JPH0670874B2 - ディスククリーナー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ディスクカートリッジ
のディスクの汚れを取り除く専用機的性格をもったディ
スククリーナーに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の専用機的性格をもったデ
ィスククリーナーなるものは存在しない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】近年、この種ディスク
カートリッジは、磁気ディスクや光ディスクのような記
録媒体であるディスクをカートリッジケースに回転自在
に内蔵し、例えば磁気記録ディスク用のカートリッジケ
ースでは、その内面に不織布等からなるクリーニングラ
イナをはり付け、ディスクに付着している塵埃等の汚れ
を落とすようになっている。

【０００４】しかるに、カートリッジケースはヘッドウ
ィンドウを有し、このウィンドウからディスクの盤面の
一部が露出しているため、取扱い時に手の指がヘッドウ
ィンドウを介してディスクに触れ、指紋や手垢がディス
クの盤面に強く付着して汚れやすい。かかる汚れ付着
は、３インチ、3.５インチのディスクカートリッジのご
とくヘッドウィンドウにこれを開閉する専用シャッター
が備えられている場合は、該シャッターで防止される
が、シャッターが備えられず簡素化されたディスクカー
トリッジ、例えばコンピューターゲーム用等のものにあ
っては、不使用時に手垢等の汚れが強く付着しやすい。

【０００５】また、シャッター付きのディスクカートリ
ッジであっても、指先等による直接的な汚損は少ないも
のの、ディスクドライブ駆動中のシャッター開放時など
に侵入する汚染空気中の浮遊塵埃、特にタバコのヤニ状
の粘着物で汚損され、ディスクの盤面に曇り現象が生じ
ることがある。

【０００６】このようにディスクの盤面に強く付着した
汚れは、ディスクカートリッジをディスクドライブに装
填し、ドライブ側のモータでディスクを回転させてカー
トリッジケース内の前記クリーニングライナに摺接する
ことによって、その幾分かを落とすことはできても、十
分に取り除くことは難しく、ドロップアウト等の原因に
なる。また、ディスクドライブ側のヘッドが接触型の場
合、ディスクの汚れはドライブ側のヘッドに転移付着し
て該ヘッドを汚すことになり、ドロップアウト等の原因
になる。また、クリーニングライナを備えていないタイ
プのディスクカートリッジでは、ほとんど清掃できない
のである。

【０００７】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたもので、ディスクカートリッジをディスクドライ
ブに装填する前後において、そのディスクの汚れを簡易
迅速に取り除くことのできるディスククリーナーを提供
しようとするものである。また、本発明はクリーニング
中に空気中の塵埃などがディスクカートリッジのヘッド
ウィンドウから侵入してディスクに付着するのを防止す
ることを目的とする。更に、本発明はディスクの清掃に
伴い汚れやすいクリーニング材の交換性の向上を図るこ
とを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明では、図示例のよ
うにカートリッジケース１にディスク３を回転自在に内
蔵したディスクカートリッジＤをクリーニング対象と
し、このディスクカートリッジＤを水平に受け止め支持
する本体ケース８と、本体ケース８上のディスクカート
リッジＤのヘッドウインドウ５の上方を覆う蓋体１０
と、本体ケース８上のディスクカートリッジＤの駆動軸
挿入窓４に臨みディスク３の中央部に着脱自在に結合さ
れて該ディスク３を回転させる駆動手段１４と、前記デ
ィスク３のヘッドウィンドウ５に臨む盤面を清掃するク
リーニング材２０を備えたクリーニングカートリッジ２
１とを備えており、クリーニングカートリッジ２１は本
体ケース８の蓋体１０との対向面に設けた凹所２２に着
脱可能に収容され、かつ、クリーニング材２０は、蓋体
１０を開けた状態では前記ディスク３の清掃される盤面
の高さよりも低く下げられていることを特徴とするもの
である。

【０００９】ディスク３を回転させる上記駆動手段１４
はモータを用いる電動式、あるいは手動式を問うもので
はない。この駆動手段１４は本体ケース８側に直接備え
つけること、または蓋体１０側に直接備えつけることは
任意である。ディスク３の盤面に押圧接触する上記クリ
ーニング材２０は乾式、湿式を問わない。

【００１０】

【作用】しかるときは、本体ケース８にディスクカート
リッジＤを水平に受け止め支持されるよう装着し、駆動
手段１４でディスク３を回転させて該盤面をクリーニン
グ材２０に摺接させることにより、前記盤面の汚れが拭
き落とされる。蓋体１０によって、クリーニング中に空
気中の塵埃がヘッドウィンドウ５からカートリッジケー
ス１内に侵入してディスク３に付着するのを防止でき
る。クリーニング材２０が汚れるとディスク３の盤面の
汚れを取り除きにくいばかりか、ディスク３の盤面を傷
つけることがあるため、こうした場合は、蓋体１０を開
けてクリーニングカートリッジ２１を本体ケース８の凹
所２２から取り出して新しいものと容易に交換すること
ができる。クリーニング材２０は、蓋体１０を開けた状
態では本体ケース８上のディスクカートリッジＤのディ
スク３の清掃される盤面の高さよりも下げているので、
ディスクカートリッジＤを本体ケース８上に水平に支持
するときにそのクリーニング材２０が邪魔になるような
ことがない。

【００１１】

【実施例】以下、本発明に係るディスククリーナーの一
実施例を、クリーニング対象のディスクカートリッジが
磁気ディスクタイプである場合を例にとって図面に基づ
き説明する。 （クリーニング対象のディスクカートリッジ）まず、ク
リーニングの対象とされるディスクカートリッジＤに関
し、図１および図２に示すように、これのプラスチック
製の固いカートリッジケース１の内部にはハブ２を中央
に有するディスク３が回転自在に収容されている。カー
トリッジケース１はこの上下面の略中央部に前記ハブ２
が露出する駆動軸挿入窓４を、中央より偏した箇所にヘ
ッドウィンドウ５をそれぞれ開口してある。ハブ２はこ
の端面中央にドライブ側の回転軸が入る軸あな６を、偏
心位置にドライブ側の駆動ピンが入る駆動あな７をそれ
ぞれ有する標準仕様のものである。

【００１２】（ディスククリーナー）次に、本発明ディ
スククリーナーについては、図１に示すようにこれの本
体ケース８の上面に、ディスクカートリッジＤが水平に
一定向きで位置決め装着される載置面９を凹設するとと
もに、この載置面９の上方を開閉する蓋体１０を回動軸
１１まわりに回転自在に載置面９の後端部に枢着してい
る。その載置面９は、ディスクカートリッジＤの全面を
載置する必要はなく、例えば図２に示すように後述する
クリーニングカートリッジ２１を収容するための凹所２
２を避けて、本体ケース８の前方側に設けてあり、蓋体
１０を閉じることにより、その載置面９と蓋体１０との
間で挟持されて水平に受け止め支持されるものとする。

【００１３】（ディスクカートリッジの載置面）図３に
おいて、載置面９上の左右端にはディスクカートリッジ
Ｄの左右端が接当してその左右移動を規制する規制壁１
２・１２が設けられ、その後方にディスクカートリッジ
Ｄの後端が接当してその後方移動を規制する規制ピン１
３・１３が突設され、載置面９の前方からは、図１に示
すようにディスクカートリッジＤの前端部が少し突出す
るようにして、このカートリッジＤを載置面９に対し装
脱操作するさい、その前端部を手で摘み易いようにして
ある。

【００１４】（ディスククリーナーの駆動手段）ディス
ク３を回転させる駆動手段１４は本体ケース８の蓋体１
０側に備える。この駆動手段１４は、図１に示すよう
に、蓋体１０の略中央部に回転筒１５を回転自在に嵌合
し、該回転筒１５内の中央に回転軸１６をこの下端１６
ａが回転筒１５の底から下方へ突出するようばね１７で
支持する。また回転筒１５内に駆動ピン１８を回転軸１
６と平行に配するとともに、該駆動ピン１８もこの下端
が回転筒１５の底から下方に突出するようばね１９が下
方に押圧付勢する状態に支持する。回転筒１５の上端に
はハンドル５０が一体的に取付けられる。

【００１５】かくして、図１に示すように、ディスクカ
ートリッジＤを載置面９上に位置決め装着し、蓋体１０
を閉めると、回転軸１６の下端１６ａがディスク３のハ
ブ２の軸あな６に入るとともに、ヘッドウィンドウ５の
上方がその蓋体１０で覆われる。そして、ハンドル５０
を水平回動させると回転筒１５が回転し、駆動ピン１８
の下端がハブ２の駆動あな７のところまで来ると該駆動
あな７にばね１９の力で入ってディスク３を回転させ
る。

【００１６】（クリーニング材）図１および図３におい
て、載置面９の前記規制ピン１３より少し前方箇所、す
なわち載置面９上にディスクカートリッジＤが装着され
たときそのヘッドウィンドウ５の下方に対応する箇所に
は、クリーニング材２０を内蔵したクリーニングカート
リッジ２１が着脱可能に収容される凹所２２が形成され
ている。

【００１７】図２および図７において、クリーニングカ
ートリッジ２１は、カートリッジケース２３内の左右方
向の一端に乾式のテープ状のクリーニング材２０が巻か
れたリール２４を回転自在に備え、他端に引出口２５を
開口する。またカートリッジケース２３内の前記リール
２４と引出口２５間にはクリーニング材２０がリール２
４から引出口２５の方へガイド２６を介して繰出し走行
する走行路２７を形成し、該走行路２７の上下側壁２３
ａ・２３ｂに、クリーニング材２０の長手方向の一部を
ケース外の上方へ押し出す押出口２８と押出パッド２９
とを上下に対向させて設ける。押出パッド２９は下側壁
２３ｂのボス部３０内にクリーニング材２０の長手方向
と直交する上下方向に遊動自在に組み込まれている。ま
た上下側壁２３ａ・２３ｂには、クリーニング材２０の
上面一部に弾性接当する受け部３１と、後述する送りロ
ーラ３２の円周一部が臨むローラ挿入口３３とを、前記
押出口２８と引出口２５間に位置するよう対向して設け
ている。

【００１８】クリーニング材２０としては、例えば、多
孔質ウレタンフィルムからなる、フジボウ愛媛株式会社
製の商品名ＰＡＬＰＡＳが、その表面に強靱で、磨滅、
脱毛等によく耐える立毛部を有して微細物の吸着効果を
発揮する点で、とくに推奨される。

【００１９】（クリーニング材送りローラ）図３におい
て、本体ケース８の凹所２２内には送りローラ３２をロ
ーラ軸４６で支持し、該軸４６の一端にダイヤル４７を
取付けている。この送りローラ３２は、クリーニングカ
ートリッジ２１が凹所２２に収容されたときに、図７に
示すようにそのローラ装入口３３内に臨み、カートリッ
ジケース２３内の受け部３１とでクリーニング材２０を
挟むようになっている。ダイヤル４７で送りローラ３２
を所定角度だけ回転させると、クリーニング材２０が所
定長さだけ引出口２５の方へ順次送り出される。

【００２０】（クリーニング材押出機構）図１ないし図
４において、本体ケース８の内部には、前記クリーニン
グカートリッジ２１の押出パッド２９を作動させること
によりクリーニング材２０をディスクカートリッジＤの
ヘッドウィンドウ５内の方向へ押出すクリーニング材押
出し機構３４を組み込んでいる。このクリーニング材押
出し機構３４は、クリーニング時にクリーニング材２０
が押出パッド２９を介しヘッドウィンドウ５に臨んでデ
ィスク３の清掃される盤面に押圧接当し、蓋体１０を開
ける不使用状態ではクリーニング材２０が前記ディスク
３の盤面の高さよりも低く下がるようにしている。

【００２１】具体的には、押出パッド２９は蓋体１０の
開閉動作に連動して上下動するものとする。すなわち、
図１および図３に示すように、本体ケース８の内部にパ
ッドレバー３５の基部を軸３６で枢着して該パッドレバ
ー３５を軸３６まわりに上下揺動自在となし、このパッ
ドレバー３５の先端に設けた上向きのピン３７は、押出
パッド２９の下端に設けた凹部３８の下方に位置せしめ
る。パッドレバー３５と本体ケース８の内底面との間に
はパッドレバー３５を上方へ揺動付勢する押上げばね３
９を介装する。

【００２２】一方、図３および図４に示すように、本体
ケース８内にパッドレバーカム４０をカム軸４１まわり
に回動自在に支持し、該カム４０に枢結した操作ピン４
２が本体ケース８の上面一部の孔４３からカム４０の回
動に伴い出没するようになす。パッドレバーカム４０の
軸４１上には、操作ピン４２が前記孔４３から突出する
ように該カム４０を矢印Ａ方向に回動付勢するカムばね
４４が装着される。パッドレバーカム４０の周面に対し
てはパッドレバー３５から突設したカムフォロア４５を
接触させる。なお、蓋体１０側には受けパッド４８が押
出パッド２９の上方に対向するよう装着されている。

【００２３】かくして、図４および第６に示すように、
蓋体１０が開かれているときは、カムばね４４で矢印Ａ
方向に回動付勢されているパッドレバーカム４０により
カムフォロア４５が押し下げられ、パッドレバー３５が
押上げばね３９に抗し軸３６まわりに下方揺動して、先
端のピン３７を押出パッド２９の凹部３８から下方に外
し、該押出パッド２９の押し上げ力を解除する。したが
って、押出パッド２９は自重により下降し、クリーニン
グ材２０の押し出し作用を解除する。この解除に伴いク
リーニング材２０は張力または送りローラ３２による送
りにより押出口２８内におさまり、載置面９内に退入す
る、つまり本体ケース８上のディスクカートリッジＤの
ディスク３の盤面の高さよりも低く下がる。したがっ
て、このときディスクカートリッジＤを本体ケース８の
載置面９上に水平に支持する場合もクリーニング材２０
に邪魔されることなくその水平支持が可能となる。

【００２４】図５に示すように、ディスクカートリッジ
Ｄを本体ケース８の載置面９上に水平に支持して蓋体１
０を閉じると、該蓋体１０により操作ピン４２が押し下
げられ、パッドレバーカム４０が軸４１まわりに矢印Ａ
方向と反対方向に回動し、この回動によりカムフォロア
４５の押し下げ力を解き、カムフォロア４５はカム４０
の周面上を上方に転動し、パッドレバー３５は軸３６ま
わりに上方揺動し、先端のピン３７を押出パッド２９の
凹部３８に入れて該パッド２９を押し上げる。このパッ
ド２９により、図１に示すようにクリーニング材２０が
押出口２８から載置面９上に突出し、ディスクカートリ
ッジＤのヘッドウィンドウ５内に入ってディスク３に接
当するというものである。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、本体ケース８の載置面
９上に載置したディスクカートリッジＤのディスク３を
駆動手段１４で回転させてクリーニング材２０でそれに
付着の汚れを取り除くようにしたものであるから、ディ
スクカートリッジＤをディスクドライブに装填するに先
立ち、あるいは使用後においても、そのディスク３のク
リーニングを簡易迅速に行え、またドライブ側のヘッド
の汚れを未然に防止することもできるという利点があ
る。

【００２６】特に、本発明では、本体ケース８の載置面
９上に載置装着されたディスクカートリッジＤのヘッド
ウィンドウ５の上方を蓋体１０で覆うことで、クリーニ
ング中にも、空気中の塵埃がヘッドウィンドウ５から順
次回転露出するディスク３に付着するのを防止できるよ
うにしてあるので、クリーニング効果をより一層高める
ことができる。

【００２７】クリーニング材２０が汚れた場合は、蓋体
１０を開けてクリーニングカートリッジ２１を本体ケー
ス８の凹所２２から取り出すことができ、新しいものと
容易に交換することができる。また、蓋体１０を開けた
状態では、クリーニング材２０は本体ケース８上のディ
スクカートリッジＤのディスク３の清掃される盤面の高
さよりも低く下げているので、そのクリーニング材２０
に邪魔されることなく、ディスクカートリッジＤを本体
ケース８上に水平に支持することができ、前記クリーニ
ングカートリッジ２１の交換の容易化と相まって取扱い
至便である。

【図面の簡単な説明】

【図１】ディスククリーナーの要部断面図である。

【図２】ディスククリーナー、ディスクカートリッジ、
およびクリーニングカートリッジの斜視図である。

【図３】ディスククリーナーの本体ケースの平面図であ
る。

【図４】押出パッドの動作を示す断面図である。

【図５】押出パッドの動作を示す断面図である。

【図６】押出パッドの動作を示す断面図である。

【図７】クリーニングカートリッジの断面図である。

【符号の説明】

Ｄ ディスクカートリッジ １ カートリッジケース ３ ディスク ４ 駆動軸挿入窓 ５ ヘッドウィンドウ ８ 本体ケース １０ 蓋体 １４ 駆動手段 ２０ クリーニング材 ２１ クリーニングカートリッジ ２２ 凹所

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動軸挿入窓４およびヘッドウィンドウ
   ５を有するカートリッジケース１にディスク３を回転自
   在に内蔵したディスクカートリッジＤの前記ディスク３
   をクリーニングするディスククリーナーであって、 ディスクカートリッジＤを水平に受け止め支持する本体
   ケース８と、 本体ケース８上のディスクカートリッジＤのヘッドウイ
   ンドウ５の上方を覆う蓋体１０と、 本体ケース８上のディスクカートリッジＤの駆動軸挿入
   窓４に臨みディスク３の中央部に着脱自在に結合されて
   該ディスク３を回転させる駆動手段１４と、 前記ディスク３のヘッドウィンドウ５に臨む盤面を清掃
   するクリーニング材２０を備えたクリーニングカートリ
   ッジ２１とを備えており、 クリーニングカートリッジ２１は本体ケース８の蓋体１
   ０との対向面に設けた凹所２２に着脱可能に収容されて
   おり、 クリーニング材２０は、蓋体１０を開けた状態では前記
   ディスク３の清掃される盤面の高さより低く下げられて
   いることを特徴とするディスククリーナー。