JPH0671927B2 - 摩擦駆動台車の旋回装置 - Google Patents

摩擦駆動台車の旋回装置

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JPH0671927B2
JPH0671927B2 JP24948886A JP24948886A JPH0671927B2 JP H0671927 B2 JPH0671927 B2 JP H0671927B2 JP 24948886 A JP24948886 A JP 24948886A JP 24948886 A JP24948886 A JP 24948886A JP H0671927 B2 JPH0671927 B2 JP H0671927B2
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金次郎 徳永
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、搬送ラインに沿って設けられた駆動軸と、そ
の駆動軸に対して所定角度ねじられた位置で駆動軸と接
触して回転される被駆動輪を有する台車とからなる摩擦
駆動台車の搬送装置に係り、特に搬送ラインに弧状のカ
ーブ部を含む場合にその弧状の搬送ラインに沿って台車
を搬送させるための摩擦駆動台車の旋回装置に関するも
のである。
[従来の技術] 物流システム、FAシステム−生産ラインにおける台車の
搬送装置を第7図〜10図により説明する。
第7図において、aは搬送ラインで、例えば図示のよう
に直線部a1とカーブ部a2とで無限軌道が形成され、その
搬送ラインa上を台車bが移動するようになっている。
第8図に示すように、搬送ラインaの直線部a1は、一本
の駆動軸部材cが、その直線部a1に沿って設けられ、ま
たカーブ部a2は、その円弧に沿って複数本の駆動軸部材
dが自在継手eで連結されると共に直線部a1の駆動軸部
材cに連結され、図示していない駆動源により各駆動軸
部材c,dが回転駆動されるようになっている。
一方、台車bには駆動軸部材c,dと接触し、その駆動軸
部材c,dの回転により回転される被駆動輪f1,f2が設けら
れる。この被駆動輪f1,f2は、第9図に示すように台車
bの軸線uに対して角度θ傾斜するよう台車bに取り付
けられ、第10図に示すように駆動軸部材cが回転すると
被駆動輪f1,f2が、その軸芯線W廻りに図示の矢印のよ
うに回転し、台車bを速度Vで図示の軸芯方向Xに移動
させる。この場合、台車bは図示していないが、案内部
材により搬送ラインaに沿って移動するよう案内支持さ
れている。
この台車bの移動速度Vは駆動軸部材cの直径をD、回
転数をNとするとV=πDNtanθとなる。
通常、台車bに取り付けられる被駆動輪f1,f2は、前輪
と後輪とからなり、上述のように直線部a1を移動するに
は両輪f1,f2の速度と移動方向は同じなため何ら問題は
ない。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、台車bが、カーブ部a2を移動する場合、
その前輪f1と後輪f2とが、第8図に示すように夫々別個
の駆動軸部材dと接触すると、前輪f1と後輪f2間に速度
差を生じ、その被駆動輪fと駆動軸部材d間にスベリを
生じ、このため被駆動力輪fの摩耗が大きくなると共に
駆動軸部材dの回転負荷も増大するといった問題を生じ
る。
これを第11〜15図により詳しく説明する。
先ず、比較例として、第11図に示すように台車bが旋回
中心O、旋回半径Rのカーブ部a2の線に沿って旋回動
し、同時に前輪a1と後輪f2の中心もそのカーブa2の線に
沿って旋回動すると、その前輪f1と後輪f2の中心の速度
はV(ベクトル)となる。逆にVを与えれば旋回中心O
の廻りに角速度ω(=V/R)で旋回運動する。また、前
輪f1、後輪f2の軸線Uに対して速度ベクトルは第12図の
とおりとなる。
実際のカーブ部a2は第13図に示すように多数の駆動軸部
材dがその旋回中心Oに対してピッチ角度2γごとに自
在継手eで連結されたものとなり、このため台車bの軸
線Uに対し前輪f1、後輪f2に夫々接触する駆動軸部材d
の軸芯は上下に夫々角度γずれた位置となり、またその
駆動軸部材dから伝えられる前輪f1と後輪f2の中心の移
動方向は駆動軸部材dの軸芯方向となるため、前輪f1
軸芯Wの駆動軸部材dの軸芯に対するねじれ角度は(θ
+γ)となり、また後輪f2のねじれ角度は(θ−γ)と
なり、従って、前輪f1の速度V1はV1=V0tan(θ+
γ)、後輪f2の速度V2はV2=V0tan(θ−γ)となる。
この前輪f1と後輪f2の中心の移動方向は、第14図に示す
ように台車bの軸線Uに対して夫々上下に角度γずれた
ベクトルとなり、そのベクトルを第12図で説明した速度
V(完全円弧運動におけるf1,f2の周速)のベクトルと
を合せて示せば第15図に示すとおりとなり、前輪f1の速
度V1のベクトルと、後輪f2の速度V2のベクトルによって
は第11図に示すような円弧運動にはならない。一方台車
は図示しない案内レールによって円弧運動をするように
規制されているためカーブ部においては前輪f1と後輪f2
のいずれか又は双方がその駆動軸部材dとすべり摩擦を
生じることとなる。
この前輪f1の速度V1と後輪f2の速度V2はθ=45゜,γ=
6゜、駆動輪の周速をV0=πDNとすると、V1=V0tan(4
5゜+6゜)=V0tan51゜=1.23V0となり、また、V2=V0
tan(45゜−6゜)=V0tan39゜=0.81V0となる。従って
両者の速度差はV1/V2=1.20V0/0.81V0=1.5となり、約
1.5倍の差となる。
本発明は上記事情を考慮してなされたもので搬送ライン
に沿った駆動軸で台車の前後の被駆動輪を回転して移動
させるにおいて、搬送ライン中のカーブ部で被駆動輪と
駆動軸間の相対スベリの発生を少なくできる摩擦駆動台
車の旋回装置を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明は、上記の目的を達成するために、搬送ラインに
沿って案内される台車の前後に、その搬送ラインに対し
て所定角度ねじられた被駆動輪を設け、他方搬送ライン
に、その前後の被駆動輪と接触し被駆動輪を回転すべく
駆動軸を配設した摩擦駆動台車搬送装置において、上記
搬送ラインのカーブ部の駆動軸を、駆動軸部材と自由回
転軸部材を多数交互に連結した円弧状に形成し、かつ上
記台車の前後の被駆動輪の距離に対して上記駆動軸部材
と自由回転軸部材のピッチを大きく形成したもので、台
車がカーブ部に沿って移動する際、その前後の被駆動輪
が、駆動軸部材と自由回転軸部材に跨っても一方は自由
回転のため、その被駆動輪は他方の駆動軸部材に見合っ
た回転となりスベリが生じることがなく、また前後の被
駆動輪は一つの駆動軸部材又は自由回転軸に接触しても
直線を移動するのと同様な状態となり、被駆動輪間に速
度差がなくスベリは生じないものとなる。これにより台
車はその被駆動輪の摩耗が少なく又無駄な動力消費もな
く円滑にカーブ部を旋回できる。
[実施例] 以下本発明の摩擦駆動台車の旋回装置の好適一実施例を
添付図面に基づいて説明する。
第1図、第2図において、1は台車2が移動する搬送ラ
インで、図では主にカーブ部1aを示している。
直線部1bは、第7,8図で説明したように、その直線長さ
に相当した駆動軸3bが配設される。
さてカーブ部1aにおいて、駆動軸3aは、駆動軸部材4と
自由回転軸部材5とが交互に自在継手6で連結され、カ
ーブ部1aの円弧に沿って配設されて構成される。駆動軸
部材4は軸受7にて回転自在に支承され、また駆動装置
8にて回転されるようになっている。
自由回転軸部材5は、その前後両側の駆動軸部材4に自
在継手6を介して回転を伝えるための内側回転軸9と、
その回転軸9にブッシュ、プレーンベアリングなどの軸
受10を介して回転自在に嵌合された外側回転軸11からな
り、この外側回転軸11の径Dが駆動軸部材4の径Dと同
一になるように形成される。
他方、台車2はその前後に、ゴムタイヤからなる被駆動
輪12a,12bが設けられ、その被駆動輪12a,12bが第9図、
第10図の従来例で説明したとおり搬送ライン1(及び台
車2の軸線U)に対して所定角度θねじれた位置で台車
2に取り付けられている。
この前後の被駆動輪12a,12bの中心間の距離l1に対し、
駆動軸部材4と自由回転軸部材5のピッチl2,l3を大き
く(l2>l1、l3>l1)形成する。
次に本発明の作用を説明する。
台車2が搬送ライン1の直線部1bを移動する場合、従来
と同様、その直線部1bの駆動軸3bの回転により、前後の
被駆動輪12a,12bが回転され、台車2がその駆動軸3bに
沿って直線移動する。
次に台車2が搬送ライン1のカーブ部1aを移動する場
合、台車2の前後の被駆動輪12a,12b間の距離l1が、駆
動軸部材4と自由回転軸部材5のピッチl2,l3より小さ
く形成されるため、カーブ部1aに沿って台車2が旋回す
る際には、その前後の被駆動輪12a,12bは第3図、第4
図、第5図に示した状態で旋回する。
すなわち、第3図に示すように前後の被駆動輪12a,12b
が、駆動軸部材4と自由回転軸部材5とに跨った状態
と、第4図に示すように前後の被駆動輪12a,12bが、一
つの駆動軸部材4に接触した状態と、第5図に示すよう
に前後の被駆動輪12a,12bが一つの自由回転軸5に接触
した状態とになる。
第3図の場合、台車2の前輪側の被駆動輪12aは、駆動
軸部材4の回転により回転され、台車2を移動する力が
伝達されるが、後輪側の被駆動輪12bは、自由回転軸5
と接触するため、回転力は伝達されない。従って駆動軸
部材4の回転によりその前輪側の被駆動輪12aを介して
台車2が移動され、後輪側の被駆動輪12bは、その移動
に追従して自由回転軸部材5を自由回転するため、両被
駆動輪12a,12b間に速度差を生じることがなく、かつそ
のスベリも少なくなる。
第4図の場合においては前後の被駆動輪12a,12bが一つ
の駆動軸部材4と共に接触するため、直線移動と同様の
状態となり、速度差もスベリもなく移動できる。
また、第5図の場合、前後の被駆動輪12a,12bは、一つ
の自由回転軸部材5と接触し、スベリは生じないが、駆
動も伝達されない。しかしこの場合には、台車2の慣性
で移動するか、或いは第2図で説明したように自由回転
軸5の内側回転軸9と外側回転軸11間の軸受10の摩擦係
数μを適当に選ぶことにより内側回転軸9の回転が外側
回転軸11に伝達され、この回転で台車2を移動すること
ができる。
すなわち、被駆動輪12a,12bから外側回転軸11への押付
力の反力をWとし、外側回転軸11の前進力をPとすると
P=μW d/Dなる前進力が得られる。またこの場合外
側回転軸11の回転力が大きいと、第3図の状態のときス
ベリを生じ易くなるためスベリの生じないように摩擦係
数μと内側回転軸9の径dを選定する。
尚、上述の実施例においては、台車2に設ける被駆動輪
12a,12bを前輪と後輪の二つ設ける例で説明したが、第
6図に示すように前輪と後輪側12a,12b間の中央に中央
側被駆動輪12cを設けてもよい。この場合においては、
前輪側12a,12b間の距離l1が駆動軸部材4と自由回転軸
部材5のピッチl2,l3に対してl1>l2,l3となるように形
成する。
[発明の効果] 以上詳述してきたことから明らかなように本発明によれ
ば次のごとき優れた効果を発揮する。
(1) 搬送ラインのカーブ部を駆動軸部材と自由回転
部材とを交互に連結して形成し、台車の前後の被駆動輪
の距離をその駆動軸部材と自由回転軸部材のピッチより
大きく形成することで、前後の被駆動輪がつ二つの駆動
軸部材に同時に接触することがないので、その前後の被
駆動輪で速度差を生ぜず、駆動軸部材と被駆動輪間でス
ベリを生じない。
(2) 前後の被駆動輪の速度差がなく、かつスベリが
生じないので、被駆動輪の摩耗が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す図、第2図は第1図の
要部拡大断面図、第3図、第4図、第5図は本発明にお
いて台車が旋回する状態を説明する平面図、第6図は本
発明の他の実施例を示す平面図、第7図は摩擦駆動式台
車搬送装置の概要を示す全体平面図、第8図は第7図に
おけるカーブ部の詳細平面図、第9図は第7図の台車を
示す平面図、第10図は第7図において直線部を移動する
場合の説明図、第11図、第12図、第13図、第14図、第15
図は従来において台車が、旋回動するにおいて前後の被
駆動輪に速度差が生じることを説明するための説明図で
ある。 図中、1は搬送ライン、1aはカーブ部、2は台車、3a,3
bは駆動軸、4は駆動軸部材、5は自由回転軸部材、6
は自在継手、12a,12bは被駆動輪である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送ラインに沿って案内される台車の前後
    に、その搬送ラインに対して所定角度ねじられた被駆動
    輪を設け、他方搬送イランに、その前後の被駆動輪と接
    触して被駆動輪を回転すべく駆動輪を配設した摩擦駆動
    台車搬送装置において、上記搬送ラインのカーブ部の駆
    動軸を、駆動軸部材と自由回転軸部材を多数交互に連結
    した円弧状に形成し、かつ上記台車の前後の被駆動輪の
    距離に対して上記駆動軸部材と自由回転部材のピッチを
    大きく形成したことを特徴とする摩擦駆動台車の旋回装
    置。
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