JPH0672616A - 記録シート収容装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】大量の記録シートがスタッカートレイのシート
収容部に積み重ねられた場合であっても、容易にこれら
記録シートをシート収容部から取り出すことが可能な記
録シート収容装置を提供する。 【構成】画像記録装置1から排出された記録シート2を積
み重ねて収容するシート収容部3を備えたスタッカート
レイ4と、このスタッカートレイ4を移動設定して上記シ
ート収容部3の幅方向(矢線A方向)の大きさを変更するト
レイ移動手段5と、このトレイ移動手段5を制御し、画像
記録装置1から排出される記録シート2のサイズに応じて
上記スタッカートレイ4をサイズ別基準ポジションP₀に
移動設定するトレイ制御手段6とを備え、上記シート収
容部3の幅方向の大きさが上記サイズ別基準ポジションP
₀のそれよりも若干広めなシート取出ポジションP_Eを設
け、記録シート2の排出完了後は上記トレイ制御手段6が
上記スタッカートレイ4を上記サイズ別基準ポジションP
₀からシート取出ポジションP_Eに移動設定することを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機やプリンタ等の
画像記録装置から排出された記録シートをスタッカート
レイ上に積み重ねて収容する記録シート収容装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】特開平3-106754号公報には、画像記録装
置から排出される記録シートのサイズや量に応じてシー
ト収容部を備えたスタッカートレイが幅方向及び上下方
向に移動設定され、上記シート収容部の幅方向の大きさ
及び深さがここに収容される記録シートのサイズに合致
した適当な寸法に調整される記録シート収容装置が開示
されている。具体的には、画像記録装置において選択さ
れた記録シートのサイズに関する情報がこの記録シート
収容装置のコントローラに供給され、コントローラはこ
の情報に基づいてスタッカートレイを記録シート毎に予
め設定されたサイズ別基準ポジションに移動設定する。
これにより、上記シート収容部の幅方向の大きさが記録
シートの積み重ねに適当な寸法に調整される。また、記
録シートの排出中はコントローラがスタッカートレイを
連続的に降下させ、シート収容部に積み重ねられた記録
シートの頂部を常に記録シート排出口から特定の距離に
位置させる。このように従来の記録シート収容装置で
は、画像記録装置から排出される記録シートのサイズ及
び量に応じてスタッカートレイを幅方向及び上下方向に
移動設定しているので、記録シートは整合された状態で
スタッカートレイに積み重ねられ、後の整合処理が容易
となりあるいは不要となるといった利点を有している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、以上説明して
きた従来の記録シート収容装置では、スタッカートレイ
が常に上記サイズ別基準ポジションに設定され、当該ポ
ジションではシート収容部の幅方向の大きさは画像記録
装置から排出される記録シートのサイズより若干大きい
だけなので、シート収容部に積み重ねられた記録シート
を取出し難いという問題点があった。これはシート収容
部の幅方向の大きさを規制しているスタッカートレイの
ストッパーとシート収容部に積み重ねられた記録シート
とが擦れ合うためであり、スタッカートレイ上の記録シ
ートの積載量が多くなるにつれその取出しも困難であっ
た。また、記録シートと上記ストッパーとの摩擦力に抗
して強引に記録シートをシート収容部から取り出そうと
すると、記録シートの端部が損傷してプリント品質が低
下するといった問題点もあった。

【０００４】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、大量の記録シー
トがシート収容部に積み重ねられた場合であっても、容
易にこれら記録シートをシート収容部から取り出すこと
が可能な記録シート収容装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の記録シート収容装置は、図1に示すよう
に、画像記録装置1から排出された記録シート2を積み重
ねて収容するシート収容部3を備えたスタッカートレイ4
と、このスタッカートレイ4を移動設定して上記シート
収容部3の幅方向(矢線A方向)の大きさを変更するトレイ
移動手段5と、このトレイ移動手段5を制御し、画像記録
装置1から排出される記録シート2のサイズに応じて上記
スタッカートレイ4をサイズ別基準ポジションP₀に移動
設定するトレイ制御手段6とを備え、上記シート収容部3
の幅方向の大きさが上記サイズ別基準ポジションP₀のそ
れよりも若干広めなシート取出ポジションP_Eを設け、記
録シート2の排出完了後は上記トレイ制御手段6が上記ス
タッカートレイ4を上記サイズ別基準ポジションP₀から
シート取出ポジションP_Eに移動設定することを特徴とす
るものである。

【０００６】このような技術的手段において、シート収
容部の幅方向とは、シート収容部に対する記録シートの
排出方向と合致した方向である。図6を参照して説明す
ると、サイズ別基準ポジションP₀におけるシート収容部
3の幅方向の大きさXについては、排出方向に合致した記
録シート2の長さSに対して任意のマージンを設定して差
し支えない。但し、シート収容部3に積み重ねられる記
録シート2の整合を考慮した場合、X=S+5(mm)程度が好ま
しい。また、シート取出ポジションP_Eにおけるシート収
容部3の幅方向の大きさYについては、サイズ別基準ポジ
ションP₀のXよりも大きいのであれば如何なる値であっ
ても差し支えない。但し、記録シート2の取出の際にシ
ート収容部3に手を入れ易く、且つ、シート取出ポジシ
ョンP_Eに設定されたスタッカートレイ4が邪魔にならな
いという点を考慮すれば、Y=X+10(mm)程度が好ましい。

【０００７】

【作用】上記技術的手段によれば、記録シートの排出が
完了した後は、トレイ制御手段がスタッカートレイをサ
イズ別基準ポジションからシート取出ポジションへ移動
設定するので、シート収容部の幅方向の大きさは記録シ
ートのサイズに対応した上記サイズ別基準ポジションの
それよりも若干広くなる。従って、シート収容部から積
載された記録シートを取り出そうとする際に、記録シー
トがスタッカートレイのストッパーと擦れ合うことがな
い。

【０００８】

【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の記録シー
ト収容装置を詳細に説明する。図2は、本発明の記録シ
ート収容装置を備えた複写機の後処理装置10(以下、フ
ィニッシャ)を示している。ここに示すフィニッシャ10
は複写機(図示せず)から排出されたコピーシート(記録
シート)を一部ずつ整合し、必要な場合はステープラに
よる綴じ作業(以下、ステープリング処理)を行ってから
整合したコピーシート冊をスタッカートレイ11に排出す
る。

【０００９】上記スタッカートレイ11の一側にはスタッ
カートレイ11上に排出されたコピーシート冊30が突き当
たるストッパー12が立設され、フィニッシャ10のハウジ
ング14と相俟ってコピーシート冊を収容するシート収容
部13を形成している。また、上記スタッカートレイ11は
アッパーカバー15の上を矢線B方向に摺動自在に配設さ
れており、上記アッパーカバー15内に収容されたトレイ
移動手段によって複写機のコピー作業毎に最適な位置に
移動設定される。また、上記アッパーカバー15はフィニ
ッシャ10のハウジング14に対して矢線C方向に上下動自
在なエレベータ16に搭載されており、コピーシート冊が
スタッカートレイ11に排出される毎にエレベータ16と共
に降下するように構成されている。

【００１０】図3は上記フィニッシャ10の概略構成を示
している。符号20は複写機から排出されたコピーシート
30をスタックして複写原稿に対応した冊を形成するコン
パイラトレイであり、ステープリング処理の有無に応じ
て実線で示す上昇位置あるいは破線で示す下降位置に設
定される。この実施例においてコピーシート30は矢線D
方向よりコンパイラトレイ20に排出され、ステープリン
グ処理が要求される場合に上記コンパイラトレイ20は上
昇位置に設定されている。符号21はステープラであり、
上記コンパイラトレイ20に積み込まれたコピーシート冊
31にステープリング処理を施す。このステープラ21は、
実線で示す動作位置においてコピーシート冊31にステー
プル針を打ち込む一方、コンパイラトレイ20が上昇位置
から下降位置へ設定される際には、その軌跡から外れる
ように破線で示す非動作位置に設定される。

【００１１】コンパイラトレイ20に積み込まれたコピー
シート冊31にステープリング処理がなされると、ステー
プラ21は動作位置から非動作位置に設定され、次いでコ
ンパイラトレイ20が下降位置に設定される。コンパイラ
トレイ20が下降位置に設定されると、搬送装置22がステ
ープリングの完了したコピーシート冊31を矢線E方向に
沿ってコンパイラトレイ20からスタッカートレイ11へ排
出する。コピーシート30の大きさ及びその冊31の厚さは
広範囲の値を取り得るので、コピーシート冊31を上記ス
タッカートレイ8に送り込む際に一定のニップ力を確保
すべく、上記搬送装置22は六角形状のフォームロール23
を備えている。また、上記搬送装置22は出口センサ24を
備えており、コピーシート冊31がコンパイラトレイ20か
ら排出される度に、上記出口センサ24がコピーシート冊
31を検出する。一方、この出口センサ24によってコピー
シート冊31がコンパイラトレイから排出されたことが確
認されると、コンパイラトレイ20は再度上昇位置に設定
され、次のコピーシート30の積み込みに備える。尚、ス
テープリング処理が要求されない場合には、コンパイラ
トレイ20を下降位置に設定したままの状態でコピーシー
ト30の積み込み及び形成したコピーシート冊31の排出が
行われる。

【００１２】スタッカートレイ11を矢線B方向に移動設
定するためのトレイ移動手段は、スタッカートレイ11の
下面側において矢線B方向に沿って配設されたラック31
と、このラック31に噛み合うピニオン歯車32と、このピ
ニオン歯車32に接続された正逆回転可能なステッピング
モータ33とから構成され、上記モータ33にはその回転を
制御するコントローラ34が接続されている。従って、上
記コントローラ34がモータ33の制御信号を出力すると、
上記モータ33が制御信号に基づいた回転角度だけ回転
し、スタッカートレイは矢線B方向に沿って所定量だけ
移動する。上記コントローラ34は複写機側のメインコン
トローラ40から複写作業に関する各種情報、例えばフィ
ニッシャ10の使用の有無あるいはコピーシート30のサイ
ズに関する情報を取込み、これに基づいてモータ33の制
御信号を作成する。また、スタッカートレイ11にはシー
ト収容部13に積載されたコピーシート冊31を検出するシ
ート検出センサ35が設けられ、上記コントローラ34はこ
のシート検出センサ35の検出信号も取り込んでいる。す
なわち、この実施例において、本発明の構成要件である
トレイ制御手段は上記コントローラ34によって実現され
ている。

【００１３】図4(a)に示すように、コピーシート冊31が
スタッカートレイ11に排出される際は、スタッカートレ
イ11はサイズ別基準ポジションP₀に設定される。このサ
イズ別基準ポジションP₀におけるシート収容部13の幅方
向(紙面左右方向)の大きさは、(コピーシートの排出方
向の長さ)+5mmである。従って、排出されたコピーシー
ト冊31はストッパー12及びハウジング14によってその幅
方向の動きを規制され、略整合された状態でシート収容
部13に積み重ねられる。

【００１４】一方、複写機での複写作業に係る最終コピ
ーシート冊31がスタッカートレイ11に排出されると、図
4(b)に示すように、スタッカートレイ11は積載したコピ
ーシート冊31と共にシート取出ポジションP_Eに設定され
る。このシート取出ポジションP_Eにおけるシート収容部
13の幅方向(紙面左右方向)の大きさは、(コピーシート
の排出方向の長さ)+15mmであり、上記サイズ別基準ポジ
ションP₀に比較して大きな隙間がスタッカートレイ11に
積載されたコピーシート冊31とハウジング14との間に形
成される。従って、スタッカートレイ11に積載されたコ
ピーシート冊31を容易にシート収容部13から取り出すこ
とができる。

【００１５】次に、コントローラ34によるスタッカート
レイ11の制御手順を図5に示すフローチャートに沿って
説明する。先ず、ユーザーによって複写機のコピースタ
ートスイッチがONされる(ST1)と、コントローラ34はユ
ーザーによって選択された複写モードがスタッカートレ
イ11を使用するモードか否か、すなわちフィニッシャを
使用するモードか否かをチェックする(ST2)。次に、ス
タッカートレイ11を使用する複写モードである場合は、
スタッカートレイ11にコピーシート冊31が積載されてい
るか否かをチェックする(ST3)。コピーシート冊31がシ
ート検出センサ35によって検出されない場合、コントロ
ーラ34は複写機側メインコントローラ40からコピーシー
ト30のサイズに関する情報を取込み、この情報に基づい
てスタッカートレイ11を上記サイズ別基準ポジションP₀
に設定する(ST4)。尚、上記ST3においてコピーシート冊
31が検出された場合には、コピーシート冊31がスタッカ
ートレイ11に積載されていることをユーザーに警告し、
コピーシート冊31がシート収容部13から取り出されたこ
とを検出した後にスタッカートレイ11をサイズ別基準ポ
ジションP₀に設定する(ST5)。

【００１６】スタッカートレイ11がサイズ別基準ポジシ
ョンP₀に設定されると、コンパイラトレイ20上でコピー
シート冊31が順次形成され、完成したコピーシート冊31
はスタッカートレイ11に排出される。このときスタッカ
ートレイ11を支持するエレベータ16はスタッカートレイ
11を連続的に降下させ、スタッカートレイ11に積載され
たコピーシート冊31の最上冊が常に搬送装置22のフォー
ムロール23から特定の距離に留まるように調整する。

【００１７】コピーシート冊のスタッカートレイへの排
出が開始されると、コントローラは出口センサ24の検出
信号をカウントし、この複写作業に係る最終のコピーシ
ート冊がスタッカートレイに排出されたか否かをチェッ
クする(ST6)。そして、最終のコピーシート冊がスタッ
カートレイに排出されたことを確認した後に、スタッカ
ートレイ11をシート取出ポジションP_Eに設定する(ST
7)。従って、ユーザーによるコピーシート冊31の取出し
はシート取出ポジションP_Eに設定されたスタッカートレ
イ11から行われる。また、コピーシート冊がスタッカー
トレイ11上のシート収容部13から取り出されたことをシ
ート検出センサ35が検知すると、コントローラ34はエレ
ベータ16を上昇させ、スタッカートレイを最上位置に設
定する。

【００１８】このように上記実施例のフィニッシャ10で
は、スタッカートレイ11のシート収容部13に対するコピ
ーシート冊31の排出が完了した後にスタッカートレイ11
をシート取出ポジションP_Eに移動設定し、スタッカート
レイ11上に積載されたコピーシート冊31とこの幅方向の
動きを規制しているハウジング14との間に隙間を形成す
るようにしたので、コピーシート冊31を容易にシート収
容部13から取り出すことができる。また、その取出作業
の際にコピーシート冊の端部とハウジングとが擦れて、
コピーシート冊を損傷する事故も防止される。

【００１９】尚、上記実施例ではフィニッシャの排出ト
レイに本発明の記録シート収容装置を適用した例につい
て説明したが、本発明はこれ以外にも大量に記録シート
が排出される複写機やプリンタの排出トレイに適用する
ことが可能である。

【００２０】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の記録
シート収容装置によれば、記録シートの排出が完了した
後は、スタッカートレイがサイズ別基準ポジションから
シート取出ポジションへ移動設定され、シート収容部の
幅方向の大きさは記録シートのサイズに対応した上記サ
イズ別基準ポジションのそれよりも若干広くなるので、
大量の記録シートがシート収容部に積み重ねられた場合
であっても、容易にこれら記録シートをシート収容部か
ら取り出すことが可能となる。また、記録シートを取り
出す際に記録シートの端部がスタッカートレイのストッ
パー等と強く擦れることがなく、プリント品質が低下を
回避することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の記録シート収容装置の構成を示す概
略図である。

【図２】 本発明の記録シート収容装置を適用したフィ
ニッシャ(実施例)の外観を示す斜視図である。

【図３】 図2に示すフィニッシャの構成を示す概略図
である。

【図４】 実施例のフィニッシャに係るスタッカートレ
イの設定ポジションを示す概略図である。

【図５】 実施例におけるスタッカートレイの制御手順
を示すフローチャートである。

【図６】 本発明におけるスタッカートレイの各設定ポ
ジションと記録シートの長さとの関係を説明する図であ
る。

【符号の説明】

1…画像記録装置、2…記録シート、3…シート収容部、4
…スタッカートレイ、5…トレイ移動手段、6…トレイ制
御手段、P₀…サイズ別基準ポジション、P_E…シート取出
ポジション

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像記録装置から排出された記録シート
   を積み重ねて収容するシート収容部を備えたスタッカー
   トレイと、このスタッカートレイを移動設定して上記シ
   ート収容部の幅方向の大きさを変更するトレイ移動手段
   と、このトレイ移動手段を制御し、画像記録装置から排
   出される記録シートのサイズに応じて上記スタッカート
   レイをサイズ別基準ポジションに移動設定するトレイ制
   御手段とを備えた記録シートの収容装置において、 上記シート収容部の幅方向の大きさが上記サイズ別基準
   ポジションのそれよりも若干広めなシート取出ポジショ
   ンを設け、記録シートの排出完了後は上記トレイ制御手
   段が上記スタッカートレイを上記サイズ別基準ポジショ
   ンからシート取出ポジションに移動設定することを特徴
   とする記録シート収容装置。