JPH0670162B2 - 高弾性水添ブロック共重合体組成物 - Google Patents

高弾性水添ブロック共重合体組成物

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JPH0670162B2
JPH0670162B2 JP2308611A JP30861190A JPH0670162B2 JP H0670162 B2 JPH0670162 B2 JP H0670162B2 JP 2308611 A JP2308611 A JP 2308611A JP 30861190 A JP30861190 A JP 30861190A JP H0670162 B2 JPH0670162 B2 JP H0670162B2
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義邦 秋山
泰志 岸本
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、柔軟性に富み、高温圧縮永久歪、機械的強
度、成形加工性に優れ、各種成形物の素材として利用で
きる高弾性なエラストマー状水添ブロック共重合体組成
物に関するものである。
(従来の技術) 近年、ゴム的な軟質材料であって加硫工程を必要とせ
ず、熱可塑性樹脂と同様な成形加工性を有する熱可塑性
エラストマーが、自動車部品、家電部品、電線被覆、医
療用部品、雑貨、履物等の分野で使用されている。この
ような熱可塑性エラストマーのなかで、ビニル芳香族化
合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加誘
導体(以下水添ブロック共重合体と略記する)を用いた
エラストマー状組成物に関し、いくつかの提案がなされ
ている。例えば特開昭50-14742号、特開昭52-65551号、
特開昭58-206644号は、水添ブロック共重合体に炭化水
素油およびオレフィン系重合体を配合したエラストマー
状組成物が開示されており、さらに特開昭59-131613号
には、水添ブロック共重合体に炭化水素油およびオレフ
ィン系重合体、無機充填剤を配合したエラストマー状組
成物を有機パーオキサイドと架橋助剤により部分架橋な
らしめ、得られるエラストマー状組成物の高温時のゴム
弾性(圧縮永久歪)を改良する旨の提案がなされてい
る。
そしてさらに、特開昭54-88960号、特開昭59-100159
号、特公昭57-56941号には水添ブロック共重合体とポリ
フェニレンエーテルを必須成分とし、ポリオレフィン系
樹脂、ポリスチレン系樹脂から成る水添ブロック共重合
体の組成物が開示されている。しかしながら、これらの
提案は樹脂組成物の改良を目的とするものであり、得ら
れる組成物は熱可塑性樹脂であり、先記した熱可塑性エ
ラストマーとしてはとうていなり得ず、エラストマー状
組成物としてのゴム弾性を持たないものであった。
(発明が解決しようとする問題点) 上記の提案で得られる水添ブロック共重合体のエラスト
マー状組成物は、70℃のゴム弾性(圧縮永久歪)が優れ
るものの、100℃におけるゴム弾性は70%以上と劣って
おり、従来加硫ゴム用途で要求されている高温時の圧縮
永久歪のレベルに到達せず、熱可塑性エラストマーとし
ての特徴であるリサイクル成形性を有しながら、高温時
のゴム特性はいまだ不十分であるのが現状であり、また
これが当然とされていた。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上記した従来のエラストマー成形材料では困
難であった問題点を解決すべくなされたものであって、
特に熱可塑性エラストマーとしての加工性、リサイクル
成形性と高温時のゴム弾性(100℃における圧縮永久
歪)のいまだかつて到達できなかった両性能を満足でき
る成形材料の要望に基いてなされたものであり、末だか
つて到達できなかったこの要望を特定のエラストマー状
組成物を選択することによって充分に到達し得るもので
あることを見い出し、さらにそれが実用的に有用な組成
物であることを見い出しなされたものである。
すなわち、本発明は、 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とす
る末端重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエ
ン化合物を主体とする中間重合体ブロックBとからなる
ブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック
共重合体、100重量部、 (b)一般式 (ここで、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ、水素、ハロゲ
ン、炭化水素基からなる群より選択される置換基を表わ
し、互に同一でも異なってもよい) で示される結合単位からなり、0.5g/dlクロロホルム溶
液において30℃で測定された還元粘度が0.15〜0.70の範
囲にあるホモ重合体及び/又は共重合体であるポリフェ
ニレンエーテル樹脂、前記(a)に対して(a)/
(b)=90/10〜50/50(重量比)、 (c)非芳香族系ゴム用軟化剤、10〜300重量部(ただ
し、(a)×(b)の総和100重量部に対して43重量部
を超える量)、 から成り、圧縮永久歪(100℃×22時間)が65%以下の
性能を有する高弾性なエラストマー状水添ブロック共重
合体組成物、 である。
さらに実施態様として例えば前記(a),(b),
(c)及び (d)無機充填剤20〜300重量部 からなり、圧縮永久歪(100℃×22時間)が65%以下の
性能を有する高弾性な水添ブロック共重合体組成物など
を提供する。
以下、本発明に関して詳しく述べる。
本発明において、圧縮永久歪(100℃×22時間)とはゴ
ム弾性体としての高温圧縮永久歪であり、JIS-K6301に
より、100℃×22時間、圧縮率25%の条件で測定された
値である。
本発明で(a)成分として用いられる水添ブロック共重
合体は、少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体と
する末端重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジ
エン化合物を主体とする中間重合体ブロックBとからな
るブロック共重合体を水素添加して得られるものであ
り、例えばA−B−A、(A−B)4Si、A−B−A−
B−A、(A−B)3Si−CH3等の構造を有するビニル芳
香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素
添加されたものである。この水添ブロック共重合体は、
ビニル芳香族化合物を5〜60重量%、好ましくは10〜50
重量%含み、さらにブロック構造について言及すると、
ビニル芳香族化合物を主体とする末端重合体ブロックA
が、ビニル芳香族化合物重合体ブロックまたは、ビニル
芳香族化合物を50重量%を超え好ましくは70重量%以上
含有するビニル芳香族化合物と水素添加された共役ジエ
ン化合物との共重合体ブロックの構造を有しており、そ
してさらに、水素添加された共役ジエン化合物を主体と
する中間重合体ブロックBが、水素添加された共役ジエ
ン化合物重合体ブロック、または水素添加された共役ジ
エン化合物を50重量%を越え好ましくは70重量%以上含
有する水素添加された共役ジエン化合物とビニル芳香族
化合物との共重合体ブロックの構造を有するものであ
る。また、これらのビニル芳香族化合物を主体とする末
端重合体ブロックA、水素添加された共役ジエン化合物
を主体とする中間重合体ブロックBは、それぞれの重合
体ブロックにおける分子鎖中の水素添加された共役ジエ
ン化合物またはビニル芳香族化合物の分布がランダム、
テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加または
減少するもの)、一部ブロック状またはこれらの任意の
組合せで成っていてもよく、該ビニル芳香族化合物を主
体とする重合体ブロックおよび該水素添加された共役ジ
エン化合物を主体とする重合体ブロックがそれぞれ2個
以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構
造であってもよく、異なる構造であってもよい。
水添ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物と
しては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、p−第3ブチルスチレン等のうちから1種ま
たは2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。
また水素添加された共役ジエン化合物を構成する水添前
の共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イ
ソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−
ブタジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、
中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが
好ましい。そして、水添される前の共役ジエン化合物を
主体とする重合体ブロックは、そのブロックにおけるミ
クロ構造を任意に選ぶことができ、例えばポリブタジエ
ンブロックにおいては、1,2−ミクロ構造が20〜50%、
好ましくは25〜45%である。
また、上記した構造を有する本発明に供する水添ブロッ
ク共重合体の数平均分子量は5000〜1000000、好ましく
は10000〜800000、さらに好ましくは30000〜500000の範
囲であり、分子量分布〔重量平均分子量(▲▼)と
数平均分子量(▲▼)との比(Mw/Mn)〕は10以下
である。さらに水添ブロック共重合体の分子構造は、直
鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せの
いずれであってもよい。
これらのブロック共重合体の製造方法としては上記した
構造を有するものであればどのような製造方法で得られ
るものであってもかまわない。例えば、特公昭40−2379
8号公報に記載された方法により、リチウム触媒等を用
いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエン化
合物ブロック共重合体を合成し、次いで、例えば特公昭
42-8704号公報、特公昭43−6636号公報、あるいは特開
昭59−133203号公報に記載された方法により、不活性溶
媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加して、本発明に
供する水添ブロック共重合体を合成することができる。
その際ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック
共重合体の共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合は
少なくとも80%を水素添加せしめ、共役ジエン化合物を
主体とする重合体ブロックを形態的にオレフィン性化合
物重合体ブロックに変換させることができる。また、ビ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAおよび
必要に応じて共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックBに共重合体されているビニル芳香族化合物に基づ
く芳香族二重結合の水素添加率については特に制限はな
いが、水素添加率を20%以下にするのが好ましい。該水
添ブロック共重合体中に含まれる末水添の脂肪族二重結
合の量は、赤外分光光度計、核磁気共鳴装置等により容
易に知ることができる。
つぎに、本発明の(b)成分として用いられるポリフェ
ニレンエーテル樹脂は得られる組成物の圧縮永久歪(10
0℃×22時間)を65%以下に改善するための必須成分で
あり、その分子鎖の結合単位が一般式 (ここでR1,R2,R3およびR4はそれぞれ水素、ハロゲン、
炭化水素基からなる群より選択される置換基を表わし互
に同一でも異なってもよい。)よりなるホモ重合体及び
1又は共重合体であり0.5g/dlクロロホルム溶液におい
て30℃で測定された還元粘度0.15〜0.70の範囲にあるも
のが用いられ、より好ましくは0.20〜0.60の範囲のもの
が用いられる。このポリフェニレンエーテル樹脂として
は公知のものを用い得る。
具体的な例としてはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル、ポリ(2−メチル−6エチル−1,4−フ
ェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フ
ェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−フェニル
−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジクロロ−
1,4−フェニレン)エーテルなどがあげられ、また2,6−
ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば2,3,6
−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェ
ノール)との共重合体のごときポリフェニレンエーテル
共重合体も挙げられる。なかでもポリ(2,6−ジメチル
−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノー
ルと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ま
しく、さらに、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ン)エーテルが好ましい。
用いられるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)の還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃
測定)は、0.15〜0.70の範囲のものが好ましく、より好
ましくは0.30〜0.60の範囲である。
成分(b)の配合量は、成分(a)の水添ブロック共重
合体/成分(b)のポリフェニレンエーテルの重量比が
90/10〜50/50の範囲で好適に選ぶことができる。該重量
比が50/50未満の配合では得られるエラストマー状組成
物の硬度が高くなり、高温でのゴム弾性〔圧縮永久歪
(100℃×22時間)〕が充分でなくなる。また該重合比
が90/10超の配合では、ポリフェニレンエーテルを添加
する。効果としての高温でのゴム弾性(圧縮永久歪)の
改良が認められず好ましくない。
本発明で(c)成分として用いられるゴム用軟化剤は、
得られる組成物を柔軟なゴム状組成物とするための必須
成分であり、非芳香族系の鉱物油または液状もしくは低
分子量の合成軟化剤が適している。なかでも、一般にゴ
ムの軟化、増容、加工性向上に用いられるプロセスオイ
ルまたはエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム
用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖
の三者が組合わさった混合物であって、パラフィン鎖の
炭素数が全炭素中50%以上を占めるものがパラフィン系
と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテ
ン系、また、芳香族炭素数が30%より多いものが芳香族
系とされる。本発明の成分(c)として用いられる鉱物
油系ゴム軟化剤は、上記の区分でナフテン系およびパラ
フィン系のものが好ましく、芳香族炭素数が30%以上の
芳香族系のものは、前記成分(a)との組成において分
散性および溶解性の点で好ましくない。これらの非芳香
族系ゴム用軟化剤の性状は、37.8℃における動粘度が20
〜500cst、流動点が−10〜−15℃および引火点が170〜3
00℃を示す。合成軟化剤としては、ポリブテン、低分子
量ポリブタジエン等が使用可能であるが、上記鉱物油系
ゴム用軟化剤の方が良好な結果を与える。
成分(c)の軟化剤の配合量は、成分(a)の100重量
部に対して10〜300重量部である。ただし、成分(a)
と成分(b)の総和を100重量部として、43重量部を超
える量である。300重量部を越えた配合のものは、軟化
剤のブリードアウトを生じやすく、最終製品に粘着性を
生ずるおそれがあり、機械的性質も低下せしめる。また
(a)+(b)の総和100重量部に対して(c)が43重
量部以下の配合では、得られる組成物が樹脂組成物に近
くなり、硬度が増し、柔軟性を失なうほかに、経済性の
点からも好ましくない。
さらに、本発明の実施態様の例として(d)成分として
用いられる無機充填剤は増量剤として製品コストの低下
をはかることの利益があるばかりでなく、品質改良(圧
縮永久歪等)に積極的効果を付与する。
無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、カーボン
ブラック、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、クレ
ー、硫酸バリウム、天然けい酸、合成けい酸(ホワイト
カーボン)、酸化チタン等があり、カーボンブラックと
してはチャンネルブラック、ファーネスブラック等が使
用できる。これらの無機充填剤のうち、タルク、炭酸カ
ルシウムおよびファーネスブラックは経済的にも有利で
好ましいものである。また導電性を付与するために導電
性フィラーの添加も可能であり、例えばケツチエンブラ
ック等の導電性カーボンを用いてもかまわない。
無機充填剤の配合量は、成分(a)の水添ブロック共重
合体100重量部に対し20〜300重量部であり、好ましくは
30〜250重量部である。300重量部を越える配合では、組
成物の機械的強度の低下が著しく、かつ、硬度の高くな
って柔軟性が失なわれ、ゴム的な感触の製品が得られな
くなる。また20重量部未満の配合では、該無機充填剤の
末添加配合で得られる本発明の組成物と同等の性能を発
揮する。
本発明の高弾性エラストマー状組成物にさらに必要に応
じて難燃剤、ガラス繊維、カーボン繊維、酸化防止剤、
耐熱安定剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定
剤、着色剤を加えることができる。
本発明の高弾性エラストマー状組成物の複合化方法とし
ては、通常の樹脂組成物の製造あるいはゴム組成物の製
造に際して用いられる方法が採用でき、単軸押出機、二
軸押出機、バンバリーミキサー、加熱ロール、ブラベン
ダー、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて複合化する
ことができる。この際、各成分の添加順序には制限が無
く、例えば全成分をヘンシェルミキサー、ブレンダー等
の混合機で予備混合し上記の混練機で予備混合し上記の
混練機で溶融複合化したり、任意の成分を予備混合しマ
スターバッチ的に溶融複合化し、さらに残りの成分を添
加し溶融複合化する等の添加方法が採用できる。
そして、複合化された本発明の組成物は、一般に使用さ
れる熱可塑性樹脂成形機で成形することが可能であっ
て、射出成形、押出成形、ブロー成形、カレンダー成形
等の各種成形方法が適用可能である。
(発明の効果) 本発明によって得られる組成物は、柔軟性、耐熱性、機
械的強度、高温時のゴム弾性に優れかつ、成形加工性、
塗装性、および電気絶縁性に優れるため、その使用分野
としては、高ゴム弾性の特徴を生かして各種電線被覆
(絶縁、シース)、家電部品、自動車部品、および各種
工業部品に好適に成形し用いることができる。具体的な
用途としては、各種ガスケット類、屈曲性チューブ、ホ
ース被覆、ウエザーストリップ、屈曲性バンバー、サイ
ドバンバー、モール、フィラーパネル、ライブハウジン
グ、ワイヤーケーブル被覆、エアーインテークホース、
クッションパネル等がある。
(実施例) 本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明
がこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、これらの実施例および比較例において、各種の評
価に用いられた試験法は以下のとおりである。
(1)硬度〔−〕 JIS-K6301、Aタイプ (2)引張強度〔kg/cm3〕および引張伸度〔%〕 JIS-K6301、試料は2mm厚のインジェクションシートを用
い、試験片は3号形。
(3)圧縮永久歪〔%〕 JIS-K6301、70℃および100℃22時間、25%変形。
また配合した各成分は以下のとおりである。
(1)<成分(a−1)> ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリス
チレンの構造を有し、結合スチレン量27%、数平均分子
量157000、分子量分布1.07、水添前のポリブタジエンの
1,2結合量が34%、水添率98%の水添ブロック共重合体
を特開昭59-133203号に記載されたTi系水添触媒で合成
し、成分(a−1)とした。
〈成分(a−2)〉 シエル・ケミカル社製品、商品名KRATON−G1651 〈成分(a−3)〉 シエル・ケミカル社製品、商品名KRATON−G1650 (2)成分(b) ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレン)エーテル〈還元粘度;0.37、0.
57〉を合成した。
(3)成分(c) 出光興産(株)製品、商品名ダイアナプロセスオイルPW
−380〔パラフィン系、動粘度;381.6cst(40℃)、30.1
cst(10℃)、平均分子量746、環分析;CN=27%、CP=7
3%〕 (4)成分(d) 白石カルシウム社製品、炭酸カルシウム、商品名ホワイ
トインSB 実施例1,2 水添ブロック共重合体として(a−1)〜(a−2)を
用い、またポリフェニレンエーテルとして還元粘度0.57
のものを用い表−1に示す各成分をヘンシエルミキサー
で混合後、50mm径の二軸押出機にて250℃の条件で溶融
混練し熱可塑性エラストマーのペレツトを得た。これを
射出成形品として評価し、結果を表1に載せた。
この結果から、本発明のエラストマー状組成物は100℃
の圧縮永久歪が50%以下であり、高温時のゴム弾性に優
れることが明らかである。またさらにこれらの組成物は
成形加工性にも優れていた。
比較例1,2 水添ブロック共重合体として(a−3)を用い、またポ
リフェニレンエーテルとして還元粘度が0.37のものを用
い、表2に示す各成分を実施例1,2と同様の方法で混練
し、さらに成形して評価した。結果を表2に載せた。
この結果から、本発明の範囲外の組成物は、100℃の圧
縮永久歪、硬度、伸び等のバランスが悪い。
比較例3,4,5 水添ブロック共重合体として(a−1)〜(a−3)を
用い、またポリフェニレンエーテルとして還元粘度0.57
のものを用い、表3に示す各成分を実施例1,2と同様の
方法で混練し、さらに成形して評価した。
結果を表3に載せた。
この結果から、本発明の範囲外の組成物は、100℃の圧
縮永久歪が極度に悪化し、高温時のゴム弾性に劣ること
がわかる。また、(c)成分を含まない比較例5は硬度
が高く、柔軟性に劣る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)少なくとも2個のビニル芳香族化合
    物を主体とする末端重合体ブロックAと、少なくとも1
    個の共役ジエン化合物を主体とする中間重合体ブロック
    Bとからなるブロック共重合体を水素添加して得られる
    水添ブロック共重合体、100重量部、 (b)一般式 (ここで、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ、水素、ハロゲ
    ン、炭化水素基からなる群より選択される置換基を表わ
    し、互に同一でも異なってもよい) で示される結合単位からなり、0.5g/dlクロロホルム溶
    液において30℃で測定された還元粘度が0.15〜0.70の範
    囲にあるホモ重合体及び/又は共重合体であるポリフェ
    ニレンエーテル樹脂、前記(a)に対して(a)/
    (b)=90/10〜50/50(重量比)、 (c)非芳香族系ゴム用軟化剤、10〜300重量部(ただ
    し、(a)+(b)の総和100重量部に対して43重量部
    を超える量)、 から成り、圧縮永久歪(100℃×22時間)が65%以下の
    性能を有する高弾性なエラストマー状水添ブロック共重
    合体組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4322507A (en) 1980-03-13 1982-03-30 General Electric Company Molded article of polyphenylene ether and hydrogenated block copolymer

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JPH03174463A (ja) 1991-07-29

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