JPH0670452U - 回転電機の固定子鉄心 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 多角形で、各辺または一部の辺の中央部に切
り欠き部２１を設けた角形積層板２と、角形積層板２の
外周に内接し、角形積層板２の切り欠き部と同じ形状の
切り欠き部を内接部に設けた円形積層板３とを複数枚交
互に積層して、積層鉄心４を形成してある。積層鉄心４
には切り欠き部によって軸方向に伸びる挿入溝４１が形
成されている。挿入溝４１には棒状部材６を高さのほぼ
半分を挿入し、棒状部材６の積層鉄心４の外周に突出す
る部分と、積層鉄心４の外周及び積層鉄心４の軸方向端
部に設けた押え側板５とを溶接で一体に固定されたもの
である。 【効果】 角形積層板と円形積層板とを重ねた時、角形
積層板の重ならない部分によって冷却フィンを形成で
き、冷却効果を高めることができる。また、積層鉄心の
外周に軸方向に伸びる挿入溝を形成して、棒状部材を挿
入し、棒状部材と積層鉄心及び押え側板を溶接するの
で、熱変形などの影響の小さい溶接が容易となると共
に、固定子の剛性を高めることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、薄鋼板を積層して形成した回転電機の固定子鉄心に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、回転電機の固定子鉄心は、薄鋼板を積層して形成した積層鉄心の軸方向 両端に押え側板を当て、積層鉄心の周囲の側面に沿って軸方向に伸びた複数の棒 状部材を当て、積層鉄心と押え側板とを棒状部材に溶接して一体に構成したもの が開示されている（例えば、特公昭６３−５０９４３号、特開平１−１１００３ １号公報）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記構成では、固定子鉄心の外周表面が平滑な面で囲まれているた め冷却面積が少なく、固定子鉄心の外周に冷却フィンを備えたフレームを固定す るなどして冷却面積を増やす必要があり、部品点数や作業工数が増えるという欠 点があった。 本考案は、固定子鉄心自体に冷却フィンを形成して冷却効率を高めることを目 的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、積層鉄心の軸方向端部に押え側板を設け、前記積層鉄心の周囲の側 面に沿って軸方向に伸びた複数の棒状部材を当て、前記積層鉄心と前記押え側板 とを前記棒状部材に溶接して一体に構成したものにおいて、薄鋼板からなる多角 形の各辺または一部の辺の中央部に切り欠き部を設けた角形積層板と、前記角形 積層板の外周に内接し、前記角形積層板の切り欠き部と同じ形状の切り欠き部を 前記角形積層板との内接部に設け、円形に形成した円形積層板とを複数枚交互に 積層して前記積層鉄心を形成し、前記角形積層板の切り欠き部と前記円形積層板 の切り欠き部によって形成された挿入溝に、前記棒状部材を高さのほぼ半分を挿 入し、前記棒状部材の積層鉄心の外周に突出する部分と前記積層鉄心の外周とを 溶接により固定したものである。 また、一方の半分を前記角形積層板の半分の形状に、他の半分を前記円形積層 板の半分の形状に形成した方円積層板を複数枚づつ交互に積層して前記積層鉄心 を構成したものである。

【０００５】

【作用】

角形積層板と円形積層板とを重ねた時に、円形積層板が重ならない角形積層板 の角部が冷却フィンの役割を果たすように形成される。 また、円形積層板には角形積層板の外周に内接する部分に、角形積層板の切り 欠き部と同じ形状の切り欠き部を設けて、積層鉄心を形成した時に棒状部材が挿 入される挿入溝を形成するようにしてあるので、棒状部材の位置決めが容易とな り、かつ回転力の反力を受ける固定子の剛性を高めることができる。

【０００６】

【実施例】

本考案を図に示す実施例について説明する。 図１は本考案の実施例の固定子鉄心１を示す斜視図である。固定子鉄心１を構 成する場合、まず、図２（ａ）に示すように、薄鋼板から多角形に形成し、複数 の辺のうち一部の辺、または各辺の中央部に切り欠き部２１を設けた角形積層板 ２と、図２（ｂ）に示すように角形積層板２の外周に内接する部分に、角形積層 板２の切り欠き部２１と同じ形状の切り欠き部３１を設け、ほぼ円形に形成した 円形積層板３とをプレス等により形成する。

【０００７】 そして、複数枚の角形積層板２と複数枚の円形積層板３とを交互に積層して積 層鉄心４を形成し、積層鉄心４の軸方向両端に押え側板５を当て、軸方向に両端 から図示しない治具により締めつける。

【０００８】 この状態で、積層鉄心４の外周の４面には切り欠き部２１と３１が連続する軸 方向に伸びる挿入溝４１が形成される。挿入溝４１にはそれぞれ、棒状部材６を 高さのほぼ半分だけ挿入し、棒状部材６の積層鉄心４の外周から突出した部分と 積層鉄心４の外周および押え側板５の外周とを溶接して一体に構成する。

【０００９】 このように、角形積層板２と円形積層板３とを重ねた時に、円形積層板３が重 ならない角形積層板２の４個の角部２２が冷却フィンの役割を果たすように形成 される。

【００１０】 また、円形積層板３には角形積層板２の外周に内接する部分に、角形積層板２ の切り欠き部２１と同じ形状の切り欠き部３１を設けて、積層鉄心４を形成した 時に棒状部材が挿入される挿入溝を形成するようにしてあるので、棒状部材の位 置決めが容易となり、かつ回転力の反力を受ける固定子の剛性を高めることがで きる。

【００１１】 また、棒状部材６の突出した部分を溶接するので、積層鉄心４に与える溶接熱 による影響を小さくし、積層鉄心の熱変形や積層板の表面の絶縁皮膜の劣化を防 止することができる。

【００１２】 なお、積層鉄心４は、図３に示すように、一方の半分は角形積層板の半分の形 状に、他の半分は円形積層板の半分の形状に形成した方円積層板７を複数枚づつ 交互に切り欠き部７１をそろえて積層して形成してもよい。

【００１３】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、積層鉄心に別にフレームなどにより冷却 フィンを形成することなく、異なる形状の積層板を交互に積層することによって 、冷却フィンを形成できるので、部品点数や作業工数などを増やすことなく冷却 効率を高めることができる。 また、積層鉄心の外周に軸方向に伸びる挿入溝を形成して棒状部材を挿入する ようにしてあるので、溶接が容易となると共に、固定子の剛性を高くすることが できるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す斜視図である。

【図２】（ａ）本考案の角形積層板の平面図である。

【図２】（ｂ）本考案の円形積層板の平面図である。

【図３】本考案の方円積層板の平面図である。

【符号の説明】

１ 固定子鉄心 ２ 角形積層板 ２１ 切り欠き部 ３ 円形積層板 ３１ 切り欠き部 ４ 積層鉄心 ５ 押え側板 ６ 棒状部材 ７ 方円積層板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 積層鉄心の軸方向端部に押え側板を設
   け、前記積層鉄心の周囲の側面に沿って軸方向に伸びた
   複数の棒状部材を当て、前記積層鉄心と前記押え側板と
   を前記棒状部材に溶接して一体に構成したものにおい
   て、薄鋼板からなる多角形の各辺または一部の辺の中央
   部に切り欠き部を設けた角形積層板と、前記角形積層板
   の外周に内接し、前記角形積層板の切り欠き部と同じ形
   状の切り欠き部を前記角形積層板との内接部に設け、円
   形に形成した円形積層板とを複数枚交互に積層して前記
   積層鉄心を形成し、前記角形積層板の切り欠き部と前記
   円形積層板の切り欠き部によって形成された挿入溝に、
   前記棒状部材を高さのほぼ半分を挿入し、前記棒状部材
   の積層鉄心の外周に突出する部分と前記積層鉄心の外周
   とを溶接により固定したことを特徴とする回転電機の固
   定子鉄心。
2. 【請求項２】 一方の半分を前記角形積層板の半分の形
   状に、他の半分を前記円形積層板の半分の形状に形成し
   た方円積層板を複数枚づつ交互に積層して前記積層鉄心
   を構成した請求項１記載の回転電機の固定子鉄心。