JPH0672350B2 - エチレン―ビニルアルコール系共重合体繊維不織布およびその製造法 - Google Patents
エチレン―ビニルアルコール系共重合体繊維不織布およびその製造法Info
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- JPH0672350B2 JPH0672350B2 JP63333787A JP33378788A JPH0672350B2 JP H0672350 B2 JPH0672350 B2 JP H0672350B2 JP 63333787 A JP63333787 A JP 63333787A JP 33378788 A JP33378788 A JP 33378788A JP H0672350 B2 JPH0672350 B2 JP H0672350B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はセルロース系繊維に類似した触感と風合いを有
し、緻密で柔軟な不織布の製造法に関するものである。
し、緻密で柔軟な不織布の製造法に関するものである。
<従来の技術> 従来、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物あるいはエ
チレン−ポリビニルアルコール共重合体を溶融紡糸法で
繊維を製造することについては多くの提案がなされてい
る。例えば、重合体の極限粘度〔η〕が1.026の高粘度
重合体で、エチレン含有量20〜50モル%、酢酸ビニル部
分の鹸化度が98モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重
合体鹸化物を、押出式紡糸機により樹脂温度210〜260℃
に加熱して溶融紡糸し、紡糸された未延伸糸を特定の温
度条件下で延伸することが特公昭56−16204号公報、特
公昭56−17442号公報、特公昭56−17443号公報、特公昭
56−17444号公報に、炭素数5〜30の長鎖α‐オレフイ
ンを0.5〜10モル%含有する長鎖α‐オレフイン−酢酸
ビニル共重合体鹸化物の鹸化度90モル%以上であって、
かつ温度230℃における溶融粘度1×104〜1×105ポイ
ズの変性ポリビニルアルコールを加熱溶融して溶融紡糸
し、延伸し、熱処理することが特開昭49−110917号公報
に、また、エチレン含有量15〜50モル%、鹸化度が98.5
モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物と疎
水性熱可塑性樹脂とを、溶融接合法で紡糸して接合型複
合繊維を製造することが特開昭48−80820号公報、特開
昭55−1379号公報などに提案されている。
チレン−ポリビニルアルコール共重合体を溶融紡糸法で
繊維を製造することについては多くの提案がなされてい
る。例えば、重合体の極限粘度〔η〕が1.026の高粘度
重合体で、エチレン含有量20〜50モル%、酢酸ビニル部
分の鹸化度が98モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重
合体鹸化物を、押出式紡糸機により樹脂温度210〜260℃
に加熱して溶融紡糸し、紡糸された未延伸糸を特定の温
度条件下で延伸することが特公昭56−16204号公報、特
公昭56−17442号公報、特公昭56−17443号公報、特公昭
56−17444号公報に、炭素数5〜30の長鎖α‐オレフイ
ンを0.5〜10モル%含有する長鎖α‐オレフイン−酢酸
ビニル共重合体鹸化物の鹸化度90モル%以上であって、
かつ温度230℃における溶融粘度1×104〜1×105ポイ
ズの変性ポリビニルアルコールを加熱溶融して溶融紡糸
し、延伸し、熱処理することが特開昭49−110917号公報
に、また、エチレン含有量15〜50モル%、鹸化度が98.5
モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物と疎
水性熱可塑性樹脂とを、溶融接合法で紡糸して接合型複
合繊維を製造することが特開昭48−80820号公報、特開
昭55−1379号公報などに提案されている。
<発明が解決しようとする課題> 従来のエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物の溶融紡糸
では、高い耐熱水性と引張特性の点から高い曳糸性と延
伸性を得るために、一般に高粘度重合体が、そして、繊
維としての染色性、帯電防止性、繊維強度を得るため
に、高いポリビニルアルコール成分の共重合体が用いら
れている。
では、高い耐熱水性と引張特性の点から高い曳糸性と延
伸性を得るために、一般に高粘度重合体が、そして、繊
維としての染色性、帯電防止性、繊維強度を得るため
に、高いポリビニルアルコール成分の共重合体が用いら
れている。
しかし、従来の溶融紡糸に使用されているエチレン−酢
酸ビニル共重合体鹸化物を用いた場合、溶融押出物を高
圧気体噴射流で繊維流を形成し、搬送してシート状に捕
集して不織布とするメルトブローン法の不織布製造で
は、均一性の良好な織布流を形成することができない。
すなわち、十分に細化、配向した繊維が得られず、繊維
の太さ、繊維長が不均一であり、特に、メルトブローン
法で幅が1mを越える広幅の不織布を均一性の高いメルト
ブローン不織布とすることは困難である。
酸ビニル共重合体鹸化物を用いた場合、溶融押出物を高
圧気体噴射流で繊維流を形成し、搬送してシート状に捕
集して不織布とするメルトブローン法の不織布製造で
は、均一性の良好な織布流を形成することができない。
すなわち、十分に細化、配向した繊維が得られず、繊維
の太さ、繊維長が不均一であり、特に、メルトブローン
法で幅が1mを越える広幅の不織布を均一性の高いメルト
ブローン不織布とすることは困難である。
本発明はメルトブローン法の不織布製造において、十分
に細化、配向した繊維であって、均一性の良好な繊維流
の形成が得られ、広幅の不織布でも均一性の良いメルト
ブローン不織布で、かつ、緻密で柔軟な不織布を提供す
るにある。
に細化、配向した繊維であって、均一性の良好な繊維流
の形成が得られ、広幅の不織布でも均一性の良いメルト
ブローン不織布で、かつ、緻密で柔軟な不織布を提供す
るにある。
<課題を解決するための手段> 本発明は、エチレン含有量40〜60モル%、酢酸ビニル鹸
化度85モル%以上で、かつ固有粘度〔η〕が0.055〜0.0
85/gの範囲にあるエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化
物を主体とした重合体の平均繊維直径8ミクロン以下の
メルトブローン極細繊維不織布であることを特徴とする
エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維不織布であ
る。
化度85モル%以上で、かつ固有粘度〔η〕が0.055〜0.0
85/gの範囲にあるエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化
物を主体とした重合体の平均繊維直径8ミクロン以下の
メルトブローン極細繊維不織布であることを特徴とする
エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維不織布であ
る。
また、本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物
において、エチレン含有量40〜60モル%、酢酸ビニル鹸
化度85モル%以上で、かつ固有粘度〔η〕が0.055〜0.0
85/gの範囲にある重合体を主体とした重合体を溶融
し、メルトブローン法で紡糸して極細繊維流を形成し、
該繊維流をシート状に捕集して不織布とすることを特徴
とするエチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維不織
布の製造法である。
において、エチレン含有量40〜60モル%、酢酸ビニル鹸
化度85モル%以上で、かつ固有粘度〔η〕が0.055〜0.0
85/gの範囲にある重合体を主体とした重合体を溶融
し、メルトブローン法で紡糸して極細繊維流を形成し、
該繊維流をシート状に捕集して不織布とすることを特徴
とするエチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維不織
布の製造法である。
更に、本発明はエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物が
エチレン含有量40〜60モル%、酢酸ビニル鹸化度85モル
%以上で、かつ重合体の固有粘度〔η〕が0.055〜0.085
/gの範囲にある重合体を主体とした重合体を溶融し、
温度250〜300℃でメルトブローン法紡糸によつて平均繊
維直径8ミクロン以下の極細繊維流を形成し、該繊維流
を捕集して不織布とすることを特徴とするエチレン−ビ
ニルアルコール系共重合体繊維不織布の製造法である。
エチレン含有量40〜60モル%、酢酸ビニル鹸化度85モル
%以上で、かつ重合体の固有粘度〔η〕が0.055〜0.085
/gの範囲にある重合体を主体とした重合体を溶融し、
温度250〜300℃でメルトブローン法紡糸によつて平均繊
維直径8ミクロン以下の極細繊維流を形成し、該繊維流
を捕集して不織布とすることを特徴とするエチレン−ビ
ニルアルコール系共重合体繊維不織布の製造法である。
すなわち、本発明のメルトブローン法紡糸で均一性の良
好な不織布を製造するのに適したエチレン−酢酸ビニル
共重合体鹸化物は、特定の物性範囲にある重合体を使用
することである。まず、共重合体中のエチレン含有量は
40〜60モル%の範囲であり、エチレン含有量が40モル%
未満である場合には、重合体の熱安定性が悪くなり、溶
融粘度が上昇し、不溶融性物(ゲル状物)が発生して安
定なメルトブローン法紡糸ができないとか、良好な繊維
流の形成が得られないとか、不織布中に未溶粒物などの
粒状物の混入が多くなる。一方、エチレン含有量が60モ
ル%を越えて多くなると、ポリビニルアルコール特有の
剛性、引張特性、染色性、耐熱性が低下し、更に、不織
布の触感がポリオレフイン様あるいはワツクス様の好ま
しくないものとなる。
好な不織布を製造するのに適したエチレン−酢酸ビニル
共重合体鹸化物は、特定の物性範囲にある重合体を使用
することである。まず、共重合体中のエチレン含有量は
40〜60モル%の範囲であり、エチレン含有量が40モル%
未満である場合には、重合体の熱安定性が悪くなり、溶
融粘度が上昇し、不溶融性物(ゲル状物)が発生して安
定なメルトブローン法紡糸ができないとか、良好な繊維
流の形成が得られないとか、不織布中に未溶粒物などの
粒状物の混入が多くなる。一方、エチレン含有量が60モ
ル%を越えて多くなると、ポリビニルアルコール特有の
剛性、引張特性、染色性、耐熱性が低下し、更に、不織
布の触感がポリオレフイン様あるいはワツクス様の好ま
しくないものとなる。
また、重合体の重合度もメルトブローン法紡糸性に大き
な影響をもたらす。すなわち、本発明で使用するエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体鹸化物の溶液で測定して求めた
固有粘度〔η〕は0.055〜0.085/gの範囲である。そし
て、重合体の固有粘度〔η〕が0.055/g未満では溶融
粘度が小さくて、十分な曳糸性が得られず、良好な繊維
流を形成することができないために、均一性の良い不織
布が得られないとか、不織布中に微小な玉状物が多数混
入するとか、不織布の強力が低く、腰がなくなるとか、
耐熱性が低下するなどのために実用性に乏しい不織布と
なる。一方、重合体の固有粘度〔η〕が0.085/gを越
えて高粘度になると、メルトブローン法では十分に細
化、配向した繊維の繊維流を形成することができないた
め、均一性の良い不織布を得ることができず、得られた
不織布は強力が弱く、風合いの粗硬なものとなつてしま
う。
な影響をもたらす。すなわち、本発明で使用するエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体鹸化物の溶液で測定して求めた
固有粘度〔η〕は0.055〜0.085/gの範囲である。そし
て、重合体の固有粘度〔η〕が0.055/g未満では溶融
粘度が小さくて、十分な曳糸性が得られず、良好な繊維
流を形成することができないために、均一性の良い不織
布が得られないとか、不織布中に微小な玉状物が多数混
入するとか、不織布の強力が低く、腰がなくなるとか、
耐熱性が低下するなどのために実用性に乏しい不織布と
なる。一方、重合体の固有粘度〔η〕が0.085/gを越
えて高粘度になると、メルトブローン法では十分に細
化、配向した繊維の繊維流を形成することができないた
め、均一性の良い不織布を得ることができず、得られた
不織布は強力が弱く、風合いの粗硬なものとなつてしま
う。
更に、重合体中の酢酸ビニルの鹸化度は85モル%以上で
ある。鹸化度が85モル%に満たない重合体ではポリビニ
ルアルコールの特性、即ち、不織布として所望する触
感、腰のある風合いが得られないものとなる。
ある。鹸化度が85モル%に満たない重合体ではポリビニ
ルアルコールの特性、即ち、不織布として所望する触
感、腰のある風合いが得られないものとなる。
従って、本発明のメルトブローン法でエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体鹸化物を主体とした重合体の不織布を製造
するに際し、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物は、
エチレン含有量40〜60モル%、固有粘度〔η〕が0.055
〜0.085/gにある重合体を用いることにある。そし
て、メルトブローン紡糸温度250〜300℃、搬送気体圧力
(ゲージ圧力)0.5〜5Kg/cm2の条件下にメルトブローン
法で紡糸することによつて、平均繊維直径8ミクロン以
下の極細繊維が得られ、均一性の良好な繊維流を形成す
ることができる。この繊維流をコンベアーネツト上にシ
ート状に捕集することによつて、広幅であつても均一性
の良好な不織布とすることができる。
ニル共重合体鹸化物を主体とした重合体の不織布を製造
するに際し、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物は、
エチレン含有量40〜60モル%、固有粘度〔η〕が0.055
〜0.085/gにある重合体を用いることにある。そし
て、メルトブローン紡糸温度250〜300℃、搬送気体圧力
(ゲージ圧力)0.5〜5Kg/cm2の条件下にメルトブローン
法で紡糸することによつて、平均繊維直径8ミクロン以
下の極細繊維が得られ、均一性の良好な繊維流を形成す
ることができる。この繊維流をコンベアーネツト上にシ
ート状に捕集することによつて、広幅であつても均一性
の良好な不織布とすることができる。
本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物を紡糸す
るに際し、他の熱可塑性重合体、例えば、ポリプロピレ
ン、ポリビニルアルコール、ナイロン−6、ナイロン−
66、ナイロン−610などのポリアミド、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリ
エステルを45重量%以下の量を混合する。顔料あるいは
顔料をあらかじめ熱可塑性重合体に分散させたマスター
バツチ、酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいは紡糸性を
良くする、繊維の膠着性を防止するための添加剤、例え
ば、酸化チタン、微細酸化ケイ素などを添加混合するこ
ともよい。
るに際し、他の熱可塑性重合体、例えば、ポリプロピレ
ン、ポリビニルアルコール、ナイロン−6、ナイロン−
66、ナイロン−610などのポリアミド、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリ
エステルを45重量%以下の量を混合する。顔料あるいは
顔料をあらかじめ熱可塑性重合体に分散させたマスター
バツチ、酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいは紡糸性を
良くする、繊維の膠着性を防止するための添加剤、例え
ば、酸化チタン、微細酸化ケイ素などを添加混合するこ
ともよい。
また、本発明のメルトブローン不織布の目付けは、指向
する用途によつて決められるが、一般に、10〜500g/m2
の範囲である。例えば、生理用ナフキンのフエーシン
グ、電池用セパレーターなどには低目付けの不織布を、
農業用、土木用、衣料用、医療・衛生品用、工業用など
には中目付けないし高目付けの不織布とする。
する用途によつて決められるが、一般に、10〜500g/m2
の範囲である。例えば、生理用ナフキンのフエーシン
グ、電池用セパレーターなどには低目付けの不織布を、
農業用、土木用、衣料用、医療・衛生品用、工業用など
には中目付けないし高目付けの不織布とする。
本発明のメルトブローン不織布は、親水性と親油性を有
し、良好な耐薬品性であつて、セルロース系繊維に類似
した触感と風合いの、緻密で柔軟な不織布である。
し、良好な耐薬品性であつて、セルロース系繊維に類似
した触感と風合いの、緻密で柔軟な不織布である。
<実施例> 次に、本発明の実施態様を具体的な実施例で説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部および%はことわりのない限り、重
量に関するものである。
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部および%はことわりのない限り、重
量に関するものである。
また、本発明の重合体の固有粘度〔η〕は、フエノール
85%、水15%の混合溶媒に重合体を溶解し、毛細管粘度
計を用いて温度30℃で測定し、固有粘度〔η〕を次式で
求めた。
85%、水15%の混合溶媒に重合体を溶解し、毛細管粘度
計を用いて温度30℃で測定し、固有粘度〔η〕を次式で
求めた。
ただし、tは溶液の流下時間(秒) t0は溶媒の流下時間(秒) cは重合体の濃度(g/) 実施例1 エチレン含有量49モル%、鹸化度98モル%、固有粘度
〔η〕=0.062/gのエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸
化物をエクストルーダーで溶融し、メルトブローン用ダ
イに直径0.3mmの吐出孔を1mm間隔で一列に配列したノズ
ル部と、その両側に幅0.25mmの気体噴出用スリツトを設
けたダイを用い、溶融紡糸温度280℃、孔当たりの吐出
量0.2g/分で吐出させ、搬送空気温度280℃、空気ゲージ
圧1Kg/cm2の条件でメルトブローン法で紡糸し、紡出極
細繊維流はダイより約25cmの位置に設置した、一定速度
で走行するベルトコンベアーネツト捕集機のネツト上に
捕集して、平均目付65g/m2のメルトブローン不織布を得
た。
〔η〕=0.062/gのエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸
化物をエクストルーダーで溶融し、メルトブローン用ダ
イに直径0.3mmの吐出孔を1mm間隔で一列に配列したノズ
ル部と、その両側に幅0.25mmの気体噴出用スリツトを設
けたダイを用い、溶融紡糸温度280℃、孔当たりの吐出
量0.2g/分で吐出させ、搬送空気温度280℃、空気ゲージ
圧1Kg/cm2の条件でメルトブローン法で紡糸し、紡出極
細繊維流はダイより約25cmの位置に設置した、一定速度
で走行するベルトコンベアーネツト捕集機のネツト上に
捕集して、平均目付65g/m2のメルトブローン不織布を得
た。
このメルトブローン不織布を走査型電子顕微鏡(以下SE
Mと略記する)で500倍で拡大して観察したところ、不織
布構成繊維の平均直径は約5ミクロンであつた。更に、
繊維の集積状態は緻密ではあるが柔軟で、木綿の布帛に
類似した触感と風合いを有していた。
Mと略記する)で500倍で拡大して観察したところ、不織
布構成繊維の平均直径は約5ミクロンであつた。更に、
繊維の集積状態は緻密ではあるが柔軟で、木綿の布帛に
類似した触感と風合いを有していた。
このメルトブローン不織布に圧着部面積20%、線圧力5K
g/cm、ロール温度100℃、処理速度10m/分で四角形凸柄
模様のエンボスカレンダーロールでプレス処理を行っ
た。得られた不織布は強力が高く、湿布薬の基材として
使用したところ、触感、肌触り、そして薬剤とのなじみ
性が良く、更に耐薬品性に優れていた。
g/cm、ロール温度100℃、処理速度10m/分で四角形凸柄
模様のエンボスカレンダーロールでプレス処理を行っ
た。得られた不織布は強力が高く、湿布薬の基材として
使用したところ、触感、肌触り、そして薬剤とのなじみ
性が良く、更に耐薬品性に優れていた。
また、活性剤を含有させてワイピングクロスとしても有
用なものであった。
用なものであった。
比較例1 エチレン含有量49モル%、鹸化度98%、固有粘度〔η〕
=0.092/gのエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物を
実施例1と同じ装置でメルトブローン法紡糸を行った。
しかし、実施例1と同一条件では十分な紡糸性が得られ
ないため、紡糸温度を300℃、搬送空気温度300℃、空気
ゲージ圧5Kg/cm2に変更して紡糸した。しかし、溶融粘
度が高くて十分に細化した繊維が得られず、繊維の太さ
は不揃いで、細い繊維でも平均直径が約12ミクロンであ
り、しかも均一性の良い繊維流は得られなかつた。ま
た、得られた不織布は粗硬であつて、強力も弱く湿布用
基剤としては適しないものであつた。
=0.092/gのエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物を
実施例1と同じ装置でメルトブローン法紡糸を行った。
しかし、実施例1と同一条件では十分な紡糸性が得られ
ないため、紡糸温度を300℃、搬送空気温度300℃、空気
ゲージ圧5Kg/cm2に変更して紡糸した。しかし、溶融粘
度が高くて十分に細化した繊維が得られず、繊維の太さ
は不揃いで、細い繊維でも平均直径が約12ミクロンであ
り、しかも均一性の良い繊維流は得られなかつた。ま
た、得られた不織布は粗硬であつて、強力も弱く湿布用
基剤としては適しないものであつた。
比較例2 エチレン含有量49モル%、鹸化物98%、固有粘度〔η〕
=0.051/gのエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物を
実施例1と同じ装置でメルトブローン法紡糸を行った。
しかし、実施例1と同一条件では十分な紡糸性が得られ
ないため、紡糸温度を260℃、搬送空気温度270℃、空気
ゲージ圧0.5Kg/cm2まで低くした緩やかな紡糸条件で紡
糸したにも拘わらず、均一性の良い繊維流は形成され
ず、繊維の集積むらが大きく、しかも、不織布中には多
数の玉状物が混入し、不織布の触感はざらついたものと
なり、実用性に乏しいものであつた。
=0.051/gのエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物を
実施例1と同じ装置でメルトブローン法紡糸を行った。
しかし、実施例1と同一条件では十分な紡糸性が得られ
ないため、紡糸温度を260℃、搬送空気温度270℃、空気
ゲージ圧0.5Kg/cm2まで低くした緩やかな紡糸条件で紡
糸したにも拘わらず、均一性の良い繊維流は形成され
ず、繊維の集積むらが大きく、しかも、不織布中には多
数の玉状物が混入し、不織布の触感はざらついたものと
なり、実用性に乏しいものであつた。
比較例3 エチレン含有量38モル%、鹸化度98%、固有粘度〔η〕
=0.062/gのエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物を
実施例1と同じ装置でメルトブローン法紡糸を行った。
そして、紡糸条件を実施例1と同一にして紡糸したとこ
ろ、2時間程度の短時間では紡糸性に異常がなかつた
が、それ以上の長時間になるとメルトブローンによる曳
糸性が急速に低下し、断糸が多発し、未溶融粒が付着し
た切断繊維片が不織布に混在してきて安定に紡糸するこ
とができなくなつた。
=0.062/gのエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物を
実施例1と同じ装置でメルトブローン法紡糸を行った。
そして、紡糸条件を実施例1と同一にして紡糸したとこ
ろ、2時間程度の短時間では紡糸性に異常がなかつた
が、それ以上の長時間になるとメルトブローンによる曳
糸性が急速に低下し、断糸が多発し、未溶融粒が付着し
た切断繊維片が不織布に混在してきて安定に紡糸するこ
とができなくなつた。
比較例4 エチレン含有量63モル%、鹸化度98%、固有粘度〔η〕
=0.061/gのエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物を
実施例1と同じ装置でメルトブローン法紡糸を行った。
そして、紡糸条件を実施例1と同一にして紡糸したとこ
ろ、紡糸性には問題はなかつたが、得られた不織布は柔
軟でつて、しかも腰と、厚み感のないものであつた。更
に、耐熱温度が低く、強力の小さい不織布である。
=0.061/gのエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物を
実施例1と同じ装置でメルトブローン法紡糸を行った。
そして、紡糸条件を実施例1と同一にして紡糸したとこ
ろ、紡糸性には問題はなかつたが、得られた不織布は柔
軟でつて、しかも腰と、厚み感のないものであつた。更
に、耐熱温度が低く、強力の小さい不織布である。
実施例2 エチレン含有量49モル%、鹸化物98%、固有粘度〔η〕
=0.062/gのエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物39
部に、ベージユ色の顔料を20%含有するポリプロピレン
を1部とを混練して実施例1と同じ装置でメルトブロー
ン法紡糸を行った。紡糸条件を実施例1と同一にして紡
糸したが、紡糸性は良好で、色の濃淡斑のないベージユ
色に着色した均一性の良いメルトブローン不織布が得ら
れた。
=0.062/gのエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物39
部に、ベージユ色の顔料を20%含有するポリプロピレン
を1部とを混練して実施例1と同じ装置でメルトブロー
ン法紡糸を行った。紡糸条件を実施例1と同一にして紡
糸したが、紡糸性は良好で、色の濃淡斑のないベージユ
色に着色した均一性の良いメルトブローン不織布が得ら
れた。
この不織布をSEMで観察すると、繊維の平均直径は約5
ミクロンであり、不織布は木綿で作られた布帛の触感と
風合いを有していた。
ミクロンであり、不織布は木綿で作られた布帛の触感と
風合いを有していた。
この不織布に織り目模様の彫刻を施したエンボスロール
を用いて、ロール温度100℃、綿圧力3Kg/cmでエンボス
を行った。得られた不織布は肌触りがよく衣料用として
好適なものであつた。
を用いて、ロール温度100℃、綿圧力3Kg/cmでエンボス
を行った。得られた不織布は肌触りがよく衣料用として
好適なものであつた。
<発明の効果> 本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物のメルト
ブローン不織布は十分に細化し、配向した繊維からなる
均一性の良い不織布であつて、セルロース系繊維、とり
わけ木綿で作られた布帛様の触感と風合いを有すし、緻
密であつて柔軟な不織布である。
ブローン不織布は十分に細化し、配向した繊維からなる
均一性の良い不織布であつて、セルロース系繊維、とり
わけ木綿で作られた布帛様の触感と風合いを有すし、緻
密であつて柔軟な不織布である。
本発明のメルトブローン不織布は、耐溶剤性で親水性と
親油性の特性を有しているため、広範囲の用途展開に有
用な不織布である。
親油性の特性を有しているため、広範囲の用途展開に有
用な不織布である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守谷 健 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (56)参考文献 特公 昭56−17442(JP,B2) 特公 昭56−16204(JP,B2)
Claims (2)
- 【請求項1】エチレン含有量40〜60モル%、酢酸ビニル
鹸化度85モル%以上で、かつ固有粘度〔η〕が0.055〜
0.085/gの範囲にあるエチレン−酢酸ビニル共重合体
鹸化物を主体とした重合体の平均繊維直径8ミクロン以
下のメルトブローン極細繊維不織布であることを特徴と
するエチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維不織
布。 - 【請求項2】エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物にお
いて、エチレン含有量40〜60モル%、酢酸ビニル鹸化度
85モル%以上で、かつ固有粘度〔η〕が0.055〜0.085
/gの範囲にある重合体を主体とした重合体を溶融し、メ
ルトブローン法で紡糸して極細繊維流を形成し、該繊維
流をシート状に捕集して不織布とすることを特徴とする
エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維不織布の製
造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63333787A JPH0672350B2 (ja) | 1988-12-27 | 1988-12-27 | エチレン―ビニルアルコール系共重合体繊維不織布およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63333787A JPH0672350B2 (ja) | 1988-12-27 | 1988-12-27 | エチレン―ビニルアルコール系共重合体繊維不織布およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02175961A JPH02175961A (ja) | 1990-07-09 |
JPH0672350B2 true JPH0672350B2 (ja) | 1994-09-14 |
Family
ID=18269952
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63333787A Expired - Fee Related JPH0672350B2 (ja) | 1988-12-27 | 1988-12-27 | エチレン―ビニルアルコール系共重合体繊維不織布およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0672350B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001003249A (ja) * | 1999-06-23 | 2001-01-09 | Kuraray Co Ltd | 洗剤包装用水溶性不織布 |
JP2001003255A (ja) * | 1999-06-23 | 2001-01-09 | Kuraray Co Ltd | 農薬包装用水溶性不織布 |
JP2002227031A (ja) * | 2001-01-31 | 2002-08-14 | Kuraray Co Ltd | セパレータ用繊維 |
JP4464968B2 (ja) * | 2004-08-02 | 2010-05-19 | 株式会社クラレ | 積層シート |
JP2006316002A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Kanebo Ltd | 不織布含浸化粧料 |
-
1988
- 1988-12-27 JP JP63333787A patent/JPH0672350B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02175961A (ja) | 1990-07-09 |
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