JPH0668702A - 車両用灯具装置 - Google Patents

車両用灯具装置

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JPH0668702A
JPH0668702A JP4344404A JP34440492A JPH0668702A JP H0668702 A JPH0668702 A JP H0668702A JP 4344404 A JP4344404 A JP 4344404A JP 34440492 A JP34440492 A JP 34440492A JP H0668702 A JPH0668702 A JP H0668702A
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秀幸 加藤
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祐司 千種
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    • F21LIGHTING
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単かつコンパクトな構成にて本来の機能を発
揮しつつ光の利用率を高く維持し得るような車両用灯具
装置を提供する。 【構成】灯具20の灯具本体20aは光透過性材料によ
り略円錐体形状に形成されている。各導光部材20b、
20cは灯具本体20aの上下溝23、25内に設けら
れており、各導光部材20b、20cの左右側面と各溝
23、25の左右側面との間には空隙が設けられてい
る。灯具本体20aの出射面21は、灯具本体20aの
小径側入射面22近傍に位置する焦点をもつレンズ面を
形成する。導光部材20bの出射面24a及び導光部材
20cの各出射面26a、26bは、前記焦点近傍に位
置する焦点をもつレンズ面を形成する。灯具本体20a
と光ファイバ30は一体成形されている。各導光部材2
0b、20cの入射面は光ファイバ30の出射端面に透
明接着剤により固着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に採用するに適し
た前照灯等の各種灯具を備えてなる灯具装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両用灯具装置において
は、例えば、特開平2ー172102号公報に示されて
いるように、光源からの光を光ファイバ束内にその一端
から入射し、この入射光を光ファイバ束により案内し、
この光ファイバ束の他端から出射する光を光学的光電送
装置を通して前方へ出射するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような構
成においては、同公報に示されているように、光ファイ
バ束の他端を上下方向に偏平な長方形形状に形成して、
上述の出射光を、上下方向には偏平で左右方向には広が
りをもつような光として構成したとしても、光学的光電
送装置の構成が複雑なため、灯具装置としての外形形状
がコンパクトにならないという不具合がある。また、光
ファイバ束の他端を円形のままにして、互いに円柱軸を
直交させて配列した二枚の非球面円柱レンズを通して光
ファイバ束からの出射光を透過させ、上下方向には偏平
で左右方向には広がりをもつような出射光にしたとして
も、当該車両の前方の遠くまで照射するという前照灯と
して本来の機能が確保できないという不具合がある。ま
た、以上のような構成では、光の進行方向に沿う光学系
中に空気が介在する部分が存在するため、光ファイバ束
からの出射光の利用率が悪いという不具合もある。
【0004】そこで、本発明は、このようなことに対処
すべく、簡単かつコンパクトな構成にて本来の機能を発
揮しつつ光の利用率を高く維持し得るような車両用灯具
装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するにあ
たり、本発明は、光源からの光を出射する灯具を備えた
車両用灯具装置において、以下のように構成したことに
その特徴がある。
【0006】即ち、本発明の構成上の特徴は、前記光源
から光を入射されて出射する光ファイバと、この光ファ
イバからその出射光を直接入射されるように同光ファイ
バに直結した光導波路とにより、前記灯具を構成し、か
つ、前記光導波路が前記直接入射光を出射したとき、こ
の出射光により所望の配光を形成するように、前記光導
波路を構成したことにある。
【0007】
【発明の作用・効果】このように本発明を構成したこと
により、前記光源からの光を前記光ファイバが出射する
と、この出射光が前記光導波路内に入射する。すると、
前記光導波路が、所望の配光を形成するように構成され
ているため、前記光導波路からの出射光は前記所望の配
光を形成する。かかる場合、前記光導波路を前記光ファ
イバに直結してあるので、前記光ファイバからの出射光
を前記光導波路内に損失を伴うことなく効率よく入射さ
せ得る。また、前記灯具が上述のように構成した前記光
導波路と前記光ファイバとの直結により構成されるのみ
であるため、この種灯具装置を簡単な構成にて低コスト
にて提供し得る。
【0008】また、本発明において、前記灯具を、前記
光源からの光を前方に向けて出射する前照灯により構成
し、前記光導波路を、前記光ファイバからその出射光を
直接入射されるように同光ファイバに直結した複数の光
導波路により構成し、かつ、前記複数の光導波路が前記
直接入射光を出射したときこの出射光によりホットゾー
ン配光及び偏平配光を形成するように、前記複数の光導
波路を組合わせて構成するようにしてもよい。この場合
には、前記光源からの光を前記光ファイバが出射する
と、この出射光が前記各光導波路内に入射する。する
と、前記複数の光導波路が、ホットゾーン配光及び偏平
配光を形成するように組み合わせて構成されているた
め、前記各光導波路からの各出射光が当該車両の前方に
ホットゾーン配光及び偏平配光を形成する。かかる場
合、前記各光導波路を前記光ファイバに直結してあるの
で、前記光ファイバからの出射光を前記各光導波路内に
損失を伴うことなく効率よく入射させ得る。また、前記
前照灯が上述のように構成した前記各光導波路と前記光
ファイバとの直結により構成されるのみであるため、こ
の種前照灯装置を簡単な構成にて低コストにて提供し得
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図面により説明
すると、図1は本発明に係る車両用灯具装置を示してお
り、この灯具装置は、当該車両の前部内左右中央に配設
した光源10と、この光源10に対し左右に対称的に配
設した両前照灯L、Rとによって構成されている。光源
10は、略円筒状ケーシング11を有しており、このケ
ーシング11内には、その軸方向中央にて、線光源たる
放電管12が配設されている。また、ケーシング11の
内周壁には、各左側楕円鏡11La〜11Ldと各右側
楕円鏡11Ra〜11Raとが、放電管11を中心とし
て、左右に対称的に形成されている。しかして、放電管
12の放電による光が、右側楕円鏡11Ra及び各左側
楕円鏡11Lb〜11Ldにより反射されてケーシング
11の右側壁11b中央に集光されるとともに、左側楕
円鏡11La及び各右側楕円鏡11Rb〜11Rdによ
り反射されてケーシング11の左側壁11a中央に集光
される。なお、図1において各符号FL、FRは当該車両
の左右前輪を表す。
【0010】左側前照灯Lは、当該車両の左側前端部に
設けた灯具20と、この灯具20と光源10との間に接
続した一本の光ファイバ30とにより構成されており、
一方、右側前照灯Rは、当該車両の右側前端部に設けた
灯具40と、この灯具40と光源10との間に接続した
一本の光ファイバ50とにより構成されている。灯具2
0は、図1及び図2にて示すごとく、灯具本体20a
と、一対の導光部材20b、20cとを備えており、灯
具本体20aは、耐熱性高く光透過性のよい材料(例え
ば、ポリカーボネート、アクリル樹脂材料)により略円
錐体形状に形成されている。この灯具本体20aの出射
面21は、所定の曲率半径をもつレンズ面を構成してお
り、出射面21の極Oは三次元直交座標軸XYZの原点
に一致するとともに、同出射面21の光軸はX軸に一致
している。
【0011】また、出射面21の物点側焦点Fは、灯具
本体20aの小径入射面22近傍に位置している。出射
面21は、第1〜第3の出射面部21a〜21cを有し
ており、第1出射面部21aは、出射面21の極Oを含
む領域に相当し、当該車両の前側遠方まで照射する役割
を果たす。また、第2及び第3の出射面部21b、21
cは、図2にて示すごとく、出射面21の下部に形成し
た段部底面にて、Z軸を中心に左右に対称的に形成され
ており、これら第2及び第3の出射面部21b、21c
は当該車両の対向車に向けて照射する役割を果たす。但
し、第2及び第3の出射面部21b、21cは、Z軸方
向には焦点F近傍に焦点を有するレンズ面を形成し、Y
軸方向にはほぼ直線的に変化する面を形成している。一
方、灯具本体20aの入射面22はYZ座標面内に略円
形状に位置しており、この入射面22の上下部はほぼ円
弧状に切り取られている。
【0012】一対の導光部材20b、20cは、共に、
耐熱性高く光透過性のよい材料(例えば、フッソ系樹
脂)により、図2にて示すごとく同一の扇形板状に形成
されており、導光部材20bは、灯具本体20aの上縁
部に沿いその軸方向に形成した縦断面略扇形状で横断面
長四角形状の上側溝23内に取り付けらている。かかる
場合、導光部材20bの出射面24aは、Z軸方向には
焦点F近傍に焦点を有するレンズ面を形成し、Y軸方向
にはほぼ直線的に変化する面を形成している。これによ
り、導光部材20bの出射面24aは当該車両の左折時
或いは右折時にその左側前方或いは右側前方を照射する
役割を果たす。
【0013】また、導光部材20bは、その底面にて上
側溝23の底面に固着されており、この導光部材20b
の左側面と上側溝23の左側面との間には所定の空隙が
一様に形成され、一方、この導光部材20bの右側面と
上側溝23の右側面との間にも、所定の空隙が一様に形
成されている(図3(A)参照)。また、導光部材20
bの入射面24bは長方形状にて灯具本体20aの入射
面22と同一の平面内にあり、この導光部材20bの後
縁部は、図2に示すごとく、灯具本体20aの出射面2
1の上部から入射面22の上部にかけて傾斜して変化す
る上側溝23から上方へ突出している。
【0014】導光部材20cは、灯具本体20aの下縁
部に沿いその軸方向に形成した縦断面三角形状で横断面
長四角形状の下側溝25内に取り付けらている。かかる
場合、導光部材20cは、図2にて示すごとく、一対の
段付き出射面部26a、26bを有しており、これら各
出射面部26a、26bは、Z軸方向には焦点F近傍に
焦点を有するレンズ面をそれぞれ形成し、Y軸方向には
ほぼ直線的に変化する面をそれぞれ形成している。これ
により、導光部材20cの各出射面26a、26bは当
該車両の近傍前方の下方を照射する役割を果たす。
【0015】また、導光部材20cは、その底面にて下
側溝25の底面に固着されており、この導光部材20c
の左側面と下側溝25の左側面との間には所定の空隙が
一様に形成され、一方、この導光部材20cの右側面と
下側溝25の右側面との間にも、所定の空隙が一様に形
成されている。また、導光部材20cの入射面26cは
長方形状にて灯具本体20aの入射面22と同一の平面
内にあり、この導光部材20bの下縁部は、図2に示す
ごとく、灯具本体20aの出射面21の下部から入射面
22の下部にかけて傾斜して変化する下側溝25から下
方へ突出している。
【0016】光ファイバ30は、灯具本体20aと同一
の構成材料により形成したロッド状コアと、このコアを
被覆してなるクラッドとによって構成されており、当該
クラッドの構成材料の光屈折率は、前記コア内にて光を
全反射させるように同コアの光屈折率よりも小さくなっ
ている。また、光ファイバ30のコアは、8(mm)〜
10(mm)程度の直径を有しており、このコアの出射
端面のうちその直径の4/1に対応する外周縁部に対応
する灯具本体20aの入射面22が、その上下部にて、
導光部材20bの入射面24b及び導光部材20cの入
射面20cに気密的にそれぞれ透明接着剤により固着さ
れている。また、前記コアの出射面のうち残余の部分が
灯具反対20aの入射面22と一体的になっている。な
お、光ファイバ30は、図1にて示すごとく、略L形状
に曲げられて光源10の左側壁11a中央に嵌着されて
おり、この光ファイバ30のコアの入射端面に対する光
源10からの光の入射角は5(度)〜30(度)であ
る。
【0017】ところで、前照灯Lを形成するにあたって
は、次のようにする。即ち、灯具本体20aと光ファイ
バ30のコアとを一体的に成形するに必要な樹脂用成形
金型を準備する。そして、同成形金形内に上述のアクリ
ル樹脂材料を液状にて流し込み灯具本体20aと光ファ
イバ30のコアを一体的に成形する。然る後、各導光部
材20b、20cを上述のように灯具本体20aの上下
各溝23、25内に取り付ける。このように成形及び取
り付けの完了した灯具本体20a、光ファイバ30のコ
ア及び各導光部材20b、20cを前記クラッドの液状
の材料に浸して取り出した後乾燥処理をする。これによ
り、前記コアの被覆層として前記クラッドが形成され
る。また、各導光部材20b、20cと各溝23、25
との間の空隙が前記クラッドの材料により満たされるの
で、ゴミ等の各溝23、25内への侵入を阻止し得る。
なお、光ファイバ30のコア、灯具本体20a及び各導
光部材20b、20cの全てを一体成形することも可能
である。
【0018】前照灯Rの灯具40は、灯具本体20a及
び一対の導光部材20b、20cにそれぞれ対応する灯
具本体40a及び一対の導光部材40b、40c(図1
では導光部材40bのみを示す)を備えており、これら
灯具本体40a及び一対の導光部材40b、40cは、
それぞれ、灯具本体20a及び一対の導光部材20b、
20cと同様に構成されている。また、光ファイバ50
は光ファイバ30と同様に構成されている。また、一対
の導光部材40b、40cは、一対の導光部材20b、
20cの灯具本体20aに対する取り付けの場合と同様
に、灯具本体40aの上下各溝(上下各溝23、25に
それぞれ対応する)内に取り付けられている。また、灯
具本体40a及び光ファイバ50のコアの一体成形も灯
具本体20a及び光ファイバ30のコアの一体成形と同
様になされている。なお、光ファイバ50のクラッド及
び灯具本体40aの各溝とその各導光部材との間の空隙
も光ファイバ30のクラッド及び灯具本体20aの各溝
とその各導光部材との間の空隙の場合と同様に処理され
ている。また、光ファイバ50は、図1にて示すごと
く、略L形状に曲げられて光源10の右側壁11b中央
に嵌着されており、この光ファイバ50のコアの入射端
面に対する光源10からの光の入射角は5(度)〜30
(度)である。
【0019】このように構成した本第1実施例におい
て、光源10が、光を、その左側壁11a及び右側壁1
1bから各光ファイバ30、50のコア内にその各入射
端面から5(度)〜30(度)で入射すると、各光が各
光ファイバ30、50内に屈折角15(度)程度で屈折
入射して各光ファイバ30、50のコア内に沿い反射さ
れつつ案内され、然る後、光ファイバ30の出射端面か
ら前照灯Lの灯具20内に入射する。かかる場合、光フ
ァイバ30のコアと灯具本体20aが同一の材料により
一体成形されているので、光ファイバ30と灯具本体2
0aとの連結部にて水やゴミによる光の反射を招くこと
なく、高効率にて光ファイバ30から灯具本体20aに
光を入射させ得るとともに、前照灯Lの光学系を低コス
トにて構成し得る。また、導光部材20bと光ファイバ
30との連結部が透明接着剤で固着されているので、光
ファイバ30から導光部材20bへの光の入射も効率よ
くなされ得る。導光部材20cと光ファイバ30との間
でも同様である。
【0020】上述のようにして灯具本体20a内に入射
した光は、灯具本体20aの出射面21の焦点Fが灯具
本体20aの入射面22近傍にあるため、同入射面22
から灯具本体20a内に、図3(B)及び図4(A)に
て示すごとく、放射状に進行し出射面21に達する。然
る後、このように出射面21に達した放射状の光は、図
3(B)及び図4(A)にて示すごとく、同出射面21
から平行に出射する。かかる場合、灯具本体20aの第
1出射面部21aからの平行出射光は、上述のような焦
点Fとの関連で、明確な結像のもとに所謂ホットゾーン
を形成し、対向車に対しまぶしさを与えることもなく、
高輝度にて当該車両の前方の遠くまで到達する。
【0021】また、上述のような導光部材20bの左右
側面と溝23の左右側面との間の各空隙のために導光部
材20bの光屈折率に比べ空隙の光屈折率の方が小さ
く、従って、導光部材20bの左右側面から外方へ洩れ
る光はない。このため、導光部材20bに入射した光
は、図4(A)にて示すごとく、導光部材20b内にて
その左右側面間にて交互に全反射されつつ前方へ案内さ
れる。その結果、このように案内された光は、導光部材
20bの出射面24aから左右方向に広がりをもち、上
下方向には偏平な光として出射する。かかる場合、導光
部材20bの出射面から出射する光の左右方向への広が
りは60度に達する。また、導光部材20bの出射面2
4aのZ軸方向におけるレンズ面としての焦点を導光部
材20bと光ファイバ30との連結部近傍においてある
ので、従来のようにシェード等を設けることなく、出射
面24aからの出射光は明確な結像のもとに、上方へ洩
れることなく、前方に出射され得る。従って、対向車に
対してまぶしさを感じさせることはない。以上のような
ことは、導光部材20cにおいても、各出射面部20
a、26bからの出射光が、焦点距離の前後方向へのず
れのために幾分ぼける点を除き、実質的に同様である。
【0022】因みに、本第1実施例による前照灯Lの配
光曲線を実験により調べたところ、図4(B)に示すよ
うな結果を得た。これによれば、符号A0 は、灯具20
の第1出射面部21aからの照射光の配光曲線を示す。
両符号A1、A2は、灯具20の第2及び第3の出射面部
21b、21cからの照射光の配光曲線をそれぞれ示
す。また、符号Bは導光部材20bの出射面24aから
の照射光の配光曲線を示し、一方、各符号C1、C2は、
導光部材20cの各出射面部26a、26bからの照射
光の各配光曲線を示す。
【0023】以上説明したように、本第1実施例によれ
ば、前照灯Lを、上述のように、灯具20及び光ファイ
バ30により、灯具本体20aや各導光部材20b、2
0cの形状やレンズ面の焦点の設定及び区分けをして構
成することにより、高い配光自由度をもつ光ファイバ方
式の車両用灯具装置を提供し得る。このようなことは前
照灯Rにおいても同様である。かかる場合、高い配光自
由度が、光の配光の細かな調整を可能とするため、視認
安全性を著しく向上させ得る。また、上述のような構成
により、上述のように、光を遮断することなく対向車に
まぶしさを与えないような配光を確保できるので、光損
失の少ない前照灯装置とすることができる。また、単一
の光源10でもって、両前照灯L、Rの共通の光源とし
ているので、この種の灯具装置を光の利用率の高い装置
として提供できる。
【0024】なお、前記第1実施例においては、導光部
材20bの左右側面と上側溝23の左右側面との間及び
導光部材20cの左右側面と下側溝25の左右側面との
間にそれぞれ所定の空隙を形成するようにしたが、これ
に代えて、導光部材20bを、灯具本体20aよりも光
屈折率の小さい材料により形成して、その左右側面を上
側溝23の左右側面に気密的に密着するようにして実施
してもよい。このようなことは、導光部材20c及び灯
具本体40aの各導光部材及び前照灯Rの灯具40にお
いても同様である。
【0025】また、前記第1実施例においては、灯具本
体20aの第2及び第3の出射面部21b及び21cか
らの各出射光により配光曲線A1及びA2(図4(B)参
照)を形成し、かつ導光部材20cの各出射面部26
a、26bからの各出射光により各配光曲線C1、C2
(図4(B)参照)を形成するようにしたが、これに代
えて、例えば、導光部材20c及び灯具本体20aの下
側溝25を省略し、各出射面部21b、21c、26a
及び26bに対する灯具本体20aの出射面21の対応
出射面部分を、図2にて図示上下方向(Z軸方向)には
直線的で図示左右方向(Y軸方向)には灯具本体20a
の前方から見て凹面となる単一の円筒凹レンズ面に変更
して実施してもよい。かかる場合には、同円筒凹レンズ
面の焦点の位置を適正に設定すれば、導光部材20cの
採用なくして、各配光曲線 A1、A2、C1及びC2に代
え、上下方向には偏平で左右方向にはかなりの広がりを
もつ新たな配光曲線を、配光曲線C1 に相当する配光位
置にて、前記円筒凹レンズ面からの出射光により形成し
得る。このようなことは、灯具本体40aでも同様に実
現し得る。
【0026】また、前記第1実施例においては、灯具2
0の導光部材20bの出射面24aからの出射光により
配光曲線B(図4(B)参照)を形成するようにした
が、これに代えて、例えば、導光部材20b及び灯具本
体20aの上側溝23を省略し、出射面24aに対する
灯具本体20aの出射面21の対応出射面部分及びその
左右の出射面部分を、図2にて図示上下方向(Z軸方
向)には直線的で図示左右方向(Y軸方向)には灯具本
体20aの前方から見て凹面となる単一の円筒凹レンズ
面に変更して実施してもよい。かかる場合には、この円
筒凹レンズ面の焦点の位置を適正に設定すれば、導光部
材20bの採用なくして、配光曲線Bに代え、上下方向
には偏平で左右方向にはかなりの広がりをもつ新たな配
光曲線を、配光曲線Bに相当する配光位置にて、当該円
筒凹レンズ面からの出射光により形成し得る。このよう
なことは灯具40の導光部材40b及びこれに対応する
灯具本体40aの上側溝の省略との関連でも実現し得
る。
【0027】次に、本発明の第2実施例を図5を参照し
て説明と、この第2実施例においては、前記第1実施例
にて述べた前照灯Lに代えて、前照灯Laを採用したこ
とにその構成上の特徴がある。この灯具Laは、灯具6
0と、前記第1実施例にて述べた光ファイバ30とによ
って構成されており、灯具60は、前記第1実施例にて
述べた灯具本体20aの構成材料と同様の材料により略
半円錘形状に形成した一対の灯具本体60a、60b
と、これら各灯具本体60a、60b間にサンドィッチ
状に挟持した板状導光部材60cとによって構成されて
いる。
【0028】かかる場合、各灯具本体60a、60bの
各出射面61、62はレンズ面を形成しており、各出射
面61、62の焦点は前記第1実施例における灯具本体
20aの出射面の焦点と同様に設定されている。導光部
材60cは、前記第1実施例にて述べた導光部材20b
の構成材料と同様の材料により構成されており、この導
光部材60cと各灯具本体60a、60bの各対向面と
の間には、各灯具本体60a、60b及び導光部材60
cの光屈折率よりも小さい光屈折率をもつ材料からなる
薄膜がそれぞれ介装されている。導光部材60cは出射
面63を有しており、この出射面63は、原点(極Oに
相当する)を中心として、各灯具本体60a、60cの
出射面61、62に対しXZ座標面内にて図5にて示す
ごとく角度αだけ位置ずれしている。各灯具本体60
a、60bの入射面は光ファイバ30出射端面の両側部
と一体的になっており、また、導光部材60cの入射面
は光ファイバ30の出射端面中央に透明接着剤により固
着されている。なお、各灯具本体60a、60bと光フ
ァイバ30との一体成形を行った後に、前記各薄膜を介
装するようにする。その他の構成は前記第1実施例と同
様である。
【0029】このように構成した本第2実施例において
は、光ファイバ30から灯具60に向け光が出射する
と、この出射光が灯具本体60a、60b及び導光部材
60c内にその各入射面から入射する。すると、各灯具
本体60a、60bに入射した各光は、各出射面61、
62の焦点との関連で放射状に進行して同各出射面6
1、62から平行光線として出射する(図6(A)
(B)参照)。これにより、同平行光が、前記第1実施
例にいうホットゾーンを形成して、対向車に対しまぶし
さを与えることなく、当該車両の前方遠くまで照射す
る。また、各灯具本体60a、60bと導光部材60c
との間には上述のようにこれらよりも小さい光屈折率を
もつ薄膜がそれぞれ介装されているため、導光部材60
c内に入射した各光は、前記各薄膜との関連で全反射し
つつ、導光部材60c内を案内される(図6(A)参
照)。
【0030】そして、このように案内された光は、出射
面63から、図6(A)(B)にて示すごとく、左右方
向へは広がりをもち上下方向へは偏平な光線として出射
される。かかる場合、上述の角度αとの関連で出射面6
3からの出射光は図6(B)にて示すごとく下方へ向
く。従って、対向車の対してまぶしさを与えることがな
い。なお、本第2実施例における配光曲線を実験により
確認したところ、図6(C)のような結果を得た。これ
によれば、符号Dが各灯具本体60a、60bの各出射
面からの出射光による配光曲線を示す。また、符号Eは
導光部材60cの出射面からの出射光による配光曲線を
示す。
【0031】次に、本発明の第3実施例を図7〜図9を
参照して説明すると、この第3実施例においては、前記
第1実施例にて述べた前照灯Lに代えて、前照灯Lbを
採用したことにその構成上の特徴がある。この灯具Lb
は、灯具70と、前記第1実施例にて述べた光ファイバ
30とによって構成されており、灯具70は、前記第1
実施例にて述べた灯具本体20aの構成材料と同様の材
料により略半円錘形状に形成した灯具本体70aと、前
記第1実施例にて述べた導光部材20bの構成材料と同
様の材料により構成した板状導光部材70bと、一対の
板状シェード70c、70dによって構成されている。
【0032】灯具本体70aは、導光部材70bの直上
にてこれと同一軸方向に位置しており、この灯具本体7
0aは、その下面71にて、導光部材70bの上面72
に固着されている。灯具本体70aの出射面73はレン
ズ面を形成しており、出射面73の焦点は前記第1実施
例における灯具本体20aの出射面の焦点と同様に設定
されている。導光部材70bは、その出射面74からの
出射光により、前記第1実施例にて述べた導光部材20
bと実質的に同様に偏平配光をする役割を果たすもので
ある。かかる場合、灯具本体70aの下面71は、導光
部材70bの上面72共に鏡面(全反射面として機能す
る)となっており、同下面71の全体、即ち導光部材7
0bの上面72の全体が、光ファイバ30の軸に平行で
あって、光ファイバ30の軸から上方へ所定間隔ΔS1
だけオフセットしている。導光部材70bの光軸(光フ
ァイバ30の軸に平行)は、導光部材70bの上面72
から所定間隔ΔS2だけ下方へオフセットしている(図
8(A)参照)。
【0033】灯具本体70a及び導光部材70bは、そ
の各入射面にて、各シェード70c、70dを介し光フ
ァイバ30の出射端面に固着されている。かかる場合、
灯具本体70aの入射面下部及び導光部材70bの入射
面上部は透明接着剤により光ファイバ30の出射端面の
中間部位に固着されており、灯具本体70aの入射面上
部は、シェード70cの下縁部75により、光ファイバ
30の出射端面上部から遮断され、一方、導光部材70
bの入射面下部は、シェード70dの上縁部76によ
り、光ファイバ30の出射端面下部から遮断されてい
る。但し、シェード70cの下縁部75は、図9(A)
にて図示左側半部部分の下縁75aは、当該車両の歩行
者側への灯具本体70aからの出射光範囲を上下に拡大
すべく、所定角度Δθ1だけ上方へ傾斜している。その
他の構成は前記第1実施例と同様である。
【0034】このように構成した本第3実施例において
は、光ファイバ30から灯具70に向けて光が出射する
と、この出射光が、灯具本体70a及び導光部材70b
内にその入射面から入射する。かかる場合、光ファイバ
30と灯具70との結合部分の光屈折率は殆ど変化しな
いので、光ファイバ30の出射端面からの出射光のうち
シェード70cの下縁部75及びシェード70dの上縁
部76との間に対応する光が灯具本体70a及び導光部
材70b内に入射する。
【0035】すると、灯具本体70a内に入射した光の
うち出射面73に向けZーX平面内で直進する光は出射
面73の焦点との関連で放射状に進行して出射面73か
ら平行光線AD (図8(A))として前方へ下方へ向け
出射する。一方、灯具本体70a内に入射した光のうち
下面71で反射した後出射面73に向けZーX平面内で
直進する光は、出射面73の焦点との関連で放射状に進
行するが、出射面73から平行光線AU (図8(A))
としてほぼX軸に平行に出射する。また、灯具本体70
a内に入射した光のうち出射面73に向けYーX平面内
で直進する光は出射面73の焦点との関連で放射状に進
行して出射面73から対称的な各平行光線AR、AL(図
8(B))として前方へ末すぼまり状に出射する。
【0036】また、導光部材70b内に入射した光のう
ち出射面74に向けZ−X平面内で直進する光は、出射
面74の焦点との関連で放射状に進行して、所定間隔Δ
S2との関連で、出射面74から平行光線BU (図8
(A))として前方へほぼX軸に平行に出射する。一
方、導光部材70b内に入射した光のうち上面72で反
射した後出射面74に向けZ−X平面内で直進する光
は、出射面74の焦点との関連で放射状に進行するが、
出射面74から平行光線BD (図8(A))として前方
へ下方へ向け出射する。また、導光部材70b内に入射
した光のうち出射面74に向けY−X平面内で反射しつ
つ進行する光は、出射面74から対称的な各平行光線B
R、BL(図8(B))として前方へ末広がり状に出射す
る。
【0037】因みに、本第3実施例による前照灯Lbの
配光曲線を実験により調べたところ、図9(B)にて実
線及び破線により示す結果が得られた。これによれば、
符号Fは灯具本体70aの出射面73からの各出射光A
U、ADによる実線の配光曲線を示す。かかる場合、配光
曲線F上の各点f1、f2を結ぶ直線の図示上半分部分F
Uが出射光AUによるものであり、一方、各点f1、f2を
結ぶ直線の図示下半分部分FDが出射光ADによるもので
ある。また、上半分部分FU が図示左側部分にて略三角
形上に上方へ突出し、一方、下半分部分FD が図示左側
部分にて略三角形上に下方へ突出するのは、シェード7
0cの下縁部75の下縁75aの形状によるものであ
る。これにより、配光曲線Fが、当該車両の歩行者側に
は、対向車側よりも広い範囲に広がるので、歩行者側は
見易く、対向車側はまぶしくない状態におかれる。ま
た、符号Gは各出射光BU、BDによる破線の偏平配光を
示す。
【0038】なお、前記第3実施例においては、シェー
ド70cの下縁75aをシェード70cの左右中央から
上方へ傾斜させるようにしたが、図10(A)にて示す
ごとく、下縁75aをシェード70cの左右中央から所
定間隔ΔS3 だけ図示右方へよった位置から上方へ傾斜
させるようにして実施してもよい。これにより、図9
(A)の配光曲線Fの図示左側部分が図示二点鎖線によ
り示すように左方へ拡大して、当該車両の歩行者側をよ
り一層見易くできる。
【0039】また、前記第3実施例においては、導光部
材70bの上面72と、導光部材70bの光軸との間
に、所定間隔ΔS2 だけオフセットを与えようにした
が、これに代えて、導光部材70bの光軸を、図10
(B)にて示すごとく、導光部材70bの入射面上端を
基準として所定角度Δθ2だけ下方へ回転させて実施し
ても、前記第3実施例にいう実線及び破線の配光曲線
(図9(B)参照)を得ることができる。
【0040】また、前記第3実施例においては、導光部
材70bの上面72を鏡面にした例について説明した
が、これに代えて、導光部材70bの上面72を粗く処
理して光の損失面として形成するようにした場合には、
導光部材70b内に入射して上面72に向かう光が、同
上面72により反射されることなく損失することとな
る。従って、導光部材70bの出射面74からの出射光
は、上面72から出射する光以外の光により構成され
る。その結果、導光部材70bの出射面74からの出射
光により形成される配光曲線は、図11(A)にて示す
ごとく、図9(B)の配光曲線Gの下半分部分(図11
(A)の斜線部分に相当する)を除去した破線の配光曲
線G1となる。
【0041】また、前記第3実施例においては、灯具本
体70aと導光部材70bのX軸に沿う各全長を、共に
同一とした例について説明したが、これに限らず、図1
1(B)にて示すごとく、灯具本体70aに代えて、導
光部材70bの全長よりもΔS4 だけ長い灯具本体70
eを採用し、この灯具本体70eを導光部材70bより
もΔS4 だけ前方へ延出させて実施してもよい。これに
より、灯具本体70eの出射面からの出射光の同出射面
に対する屈折角が、灯具本体70aの出射面からの出射
光の同出射面に対する屈折角よりも小さくなるため、灯
具本体70eの出射面からの出射光により形成される配
光曲線は、図9(B)の実線による配光曲線Fを相似形
状にて縮小したものとなる。従って、ホットゾーンの光
の照射密度が高くなり、当該車両の対向車領域がより一
層明るくなる。
【0042】また、前記第3実施例においては、灯具本
体70aと導光部材70bのX軸に沿う各全長を、共に
同一とした例について説明したが、これに限らず、図1
2(A)にて示すごとく、導光部材70bに代えて、灯
具本体70aの全長よりもΔS5 だけ長い導光部材70
fを採用し、この導光部材70fを灯具本体70aより
もΔS5 だけ前方へ延出させて実施してもよい。これに
より、導光部材70fの出射面からの出射光の同出射面
に対する屈折角が、導光部材70bの出射面からの出射
光の同出射面に対する屈折角よりも小さくなるため、導
光部材70fの出射面からの出射光により形成される配
光曲線は、図9(B)の破線による配光曲線Gをその図
示上端を基準に上方へ縮小したしたものとなる。従っ
て、偏平配光領域の光の照射密度が高くなり、当該車両
の歩行者領域がより一層明るくなる。
【0043】また、前記第3実施例においては、図7に
て示すごとく、灯具本体70a及び導光部材70bをX
−Y平面の上下に配置するようにした例について説明し
たが、これに代えて、図12(B)にて示すごとく、灯
具本体70a及び導光部材70bのXーY平面に対する
配置位置を、上下反対にして実施して構成してもよい。
かかる場合、各シェード70d、70cは、図13
(B)にて示すごとく、前記第3実施例とは上下反対に
配置される。また、灯具本体70aからの各出射光A
U、AD及び導光部材BU、BD(図13(A)参照)によ
り形成されるは、図9(B)の実線及び破線による配光
曲線とはX−Y平面に対し上下反対になる。
【0044】次に、本発明の第4実施例を図14を参照
して説明すると、この第4実施例においては、前記第3
実施例にて述べた導光部材70bに代えて、図14
(A)にて示すごとく、互いに接合した両導光部材70
g、70hを採用したことにその特徴がある。導光部材
70gは、導光部材70bに比べX軸に沿う前方方向の
テーパ度合を小さくしてある点を除き導光部材70bと
実質的に同様の構成を有する。また、導光部材70h
は、導光部材70bと同様の構成を有する。両導光部材
70g、70hは、図14(A)にて示すごとく、その
各接合面をXーZ平面内に位置させて配置されており、
これら両導光部材70g、70hの各上面は灯具本体7
0aの下面71に固着されている。また、両導光部材7
0g、70hの各入射面は光ファイバ30の出射端面の
各半分部分に対向している。但し、両導光部材70g、
70hの各接合面間には、空隙層或いは不透明層が形成
されて両導光部材70g、70h内への各入射光のうち
各接合面に向かう光が同各接合面で全反射するようにな
っている。
【0045】しかして、導光部材70h内に入射した光
のうちその出射面に向けY−X平面内で反射しつつ進行
する光は、同出射面から対称的な各平行光線BR1、BL1
(図14(B))として前方へ末広がり状に出射し、一
方、導光部材70g内に入射した光のうちその出射面に
向けY−X平面内で反射しつつ進行する光は、同出射面
から対称的な各平行光線BR2、BL2(図14(B))と
して前方へ末広がり状に出射する。かかる場合、導光部
材70gのテーパ度合が導光部材70hのテーパ度合に
比べて小さいため、各平行光線BR2、BL2の末広がり角
度は各平行光線BR1、BL1の末広がり角度に比べて広
い。従って、各導光部材70g、70hの出射面からの
出射光による各配光曲線は、図14(C)にて各符号G
2、G3により破線にて示すごとくそれぞれ形成される。
また、上述のような両導光部材70g、70hの間のテ
ーパ度合の差のため、配光曲線G2 のY軸方向幅は、配
光曲線G3のY軸方向幅に比べて広くなる。また、両配
光曲線G2、G3 の重なり領域では光の照射密度が高く
なる。従って、当該車両の歩行者側の見易さが両配光曲
線G2、G3の非重なり領域から重なり領域にかけて順次
向上する。
【0046】なお、前記第4実施例においては、両導光
部材70g、70hを互いに接合さた例について説明し
たが、これに代えて、図15(A)(B)にて示すごと
く、導光部材70hを、導光部材70gに対しY軸に沿
い所定角度Δθ3 だけ傾斜させるようにして実施しても
よい。これにより、配光曲線G3 が、図16(A)にて
示すごとく、配光曲線G2に対しΔθ3だけ傾斜して形成
される。かかる場合、図16(B)にて示すように、導
光部材70hの灯具本体70a及び導光部材70gに対
向する上面及び側面をそれぞれ階段形状p、qに形成す
れば、図16(A)の配光曲線G3の外周縁がぼけるこ
となく明確になる。
【0047】次に、本発明の第5実施例を図17を参照
して説明すると、この第5実施例においては、前記第3
実施例にて述べた灯具本体70a(図7参照)に代え
て、両灯具本体70i、70jを採用したことにその特
徴がある。両灯具本体70i、70jは、灯具本体70
aをX−Z平面に沿い二分割し、灯具本体70iのレン
ズ面たる出射面73aの極Oiを、図17(A)にて示
すごとく、Y軸に沿い原点OからΔS5 だけ移動した位
置にとり、一方、灯具本体70jのレンズ面たる出射面
73bの極Ojを、図17(A)にて示すごとく、原点
(極Oに相当)からY軸に沿いΔS6及びZ軸に沿いΔ
S7だけ移動した位置にとるようにしたことにその構成
上の特徴がある。これにより、図9(B)の配光曲線F
に代えて、図17(B)に示すごとく両配光曲線F1、
F2 が形成される。但し、配光曲線F1は、灯具本体7
0iの出射面73aの極Oiの位置との関連により、灯
具本体70iの出射面73aからの出射光により形成さ
れ、一方、配光曲線F2 は、灯具本体70jの出射面7
3bの極Ojの位置との関連により、灯具本体70jの
出射面73bからの出射光により形成される。その他の
構成及び作用効果は前記第3実施例と同様である。
【0048】なお、本発明の実施にあたっては、灯具本
体20aの第1出射面部21a及びこれに対応する灯具
本体40aの第1出射面部を、上下方向に区画した複数
の段付きレンズ面部により構成しても実施してもよい。
【0049】また、本発明の実施にあたり、各光ファイ
バ30、50は、単一に限ることなく、それぞれ、複数
本の光ファイバの束によって構成してもよい。
【0050】また、本発明の実施にあたっては、灯具2
0に設けた導光部材の数を変更して実施してもよい。こ
れにより、前照灯Lの配光自由度を自由に高め得る。前
照灯Rについても同様である。
【0051】また、本発明の実施にあたり、導光部材2
0bの出射面24aからの出射光のZ軸方向の広がりや
上下方向の位置は、出射面24aのZ軸方向でのレンズ
面形状を変更することにより自由に調整できる。かかる
場合、導光部材20cの段付き出射面と同様に区分けし
て複数の偏平配光を形成し重ね合わせることもできる。
【0052】また、本発明の実施にあたり、灯具本体2
0aの第2及び第3出射面部21b、21cの各焦点を
ずらすことにより、照射光の広がり範囲を変更して実施
してもよい。
【0053】また、本発明の実施にあたり、前記第3実
施例〜第5実施例及びその各変形例においては、左側前
照灯のみについて述べたが、これに限らず、右側前照灯
についても同様に適用して実施してもよい。
【0054】また、本発明の実施にあたっては、車両の
前照灯を備えた灯具装置に、本発明を適用した例につい
て説明したが、これに限らず、例えば、車両のフォグラ
ンプを備えた灯具装置に、本発明を適用して実施しても
よい。かかる場合、導光部材20による偏平配光のみで
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用灯具装置の第1実施例を示
す部分破断配設図である。
【図2】図1の前照灯の灯具及び光ファイバの拡大斜視
図である。
【図3】同灯具の正面図及び縦断面図である。
【図4】同灯具の平面図及びその出射光の配光曲線図で
ある。
【図5】本発明の第2実施例を示す左側前照灯の要部拡
大斜視図である。
【図6】同灯具の平面図及び左側面図並びにその出射光
の配光曲線図である。
【図7】本発明の第3実施例を示す左側前照灯の要部拡
大斜視図である。
【図8】図7の左側前照灯の縦断面図及び下面図であ
る。
【図9】図7の左側前照灯の両シェードの正面図及び当
該左側前照灯の灯具の出射面からの出射光による配光曲
線図である。
【図10】前記第3実施例の両シェードの変形例を示す
正面図及び同第3実施例の灯具の変形例を示す縦断面図
である。
【図11】図10(B)の灯具の出射面からの出射光に
よる配光曲線図及び前記第3実施例の灯具の他の変形例
を示す斜視図である。
【図12】前記第3実施例の灯具のその他の変形例を示
す斜視図及び前記第3実施例の左側前照灯の変形例を示
す斜視図である。
【図13】図12(B)の左側前照灯の灯具の縦断面図
及び両シェードの正面図である。
【図14】本発明の第4実施例を示す左側前照灯の要部
拡大斜視図、下面図及び同左側前照灯の灯具の出射面か
らの出射光による配光曲線図である。
【図15】図14(A)の灯具の変形例を示す斜視図及
び背面図である。
【図16】図15(A)の灯具の出射面からの出射光に
よる配光曲線図及び同灯具の導光部材の変形例を示す背
面図である。
【図17】本発明に第5実施例を示す左側前照灯の要部
拡大斜視図及び同左側前照灯の灯具の出射面からの出射
光による配光曲線図である。
【符号の説明】
10…光源、20、40、60…灯具、30、50…光
ファイバ、20a、40a、60a、60b、70a、
70e、70i、70j…灯具本体、20b、20c、
60c、70b、70f、70g、70h…導光部材、
21a、24a、26a、26b、63…出射面、2
2、24b、26c…入射面、23、25…溝、L、L
a…左側前照灯、R…右側前照灯。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの光を出射する灯具を備えた車両
    用灯具装置において、 前記光源から光を入射されて出射する光ファイバと、こ
    の光ファイバからその出射光を直接入射されるように同
    光ファイバに直結した光導波路とにより、前記灯具を構
    成し、 かつ、前記光導波路が前記直接入射光を出射したとき、
    この出射光により所望の配光を形成するように、前記光
    導波路を構成したことを特徴とする車両用灯具装置。
  2. 【請求項2】前記灯具を、前記光源からの光を前方に向
    けて出射する前照灯により構成し、 前記光導波路を、前記光ファイバからその出射光を直接
    入射されるように同光ファイバに直結した複数の光導波
    路により構成し、 かつ、前記複数の光導波路が前記直接入射光を出射した
    ときこの出射光によりホットゾーン配光及び偏平配光を
    形成するように、前記複数の光導波路を組合わせて構成
    したことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具装
    置。
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