JPH0671078A - 返し縫い目の自動調整方法および装置 - Google Patents

返し縫い目の自動調整方法および装置

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JPH0671078A
JPH0671078A JP22866192A JP22866192A JPH0671078A JP H0671078 A JPH0671078 A JP H0671078A JP 22866192 A JP22866192 A JP 22866192A JP 22866192 A JP22866192 A JP 22866192A JP H0671078 A JPH0671078 A JP H0671078A
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reverse
reverse rotation
operation timing
timing
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JP22866192A
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Yasushi Kakizaki
康 柿崎
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Juki Corp
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Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 逆転ソレノイドの動作タイミングを最適な動
作タイミングとし、返し縫い目において縫い目の針落ち
が重ならず、縫製品質が低下するという従来の不具合を
確実に除去して、極めて高品質の返し縫いを行なうこと
のできる返し縫い目の自動調整方法および装置を提供す
ることを目的とする。 【構成】 送り歯9の動作方向を変換させる動作変換手
段11と、前記動作変換手段11の動作状態および送り
歯9の送り量と送り方向とを検出する送り変換動作検出
手段16と、針位置を検出する針位置検出手段8と、前
記送り変換動作検出手段16と前記針位置検出手段8と
の検出情報に基づいて前記動作変換手段11の最適動作
タイミングを算出するとともに、該最適動作タイミング
を記憶し、前記動作変換手段11の動作タイミングを該
最適動作タイミングにより制御する動作制御手段18と
を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシンの縫製動作の一
種である返し縫い目を自動的に形成する返し縫い目の自
動調整方法および装置に係り、特に、工業用ミシンに好
適な返し縫い目の自動調整方法および装置関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ミシンの縫製動作において、縫
い始めおよび縫い終わり時に、縫い目が解れないよう
に、所定の縫いピッチ分を縫い目を合わせて縫いの送り
方向と逆方向に逆送りする止め縫い、重ね縫い等と称さ
れる返し縫いが行なわれる。そして、高速の縫製速度お
よび縫製作業の高効率が要求される工業用ミシンにおい
ては、送り歯の動作方向を正方向と逆方向とに変換させ
る送りレバー、ばね等から構成される公知の送り変換機
構を、逆転ソレノイドと称される動作変換手段により、
所定のタイミングを以て動作させて逆方向に変換し、自
動的に返し縫いが行なわれるようにされている。すなわ
ち、送り変換機構の逆転に要する動作の全ストローク
を、送り歯が布送りに供されていない間に完遂させるタ
イミングで逆転ソレノイドを駆動させるようにしてい
る。
【0003】しかしながら、前述した逆転ソレノイドを
動作させて送り歯の動作方向を変換させる返し縫いにお
いては、送り歯の正送りと逆送りとで縫製物の送り力が
送り歯の形状により異なるとともに、逆転ソレノイドの
応答遅れ(タイムラグ)により、送り歯による送り量
(縫いピッチ)が同一であるにもかかわらず、動作タイ
ミングがずれて、縫い目の針落ちが重ならず、縫製品質
が低下するという問題点があった。
【0004】また、逆転ソレノイドの動作速度は一定で
あるために、縫製物が変わり縫いピッチが変わった場合
および縫製速度が変わった場合等に、前述した問題点と
同様に縫い目の針落ちが重ならず、縫製品質が低下する
という問題点があった。
【0005】このような問題点を解決するために、従来
の返し縫い目の自動調整方法および装置においては、逆
転ソレノイドの動作タイミングを適正にするために、予
め数種類の動作タイミングを設定し、縫製状態をオペレ
ータが確認し、動作タイミングをディップスイッチ等に
より選択させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の返し縫い目の自動調整方法および装置において
は、予め設定された逆転ソレノイドの動作タイミングの
みを以て逆転ソレノイドの動作タイミングの設定を行な
っているので、縫いピッチおよび縫製速度の多様さに対
応させて逆転ソレノイドの動作タイミングを設定するこ
とができず、縫製状態と逆転ソレノイドとの動作タイミ
ングを完全に対応させることができず、縫い目の針落ち
が重ならず、縫製品質が低下する場合が多いという問題
点があった。この問題に対応させるためには、逆転ソレ
ノイドの動作タイミングを数多くもたなければならず、
このような対応は、経済的負担が増加するとともに、オ
ペレータの労力が増加するという問題点があった。
【0007】また、逆転ソレノイドの動作時には巻線抵
抗値の相違等による個体差があり、更に、ミシンの送り
変換機構の運転動作にも製作、組立誤差等による個体差
があり、しかも逆転ソレノイドを駆動する供給電源の電
圧変動等もあり、前述のように一体的に設定された動作
タイミングによっては、従来の問題点を完全に除去する
ことは不可能であった。
【0008】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、前述した従来のものにおける問題点を克服し、
逆転ソレノイドの動作タイミングを最適な動作タイミン
グとし、返し縫い目において縫い目の針落ちが重なら
ず、縫製品質が低下するという従来の不具合を確実に除
去して、極めて高品質の返し縫いを行なうことのできる
返し縫い目の自動調整方法および装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため請求項1に記載の本発明の返し縫い目の自動調整方
法は、送り歯の動作方向を変換し返し縫い目を形成する
返し縫い目の自動調整方法において、送り歯の動作方向
を変換させる動作変換手段の動作状態および送り歯の送
り量と送り方向とを送り変換動作検出手段により検出す
るとともに、針位置を針位置検出手段により検出し、前
記送り変換動作検出手段と前記針位置検出手段との検出
情報に基づいて前記動作変換手段の最適動作タイミング
を算出するとともに、その最適動作タイミングを記憶
し、前記動作変換手段の動作タイミングを前記最適動作
タイミングを以て制御させることを特徴としている。
【0010】また、請求項2に記載の本発明の返し縫い
目の自動調整装置は、送り歯の動作方向を変換させる動
作変換手段と、前記動作変換手段の動作状態および送り
歯の送り量と送り方向とを検出する送り変換動作検出手
段と、針位置を検出する針位置検出手段と、前記送り変
換動作検出手段と前記針位置検出手段との検出情報に基
づいて前記動作変換手段の最適動作タイミングを算出す
るとともに、該最適動作タイミングを記憶し、前記動作
変換手段の動作タイミングを該最適動作タイミングによ
り制御する動作制御手段とを有することを特徴としてい
る。
【0011】
【作用】前述した構成からなる本発明の返し縫い目の自
動調整装置を本発明の返し縫い目の自動調整方法に沿っ
て動作させることにより、送り変換動作検出手段と針位
置検出手段との検出情報に基づいて前記動作変換手段の
最適動作タイミングを算出し、その算出結果に基づいて
動作変換手段の動作タイミングを最適値とすることがで
きるので、返し縫い時の縫い目の針落ちが重ならず、縫
製品質が低下するという不具合を確実に防止することが
できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1から図5につい
て説明する。
【0013】図1は本発明に係る返し縫い目の自動調整
方法を適用した返し縫い目の自動調整装置を搭載するミ
シンの一実施例の要部の構成を示す斜視図であり、図2
は本発明に係る返し縫い目の自動調整方法を適用した返
し縫い目の自動調整装置の一実施例の要部の構成を示す
システムブロック図である。
【0014】図1に示すように、本発明に係る返し縫い
目の自動調整方法を適用した返し縫い目の自動調整装置
を搭載するミシン1は、ミシン本体2の下部に適宜なフ
レーム3に支持されたベット4が配設され、上部にベッ
ト4と平行にしてミシンアーム5が配設されており、全
体として正面略コの字形状に形成されている。そして、
ミシンアーム5の端部下面の所望の位置には、適宜な長
さの針棒6と布押さえ7等が配設されており、この針棒
6の先端に種々の針(縫い針)6aが着脱可能とされて
いる。さらに、ミシンアーム5内には、図示しないプー
リとベルト等の伝達手段を介して図示しないモータ等の
駆動手段により駆動される図示しないミシン上軸が回転
可能に軸支されており、前記針棒6を上下動可能とさせ
ている。また、ミシン上軸の図中右端には針棒6の上下
動針による針位置を検出する適宜な針位置検出手段8が
配設されている。
【0015】また、前記針6aと対向するベッド4上に
は、略鋸歯形状の送り歯9が配設されており、この送り
歯9を囲むようにして適宜な針板10が配設されてい
る。この送り歯9と前記針棒6とはミシン上軸に同期し
て、連動動作するようにされている。
【0016】したがって、前記針位置検出手段8によっ
て針位置を検出すると同時に、後述するカウント回路2
1に入力して縫い速度を検出することができる。
【0017】また、ベット4内部の所望の位置には、図
示しない適宜な送り歯9の作動機構の動作方向を変換
(送り変換)させる動作変換手段として図中破線で示す
逆転ソレノイド11が配置されており、この逆転ソレノ
イド11は所望の位置に設けた適宜な駆動回路12によ
り駆動(ON−OFF動作)される。
【0018】そして、前記ミシンアーム5の図中右方の
基端部13には、送り歯9の送り量(縫いピッチ)を設
定する適宜な送り調整ダイヤル14、送り歯9の方向を
手動にて変換させるための所望の手動送り変換レバー1
5、送り歯9の送り方向と送り量とを検出するポテンシ
ョメータ等の適宜な送り変換動作検出手段16等が配設
されている。さらに、ミシンの所望位置には、前記送り
変換動作検出手段16のアナログ信号部分のみをデジタ
ル信号に変換する適宜なA/Dコンバータ17が配設さ
れている。
【0019】また、ミシン1の適宜な位置には、ミシン
1の動作を制御する適宜な動作制御手段18が配設され
ており、この動作制御手段18は少なくともCPU19
と、RAMおよびROM等の所望の数のメモリ20と、
タイマー等からなる適宜なカウント回路21と、図示し
ない適宜なI/Oインターフェイス等により構成されて
いる。そして、動作制御手段18のメモリ20には、送
り歯9の移動量に対応する所望の数の逆転ソレノイド1
1の理論的な動作タイミングが初期値として記憶されて
いる。
【0020】また、本実施例の要部の構成をシステムブ
ロック図により示すと、図2に示すように、送り歯9の
送り方向と送り量とを検出する送り変換動作検出手段1
6と、A/Dコンバータ17と、針位置検出手段8と、
逆転ソレノイド11からなる動作変換手段と、逆転ソレ
ノイド11からなる動作変換手段を駆動させる駆動回路
12と、針位置信号をカウント回路21でカウントして
縫い速度を求めるとともに、動作変換手段としての逆転
ソレノイド11の動作タイミングを最適化させる動作制
御手段18とにより形成されている。
【0021】つぎに、前述した構成からなる本実施例の
作用について図3および図4により説明する。
【0022】図3は逆転ソレノイドをOFFからONと
し送り歯をソレノイドの電磁力により正方向から逆方向
へ変換させる場合の動作制御手段の動作を説明するフロ
ーチャートであり、図4は逆転ソレノイドをONからO
FFとしソレノイドの復帰ばねの復元力により送り歯を
逆方向から正方向へ変換させる場合の動作制御手段の動
作を説明するフローチャートである。
【0023】まず、図3に示すフローチャートにより、
逆転ソレノイド11をOFFからONとして、送り歯9
を正方向から逆方向へ変換させる場合の動作制御手段1
8の動作を説明する。
【0024】図3に示すように、縫製が開始されると、
ステップST10において、動作制御手段18は、送り歯
9の送り方向および送り量(縫いピッチと縫い方向)・
縫い速度等の各種の縫製条件に最も近似した逆転ソレノ
イド11の動作タイミングの初期値(逆初期値)を、予
めメモリ20内に記憶された各種の初期値(逆初期値)
から選択することにより設定する。
【0025】つぎに、ステップST11において、図示し
ないタッチバックスイッチ、ペダル等からの入力信号に
よる送り変換動作指令の有無を判断し、ステップST11
の判断がNO(送り変換動作指令無し)の場合には、ス
テップST20へ進行し、送り変換動作検出手段16か
ら、送り歯9の送り方向および送り量・縫い速度等の情
報を読み込み、その情報に基づいて逆転ソレノイド11
の動作タイミングの逆初期値を再設定し、ステップST
11へ戻る。これにより、縫いピッチおよび縫い速度等が
変更された場合には、直ちにその変更に対応した逆初期
値が再設定される。
【0026】前記ステップST11の判断がYES(送り
変換動作指令有り)の場合には、送り歯9の送り方向を
逆転ソレノイド11により変換する送り変換動作が開始
され、つぎのステップST12に進行する。
【0027】まず、このステップST12以後の動作を要
約して説明する。実際の返し縫いは前記ステップST10
またはステップST20により既に設定されている逆初期
値に対応して逆転ソレノイド11を動作させて行なわれ
る。この時の逆転ソレノイドの実際の動作タイミングと
適正な動作タイミングとのずれを検出し、そのずれを補
正した逆初期値を求めて、次の送り歯9の正方向から逆
方向への変換時に新たな逆初期値として供するようにし
ている。
【0028】以下、ステップST12以後を詳述する。
【0029】ステップST12において、ステップST10
において設定された逆転ソレノイド11の動作タイミン
グ(逆初期値)を所定のメモリ20に読み込み、つぎの
ステップST13に進行する。なお、後述するように、こ
の動作タイミングは、逆転ソレノイド11の動作毎に最
適動作タイミングに更新されるようになっている。
【0030】つぎに、ステップST13において、逆初期
値で設定された逆転ソレノイド11の動作タイミングを
以て、逆転ソレノイド11の駆動を開始させると同時
に、逆転ソレノイド11に対する送出信号の送出タイミ
ングと逆転ソレノイド11のON動作開始および動作完
了位置とのタイムラグを計測するカウント回路21を作
動させてタイムカウントを開始し、つぎのステップST
14に進行する。
【0031】つぎに、ステップST14において、逆転ソ
レノイド11が実際にON動作を開始したか否かを判断
する。
【0032】すなわち、逆転ソレノイド11の駆動開始
からの経過時間に対するON動作方向の変位量の関係は
図5の(a)に示すようにn次曲線となり、逆転ソレノ
イド11により駆動される公知の送り変換機構の動作開
始時点および動作終了時点は、逆転ソレノイド11のO
N動作方向の全変位量(例えば、10mm)の約1割
(1mm)および約9割(9mm)進行した時点とさ
れ、送り変換動作検出手段16で検出される。
【0033】そこで、本実施例においては、逆転ソレノ
イド11のON動作開始位置および動作完了位置を、そ
れぞれ全変位量の約1割および約9割変位した時点P
a、Pbとしている。
【0034】このステップST14の判断がNO(逆転ソ
レノイド11がON動作していない)の場合には、ステ
ップST14の判断がYES(逆転ソレノイド11がON
動作である)になるまで待機し、YESになると、つぎ
のステップST15に進行する。
【0035】つぎに、ステップST15において、逆転ソ
レノイド11のON動作開始までに要する時間をカウン
ト回路21によりタイムカウントすると同時に、そのO
N動作開始時点Paの針位置を針位置検出手段8により
検出し、つぎのステップST16に進行する。
【0036】つぎに、ステップST16において、逆転ソ
レノイド11が動作完了位置になったか否かを判断し、
ステップST16の判断がNO(逆転ソレノイドが動作完
了位置に到達していない)の場合には、ステップST16
の判断がYES(逆転ソレノイド11が動作完了位置)
になるまで待機する。
【0037】前記ステップST16の判断がYES(逆転
ソレノイド11が動作完了位置になった)の場合には、
つぎのステップST17に進行する。
【0038】つぎに、ステップST17において、前記ス
テップST14により開始されたカウント回路21のタイ
ムカウントを動作完了位置Pbで停止させて逆転ソレノ
イド11に対する送出信号の送出タイミングと逆転ソレ
ノイド11の動作完了位置Pbとのタイムラグの計測を
終了させると同時に、その動作完了位置Pbの針位置を
針位置検出手段8により検出し、つぎのステップST18
に進行する。
【0039】つぎに、ステップST18において、カウン
ト回路21により計測された逆転ソレノイド11に対す
る送出信号の送出タイミングと逆転ソレノイド11のO
N動作開始位置Paおよび動作終了位置Pbとのタイム
ラグと、逆転ソレノイド11のON動作開始時点の針位
置と、送り変換動作検出手段16により検出される送り
歯9の送り方向と送り量と縫い速度等の情報に基づい
て、逆転ソレノイド11の最適動作タイミングを算出す
るとともに、所定のメモリ20に記憶させた前記逆初期
値による逆転ソレノイド11の動作タイミングを、算出
した最適動作タイミングと入れ換えて記憶させる。実際
には、送り歯9が針板10の上面より下に潜った時から
再び上面より露出するまでの間に、逆転ソレノイド11
のON動作開始から動作終了までが完遂されるように、
逆転ソレノイド11の駆動開始タイミングを設定するよ
うにして、逆初期値の更新が行なわれる。
【0040】そして、前記ステップST10に戻り、つぎ
の送り歯9を正方向から逆方向へ変換させる送り変換動
作指令が有るまで待機する。
【0041】このようにして、逆転ソレノイド11の動
作が完了すると、縫製方向が所望の位置で正方向から逆
方向に変換し、返し縫いが開始される。
【0042】つぎに、図4に示すフローチャートによ
り、逆転ソレノイドをONからOFFとして、ソレノイ
ドの復帰ばねの復元力により送り歯を逆方向から正方向
へ変換させる場合の動作制御手段の動作を説明する。
【0043】図4に示すように、縫製が開始されると、
ステップST30において、動作制御手段18は、送り歯
9の送り方向および送り量(縫いピッチと縫い方向)・
縫い速度等の各種の縫製条件に最も近似した逆転ソレノ
イド11の動作タイミングの初期値(正初期値)を、予
めメモリ20内に記憶された各種の初期値(正初期値)
から選択することにより設定する。
【0044】つぎに、ステップST31において、図示し
ないタッチバックスイッチ、ペダル等からの入力信号に
よる送り変換動作指令の有無を判断し、ステップST31
の判断がNO(送り変換動作指令無し)の場合には、ス
テップST40へ進行し、送り変換動作検出手段16か
ら、送り歯9の送り方向および送り量・縫い速度等の情
報を読み込み、その情報に基づいて逆転ソレノイド11
の動作タイミングの正初期値を再設定し、ステップST
31へ戻る。これにより、縫いピッチおよび縫い速度等が
変更された場合には、直ちにその変更に対応した逆初期
値が再設定される。
【0045】前記ステップST31の判断がYES(送り
変換動作指令有り)の場合には、送り歯9の送り方向を
逆転ソレノイド11により変換する送り変換動作が開始
され、つぎのステップST32に進行する。
【0046】まず、このステップST32以後の動作を要
約して説明する。実際の返し縫いは前記ステップST30
またはステップST40により既に設定されている正初期
値に対応して逆転ソレノイド11を動作させて行なわれ
る。この時の逆転ソレノイドの実際の動作タイミングと
適正な動作タイミングとのずれを検出し、そのずれを補
正した正初期値を求めて、次の送り歯9の逆方向から正
方向への変換時に新たな正初期値として供するようにし
ている。
【0047】以下、ステップST32以後を詳述する。
【0048】ステップST32において、ステップST30
において設定された逆転ソレノイド11の動作タイミン
グ(正初期値)を所定のメモリ20に読み込み、つぎの
ステップST33に進行する。なお、後述するように、こ
の動作タイミングは、逆転ソレノイド11の動作毎に最
適動作タイミングに更新されるようになっている。
【0049】つぎに、ステップST33において、正初期
値で設定された逆転ソレノイド11の動作タイミングを
以て、逆転ソレノイド11の駆動を開始させると同時
に、逆転ソレノイド11に対する送出信号の送出タイミ
ングと逆転ソレノイド11のOFF動作開始および動作
完了位置とのタイムラグを計測するカウント回路21を
作動させてタイムカウントを開始し、つぎのステップS
T34に進行する。
【0050】つぎに、ステップST34において、逆転ソ
レノイド11が実際にOFF動作を開始したか否かを判
断する。
【0051】すなわち、逆転ソレノイド11の駆動開始
からの経過時間に対するOFF動作方向の変位量の関係
は図5の(b)に示すようにn次曲線となり、逆転ソレ
ノイド11により駆動される公知の送り変換機構の動作
開始時点および動作終了時点は、逆転ソレノイド11の
OFF動作方向の全変位量(例えば、10mm)の約1
割(1mm)および約9割(9mm)進行した時点とさ
れ、送り変換動作検出手段16で検出される。
【0052】そこで、本実施例においては、逆転ソレノ
イド11のOFF動作開始位置および動作完了位置を、
それぞれ全変位量の約1割および約9割変位した時点P
c、Pdとしている。
【0053】このステップST34の判断がNO(逆転ソ
レノイド11がOFFN動作していない)の場合には、
ステップST34の判断がYES(逆転ソレノイド11が
OFF動作である)になるまで待機し、YESになる
と、つぎのステップST35に進行する。
【0054】つぎに、ステップST35において、逆転ソ
レノイド11のOFF動作開始までに要する時間をカウ
ント回路21によりタイムカウントすると同時に、その
OFF動作開始時点Pcの針位置を針位置検出手段8に
より検出し、つぎのステップST36に進行する。
【0055】つぎに、ステップST36において、逆転ソ
レノイド11が動作終了位置になったか否かを判断し、
ステップST36の判断がNO(逆転ソレノイドが動作完
了位置に到達していない)の場合には、ステップST36
の判断がYES(逆転ソレノイド11が動作完了位置)
になるまで待機する。
【0056】前記ステップST36の判断がYES(逆転
ソレノイド11が動作完了位置になった)の場合には、
つぎのステップST37に進行する。
【0057】つぎに、ステップST37において、前記ス
テップST34により開始されたカウント回路21のタイ
ムカウントを動作完了位置Pdで停止させて逆転ソレノ
イド11に対する送出信号の送出タイミングと逆転ソレ
ノイド11の動作完了位置Pdとのタイムラグの計測を
終了させると同時に、その動作完了位置Pdの針位置を
針位置検出手段8により検出し、つぎのステップST38
に進行する。
【0058】つぎに、ステップST38において、カウン
ト回路21により計測された逆転ソレノイド11に対す
る送出信号の送出タイミングと逆転ソレノイド11のO
FF動作開始位置Pcおよび動作終了位置Pdとのタイ
ムラグと、逆転ソレノイド11のOFF動作開始時点の
針位置と、送り変換動作検出手段16により検出される
送り歯9の送り方向と送り量と縫い速度等の情報に基づ
いて、逆転ソレノイド11の最適動作タイミングを算出
するとともに、所定のメモリ20に記憶させた前記正初
期値による逆転ソレノイド11の動作タイミングを、算
出した最適動作タイミングと入れ換えて記憶させる。実
際には、送り歯9が針板10の上面より下に潜った時か
ら再び上面より露出するまでの間に、逆転ソレノイド1
1のOFF動作開始から動作終了までが完遂されるよう
に、逆転ソレノイド11の駆動開始タイミングを設定す
るようにして、正初期値の更新が行なわれる。
【0059】そして、前記ステップST30に戻り、つぎ
の送り歯9を逆方向から正方向へ変換させる送り変換動
作指令が有るまで待機する。
【0060】このようにして、逆転ソレノイド11の動
作が完了すると、縫製方向が所望の位置で逆方向から正
方向に変換し、再び縫いが開始される。
【0061】以上述べた動作を繰り返し行なうことによ
り、前記ステップST12およステップST32において読
み込む逆ソレノイド11の動作タイミングを、最初の返
し縫いを行なう場合を除いて、逆転ソレノイド11の動
作毎に最適化することができるので、縫い目の針落ちが
重ならず、縫製品質が低下するという不具合を確実に防
止して、極めて高品質の返し縫いを行なうことができ
る。そして、逆転ソレノイド11自身(図示しない巻線
抵抗値および発熱による吸引力等)の変動、図示しない
送り機構の送りレバー、ばね、リンクのセリ・アタリ等
の機械的要因等による逆転ソレノイド11の動作タイミ
ングの変動等に、逆転ソレノイド11の動作タイミング
を逆転ソレノイド11の動作毎に更新して最適化させて
追従することができるので、縫い目の針落ちが重なら
ず、縫製品質が低下するという不具合を確実に防止する
ことができる。さらに、逆転ソレノイド11の図示しな
い駆動電源の変動等の電気的要因による逆転ソレノイド
11の動作タイミングの変動に対しても、同様な効果を
奏する。
【0062】なお、前記実施例においては、逆転ソレノ
イド11の動作状態を検出するために、逆転ソレノイド
11の動作開始時および動作終了時を針位置との組合わ
せにより求めていたが、針位置と組合わせられる逆転ソ
レノイド11の検出動作タイミングは必要に応じて変更
してもよい。また、送り歯9の位置の検出を針位置によ
って検出する代わりに、送り歯9の位置を直接監視する
ようにしてもよい。
【0063】また、本実施例において、逆転ソレノイド
11の動作タイミングとして2種類のものを設けたの
は、本実施例における逆転ソレノイド11のOFFから
ON動作とONからOFF動作との動作方法が異なるた
めであり、逆転ソレノイド11のOFFからON動作と
ONからOFF動作との動作方法が同一である場合に
は、動作タイミングを1種類としてもよく、特に、本実
施例に限定されるものではない。
【0064】また、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明の返し縫い目
の自動調整方法および装置によれば、動作変換手段のタ
イムラグを検出し、このタイムラグに基づいて動作変換
手段の動作タイミングを自動的に補正することができる
ので、常に最適な動作タイミングを以て動作変換手段を
動作させることができるとともに、返し縫い目の縫い目
の針落ちが重ならず、縫製品質が低下するという不具合
を確実に防止して、極めて高品質の返し縫いを施すこと
ができるという極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る返し縫い目の自動調整方法を適用
した返し縫い目の自動調整装置を搭載するミシンの一実
施例の要部の構成を示す斜視図
【図2】本発明に係る返し縫い目の自動調整方法を適用
した返し縫い目の自動調整装置の一実施例の要部の構成
を示すシステムブロック図
【図3】逆転ソレノイドをOFFからONとし、送り歯
を正方向から逆方向へ変換させる場合の動作制御手段の
動作を説明するフローチャート
【図4】逆転ソレノイドをONからOFFとし、送り歯
を逆方向から正方向へ変換させる場合の動作制御手段の
動作を説明するフローチャート
【図5】(a)は逆転ソレノイドのON動作における逆
転ソレノイドの時間に対する変位量の関係を示す線図、
(b)は逆転ソレノイドのOFF動作における逆転ソレ
ノイドの時間に対する変位量の関係を示す線図
【符号の説明】
1 ミシン 6a 針 8 針位置検出手段 9 送り歯 11 逆転ソレノイド(動作変換手段) 12 駆動回路 16 送り変換動作検出手段 17 A/Dコンバータ 18 動作制御手段 19 CPU 20 メモリ 21 カウント回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送り歯の動作方向を変換し返し縫い目を
    形成する返し縫い目の自動調整方法において、送り歯の
    動作方向を変換させる動作変換手段の動作状態および送
    り歯の送り量と送り方向とを送り変換動作検出手段によ
    り検出するとともに、針位置を針位置検出手段により検
    出し、前記送り変換動作検出手段と前記針位置検出手段
    との検出情報に基づいて前記動作変換手段の最適動作タ
    イミングを算出するとともに、その最適動作タイミング
    を記憶し、前記動作変換手段の動作タイミングを前記最
    適動作タイミングを以て制御させることを特徴とする返
    し縫い目の自動調整方法。
  2. 【請求項2】 送り歯の動作方向を変換させる動作変換
    手段と、前記動作変換手段の動作状態および送り歯の送
    り量と送り方向とを検出する送り変換動作検出手段と、
    針位置を検出する針位置検出手段と、前記送り変換動作
    検出手段と前記針位置検出手段との検出情報に基づいて
    前記動作変換手段の最適動作タイミングを算出するとと
    もに、該最適動作タイミングを記憶し、前記動作変換手
    段の動作タイミングを該最適動作タイミングにより制御
    する動作制御手段とを有することを特徴とする返し縫い
    目の自動調整装置。
JP22866192A 1992-08-27 1992-08-27 返し縫い目の自動調整方法および装置 Pending JPH0671078A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100432913B1 (ko) * 2002-03-21 2004-05-22 썬스타 산업봉제기계 주식회사 재봉기에서 모터를 이용한 이송량 및 이송방향 제어 장치및 방법
JP2011045615A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Toyota Boshoku Corp 樹脂フックの縫着構造
CN103993435A (zh) * 2014-05-12 2014-08-20 新杰克缝纫机股份有限公司 倒缝扳手左移结构的缝纫机

Cited By (4)

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