JPH0670030B2 - アルドースのアリールc―グリコシド系化合物の製造法 - Google Patents

アルドースのアリールc―グリコシド系化合物の製造法

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JPH0670030B2
JPH0670030B2 JP6212390A JP6212390A JPH0670030B2 JP H0670030 B2 JPH0670030 B2 JP H0670030B2 JP 6212390 A JP6212390 A JP 6212390A JP 6212390 A JP6212390 A JP 6212390A JP H0670030 B2 JPH0670030 B2 JP H0670030B2
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aldose
aryl
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acetal
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はアルドースのアセタール位チオホスフィン酸エ
ステル誘導体と芳香族系化合物とを反応させ、アリール
C−グリコシド系化合物を製造する方法に関するもので
ある。
アルドースのアリールC−グリコシド系化合物は広く天
然に存在し、抗腫瘍性、抗癌性作用などを有するものが
多く注目をあびているが、その合成には不安定な糖中間
体や過剰の活性化剤を使用したり、選択性などの面で問
題があり工業的に優れた方法は未だ知られていない。
従来知られている方法はハロゲノ糖、トリクロアセトイ
ミデート糖、ピリジルチオ糖やトリフロロアセチル糖な
どを芳香族系化合物と反応させるが、原料のグリコシル
供与体の安定性が乏しく高度に脱水した反応条件が必要
なこと、過剰の活性化剤が使用される場合が多く、また
これらいずれの反応もアリールβ−C−グリコシドを主
生成物として与え、アリールα−C−グリコシドの製造
は制限される場合が多い等の欠点が多く工業化は困難で
ある。
本発明者らは上記の事情に鑑み鋭意研究した結果、アル
ドースのアセタール位チオホスフィン酸エステル誘導体
を用い、過塩素酸銀を活性化剤として使用することで目
的を達しうることを知り本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、アルドースのヘミアセタール
位がアセタール結合している糖の水酸基の水素が一般式 (式中R1,R2は非置換または置換されたアルキル基ある
いはアリール基を示す。)で表されるホスフィノチオイ
ル基で置換されたアルドースのアセタール位チオホスフ
ィン酸エステル誘導体と、芳香族系化合物を過塩素酸塩
を共存させ反応させることを特徴とするアルドースのア
リールC−グリコシド系化合物の製造法である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の原料の1つ、アルドースのアセタール位チオホ
スフィン酸エステル誘導体は、アセタール位の水酸基が
遊離のアルドースとハロゲン化ホスフィノチオイルと塩
基存在下合成できる。アルドースは周知のものを使用で
きる。具体的にはグルコース、マンノース、ガラクトー
ス、2−デオキシ−D−グルコース、2−デオキシ−D
−マンノース、2−デオキシ−D−ガラクトース、2−
アミノ−2−デオキシ−グルコースなどを挙げることが
できる。
ハロゲン化ホスフィノチオイルとしては周知のものを使
用できる。例えば塩化ジメチルホスフィノチオイル、臭
化ジメチルホスフィノチオイル、塩化ジフェニルホスフ
ィノチオイル等が挙げられる。
塩基としては周知のものを使用できる。例えば水酸化ナ
トリウム、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデカ−7−エン、n−ブチルリチウム等
を挙げることができる。
本発明の他の原料の1つとして使用される芳香族系化合
物は周知のものを使用できる。例えば1,3,5−トリメト
キシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,3,5−トリ
エトキシベンゼン、1,3−ジエトキシベンゼン、1,3,5−
トリブトキシベンゼン、1,3−ジブトキシベンゼン、1
−メトキシ−3−エトキシベンゼンなどの例が挙げられ
る。
続いてアルドースのアセタール位チオホスフィン酸エス
テルと前述した芳香族系化合物との反応について説明す
る。この方法ではこれらのモル比は特に制限はなく芳香
族化合物を大過剰に用いてもよいが、通常は1〜数倍モ
ル等量である。
溶媒はアルコールを除く周知の有機溶媒を使用できる。
例えばエーテル、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタ
ン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、テトラヒ
ドロフラン等を挙げることができる。
反応温度は特に制限はないが、−40℃〜60℃好ましくは
−20℃〜40℃である。反応時間は反応温度、原料の種類
等によってことなるが、数分〜数十時間の範囲である。
反応を行うにあたってはアルドースのアセタール位チオ
ホスフィン酸エステル誘導体に対し、過塩素酸塩の共存
下で行う。過塩素酸塩は100〜500モル%で行うこともで
きるが、好ましくは100〜300モル%で使用する。これら
の活性剤となる塩は特に無水状態にすることもなく反応
系にモレキュラーシーブス等の脱水剤を共存させるだけ
で十分である。過塩素酸塩としては、過塩素酸リチウ
ム、過塩素酸トリチル、過塩素酸銀等が挙げられる。特
に過塩素酸銀が好ましい。
本発明はこのように有用な化合物を収率良く、緩和な条
件下で製造でき、副生成物も少なく、その工業的価値は
大である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが本発
明はその要旨を越えない限り、以下の実施例により何等
の制限もうけるものではない。
参考例1 2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルコピラノー
ス 10.0g(18.5mmol)をTHF2mlに溶解し、−30℃下
1.5Mのヘキサン溶液としたブチルリチウム13.6ml(20.4
mmol)を加え、30分攪はんし塩化ジメチルホスフィノチ
オイル2.62g(20.4mmol)をTHF20mlに溶解して加える。
2時間攪はんし、水を加えてジクロロメタンで抽出し、
有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留
去しシリカゲルカラムクロマト(展開剤;ヘキサン:酢
酸エチル=10:1)で精製して2,3,4,6−テトラ−O−ベ
ンジル−D−グルコピラノシル ジメチルチオホスフィ
ン酸エステル10.1g(86%)が得られた。1 H−NMR(CDCl3);δ1.86(6H,d,J=13Hz,P−CH3) 実施例1 参考例1で合成したジメチルチオホスフィン酸エステル
127.2mg(0.2mmol)、1,3,5−トリメトキシベンゼン33.
8mg(0.2mmol)、過塩素酸銀41.4mg(0.2mmol)、モレ
キュラーシーブス4A粉末約100mgをベンゼン2mlに懸濁さ
せ、一晩室温で攪はんし5%硫化ナトリウム5mlを加え
反応を停止する。反応混合物をろ過後、酢酸エチルで抽
出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を
減圧留去し調整用シリカゲル薄層クロマト(展開剤;ヘ
キサン:酢酸エチル=4:1)で精製したところ目的のα
−C−グリコシル化合物が65.2mg(47%)得られた。13 C−NMR(ppm);55.3,55.9,56.1(OCH3) 実施例2 参考例1で合成したジメチルチオホスフィン酸エステル
126.9mg(0.2mmol)、1,3,5−トリメトキシベンゼン67.
9mg(0.4mmol)、過塩素酸銀41.7mg(0.2mmol)、モレ
キュラーシーブス4A粉末約100mgをベンゼン2mlに懸濁さ
せ、一晩室温で攪はんし5%硫化ナトリウム5mlを加え
反応を停止する。反応混合物をろ過後、酢酸エチルで抽
出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を
減圧留去し調整用シリカゲル薄層クロマト(展開剤;ヘ
キサン:酢酸エチル=4:1)で精製したところ目的のα
−C−グリコシル化合物が88.8mg(47%)得られた。13 C−NMR(ppm)は実施例1と同じ。
実施例3 参考例1で合成したジメチルチオホスフィン酸エステル
126.9mg(0.2mmol)、1,3−ジメトキシベンゼン55.2mg
(0.4mmol)、過塩素酸銀41.4mg(0.2mmol)、モレキュ
ラーシーブス4A粉末約100mgをベンゼン2mlに懸濁させ、
1時間室温で攪はんし5%硫化ナトリウム5mlを加え反
応を停止する。反応混合物をろ過後、酢酸エチルで抽出
し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減
圧留去し調整用シリカゲル薄層クロマト(展開剤;ヘキ
サン:酢酸エチル=4:1)で精製したところ目的のα−
C−グリコシル化合物が91mg(69%)得られた。1 H−NMR(δ);3.6(3H,OCH3),3.7(3H,OCH3

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルドースのヘミアセタール位がアセター
    ル結合している糖の水酸基の水素が一般式 (式中R1,R2は非置換または置換されたアルキル基ある
    いはアリール基を示す。)で表されるホスフィノチオイ
    ル基で置換されたアルドースのアセタール位チオホスフ
    ィン酸エステル誘導体と、芳香族系化合物を過塩素酸塩
    の共存下、反応させることを特徴とするアルドースのア
    リールC−グリコシド系化合物の製造法。
  2. 【請求項2】アルドースのアセタール位チオホスフィン
    酸エステルとしてジメチルチオホスフィン酸エステル誘
    導体を用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の製造法。
  3. 【請求項3】過塩素酸塩として過塩素酸銀を用いること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造法。
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