JP2867694B2 - 多結晶ダイヤモンド切削工具およびその製造方法 - Google Patents

多結晶ダイヤモンド切削工具およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、非鉄金属や非金属の仕上げ加工に最適な
刃立性に優れた多結晶ダイヤモンド切削工具およびその
製造方法に関するものである。
[従来の技術] ダイヤモンドは硬度と熱伝導率が高いため、切削工具
や耐摩工具として使用されている。しかし、単結晶ダイ
ヤモンドは劈開するという欠点があり、この欠点を抑制
するために、特公昭52−12126号公報に記載されている
ように超高圧焼結技術を用いてダイヤモンド同士を焼結
したダイヤモンド焼結体が開発されている。
市販されているダイヤモンド焼結体のうち、特に粒径
が数10μm以下の微粒のものは、上記の多結晶ダイヤモ
ンドに見られる劈開現象が生ずることがなく、優れた耐
摩耗性を示すことが知られている。
しかしながら、これらのダイヤモンド焼結体は数%〜
数10%の結合材を含有するため、構成する粒子単位でチ
ッピングが生じるという問題点を有している。特に、こ
のチッピングの現象は工具刃先のくさび角が小さくなる
と顕著になり、鋭利な切れ刃を持った工具の作成は極め
て困難である。工具作成時での刃先のチッピングを抑え
るために、たとえば#3000〜#5000といった微粒のダイ
ヤモンド砥石を用いて刃先研磨する方法を取ることも可
能であるが、このような方法を用いても刃先のチッピン
グを5μm以下に抑えることは不可能であった。また、
この微粒ダイヤモンド砥石を用いた研磨方法では、砥石
の粒度を細かくするにともなって加工効率が低下すると
いう新たな問題が生じる。
また、ダイヤモンド焼結体の加工方法としては上記の
研削加工以外に、放電加工やレーザ加工を用いることが
知られているが、これらの加工法を用いてもダイヤモン
ド焼結体に結合材が含入されているために、良好な刃立
性を持った工具が得られないのが現状である。
一方、ダイヤモンド焼結体の代わりに結合材を含有し
ていない多結晶ダイヤモンド、すなわち低圧気相法によ
り合成された多結晶ダイヤモンド工具素材とした切削工
具が発明者らによって考案された。このような多結晶ダ
イヤモンドを素材とした切削工具の例が特開平1−2127
67号公報に示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、多結晶ダイヤモンドを工具素材とする
場合においても、研削加工により刃先形成を行なうと、
その刃先に5μm程度のチッピングが生じ、これを抑制
することはできなかった。そこで、発明者らは、多結晶
ダイヤモンドを工具素材とする切削工具の刃立性を改善
するために、刃先加工にレーザ加工を用いることを新た
に考案した。すなわち、低圧気相法により合成され、そ
の表面粗さがJIS B 0601に規定された最大高さ表示
(Rmax)で0.1μm以下の鏡面状態に形成された多結晶
ダイヤモンドを工具素材とし、この工具素材の刃先逃げ
面をレーザ加工を用いて形成した多結晶ダイヤモンド切
削工具を考案した。なお、このレーザ加工を用いた多結
晶ダイヤモンド切削工具については同一出願人による特
願平2−271011号に記載されている。工具のすくい面の
粗さをRmaxで0.1μm以下とし、逃げ面をレーザ加工し
て形成した場合には、従来の多結晶ダイヤモンド工具あ
るいはダイヤモンド焼結体を用いた工具に比べて刃立性
が各段に改良された。
しかしながら、工具逃げ面がレーザ加工により成形さ
れており、このレーザ加工の後では、逃げ面の表面にレ
ーザ加工の熱影響により黒鉛被覆層が生成される。この
工具逃げ面に生成される黒鉛被覆層は、寸法精度が厳し
く要求されるような用途に用いられる工具においては、
被削材の溶着が多くなり、その結果切削時にチッピング
が生じたり、あるいは被削面粗度が悪化するという問題
の発生が懸念される。
したがって、この発明は上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、多結晶ダイヤモンドを工具素
材とし、刃立性の優れた多結晶ダイヤモンド切削工具お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明は、低圧気相法により合成された多結晶ダイ
ヤモンドを工具素材とし、そのすくい面は表面粗さが最
大高さ表示(Rmax)で0.1μm以下に形成され、逃げ面
は多結晶ダイヤモンドの表面が露出しており、さらにす
くい面と逃げ面との交線に沿う刃先のチッピングの大き
さが0.5μm以上5μm以下に形成されている。この多
結晶ダイヤモンド切削工具は、刃先加工された多結晶ダ
イヤモンド工具素材が直接切削機器に取付けられる構
造、あるいはそのような多結晶ダイヤモンド工具素材が
工具支持体に接合された構造をも含むものである。
また、この発明による多結晶ダイヤモンド切削工具
は、以下の工程により製造される。
まず、表面粗さが最大高さ表示(Rmax)で0.1μm以
下の基材の表面上に低圧気相法により多結晶ダイヤモン
ドを析出させる。次に、基材上の多結晶ダイヤモンドを
所定のチップ形状に切断した後、基材を多結晶ダイヤモ
ンドのチップから除去する。そして、多結晶ダイヤモン
ドのチップ表面のうち基材と接していた側の表面に交差
する表面をレーザ加工して刃先逃げ面を形成する。その
後、レーザ加工により刃先逃げ面に生成された黒鉛被覆
層を除去する。
なお、多結晶ダイヤモンドのチップが工具支持体に接
合される構造の多結晶ダイヤモンド切削工具において
は、基材が除去された多結晶ダイヤモンドのチップ表面
のうち基材と接していた側の表面が工具のすくい面とな
るように工具支持体に接合された後、レーザ加工により
刃先逃げ面が形成される。
[作用] 第1図ないし第6図は、この発明による多結晶ダイヤ
モンド切削工具の製造工程断面図である。第1図ないし
第6図を参照してこの発明の多結晶ダイヤモンド切削工
具の作用効果について説明する。
まず、第1図を参照して、金属あるいは合金からなる
基板1表面上に低圧気相法を用いて多結晶ダイヤモンド
を形成する。基板1の鏡面はその表面粗さがmaxで0.1μ
m以下の鏡面に仕上げ加工されている。この表面上に多
結晶ダイヤモンドを析出させる方法としては次のような
低圧気相法が用いられる。すなわち、熱電子放射やプラ
ズマ放電を利用して原料ガスの分解・励起を生じさせる
方法、あるいは燃焼炎を用いた成膜方法が有効である。
原料ガスとしては、たとえばメタン、エタン、プロパン
などの炭化水素類、メタノール、エタノールなどのアル
コール類、エステル類などの有機炭素化合物と水素とを
主成分とする混合ガスが一般的に用いられる。これ以外
にはアルゴンなどの不活性ガスや酸素、二酸化炭素、水
などもダイヤモンドの合成反応やその特性を阻害しない
範囲内で原料中に含有されても構わない。このような低
圧気相法により基板1表面上に多結晶ダイヤモンドの平
均結晶粒径が0.5〜15μmとなるように合成される。こ
の多結晶ダイヤモンドの粒径が規定されるのは、切削工
具として使用された場合、平均結晶粒径が0.5μmより
も微粒になると耐摩耗性が低下し、また15μmよりも粗
粒になると欠損しやすくなるからである。また、基板1
としては多結晶ダイヤモンドの内部応力を低減させるた
めに、その熱膨脹率がダイヤモンドの熱膨張率に近いも
のが好ましく、たとえばモリブデン(Mo)、タングステ
ン(W)、シリコン(Si)などが挙げられる。
次に、第2図を参照して、レーザビームにより基板1
上に形成された多結晶ダイヤモンド層2を所定の工具素
材形状に沿って切断線を形成する。
さらに、第3図を参照して、塩酸、硫酸、硝酸、弗酸
あるいはこれらの混合液により化学処理を施して基板1
を溶解して多結晶ダイヤモンドから除去する。このよう
にして形成された多結晶ダイヤモンド工具素材3は、そ
の積層方向の厚みが1mm以上であれば、そのまま刃先形
成加工を行ない、ホルダにクランプして工具として使用
することができる。また、厚さが0.05〜1mmであれば超
硬合金や鋼などからなる工具支持体に接合した構造の切
削工具として使用してもよい。このような工具支持体に
接合される構造の切削工具の場合、多結晶ダイヤモンド
工具素材3の厚みが0.05mmよりも薄い場合には工具素材
としての強度が低下して欠損しやすくなる。また、この
ような接合型の切削工具においては、一般的な使用に対
しては工具素材の厚みが1mm程度あれば十分である。な
お、このような構造は第4図に示されるように、工具支
持体4に基板と接合していた面がすくい面6となるよう
に多結晶ダイヤモンド工具素材3と工具支持体4とがろ
う付け5後、接合されることが必須である。
さらに、第5図を参照して、刃先形成加工に、適度に
選定された条件でレーザ加工を適用することにより、研
削加工では得られなかった良好な刃立性を有する切削工
具が作成される。これは、工具素材の多結晶ダイヤモン
ドが結合材を含有してないことおよびレーザ加工は熱化
学的反応を伴った加工であるため、機械的除去法である
研削加工に比べて損傷が少ないことが作用すると考えら
れる。このレーザ加工には、加工効率や品質の点からYA
Gレーザを用いることが好ましい。レーザ光線は工具の
すくい面6側から、あるいは反対側から照射する。この
際予め設定された逃げ角を形成し得るようにレーザ光線
に対して工具を傾けて設置し移動させる。あるいは工具
を固定してレーザ光線を操作する方法を用いても構わな
い。レーザの加工条件は、刃先のチッピングが0.5〜5
μmとなるように選定する。この条件としては、シング
ルモードで、平均出力2〜5W、9スイッチの繰返し周波
数が1〜5kHz、レーザビーム操作速度が0.1〜5mm/secが
好ましい。
なお、ここで、第7図を用いてチッピングの大きさを
定義する。第7図は、第6図に示したスローアウェイチ
ップの刃先部分の拡大図であり、すくい面6と逃げ面7
との交線に沿ってチッピング9が生じた状態を模式的に
示している。チッピングの大きさは、すくい面6と逃げ
面7との交線からすくい面6表面側へ測った長さl1と逃
げ面7側へ測った長さl2とのうち大きい値を用いて定義
する。このチッピングの大きさの下限値である0.5μm
は、発明者の実験結果から推定したものであり、さらに
加工条件の変化によりこのチッピングをさらに低減させ
ることは可能である。
再度、第5図を参照して、このレーザ加工を用いた刃
先形成加工が終了した後、すくい面7の表面にはレーザ
加工にともなって黒鉛が生成される。この黒鉛被覆層8
の厚みは0.5〜10μm程度である。
さらに、第6図を参照して、レーザ加工を行なった
後、逃げ面などに生成した黒鉛被覆層8は次のような化
学的方法によって除去される。すなわち、酸あるいはア
ルカリ溶融塩に溶解・除去する方法が用いられる。使用
する酸としては、重クロム酸、硫酸と硝酸の混合液が好
ましい。硫酸と硝酸の混合液を用いる場合は、その混合
比率を1対9〜9対1の範囲とすることが効率良く黒鉛
を溶解する上で重要である。また、アルカリ溶融塩とし
ては、水酸化カリウム、硝酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、硝酸ナトリウム、あるいはこれらの混合物が使用で
きる。なお、図示されたような工具支持体4に接合され
る構造の多結晶ダイヤモンド切削工具の場合には、この
黒鉛被覆層除去工程には、アルカリ溶融塩を用いること
が望ましい。これは、酸を用いた場合には、接合に用い
るろう材や工具支持体が損傷を受ける可能性があるから
である。
このような方法によって作成された多結晶ダイヤモン
ド切削工具は、そのすくい面が最大高さ表示Rmaxで0.1
μm以下の鏡面状態であり、かつ逃げ面が黒鉛によって
被覆されておらず、多結晶ダイヤモンドが露出してお
り、さらにその刃先はチッピングが0.5μm〜5μmの
範囲に抑制された優れた刃立性を有している。
[実施例] 以下に、上記のような方法を用いて実際に製造された
多結晶ダイヤモンド切削工具の実施例について説明す
る。
(実施例1) マイクロ波プラズマCVD(Chemical Vapor Depositi
on)法により、その表面がRmaxで0.05μmの鏡面状態で
あるSi基板上に、以下の条件で多結晶ダイヤモンドを10
時間合成した。
原料ガス(流量) :H2 200 sccm CH4 10 sccm ガス圧力 :120 Torr マイクロ波発振出力:650 W 合成後、弗硝酸に浸漬してSi基板のみを溶解除去する
ことにより、平均結晶粒径が5μmで厚さが0.2mmの多
結晶ダイヤモンドを回収することができた。また、基板
側の面はRmaxで0.05μmであった。この多結晶ダイヤモ
ンドを、その成長面側を接合面として超硬合金製のシャ
ンクとろう付接合を行なった。次に、この接合体を傾け
て保持し、加工用のレーザ光線と接合体のすくい面とが
101゜をなすようにして刃先形成を行ない、スローアウ
ェイチップ(型番:SPGN120304)を作成した。なお、刃
先形成には連続発振モードのYAGレーザを出力3Wで使用
した。得られたスローアウェイチップ(A)は刃先のチ
ッピングが1μmと良好で、逃げ面は2μmの厚さの黒
鉛で被覆されていた。次に、このスローアウェイチップ
(A)と同じ条件でレーザ加工を施したチップを500℃
に加熱した硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの等容積混合
物中に30分間浸漬して黒鉛の溶解・除去を行なった。回
収したチップ(B)は、ろう材およびシャンクともに損
傷なく逃げ面の黒鉛は完全に除去されており、また刃先
のチッピングは1μmのままであった。
これらのスローアウェイチップの仕上げ用工具として
の性能評価を以下の条件で行なった。
(切削条件) 被削材 :AC4C−T6(A1−7%Si)丸棒 切削速度:500m/min 切込み量:0.2mm 送り速度:0.1mm/rev. 冷却液 :水溶性油剤 (評価方法) 5分および60分切削後の被削面粗度の比較。
その結果、下記の表1に示したように、本発明の工具
は比較のためのチップ(A)に比べて長時間に亘って鋭
利な切れ刃が維持され、良好な被削面が得られることが
明らかとなった。
(実施例2) 熱電子放射材に直径0.5mm、長さ100mmの直線状タング
ステンフィラメントを用いた熱CVD法により、その表面
がRmaxで0.03μmのMo基板上に以下の条件で多結晶ダイ
ヤモンドを20時間合成した。
原料ガス(流量) :H2 300 sccm C2H2 15 sccm ガス圧力 :80 Torr フィラメント温度:2150℃ フィラメント−基板間距離:6mm 基板温度 :920℃ 合成後、熱王水に浸漬してMo基板のみを溶解除去する
ことにより、平均結晶粒径が3μmで、厚さが0.15mmの
多結晶ダイヤモンドを回収することができた。なお、基
板側の面はRmaxで0.03μmの鏡面状態であった。この多
結晶ダイヤモンドを、その成長面側を接合面として超硬
合金性のシャンクとろう付接合を行なった。次に、この
接合体を傾けて保持し、YAGレーザを出力3Wで連続発振
し、すくい面側から照射したレーザ光線により刃先の加
工を行ない、くさび角が80゜のスローアウェイチップを
作成した。なお、試作したチップ(C)は、チッピング
が2μmで逃げ面が厚さ3μmの黒鉛で被覆されてい
た。
次に、これと同じチップを500℃に加熱した硝酸カリ
ウムと水酸化ナトリウムの混合物(容量で2対1に配
合)中に3分間浸漬して、黒鉛の溶解・除去を行なっ
た。回収したチップ(D)はろう材およびシャンクとも
に損傷なく、チッピングが2μmで逃げ面の黒鉛は完全
に除去されていた。
これらのスローアウェイチップの仕上げ用工具として
の性能評価を以下の条件で行なった。
(切削条件) 被削材 :AC8A−T6(A1−12%Si)丸棒 切削速度:600m/min 切込み量:0.3mm 送り速度:0.08mm/rev. 冷却液 :水溶性油剤 (評価方法) 5分および60分切削後の刃先磨耗量(チッピングの大
きさ)の比較。
性能評価試験の結果を表2に示す。
比較品(C)は、発明品(D)に比べて切削初期にお
ける刃先の被削材溶着が多く、その影響により初期にチ
ッピングが生じたものと推定される。これに対して、発
明品(D)は、逃げ面に黒鉛が存在しないため、被削材
の刃先への溶着がほとんど生じることなく、鋭利な刃先
が長時間維持されることが明らかとなった。
(実施例3) Rmaxで0.06μmの鏡面加工が施されたタングステン基
板の置かれた反応管中に、H2とC2H6とArとを8対1対1
の割合で混合したガスを流量500sccmで供給し、圧力を1
50Torrに調整した。次に、高周波発振機から高周波(1
3.56MHz)を与え、混合ガスを励起してプラズマを発生
させ、30時間合成を行なった。なお、高周波の出力は、
各合成実験ごとに700〜900Wの範囲で選定した。
各合成実験が終了した後、取出した基板を熱王水処理
して多結晶ダイヤモンドの回収を行なった。得られた多
結晶ダイヤモンドは、平均結晶粒径が5〜30μmと各実
験ごとに異なったが、厚さはいずれも1.6mmで、また基
板側の面はいずれもRmaxで0.06μmの鏡面状態にあっ
た。これらの多結晶ダイヤモンドからスローアウェイチ
ップ(型番:TPGN060104−B)を作製するに当たり、出
力条件を変えたYAGレーザを用いて加工を行なった。こ
れらのスローアウェイチップ(E、F、G)と同じ条件
で作製したチップを、さらに100℃に加熱した重クロム
酸に浸漬して逃げ面を被覆している黒鉛の除去を行なっ
た。これらのチップ(H、I、J)と酸処理を施してい
ないチップ(E、F、G)とについて刃先の加工状態を
観察した後、以下の状態で切削実験を行ない、被削面粗
度を測定して性能評価を行なった。
切削試験の条件を以下に示す。
(切削条件) 被削材 :AC4A−T6(Al−10%Si)丸棒 切削速度:300m/min 切込み量:0.15mm 送り速度:0.08mm/rev. 切削時間:90分 冷却液 :水溶性油剤 性能評価試験の結果を表3に示す。
表3を参照して、チップFおよびIは、多結晶ダイヤ
モンドの粒径が大きすぎたため、チッピングが大きく生
じて良好な被削面が得られなかったものと考えられる。
しかし、本発明の方法によるチップ(H、J)は、いず
れも優れた刃立性を有し、比較用チップ(E、G)に比
べて逃げ面に被覆黒煙層が存在していないため良好な面
粗度が得られることが判明した。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図は、この発明による多結晶ダイヤモ
ンド切削工具の製造工程を示す製造工程図である。 第7図は、この発明による多結晶ダイヤモンド切削工具
の刃先部分の拡大斜視図である。 図において、1は基材、2は低圧気相法により形成され
た多結晶ダイヤモンド層、3は多結晶ダイヤモンドチッ
プ、4は工具支持体、5はろう付部、6はすくい面、7
は逃げ面、8は黒鉛被覆層、9はチッピングを示してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−212767(JP,A) 特開 平1−210201(JP,A) 特開 昭63−49445(JP,A) 特開 昭62−107068(JP,A) 特許2557560(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23B 27/14 B23B 27/20 B23K 26/00 B23P 15/28 C23C 16/26

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低圧気相法により合成された多結晶ダイヤ
    モンドをレーザ光によって刃先形成加工した多結晶ダイ
    ヤモンド切削工具であって、 表面粗さが最大高さ表示(Rmax)で0.1μm以下のすく
    い面と、 化学的処理が施された多結晶ダイヤモンド表面が露出し
    た逃げ面とを備え、 前記すくい面と前記逃げ面との交線に沿う刃先のチッピ
    ングの大きさが0.5μm以上5μm以下である、多結晶
    ダイヤモンド切削工具。
  2. 【請求項2】前記多結晶ダイヤモンド切削工具を構成す
    る前記多結晶ダイヤモンドの平均粒径が0.5μm以上15
    μm以下である、請求項1記載の多結晶ダイヤモンド切
    削工具。
  3. 【請求項3】前記多結晶ダイヤモンド切削工具を構成す
    る前記多結晶ダイヤモンドの前記すくい面にほぼ直交す
    る方向の厚みが、0.05mm以上1mm以下である、請求項1
    または請求項2に記載の多結晶ダイヤモンド切削工具。
  4. 【請求項4】低圧気相法により合成された多結晶ダイヤ
    モンドを工具素材とし、この工具素材を工具支持体に接
    合して構成された、レーザ光によって刃先形成加工され
    た多結晶ダイヤモンド切削工具であって、 表面粗さが最大高さ表示(Rmax)で0.1μm以下のすく
    い面と、 化学的処理が施された多結晶ダイヤモンド表面が露出し
    た逃げ面とを備え、 前記すくい面と前記逃げ面との交線に沿う刃先のチッピ
    ングの大きさが0.5μm以上15μm以下である、多結晶
    ダイヤモンド切削工具。
  5. 【請求項5】前記工具素材の多結晶ダイヤモンドの平均
    粒径が、0.5μm以上15μm以下である、請求項4記載
    の多結晶ダイヤモンド切削工具。
  6. 【請求項6】前記工具素材の多結晶ダイヤモンドの前記
    すくい面にほぼ直交する方向の厚みが0.05mm以上1mm以
    下である、請求項4または請求項5に記載の多結晶ダイ
    ヤモンド切削工具。
  7. 【請求項7】表面粗さが最大高さ表示(Rmax)で0.1μ
    m以下の基材の表面上に低圧気相法により多結晶ダイヤ
    モンドを析出させる工程と、 前記基材上の前記多結晶ダイヤモンドを所定のチップ形
    状に切断した後、前記基材を前記多結晶ダイヤモンドの
    チップから除去する工程と、 前記多結晶ダイヤモンドのチップ表面のうち、前記基材
    と接していた側の表面に交差する表面をレーザ加工して
    刃先逃げ面を形成する工程と、 前記レーザ加工により前記刃先逃げ面に生成された黒鉛
    被覆層を除去する工程とを備えた、多結晶ダイヤモンド
    切削工具の製造方法。
  8. 【請求項8】前記黒鉛被覆層は、化学的方法により除去
    される、請求項7記載の多結晶ダイヤモンド切削工具の
    製造方法。
  9. 【請求項9】前記黒鉛被覆層は酸溶液により溶解除去さ
    れる、請求項8記載の多結晶ダイヤモンド切削工具の製
    造方法。
  10. 【請求項10】表面粗さが最大高さ表示(Rmax)で0.1
    μm以下の基材の表面上に低圧気相法により多結晶ダイ
    ヤモンドを析出させる工程と、 前記基材上の前記多結晶ダイヤモンドを所定のチップ形
    状に切断した後、前記基材を前記多結晶ダイヤモンドの
    チップから除去する工程と、 前記多結晶ダイヤモンドのチップの前記基材と接してい
    た面が工具のすくい面となるように前記多結晶ダイヤモ
    ンドのチップを工具支持体に接合する工程と、 前記多結晶ダイヤモンドの前記すくい面と交差する表面
    をレーザ加工して刃先逃げ面を形成する工程と、 前記レーザ加工により前記刃先逃げ面に生成された黒鉛
    被覆層を除去する工程とを備えた、多結晶ダイヤモンド
    切削工具の製造方法。
  11. 【請求項11】前記黒鉛被覆層は化学的方法により除去
    される、請求項10記載の多結晶ダイヤモンド切削工具の
    製造方法。
  12. 【請求項12】前記黒鉛被覆層はアルカリ溶融塩を用い
    て除去される、請求項11記載の多結晶ダイヤモンド切削
    工具の製造方法。
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