JP2004291126A - スローアウェイチップおよび切削工具 - Google Patents

スローアウェイチップおよび切削工具 Download PDF

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Abstract

【課題】ロウ付けされる多結晶ダイヤモンドの表面積を可及的に低減することによって、多結晶ダイヤモンド表面の研磨加工を比較的簡易にすると共に、刃先の使用効率を向上させたスローアウェイチップおよびこのスローアウェイチップを有して成る切削工具を提供すること。
【解決手段】超硬基材のすくい面における刃先となる複数の隅部と、前記複数の隅部以外のすくい面とに、前記複数の隅部以外のすくい面における超硬基材が一部露出するように、前記複数の隅部と一体的に多結晶ダイヤモンドをロウ材によって接合して成ることを特徴とするスローアウェイチップおよびこのスローアウェイチップと支持体とを有して成ることを特徴とする切削工具。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スローアウェイチップおよび切削工具に関し、さらに詳しくは、ロウ付けされた多結晶ダイヤモンドの表面を比較的簡易に研磨加工することができ、しかも刃先の使用効率が向上されたスローアウェイチップおよびこのスローアウェイチップを有して成る切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
耐熱性、耐磨耗性および耐衝撃性を有する基材に多結晶ダイヤモンドをロウ付けしたスローアウェイチップを有する工具は、切削工具として広く使用されている。この切削工具は、まず、基材に多結晶ダイヤモンドをロウ付けし、次いで、ロウ付けされた多結晶ダイヤモンドの表面を研磨加工した後、支持体に取り付けることによって作製される。
【0003】
このロウ付けされた多結晶ダイヤモンドの表面の研磨加工は、ダイヤモンドを含有した砥石を用いて行われるが、ダイヤモンド相互の研磨加工となるため、その研磨加工性は、ダイヤモンド以外の材料の研磨加工に比して著しく困難であり、また、多大の労力と時間を要していた。
【0004】
このため、従来は、図1に示すように、切削工具を形成するスローアウェイチップの刃先となる一隅部のみに多結晶ダイヤモンドを接合することによって、研磨加工面積を低減する措置が採られていた(例えば、特許文献1参照)。図1において、1はスローアウェイチップ、2はすくい面、3は逃げ面、4は多結晶ダイヤモンドである。
【0005】
【特許文献1】
特許第2867694号公報(図1〜6)
また、スローアウェイチップの刃先となる一隅部のみに多結晶ダイヤモンドを接合する場合は、スローアウェイチップの一隅部のみを刃先として使用することとなり、刃先の使用効率の低下は避けられないため、研磨加工性の悪化を承知の上で、すくい面全面に多結晶ダイヤモンドを接合する方法も採用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような従来の状況に鑑み、ロウ付けされる多結晶ダイヤモンドの表面積を可及的に低減することによって、多結晶ダイヤモンド表面の研磨加工を比較的簡易に、かつ短時間で行うことができると共に、刃先の使用効率を向上させたスローアウェイチップおよびこのスローアウェイチップを有して成る切削工具を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するために、基材のすくい面に接合される多結晶ダイヤモンドの接合状態について研究を重ねた結果、前記すくい面における基材が一部露出するように多結晶ダイヤモンドを接合することによって、前記課題が解決できるということを見出し、この知見に基づいてこの発明を完成するに到った。
【0008】
すなわち、この発明の前記課題を解決するための第1の手段は、
(1) 基材のすくい面における刃先となる複数の隅部と、前記複数の隅部以外のすくい面とに、前記複数の隅部以外のすくい面における前記基材が一部露出するように、前記複数の隅部と一体的に多結晶ダイヤモンドをロウ材によって接合して成ることを特徴とするスローアウェイチップである。
【0009】
この第1の手段における好ましい態様としては、下記▲1▼〜▲6▼のスローアウェイチップを挙げることができる。
▲1▼ 前記基材が、超硬合金、ハイス、サーメットまたはセラミックスであるスローアウェイチップ。
▲2▼ 前記多結晶ダイヤモンドの厚さが、0.01〜1.0mmであるスローアウェイチップ。
▲3▼ 前記多結晶ダイヤモンドの厚さが、0.05〜0.5mmであるスローアウェイチップ。
▲4▼ 前記多結晶ダイヤモンドの表面の面粗度が、最大高さ(R)で高くとも2μmであり、前記多結晶ダイヤモンドの接合面の面粗度が、最大高さ(R)で低くとも15μmであるスローアウェイチップ。
▲5▼ 前記多結晶ダイヤモンドが、気相合成法または高温高圧焼結法によって製造されたスローアウェイチップ。
▲6▼ 前記ロウ材が、Ti、AgおよびCuから選ばれた少なくとも1種の金属を含有する合金であるスローアウェイチップ。
【0010】
この発明における前記課題を解決するための第2の手段は、
(2) 前記のスローアウェイチップと支持体とを有して成ることを特徴とする切削工具である。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明のスローアウェイチップは、基材のすくい面における刃先となる複数の隅部と、前記複数の隅部以外のすくい面とに、前記複数の隅部以外のすくい面における前記基材が一部露出するように、前記複数の隅部と一体的に多結晶ダイヤモンドをロウ材によって接合して成ることを特徴とする。
【0012】
スローアウェイチップは、例えば切削工具用の刃であり、刃先が破損又は摩耗して使用することができなくなった場合には、これを支持体から取り外して研磨し、その後に再使用し、又は研削することなく、支持体から取り外して使い捨てとされることがある。スローアウェイチップの形状については、方形状、三角状、菱状などの種々の形状が存在し、その形状に制限はない。
【0013】
この発明のスローアウェイチップを形成する材料には、基材が用いられる。前記基材としては、通常、スローアウェイチップに用いられる材料であれば特に制限はなく、超硬合金、ハイス、サーメットまたはセラミックスが好ましい。
【0014】
前記の好適な基材の中でも、超硬合金が好ましい。超硬合金としては、炭化タングステン(WC)系超硬合金を挙げることができ、具体的には、例えば、K01:WC−Co(W91質量%、Co5質量%、C4質量%)、K10:WC−Co(W87質量%、Co7質量%、C6質量%)、K20:WC−Co(W87質量%、Co8質量%、C5質量%)、P10:WC−TiC−TaC−Co(W50質量%、Ti16質量%、Ta17質量%、Co9質量%、C8質量%)などを挙げることができる。なお、K01、K10、K20およびP10は、JIS B 4053に基づく使用分類記号である。
【0015】
ハイスは、JIS 4403に規定される高速度鋼(High Speed Steel)であり、例えば高速度工具鋼とも称され、鋼の中でももっとも硬いと言われている材料であり、ハイスとして、タングステン系、高炭素系、高バナジウム系、モリブデン系、コバルト系等が知られ、窒素添加により耐凝着性の向上した窒化粉末ハイス鋼も好適例として挙げることができる。サーメットは、セラミックスと強靭性、可塑性を有する金属との複合材料である。また、セラミックスは、主として周期表4、5または6族金属の酸化物、炭化物、ホウ化物、ケイ化物または窒化物などとCo、Ni、Moなどの金属との混合粉末を焼結して得られる高硬度、耐熱性、耐酸化性、耐薬品性、耐摩耗性を有する材料である。
【0016】
この発明のスローアウェイチップを、図2に基づいて説明する。1はスローアウェイチップ、2はすくい面、3は逃げ面、4は多結晶ダイヤモンド、5はすくい面における隅部である。
【0017】
この発明のスローアウェイチップにおいては、基材のすくい面2における刃先となる複数の隅部5に、多結晶ダイヤモンド4がロウ材によって接合されていると共に、この複数の隅部5以外のすくい面2に、複数の隅部5以外のすくい面2における基材が一部露出するように、前記複数の隅部5と一体的に多結晶ダイヤモンド4がロウ材によって接合されている。
【0018】
つまり、基材のすくい面2における複数の隅部5には、必ず多結晶ダイヤモンド4が接合されているのに対し、複数の隅部5以外のすくい面2には、全面的に多結晶ダイヤモンド4が接合されているのではなく、多結晶ダイヤモンド4が接合されていない部分が一部、存在しているのである。そして、双方の多結晶ダイヤモンド4は、一連一体となっている。
【0019】
図2には、多結晶ダイヤモンド4が接合されているすくい面2における隅部5を四箇所示しているが、この発明においては、複数の隅部5が存在していれば足り、その個数に制限はない。隅部の好ましい個数を挙げる代わりに、この発明においては、隅部に接合した多結晶ダイヤモンドの逃げ面における全面積がスローアウェイチップの逃げ面の全面積に対して50%以下となるように、特に10%以下となるように、隅部に多結晶ダイヤモンドを接合するのが、好ましい。
【0020】
さらに図2には、方形状のスローアウェイチップを示したが、この発明のスローアウェイチップは、三角状、菱状、円筒状などであってもよく、その形状に制限はない。円筒状スローアウェイチップにあって、そのすくい面2における隅部5とは、切れ刃となる稜線により区画されている部位をいう。
【0021】
この発明のスローアウェイチップは、前記のとおり、基材のすくい面における刃先となる複数の隅部と、前記複数の隅部以外のすくい面とに、前記複数の隅部以外のすくい面における基材が一部露出するように、前記複数の隅部と一体的に多結晶ダイヤモンドをロウ材によって接合して成る。
【0022】
隅部に接合される多結晶ダイヤモンドとしては、単結晶ダイヤンド粒子の集合体が好適である。前記多結晶ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドであってもよく、人工ダイヤモンドであってもよいが、気相合成法または高温高圧焼結法によって製造された人工多結晶ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドよりも安価であり、しかも方向性に偏りがないことから、好ましく用いられる。
【0023】
多結晶ダイヤモンドの気相合成法には、これまでに種々の方法が開発されており、この発明においては、いずれの気相合成法を採用した多結晶ダイヤモンドであっても用いることができる。この気相合成法による多結晶ダイヤモンドは、例えば、所定割合に混合された一酸化炭素と水素とを含有する混合ガスを、プラズマCVD法、スパッタ法、イオン蒸着法、イオンビーム蒸着法、熱フィラメント法などによって励起し、シリコン、アルミニウム、タングステンなどの金属、これらの酸化物、窒化物または炭化物、サーメット、セラミックスなどの基板に接触させることによって、基板上にダイヤモンドを析出、堆積させて製造される。
【0024】
また、高温高圧焼結法による多結晶ダイヤモンドは、1200〜2000℃、50000〜60000気圧という高温高圧下、Ni、Fe、Coなどの金属溶媒に黒鉛などの炭素源を溶解して過飽和融液を形成し、次いで、この融液を冷却することによってダイヤモンドを析出させて製造される。
【0025】
基材に接合される多結晶ダイヤモンドの厚さに特別の制限はないが、通常は0.01〜1.0mm、好ましくは0.05〜0.5mmである。多結晶ダイヤモンドの厚さが前記範囲内にあると、この発明の目的をよく達成することができる。また、多結晶ダイヤモンドの厚さが前記下限値よりも小さいと、切削時の工具摩耗が進行した場合に、基材が露出するといった耐摩耗性の劣化が危惧され、多結晶ダイヤモンドの厚さが前記上限値よりも大きいと、多結晶ダイヤモンド層内での剥離が発生することがあり、使用上の問題を生じることがある。
【0026】
また、隅部5に接合される多結晶ダイヤモンドは、その接合面の面粗度が、最大高さ(R)で低くとも15μm、特に低くとも25μmであることが好ましい。このような面粗度を有することにより、多結晶ダイヤモンドの接合がより強固となるからである。最大高さ(R)が15μm未満では、期待される接合強度が得られないことがあるので望ましくない。
【0027】
ここに最大高さ(R)とは、JIS B 0601−1982「表面粗さの定義と表示」に従い、断面曲線から基準長さだけ抜き取った部分(以下、抜き取り部分という。)の平均線に平行な直線で抜き取り部分を挟んだとき、この二直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定して、この値をマイクロメートルで表したものである。通常、最大高さは、触針式粗さ測定器などで測定される。
【0028】
接合される多結晶ダイヤモンドの接合面の面粗度は、例えば、気相合成法による多結晶ダイヤモンドの製造時、多結晶ダイヤモンドが形成される基材のブレーカ部表面を粗面化して、その面粗度を前記の最大高さ(R)とすることによって調整することができる。基材のブレーカ部表面を粗面化する手段に特に制限はないが、化学処理を施す手段または熱処理を施す手段が好ましく採用される。
【0029】
化学処理を施す手段としては、例えば、基材を硝酸または塩酸などの酸に浸漬し、基材の表面に存在するCo、Niなどの金属成分を溶脱させることによって、基材の表面に凹凸形状を形成させる方法を挙げることができる。このような化学処理を施すときの浸漬条件に特に制限はないが、通常は、常温で0.5〜1.0時間、浸漬処理される。
【0030】
また、熱処理を施す手段としては、例えば、基材を真空中に、1300〜1500℃で3〜5時間放置し、基材中に含まれる炭化タングステンなどの金属化合物を粒成長させることによって、基材の表面に凹凸形状を形成させる方法を挙げることができる。
【0031】
前記化学処理または熱処理は、基材の表面を粗面化する処理の一態様であって、基材の表面に凹凸形状を形成させるなどして粗面化することができる処理手段であれば、必ずしも化学処理手段または熱処理手段に拘束されることはない。例えば、基材の表面を荒研磨することにより凹凸形状を形成させることもできる。
【0032】
この発明においては、前記多結晶ダイヤモンドはロウ材によって接合される。
多結晶ダイヤモンドの接合に当たっては、図2に示す隅部5にまず接合し、その後、残余のすくい面2に接合してもよい。しかし、この接合の仕方では、特に複数の隅部5にそれぞれ多結晶ダイヤモンド4を接合することとなり煩雑な作業を強いられる上に、隅部5に正確に適合する精緻な接合が得られないことから、図2に示すように、複数の隅部5と、前記複数の隅部以外のすくい面とに、前記複数の隅部5以外のすくい面における超硬基材が一部露出するように、一体的に形成した多結晶ダイヤモンド4を接合することが好ましい。
【0033】
ロウ材は、用いる超硬基材とは異質の融点の低い合金であって、例えば、Ag−Cu−Zn−CdにNiを添加した多元素系の銀ロウ(JIS Z 3261:1985)を用いることが一般的である。しかし、環境問題を考慮して、近年はCdを含まないロウ材が主流となっている。この発明で用いるロウ材は、Ti、AgおよびCuから選ばれた少なくとも1種の金属を含有する合金であることが好ましい。
【0034】
Ti、Ag及びCuから選ばれた少なくとも1種の金属を含有する合金として、例えばAg−Cu−Ti系合金、Ag−Cu−Ni−Sn系合金等を挙げることができる。このような合金をロウ材として用いることにより、超硬基材と多結晶ダイヤモンドとの強固な接合を達成することができる。
【0035】
ロウ材による接合方法にも特別の制限はなく、通常の接合方法を採用することができる。例えば、トーチロウ付け、高周波ロウ付け、炉中ロウ付けなどの接合方法を挙げることができ、熱源としては、電気、ガス、プラズマなどを用いることができる。実際のロウ付けに当たっては、直接ロウ材を介して接合する他に、熱膨張係数の相違から発生する応力を吸収するために、銅板を間に挟んだサンドイッチロウも使用される。
【0036】
ダイヤモンドは、空気中、700℃程度で黒鉛化が始まる。このため、ロウ付け作業は短時間内に行う必要がある。この要請からすると、この発明においては、高周波ロウ付けを好適な接合方法として挙げることができる。
【0037】
接基材の隅部に合された多結晶ダイヤモンドは、ダイヤモンドを含有した砥石を用いて研磨加工される。この研磨加工は、多結晶ダイヤモンドを貼り付けた後に、外周面のみを研磨して実施される。
【0038】
この発明においては、研磨加工された多結晶ダイヤモンド表面の面粗度が、最大高さ(R)で高くとも2μmであることが好ましい。金属の切削加工時、通常、スローアウェイチップの刃先部では、構成刃先が発生し、溶着物の生成、その溶着物の脱落によるチッピングが発生する。しかし、前記最大高さ(R)で高くとも2μmであることにより、溶着物の生成、その溶着物の脱落によるチッピングの発生を抑制することができるからである。最大高さ(R)が2μmを越えると、溶着物が生成しやすくなり、刃先部にチッピングが発生しやすくなることがあるので望ましくない。
【0039】
接合面に対し反対側にある多結晶ダイヤモンドの表面は、多結晶ダイヤモンドが堆積して形成されるので、その面粗度は多結晶ダイヤモンドの堆積状態を制御することによって、前記の最大高さ(R)に調整することができる。
【0040】
この発明のスローアウェイチップは、前記のとおり、複数の隅部以外のすくい面に多結晶ダイヤモンドが接合されていない部分、すなわち、超硬基材が露出している部分が存在していることから、ロウ付けされる多結晶ダイヤモンドの表面積を可及的に低減することができ、多結晶ダイヤモンド表面の研磨加工を比較的簡易に、かつ短時間で実施することができる。また、刃先となる複数の隅部に多結晶ダイヤモンドが接合されているため、一箇所の隅部が使用できなくなった場合、順次、他の隅部を使用することができ、刃先の使用効率を向上させることができるという効果をも奏する。
【0041】
この発明はまた、前記のスローアウェイチップと支持体とを有して成ることを特徴とする切削工具を提供する。図3にこの発明の切削工具を示す。図3において、6は切削工具、7は支持体である。この発明の切削工具6は、前記スローアウェイチップ1が支持体7に取り付けられて形成されている。支持体7に用いられる材料に特に制限はなく、金属、木、合成樹脂、セラミックなどを挙げることができる。この発明の切削工具6は、スローアウェイチップ1と支持体7とを有していれば、図3に示される形状に拘束されることはない。
【0042】
【実施例】
以下に、実施例を挙げてこの発明をさらに詳細に説明するが、これら実施例によってこの発明はなんら限定されるものではない。
【0043】
実施例1、比較例1
超硬合金製の焼結品を研磨加工することにより、SPGN423より厚さ方向に多結晶ダイヤモンド膜分だけ薄くした形状にした。この後、図4及び図5に示すような形状に切断した多結晶ダイヤモンド膜をロウ付け接合した。この際のダイヤモンド切断方法には、レーザー切断、及び放電加工があるが、この例においては、レーザー切断を採用した。次に外周方向に研磨加工し、SPGN423形状とした。多結晶ダイヤモンド膜の厚さは0.1mmであり、超硬合金に接合された側の多結晶ダイヤモンド膜の面粗度Rzは10μmであり、反対側の面の面粗度Rzは0.1μmであった。ロウ剤は銀ロウで、Ag−Cu系ロウ材であり、Ag47%、及びCu15%程度を含有したものであった。
【0044】
一方、上記同様の超硬合金基材を、SPGN423形状より厚さ、幅方向とも0.02mm程度大きくなるように研磨加工し、次に気相合成法により多結晶ダイヤモンド膜を合成し、SPGN423形状となるように研磨加工を行った。
【0045】
以下、研磨内容と加工時間の関係を表1に示した。
【0046】
研磨加工はレジン砥石♯300を用いて厚さ加工し、レジン砥石♯400を用いて外周加工を行った。
【0047】
【表1】
Figure 2004291126
【0048】
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例においては多結晶ダイヤモンド表面の研磨加工を短時間で実行することができ、しかも基材の四隅に多結晶ダイヤモンド膜が接合されているから、切削加工にこのスローアウェイチップを使用した場合に、一つの隅部における多結晶ダイヤモンド膜が切削不十分なまでに鈍磨したときには、このスローアウェイチップの取り付け位置を変えることにより、新品のスローアウェイチップと同様の切削性能を有するスローアウェイチップとして利用することができ、比較例および従来のダイヤコーティング品に比べて絶大な技術的効果の奏されることが、明らかである。
【0049】
【発明の効果】
この発明によれば、ロウ付けされる多結晶ダイヤモンドの表面積を可及的に低減することによって、多結晶ダイヤモンド表面の研磨加工を比較的簡易にすると共に刃先の使用効率を向上させたスローアウェイチップおよびこのスローアウェイチップを有して成る切削工具が提供され、工具の製造分野に寄与するところはきわめて多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来のスローアウェイチップの一例を示す図である。
【図2】図2は、この発明のスローアウェイチップの一例を示す図である。
【図3】図3は、この発明の切削工具の一例を示す図である。
【図4】図4は、この発明の実施例において採用された多結晶ダイヤモンド膜の形状及び寸法を示す斜視図である。
【図5】図5は、この発明に対する比較例において採用された他血書央ダイヤモンド膜の形状及び寸法を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 スローアウェイチップ
2 すくい面
3 逃げ面
4 多結晶ダイヤモンド
5 すくい面2における隅部
6 切削工具
7 支持体

Claims (8)

  1. 基材のすくい面における刃先となる複数の隅部と、前記複数の隅部以外のすくい面とに、前記複数の隅部以外のすくい面における前記基材が一部露出するように、前記複数の隅部と一体的に多結晶ダイヤモンドをロウ材によって接合して成ることを特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 前記基材が、超硬合金、ハイス、サーメットまたはセラミックスである請求項1に記載のスローアウェイチップ。
  3. 前記多結晶ダイヤモンドの厚さが、0.01〜1.0mmである請求項1または2項に記載のスローアウェイチップ。
  4. 前記多結晶ダイヤモンドの厚さが、0.05〜0.5mmである請求項1または2項に記載のスローアウェイチップ。
  5. 前記多結晶ダイヤモンドの表面の面粗度が、最大高さ(R)で高くとも2μmであり、前記多結晶ダイヤモンドの接合面の面粗度が、最大高さ(R)で低くとも15μmである請求項1〜4のいずれか一項に記載のスローアウェイチップ。
  6. 前記多結晶ダイヤモンドが、気相合成法または高温高圧焼結法によって製造された請求項1〜5のいずれか一項に記載のスローアウェイチップ。
  7. 前記ロウ材が、Ti、AgおよびCuから選ばれた少なくとも1種の金属を含有する合金である請求項1〜6のいずれか一項に記載のスローアウェイチップ。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のスローアウェイチップと支持体とを有して成ることを特徴とする切削工具。
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