JPH0516004A - 切削工具およびその製造方法 - Google Patents

切削工具およびその製造方法

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JPH0516004A
JPH0516004A JP3169625A JP16962591A JPH0516004A JP H0516004 A JPH0516004 A JP H0516004A JP 3169625 A JP3169625 A JP 3169625A JP 16962591 A JP16962591 A JP 16962591A JP H0516004 A JPH0516004 A JP H0516004A
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JP
Japan
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diamond
cutting tool
tool
carbide
sintered body
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JP3169625A
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Inventor
Tsutomu Nakamura
中村  勉
Yasuyuki Kaneda
泰幸 金田
Tetsuo Nakai
哲男 中井
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、周期律表第4a〜7a族金属の炭
化物のうち少なくとも1つを主成分とする焼結体からな
る炭化物焼結体4と、炭化物焼結体4上に直接接合され
実質的に気相合成ダイヤモンドのみからなるダイヤモン
ド多結晶体3とを備えている。 【効果】 上記のように構成することにより、本願発明
の切削工具は、熱伝導率の高いダイヤモンド多結晶体3
が熱伝導率の低い炭化物焼結体4上に接合された状態と
なるので、切削時にダイヤモンド多結晶体3が温度上昇
した場合にも、その温度上昇が炭化物焼結体4下に位置
する銀ロウ6に伝達されるのが有効に防止される。この
結果、銀ろう6の軟化によるダイヤモンド多結晶体3の
欠損(クラック)を有効に防止することができる。ま
た、炭化物焼結体4が銀ロウ6を用いて工具母材1に容
易に取付けられるので、従来のように製造プロセスを複
雑化させることなく容易に耐熱性,耐摩耗性に優れた切
削工具を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、切削工具およびその
製造方法に関し、特に、非鉄金属や非金属の仕上加工に
最適な、刃立性に優れた切削工具およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、切削工具や耐摩工具として、硬度
と熱伝導率が高いという特性からダイヤモンドが用いら
れている。しかしながら、ダイヤモンドのうち単結晶ダ
イヤモンドはへき開するという欠点がある。このため、
単結晶ダイヤモンドは、精密加工用工具などの限定され
た用途にしか使用されていなかった。
【0003】従来、上記単結晶ダイヤモンドの欠点を改
善するため、特公昭52−12126号公報に開示され
るような提案がなされている。この特公昭52−121
26号公報では、硬質炭化物合金と直接接合したダイヤ
モンド焼結体が提案されている。
【0004】図8は、この従来のダイヤモンド焼結体を
用いた切削工具を示した斜視図である。図9は、図8に
示た切削工具の部分拡大図である。図8および図9を参
照して、従来のダイヤモンド焼結体を用いた切削工具2
00は、超硬合金からなる工具母材11と、工具母材1
1の所定部分に銀ロウ15を用いて取付けられた工具素
材12とを備えている。工具素材12は、その底面が工
具母材11に銀ロウ15を用いて接合される炭化物焼結
体14と、炭化物焼結体14上に直接接合された焼結ダ
イヤ(PCD)13とから構成されている。この工具素
材12は、たとえばCo,Niを含むWC板上に、金属
結合材であるCoの粉末とダイヤの粉末を積層し焼結す
ることにより形成する。
【0005】図10は、図9に示した工具素材の接合部
付近の接合状態を説明するための詳細図である。図10
を参照して、焼結ダイヤ13は、ダイヤモンド(C)と
ダイヤモンド(C)間に介在された金属結合材としての
Coとから構成されている。炭化物焼結体14は、WC
と、WC間に介在されたCoとから構成されている。そ
して、焼結ダイヤ13と炭化物焼結体14との接合部で
は、Coが接合材としての役割を果たしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
焼結ダイヤを用いた切削工具では、焼結ダイヤ13は、
ダイヤモンド(C)と、金属結合材としてのCoとから
構成されていた。
【0007】しかしながら、焼結ダイヤは、含有する金
属結合材(Co)の影響で使用条件によっては、耐熱性
や耐摩耗性が不十分な場合があった。
【0008】そこで、従来、低圧気相法によって合成さ
れた実質的にダイヤモンドのみからなる多結晶体を、工
具母材とロウ付け接合した工具が提案されている。これ
らは、たとえば、特開昭63−34033号公報や特開
昭63−34034号公報などに開示されている。図1
1は、従来の提案された切削工具を示した正面図であ
る。図11を参照して、この提案された切削工具300
では、工具母材21上に、特殊ロウ材23を用いてダイ
ヤモンド多結晶体(気相合成ダイヤ)22が接合されて
いる。このように構成することによって、図10に示し
た焼結ダイヤ13を用いた場合に切削工具に生じていた
耐熱性や耐摩耗性の劣化という問題点を解消することが
できる。すなわち、気相合成法によって形成されたダイ
ヤモンド多結晶体22は、実質的にダイヤモンドのみか
らなり、図10に示した焼結ダイヤのように金属結合材
を含まない。このため、図10に示した焼結ダイヤ13
に生じていた金属結合材による悪影響も生じることがな
い。
【0009】しかしながら、図11に示した従来の提案
された切削工具では、次のような問題点がある。すなわ
ち、ダイヤモンド多結晶体22は、焼結ダイヤ(PC
D)13(図9参照)に比べて熱伝導率が高いため、刃
先温度が上昇し特殊ロウ材23が軟化するという不都合
が生じる。そしてこの特殊ロウ材23の軟化により、ダ
イヤモンド多結晶体22にクラックが生じるという問題
点があった。このクラックは、ダイヤモンド多結晶体2
2の厚みが薄い場合には、顕著に生じる問題であった。
【0010】さらに、ダイヤモンド多結晶体22を工具
母材21にロウ付けするためには、特殊ロウ材23を使
用して真空中でロウ付けをする必要があった。また、特
殊な前処理をダイヤモンド多結晶体22に施す必要もあ
った。この結果、製造プロセスを複雑化させるという問
題点があった。
【0011】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、この発明の1つの目的は、切削
工具において、ダイヤモンド多結晶体の欠損(クラッ
ク)を有効に防止することである。
【0012】この発明のもう1つの目的は、切削工具の
製造方法において、製造プロセスの複雑化を防止して容
易に耐熱性,耐摩耗性に優れた切削工具を得ることであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明における切削工
具(請求項1〜請求項5)は、周期律表第4a〜7a族
金属の炭化物のうち少なくとも1つを主成分とする焼結
体からなる基体と、前記基体上に直接接合され実質的に
気相合成ダイヤモンドのみからなるダイヤモンド多結晶
体とを備えている。
【0014】この発明における切削工具の製造方法(請
求項6)は、気相合成法を用いて実質的にダイヤモンド
のみからなるダイヤモンド多結晶体を形成する工程と、
周期律表第4a〜7a族の金属の炭化物のうち少なくと
も1つを主成分とする粉末とダイヤモンド多結晶体とを
積層した後、非酸化性雰囲気中で800〜1500℃の
温度に加熱して焼結する工程とを備えている。
【0015】
【作用】この発明に係る切削工具(請求項1〜5)で
は、熱伝導率の高い実質的に気相合成ダイヤモンドのみ
からなるダイヤモンド多結晶体が、熱伝導率の低い炭化
物焼結体からなる基体上に直接接合されているので、基
体を工具母材に取付けるためのロウ材がダイヤモンド多
結晶体の刃先温度の上昇によって軟化するのが防止され
る。
【0016】この発明に係る切削工具の製造方法(請求
項6)では、金属炭化物を主成分とする粉末と、ダイヤ
モンド多結晶とを積層して加熱焼結することにより、炭
化物焼結体からなる基体とその上に直接接合されたダイ
ヤモンド多結晶体からなる切削工具が製造されるので、
基体を工具母材に接合する際に従来の銀ロウなどを使用
して大気中で容易にロウ付けすることができる。また、
従来のように特殊な前処理をダイヤモンド多結晶体に施
す必要もない。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0018】図1は、本発明に従った切削工具の一実施
例を示した正面図である。図1を参照して、本実施例の
切削工具100は、超硬合金からなる工具母材1と、工
具母材1の所定部分上に銀ロウ6を介して接合された工
具素材2とを備えている。工具素材2は、銀ロウ6によ
ってその底面が工具母材1に接合され、95容量%のW
1.2 Cと5容量%のCoとからなる炭化物焼結体4と、
炭化物焼結体4上に直接接合されたダイヤモンド多結晶
体(C)3とから構成されている。ダイヤモンド多結晶
体3と炭化物焼結体4との接合部5には、後述するよう
にWCが形成されている。
【0019】本実施例では、このように、熱伝導率の高
いダイヤモンド多結晶体3と、ダイヤモンド多結晶体3
に比べて熱伝導率の低い炭化物焼結体4とから工具素材
2を構成することにより、切削時にダイヤモンド多結晶
体3の刃先温度が上昇した場合にも、その刃先温度の上
昇が銀ロウ6に伝わることが有効に防止される。すなわ
ち、ダイヤモンド多結晶体3と銀ロウ6との間に介在さ
れる炭化物焼結体4は、熱伝導率が低いため、ダイヤモ
ンド多結晶体3の刃先熱の拡散を防止する役割を果た
す。したがって、本実施例の切削工具100では、従来
の切削工具のようにロウ材が軟化することが防止され
る。この結果、ダイヤモンド多結晶体にクラックが生じ
ることを有効に防止できる。
【0020】また、本実施例の切削工具100では、炭
化物焼結体4が工具母材1にロウ付けされるため、特殊
なロウ材を用いる必要もなく通常の銀ロウを用いて大気
中でロウ付けを行なうことができる。この結果、製造プ
ロセスを複雑化させることなく容易に耐熱性、耐摩耗性
に優れた切削工具を得ることができる。
【0021】ここで、ダイヤモンド多結晶体3の厚みT
としては、0.1〜1.0mmの範囲内であることが好
ましい。すなわち、仕上加工用途での工具摩耗量が最大
0.1mmであること、および、その厚みが1.0mm
より厚いとコストが高くなることを考慮すると、ダイヤ
モンド多結晶体3の厚みは、上記0.1〜1.0mmの
範囲内であることが好ましい。
【0022】また、ダイヤモンド多結晶体3の粒径とし
ては、0.5〜5μmであることが好ましい。すなわち
微粒すぎると耐摩耗性が不足することおよび粗粒すぎる
と耐欠損性が不足することを考慮すると、ダイヤモンド
多結晶体3の粒径は、上記0.5〜5.0μmの範囲内
であることが好ましい。
【0023】また、炭化物多結晶体4の組成として、図
1に示した実施例ではW1.2 Cを主成分とする組成とし
たが、本発明はこれに限らず、後述するようにダイヤモ
ンド多結晶体3と炭化物焼結体4との界面での反応を生
じさせるための最適組成であればどのような組成でもよ
い。たとえば、W(1+X) Cとした場合に、X=0〜1の
範囲内で最適な組成を選ぶことができる。また、たとえ
ばMo2(1+X)Cを主成分とする場合には、X=0〜1の
範囲内で最適な組成を決定すればよい。
【0024】図2ないし図5は、図1に示した工具素材
の製造プロセスの一実施例を説明するための概略図であ
る。図2ないし図5を参照して、本実施例の工具素材の
製造プロセスを概略的に説明する。
【0025】まず、図2を参照して、マイクロ波CVD
装置8を用いて、シリコン基板7上にダイヤモンド多結
晶体3を成長させる。すなわち、反応管8aに原料ガス
を導入し、マイクロ波電源8bによって発生されたマイ
クロ波を反応管8aに伝達する。これによって、シリコ
ン基板7上にダイヤモンド多結晶体3を成長させる。
【0026】次に、図3に示すように、シリコン基板7
およびその上に成長したダイヤモンド多結晶体3を弗硝
酸9に浸漬する。これによって、シリコン基板7が溶融
除去される。弗硝酸9によりシリコン基板7が溶融除去
されると、図4に示すようなダイヤモンド多結晶体3が
得られる。すなわち、ダイヤモンド多結晶体3の成長面
3aは、凹凸形状を有しており、成長面3aと反対側の
基板面3bは、平滑な面形状を有している。
【0027】次に、図5に示すように、成形機10内
に、まず95容量%のW1.2 Cと5容量%のCoとの混
合粉末を充填する。その上に、成長面3aを上記混合粉
末側に向けてダイヤモンド多結晶体3を積層する。そし
て、この積層体を、非酸化性雰囲気中で800〜150
0℃の温度に加熱して焼結する。
【0028】図6は、上記製造プロセスによって得られ
た工具素材を示した正面図である。図7は、図6に示し
た工具素材の接合部付近の結合状態を説明するための詳
細図である。図6および図7を参照して、本実施例の製
造プロセスによって得られた工具素材2では、ダイヤモ
ンド多結晶体3と炭化物焼結体4との接合界面である接
合部5において、WCが形成されている。すなわち、こ
の接合部5のWCは、ダイヤモンド多結晶体3のCと、
炭化物焼結体4のWとが反応して形成される。本実施例
ではこのように、ダイヤモンド多結晶体3と炭化物焼結
体4とは、接合部5に形成されたWCによって接合され
ている。これは、図10に示した焼結ダイヤ13を用い
た場合に、焼結ダイヤ13(図10参照)と炭化物焼結
体14(図10参照)との接合がCoによって行なわれ
るのと著しく相違する。
【0029】本願発明者などは、上記第1の実施例の切
削工具の効果の確認するため、以下のような実験を行な
った。
【0030】(実験1)まず、マイクロ波プラズマCV
D法により、鏡面加工を施したSi基板上に以下の条件
でダイヤモンド多結晶体を10時間合成した。
【0031】(実験条件) 原料ガス(流量) :H2 200 sccm CH4 10 sccm ガス圧力 :120 Torr マイクロ波発振出力:650 W 上記合成後、弗硝酸に浸漬してSi基板のみを溶融除去
した。これにより、平均結晶粒径が5μmで厚さが0.
2mmのダイヤモンド多結晶体を回収することができ
た。このダイヤモンド多結晶体をその成長面側を接合面
として、95容量%のW1.2 Cと5容量%のCoとの混
合粉末型押し体と積層させた。この積層体を水素雰囲気
中で1300℃の温度で3時間加熱して焼結・接合反応
を行なった。回収された接合体は、接合強度が30Kg
/mm2 であった。
【0032】この接合体を銀ロウによって超硬合金製の
工具母材に接合して切削工具(A)を作成した。比較例
として上記ダイヤモンド多結晶体をTiを含有する活性
ロウ材で直接工具母材に接合したもの(B)、超硬合金
と積層焼結されている焼結ダイヤモンドを銀ロウで工具
母材に接合したもの(C)も作成した。この焼結ダイヤ
は粒径が5μmで、結合材としてCoを12容量%含有
するものであった。
【0033】上記(A),(B),(C)の仕上用工具
としての性能評価を以下の条件で行なった。
【0034】(切削条件) 被切削材 :A390−T6(A1−17%Si)丸棒 切削速度 :1,000m/min 切り込み量:0.5mm 送り速度 :0.1mm/rev. 冷却液 :なし (評価方法)5分および60分切削後の工具摩耗状態の
比較。
【0035】その結果、次の表1に示すような結果が得
られた。 (表1) 工具No. 逃げ面摩耗幅(μm) 5分切削後 60分切削後 本発明 A 25 80 比較例 B ロウ材が緩み欠損 −− 比較例 C 35 130 上記表1を参照して、本実施例の切削工具(A)は、ロ
ウ材の緩みも生じることなく、長時間にわたって良好な
切削特性が得られることが明らかになった。
【0036】次に、本願発明者は、図2〜図5に示した
製造プロセスとは異なる他の製造プロセスを用いて本願
発明の効果を確認するため以下のような実験を行なっ
た。
【0037】(実験2)まず、熱電子放射材に直径0.
5mm、長さ100mmの直線状タングステンフィラメ
ントを用いた熱CVD法により、鏡面加工を施したMo
基板上にダイヤモンド多結晶体を20時間合成した。こ
の合成は、以下のような条件で行なった。
【0038】 原料ガス(流量) :H2 300 sccm C2H2 15 sccm ガス圧力 :80 Torr フィラメント温度 :2150℃ フィラメント−基板間距離:6mm 基板温度 :920℃ 上記合成後、熱王水に浸漬してMo基板のみを溶融除去
した。これにより、平均結晶粒径が3μmで厚さが0.
15mmのダイヤモンド多結晶体を回収することができ
た。このダイヤモンド多結晶体をその成長面側を接合面
として、95容量%のW1.2 Cと5容量%のCoとの混
合粉末型押し体と積層させた。この積層体を水素雰囲気
中で1300℃に3時間加熱して焼結・接合反応を行な
った。回収された接合体は、接合強度が30Kg/mm
2 であった。
【0039】この接合体を銀ロウによって超硬合金製の
工具母材に接合して切削工具(D)を作成した。比較例
として、上記のダイヤモンド多結晶体をTiを含有する
活性ロウ材で直接工具母材に接合したもの(E)および
超硬合金と積層焼結されている焼結ダイヤモンドを銀ロ
ウで工具母材に接合したもの(F)も作成した。なお、
この焼結ダイヤモンドは粒径が25μmで結合材として
Coを5容量%含有するものであった。
【0040】上記切削工具(D),(E),(F)の仕
上用工具としての性能評価を以下の条件で行なった。
【0041】(切削条件) 被切削材 :GFRP丸棒 切削速度 :500m/min 切り込み量:0.3mm 送り速度 :0.08mm/rev. 切削時間 :90分 冷却液 :水溶性油剤 その結果、次の表2に示したような結果が得られた。
【0042】 (表2) 工具No. 逃げ面摩耗幅(μm) 5分切削後 60分切削後 本発明 D 15 70 比較 E ロウ材が緩み欠損 −− 比較 F 25 120 上記表2を参照して、本実施例の切削工具(D)は、ロ
ウ材の緩みも生じることなく、長時間にわたって良好な
切削特性が得られることが明らかとなった。
【0043】
【発明の効果】この発明に係る切削工具(請求項1〜請
求項5)では、熱伝導率の高い実質的に気相合成ダイヤ
モンドのみからなるダイヤモンド多結晶体を、熱伝導率
の低い炭化物焼結体上に直接接合することにより、ダイ
ヤモンド多結晶体の切削時の熱上昇が基体下に位置する
ロウ材に伝わるのが有効に防止される。これにより、ロ
ウ材が刃先温度の上昇によって軟化するのが有効に防止
されるので、ダイヤモンド多結晶体の欠損(クラック)
を有効に防止することができる。
【0044】この発明に係る切削工具の製造方法(請求
項6)では、気相合成法を用いて実質的にダイヤモンド
のみからなる多結晶体を形成し、周期律表第4a〜7a
族の金属の炭化物のうち少なくとも1つを主成分とする
粉末と上記ダイヤモンド多結晶体とを積層した後、非酸
化性雰囲気中で800〜1500℃の温度に加熱して焼
結することにより、炭化物焼結体とその上に直接接合さ
れたダイヤモンド多結晶体からなる切削工具が製造され
る。これにより、従来の銀ロウを用いて、炭化物焼結体
を工具母材に大気中で容易にロウ付けすることがてき
る。この結果、製造プロセスの複雑化を防止して容易に
耐熱性,耐摩耗性に優れた切削工具を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った切削工具の一実施例を示した正
面図である。
【図2】図1に示した工具素材の製造プロセスの一実施
例の一工程を説明するための概略図である。
【図3】図1に示した工具素材の製造プロセスの一実施
例の第2工程を説明するための概略図である。
【図4】図3に示した第2工程で得られたダイヤモンド
多結晶体を示した正面図である。
【図5】図1に示した工具素材の製造プロセスの一実施
例の第3工程を説明するための概略図である。
【図6】図5に示した第3工程で得られた工具素材を示
した正面図である。
【図7】図6に示した工具素材の接合部付近の結合状態
を説明するための詳細図である。
【図8】従来のダイヤモンド焼結体を用いた切削工具を
示した斜視図である。
【図9】図8に示した切削工具の部分拡大図である。
【図10】図9に示した工具素材の接合部付近の接合状
態を説明するための詳細図である。
【図11】従来の提案された切削工具を示した正面図で
ある。
【符号の説明】
1 工具母材 2 工具素材 3 ダイヤモンド多結晶体 3a 成長面 3b 基板面 4 炭化物焼結体 5 接合部 6 銀ロウ 7 シリコン基板 8 マイクロ波CVD装置 9 弗硝酸 10 成形機 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/56 A 7310−4G

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期律表第4a〜7a族金属の炭化物の
    うち少なくとも1つを主成分とする焼結体からなる基体
    と、 前記基体上に直接接合され、実質的に気相合成ダイヤモ
    ンドのみからなるダイヤモンド多結晶体とを備えた、切
    削工具。
  2. 【請求項2】 前記ダイヤモンド多結晶体の厚みは、
    0.1〜1.0mmである、請求項1に記載の切削工
    具。
  3. 【請求項3】 前記ダイヤモンド多結晶体の粒径は、
    0.5〜5.0μmである、請求項1に記載の切削工
    具。
  4. 【請求項4】 前記基体は、W(1+X) CおよびMo
    2(1+X)C(X=0〜1)のうち少なくともいずれか一方
    を主成分とする焼結体である、請求項1に記載の切削工
    具。
  5. 【請求項5】 前記切削工具は、さらに、前記基体がロ
    ウ付けされる工具母材を含む、請求項1に記載の切削工
    具。
  6. 【請求項6】 気相合成法を用いて実質的にダイヤモン
    ドのみからなるダイヤモンド多結晶体を形成する工程
    と、周期律表第4a〜7a族の金属の炭化物のうち少な
    くとも1つを主成分とする粉末と、前記ダイヤモンド多
    結晶体とを積層した後、非酸化性雰囲気中で800〜1
    500℃の温度に加熱して焼結する工程とを備えた、切
    削工具の製造方法。
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WO1998030357A1 (de) * 1997-01-13 1998-07-16 Winter Cvd Technik Gmbh Schleifkörper
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