JPH066933B2 - 燃料ポンプユニツト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は燃料ポンプユニツトに係り、燃料ポンプにより
燃料をエンジンに供給するポンプ作動でサブタンクの燃
料を減少させて内空を負圧にすることにより燃料タンク
から補給チユーブにより燃料を補給すると共に、サブタ
ンクの液面上に溜まる燃料ガスを噴流燃料チユーブから
流出する噴流燃料により作動するアスピレータにより吸
引して燃料タンクに駆逐し、燃料ガスを比重差により分
離した噴流燃料を、補給チユーブのサブタンク中の高い
位置に設けた燃料流出口よりさらに高い還流口からサブ
タンク内に戻す特定の構成により、補給チユーブの燃料
流出口からの流出に必要な負の圧力を保持させて、補給
チユーブによるサブタンク内への燃料補給の信頼性を高
めるようにしたものである。

（従来の技術） 燃料タンク中に内空の負圧を可能にしたサブタンクを設
けるとか、燃料タンクの底部に一端を臨ませた燃料補給
用の補給チユーブを負圧可能なサブタンクに挿入し、サ
ブタンクが燃料ポンプにより燃料をエンジンに供給して
内空が負圧になると燃料タンクから燃料を自動的に補給
するとか、負圧を可能にしたサブタンクに溜まる燃料ガ
スを吸引して該燃料ガスの放出手段をもつ燃料タンクに
アスピレータを用いる等の構成は従来知られていない。

（発明が解決しようとする問題点・本発明の目的） 内空の負圧を可能にしたサブタンクと言う新しい素材を
燃料ポンプユニツトの構成材とし、燃料ポンプによりサ
ブタンク内の燃料をエンジンに供給するポンプ作動と共
にそのサブタンクを負圧にする新機能により燃料タンク
から燃料を補給し、そのサブタンクに溜まる燃料ガスを
捕集して該ガスの排出手段を持つ燃料タンクに駆逐する
ため、噴流燃料チユーブからの噴流燃料により作動する
アスピレータを設け、噴流燃料を補給チユーブの燃料流
出口付近で負圧に保持させて燃料補給を円滑に生じさせ
る構成とし、さらにサブタンクの内空を負圧にする手段
のない新車にも対処できるようにすることを解決の目標
とし、本発明の目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は前記の目的に合致させたもので、特定発明は燃
料タンク中に内空の負圧を可能にしたサブタンクを設
け、そのサブタンクに外端を燃料タンクの底部に臨ませ
ると共に、サブタンク側から燃料タンクへの燃料逆流を
防ぐ逆止弁を設け、さらにサブタンク内への燃料流出口
を高い位置に設けた補給チユーブを設置すると共に、サ
ブタンクの上層の燃料ガスを吸引し燃料タンクに駆逐す
るアスピレータを入口に噴流燃料チユーブを挿入して設
置し、該アスピレータの端末に燃料タンクに開口するガ
ス駆逐口とサブタンク内で前記補給チユーブの燃料流出
口よりさらに高い位置に還流口を持つ噴流燃料還流管を
設け、燃料ポンプによるエンジンへの燃料供給及びアス
ピレータによる燃料ガスの駆逐によりサブタンクを負圧
にして補給チユーブにより燃料タンクからの燃料補給を
自動的に生じさせることを特徴とする燃料ポンプユニツ
トに係るものである。

第２の発明は特定発明の噴流燃料チユーブがリターンチ
ユーブであることを特徴とする燃料ポンプユニツトに係
るものである。

第３の発明は特定発明の噴流燃料チユーブが燃料ポンプ
の吐出側に設けて燃料の一部を吐出する分岐チユーブで
あることを特徴とする燃料ポンプユニツトに係るもので
ある。

（実施例） 第１〜３図は本発明の第１実施例を示し、第５図は同第
２実施例を示す。

第１図において、１は燃料タンク、３は該燃料タンク１
の作業穴２に燃料洩れの無いように施す密閉蓋であつ
て、その下面に補給チユーブ５、燃料ポンプ６の燃料供
給管７、リターンチユーブ８を、密閉蓋３との共同によ
り密閉し、又は単独で密閉して内空を負圧可能にしたサ
ブタンク４を設ける。

補給チユーブ５はサブタンク４の底から突出した端部に
袋形のフイルター１１を燃料タンク１の中央部の底に接
触させてなり、サブタンク４を燃料タンク１の中心部に
取付けることができないときは補給チユーブ５のサブタ
ンク４の底部から突出する水平部を燃料タンク１の底部
の中心まで延ばしてフイルター１１を取付ける。補給チ
ユーブ５はサブタンク４の内部で水平部１２と垂直部１
３からなる逆Ｔ形とし、水平部１２の端部に燃料タンク
１への燃料の逆流を防止する逆止弁１４を設ける。該逆
止弁１４は第３図に示すように先端部の口１５を弾力で
閉じるゴム製のものを使用できる。この逆止弁１４はサ
ブタンク４に燃料が充填されないでしかも負圧になつて
いない新車などで、燃料タンク１に燃料が充填される
と、圧力差で該燃料が自動的にサブタンク４に流れ込む
ようにすると共に、サブタンク４から燃料タンク１へは
逆流しないようにするもので、逆止の漏れがほとんどゼ
ロであるものを使用する。

前記の垂直部１３は燃料流出口１３ａをサブタンク４の
上方部で解放したチユーブ形とする。

内空の負圧を可能にしたサブタンク４には燃料の上層に
燃料ガスが集まる。しかしてリターンチユーブ８により
サブタンク４に還すリターン燃料は高熱になつたエンジ
ンの付近を通るため加熱されて遊離した燃料ガスを多量
に付着するが、これをその侭燃料ポンプによりエンジン
に送るときはベーバーロツク等の燃料障碍を生ずるか
ら、燃料ガスを除去する必要がある。本発明は吸気器と
呼ばれているアスピレータ１６により、内空の負圧を可
能にしたサブタンク４の上層に集まる燃料ガスを吸引し
て、燃料タンク１中に駆遂する構成を備える。

サブタンク４には、前記した燃料流出口１３ａより上方
の側部に連結したパイプにサブタンク内の圧力を調整す
る逆止作用の圧力調整弁２４を設ける。この圧力調整弁
２４は前記した負の圧力より高い圧力により開弁する。

本実施例のアスピレータ１６は上端を漏斗形にした吸気
口１８をもつＵ形本体１７と、吸気口１８の中心部に上
方から挿入したリターンチユーブ８からなる噴流燃料パ
イプとを実施例とするもので、Ｕ形本体１７は吸気口１
８からほぼ垂直をなしてサブタンク４の底部の近くまで
下がる気泡発生管１９と、該発生管１９の下端から垂直
に立上がるセパレート管２０とからなり、セパレート管
２０の底部から高さの途中まで立上がる干渉板２１と、
セパレート管２０の干渉板２１により隔てられた下端方
から分岐してサブタンク４の内空の上部位置に開口させ
た還流口２２ａを設けた噴流燃料還流管２２を形成す
る。

セパレート管２０には吸気口１８とほぼ合致する上端の
高さ位置に燃料タンク１に開口するガス気泡排出管口２
０ａを設け、該管口２０ａに燃料タンク１側からガスの
逆流を防ぐ逆止弁２３を設ける。

前記した還流口２２ａは補給チユーブ５の燃料流出口１
３ａの高さより更に少し高い位置に開口させる。

その理由は補給チユーブ５の燃料流出口１３ａからサブ
タンク４内に補給される圧力を例えば−170mmAqにし
てあるとき、還流口２２ａが前記の燃料流出口１３ａよ
り低いときは例えば−160mmAqの圧力で噴流燃料がサブ
タンク４内に流入し、それが無くなるとセパレート管２
０の上方の圧力の高い燃料ガスが流入するためサブタン
ク４内は前記の圧力まで下がらないので、補給チユーブ
５からの燃料補給が停滞することがある。この為、還流
管２２ａを高くし、これを防止しサブタンク４に必要な
負圧を保持させて正確に燃料タンク１からの燃料補給を
生じさせるにある。

リターンチユーブ８の噴流燃料量は、エンジンの負荷の
状況で変動するが、負荷がほとんど変化しない普通の巡
行運転で、燃料ポンプ６による供給量の70〜80％程度、
高負荷の場合は20〜30％である。

第４図は本実施例の場合のリターン流量と補給チユーブ
５の揚程の関係を示したグラフであつて、リターン流量
６０L/Hrのときの揚程２３０mmを水柱に換算すると約１
６０mmAqである。

本実施例は既述のように新車に対する対策をなす逆止弁
１４を補給チユーブに備えるの他、サブタンク４の内部
に設置した燃料ポンプ６により燃料をエンジンに供給し
て内空を負圧にすることを計画してはいない。内空を燃
料タンクと常に連通させている通常タイプのサブタンク
とは異なる。サブタンク４は燃料ポンプによつてエンジ
ンに供給した燃料の容積に相当する容積に見合う負圧を
生じ、他方ではアスピレータ１６に噴流するリターンチ
ユーブの噴流燃料が該アスピレータ１６を通つてサブタ
ンク４に入つているから、その噴流燃料を差引いた容積
分の燃料が、供給チユーブ５により燃料ンク１の底部か
ら補給される。補給に要する負圧圧力は１５０mmAqで充
分である。

他方では、サブタンク４の上層に集まる燃料ガスＦＧは
アスピレータ１６の吸込口１８に注がれるリターンチユ
ーブ８のリターン燃料噴流によりＵ形本体１７の気泡発
生管１９中に吸引され、サブタンク内を負圧に傾けると
同時にリターン燃料に付着乃至混合する燃料ガスをも含
めて、噴流燃料の勢いとガスの比重とにより気泡に生長
させ、前記の噴流燃料の勢力に伴われて気泡発生管１９
の下端からセパレート管２０に入り、干渉板２１により
燃料液体から比重差により分離されて気泡排出管口２０
ａに浮上し、比重が重い燃料液体は還流口２２ａからサ
ブタンク４内に流出した上で、補給チユーブ５による補
給燃料と共に燃料ポンプ６によりエンジンに供給され
て、前記のとおりにサブタンク４の内空を負圧に傾ける
作用を生じ、気泡排出管口２０ａに浮上した気泡は逆止
弁２３を押し開けて燃料タンク１の上層に排出される。

第５図は燃料ポンプ６の燃料供給管７にエンジンへの供
給燃料の一部を噴出燃料としてアスピレータ１６に使用
する分岐管３１を設けた態様を示し、この場合はサブタ
ンク４にリターンチユーブ８を挿入する構成とする。

第５図の実施例では燃料ポンプ６を大容量型とする。作
用は第１〜３図例に準ずる。

（作用及び効果） 本発明は、燃料タンク中に内空の負圧を可能にしたサブ
タンク４を設け、そのサブタンク中の燃料を燃料ポンプ
６によりエンジンに供給して、サブタンク４に負圧を生
じさせ、該負圧により補給チユーブ５を以て燃料タンク
１中から燃料を吸引して補給する。また補給チユーブ
に、燃料タンク１に燃料が充填されたときは自動的にサ
ブタンクに燃料を補給する逆止弁１４を設けて、特に新
車対策を万全にするの他、サブタンク４中に上層に集つ
て燃料ポンプ６に混入し兼ねない燃料ガスを、噴流燃料
の勢力により燃料ガス吸引する作用のアスピレータを設
けて、該ガスを燃料タンク中に排出し、この作用をエン
ジンの駆動中継続させる構成を有するもので、比重の差
により分離した噴射燃料をサブタンク内に還す噴流燃料
還流管２２の還流口２２ａを補給チユーブ５の燃料流出
口１３ａのサブタンク４内の高い位置よりさらに高い位
置に開口させているので、補給チユーブ５から燃料流出
口１３ａによりサブタンク４内に流れ込む負の圧力は還
流口２２ａの前記の高さ位置により保持されて、前記の
必要な負の圧力以上になることはなく、燃料ポンプがエ
ンジンに供給するサブタンク４内の燃料減少により生ず
る負の圧力を変調させることもなく、補給チユーブ５に
よる燃料タンク１からの燃料補給が停滞したり、前記し
た負の圧力以下になつて補給チユーブにより補給できな
かつたりなどの不都合をなくすることができるもので、
負圧可能なサブタンクを使用することによる特有の効果
を補給パイプ５の燃料流出口１３ａと噴流燃料還流管２
２の還流口２２ａの夫々の高さを決めることにより信頼
性を生じさせ得る。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は本発明の第１実施例を示し、第１図は縦断
正面図、第２図は要部の拡大縦断正面図、第３図は逆止
弁１４の構成を例示した斜視図、第４図はリターン燃料
を噴流燃料とする場合のリターン流量と補給チユーブの
揚程との関係を示したグラフである。第５図は本発明の
第２実施例を示した縦断正面図である。 １→燃料タンク ３→密閉蓋 ４→サブタンク ５→補給チユーブ ６→燃料ポンプ ７→燃料供給管 ８→リターンチユーブ １３ａ→燃料流出口 １４→逆止弁 １６→アスピレータ １７→Ｕ形本体 １８→吸込口 １９→気泡発生管 ２０→セパレート管 ２１→干渉板 ２２→噴流燃料還流管 ２３→逆止弁 ３１→分岐チユーブ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】燃料タンク中に内空の負圧を可能にしたサ
   ブタンクを設け、そのサブタンクに外端を燃料タンクの
   底部に臨ませると共に、サブタンク側から燃料タンクへ
   の燃料逆流を防ぐ逆止弁を設け、さらにサブタンク内へ
   の燃料流出口を高い位置に設けた補給チユーブを設置
   し、さらにサブタンクの上層の燃料ガスを吸引し燃料タ
   ンクに駆逐するアスピレータを入口に噴流燃料チユーブ
   を挿入して設置し、 該アスピレータの端末に燃料タンクに開口するガス駆逐
   口とサブタンク内で前記補給チユーブの燃料流出口より
   さらに高い位置に還流口を持つ噴流燃料還流管を設け、 燃料ポンプによるエンジンへの燃料供給及びアスピレー
   タによる燃料ガスの駆逐によりサブタンクを負圧にして
   補給チユーブにより燃料タンクからの燃料補給を自動的
   に生じさせることを特徴とする燃料ポンプユニツト。
2. 【請求項２】噴流燃料チユーブが、リターンチユーブで
   あることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の燃料
   ポンプユニツト。
3. 【請求項３】噴流燃料チユーブが、燃料ポンプの吐出側
   に設けて燃料の一部を吐出する分岐チユーブであること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の燃料ポンプユ
   ニツト。