに抗血清を加え、同様に固相化したモノ
クローナル抗体に結合した抗血清の量を標識した抗血清
免疫グロブリンを用いて測定し、これをさきに得られた
検量線に当てはめて被検査血清中の自己抗体量を求める
のである。
上記したモノクローナル抗体の固相化は通常プラスチッ
クウェル(Plastic well)で行なわれ、このプラスチッ
クウェルにモノクローナル抗体が固相化されていない部
分がある場合は次に添加するモノクローナル抗体または
血清中の自己抗体が更に固相されることになって測定エ
ラーを生ずるので、上記部分の目づめのために蛋白質例
えば牛胎児血清で保護することが行なわれる。
次に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1 融合細胞の調製 (1)ヒト肝細胞抗原の調製 ヒトの正常肝組織を2.5%シュクロースでホモジナイズ
し、100,000gの超遠心にかけ、1時間後に得られる上清
を、セファデックスG−100のカラムにかける。溶出に
は、0.1M Tris−HCl(pH8.0)、0.2M NaCl、0.1MEDTA
緩衝液を用いた。得られた第1ピークの分画をセファロ
ース6Bカラムにかけ、同様の緩衝液で溶出された第1ピ
ークを集めて、以下に用いる抗原物質とした。
抗原物質の精製の詳細については、マック・ファーラン
(Mc Farlane)らの方法〔「ピューリィフィケーション
・アンド・キャラクタライゼーション・オブ・ヒューマ
ン・リバースペシフィック・メンブラン・リポプロティ
ン(Purification and Characterization of human liv
er−specific membrane lipoprotein(LSP))、「クリ
ニカル・エクスペリメンタル・イムノロギー」(Clinic
al Experimental Immunology)27,381〜390(1977)〕
に準じて行なった。
(2)融合のための脾臓細胞の調製 Balb/cマウス(5週令、♀)にフロインド完全アジュバ
ントに溶解させた160μgの抗原物質を皮下および腹腔
内に半分ずつ注射する。1カ月後同様に皮下投与を行な
い、さらに1カ月後同様に注射した。最後投与の4日後
に脾臓をとり出し、脾細胞を血清不含の培養液(RPMI 1
640(ギブコ社製)7.5mM HEPES,pH7.2で緩衝)中に浮
遊させた。
(3)細胞融合のためのミエローマ細胞の調製 マウスミエローマ細胞(SP2/NS1)は10%牛胎児血清を
含有するRPMI1640培地で継代培養したものである。この
ミエローマ細胞(SP2/NS1)の培養は、5%の炭酸ガス
を含む気流を長した炭酸ガスインキュベーター中で23.7
℃で行われた。この細胞は選択的にヒポキサンチン−ア
ミノプテリン−チミジン培地中で阻害されることを確認
した。
(4)融合細胞の作製 マウスミエローマ細胞(SP2/NS1)のRPMI浮遊液(2×1
07個)を用意し、前記の脾細胞浮遊液(7×107個)と
混合した後400×gで5分間遠心分離して上清を除き両
細胞の混合した沈澱を採取した。沈澱に50%(重量/容
量)ポリエチレングリコール溶液1mlを37℃、1分間に
わたってゆるく攪拌しながら加えて、両細胞を融合させ
た。その後、牛胎児血清を含まない15mlのRPMI1640培地
を徐々に加えて反応を停止させ、RPHI1640で2〜3回洗
浄(400×g、5分間)し、融合細胞を得た。
上記の融合細胞を牛胎児血清15%を添加したRPMI1640培
地に浮遊させて、2×106個/mlの細胞を含む懸濁液と
し、その0.1mlずつを96穴の組織培養プレートに入れ95
%空気/5%炭酸ガスの気流中で炭酸ガスインキュベータ
ーを用いて、37℃で24時間培養した後、ヒポキサンチン
−アミノプテリン−チミジン(HAT)選択培地0.1mlずつ
を加えて培養を行った、その後、培養2,3,5日目に数回H
AT培地の交換を行いながら培養を続け、10日目以後はHT
培地で数回培養液の交換を行い、14日目に各培養液上清
を取り抗体を産生している細胞群をラジオイムノアッセ
イ(RIA)で選びだした。選別は希釈法を用い、1ウェ
ルあたり1個の融合細胞が含まれるようにして増殖させ
た。得られたクローンを幾度か希釈して培養をくり返
し、クローニングを行った。こうしてヒト肝細胞抗原に
特異的なモノクローナル抗体を産生する融合細胞H−2
株を得た。
以上の操作はケーラーおよびミルステイン(1975)ら
〔ケーラー・ゲーおよびミルステイン・ツェー、(K
hler,G and Milstein,C.「ネーチャー(Nature)」256,
495(1975)により確立された常法に従って行った。
実施例2 モノクローナル抗体の調製 プロテインAによるH−2モノクローナル抗体の精製 Balb/cマウス(6〜8週令・雌性)にプリステーン(サ
メ由来の鉱油)を1匹あたり0.5ml腹腔内投与して1週
間後、約106〜107個の抗体産生細胞H−2株をマウス腹
腔内に移植し、1〜2週間後に貯溜した腹水を採取し
た。腹水を硫安分画法により分画して0〜50%分画の沈
澱を集め0.1Mリン酸緩衝液(pH8.0)に溶解し、透析し
た。透析物の上清はpH8.0の0.1Mリン酸緩衝液で平衡さ
せたプロテインA−セファロースCL−4Bカラム(米国、
ファルマシア社製)に吸着させ、0.1H酢酸と0.14M NaC
lの混合物を用いて溶出させた。溶出後トリス粉末にて
中性に調製し、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)で十分に透
析してH−2モノクローナル抗体を得た。
実施例3 血清中の抗ヒト肝特異抗原抗体量の測定 (1)抗血清の調製 550μgのH−2モノクローナル抗体と等量の完全フロ
イントアジュバントで懸濁液を調製し、家ウサギの前足
および背部皮下に注射した。3週間後、等量のH−2モ
ノクローナル抗体を静脈内注射した。さらに1,2週間後
にそれぞれ同様に静脈内に投与し最終投与後3日目に頚
動脈より全採血を行い、血清を得た。得られた血清を、
正常マウスIgで処理し、抗血清(抗イディオタイプ抗血
清)を得た。
(2)診 断 肝疾患患者血中にH−2モノクローナル抗体と同様の自
己抗体すなわち抗ヒト肝特異抗原抗体の検出と病態との
関連を知るために、H−2モノクローナル抗体を用いて
コンペティティブ(Competitive)ELISA法により自己抗
体量を測定した。
H−2モノクローナル抗体を2.5μg/mlにリン酸緩衝液
(pH7.4)で希釈し、96穴の組織培養プレートに50μ
ずつ加えて、37℃1時間インキュベートし、リン酸緩衝
液(pH7.4)で3回洗浄する。20%牛胎児血清を含むリ
ン酸緩衝液(pH7.4)200μを各ウェルに加えて、37℃
1時間インキュベートし、リン酸緩衝液(pH7.4)で3
回洗浄する。0.2%牛血清アルブミン0.05%Tween20を含
むリン酸緩衝液(pH7.4)でH−2モノクローナル抗体
を希釈して、0から500ng/mlの各濃度で各ウェルに加え
て、更に、20,000培希釈した抗H−2抗血清を50μず
つ加えて、37℃、1時間インキュベートする。3回洗浄
後20,000倍希釈したペルオキシダーゼ標識した抗ウサギ
免疫グリブリンを50μずつ加えて37℃1時間インキュ
ベートする。3回洗浄後、O−フェニルジアミンおよび
過酸化水素をELISAの常法に従って加えて、490nmの吸光
度を測定した。
標準曲線を得るためにH−2モノクローナル抗体を用い
て得た結果を第1図に示す。H−2モノクローナル抗体
の4ng/mlから500ng/mlの濃度の範囲で濃度の自然対数と
吸光度の間には直線関係が認められた。
次に肝疾患患者への適用のために、前記の方法におい
て、患者血清を100倍希釈して検討した。被検者血清中
の抗体はH−2モノクローナル抗体に相当する濃度とし
て算出した。その結果、第1表に示した如く、健常人11
例の323±104ng/mlに対し、慢性活動性肝炎14例では533
±154ng/ml、肝硬変症7例では685±301ng/mlで、いず
れも有意に(P<0.001、ウィルコキソン・ランク・サ
ム・テスト)高値であった。これらの結果からH−2モ
ノクローナル抗体に対する抗血清を用いて、同様の自己
抗体を有する被検者血清中の抗体すなわち抗ヒト肝特異
抗原抗体の濃度を測定することが可能であることが見出
された。
【図面の簡単な説明】
添付図面はH−2モノクローナル抗体とその抗血清を用
いて作成した検量線を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト肝細胞抗原に対するモノクローナル抗
    体を固定化し、これに被検査血清と被検査血清中の抗ヒ
    ト肝細胞抗原抗体に対して過剰重の上記固定化されたモ
    ノクローナル抗体に対する抗血清を加えて上記固定化さ
    れたモノクローナル抗体と被検査血清中の抗ヒト肝細胞
    抗原抗体および抗血清とを競合的に結合させ、固定化し
    たモノクローナル抗体に結合した抗血清を更に標識され
    た抗血清免疫グロブリンを加えて結合させ、この結合し
    た抗血清免疫グロブリンの量を測定することから成る、
    抗ヒト肝特異抗原抗体量を測定する方法。
  2. 【請求項2】モノクローナル抗体は、マウスをヒト肝細
    胞抗原で免疫して得られたマウスの脾細胞とマウスミエ
    ローマ細胞とを細胞融合し、得られたヒト肝細胞抗原に
    対するモノクローナル抗体を産生する能力を有する融合
    細胞を培地で培養するかまたはマウス腹腔内に移植して
    腹水癌化することにより培養液中または腹水中に該モノ
    クローナル抗体を生成させ、該培養液または腹水中から
    モノクローナル抗体を採取することで得られたものであ
    る特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】モノクローナル抗体は、マウスミエローマ
    細胞ST2−NS1株を用いて得られた融合細胞H−2株から
    産生されるものである特許請求の範囲第2項に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】モノクローナル抗体の固定化をプラスチッ
    クプレート上で行なう特許請求の範囲第1項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】抗血清がモノクローナル抗体を家ウサギに
    投与して得られたものであり、また標識された抗血清免
    疫グロブリンが酵素で標識した抗ウサギ免疫グロブリン
    である特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】標識された抗血清免疫グロブリンがペルオ
    キシダーゼで標識された抗血清免疫グロブリンあって、
    結合した抗血清免疫グロブリンの量はO−フェニルジア
    ミンと過酸化水素との反応による着色で測定するもので
    ある特許請求の範囲第1項に記載の方法。
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