JP2607592B2 - 高耐摩耗性多結晶ダイヤモンド工具及びその製造方法 - Google Patents

高耐摩耗性多結晶ダイヤモンド工具及びその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は切削工具又は耐摩工具等として用うるに好適
な強度、耐溶着性、耐熱性、耐摩耗性が著しく改善され
たダイヤモンド工具及びその製造方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
ダイヤモンド微粉末を超高圧下で焼結してなるダイヤ
モンド焼結体は、既に非鉄金属類の切削加工用工具、ド
リルビツトあるいは線引ダイス等に広く使用されてい
る。
例えば特公昭52−12126号公報にはこの種の焼結体の
製法が開示されており、そこではダイヤモンドの粉末を
WC−Co超硬合金の成型体または焼結体に接するように配
置し、超硬合金の液相が生じる温度以上の温度並びに超
高圧下で焼結が行なわれる。このとき、超硬合金中のCo
の一部は、ダイヤモンド粉末層中に侵入し、結合金属と
して作用する。この先行技術に開示された方法で作られ
たダイヤモンド焼結体は、約10〜15体積%のCoを含有す
る。
上記した焼結体は、非鉄金属等の切削加工用工具とし
ては十分実用的な性能を有する。しかしながら、耐熱性
において劣るという欠点があつた。例えば、この焼結体
を750℃以上の温度に加熱すると、耐摩耗性及び強度の
低下が見られ、さらに900℃以上の温度では焼結体が破
壊することになる。これは、ダイヤモンド粒子と結合材
であるCoとの界面においてダイヤモンドの黒鉛化が生じ
ること、並びに両者の加熱時における熱膨張率の差に基
づく熱応力によるものと考えられる。
また、Coを結合材とした焼結体を酸処理して大部分の
結合金属層を除去したものでは、焼結体の耐熱性が向上
することが知られている。例えば、特開昭53−114589号
公報には、耐熱性の改善されたダイヤモンド焼結体の製
造方法が開示されている。しかしながら、この先行技術
では、除去された結合金属相の部分は空孔となるため、
耐熱性こそ向上するが、強度が低下するという問題があ
つた。
他方、ダイヤモンドの粉末のみを超高圧下で焼結する
試みも行なわれているが、ダイヤモンド粒子自身が変形
し難いため、粒子の間隙には圧力が伝達されず、したが
つて黒鉛化が生じ、ダイヤモンド−黒鉛の複合体しか得
られていない。
さらに、ダイヤモンドのみからなる多結晶体を薄膜と
してコーテイングした工具は知られているが、この種の
工具は膜厚が薄く、かつ基板との密着強度が不十分であ
るため、十分な性能が得られていない。
本発明者らは、これらの従来工具の問題点に検討を加
えて、上記の工具に比べて強度、耐摩耗性は劣ることな
く、しかもはるかに耐熱性の高い工具を得ることができ
たので、「低圧気相法により合成された実質的にダイヤ
モンドのみからなる多結晶ダイヤモンドが、融点700〜1
300℃の合金ろう材により金属および/または合金から
なる支持部材にろう付けされたものであることを特徴と
する硬質多結晶ダイヤモンド工具」として別途出願して
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者らは、上記の別途出願した硬質多結晶ダイヤ
モンド工具のさらなる改良を目指して研究を深めた結
果、該工具は気相から析出させた多結晶ダイヤモンドを
工具素材とするため、すくい面を析出状態のまま使用す
ると、その表面の凹凸により、刃立ちが良好な工具を得
ることにいささか難点のあることが判つた。
これに対し、すくい面をラツピングして表面状態を良
好とすることは可能であるが、この多結晶体は実質的に
ダイヤモンドのみからなるため、従来の焼結ダイヤモン
ドのようには容易にラツピングはされ難い。
それゆえに本発明は強度、耐摩耗性、耐熱性に加え
て、刃立性のよい高耐摩耗性多結晶ダイヤモンド工具及
びその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の多結晶ダイヤモンド工具は、前記した別途出
願の硬質多結晶ダイヤモンド工具の持つ優れた強度、耐
熱性を維持し、比較的容易な方法で刃立性と耐摩耗性を
さらに向上させたものである。
すなわち本発明は低圧気相法により合成された実質的
にダイヤモンドのみからなる多結晶ダイヤモンドが、融
点700〜1300℃の合金ろう材により金属または合金から
なる支持部材にろう付けされたものであつて、そのすく
い面がRmaxで0.1μm以下の鏡面状態であることを特徴
とする高耐摩耗性多結晶ダイヤモンド工具に関するもの
である。また本発明は該工具の製法として、その表面を
Rmaxで0.1μm以下の鏡面に仕上げた基板上に、低圧気
相法によつて実質的にダイヤモンドのみからなる多結晶
ダイヤモンドを析出させた後に、該ダイヤモンド多結晶
体の基板との接合面がすくい面側となるように、該ダイ
ヤモンド多結晶体を融点700〜1300℃の合金ろう材によ
り金属または合金からなる支持部材にろう付けし、かつ
ろう付けの前又は後に該ダイヤモンド多結晶体から基板
を除去することを特徴とする低圧気相法により合成され
た実質的にダイヤモンドのみからなる多結晶ダイヤモン
ドが、融点700〜1300℃の合金ろう材により金属または
合金からなる支持部材にろう付けされたものであつて、
そのすくい面がRmaxで0.1μm以下の鏡面状態であるこ
とを特徴とする高耐摩耗性多結晶ダイヤモンド工具の製
造方法を提供するものである。
本発明においては多結晶ダイヤモンドの厚さが0.1〜
3.0mmであり、合金ろう材厚さが0.1〜100μmであり、
合金ろう材がAu,Ag,Cu,TiおよびTaから選ばれる1種以
上を含有する高温ろう付合金であることが好ましい。ま
た支持部材が鋼又は焼結炭化物合金であること、基板の
材質がMo,W又はSiであることが好ましい。
さらに本発明の製法において基板の除去は、該基板を
塩酸,硫酸,硝酸,フツ酸および/またはこれらの混合
液により化学処理して行なうことが好ましく、また、ろ
う付後にこの化学処理を行う場合には、ろう材部および
支持部材を酸化膜で被覆して溶解を防止することが好ま
しい。
〔作 用〕
以下に本発明の多結晶ダイヤモンド工具及びその製造
方法を詳細に説明する。
本発明において、多結晶ダイヤモンドの合成は、ダイ
ヤモンドが熱力学的に準安定な低圧条件下で気相から析
出させる方法による。この低圧気相法は1)化学蒸着法
(CVD法)、2)プラズマCVD法、3)イオンビーム蒸着
法に大別されるが、所望の方法を選択して実施すること
ができる。
これらの低圧気相法を用いて、基板上に0.1〜3.0mmの
厚さの実質的にダイヤモンドのみからなる多結晶体を作
製する。ここで厚さを0.1mm以上とするのは、実際に切
削工具として使用した場合、工具寿命時の逃げ面摩耗幅
が0.1mm以上となることが多いことによる。また3.0mm以
下とするのは、一般的に使用される工具での厚さを示す
もので、特にこの値にその性能が左右されるために限定
されるものではない。さらに耐摩耗性を特に要求する場
合には、その厚さを0.5mm〜3.0mmとすればよい。これ
は、多結晶体の厚さが厚くなれば放熱特性が良好とな
り、工具使用時の刃先温度の上昇が防止されるためと考
えられる。通常使用される多結晶体の厚さとしては、0.
5〜1.0mm程度が一般的である。
この工程において、本発明では先願発明工具よりも刃
立性ならびに耐摩耗性をさらに向上することを可能とし
た改良手段をとる。すなわち、基板としてその表面を面
粗度Rmaxで0.1μm以下の鏡面に仕上げたものを用い
て、その上にダイヤモンドを析出させるのである。
ここで得られた多結晶体接合基板は、多結晶体の面が
接合面となるように、金属または合金からなる支持部材
に合金ろう材を用いてろう付を行なう。しかる後、この
基板を例えば化学処理、機械的除去等を施すことにより
除去し、次に必要とする工具形状に加工することによ
り、ラツピングすることなく、すくい面がRmaxで0.1μ
m以下の鏡面である高耐摩耗性多結晶ダイヤモンド工具
が容易に得られる。
本発明工具はすくい面が鏡面であることにより、工具
作製時のチツピングが抑制されると共に、工具使用時に
は切り粉の排出が円滑になり、溶着量が減少するため耐
摩耗性が向上する。
多結晶体を析出される基板の材質としては、多結晶体
作製中に生ずる内部応力の緩和を考慮して、その熱膨張
率がダイヤモンドのそれに近いものが好ましく、これに
該当するものとして例えばMo,W,Si等が挙げられる。こ
れらはダイヤモンドペースト等を使用して容易に鏡面研
摩することが可能であり、かつ化学処理により簡単に除
去できるものである。
次にこの多結晶ダイヤモンド接合基板を、多結晶体を
接合面として支持部材にろう付けするが、融点が700〜1
300℃の合金ろう材を用いて、金属または合金からなる
支持部材とを接合する。使用ろう材の融点を上記範囲に
限定する理由は、700℃未満の融点のろう材を用いると
多結晶体と支持部材の接合強度が低くなり、工具作製の
際の刃付け作業工程や、工具使用時にろう材部分での剥
離が生ずるため好ましくない。また、1300℃を越える高
融点ろう材の使用は、ろう付時での多結晶ダイヤモンド
の黒鉛への変換が生じ、工具性能の低下を招くため好ま
しくない。
従つて、上記のろう付温度範囲内でなるべく接合強度
の高いろう材を用いることが好ましく、これに該当する
高温ろう材としては、例えばAu,Ag,Cu,TiおよびTaから
選ばれる1種以上を含有するものが挙げられる。具体例
は実施例に示す。また、これ等のろう材を使用しても、
ろう付後のろう材厚さを0.1〜100μm、好ましくは50μ
m程度とすることが必要である。0.1μm未満ではろう
付が不均一となりやすく、一方100μmを越えるとろう
付部の強度低下を招くことになり好ましくない。ろう付
の方法としては、非酸化性雰囲気中での高周波加熱或は
真空中での加熱による方法等で実施することが可能であ
る。
支持部材としては通常焼入鋼が用いられるが、特に剛
性が要求される場合には焼結炭化物合金例えばWC合金,T
iC合金,Mo2C合金等を用いることができる。また、これ
ら以外の金属または合金を支持部材とすることは勿論可
能である。なお、支持部材の厚さについては特に限定す
るところはないが、ろう付時の熱応力を緩和するには、
多結晶体と支持部材との熱膨張率の差によつて、これ等
の厚さの適切な比率を選定することが重要である。例え
ば熱膨張率の値がダイヤモンドのそれの5〜6倍である
鋼を支持部材に用いる場合には、支持部材の厚さは多結
晶体のそれよりも薄くしないと、剥離が生じやすい。
基板の除去に関しては、塩酸,硫酸,硝酸,フツ酸お
よび/またはこれらの酸の混合液を用いて化学的に処理
する方法が有効である。その際、ろう材部および支持部
材を溶離させないためには、これらの部分を酸化鉄で被
覆する方法や、基板のみを処理液中に浸す方法を実施す
ればよい。このような工程によれば、従来のような機械
加工によらず、容易にすくい面が鏡面仕上げされた工具
が得られる。
さらに、本発明のすくい面が鏡面仕上げされた工具は
多結晶体結合基板をそのまま処理液に浸して基板を溶解
した後に、得られた多結晶体の鏡面(基板と接合してい
た面)がすくい面となるように支持部材にろう付けする
方法によつても得られる。
以上のように作製される本発明の多結晶ダイヤモンド
工具は1300℃の加熱にも耐える著しく改善された耐熱性
を持つが、この理由としては、ダイヤモンドのみからな
り、熱劣化を促進させる結合相が存在しないことが考え
られる。またこのことは、強度の点からも従来の焼結ダ
イヤモンドより優れるという特徴を付与している。ま
た、すくい面が鏡面仕上げでRmaxが0.1μm以下である
ために、前述した表面凹凸による不都合はもはや解消し
ているので、以下の実施例で示すように刃立ち性は良好
に改善され非常に耐摩耗性も向上するのである。
〔実施例〕
以下、実施例に基づき、本発明を詳細に説明する。
実施例1 ダイヤモンドペーストを用いてRmax0.02μmの鏡面に
研摩したSiを基板として、マイクロ波プラズマCVD法に
より、以下の条件で8時間で0.8mmの厚さの多結晶ダイ
ヤモンドを合成した。
原料ガス(流量):H2 200cc/min,CH4 4cc/min,Ar100cc/
min 圧力:300torr マイクロ波発振機出力:800W 得られた多結晶ダイヤモンドは粒径3μm程度で、測
定の結果、比重は3.51を示し、またラマン分光分析によ
る同定ではダイヤモンド単相からなることが明らかとな
つた。この実質的にダイヤモンドのみからなる多結晶体
が接合したSi板をWC−Co合金製の支持体にSi板がすくい
面となるように、Ag−Ti合金ろう材を用いて真空中1000
℃で20分間加熱してろう付けを行なつた。ろう材の厚さ
は50μmであつた。次にこの工具素材のすくい面に位置
するSi板をフツ酸で処理して溶解除去した。得られたも
ののすくい面はRmax表示で0.02μmを示した。
この工具の性能評価を行なうため、逃げ面を研摩加工
して本発明の切削チツプ(A)を作製した。比較として
向上条件で低圧気相合成した多結晶ダイヤモンドの上面
(Si基板と接していない面)をすくい面にした切削チツ
プ(B)、および市販の焼結ダイヤモンドでそのすくい
面がラツピングされた工具(C)を作製した。尚、工具
(B)および(C)のすくい面の面粗度はRmax表示で夫
々0.5μm,0.05μmであつた。
評価結果を表1に示す。尚、この評価は被削材にヴイ
ツカース硬度2000のアルミナ焼結体を用い、切削速度:3
0m/min及び80m/min、切り込み:0.2mm、送り:0.025mm/re
v、並びに切削長:400m、湿式の条件で行なつた。
工具Cは耐熱性に劣るため、高速切削では特に摩耗が
大きくなるが、本発明および先願発明の多結晶ダイヤモ
ンド工具AおよびBはCに比べ強度、耐摩耗性、耐熱性
のいずれも向上しているため、切削速度に依存せず摩耗
量がはるかに少ないものであることが明らかとなつた。
特にすくい面の面状態が良好な本発明工具Aは耐摩耗性
がさらに向上したものであることが判つた。
実施例2 実施例1と同様の方法、条件にて多結晶ダイヤモンド
をRmax0.02μmに鏡面仕上げしたMo基板上に合成し、こ
れを熱王水中に1時間浸すことにより、Mo基板を溶解除
去して、厚さ0.8mmの多結晶ダイヤモンド体を得た。こ
れを実施例1と同じ方法で同種の支持部材にろう付け
し、加工して切削チツプを作製した後、実施例1と同じ
条件で性能評価を行つた。その結果は表1に示したもの
と全く同じであり、基板の除去工程をろう付の前にする
か後にするかの順序による差異なく、優れた性能を有す
る工具が得られることを確認した。
実施例3 実施例1と同様のマイクロ波プラズマCVD法により、
表2に示した条件で多結晶ダイヤモンドを表面を鏡面仕
上げした基板上に合成し、フツ酸又は熱王水で基板を除
去後、支持部材にろう付けを行つて、すくい面が鏡面の
切削チツプを作製した(A〜G)。また比較としてCoを
含有する市販の焼結ダイヤモンド(H〜J)、超硬合金
に薄膜ダイヤモンドコーテイングした工具(K,L)も作
製した。本発明により多結晶体(A〜G)はいずれもダ
イヤモンド単相からなり、ヴイツカース硬度10000〜120
00kg/mm2を示し、この特性はろう付け加熱後も変化が見
られなかつた。これらと、比較材H〜Lのうち、ろう付
温度が高く焼結体が劣化したHを除いた工具について切
削性能を比較した。
表3にその比較結果を示す。尚、切削条件は被削材に
Al−20%Sを用いて、切削速度:500m/min、切り込み:0.
4mm、送り:0.1mm/rev、切削時間:30min、乾式外周長手
方向旋削により行なつた。
従来の焼結ダイヤモンドは摩耗が大きく、また薄膜ダ
イヤモンドコーテイング工具はコーテイング膜の密着強
度が弱いため剥離が生じたのに対し、本発明による工具
は欠損、剥離等が生ずることなく、極めて高い耐摩耗特
性を有することが判明した。
また、本発明による工具では、従来の焼結ダイヤモン
ド工具に比べて、被削材の溶着が少ない様子が観察され
た。
〔発明の効果〕
上述の如く、本発明の高耐摩耗性多結晶ダイヤモンド
工具は、低圧気相法により合成された結合相がなく実質
的にダイヤモンドのみからなる多結晶ダイヤモンドが、
融点700〜1300℃の合金ろう材により金属または合金か
らなる支持部材にろう付されたものであつて、切削工
具、堀削工具、ドレツサー等の各種工具に好適な強度、
耐熱性に優れさらにそのすくい面が鏡面仕上げであるた
め刃立性が改善され、非常に高い耐摩耗性を有する工具
であり、特に、従来の焼結ダイヤモンドと異なり、強度
を低下させることなく、耐熱性が大幅に改善されている
ので、工具材としての適用範囲を飛躍的に拡大できるも
のである。
また本発明の製法は、基板表面を鏡面仕上げしておく
という簡単な手段と、ダイヤモンド多結晶体と支持部材
のろう付の前後に基板を酸処理等で除去するという手段
の組合せで、困難なラツピング処理を要せずにダイヤモ
ンド多結晶体の一端面を鏡面状態にでき、これをすくい
面とすることで、上記の本発明工具を実現できる有利な
方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C30B 29/04 C30B 29/04 A

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低圧気相法により合成された実質的にダイ
    ヤモンドのみからなる多結晶ダイヤモンドが、融点700
    〜1300℃の合金ろう材により金属または合金からなる支
    持部材にろう付けされたものであって、そのすくい面が
    Rmaxで0.1μm以下の鏡面状態であることを特徴とする
    高耐摩耗性多結晶ダイヤモンド工具。
  2. 【請求項2】多結晶ダイヤモンドの厚さが0.1〜3.0mmで
    あることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の
    高耐摩耗性硬質多結晶ダイヤモンド工具。
  3. 【請求項3】合金ろう材厚さが0.1〜100μmであること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項又は第(2)項
    記載の高耐摩耗性多結晶ダイヤモンド工具。
  4. 【請求項4】合金ろう材がAu,Ag,Cu,TiおよびTaから選
    ばれる1種以上を含有する高温ろう付合金であることを
    特徴とする特許請求の範囲第(1)項ないし第(3)項
    のいずれかに記載の高耐摩耗性多結晶ダイヤモンド工
    具。
  5. 【請求項5】支持部材が鋼又は焼結炭化物合金であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)項ないし第
    (4)項のいずれかに記載の高耐摩耗性多結晶ダイヤモ
    ンド工具。
  6. 【請求項6】その表面をRmaxで0.1μm以下の鏡面に仕
    上げた基板上に、低圧気相法によって実質的にダイヤモ
    ンドのみからなる多結晶ダイヤモンドを析出させた後
    に、該ダイヤモンド多結晶体の基板との接合面がすくい
    面側となるように、該ダイヤモンド多結晶体を融点700
    〜1300℃の合金ろう材により金属または合金からなる支
    持部材にろう付けし、かつろう付けの前又は後に該ダイ
    ヤモンド多結晶体から基板を除去することを特徴とする
    低圧気相法により合成された実質的にダイヤモンドのみ
    からなる多結晶ダイヤモンドが、融点700〜1300℃の合
    金ろう付けにより金属または合金からなる支持部材にろ
    う付けされたものであって、そのすくい面がRmaxで0.1
    μm以下の鏡面状態であることを特徴とする高耐摩耗性
    多結晶ダイヤモンド工具の製造方法。
  7. 【請求項7】基板の材質がMo,W又はSiであることを特徴
    とする特許請求の範囲第(6)項記載の高耐摩耗性多結
    晶ダイヤモンド工具の製造方法。
  8. 【請求項8】基板を塩酸,硫酸,硝酸,フッ酸および/
    またはこれらの混合液により化学処理して除去すること
    を特徴とする特許請求の範囲第(6)項または第(7)
    項に記載の高耐摩耗性多結晶ダイヤモンド工具の製造方
    法。
  9. 【請求項9】ろう付け後に基板を除去する化学処理に際
    し、ろう材部および支持部材を酸化膜で被膜して溶解を
    防止することを特徴とする特許請求の範囲第(6)項な
    いし第(8)項のいずれかに記載の高耐摩耗性多結晶ダ
    イヤモンド工具の製造方法。
  10. 【請求項10】合金ろう材がAu,Ag,Cu,TiおよびTaから
    選ばれる1種以上を含有する高温ろう付材であることを
    特徴とする特許請求の範囲第(6)項ないし第(9)項
    のいずれかに記載の高耐摩耗性多結晶ダイヤモンド工具
    の製造方法。
  11. 【請求項11】支持部材が鋼又は焼結炭化物合金である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第(6)項ないし第
    (10)項のいずれかに記載の高耐摩耗性多結晶ダイヤモ
    ンド工具の製造方法。
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