JPH0672744U - 車両用後方監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡略な構造によって車両後退時に後方確認を
容易かつ確実に行うことが可能な、優れた車両用後方監
視装置を提供する。 【構成】 車両１１後部のリヤアンダーミラー１３にビ
デオカメラ１を組み込み、車両１１の後方を撮影する。
ビデオカメラ１からの映像信号を画像表示手段５の画面
上に画像表示する。そして、車両後退時には、切り換え
手段７によって制御手段２に切り換え信号を送り、制御
手段２によってビデオカメラ１の撮影範囲を車両後方の
近接部分に切り換える。車両１１後方の近接部分のう
ち、ビデオカメラ１によって比較的遠い部分を監視し、
リヤアンダーミラー１３によって比較的近い部分を監視
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両の後方を監視するための車両用後方監視装置に係り、特に、ビ デオカメラを利用した車両用後方監視装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

車両の走行時においては、車両の周囲の状況を把握して安全性を確保すること が要求される。特に、車両の後方の状況を確認するための手段として、車両前部 にはバックミラーが設けられているが、このバックミラーの視界は限られており 、車両後退時に、車両後方の近接部分を確認することはできない。そのため、特 に、大型車両などにおいては、車両後退時に車両後方の近接部分を確認する目的 で、車両後部にリヤアンダーミラーやビデオカメラが設置されている。ビデオカ メラを設けた場合には、運転者の近傍に表示用ＬＣＤなどの画像表示手段を設け 、この画像表示手段の画面上にビデオカメラからの映像信号を画像表示して、運 転者が容易に目視確認できるように構成される。

【０００３】 しかしながら、車両後部にリヤアンダーミラーを設けた場合には、車両後方の 近接部分を監視できる一方で、運転者からミラーまでの距離がある分だけその視 界が車両後方の極めて狭い範囲に限定されてしまい、死角が生じることは避けら れない。また、車両後部にビデオカメラを設けた場合には、運転者からの距離に 関わらず一定の視界を得られる一方で、視界を最適にするためにビデオカメラが 車体から突出しているため、車外障害物による破損の恐れがあり、また、外観が 悪いという欠点がある。

【０００４】 これに対して、例えば、実公平３−４２７７９号公報においては、車両前部の バックミラーにビデオカメラを組み込み、このビデオカメラによってバックミラ ーの死角を含む車両後方の広い範囲を撮影する技術が提案されている。この従来 技術においては、図３に示すように、車両２１のバックミラー２２にビデオカメ ラを組み込み、このビデオカメラの撮影範囲を、リバースギヤの動作に応じて切 り換えるように構成している。すなわち、図３に示すように、バックミラー２２ による監視領域２３に対して、通常走行時においては、ビデオカメラの撮影範囲 を、バックミラー２２の監視領域２３の死角を補う領域２４とし、後退時におい ては、リバースギヤの動作によって、ビデオカメラの撮影範囲を、バックミラー ２２の監視領域２３の後方近接部分と重複し、かつ、その死角を補う領域２５と している。このような構成とした場合には、車両後退時のビデオカメラの撮影範 囲を運転者の手動操作でなく、リバースギヤの動作によって自動的に切り換える ことができるため、安全上で有効であるという利点がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、図３に示すような従来の車両用後方監視装置を車両後部に適用 すると、次のような問題点を生じる。すなわち、車両後退時にはビデオカメラの 撮影範囲がバックミラーによる視界よりも狭く設定されるため、ビデオカメラの 撮影範囲のほぼ半分を車両の影となる暗い部分が占める可能性がある。この場合 に、ビデオカメラの絞りが車両の影に合うと、ビデオカメラからの映像信号を表 示した画面上において、撮影範囲の明るい部分となる車両周辺の状況が白く表示 されて見え難くなり、画面による後方確認が困難になる可能性がある。また、こ れに対して、ビデオカメラの絞りが車両周辺の明るい部分に合う場合には、車両 の影となる暗い部分が黒く表示されて見え難くなり、画面による後方確認が困難 になる可能性がある。したがって、いずれの場合にも確認が困難な領域が画面の ほぼ半分を占めてしまう。

【０００６】 本考案は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので あり、その目的は、簡略な構造によって車両後退時に後方確認を容易かつ確実に 行うことが可能な、優れた車両用後方監視装置を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案による車両用後方監視装置は、車両に搭載され、車両の後方を監視する ための車両用後方監視装置において、車両後部のリヤアンダーミラーに組み込ま れて車両の後方を撮影するビデオカメラと、前記ビデオカメラからの映像信号を 画面上に画像表示する画像表示手段と、前記ビデオカメラの撮影範囲を制御する 制御手段と、前記制御手段に撮影範囲の切り換え信号を送る切り換え手段とを有 し、前記切り換え手段は、車両後退時に前記ビデオカメラの撮影範囲を車両後方 の近接部分に縮小する切り換え信号を前記制御手段に送るように構成され、かつ 、前記ビデオカメラの前記縮小された撮影範囲は、前記リヤアンダーミラーによ る監視領域よりも広い領域であることを特徴としている。

【０００８】

【作用】

以上のような構成を有する本考案の車両用後方監視装置の作用は次の通りであ る。すなわち、車両後退時には、ビデオカメラによって、車両後方の近接部分の 状況を、車両のリヤアンダーミラーによる監視領域よりも広い領域にわたって撮 影し、画像表示手段の画面上に画像表示している。

【０００９】 このため、ビデオカメラの撮影範囲において、車両の影となる暗い部分は極め て微小部分となる。その結果、ビデオカメラの絞りが、車両周辺の明るい部分に 合うため、ビデオカメラからの映像信号に基づいて画像表示手段の画面上に表示 される画像全体が明瞭になる。したがって、運転者は、画像表示手段の画面を目 視するだけで、車両後方の近接部分の状況を容易かつ確実に確認することができ る。また、車両が障害物に近付いてリヤアンダーミラー視界に障害物が入るよう な位置においては、車両後方の近接部分の状況を、画面上の確認と合わせてリヤ アンダーミラーによってより直接的に目視確認できるため、より確実な後方確認 ができる。

【００１０】 また、同じビデオカメラを、車両の後退時だけでなく、ビデオカメラの撮影範 囲を変えて、通常走行時の後方監視用として使用することができる。すなわち、 通常走行時には、制御手段によってビデオカメラの撮影範囲を制御し、ビデオカ メラによって、車両後方の状況を、車両のバックミラーによる監視領域の死角を 補う領域において撮影し、画像表示手段の画面上に画像表示することができる。

【００１１】

【実施例】

以下に、本考案による車両用後方監視装置の一実施例について、図１および図 ２を参照して具体的に説明する。この場合、図１は、本考案による車両用後方監 視装置を搭載した車両を示す内部透視図、図２は、図１の車両用後方監視装置の 構成を示すブロック図である。

【００１２】 図１に示すように、本考案の車両用後方監視装置は、ビデオカメラ１、カメラ コントロールユニット（制御手段）２、表示・切り換えユニット３を備えている 。ビデオカメラ１は、車両１１のリヤウインドウ１２の上部外側に設けられたリ ヤアンダーミラー１３の内部に組み込まれており、撮影範囲を変えられるように 構成されている。このように撮影範囲を変えるための構造は、前述の公報にも記 載の通り、各種の周知の技術によって容易に得られるため、ここでは説明を省略 する。カメラコントロールユニット２は、車両１１のサイドボディー１４の内側 に取り付けられており、信号線４によってビデオカメラ１と接続されている。

【００１３】 また、表示・切り換えユニット３は、図２に示すように、画像表示手段である 表示用ＬＣＤ５と、この表示用ＬＣＤ５を制御するＬＣＤコントロールユニット ６と、リバースギヤ信号によって動作し、カメラコントロールユニット２に撮影 範囲の切り換え信号を出力する切り換えスイッチ（切り換え手段）７を備えてい る。この表示・切り換えユニット３の切り換えスイッチ７とＬＣＤコントロール ユニット６は、信号線８によって、カメラコントロールユニット２に接続されて いる。

【００１４】 以上のように構成された本実施例の車両用後方監視装置の作用は次の通りであ る。まず、通常走行時には、カメラコントロールユニット２によってビデオカメ ラ１の撮影範囲を制御し、ビデオカメラ１は、車両１１後方の状況を、車両１１ のバックミラーによる監視領域の死角を補う領域において撮影する。ビデオカメ ラ１で得られた映像信号は、信号線４を介してＬＣＤコントロールユニット６に 送られ、表示用ＬＣＤ５の画面上に画像表示される。

【００１５】 そして、車両後退時には、リバースギヤ信号によって、表示・切り換えユニッ ト３の切り換えスイッチ７が動作して、撮影範囲の切り換え信号を生成し、この 切り換え信号を、信号線８を介してカメラコントロールユニット２に送る。カメ ラコントロールユニット２は、切り換え信号に応じてビデオカメラ１の撮影範囲 を制御し、ビデオカメラ１は、車両１１後方の近接部分の状況を、車両１１のリ ヤアンダーミラー１３による監視領域よりも広い領域に渡って撮影する。この場 合、例えば、図１に示すように、カメラ視界（ビデオカメラ１による撮影範囲） Ａは、車両１１の後端部からその後方４メートルまでの範囲の、楕円状の領域で あり、ミラー視界（リヤアンダーミラー１３による監視領域）Ｂは、車両１１の 後端部からその後方１．５メートルまでの範囲の、車両１１の幅方向に長く伸び る領域である。そして、このように、ビデオカメラ１で得られた映像信号は、信 号線４を介してＬＣＤコントロールユニット６に送られ、表示用ＬＣＤ５の画面 上に画像表示される。

【００１６】 以上のように、本実施例の車両用後方監視装置においては、車両１１の後部に 設けられたリヤアンダーミラー１３にビデオカメラ１を組み込み、車両後退時に は、ビデオカメラ１の撮影範囲を縮小して、カメラ視界Ａとし、かつ、このカメ ラ視界Ａはミラー視界Ｂより広い領域であるため、車両の影となる暗い部分は極 めて微小部分となる。その結果、ビデオカメラ１の絞りが、車両１１周辺の明る い部分に合うため、ビデオカメラ１からの映像信号に基づいて表示用ＬＣＤ５の 画面上に表示される画像全体が明瞭になる。

【００１７】 したがって、本実施例によれば、運転者は、表示用ＬＣＤ５の画面を目視する だけで、車両１１後方のカメラ視界Ａの状況を容易かつ確実に確認することがで きる。また、車両１１が障害物に近付いてリヤアンダーミラー１３のミラー視界 Ｂに障害物が入るような位置においては、車両１１後方の近接部分の状況を、表 示用ＬＣＤ５の画面上の確認と合わせてリヤアンダーミラー１３によってより直 接的に目視確認できるため、より確実な後方確認ができる。さらに、車両後退時 に、ビデオカメラ１の撮影範囲を、リバースギヤ信号によって自動的に切り換え ることができるため、安全上で有効であるという利点もある。

【００１８】 一方、リヤアンダーミラー１３にビデオカメラ１を組み込んでおり、ビデオカ メラ１が単独で車体から突出することがないため、車外障害物による破損の恐れ はなく、また、外観にも優れている。そしてまた、車両後退時の監視領域である 車両１１後方の近接部分のうち、ビデオカメラ１によって車両１１から比較的遠 い部分を監視し、リヤアンダーミラー１３によって車両１１から比較的近い部分 を監視するというように、監視領域を分担させているため、領域の重複分を考慮 すれば、それぞれの監視領域をそれほど厳密に設定する必要はない。すなわち、 ビデオカメラ１の絞りは比較的遠い位置に合わせ、リヤアンダーミラー１３につ いても、その監視領域は比較的近い位置に合わせればよく、ビデオカメラ１の絞 りの決定やリヤアンダーミラー１３の方向の決定などを容易に行うことができる 。

【００１９】 なお、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、リヤアンダーミラーや ビデオカメラなどの具体的な構成は適宜選択可能である。例えば、本実施例は、 リヤアンダーミラーを車体の内部に配置したタイプの車両にも同様に適用可能で ある。また、制御手段や画像表示手段、切り換え手段などの具体的な構成も適宜 選択可能である。例えば、切り換えスイッチをリバースギヤ信号で自動的に切り 換える代わりに、手動で切り換える構成なども可能である。

【００２０】 さらに、制御手段によってビデオカメラの撮影範囲を連続的に制御可能とし、 運転者が切り換え手段を手動操作することによって、ビデオカメラによる撮影範 囲を自由に調整できるように構成することも可能である。また、前記実施例にお いては、通常走行時においてもビデオカメラによって後方を監視するように構成 したが、通常走行時にバックミラーやリヤアンダーミラーだけで十分な後方確認 ができるような車両においては、ビデオカメラの撮影範囲を車両後退時の監視領 域に固定し、車両後退時にのみビデオカメラによる後方監視を行うように構成す ることも可能である。

【００２１】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、通常走行時にはリヤアンダーミラーに組 み込まれたビデオカメラによって車両後方の状況を確認することができ、車両後 退時には、ビデオカメラの撮影範囲を車両後方の近接部分に縮小させて、後方確 認を確実に行えるとともに、縮小されたビデオカメラの撮影範囲はリヤアンダー ミラーによる監視領域よりも広い領域であるため、車両の影となり、画像表示手 段に黒く表示される領域を小さくできる。これにより、画像表示手段による後方 確認が容易になるとともに、リヤアンダーミラーを目視することにより、車両の 影となる部分の確認も行え、後方確認をより確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による車両用後方監視装置の一実施例を
示す図であり、特に、車両用後方監視装置を搭載した車
両を示す内部透視図。

【図２】図１の車両用後方監視装置の構成を示すブロッ
ク図。

【図３】従来の車両用後方監視装置を搭載した車両の監
視領域を示す説明図。

【符号の説明】

１…ビデオカメラ ２…カメラコントロールユニット ３…表示・切り換えユニット ４，８…信号線 ５…表示用ＬＣＤ ６…ＬＣＤコントロールユニット ７…切り換えスイッチ １１…車両 １２…リヤウインドウ １３…リヤアンダーミラー １４…サイドボディー Ａ…カメラ視界 Ｂ…ミラー視界

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両に搭載され、車両の後方を監視する
   ための車両用後方監視装置において、 車両後部のリヤアンダーミラーに組み込まれて車両の後
   方を撮影するビデオカメラと、 前記ビデオカメラからの映像信号を画面上に画像表示す
   る画像表示手段と、 前記ビデオカメラの撮影範囲を制御する制御手段と、 前記制御手段に撮影範囲の切り換え信号を送る切り換え
   手段とを有し、 前記切り換え手段は、車両後退時に前記ビデオカメラの
   撮影範囲を車両後方の近接部分に縮小する切り換え信号
   を前記制御手段に送るように構成され、かつ、前記ビデ
   オカメラの前記縮小された撮影範囲は、前記リヤアンダ
   ーミラーによる監視領域よりも広い領域であることを特
   徴とする車両用後方監視装置。