JPH0669858B2 - 帳票類の発行管理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、銀行や、その他の金融機関等に設置されて、
通帳や各種の証書等からなる帳票類の発行を管理する帳
票類の発行管理装置に関するものである。

［従来の技術］ 銀行等の金融機関においては、預貯金の通帳や定期預金
証書等の証書からなる帳票類が発行されるが、これらの
帳票類はその性質上厳格な管理を要するために、これら
の帳票の発行を管理する帳票類の発行管理装置が設置さ
れる。

この帳票類の発行管理装置としては、従来は、操作盤等
を設けたケーシングにそれぞれ通帳や証書等の帳票を収
納する収納部を形成してなる複数の引き出しを設けると
共に、該各引き出しにおける収納部からその収納物を送
り出すための送り出し機構と、該送り出し機構によって
搬出された通帳なり証書なりを搬送する搬送コンベア
と、このようにして搬送コンベアによって搬送されたも
のを外部から取り出せる状態に放出する放出部とを有す
る構成としたものが用いられている。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、銀行やその他の金融機関においては、発行さ
れる通帳や証書の種類が異なると共に、それぞれの種類
の発行部数にもばらつきがある。例えば、ある種の金融
機関においては、通帳の種類が多く、証書の種類が少な
いが、他の機関においては、証書の方が多いという場合
がある。また、特定の通帳や証書が他のものより発行頻
度の多い場合もある。従って、各機関等に応じて、通帳
を収納する引き出しを多くしたり、証書の引き出しを多
くしたり、また特定の通帳や証書の引き出しを複数設け
たりすることができるようになっているのが好ましい。

然るに、一般に通帳と証書とでは搬送経路への送り出し
方式が異なり、また通帳や証書においても、その形状や
材質等に応じては異なる送り出し方式を採用する必要が
あるものもある。このために、前述した各使用機関の要
請に応じて、引き出しの構成を変更することができない
のが現実であって、帳票類全体の発行を管理する装置
は、当該使用機関に専用のものとして設計する必要があ
り、このために装置に汎用性がなくなってしまうことに
なる。そこで、多数の引き出しを有する大型の装置を使
用して不必要な引き出しを空にしたまま放置するように
なし、また発行頻度の多い帳票については頻繁に追加し
たりしなければならない等といった使用上の不便，不都
合がある。

本発明は以上の点に鑑み、形状や厚みの違う通帳及び証
書からなる帳票類の収納部の配置レイアウトを自由に設
定し、しかも容易に変更できるようにした帳票類の発行
管理装置を提供することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 前述の目的を達成するために、本発明は、前面が開口
し、同一寸法のカセット装着部を複数段形成した本体ケ
ーシングと、多数の通帳を立てた状態にして収納する１
または複数列の通帳収納部と、該各通帳収納部内の通帳
を１部ずつ放出する放出部と、該放出部から通帳を所定
量突出させる状態に送り出す送り出し手段とを有する通
帳用引き出しカセットと、多数の証書を堆積する状態に
収納する１または複数列の証書収納部と、該各証書収納
部内の証書を１枚ずつ放出する放出部と、該放出部から
証書を所定量突出させる状態に送り出す送り出し手段と
を有する証書用引き出しカセットとを有し、前記通帳用
引き出しカセットまたは証書用引き出しカセットを前記
本体ケーシングの複数段のカセット装着部のうちの任意
のカセット装置部に着脱可能に装着できる形状としたこ
とをその特徴とするものである。

［作用］ 金融機関等、帳票類の発行管理装置を使用する機関にお
いて発行する帳票類の種類やそれらの使用頻度等に応じ
て、それらの収納する各種の引き出しカセットを所望の
配列で本体ケーシングに装着できれば、各使用機関の要
請に応じて最適なものとなる。ここで、通帳と証書とで
は、形状及び寸法が異なるだけでなく、その厚み等も異
なる。これに伴って、引き出しカセットにおける収納部
の形状も、またそれらを１枚ずつ分離して取り出すため
の方式も異なってくる。

そこで、内部機構はそれぞれ別個の構造となっている
が、本体ケーシングに複数段設けられているカセット装
着部のうちの任意のカセット装着部に装着できるように
通帳用引き出しカセット及び証書用引き出しカセットを
形成する。ここで、各引き出しカセットは収納物の収納
部を１箇所だけ設けたものだけでなく、その外形形状に
応じて、収納部を複数列設け、これら各収納部には、放
出部及び送り出し手段を備えたものとする。

而して、本体ケーシングに形成した各カセット装着部に
通帳を収納した通帳用引き出しカセット及び証書用引き
出しカセットをそれぞれ所望の数で、所望の位置に装着
することができる。また、使用中に引き出しカセットの
配列を変更するには、不要となる引き出しカセットを本
体ケーシングから脱着し、それとは別個の引き出しカセ
ットと交換するようにすればよい。また、いずれかの引
き出しカセットが故障した場合においても、装置の全体
を分解したり、交換する必要がなく、当該故障を起した
引き出しカセットだけを取り出して修理したり、交換し
たりすればよく、メンテナンス性にも優れている。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

まず、第１図に本発明に係る帳票類の発行管理装置の全
体構成を示す。

図中において、１は本体ケーシングを示し、該本体ケー
シング１は前面側が開口したボックス形状のものであっ
て、上下に複数の区画部を形成することによって、通帳
類を収納する通帳用引き出しカセット2a,2b,2cと、証書
類を収納する証書用引き出しカセット3a,3bとの５つの
引き出しカセットとを装着させるためのカセット装着部
1a〜1eが形成されており、これらカセット装着部1a〜1e
はすべて同一寸法、即ち同じ高さ，幅及び奥行寸法を有
するものである。

カセット装着部1a〜1eの上部位置には、操作パネル４及
び表示パネル5,カードリーダ６及びプリンタ７が設けら
れており、さらに、本体ケーシング１内には、図示はし
ないが、後述の通帳や証書の送り出し機構等の制御を行
う制御手段や発行状態を記録・管理するための管理手段
等を構成するマイクロコンピュータ等が内蔵されてい
る。

通帳用引き出しカセット2a〜2cには、第２図及び第３図
に示したように、それぞれ通帳10を立てた状態に並べる
ようにして多数収納する通帳収納部11が２列に設けられ
ており、また証書用引き出しカセット3a,3bには３列の
証書収納部12を有し、該各証書収納部12には証書13が堆
積することによって多数収納することができるようにな
っている。そして、通帳10と証書13とでは、収納方式が
異なるにも拘らず、各カセットは本体ケーシング１にお
ける各カセット装着部1a〜1eのいずれにも装着できるよ
うにするために、それぞれの外形形状は同一となってい
る。カセット装着部1a〜1eの高さ寸法は通帳10の高さ寸
法に依存し、証書用引き出しカセット3a,3bはこの高さ
に応じた分だけ堆積できるようになる。一方、これら各
カセット装着部1a〜1eの幅方向の寸法は、通帳10の幅と
証書13の幅に応じて、それぞれ１または複数列収納させ
た時に、最も無駄なスペースがなく収納させることがで
きる寸法に設定する。また、奥行き方向の寸法は証書13
の長さに応じてその寸法を設定する。

各カセットにおける通帳収納部11及び証書収納部12に
は、それぞれ通帳10及び証書13の放出部14,15と、該放
出部14,15に向けて通帳10,証書13を送り出すための送り
出し手段16,17を内蔵させている。

放出部14は、通帳用引き出しカセット2a〜2cの本体ケー
シング１における前面開口部の位置における上部開口部
に放出ゲート18を設けることによって形成され、該放出
ゲート18によって当該放出部14は通帳が１冊分だけ通過
することができるようになっている。一方、証書用引き
出しカセット3a,3bの場合には、証書収納部12から証書1
3を取り出すための放出部15は、本体ケーシング１の前
面開口部に位置する引き出しカセット3a,3bの手前側に
おける下方にスリット通路を設けることによって形成さ
れ、この放出部15から証書13が１枚分だけ送り出すよう
にするために、放出ゲート19が設けられており、さら
に、放出部15から送り出された証書13が落下したりしな
いように保持するために、引き出しカセット3a,3bに
は、取り出した証書13を受ける受け部20が本体ケーシン
グ１から突出する状態に設けれらている。

次に、通帳10を放出部14に送り出すための送り出し手段
16としては、各通帳収納部11に内装したモータ21と、該
モータ21によって回転駆動されるローラ22とを有し、該
ローラ22は常時通帳収納部11内に収納した通帳10と当接
しており、それが回転駆動されたときには、通帳10を、
放出部14において、第３図に一点鎖線で示した位置まで
突出せしめることができるようになっている。また、証
書13の送り出し手段17も、前述した送り出し手段16と同
様、モータ23と、該モータ23によって回転駆動されるロ
ーラ24とを備え、該ローラ24は最下層の証書13と当接し
ており、該ローラ24が回転すると、この最下層の証書13
が、同図に一点鎖線で示したように、放出部15から突出
する状態に設けた受け部20の先端を曲成することによっ
て形成されるストッパ部20aに当接する位置まで送り出
されることになる。

なお、第３図中において、25,26はそれぞれ通帳10及び
証書13をローラ22,24に押し付けるための押え部材を示
す。

前述した各引き出しカセット2a〜2c及び3a,3bは本体本
体ケーシング１における各カセット装着部1a〜1eに引き
出し可能に装着され、しかも必要に応じて本体ケーシン
グ１の前面の開口部分から取り外すことができるように
なっている。この引き出しカセット2a〜2c及び3a,3bに
おける引き出し及び本体ケーシング１からの取り出しを
行うための機構は、例えば、ガイドレールとローラ等適
宜周知のものを使用することができるものであり、その
図示及び説明は省略する。そして、各引き出しカセット
2a〜2c及び3a,3bを本体ケーシング１から脱着できるよ
うにするために、モータ21,23のコード27,28は、本体ケ
ーシング１におけるこれら各引き出しカセットの後方位
置に形成されたコード収納部1f〜1j内に配設した電源コ
ード29,30とコネクタ31,32によって着脱可能に接続され
るように構成されている。そして、電源コード29,30は
伸縮自在となっており、引き出しカセット2a〜2c及び3
a,3bを本体ケーシング１から完全に引き出した時にも、
これら電源コード29,30はなお伸長する余地がある長さ
を有する。

なお、33は、各放出部14,15に装着した通帳10及び証書1
3の取り出し確認用のセンサを示す。

本実施例は前述のように構成されるもので、次にその作
用について説明する。

本体ケーシング１の各カセット装着部1a〜1eに通帳用引
き出しカセット2a〜2c及び証書用引き出しカセット3a,3
bに装着して、通帳収納部11及び証書収納部12内に通帳1
0及び証書13をそれぞれ収納させておく。そこで、通帳1
0や証書13を取り出そうとする者は、カードリーダ６に
所定のカードを差し込み、取り出し者の登録を行った上
で、操作パネル４により必要とする通帳10や証書13の種
類及び部数を入力する。この入力に基づいて、モータ2
1,23が作動してローラ22,24が回転せしめられて、通帳1
0または証書13が放出部14または15から外部に取り出す
ことができる位置にまで送り出されることになり、操作
者がそれらを手で取り出すことができるようになる。そ
して、同一種類の通帳10または証書13を複数部取り出す
場合においては、ローラ22,23がすべて通帳10,証書13の
取り出しが終るまで回転を続け、操作者が１部を取り出
した後に、順次収納物が放出部14,15に送り出される。

ところで、金融機関等においては、発行される通帳や証
書の種類及び頻度は必ずしも一定ではない。従って、各
機関の必要に応じて引き出しカセットの種類や数を適宜
変更することができるようにするのが好ましい。しかし
ながら、通帳及び証書はそれぞれ寸法及び形状、さらに
は厚みが異なっており、同じ形態で収納させることがで
きないだけでなく、その取り出し方式も著しく異なって
いる。

然るに、引き出しカセット2a〜2c及び3a,3bには、それ
ぞれ通帳10や証書13を収納するのに適した収納部11,12
を形成すると共に、これら収納物の放出部14,15及び送
り出し手段16,17を内装させているので、収納物の収納
形態及び送り出し方式が相違する引き出しカセット2a〜
2c及び3a,3bを本体ケーシング１におけるカセット装着
部1a〜1eのいずれの段にも装着することができるように
なっている。即ち、カセット装着部1a〜1eは通帳用引き
出しカセット2a〜2cと証書用引き出しカセット3a,3bと
に共通のカセット装着部である。従って、例えば通帳用
引き出しカセットを多く装着したり、証書用引き出しカ
セットを多く装着したりすることができるし、またそれ
らをどの順序で装着するかを自由に設定することができ
る。さらに、使用中においても、新たな引き出しユニッ
トを既に本体ケーシング１に装着されているものとも交
換することができるので、通帳10や証書13の変更があっ
た場合にも対処することができる。。

而して、引き出しカセット2a〜2c,3a,3bを本体ケーシン
グ１に装着するには、モータ21,23側のコード27,28と電
源コード29,30とコネクタ31,32を介して接続した状態
で、カセット装着部1a〜1eのいずれかに装着すればよ
い。また、引き出しカセットの脱着は前述とは反対の手
順で行うことができる。

さらに、この装置においては、送り出し手段が機械的な
駆動部分であるために、当該部位に故障等が発生するお
それがあるが、この送り出し手段は本体ケーシング１に
対して着脱可能な引き出しカセットに内蔵されているの
で、当該部分の修理等を容易に行うことができ、メンテ
ナンス性にも優れている。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明に係る帳票類の発行管理装
置は、通帳と証書との発行管理を行うに当って、本体ケ
ーシングに複数段の同一寸法を有するカセット装着部を
形成して、これら各カセット装着部に通帳を収納する通
帳用引き出しカセットと証書を収納する証書用引き出し
カセットとを着脱可能に装着できるように構成したの
で、それぞれ寸法，形状及び厚みが異なり、送り出し方
式も異なる通帳及び証書が収納されている引き出しカセ
ットをどのカセット装着部にも装着でき、通帳及び証書
の発行を管理する機関の要請等に応じて、引き出しカセ
ットを交換したり、順番を入れ替えたりすることによ
り、引き出しカセットの配置レイアウトを自由に設定で
きるようになり、また通帳収納部では通帳を立てた状態
に並べ、証書収納部には証書は堆積させた状態に装着す
ると共に、これら通帳収納部及び証書収納部を１または
複数列設けるように構成しているので、引き出しカセッ
トの高さ方向の寸法を通帳用引き出しカセットに合わせ
るようになし、また通帳及び証書の幅寸法に応じて通帳
収納部及び証書収納部の配列数を適宜設定することによ
って、単一のケーシングに無駄なスペースがなく多数の
通帳及び証書を収納させて、それらの発行管理を行うこ
とができる等の諸効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す帳票類の発行管理装置
の外観図、第２図は第１図の正面図、第３図は第１図の
断面図である。 1:本体ケーシング、2a〜2c:通帳用引き出しカセット、3
a,3b:証書用引き出しカセット、10:通帳、11:通帳収納
部、12:証書収納部、13:証書、14,15:放出部、16,17:送
り出し手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】前面が開口し、同一寸法のカセット装着部
   を複数段形成した本体ケーシングと、 多数の通帳を立てた状態にして収納する１または複数列
   の通帳収納部と、該各通帳収納部内の通帳を１部ずつ放
   出する放出部と、該放出部から通帳を所定量突出させる
   状態に送り出す送り出し手段とを有する通帳用引き出し
   カセットと、 多数の証書を堆積する状態に収納する１または複数列の
   証書収納部と、該各証書収納部内の証書を１枚ずつ放出
   する放出部と、該放出部から証書を所定量突出させる状
   態に送り出す送り出し手段とを有する証書用引き出しカ
   セットとを有し、 前記通帳用引き出しカセットまたは証書用引き出しカセ
   ットを前記本体ケーシングの複数段のカセット装着部の
   うちの任意のカセット装着部に着脱可能に装着できる形
   状としたことを特徴とする帳票類の発行管理装置。