JPH0671503A - ダイヤモンド切削工具およびその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド切削工具およびその製造方法

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JPH0671503A
JPH0671503A JP16162093A JP16162093A JPH0671503A JP H0671503 A JPH0671503 A JP H0671503A JP 16162093 A JP16162093 A JP 16162093A JP 16162093 A JP16162093 A JP 16162093A JP H0671503 A JPH0671503 A JP H0671503A
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JP
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diamond
layer
group
cutting tool
cutting edge
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Withdrawn
Application number
JP16162093A
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English (en)
Inventor
Akihiko Ikegaya
明彦 池ケ谷
Keiichiro Tanabe
敬一朗 田辺
Toshiya Takahashi
利也 高橋
Naoharu Fujimori
直治 藤森
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気相合成ダイヤモンドを含有する刃先を工具
基体にろう付けした切削工具において、切削加工時にろ
う層の熱的ダメージが少ない工具を提供する。 【構成】 刃先22が工具基体21にろう付けされたダ
イヤモンド切削工具において、刃先22は、多結晶ダイ
ヤモンドからなるダイヤモンド層11と、金属またはセ
ラミックスと多結晶ダイヤモンドとが混在する複合層1
2と、金属またはセラミックスからなる層13とで構成
されており、刃先22のすくい面25はダイヤモンド層
11により構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンド切削工具
に関し、特に、気相合成により形成されたダイヤモンド
を刃先に用い、耐摩耗性および耐欠損性に優れた切削工
具、ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは硬度および熱伝導率が高
いため、Al合金を初めとする非鉄金属や黒鉛、セラミ
ックスの切削加工用工具材料として特に有用である。
【0003】工具材料として使用されるダイヤモンド
は、単結晶のものと多結晶のものに分けられる。単結晶
ダイヤモンドは、その物理的特性において優れた材料で
あるが、非常に高価である上に、工具材料として所望す
る形状に加工することは容易でなく、しかも劈開すると
いう欠点を有している。
【0004】一方、工具材料としての多結晶ダイヤモン
ドは、2種類に大別することができる。その1つは、微
細なダイヤモンド粉末とCoなどの鉄族金属をダイヤモ
ンドが安定な超高圧、高温下で焼結することにより得ら
れる焼結ダイヤモンドである。このような焼結技術は、
たとえば、特公昭52−12126号公報に記載されて
いる。
【0005】市販されている焼結ダイヤモンドのうち、
特に粒径が数十μm以下の粒径のものは、上記の単結晶
ダイヤモンドに見られるような劈開現象が生ずることな
く、優れた耐摩耗性を有することが知られている。
【0006】しかしながら、焼結ダイヤモンドは、数%
〜数十%の結合材を含有するため、焼結体を構成するダ
イヤモンド粒子が切削時に脱落して、ダイヤモンドの刃
先が欠けていくことがあった。この脱落現象は、工具刃
先のくさび角が小さくなるほど顕著になるので、焼結ダ
イヤモンド製の鋭利な切刃を長持ちすることは困難であ
った。
【0007】さらに、焼結ダイヤモンドは結合材を含む
ため、単結晶よりも耐熱性に劣り、切削時の摩耗が進行
しやすかった。
【0008】これに対し、もう1つの切削工具用多結晶
ダイヤモンドである気相合成ダイヤモンドは、緻密でし
かもダイヤモンドのみからなるため、焼結ダイヤモンド
に比べて耐熱性および耐摩耗性により優れ、しかも欠損
が生じにくいものである。このような気相合成ダイヤモ
ンドは、一般に、メタン等の炭化水素と水素を主成分と
する原料ガスを低圧下で分解・励起させる化学蒸着(C
VD)によって作製されている。
【0009】気相合成ダイヤモンドを用いた切削工具と
して、たとえば、工具基体上に直接ダイヤモンドを被覆
したダイヤモンドコーティング工具が開発されている。
しかし、ダイヤモンドコーティング工具の場合、工具基
体とダイヤモンド薄膜の密着性が重要であり、たとえ
ば、超硬合金上にダイヤモンド薄膜を形成した工具で
は、切削加工中にダイヤモンド薄膜が剥離するという問
題があった。
【0010】また、気相合成ダイヤモンドを工具基体に
直接ろう付けするダイヤモンド切削工具の開発も行なわ
れている。たとえば、特開平1−153228号公報お
よび特開平1−210201号公報は、超硬合金からな
る工具基体に気相合成ダイヤモンドの厚膜を切刃として
ろう付けし、切削工具として供する技術を開示してい
る。このような工具は、ダイヤモンドコーティング工具
で問題となったダイヤモンドの剥離が起こらない上に、
従来の焼結ダイヤモンドを用いた工具より優れた性能を
有している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】気相合成された多結晶
ダイヤモンドの刃先部材を有する切削工具は、従来のダ
イヤモンド焼結体を用いた工具に比べて強度、耐摩耗性
および耐熱性に優れた性質を有している。
【0012】このような気相合成ダイヤモンドを用いた
切削工具においても、刃先部材を工具基体にろう付けす
るため、ダイヤモンド焼結体を用いる工具と同様に、融
点が650℃前後のろう材が用いられる。この場合、気
相合成ダイヤモンドの熱伝導率がダイヤモンド焼結体よ
りも高いため、切削加工時に刃先で発生する熱により、
気相合成ダイヤモンドを用いる切削工具は、焼結ダイヤ
モンドを用いる工具よりもろう層に対して熱的ダメージ
を受けやすい。切削加工時にろう層が熱により軟化して
変形を起こすと、気相合成ダイヤモンドの刃先は欠損す
るようになる。
【0013】このような問題に対処するため、融点が8
00℃以上1300℃以下より好ましくは1000℃以
上1300℃以下のろう材を用いて、気相合成ダイヤモ
ンドを工具基体にろう付けする技術が提案されている
(特願平3−104411)。
【0014】しかしながら、かかるろう材、特に100
0℃以上の融点を有するろう材を用いる場合、従来の6
50℃前後の融点を有するろう材と比較して、ろう付け
が極端に難しくなる。また、特に真空ろう付けが必要な
場合、高価な専用設備が必要となり、手軽にろう付けを
行なうことは困難になる。
【0015】さらに、気相合成ダイヤモンドを工具基体
にろう付けするダイヤモンド工具において、くさび角が
65°よりも小さい鋭利な刃先を形成した場合、断続切
削や硬質セラミックスの切削など刃先に高い応力や衝撃
荷重が加わる切削では、刃先が欠損しやすいという問題
があった。
【0016】本発明の目的は、気相合成ダイヤモンドを
用いる刃先のろう付けが容易であり、しかも、切削加工
時においてろう材が熱によるダメージを受けにくいダイ
ヤモンド切削工具を提供することにある。
【0017】本発明のさらなる目的は、高い強度および
優れた耐久性を有するダイヤモンド切削工具を提供する
ことである。
【0018】
【課題を解決するための手段および発明の作用効果】本
発明のダイヤモンド切削工具は、工具基体と、工具基体
上に設けられ、かつ気相合成された多結晶ダイヤモンド
を含む刃先部材とを備える。第1の発明において、刃先
部材は3つの層を含む。第1の層は、気相合成された多
結晶ダイヤモンドからなり、かつ刃先のすくい面を形成
する。第2の層は、第1の層上に形成され、かつ線膨張
係数が多結晶ダイヤモンドよりも工具基体に近いかまた
は線膨張係数が工具基体と多結晶ダイヤモンドの間にあ
る金属およびセラミックスの少なくともいずれかと、気
相合成された多結晶ダイヤモンドとからなる。第3の層
は、第2の層上に形成され、かつ上記金属および上記セ
ラミックスの少なくともいずれかからなる。このような
積層構造を有する刃先部材は、第3の層を介して工具基
体にろう付けされる。
【0019】このダイヤモンド切削工具を製造するため
の方法は、基材上に気相合成によりダイヤモンド層を形
成する工程と、線膨張係数が多結晶ダイヤモンドよりも
工具基体に近いかまたは線膨張係数が工具基体とダイヤ
モンドとの間にある金属およびセラミックスの少なくと
もいずれかからなる粉末を気相中に供給しながら、上記
ダイヤモンド層上に気相合成によりダイヤモンドを堆積
させる工程と、次いでダイヤモンドの合成を中止し、上
記金属および上記セラミックスの少なくともいずれかを
堆積させる工程と、基材を分離または除去して積層構造
を有する刃先材を得る工程と、上記ダイヤモンド層の基
材に接触していた面側をすくい面側として刃先材を工具
基体にろう付けする工程とを備える。
【0020】第2の発明に従って、工具基体上に設けら
れる刃先部材は、刃先のすくい面を形成し、かつダイヤ
モンド複合材からなる部分を備える。このダイヤモンド
複合材は、Si、B、Ge、IVa族遷移金属、Va族
遷移金属、VIa族遷移金属ならびにB、Al、Si、
IVa族遷移金属、Va族遷移金属およびVIa族遷移
金属の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物および硼化物
ならびにダイヤモンドからなる群から選択される少なく
とも1つの材料からなる粒子または繊維と、上記粒子ま
たは上記繊維を強固に結合する気相合成された多結晶ダ
イヤモンドとからなる。
【0021】このダイヤモンド切削工具を製造するため
の方法は、鏡面仕上げされた面を有する基材を準備する
工程と、上記面上に、Si、B、Ge、IVa族遷移金
属、Va族遷移金属、VIa族遷移金属ならびにB、A
l、Si、IVa族遷移金属、Va族遷移金属およびV
Ia族遷移金属の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物お
よび硼化物ならびにダイヤモンドからなる群から選択さ
れる少なくとも1つの材料からなる粒子または繊維を供
給しながら、上記面上に気相合成によりダイヤモンドを
析出させる工程と、上記基材を分離または除去すること
によって、上記材料と、その材料を強固に結合する多結
晶ダイヤモンドとからなるダイヤモンド複合材を得る工
程と、ダイヤモンド複合材で基材に接触していた面側を
刃先のすくい面として上記複合材を工具基体にろう付け
する工程とを備える。
【0022】本発明において、気相合成によるダイヤモ
ンドの形成には、種々の低圧気相法が適用できる。たと
えば、熱フィラメントやプラズマ放電を利用して原料ガ
スを分解・励起させる方法や、燃焼炎を用いた成膜方法
が有効である。
【0023】また、原料ガスとしては、たとえば、メタ
ン、エタン、プロパンなどの炭化水素、メタノール、エ
タノールなどのアルコール、またはエステルなどの有機
炭素化合物と、水素とを主成分として混合したガスを用
いることができる。また、これら以外にアルゴンなどの
不活性ガスや、酸素、一酸化炭素、水などがダイヤモン
ドの合成反応やその特性を阻害しない範囲で原料中に含
有されてもよい。
【0024】本発明において、工具基体には、たとえ
ば、超硬合金、サーメットなどの耐熱性複合材料、鋳
鉄、超合金などの耐熱合金、および高速度鋼などの種々
の鋼等を用いることができる。
【0025】3層構造を有する刃先部材が工具基体に設
けられるダイヤモンド切削工具において、刃先部材に含
有される金属として、たとえば、Mo、W、Cr、V、
Nb、Ta、Co、Ni、Fe等を用いることができ、
セラミックスとして、たとえば、cBN、SiC、Si
3 4 、WC、BN、TiC、TaC、NbC、Cr 3
2 、Mo2 C、VC、TiN等を用いることができ
る。これらの材料は、ダイヤモンドとの密着性および工
具基体との密着性ならびに線膨張係数を考慮して、適
宜、適当なものが選択され、あるいは組合わされること
が望ましい。
【0026】超硬合金の工具基体を用いる場合、Si
C、Si3 4 、WC、W、Moがより好ましく用いら
れ、これらは、ダイヤモンドよりも工具基体に近い線膨
張係数を有する。一方、高速度鋼の工具基体を用いる場
合、SiC、Si3 4 、WC、Mo2 C、Cr
3 2 、VC、Mo、W、Crがより好ましく用いら
れ、これらは、工具基体とダイヤモンドとの間の線膨張
係数を有する。高速度鋼の工具基体の場合、本発明に従
う金属またはセラミックスは、通常、工具基体とダイヤ
モンドとの間の線膨張係数を有する。
【0027】気相合成ダイヤモンドとの密着性に関して
は、SiC、Si3 4 、WC、BN、W、Moがより
好ましく、ダイヤモンドとの密着性は、cBN、Si
C、Si3 4 、WC、hBN、W、Moの順で優れて
いる。
【0028】一方、上述した材料からなる工具基体との
密着性に関しては、工具基体の種類にもよるが、Mo、
W、WC、TiC、Cr、Co、Ni、Feが好まし
い。
【0029】以上のことから、たとえば、刃先において
工具基体により近い部分には、工具基体の種類にもよる
が、工具基体との密着性に優れたMo、W、WC、C
r、Co、NiまたはFeを多く含有させる一方、刃先
においてダイヤモンド層により近い部分にはcBN、S
iC、Si3 4 、WC、BN、WまたはMoを多く含
有させることも好ましい。
【0030】3層構造を有する刃先は工具基体にろう付
けされる。ろう付けのためのろう材には、たとえば、ろ
う付け温度が250℃〜450℃の軟ろうや、JIS
BAg−3に相当するろう付け温度600℃〜700℃
の銀ろうを用いることができる。ろう付けは、周期律表
のIIIb族、IVa族、IVb族、Va族、Vb族、
VIa族、VIb族、VIIa族およびVIII族に含
まれる金属および半金属元素ならびにこれらの化合物の
いずれかからなるメタライズ層を介して好ましく行なう
ことができる。
【0031】3層構造を有する刃先の厚さは、たとえ
ば、20〜5000μm、より好ましくは100〜10
00μmとすることができる。
【0032】第1の発明の刃先部材が作製されるとき、
第1の層(ダイヤモンド層)は、基材表面から気相合成
が開始される。このダイヤモンド層で基材に接触してい
た面がすくい面となるよう刃先部材をろう付けすると
き、ダイヤモンド層のすくい面に最小の結晶粒径を有す
るダイヤモンドが最も多く存在するものを得ることがで
きる。第1の層の厚みは40μm以上が好ましく、70
μm以上がより好ましい。第2の層(複合層)の厚み
は、10〜300μmが好ましく、30〜100μmが
より好ましい。第2の層において、ダイヤモンドの含有
率は、たとえば0.5〜99vol%とすることがで
き、金属またはセラミックスの含有率は、たとえば1〜
99.5vol%とすることができる。また、ダイヤモ
ンドの含有率は、第3の層に向かって漸減するように傾
斜させるのがより好ましい。金属またはセラミックスか
らなる第3の層の厚みは、たとえば、50〜2000μ
mが好ましく、100〜1000μmがより好ましい。
【0033】本発明に従って、特に、ねじれ刃等ねじれ
た形状を有する刃先部材が工具基体にろう付けされた工
具を提供することができる。このような工具は、種々の
フライス、ドリル等に適用できる。
【0034】以上に示した切削工具において、そのすく
い面は平滑であることが好ましく、たとえば、すくい面
の面粗さRmax が0.2μm以下であることが好まし
い。
【0035】3層構造を有する刃先部材の製造におい
て、ダイヤモンド層(第1の層)を形成させる基材とし
ては、たとえば、SiおよびMo等が好ましく用いられ
る。このような基材は、機械加工または化学的処理によ
る分離または溶解等によって、ダイヤモンド層から分離
させることができる。ダイヤモンド層が形成されるべき
基材の表面は、面粗さRmax が0.2μm以下となるよ
う鏡面仕上げされていることが好ましい。ダイヤモンド
層は、たとえば40μm以上、より好ましくは70μm
以上の厚みで形成することができる。
【0036】3層構造を有する刃先部材の製造におい
て、気相中に供給される金属粉末またはセラミックス粉
末は、上述した材料から形成することができる。このよ
うな粉末の粒径は、たとえば、0.1〜150μmが好
ましく、0.2〜60μmがより好ましい。粉末は、ダ
イヤモンドの気相合成に用いる原料ガスの流れに供給す
ることで、基材上にダイヤモンドとともに密着させるこ
とができる。この際、粉末を一旦完全に溶融させてもよ
く、また粉末を半溶融の状態としてもよく、あるいは全
く溶融させなくともよい。
【0037】粉末を供給しながらの被膜形成は、たとえ
ば、公知のCVDに従って行なうことができるが、高温
プラズマCVDを用いた溶射プロセスに従って行なうの
がより好ましい。これは、高温プラズマジェットが温度
分布を有するので、粉末が供給される位置を変えること
によって、粉末を溶融させたり、半溶融の状態とした
り、あるいは全く溶融させずに供給することが容易に行
なえるからである。また、粉末の大きさを変えて供給す
れば、その熱容量の変化により同様に粉末の状態を制御
することができる。
【0038】以上のようにして粉末を供給しながらダイ
ヤモンドを堆積させれば、金属またはセラミックスとダ
イヤモンドとが混在する複合層(第2の層)が形成され
る。このような複合層の厚みは、10〜300μmが好
ましく、30〜100μmがより好ましい。
【0039】上記複合層の上に堆積される金属またはセ
ラミックスの層は、たとえば、公知の蒸着法やスパッタ
等によって形成することができるが、上述したような溶
射プロセスを続行させることにより好ましく形成させる
ことができる。このようにして形成される金属またはセ
ラミックス層の厚みは、50〜2000μm、より好ま
しくは100〜1000μmとすることができる。
【0040】以上のように形成された堆積物は、基材の
溶解除去などによって分離される。この分離に先立っ
て、堆積物をレーザ等により加工してもよいし、分離後
に所定の形状にレーザ加工してもよい。なお、上記粉末
が、基材の溶解除去時に溶解されるような材料を含む場
合、堆積物を保護膜で覆う等の操作により、金属または
セラミックスを含有する層が溶解液に接触しないような
処置が必要となる。
【0041】上述したような多層構造を有する刃先部材
は、工具基体にろう付けし刃付けを行なった後、ホーニ
ングやネガランド等の刃先処理を施すことができる。
【0042】3層構造を備える刃先部材において、多結
晶ダイヤモンドからなるすくい面は、工具に優れた耐熱
性、耐摩耗性および耐欠損性を付与する。特に、すくい
面側から気相合成が開始されたダイヤモンド層を用いれ
ば、すくい面は成長初期の微細組織を有しており、ダイ
ヤモンド層中最も粒径の小さいダイヤモンド結晶で構成
される。このような微細組織で構成されるすくい面は、
特に、耐摩耗性および耐欠損性に優れている。
【0043】さらに重要な部分は、第1の層に続いて形
成される第2の層と第2の層に続いて形成される第3の
層である。
【0044】第2の層は金属またはセラミックスとダイ
ヤモンドが混在する層であり、第3の層は金属またはセ
ラミックスからなる層である。これらの層を構成する金
属およびセラミックスは、ダイヤモンドよりも熱伝導率
が小さい。したがって、これらの層はダイヤモンド層よ
りも熱が伝わりにくい。
【0045】第1の発明に従う切削工具では、刃先が第
3の層を介してろう付けされているので、切削時におい
て刃先の第1の層(ダイヤモンド層)で発生した熱は、
第2の層および第3の層を介してろう層に伝わる。第2
の層および第3の層は、ダイヤモンドより熱が伝わりに
くいため、第1の発明に従う切削工具は、刃先がダイヤ
モンドのみからなる従来の工具よりも刃先に生ずる熱が
ろう層に伝わりにくく、ろう層に対して熱的ダメージを
受けにくい。このような多層構造を有する刃先を用いた
ため、切削加工時にろう材が軟化により変形してダイヤ
モンド刃が欠損するという問題を回避することができ
る。
【0046】加えて、第2の層および第3の層の金属な
らびにセラミックスは、ダイヤモンドよりも工具基体に
近い線膨張係数または工具基体とダイヤモンドの間の線
膨張係数を有する。しかも、刃先のろう付けは第3の層
を介して行なわれている。このように、ろう付けに関与
する部分には、工具基体に近い線膨張係数を有する材料
が用いられるため、ろう付けに際し、線膨張係数の差に
起因して発生する熱応力は、ダイヤモンドを直接ろう付
けする場合に比べて顕著に小さく抑えることができる。
熱応力を小さくすることで、たとえば、熱ショックによ
る刃先の破壊等を防止することができ、より耐久性に優
れた切削工具を提供することができる。
【0047】特に、ねじれ刃等の複雑な形状を有する刃
先をろう付けする場合、上述したように熱応力を小さく
抑えれば、ろう付け時の刃先の変形を効果的に小さく抑
えることができ、本発明の効果がさらに大きく生かされ
る。
【0048】また、第2の層は、上述したように熱伝導
を抑制するとともに、ろう付けに適した第3の層とダイ
ヤモンド層とを強く結合する役割を果たしている。この
層が存在しないと、刃先のダイヤモンド層は剥がれやす
くなり、切削工具の耐久性も劣るようになる。
【0049】一般に刃先を構成するダイヤモンド材の製
造において、基材上に形成したダイヤモンド材が薄い
と、基材を除去するに際してダイヤモンドに変形が生じ
る。このような変形は、ねじれ刃等の平板以外の刃先を
作製する場合に特に問題となる。このような問題を回避
するため、ダイヤモンド材を厚くすればよいが、厚いダ
イヤモンド材はコストが高くなる。本発明では、ダイヤ
モンドと他の安価な材料が混在する刃先を形成すること
で、刃先のコストを低く抑えられるうえに、すくい面を
構成するダイヤモンド層が強く支持され、かつ熱応力に
よる刃先の変形が顕著に抑えられる。
【0050】第1の層上に第2の層を堆積させるに際
し、金属またはセラミックスの粉末は、溶融されてもよ
く、また半溶融の状態でもよく、さらには溶融されなく
ともよい。粉末が溶融しない条件をとる場合、粉末の粒
子を核としてダイヤモンドを成長させることもでき、気
相合成ダイヤモンドがバインダとなった複合層が得られ
る。この複合層においてダイヤモンドと粉末粒子との密
着性は非常に良い。
【0051】第2の層の形成の後、ダイヤモンドの合成
は停止され、第2の層の上に金属またはセラミックスの
層が形成される。次に、3つの層が堆積された堆積物
は、基材から分離され、刃先材として工具基体にろう付
けされる。ろう付けにあたっては、ダイヤモンド層の基
材に接触していた面がすくい面とされる。したがって、
金属またはセラミックスからなる層を介してろう付けが
行なわれる。ダイヤモンド層が堆積される基材の表面を
平滑にしておけば、このようなろう付けを行なうこと
で、平滑なすくい面を得ることができる。また、ダイヤ
モンド層の基材に接触していた面は、気相合成が開始さ
れた部分であるので、上述したように耐摩耗性および耐
欠損性に優れた微細組織を有する。
【0052】次に、従来のダイヤモンド刃より熱伝導率
の低い刃先材を工具基体にろう付けする。超硬合金の台
金を使用する場合は従来と同様、融点が650℃前後の
ろう材を用いても、切削加工時にろう層への熱的ダメー
ジを抑制することができる。ろう付けに対して特別な配
慮は不要であり、ろう付けは容易に行なうことができ
る。
【0053】第2の発明において、気相合成ダイヤモン
ドと複合化されるべき材料は、粉末、繊維、またはそれ
らの混合物とすることができる。粉末の材料を用いる場
合、その平均粒径は、200μm以下が好ましく、1〜
50μmがより好ましい。また、繊維状の材料を用いる
場合、その直径は、200μm以下が好ましく、1〜5
0μmがより好ましい。上記材料の成分として好ましく
用いられるIVa、VaおよびVIa族遷移金属には、
Ta、Mo、およびW等が含まれる。また、好ましく用
いられるB、Al、Si、IVa、VaおよびVIa族
遷移金属の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物および硼
化物には、AlN、BN、B4 C、SiC、Si
3 4 、TiC、TiN、Ti(CN)、TiB2 、M
2 C、TaC、NbC、VC、およびWC等が含まれ
る。
【0054】工具基体には、たとえば、超硬合金、超合
金などの耐熱合金、および高速度鋼等の種々の鋼等を用
いることができる。特に、超硬合金は、高温強度および
耐摩耗性に優れ、工具基体材料としてより好ましい。
【0055】第2の発明に従う工具において、ダイヤモ
ンド複合材によってすくい面を構成する部分の厚みは、
10〜3000μmとすることができる。
【0056】また、ダイヤモンド複合材を用いる第2の
発明において、(111)結晶面が明瞭に現われた立方
晶BNの粒子と気相合成多結晶ダイヤモンドとを好まし
く複合化させることができる。この場合、すくい面とほ
ぼ平行に配向する主要な結晶面が(111)面である刃
先部材を提供することができる。多結晶ダイヤモンドの
(111)面が配向している部分は、たとえば、刃先の
すくい面から少なくとも10μmの深さまで、より好ま
しくは少なくとも50μmの深さまで形成されているこ
とがよい。この場合、立方晶BN粉末の平均粒径は、1
〜30μmのものが好ましい。
【0057】ダイヤモンド複合材は、工具基体にろう付
けすることができる。ろう付けは、周期律表のIIIb
族、IVa族、IVb族、Va族、Vb族、VIa族、
VIb族、VIIa族およびVIII族に含まれる金属
および半金属元素ならびにこれらの化合物のいずれかか
らなるメタライズ層を介して行なわれることがより好ま
しい。
【0058】ダイヤモンド複合材を形成するために用い
られる基材には、たとえば、SiおよびMo等が好まし
く用いられる。また、複合材が上に形成されるべき基材
表面は、面粗さRmax が0.2μm以下となるよう鏡面
仕上げされていることが好ましく、より好ましくはダイ
ヤモンド粉末による傷入れ処理がさらに施されているの
がよい。
【0059】供給する粉末または繊維の大きさや量、お
よびダイヤモンドの合成速度によって、基材表面とダイ
ヤモンド複合層との間に若干の空隙が生じ、ダイヤモン
ド複合材の基材面側のRmax が0.2μmを超えること
もある。このような場合には、初期には粉末または繊維
を供給せず、ダイヤモンド薄膜を形成させた後、粉末ま
たは繊維を供給するのがよい。
【0060】基材は、機械加工または化学的処理による
分離・溶解等によって、ダイヤモンド複合材から分離ま
たは除去することができる。
【0061】ダイヤモンド複合材の厚みは、たとえば、
10〜3000μmとすることが好ましく、より好まし
くは200〜500μmとするのがよい。また、得られ
るダイヤモンド複合材は、たとえば、切断等によって適
当な大きさまで加工されてもよいし、そのままの大きさ
で使用されてもよい。
【0062】得られたダイヤモンド複合材は、工具基体
にろう付けされる。ろう付けにあたり、基材と接触して
いたダイヤモンド複合材の面側、すなわち結晶成長の開
始面側が、切刃のすくい面とされる。したがって、この
面側と対向する面側、すなわち結晶成長の終了面側が、
通常、ろう付け面とされる。このろう付け面には、ろう
付けに先立って上述したようなメタライズ層を形成する
ことが好ましい。ろう付けは、メタライズ層を介して効
果的に行なうことができる。ただし、Ti等を含有する
活性化ろう材の場合には必ずしもメタライズは必要でな
い。
【0063】また、ダイヤモンド複合材の調製のため、
(111)結晶面が明瞭に現われ、かつ(111)面の
面積比が比較的大きい立方晶BN粉末を用いる場合、鏡
面仕上げされた基材面に対して粉末の(111)面がほ
ぼ平行に向くように粉末を供給しながら、上記基材面に
ほぼ平行に(111)面が配向するよう気相合成により
ダイヤモンドを析出させることができる。この場合、立
方晶BN粉末の(111)面が基材面と平行になるよう
その粉末を基材上に分散することにより、上記基材面と
平行に(111)面が強く配向する多結晶ダイヤモンド
を形成させることができる。このとき、供給する立方晶
BN粉末の平均粒径は、1〜30μmのものが好まし
い。
【0064】また、上述したCVDにおいて、カーボン
濃度を相対的に下げること(たとえば水素ガスに対し
て)により、(111)面を強く配向させることができ
る。
【0065】工具基体にろう付けされるダイヤモンド複
合材において、この(111)面が配向する部分は、す
くい面から少なくとも20μmまで、より好ましくは少
なくとも50μmまで形成されているのがよい。
【0066】第2の発明に従ってダイヤモンド複合材を
用いる切削工具の刃先において、少なくともすくい面側
から或る深さまでの部分は、上記材料からなる粒子また
は繊維が、析出した気相合成ダイヤモンドを介して強く
結合され、緻密な超硬質多結晶体となっている。この部
分は、粒子または繊維を核としてダイヤモンドが成長し
ているため、均一な微結晶片の結合体となっており、ダ
イヤモンドのみを成長させたときのような柱状晶組織と
は大きく異なっている。
【0067】さらに、熱膨張係数がダイヤモンドより大
きい材料をダイヤモンド中に均一に混在させることで、
ダイヤモンドに均一に圧縮応力が加わり、強度の高い複
合材を得ることができる。
【0068】これらのことから、第2の発明に従ってダ
イヤモンド複合材からなるすくい面は、より強度が高
く、耐摩耗性、耐欠損性に優れている。このようなすく
い面を有する工具は、より耐久性に優れたものである。
【0069】さらに、(111)面の配向した立方晶B
N粒子を用いる場合、この粒子の(111)面が基材面
とほぼ平行になるよう粒子を配置してダイヤモンドを蒸
着させることができる。この場合、複合材においてダイ
ヤモンドの(111)結晶面が、すくい面とほぼ平行に
配向する主要な結晶面である。ダイヤモンドがBN粒子
についてヘテロエピタキシャル成長されているため、切
刃のすくい面では、BN粒子がより強固に結合されてい
る。このような工具は、高い強度を有するうえ、ダイヤ
モンドにおいて最も硬度の高い(111)結晶面がすく
い面に配向されているので、耐摩耗性にも優れたもので
ある。
【0070】また、切刃が立方晶BNとダイヤモンドの
複合材で構成された工具は、BNを含有するため、鉄系
材料の切削にも使用することができる。これに対し、切
刃がダイヤモンドのみからなる工具は、Al合金、Cu
合金等の非鉄金属の切削に適用される一方、鉄系材料の
切削には使用することができない。これは、鉄系材料を
切削すると、ダイヤモンドが非ダイヤモンド炭素になる
ような化学反応が生じるためである。本発明に従う工具
は、たとえば、Al合金と鉄系材料を同時に加工できる
といういわゆる共削りの要望に応えるものである。
【0071】ダイヤモンド複合材の調製において、粒子
や繊維を核とすることでダイヤモンド複合体の成長速度
を高めることができる。以下に述べる具体例には、粒子
を溶融させないで基材表面に供給する例を示したが、粒
子や繊維を供給する場合、材料の種類によって、基材上
で、粒子や繊維を溶融させる状態、半溶融させる状態、
溶融させない状態のいずれの状態もとることができる。
粒子または繊維とダイヤモンドとを複合させることで、
強固な材料をより短時間に形成させることができる。
【0072】また、(111)結晶面が明瞭に現われた
立方晶BNの粉末を用い、この(111)面が基材面と
ほぼ平行になるよう粉末を基材上に載せ、ダイヤモンド
の気相合成を行なえば、(111)面が強く配向するダ
イヤモンドの成長が可能となる。この方法により、基材
面とほぼ平行に(111)面が強く配向したダイヤモン
ドをより高い速度で気相成長させることが可能になる。
【0073】すくい面にダイヤモンドの(111)面が
配向した工具は、上述したように耐久性に優れている。
しかも、以上のプロセスをとることで、より短時間で耐
久性に優れた刃先部材を製造することができる。
【0074】鏡面仕上げされた基材面上にダイヤモンド
複合材を形成させる場合、基材を分離または除去して得
られたダイヤモンド複合材において、基材と接触してい
た面は鏡面となっている。この面は研磨仕上げを行なう
必要がないか、必要があっても簡単な研磨仕上げで十分
である。したがって、ダイヤモンドにおいて最も硬く研
磨仕上げの困難な(111)面をすくい面に配向させた
としても、十分に面粗さの低いすくい面を提供すること
ができる。ダイヤモンド複合材を刃先部材として工具基
体上に設ければ、耐久性に優れ、しかも鉄系および非鉄
系の両方の材料を切削することができる工具が得られ
る。
【0075】
【実施例】以下、本発明につき好ましい具体例を挙げて
説明する。
【0076】図1は、本発明のダイヤモンド切削工具を
製造するにあたって、多層構造を有する刃先を形成する
ための装置を示している。図を参照しながら本発明に従
う切削工具の製造方法について以下に説明する。
【0077】図1に示す装置は、高温プラズマCVDを
行なうためのものであり、排気口5から排気可能な真空
チャンバ1内に放電のための陰極2および陽極3が設け
られる。陰極2と陽極3の間には、電源4により直流電
圧が印加される。
【0078】ダイヤモンド合成のための原料ガスは、図
の矢印に示すように上記電極の間を通って供給され、そ
の供給口6での放電により分解および励起されたプラズ
マを生成するようになる。なお、このプラズマ生成から
ダイヤモンド形成に至る一連の操作において真空チャン
バ内は低圧にされている。
【0079】生成したプラズマは、その方向に設けら
れ、かつホルダ7にセットされた基材10の表面に当り
ダイヤモンドを成長させる。このようにして、適当な厚
みとなるまでダイヤモンド層が堆積される。
【0080】次に、ダイヤモンドを成長させながら、同
時にノズル9または9´を通じて金属またはセラミック
スの粉末を気相中に供給すれば、ダイヤモンド層上に金
属またはセラミックスとダイヤモンドが混在する層が形
成されていく。この際、粉末の供給位置を調節すること
で、粉末を溶融、半溶融、または未溶融の状態でダイヤ
モンド層上に堆積させることができる。
【0081】この層が適当な厚みになったら、金属およ
びセラミックスの少なくともいずれかからなる粉末の供
給を停止し、金属およびセラミックスの少なくともいず
れかを所定の組成となるように溶融させて堆積させる。
【0082】実施例1 Rmax 0.05μm以下となるよう鏡面仕上した直径1
インチのSi基材を用い、上記装置を用いた公知の高温
プラズマCVDにより、多結晶ダイヤモンドからなるダ
イヤモンド層を厚さ約100μmで形成させた。形成条
件は次のとおりである。
【0083】原料ガス(流量):CH4 40ml/m
in、Ar 4000ml/min、H2 2000m
l/min 圧力:200Torr 基板温度:900℃ 放電圧力:120V 放電電流:90A 次に、上記条件において、粒径8〜16μmのSiCを
2時間の間に5mg/minから1mg/minにまで
供給量を漸減させる一方、粒径2〜3μmのWを1mg
/minから10mg/minまで漸増させる方法でセ
ラミックスと金属を供給しながら、約100μmの厚み
のダイヤモンド複合層を形成させた。ダイヤモンド複合
層の形成に際してWとSiCは別々に供給され、Wは上
のノズル9から溶融状態で、SiCは下のノズル9´か
ら未溶融の状態でダイヤモンド層上に供給された。
【0084】次に、上記条件中、CH4 の供給を停止
し、粒径2〜3μmのWを、100mg/minで供給
し、溶融させた後ダイヤモンド複合層上に堆積させた。
形成されたW層の厚みは、約200μmであった。
【0085】このようにして作製された多層構造を有す
る材料は、図2に示すとおりである。基材10上には、
ダイヤモンド層11が約100μmの厚さで形成され、
ダイヤモンド層11上にはW、SiCおよびダイヤモン
ドが混在するダイヤモンド複合層12が約100μmの
厚みで形成される。さらに、ダイヤモンド複合層12の
上には、W層13が約200μmの厚さで形成されてい
る。
【0086】次に、このようにして多層構造が形成され
た材料について、形成された層が酸に浸蝕されないよう
にマスクを施した後、Si基材をフッ硝酸により溶解除
去して多層構造の刃先材を得た。その後、刃先として適
当な大きさおよび形状を得るためにレーザ加工を施し
た。
【0087】得られた刃先材において、W層上に厚さ2
μmでNiをメタライズした後、このメタライズ層が形
成された面を接合面として、超硬合金(SPG422)
の台金にJIS B Ag−3相当のろう材を用いて上
記刃先材を650℃にてろう付けした。
【0088】得られたダイヤモンド切削工具について、
その主要部を図3に示す。ダイヤモンド切削工具20に
おいて、超硬合金からなる台金21の所定の領域に、メ
タライズ層23およびろう層24を介して、刃先22が
固定されている。刃先22において、すくい面25はダ
イヤモンド層11によって構成される。また、刃先22
において、ダイヤモンド層11に続いてダイヤモンド複
合層12が形成され、ダイヤモンド複合層12に続いて
W層13が形成されている。W層13は、メタライズ層
23およびろう層24を介して台金21に接合されてい
る。
【0089】また、この工具において、ダイヤモンド層
で構成されるすくい面25の面粗さRmax は、0.08
μmであった。
【0090】比較例 一方、上記実施例と同じ装置を用い、同じSi基材上に
厚さ400μmのダイヤモンド層を形成させた。形成条
件は次のとおりである。
【0091】原料ガス(流量):CH4 40ml/m
in、Ar 4000ml/min、H2 2000m
l/min 圧力:200Torr 基板温度:900℃ 放電電圧:120V 放電電流:90A 次に、以上の条件で形成させたダイヤモンド材につい
て、刃先として適当な大きさおよび形状とするためレー
ザ加工等を施した後、Si基材をフッ硝酸により溶解除
去してダイヤモンド材を得た。
【0092】得られたダイヤモンド材において、結晶成
長の終了面に厚さ1μmでTi、厚さ2μmでNiを順
次積層した後、このメタライズ層が形成された面を接合
面として超硬合金(SPG422)の台金に同様にBA
g−3相当のろう材を用いて刃先として650℃でろう
付けをした。得られた切削工具は、超硬合金製の台金に
気相合成ダイヤモンドのみからなる刃先がろう付けされ
たものである。
【0093】以上の方法により作製したダイヤモンド切
削工具の性能を評価するため、以下の条件で2種類の切
削速度にて切削試験を実施した。
【0094】 被削材:A390−T6(Al−17%Si合金) 切削速度:300m/min、800m/min 切込量:0.5mm 送り速度:0.1mm/rev 冷却液:水溶性油剤 実施例および比較例においてそれぞれ作製したダイヤモ
ンド切削工具の試験結果は、表1に示すとおりであっ
た。すなわち、刃先の温度が高くなる高速で切削する条
件においては、比較例のダイヤモンドのみで構成された
刃先は、ろう材が軟化して比較的短時間で欠損してしま
い実用的に劣ることが明らかであった。これに対し、本
発明の切削工具は長時間の使用に対してもろう材の軟化
が生ぜず、優れた切削性能を示した。
【0095】
【表1】
【0096】以上説明したように、本発明によれば、す
くい面が気相合成ダイヤモンドで構成される刃先が、従
来と同様低い融点を有するろう材を用いて工具基体にろ
う付けすることができる。刃先のろう付けは容易であ
る。刃先を構成する第2の層および第3の層のため、ろ
う付け時の熱応力の発生を小さく抑えることができる。
【0097】さらに、第2および第3の層はダイヤモン
ド層に比べて熱伝導率が低いため、切削加工時に発生す
る熱は、ダイヤモンドのみで刃先が構成される従来の切
削工具よりも、ろう層に伝わりにくい。切削加工時にお
いてろう層は熱によりダメージを受けにくい。
【0098】以上のような優れた性能を有するダイヤモ
ンド切削工具は、特に、ろう付けに際して発生する熱応
力により変形が問題となるねじれ刃等、複雑な形状を有
する切削工具や、難削材の加工に用いられる切削工具に
有用である。
【0099】実施例2 図4は、本発明に従うダイヤモンド切削工具を製造する
にあたって、切刃として用いられるダイヤモンド複合材
を形成するための装置を示している。
【0100】図4の装置は、DCアークプラズマジェッ
トを原料ガスの分解・活性化に利用するDCアークプラ
ズマジェットCVD装置であり、排気口45から排気可
能な真空チャンバー41内に放電のための陰極42およ
び陽極43が設けられる。陰極42と陽極43の間に
は、電源44より直流電圧が印加される。
【0101】ダイヤモンド合成のための原料ガスは、図
の矢印に示すように、上記電極の間を通って供給され、
その供給口46での放電により分解・励起されてプラズ
マを生成するようになる。なお、このプラズマ生成から
ダイヤモンド形成に至る一連の操作において真空チャン
バー41内は低圧にされている。
【0102】生成したプラズマは、その移動方向に設け
られ冷却支持台47にセットされた基板48の面に当り
ダイヤモンドを成長させる。このダイヤモンドの成長と
同時に、粉末または繊維の供給用ノズル49または49
´を通じて金属またはセラミックス等の微粉末を基板4
8上に供給すれば、基板面上に金属またはセラミックス
等とダイヤモンドが混在する層が形成されていく。この
ようにして適当な厚みを有するダイヤモンド複合材を形
成することができる。また、図には示していないが、基
板表面に粉末や繊維が均一に広がるように支持台に振動
を与えている。
【0103】以上のように構成される装置において、R
max 0.1μm以下となるよう鏡面仕上げされた直径1
インチのSi基板を用い、#10000のダイヤモンド
粉末で傷付処理を行なった後、表2に示す条件でそれぞ
れダイヤモンド複合材を形成させた。なお、表2の条件
では、粉末や繊維を49´の位置のノズルから供給し、
粉末や繊維がプラズマジェットフレームにより溶融しな
い条件を選択している。
【0104】
【表2】
【0105】次に、弗硝酸でSi基材を溶解除去してダ
イヤモンド複合材をそれぞれ得た。
【0106】得られたダイヤモンド複合材をレーザ切断
により刃先に必要な大きさに切出した後、結晶成長の終
了面に厚さ1μmでTi、厚さ2μmでNiを順次積層
し、このメタライズ層が形成された面を接合面として、
超硬合金(SPG422)の台金にCuを主成分とする
融点1100℃のろう材を用いて上記複合材を刃先とし
てそれぞれ真空ろう付けした。
【0107】得られたダイヤモンド切削工具について、
その主要部を図5に示す。ダイヤモンド切削工具50に
おいて、超硬合金からなる台金51の所定の領域に、メ
タライズ層53およびろう付け層54を介してダイヤモ
ンド複合材の刃先52が固定されている。
【0108】また、この工具において、ダイヤモンド複
合材からなるすくい面55の面粗さRmax は、いずれも
0.2μm以下であったが、0.15μmを越えるもの
については若干の研磨を行ない0.1μm以下とした。
【0109】図6は、本発明に従うダイヤモンド切削工
具を製造するにあたって、切刃として用いられるダイヤ
モンド複合材を形成するためのもう1つの装置を示した
もので、高温加熱した熱フィラメントを原料ガスの分解
・活性化に利用する熱フィラメントCVD装置の概念図
を示したものである。排気口60から排気が可能な真空
チャンバー66内に、直径0.4mmのW線10本を4
mm間隔で張力をかけて水平に張ったフィラメント67
を備え付けている。このフィラメント67は、交流の加
熱用電源68により所定の温度に加熱される。原料ガス
は、ガス供給ノズル69から真空チャンバー66内に導
入される。フィラメント67の直下には、支持台61に
固定された基板62が備え付けられ、この表面にダイヤ
モンドを成長させる。このダイヤモンドの成長と同時
に、金属またはセラミックスの微粉末および繊維等をノ
ズル63から基板62上に供給すれば、基板面上に金属
またはセラミックス等とダイヤモンドが混在する複合層
が形成されていく。このようにして適当な厚みを有する
ダイヤモンド複合材を形成することができる。また、図
には示していないが、基板表面に粉末や繊維が均一に広
がるよう支持台61に振動が与えられる。
【0110】以上のように構成される装置において、R
max 0.1μm以下となるように鏡面仕上げを行なった
後、#5000のダイヤモンド粉末で傷付処理を施した
1インチ□のSi基板、および同様に鏡面仕上げを行な
った後、#1000のダイヤモンド粉末で傷付処理を施
した1インチ□のMo基板に、表3に示す条件で各々ダ
イヤモンド複合材を形成した。
【0111】次に、弗酸と硝酸の混合液でSi基材を、
王水でMo基材を溶解除去してダイヤモンド複合材を各
々得た。
【0112】得られたダイヤモンド複合材を前記と同様
の手順で超硬合金の台金に刃先としてろう付けし、最後
に刃付加工を施して切削工具を完成させた。
【0113】また、これらの工具において、ダイヤモン
ド複合材からなるすくい面の面粗さRmax は、Si基材
を用いたものではいずれも0.2μm以下であったが、
Mo基材を用いたものでは0.2μmを越えるものもあ
り、0.15μmを越えるものについては、若干の研磨
を行なって0.1μm以下とした。
【0114】
【表3】
【0115】以上の方法により作製したダイヤモンド切
削工具の性能を評価するために、以下の条件で切削試験
を実施した。
【0116】(切削条件A) 被削材:A390−T6(Al−17%Si)、軸方向
に8本のV字状断面の溝を有する丸棒 切削速度:600m/min 切込量:0.5mm 送り速度:0.12mm/rev 冷却液:水溶性油剤 (切削条件B) 被削材:AC8A(Al−12%Si)とFCD20を
中央部で機械的に接合した丸棒で外周削りがAC8Aと
FCD20を半分ずつ削る共削りとなるもの 切削速度:200m/min 切込量:0.20mm/min 送り速度:0.1mm/rev 冷却液:水溶性油剤 2種類の切削試験の結果は表4に示すとおりであった。
【0117】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って刃先を製造するための装置を示
す模式図である。
【図2】本発明に従う積層構造を有する刃先材が形成さ
れた状態を示す断面図である。
【図3】本発明に従う積層構造を有する刃先部材が工具
基体にろう付けされた切削工具の要部を示す断面図であ
る。
【図4】本発明に用いられるダイヤモンド複合材を製造
するための装置を示す模式図である。
【図5】本発明に従ってダイヤモンド複合材を用いる切
削工具の一具体例を示す断面図である。
【図6】ダイヤモンド複合材を製造するためのもう1つ
の装置を示す模式図である。
【符号の説明】
10 基材 11 ダイヤモンド層 12 ダイヤモンド複合層 13 W層 20 ダイヤモンド切削工具 22 刃先 23 メタライズ層 24 ろう層 25 すくい面 50 ダイヤモンド切削工具 51 台金 52 刃先 53 メタライズ層 54 ろう付け層 55 すくい面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤森 直治 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具基体と、 前記工具基体上に設けられ、かつ気相合成された多結晶
    ダイヤモンドを含む刃先部材とを備えるダイヤモンド切
    削工具において、 前記刃先部材は、 気相合成された多結晶ダイヤモンドからなり、かつ刃先
    のすくい面を形成する第1の層と、 前記第1の層上に形成され、かつ前記多結晶ダイヤモン
    ドよりも前記工具基体に近い線膨張係数または前記工具
    基体の線膨張係数と前記多結晶ダイヤモンドの線膨張係
    数との間にある線膨張係数を有する金属およびセラミッ
    クスの少なくともいずれかと気相合成された多結晶ダイ
    ヤモンドとからなる第2の層と、 前記第2の層上に形成され、かつ前記金属および前記セ
    ラミックスの少なくともいずれかからなる第3の層とを
    備え、かつ前記刃先部材は、前記第3の層を介して前記
    工具基体にろう付けされることを特徴とする、ダイヤモ
    ンド切削工具。
  2. 【請求項2】 前記第1の層は、前記すくい面において
    最小の結晶粒径を有するダイヤモンドを最も多く含む、
    請求項1に記載のダイヤモンド切削工具。
  3. 【請求項3】 前記刃先部材が、ねじれた形状を有す
    る、請求項1に記載のダイヤモンド切削工具。
  4. 【請求項4】 前記金属として、Mo、W、Cr、V、
    Nb、Ta、Co、NiおよびFeからなる群から選択
    される1つまたは2つ以上の材料が用いられ、かつ前記
    セラミックスとして、cBN、SiC、Si3 4 、W
    C、BN、TiC、TaC、NbC、Cr3 2 、Mo
    2 C、VCおよびTiNからなる群から選択される1つ
    または2つ以上の材料が用いられる、請求項1に記載の
    ダイヤモンド切削工具。
  5. 【請求項5】 前記金属またはセラミックスとして、
    W、Mo、WC、SiCおよびSi3 4 からなる群か
    ら選択される材料が用いられ、前記工具基体が超硬合金
    からなる、請求項1に記載のダイヤモンド切削工具。
  6. 【請求項6】 前記第2の層は、前記第3の層よりもセ
    ラミックスを多く含み、かつ前記第3の層は、前記第2
    の層よりも金属を多く含む、請求項1に記載のダイヤモ
    ンド切削工具。
  7. 【請求項7】 前記第1の層は40μm以上の厚みを有
    し、前記第2の層は10〜300μmの範囲の厚みを有
    し、かつ前記第3の層は50〜2000μmの範囲の厚
    みを有する、請求項1に記載のダイヤモンド切削工具。
  8. 【請求項8】 前記すくい面は、面粗さについてRmax
    が0.2μm以下である、請求項1に記載のダイヤモン
    ド切削工具。
  9. 【請求項9】 前記工具基体は、超合金、超硬合金また
    は高速度鋼からなる、請求項1に記載のダイヤモンド切
    削工具。
  10. 【請求項10】 前記刃先部材は、100〜1000μ
    mの範囲の厚みを有する、請求項1に記載のダイヤモン
    ド切削工具。
  11. 【請求項11】 前記刃先部材は、周期律表のIIIb
    族、IVa族、IVb族、Va族、Vb族、VIa族、
    VIb族、VIIa族、またはVIII族に含まれる金
    属もしくは半金属元素またはそれらの合金もしくは化合
    物からなるメタライズ層を介して前記工具基体にろう付
    けされる、請求項1に記載のダイヤモンド切削工具。
  12. 【請求項12】 気相合成された多結晶ダイヤモンドを
    含む刃先部材が工具基体にろう付けされたダイヤモンド
    切削工具の製造方法であって、 基材上に気相合成によりダイヤモンド層を形成する工程
    と、 前記多結晶ダイヤモンドよりも前記工具基体に近い線膨
    張係数または前記工具基体の線膨張係数と前記ダイヤモ
    ンドの線膨張係数との間の線膨張係数を有する金属およ
    びセラミックスの少なくともいずれかからなる粉末を気
    相中に供給しながら、前記粉末を一旦完全に溶融させる
    状態、半溶融の状態および全く溶融させない状態の少な
    くともいずれかの状態で前記基材上に供給し、気相合成
    によりダイヤモンドを堆積させる工程と、 次いで、ダイヤモンドの合成を中止し、前記金属および
    前記セラミックスの少なくともいずれかを堆積させる工
    程と、 前記基材を分離または除去して、積層構造を有する刃先
    材を得る工程と、 前記ダイヤモンド層の前記基材に接触していた面側をす
    くい面側として前記刃先材を工具基体にろう付けする工
    程とを備える、ダイヤモンド切削工具の製造方法。
  13. 【請求項13】 工具基体と、 前記工具基体上に設けられ、かつ気相合成された多結晶
    ダイヤモンドを含む刃先部材とを備えるダイヤモンド切
    削工具において、 前記刃先部材が、 刃先のすくい面を形成し、かつSi、B、Ge、IVa
    族遷移金属、Va族遷移金属、VIa族遷移金属ならび
    にB、Al、Si、IVa族遷移金属、Va族遷移金属
    およびVIa族遷移金属の酸化物、窒化物、炭化物、炭
    窒化物および硼化物ならびにダイヤモンドからなる群か
    ら選択される1つまたは2つ以上の材料からなる粒子ま
    たは繊維と、前記粒子または繊維を結合する気相合成さ
    れた多結晶ダイヤモンドとからなる複合材を備えること
    を特徴とする、ダイヤモンド切削工具。
  14. 【請求項14】 前記複合材が(111)面の配向した
    立方晶BNの粒子を含み、かつ前記多結晶ダイヤモンド
    において、前記すくい面とほぼ平行に配向する主要な結
    晶面が(111)面である、請求項13に記載のダイヤ
    モンド切削工具。
  15. 【請求項15】 ダイヤモンド(111)面が、前記す
    くい面から少なくとも50μmの深さまで配向してい
    る、請求項14に記載のダイヤモンド切削工具。
  16. 【請求項16】 前記複合材が、AlN、BN、B
    4 C、SiC、Si3 4 、TiC、TiN、Ti(C
    N)、TiB2 、Mo2 C、TaC、NbC、VCおよ
    びWCからなる群から選択される1つまたは2つ以上か
    らなる粒子または繊維を含む、請求項13に記載のダイ
    ヤモンド切削工具。
  17. 【請求項17】 前記粒子は、1〜50μmの範囲の平
    均粒径を有する、請求項13に記載のダイヤモンド切削
    工具。
  18. 【請求項18】 前記繊維は、1〜50μmの範囲の平
    均直径を有する、請求項13に記載のダイヤモンド切削
    工具。
  19. 【請求項19】 前記複合材は、200〜500μmの
    範囲の厚みを有する、請求項13に記載のダイヤモンド
    切削工具。
  20. 【請求項20】 鉄系材料の切削に使用されるものであ
    る、請求項13に記載のダイヤモンド切削工具。
  21. 【請求項21】 前記複合材が前記刃先部材として前記
    工具基体にろう付けされる、請求項13に記載のダイヤ
    モンド切削工具。
  22. 【請求項22】 前記工具基体は、超合金、超硬合金、
    または高速度鋼からなる、請求項13に記載のダイヤモ
    ンド切削工具。
  23. 【請求項23】 刃先に気相合成された多結晶ダイヤモ
    ンドを含有するダイヤモンド切削工具を製造するための
    方法であって、 鏡面仕上げされた面を有する基材を準備する工程と、 前記面上に、Si、B、Ge、IVa族遷移金属、Va
    族遷移金属、VIa族遷移金属ならびにB、Al、S
    i、IVa族遷移金属、Va族遷移金属およびVIa族
    遷移金属の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物および硼
    化物ならびにダイヤモンドからなる群から選択される1
    つまたは2つ以上の材料からなる粒子または繊維を、一
    旦完全に溶融させる状態、半溶融の状態および全く溶融
    させない状態の少なくともいずれかの状態で供給しなが
    ら、前記面上に気相合成によりダイヤモンドを析出させ
    る工程と、 前記基材を分離または除去することによって、前記材料
    およびダイヤモンドからなるダイヤモンド複合材を得る
    工程と、 前記ダイヤモンド複合材で基材に接触していた面側を前
    記刃先のすくい面として、前記ダイヤモンド複合材を工
    具基体にろう付けする工程とを備える、ダイヤモンド切
    削工具の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記材料として(111)結晶面が明
    瞭に現出した立方晶BN粉末を用い、前記面に対して前
    記粉末の(111)面がほぼ平行に向くよう前記粉末を
    供給しながら、前記面にほぼ平行に(111)面が配向
    するよう気相合成によりダイヤモンドを析出させること
    を特徴とする、請求項23に記載のダイヤモンド切削工
    具の製造方法。
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JP2003515675A (ja) * 1999-12-04 2003-05-07 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング プラズマ放射源を使用して複合層を製造する方法
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