JPH0668706U - チャンネル付き内視鏡カバー方式の内視鏡 - Google Patents
チャンネル付き内視鏡カバー方式の内視鏡Info
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- JPH0668706U JPH0668706U JP1048193U JP1048193U JPH0668706U JP H0668706 U JPH0668706 U JP H0668706U JP 1048193 U JP1048193 U JP 1048193U JP 1048193 U JP1048193 U JP 1048193U JP H0668706 U JPH0668706 U JP H0668706U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 最大湾曲時に於いても、内部の管路が座屈し
ない安価な挿入部カバー部を有するチャンネル付き内視
鏡カバー方式の内視鏡を提供すること。 【構成】 湾曲部20が形成された挿入部を有するカバ
ー用内視鏡と、その挿入部が挿入される内視鏡挿入チャ
ンネルと送気管路等の流体が流れる流体管路とが設けら
れた挿入部カバー部11Aを有するカバーとからなるカ
バー方式の内視鏡であって、前記湾曲部20を最大湾曲
角のU方向に最大湾曲させる操作を行った場合、挿入部
カバー部11Aの流体管路が最大湾曲角の曲げの外側方
向に移動するようにねじれて湾曲されるようにした。
ない安価な挿入部カバー部を有するチャンネル付き内視
鏡カバー方式の内視鏡を提供すること。 【構成】 湾曲部20が形成された挿入部を有するカバ
ー用内視鏡と、その挿入部が挿入される内視鏡挿入チャ
ンネルと送気管路等の流体が流れる流体管路とが設けら
れた挿入部カバー部11Aを有するカバーとからなるカ
バー方式の内視鏡であって、前記湾曲部20を最大湾曲
角のU方向に最大湾曲させる操作を行った場合、挿入部
カバー部11Aの流体管路が最大湾曲角の曲げの外側方
向に移動するようにねじれて湾曲されるようにした。
Description
【0001】
本考案はチャンネル付き内視鏡カバーの内視鏡挿入チャンネルにチャンネル付 き内視鏡カバー用内視鏡を挿入して使用するチャンネル付き内視鏡カバー方式の 内視鏡に関する。
【0002】
内視鏡検査には、検査前に十分な洗浄・消毒をした清潔な内視鏡を使用する必 要がある。従来の繰り返し使用型の内視鏡に対し、事前に洗浄・消毒をした挿入 部と、検査後の挿入部を交換する使い捨て型の内視鏡カバー方式の内視鏡装置が 提案されている。
【0003】 例えば特開平3ー37030号公報に開示されているように、内視鏡カバー方 式の内視鏡は、内視鏡カバー(以下カバーと略す)と内視鏡カバーに挿入する内 視鏡カバー用内視鏡(以下、カバー用内視鏡と略す)の組み合わせからなる。
【0004】 カバーは使い捨てのため、繰り返し使用型の内視鏡程の耐久性は必要なく、1 回の検査に耐える耐久性レベルで、できるだけ安価であるのが良い。 ここで、カバーのうち最もダメージを受けるのは、患者の体内に挿入する挿入 部を覆うカバー部分(以下、挿入部カバー部)である。 挿入部カバー部内には、複数の管路が設けられているが、大別すると以下の2 種に分けられる。
【0005】 一つは、内視鏡挿入チャンネルや、流体管路収納チャンネル等の厚肉な管路で 、これらの管路は、比較的柔かく曲げ易い材質で作られる。これに対し、もう一 つは流体管路収納チャンネル内の送気・送水・吸引管路等の薄肉な管路でこれら の管路は、内部に流体が通る関係上表面が滑らかである必要があり、比較的硬め の材質が用いられる。
【0006】 これらの管路は、内視鏡挿入チャンネル内に挿入されたカバー用内視鏡の湾曲 に伴い湾曲し、曲げを受ける。 管路が曲げを受けた場合に問題となるのは、曲げの内側となる曲率半径が小さ くなることにより、管路が座屈してしまうことにある。
【0007】 曲げの内側の曲率半径が最も小さくなるのは、カバー用内視鏡の湾曲角が最大 になった時であり、曲げに対する耐性の弱い、硬く薄肉の送気・送水・吸引管路 は座屈を起こし易い。また、曲げを繰り返すことにより、座屈を起こし易くなる 。
【0008】 これらの管路が座屈してしまうと、管路内に発生したしわにより、流体の流れ が妨げられ、検査に支障をきたす。 この問題を解決するためには、カバー式内視鏡の最大湾曲時に於いても座屈を 起こさない管路材を使用する必要がある。
【0009】
しかしながら、この方法では、最大湾曲角の発生しない方向についても耐久性 が確保されていることになり、安全ではあるが過剰品質となり、安価にカバーを 提供するのが難しくなる。
【0010】 本考案は前記事情に鑑みてなされたもので、最大湾曲時に於いても、また繰り 返し湾曲しても内部の管路が座屈しない安価な挿入部カバー部を有するチャンネ ル付き内視鏡カバー方式の内視鏡を提供することを目的とする。
【0011】
最大湾曲角方向に最大湾曲した時に、湾曲方向と略直交する方向で、座屈を防 止したい流体管路が湾曲の外側に移動する方向に回転モーメントが働くような構 成にすることにより、最大湾曲角方向に最大湾曲角付近まで湾曲した場合に、座 屈を防止したい流体管路が湾曲の外側に移動するようにねじれて湾曲されるよう にして、ねじれないで湾曲される場合よりも曲げの内側となる部分の曲率半径を 大きくし、流体管路の座屈を防止した。
【0012】
以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。 図1ないし図12は本考案の第1実施例に係り、図1は第1実施例を備えたカ バー方式の内視鏡装置の構成を示す全体図、図2はカバー方式の内視鏡の構造を 示す断面図、図3はカバー用内視鏡の先端部を示す斜視図、図4はカバーの先端 部を示す斜視図、図5はカバーとカバー用内視鏡を分離して示す斜視図、図6は 挿入部カバー部の断面図、、図7はカバー用内視鏡の湾曲機構を示す断面図、図 8はカバー用内視鏡の操作部を示す断面図、図9はカバー方式の内視鏡を上方向 に湾曲した様子を示す説明図、図10は分離できる構造にした場合のカバー挿入 部と内視鏡操作部固定用口体部とを示す斜視図、図11はカバー挿入部と内視鏡 操作部固定用口体部との接続部を示す断面図、図12は図9の場合における視野 の1例を示す説明図である。
【0013】 図1に示すように内視鏡カバー方式の内視鏡装置1はチャンネル付き内視鏡カ バー(以下、カバーと略記する)2A及びこのカバー2Aに装着されるカバー用 内視鏡2Bからなる第1実施例のチャンネル付き内視鏡カバー方式の内視鏡(以 下、カバー方式の内視鏡と略記する)2と、このカバー用内視鏡2Bに照明光を 供給する光源装置3と、カバー用内視鏡2Bに内蔵された撮像手段に対する信号 処理を行うビデオプロセッサ4と、カバー2Aのチューブを介して送気、送水な どを行う流体制御装置5と、カバー2Aにカバー用内視鏡2Bを装着するために 使用されるチャンネル付き内視鏡カバー拡張器(以下、カバー拡張器と略記する )6と、前記ビデオプロセッサ4により信号処理された映像信号を表示するモニ タ7とから構成され、光源装置3、ビデオプロセッサ4、流体制御装置5、カバ ー拡張器6はカート8に収納され、カート8の上面にモニタ7が載置されるよう になっている。
【0014】 図2は図1のカバー方式の内視鏡2部分を拡大して示す。内視鏡検査が行われ る場合、清潔なカバー2Aによって清潔なカバー用内視鏡2Bは覆われ、検査の 後にはカバー2Aは廃棄され、一方、カバー用内視鏡2Bは、新しい清潔なカバ ー2Aによって覆われ、繰り返し使用されることが特徴となる。
【0015】 カバー2Aを構成する挿入部カバー部11Aに、カバー用内視鏡2Bを装着す る場合及び装着されたカバー用内視鏡2Bを取り外す場合には図1に示すカバー 保持具9を用い、例えばカバー2Aの基端側をカバー保持具9に引っかけた状態 にしてカバー用内視鏡2Bの内視鏡挿入部11Bを挿入或いは抜去する。
【0016】 図5に示すようにカバー用内視鏡2Bは、細長で可撓性を有し、半円形断面の 内視鏡挿入部(以下、挿入部と略記する)11Bと、この挿入部11Bの基端側 に形成された内視鏡操作部(以下、操作部と略記する)12Bと、この操作部1 2Bの側部から延出されたユニバーサルコード13Bとからなり、このユニバー サルコード13Bの末端のユニバーサルコードコネクタ10に着脱自在のコネク タアダプタ14を光源装置3に着脱自在で接続することにより、光源装置3内部 のランプからの照明光が供給される。
【0017】 上記ユニバーサルコードコネクタ10には電気接点10aと照明光入射端10 bが露出し、コネクタアダプタ14を装着することにより、電気接点10aはコ ネクタアダプタ14の電気接点部14aに導通し、照明光入射端10bはコネク タアダプタ14の筒部14bに収納されたロッドレンズによりコネクタアダプタ 14の照明光入射端14cと光学的に連結される。
【0018】 図1に示すようにコネクタアダプタ14の電気接点部14aに接続された信号 ケーブル16の末端に設けた信号コネクタ16aはビデオプロセッサ4に着脱自 在で接続することができる。
【0019】 上記挿入部11B、ユニバーサルコード13Bはそれぞれ可撓性を有し、気密 及び水密性の合成樹脂製のチューブで覆われており、また操作部12Bも合成樹 脂製の外装部材で覆われており、それぞれ気密及び水密性を有する。
【0020】 挿入部11Bは先端部19Bと、この先端部19Bの後端に形成された湾曲自 在の湾曲部20と、この湾曲部20の後端に形成された長尺の可撓部40とから 構成され、操作部12Bに同軸的に設けられた上下湾曲操作ノブ(以下UDノブ と略記)38と左右湾曲操作ノブ(以下RDノブと略記)39を回動する操作を 行うことにより、湾曲部20を上下、左右の方向に湾曲できるようになっている 。
【0021】 また、この第1実施例ではカバー用内視鏡2Bは、下部消化管用の内視鏡で、 上下左右(UDRL)の4方向にそれぞれ180°,180°,160°,16 0°湾曲でき、最大湾曲角方向はU及びD方向となり、湾曲の使用頻度が最も大 きいのはU方向である(U方向の湾曲が最も多く使用される)。
【0022】 一方、カバー2Aはカバー用内視鏡2Bの挿入部11B、操作部12Bをそれ ぞれ被覆する挿入部カバー部11A、操作部カバー部12Aと、ユニバーサルコ ード13Bを被覆するユニバーサルコードカバー部13A及び操作部カバー部1 2Aとユニバーサルコードカバー部13Aとを連結するブリッジ15と、このブ リッジ15の開口を閉じるブリッジカバー15Aとから構成される。
【0023】 図2に示すように挿入部カバー部11Aは、挿入部11Bを覆う挿入部カバー 外皮17Aと、この挿入部カバー外皮17Aの基端に水密的に設けられた内視鏡 操作部固定用口体部18と、挿入部カバー外皮17Aの末端に水密的に設けられ たカバー先端部19Aとから構成される。
【0024】 上記光源装置3内の図示しないランプからコネクタアダプタ14の照明光入射 端14cに入射された照明光は図示しない光ファイバ束で形成されたライトガイ ドにより伝送され、挿入部11Bの先端部19Bに固定された端面及びこの端面 に対向する照明窓22B(図3参照)に取り付けた照明光学系を経て出射される 。
【0025】 図3に示すように、半円形断面の先端部19Bには照明窓22Bと観察窓23 Bが隣接して配置されている。この照明窓22Bの照明光学系を経て出射される 照明光は、この先端部19Bを覆うように設けられたカバー照明窓22A(図4 参照)の透明板を経て前方の被写体側に出射される。
【0026】 照明された患部等の被写体はカバー照明窓22Aに隣接して設けられたカバー 観察窓23Aの透明板と、このカバー観察窓23Aに対向してその内側に設けら れた観察窓23Bに取り付けられた対物光学系24(図2参照)を経てこの対物 光学系24の焦点面に光学像を結ぶ。
【0027】 カバー照明窓22A及びカバー観察窓23Aが設けられたカバー先端部19A には、カバー用内視鏡2Bの挿入部11Bを外部環境から隔離するための軟性の 挿入部カバー外皮17Bの先端が気密及び水密的に接続されている。
【0028】 対物光学系24の焦点面にはCCD25が配置され、光学像は光電変換され、 挿入部11B及びユニバーサルコード13B内を挿通された信号ケーブルと、コ ネクタアダプタ14に接続された信号ケーブル16を経てビデオプロセッサ4に 入力され、信号処理された後、標準的な映像信号が生成され、この映像信号はモ ニタ7に入力され、表示画面に被写体像を表示する。
【0029】 挿入部カバー部11A内には図2に示す送気チューブと送水チューブと、吸引 チューブとが設けられ、それぞれ送気管路26aと送水管路27aと吸引管路2 8aとが形成されている。図4に示すように送気管路26aと送水管路27aの 先端はカバー先端部19Aのノズル29と連通し、このノズル29の先端開口は カバー観察窓23Aの外表面に対向している。 また、送気管路26aと送水管路27aと吸引管路28aの基端側は、共に内 視鏡操作部固定用口体部18の上方に延出され、後述するようにブリッジカバー 15A、ユニバーサルコード13Bを挿通された後、ユニバーサルコード13B の先端から延出された送気管路26dと、送水管路27dと、吸引管路28dと なり、流体制御装置5に接続される。従って、カバー観察窓23Aに体液等が付 着した場合には送気管路26d、送水管路27dを介して送気とか送水すること によって付着物を除去できる。
【0030】 上記内視鏡操作部固定用口体部18の側面に鉗子挿入口31と、カバー拡張器 6に接続された拡張チューブ32を接続する拡張チューブ口体33とが設けられ ている。図2に示すようにこの鉗子挿入口31は吸引管路28aと合流しており 、カバー先端部19Aで吸引口の機能も兼ねる鉗子出口30で開口している。
【0031】 図2及び図5に示すように内視鏡操作部固定用口体部18の上面にはカバー用 内視鏡2Bの挿入部11Bを挿入(装着)するための内視鏡挿入チャンネル34 の開口部35が設けられている。 この開口部35は、内視鏡操作部固定用口体部18の側方に開口するように設 けられた拡張チューブ口体33と連通している。
【0032】 この内視鏡挿入チャンネル34は、その基端側に形成され、挿入部11Bが挿 入される開口部35と、拡張チューブ32が接続される拡張チューブ口体33と で外部に開口し、その他は外部に露出しないようになっている。従って、挿入部 11Bが挿入された場合、この挿入部11Bはその基端側以外は内視鏡挿入チャ ンネル34を形成するチャンネル形成部材(挿入部カバー外皮17A等)によっ て覆われ、外部に露出しない状態になる。挿入部11Bの基端側の操作部12B 等も操作部カバー部12Aと図5に示すブリッジカバー15Aの操作部キャップ 41で覆われることになる。
【0033】 図5に示すように操作部カバー部12Aには操作部12BのUDノブ38、R Lノブ39の回転軸に対応する位置にU字状溝42が設けられ、操作部キャップ 41にも回転軸に対応する位置にU字状溝43が設けられている。 また、開口部35周囲には、送気管路26aの開口端部26b、送水管路27 aの開口端部27b、吸引管路28aの開口端部28bが突出している。
【0034】 また、操作部カバー部12Aとブリッジ15の内面には、凹部45が設けられ 、一方、ブリッジカバー15Aの外周には、凸部46が設けられており、前記凹 部45と結合するよう構成されている。 ここで、操作部カバー部12A及びブリッジ15と、ブリッジカバー15Aと はUDノブ38、RLノブ39の回転軸を含む面で開口し、2体に分離される構 造にしたある。
【0035】 また、ブリッジカバー15Aには両端で各開口端が露出する送気管路26c、 送水管路27c、吸引管路28cが設けられており、一方の開口端は操作部カバ ー部12Aの前記送気管路26aの開口端部26b、送水管路27aの開口端部 27b、吸引管路28aの開口端部28bにそれぞれ連結され、他方の開口端は ユニバーサルコードカバー部13Aの送気管路26d、送水管路27d、吸引管 路28dのブリッジ側の各開口端にそれぞれ連結される。
【0036】 ユニバーサルコードカバー部13Aの先端から延出される送気管路26d、送 水管路27d、吸引管路28dは図1に示す流体制御装置5に接続される。 また、ユニバーサルコード13A内には、ユニバーサルコード13Bの外径よ りも大きい径のユニバーサルコード挿入管路51が設けてある。また、ブリッジ 15及びブリッジカバー15Aにもユニバーサルコード13Bを収納できる溝部 52が設けてある。
【0037】 図6は挿入部カバー部11Bの断面図である。図6中の上下左右がDURL方 向に対応している。 挿入部カバー部11B内のL側には半円形断面の内視鏡挿入チャンネル34が 、R側にも同じように半円形断面の流体管路収納チャンネル50が設けられてい る。つまり、流体管路収納チャンネル50は、最も使用頻度の高いU側には配置 されていない。
【0038】 この内視鏡挿入チャンネル34は、拡張チューブ口体33からの空気が流れ込 むよう連結している。 流体管路収納チャンネル50内には、前記送気管路26a、送水管路27a、 吸引管路28aが設けられている。
【0039】 ここで、これらの管路は、内部に流体が流れる関係上、表面が滑らかな材料、 例えば、ポリテトラフルオロエチレン等でできている。表面が滑らかな反面、こ れらの材料は曲げに弱く、強い曲げが加わって、内側の曲率半径が小さくなり過 ぎると座屈を起こす。
【0040】 これに対し、挿入部カバー部11Bの挿入部カバー外皮17Aは、表面が滑ら かである必要がないため、例えばウレタンゴムやシリコンゴムや延伸したポリテ トラフルオロエチレン等の柔かく、曲げに強い材質でできている。また、挿入部 カバー外皮17Aは、内視鏡挿入チャンネル34から外周までは薄く、それ以外 は厚くなっている。
【0041】 つまり、L方向の可撓性は柔かく、流体管路収納チャンネル50のあるR方向 の可撓性は低く、つまり湾曲に対してL方向側よりR方向側の方が硬くした構造 にして、最大湾曲角方向に湾曲操作を行った場合、L方向側は簡単に湾曲される が、R方向側は湾曲されにくく、最大湾曲角状態付近まで湾曲操作を行った状態 ではR方向側は湾曲の外側に逃げるようにねじれて湾曲される機構を形成してい る。
【0042】 尚、本実施例では、流体管路収納チャンネル50をR側に配置したが、使用頻 度が低いD,L方向でも良い。 その際には、内視鏡挿入チャンネル34から外周にかけての挿入部カバー外皮 17Aが薄くそれ以外の場所は厚く構成される。 操作部12Bに設けられたUDノブ38、RLノブ39による湾曲機構を図7 を参照して説明する。
【0043】 図7に示すようにUDノブ38は、操作部12B内のスプロケット70と回転 軸75にて連結している。尚、図7及び図8では簡単のためUD側の湾曲機構の み示している。また、スプロケット70には、チェーン71が巻装され、チェー ン71の端部には、U側ワイヤ62、D側ワイヤ63がそれぞれ連結されている 。
【0044】 ワイヤ62,63は挿入部11B内の湾曲駒60に設けられたU側ワイヤ受け 66、D側ワイヤ受け67に支持された後、挿入部先端の湾曲駒60aに連結し ている。尚、隣接する湾曲駒60a,60又は60、60同士は対向する1対の リベット73、73(図7では紙面垂直方向に対向する1対のリベット73、7 3の一方のみを示す)により回動自在に連結している。 この構成により、ノブ38をU方向に回すと、スプロケット70が時計回りに 回転し、チェーン71、U側ワイヤ62を介して、挿入部11B先端の湾曲駒6 0aを牽引することにより挿入部11Bの先端側の湾曲部20がリベット73、 73を回動中心としてU方向に湾曲する構成となっている。尤も、最大湾曲角付 近まで湾曲させる操作を行った場合には、上述したように挿入部カバー部11A の先端側はねじれて湾曲される。このため、U方向から少しずれた方向に湾曲さ れることになる。
【0045】 図2を参照して説明すると、対向する1対のリベット73、73は隣接する湾 曲駒60、60をUD方向に回転自在に支持(つまりUD方向に枢支)し、1対 のリベット73、73にほぼ直交し、対向する1対のリベット74、74(図2 では紙面垂直方向に対向する1対のリベット74、74の一方のみを示す)は隣 接する湾曲駒60、60をRL方向に回転自在に支持している。
【0046】 そして、対向する1対のリベット74、74を通る軸の周りに関して、流体管 路収納チャンネル50が配置されたR側の方が、反対側となる内視鏡挿入チャン ネル34が設けられたL側よりも湾曲しにくい構造にして、最大湾曲角方向とな るU方向に最大湾曲角付近まで湾曲させる操作を行った場合には、流体管路収納 チャンネル50側が湾曲の外側に、内視鏡挿入チャンネル34側が内側に移動す るようにねじれて湾曲される特性を示すように設定してある。
【0047】 なお、第1実施例の変形例として、図10に示すように内視鏡操作部固定用口 体部18と、挿入部カバー部11Bとを分離できる構造にし、分離した時の挿入 部カバー部11Bの手元側の端部の外径をスライディングチューブ47の内径よ り小さく設定するようにしても良い。
【0048】 このような構造にすることによって、例えばスライディングチューブ47が、 挿入部カバー部11Bの内視鏡操作部固定用口体部18側より挿入できる。また 、この構造の場合には挿入部カバー部11Bの基端部には、挿入部カバーコネク タ48が固定されている。
【0049】 この挿入部カバーコネクタ48の外周には送気管路26a、送水管路27a、 吸引管路28aが開口している。 また、挿入部カバーコネクタ48は、図示しないがD型断面で、操作部カバー 部12Aの内視鏡操作部固定用口体部18のD型穴49に回転せずに挿入できる ようになっている。
【0050】 図11は、挿入部カバーコネクタ48をD型穴49に挿入した時の断面図を示 すものである。 挿入部カバー部11B内に設けた送気管路26aは、挿入部カバーコネクタに 設けられた穴54にその開口端が接着固定されている。
【0051】 この穴54はD型穴49内に装着した場合、内視鏡操作部固定用口体部18に設 けた送気管路26bの開口端と連通する状態となり、この送気管路26bの開口 端の周囲には、該開口端を囲むようにリング状の凹部を設けてOリング55が収 納され、送気管路26aと送気管路26bとはOリング55によって流体のもれ が防止されている。
【0052】 送水管路、吸引管路については同じ構造なので省略する。Oリングは各管路毎 に別体で設けても良いし、一体で成形しても良い。 次にこの第1実施例(及び変形例)におけるカバー2Aの装着から検査までの 手順を説明する。
【0053】 図1でカバー保持具9に図示しないカバー保持具カバーをかぶせた後、カバー 2Aの内視鏡固定用口体部18をセットする。 カバー拡張器6のスイッチを入れる。これにより拡張チューブ32の開端より 送気される。拡張チューブ32をカバー2Aの拡張チューブ口体33に取り付け る。
【0054】 これにより図6の内視鏡挿入チャンネル34内に送気が行われ、内視鏡挿入チ ャンネル34が膨張する。 ここで、カバー用内視鏡2Bの挿入部11Bを内視鏡挿入チャンネル34に挿 入する。内視鏡挿入チャンネル34が膨張しているため、挿入部11Bはスムー ズに挿入できる。
【0055】 図2のように挿入部11Bの先端部19Bを挿入部カバー部11Aの先端にセ ットし、操作部12Bも操作部カバー部12Aにセットする。この時、図5のU Dノブ38、RLノブ39の図示しない回転軸がU字溝42のところに位置する 。拡張チューブ32を外す。
【0056】 次にユニバーサルコード13Bをユニバーサルコードカバー部13Aのユニバ ーサルコード挿入管路51に挿入する。 ユニバーサルコード挿入管路51は、ユニバーサルコード13Bよりも大きい 穴なのでスムーズに挿入できる。
【0057】 この時、ユニバーサルコード13Bのユニバーサルコードコネクタ10がユニ バーサルコードカバー部13Aの先端から突出することになる。 ここで、ユニバーサルコードコネクタ10にコネクタアダプタ14を取り付け る。
【0058】 すると、照明光入射端14cと、カバー用内視鏡2Bの照明光入射端10bと が光学的に連結し、照明光入射端14cとカバー用内視鏡2Bの挿入部11Bの 先端部19Bに設けられた照明光学系22Bとが光学的に連結する。 また、カバー用内視鏡2Bの電気接点10aも、電気接点部14aと電気的に 連結する。
【0059】 ここで、筒部14bを図1の光源装置3に接続することにより、照明用光学系 22Bまで照明光が導かれる。 また、ビデオプロセッサ用コネクタ16aを図1のケーブル16を介し、ビデ オプロセッサ4と連結することにより、図2の対物光学系24からの光学像が、 CCD25により電気信号に変換された後に図1のビデオプロセッサ4に導かれ 、ここで映像に変換され、モニタ7に映し出される。 ここで、ブリッジカバー15Aを操作部カバー部12Aおよびブリッジ15側 に押しつける。
【0060】 するとブリッジカバー15Aの外周の凸部46と操作部カバー部12Aおよび ブリッジ15の内面の凹部45がかみ合い、両者は連結する。連結時の状態を図 8に示す。
【0061】 回転軸74はU字状溝42、U字状溝43のため、カバー2Aに干渉すること はない。図5に示すように、ユニバーサルコードカバー部13Aより突出した送 気管路26d、送水管路27d、吸引管路28dを図1の流体制御装置5に接続 する。 ここで、内視鏡検査できる状態となり、挿入部カバー部11Bを患者の体内に 挿入する。
【0062】 途中でスライディングチューブ47を使用する際には、カバー拡張器6で内視 鏡挿入チャンネル34を膨張させ、カバー2Aよりカバー用内視鏡2Bを抜去し た後に、挿入部カバー部11Bを操作部カバー部12Aより分離する。ここで挿 入部カバー部11Bの端部よりスライディングチューブ47を挿入する(図10 参照)。
【0063】 挿入後、挿入部カバー部11Bと操作部カバー部12Aを連結させた後に、カ バー用内視鏡2Bをカバー2Aにセットすることにより挿入部カバー部11Aを 患者の体内から抜去することなしにスライディングチューブ47を装着できるこ とになる。
【0064】 図7に示すように、ここで挿入部カバー部11BをU(上)方向に湾曲させる 場合にはUDノブ38をUに対応した方向に回転する。 すると操作部12B内のスプロケット70も回転し、これに巻装されたチェー ン71、U側ワイヤ62を介し、挿入部カバー部11A内のカバー用内視鏡2B の挿入部11B先端側の湾曲駒60aを牽引する。 すると挿入部11Bの先端側がほぼU方向に湾曲する。
【0065】 ここで、挿入部11Bの周囲には図6の断面図のように挿入部カバー部11A があり、挿入部11Bは内視鏡挿入チャンネル34内に入っている。 そして、カバー用内視鏡2BがU方向に湾曲すると、挿入部カバー部11Bも U方向へ湾曲するが、この時、挿入部カバー部11Aは湾曲を阻害する抵抗体と なる。湾曲角が大きくなるにつれ、抵抗体としての挿入部カバー部11Aの影響 が大きくなってくる。
【0066】 ところで、挿入部カバー部11Aの剛性はカバー用内視鏡2Bの左右用のリベ ット軸(図2のリベット74、74を通る軸、又は後述の図16のリベット穴6 1、61の中心を通る軸)に対して、管路側(R側)の方が大きくなるので、L 側に比べて、より大きい抵抗体として働く。よって、湾曲をかけると、管路側( R側)はL側より曲がりにくいので、管路側(R側)が、より曲率半径の大きい 湾曲の外側(湾曲方向と反対のD側)にねじれて逃げようとすることになり図9 (b)のように湾曲する。
【0067】 つまり、管路側は曲げの外側に移動する。挿入部全体の湾曲角度が一定の場合 、管路が移動しない場合(図9(a))に比べて、外側に移動した方が管路の曲 げの曲率半径は大きくなるから、より座屈しにくくなる。
【0068】 また、湾曲時にねじれが発生しない場合は、180°付近まで湾曲をかけると 視野の中央に挿入部カバー部11Aが見えて図12(a)に示すように視野が妨 げられるが、この実施例のようにねじれることにより、図12(b)に示すよう に挿入部カバー部11Aは視野の周辺にずれてその背後のポリープP等の観察が しやすい。
【0069】 この第1実施例によれば、カバー用内視鏡2Bを最大湾曲方向に最大湾曲させ る操作を行った場合に、挿入部カバー部11Aが、送気管路26a等の流体管路 の最大湾曲方向から曲率半径が大きくなる方向に逃げるようにねじれるため、流 体管路が座屈し難い。
【0070】 また、湾曲部20を大きく湾曲させても、先端側がねじれるように湾曲される ので、、観察視野を遮る挿入部カバー部11Aが、視野の中心から左右いずれか に移動し、観察視野が常に確保される。
【0071】 次に本考案の第2実施例を説明する。第1実施例のカバー用内視鏡2Bが下部 消化管用であったのを、本実施例では、上部消化管用とし、また、挿入部カバー 部11Aを硬度の違う2つの弾性体の溶着により構成したものである。
【0072】 図13は、第2実施例における挿入部カバー部11Aの断面図である。 図13中の上下右左がUDRLに対応している。図6とは逆の方向から見た図 のため、図6とはUD方向が反対になっていいる(後述の図14等でも同様であ る)。
【0073】 尚、第2実施例におけるカバー用内視鏡は、図示しないが第1実施例のものと 同じ形状、構成であり、湾曲角がUDRLそれぞれ210°,90°,100° ,100°となっており、U方向で最大湾曲がかかるものである。また、U方向 の湾曲の使用頻度が最も高い。
【0074】 その他は第1実施例と同様なので、同じものは同符号を付し説明を省略する。 図13中17aは軟性の弾性体よりなる外皮で内部に内視鏡挿入チャンネル3 4を有する。 17bは、硬質の弾性体よりなる外皮で、内部に流体管路収納チャンネル50 を有している。
【0075】 流体管路収納チャンネル50内には、第1実施例同様、送気管路26a、送水 管路27a、吸引管路28aが設けられている。 ここで、外皮17aと外皮17bは溶着により連結し、挿入部カバー部11A を構成している。その他は第1実施例と同じなので、構成の説明を省略する。
【0076】 次に作用を説明する。
【0077】 内視鏡挿入チャンネル34内にカバー式内視鏡を入れU方向に湾曲させると、 挿入部カバー部11AもU方向に湾曲するが、湾曲角が大きくなるにつれU側の 挿入部カバー部11Aの圧縮が難しくなり、軟かい外皮17a側が内側に、硬い 外皮17bが外側になるようにねじれる。
【0078】 このように湾曲すると流体管路収納チャンネル50およびその中の送気・送水 ・吸引管路の内側の曲率半径は管路が外側に逃げるため、単純にU方向に湾曲し た時よりも大きくなる。この実施例の効果は第1実施例と同様である。 次に第3実施例を説明する。第1実施例では送気・送水・吸引管路をそれぞれ チューブで形成していたが、本実施例では、代わりに挿入部カバー部11Bをマ ルチルーメンチューブにしたものである。
【0079】 図14は第3実施例の挿入部カバー部11Aの断面図である。 図中の上下右左がUDRLに対応している。 挿入部カバー部11A内のL側には、半円形断面の内視鏡挿入チャンネル34 が、R側には送気チャンネル26e、送水チャンネル27e、吸引チャンネル2 8eが設けられている。
【0080】 これらの管路は図示しないがそれぞれ第1実施例同様、送気管路B26b、送 水管路B27b、吸引管路B28bと連結している。 その他は第1実施例と同様の構造であるので、同じものは同符号を付し、その 説明を省略する。
【0081】 この実施例の作用及び効果は第1実施例と同じである。 次に第4実施例を説明する。本実施例は、第1実施例のカバー用内視鏡自体が L方向(つまり、流体管路のR側の逆方向)に倒れるように構成したものである 。
【0082】 図15は、カバー用内視鏡挿入部内のD型の湾曲駒の一つを示すもので、図1 5中、上下右左がUDRLに対応している。つまり、図中手前側が操作部側、奥 側が挿入部失端側に対応している。このカバー用内視鏡は、第1実施例同様U方 向の使用頻度が最も高くなっている。また、カバー装着時のR側のそばには、流 体管路が設けられている。この湾曲駒には、リベット用の穴61が設けてあり、 複数の湾曲駒はこの穴61に図示しないリベットを挿入することにより、回動自 在に連結している。
【0083】 尚、図15では、湾曲駒の手前のみしか見えないためUDのリベット穴61し か見えないが、湾曲駒の反対側、つまり図中奥側には、RL用のリベット穴61 も設けてあり、湾曲駒はUDRL方向に回動自在となっている。
【0084】 湾曲駒60内には、図16に示すように、U側湾曲用ワイヤ62、D側湾曲用 ワイヤ63、R側湾曲用ワイヤ64、L側湾曲用ワイヤ65と、これらのワイヤ の支持位置決めを行うU側ワイヤ受け66、D側ワイヤ受け67、R側ワイヤ受 け68、L側ワイヤ受け69が設けられている。
【0085】 上記U,D,R,L側ワイヤ受けはUDリベット穴61をつないだ軸よりそれ ぞれr1 ,r2 ,r3 ,r4 だけの距離離れている。 ここで、U,D,R,L側湾曲用ワイヤは、自然状態でそれぞれF1 ,F2 , F3 ,F4 の図中手前方向に向けての張力がかかるようワイヤーの長さを調整し 、固定してある。
【0086】 これにより、周囲のU,D,R,L側ワイヤ受けも図16中手前方向にそれぞ れF1 ,F2 ,F3 ,F4 の力を受けていることになる。 ここで、張力の関係は F1 =F2 =F3 =F4 =F とし、また距離の関係 は r3 <r1 +r2 +r4 とする。
【0087】 ここでUDのリベット穴61を回転中心としたR方向まわりの(R側が図中手 前に向けて回る)モーメントTR は TR =F3 r3 =Fr3 となる。 また、L方向まわりの(L側が図中手前に向けて回る)モーメントTL は、 TL =F1 r1 +F2 r2 +F4 r4 =Fr1 +Fr2 +Fr4 =F(r1 +r 2 +r4 ) となる。
【0088】 TR とTL を比較すると r3 <r1 +r2 +r4 より Tr >TR とな る。 つまり、湾曲駒には、UDのリベット穴61を回転中心としてL方向まわりの モーメントが強く働いているため、L方向に回動し易く構成されている。
【0089】 尚、本実施例では、ワイヤの張力をUDRL方向同じFとし、ワイヤ受けの位 置をr1 〜r4 に変化させたが、これに限らず、流体管路から離れるように作用 するL方向まわりのモーメントTL がR方向まわりのモーメントTR を上回るよ うにできればFやrの値をどのように変えても良い。その他の構成は第1実施例 と同じなので割愛する。
【0090】 次に作用を説明する。 湾曲駒60には、自然状態でU,D,R,L方向にF1 ,F2 ,F3 ,F4 の 張力を受けるU,D,R,L用湾曲ワイヤーと、これらの支持を行うU,D,R ,L側ワイヤー受けのUDのリベット穴61からの距離r1 ,r2 ,r3 ,r4 により、UDのリベット穴61をつなぐ軸を回転中心とするR方向まわりの(R 側が図中手前に向けて回る)モーメントTR と、L方向まわりの(L側が図中手 前に向けて回る)モーメントが発生する。
【0091】 ここで、各方向の張力F1 〜F4 は全て同じ大きさFとし、距離r1 〜r4 の 関係は r3 <r1 +r2 +r4 となっているため TR =Fr3TL =F(R 1 +r2 +r4 )よりTL >TR となり、湾曲駒60はL方向に動き易い環境に ある。静止状態では摩擦等で動かないが、強制的に湾曲をかける動状態ではL方 向にも少し動く。
【0092】 ここで、U方向に湾曲をかけると徐々にL方向に倒れながらU方向に湾曲する 。他は、第1実施例と同じなので割愛する。 最も使用頻度が高い方向同様、流体管路がダメージを受け易い、最大湾曲角の 発生する方向についても同様に構成できる。
【0093】 次に第5実施例を説明する。本実施例は第1実施例のカバー用内視鏡が、U方 向で最大湾曲状態となるものとし、同時にカバー内の内視鏡挿入チャンネル、流 体管路収納チャンネル、および流体管路収納チャンネル内の流体管路の配置を変 えたものである。
【0094】 その他同じものは同符号を付し説明を省略する。 図17は、第5実施例を示すもので、挿入部カバー部11Aの外皮17Aの断 面図である。
【0095】 図中の上下右左がUDRLに対応している。 挿入部カバー部11Aの外皮17A内のD(下)側には、内視鏡挿入チャンネ ル34が設けられU(上)側には、流体管路収納チャンネル50が設けられてい る。
【0096】 また、流体管路収納チャンネル50内には、L(左)側より順に、送気管路2 6a、送水管路27a、吸引管路28aが設けられている。 これらの管路は、第1実施例同様表面が滑らかだが曲げには弱いポリテトラフ ルオロエチレンでできている。
【0097】 ここで、送気管路26aと、送水管路27aは共に内径1mm、厚み0.2mmの 管路で、吸引管路28aは、内径3mm、厚み0.2mmの管路となっている。 つまり、吸引管路28aは、送気管路26aや送水管路27aと比べると、肉 厚が同じで、径のみ大きいので、硬く曲がり難くなっている。
【0098】 反面、曲げの内側の曲率半径が小さくなった時は、送気管路26aや送水管路 27aに比べ、座屈を起こし易くなっている。ここで、吸引管路28aは、処理 を行う関係上特に重要な管路となっている。 尚、外皮19は、上記送気・送水・吸引管路よりも柔らかく、曲げに強い材質 、例えばウレタンゴムやシリコンゴム、延伸したポリテトラフルオロエチレンで できているため、座屈の心配はない。
【0099】 次に作用を説明する。 内視鏡挿入チャンネル34内にカバー式内視鏡を入れU方向に湾曲させると、 挿入部カバー部11Aの外皮もU方向に湾曲する。
【0100】 この時、図17に於いて、流体管路収納チャンネル50が曲げを受けるが、同 時に内部の送気管路26a、送水管路27a、吸引管路28aも曲げを受ける。 ここで、吸引管路28aは硬いため、曲がり難く送気管路26a、送水管路2 7aは吸引管路28aに比べると柔らかく、曲がり易い。
【0101】 つまりU方向に湾曲をかけると、吸引管路28aを圧縮するのが難しくなった 時点で送気・送水管路側のL側に傾きだす。つまりUL方向に湾曲する。 この結果、吸引管路28aの内側の曲げRは大きくなり、あまりダメージを受 けないことになる。
【0102】 本実施例では、吸引管路28aが最も大径で座屈し易いよう構成したが、これ に限らず他の管路が大径の場合も同様に構成できる。 この実施例の効果は次のようになる。 流体管路収納チャンネル50内に於ける座屈を起こし易い管路へのダメージを 軽減でき、座屈を防止できる。
【0103】
カバー用内視鏡が最大湾曲状態となった時に、挿入部カバー部が、送気管路等 の流体管路の最大湾曲方向から曲率半径が大きくなる方向に逃げるようにねじれ るため、流体管路が座屈し難い。
【0104】 また、湾曲部を大きく湾曲させても、先端側がねじれるように湾曲されるので 、、観察視野を遮る挿入部カバー部が、視野の中心から左右いずれかに移動し、 観察視野が常に確保される。
【提出日】平成5年8月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【0037】 図6は挿入部カバー部11Aの断面図である。図6中の上下左右がDURL方 向に対応している。 挿入部カバー部11A内のL側には半円形断面の内視鏡挿入チャンネル34が 、R側にも同じように半円形断面の流体管路収納チャンネル50が設けられてい る。つまり、流体管路収納チャンネル50は、最も使用頻度の高いU側には配置 されていない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【0040】 これに対し、挿入部カバー部11Aの挿入部カバー外皮17Aは、表面が滑ら かである必要がないため、例えばウレタンゴムやシリコンゴムや延伸したポリテ トラフルオロエチレン等の柔かく、曲げに強い材質でできている。また、挿入部 カバー外皮17Aは、内視鏡挿入チャンネル34から外周までは薄く、それ以外 は厚くなっている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【0047】 なお、第1実施例の変形例として、図10に示すように内視鏡操作部固定用口 体部18と、挿入部カバー部11Aとを分離できる構造にし、分離した時の挿入 部カバー部11Aの手元側の端部の外径をスライディングチューブ47の内径よ り小さく設定するようにしても良い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【0048】 このような構造にすることによって、例えばスライディングチューブ47が、 挿入部カバー部11Aの内視鏡操作部固定用口体部18側より挿入できる。また 、この構造の場合には挿入部カバー部11Aの基端部には、挿入部カバーコネク タ48が固定されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【0050】 図11は、挿入部カバーコネクタ48をD型穴49に挿入した時の断面図を示 すものである。 挿入部カバー部11A内に設けた送気管路26aは、挿入部カバーコネクタに 設けられた穴54にその開口端が接着固定されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【0061】 回転軸74はU字状溝42、U字状溝43のため、カバー2Aに干渉すること はない。図5に示すように、ユニバーサルコードカバー部13Aより突出した送 気管路26d、送水管路27d、吸引管路28dを図1の流体制御装置5に接続 する。 ここで、内視鏡検査できる状態となり、挿入部カバー部11Aを患者の体内に 挿入する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【0062】 途中でスライディングチューブ47を使用する際には、カバー拡張器6で内視 鏡挿入チャンネル34を膨張させ、カバー2Aよりカバー用内視鏡2Bを抜去し た後に、挿入部カバー部11Aを操作部カバー部12Aより分離する。ここで挿 入部カバー部11Aの端部よりスライディングチューブ47を挿入する(図10 参照)。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】 挿入後、挿入部カバー部11Aと操作部カバー部12Aを連結させた後に、カ バー用内視鏡2Bをカバー2Aにセットすることにより挿入部カバー部11Aを 患者の体内から抜去することなしにスライディングチューブ47を装着できるこ とになる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【0065】 ここで、挿入部11Aの周囲には図6の断面図のように挿入部カバー部11A があり、挿入部11Bは内視鏡挿入チャンネル34内に入っている。 そして、カバー用内視鏡2BがU方向に湾曲すると、挿入部カバー部11Aも U方向へ湾曲するが、この時、挿入部カバー部11Aは湾曲を阻害する抵抗体と なる。湾曲角が大きくなるにつれ、抵抗体としての挿入部カバー部11Aの影響 が大きくなってくる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【0078】 このように湾曲すると流体管路収納チャンネル50およびその中の送気・送水 ・吸引管路の内側の曲率半径は管路が外側に逃げるため、単純にU方向に湾曲し た時よりも大きくなる。この実施例の効果は第1実施例と同様である。 次に第3実施例を説明する。第1実施例では送気・送水・吸引管路をそれぞれ チューブで形成していたが、本実施例では、代わりに挿入部カバー部11Aをマ ルチルーメンチューブにしたものである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【0104】 また、湾曲部を大きく湾曲させても、先端側がねじれるように湾曲されるので、 観察視野を遮る挿入部カバー部が、視野の中心から左右いずれかに移動し、観 察視野が常に確保される。
【図1】本考案の第1実施例を備えたカバー方式の内視
鏡装置の構成を示す全体図。
鏡装置の構成を示す全体図。
【図2】第1実施例のカバー方式の内視鏡の構成を示す
断面図。
断面図。
【図3】カバー用内視鏡の先端部を示す斜視図。
【図4】カバーの先端部を示す斜視図。
【図5】カバー用内視鏡を示す斜視図。
【図6】挿入部カバー部を示す断面図。
【図7】湾曲機構を示す断面図。
【図8】操作部を示す断面図。
【図9】カバー方式の内視鏡を上方向に湾曲した様子を
示す説明図。
示す説明図。
【図10】分離できる構造にした場合のカバー挿入部と
内視鏡操作部固定用口体部とを示す斜視図。
内視鏡操作部固定用口体部とを示す斜視図。
【図11】カバー挿入部と内視鏡操作部固定用口体部と
の接続部を示す断面図。
の接続部を示す断面図。
【図12】図9の場合における視野を示す説明図。
【図13】本考案の第2実施例における挿入部カバー部
を示す断面図。
を示す断面図。
【図14】本考案の第3実施例における挿入部カバー部
を示す断面図。
を示す断面図。
【図15】本考案の第4実施例における湾曲駒を示す斜
視図。
視図。
【図16】湾曲駒を示す断面図。
【図17】本考案の第5実施例における挿入部カバー部
を示す断面図。
を示す断面図。
1…カバー方式の内視鏡装置 2…カバー方式の内視鏡 2A…カバー 2B…カバー用内視鏡 3…光源装置 4…ビデオプロセッッサ 5…流体制御装置 6…カバー拡張器 7…モニタ 8…カート 9…カバー保持具 10…ユニバーサルコードコネクタ 11A…挿入部カバー部 11B…挿入部 12A…操作部カバー部 12B…操作部 13A…ユニバーサルコードカバー部 13B…ユニバーサルコード 14…コネクタアダプタ 15…ブリッジ 15A…ブリッジカバー 17A…挿入部カバー外皮 18…内視鏡操作部固定用口体部 19A…カバー先端部 19B…先端部 20…湾曲部 22A…カバー照明窓 22B…照明窓 23A…カバー観察窓 23B…観察窓 24…対物光学系 25…CCD 26a…送気管路 27a…送水管路 28a…吸引管路 31…鉗子挿入口 32…拡張チューブ 33…拡張チューブ口体 34…内視鏡挿入チャンネル 35…開口部 38…UDノブ 39…RLノブ 50…流体管路収納チャンネル 60…湾曲駒 62、63…ワイヤ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月18日
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 伊藤 秀雄 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)考案者 山崎 稔 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)考案者 田代 芳夫 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)考案者 瑞田 修 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)考案者 中村 元一 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 内視鏡挿入チャンネルを有するチャンネ
ル付き内視鏡カバーと、前記内視鏡挿入チャンネルに挿
入され、湾曲制御可能な挿入部、操作部、ユニバーサル
コードからなるチャンネル付き内視鏡カバー用内視鏡と
からなるチャンネル付き内視鏡カバー方式の内視鏡に於
いて、 前記チャンネル付き内視鏡カバーでチャンネル付き内視
鏡カバー用内視鏡の挿入部をカバーする挿入部カバー部
が、最大湾曲角方向に最大湾曲した時に、挿入部カバー
部内の流体管路が外側に移動するようにねじれることを
特徴とするチャンネル付き内視鏡カバー方式の内視鏡。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993010481U JP2600219Y2 (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | 内視鏡カバー方式の内視鏡装置 |
US08/037,100 US5460166A (en) | 1993-03-11 | 1993-03-25 | Endoscope of an endoscope cover system wherein, at the time of the maximum curvature, a fluid tube path will be curved as twisted so as to move to the side on which the radius of curvature will become larger |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993010481U JP2600219Y2 (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | 内視鏡カバー方式の内視鏡装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0668706U true JPH0668706U (ja) | 1994-09-27 |
JP2600219Y2 JP2600219Y2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
ID=11751361
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993010481U Expired - Lifetime JP2600219Y2 (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | 内視鏡カバー方式の内視鏡装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2600219Y2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-11 JP JP1993010481U patent/JP2600219Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2600219Y2 (ja) | 1999-10-04 |
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JPH07171087A (ja) | カバー式内視鏡 |
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