JP2022162292A - 車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な配光パターンを得ると共に、更なる小型化を可能とした車両用灯具を提供する。【解決手段】第1の光を出射する第1の光源2と、第1の光源2と隣接して配置されて、第1の光と同一方向に向けて第2の光L2を出射する第2の光源3と、第1の光及び第2の光L2を互いに同一方向に向けて投影する投影レンズ4とを備え、投影レンズ4は、第1の光源2と対向する側に位置する第1の入射部6と、第2の光源3と対向する側に位置する第2の入射部7と、第1の入射部6及び第2の入射部7とは反対側に位置する出射部8と、第1の入射部6と第2の入射部7との間を切り欠くスリット9とを含む。【選択図】図3
Description
本発明は、車両用灯具に関する。
例えば、車両用前照灯(ヘッドランプ)などの車両用灯具は、光源と、光源から出射された光を車両の進行方向に向けて反射するリフレクタと、リフレクタにより反射された光の一部を遮光(カット)するシェードと、シェードにより一部がカットされた光を車両の進行方向に向けて投影する投影レンズとを備えている。
このような車両用灯具では、すれ違い用ビーム(ロービーム)として、シェードの前端によって規定される光源像を投影レンズにより反転投影することで、上端にカットオフラインを含むロービーム用配光パターンを形成している。
また、車両用灯具では、車両の進行方向に向けて光を出射する別の光源をシェードの下方に配置し、走行用ビーム(ハイビーム)として、この光源が出射する光を投影レンズにより投影することで、ロービーム用配光パターンの上方にハイビーム用配光パターンを形成している。
ところで、下記特許文献1に記載の車両用灯具では、上述したリフレクタ及びシェードの代わりに、上下2つの光源から出射された光を互いに同一方向に向けて投影する投影レンズを用いて、ロービーム用配光パターンとハイビーム用配光パターンとを形成することが提案されている。
しかしながら、上述した特許文献1に記載の車両用灯具では、上下2つの光源を投影レンズに対して異なる角度で配置している。このため、上下2つの光源を隣接して配置することができず、この車両用灯具が大型化してしまうといった問題があった。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、良好な配光パターンを得ると共に、更なる小型化を可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 第1の光を出射する第1の光源と、
前記第1の光源と隣接して配置されて、前記第1の光と同一方向に向けて第2の光を出射する第2の光源と、
前記第1の光及び前記第2の光を互いに同一方向に向けて投影する投影レンズとを備え、
前記投影レンズは、前記第1の光源と対向する側に位置する第1の入射部と、
前記第2の光源と対向する側に位置する第2の入射部と、
前記第1の入射部及び前記第2の入射部とは反対側に位置する出射部と、
前記第1の入射部と前記第2の入射部との間を切り欠くスリットとを含むことを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記出射部は、前記第1の入射部と前記第2の入射部とが並ぶ第1の方向において、前記第1の入射部と同じ側に位置する第1の出射面と、前記第2の入射部と同じ側に位置する第2の出射面とを含み、
前記第1の出射面は、前記第1の方向において凸状に湾曲し、前記第1の方向とは直交する第2の方向において凹状に湾曲したレンズ面により構成され、
前記第2の出射面は、前記第1の方向において凸状に湾曲し、前記第2の方向において凸状に湾曲したレンズ面により構成されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記第1の出射面を構成するレンズ面の焦点と、前記第2の出射面を構成するレンズ面の焦点とは、前記第2の光源から出射される第2の光の光軸に沿った方向において、互いに異なった位置にあることを特徴とする前記〔2〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記投影レンズは、前記スリットを挟んだ一方側に位置して、前記第1の入射部から入射した第1の光の一部を反射する第1の反射面と、
前記スリットを挟んだ他方側に位置して、前記第2の入射部から入射した第2の光の一部を反射する第2の反射面とを含み、
前記第1の反射面と前記第1の反射面とは、前記スリットの底部において互いに突き合わされていることを特徴とする前記〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記第1の入射部は、平面により構成される第1の入射面を含み、
前記第2の入射部は、平面により構成される第2の入射面を含むことを特徴とする前記〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔6〕 前記第1の光源及び前記第2の光源は、同じ基板の同一面上に設けられていることを特徴とする前記〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔7〕 前記投影レンズにより投影される第1の光が、上端に前記スリットの底部により形成されるカットオフラインを含む第1の配光パターンを形成し、
前記投影レンズにより投影される第2の光が、前記第1の配光パターンよりも上方に位置する第2の配光パターンを形成することを特徴とする前記〔1〕~〔6〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔1〕 第1の光を出射する第1の光源と、
前記第1の光源と隣接して配置されて、前記第1の光と同一方向に向けて第2の光を出射する第2の光源と、
前記第1の光及び前記第2の光を互いに同一方向に向けて投影する投影レンズとを備え、
前記投影レンズは、前記第1の光源と対向する側に位置する第1の入射部と、
前記第2の光源と対向する側に位置する第2の入射部と、
前記第1の入射部及び前記第2の入射部とは反対側に位置する出射部と、
前記第1の入射部と前記第2の入射部との間を切り欠くスリットとを含むことを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記出射部は、前記第1の入射部と前記第2の入射部とが並ぶ第1の方向において、前記第1の入射部と同じ側に位置する第1の出射面と、前記第2の入射部と同じ側に位置する第2の出射面とを含み、
前記第1の出射面は、前記第1の方向において凸状に湾曲し、前記第1の方向とは直交する第2の方向において凹状に湾曲したレンズ面により構成され、
前記第2の出射面は、前記第1の方向において凸状に湾曲し、前記第2の方向において凸状に湾曲したレンズ面により構成されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記第1の出射面を構成するレンズ面の焦点と、前記第2の出射面を構成するレンズ面の焦点とは、前記第2の光源から出射される第2の光の光軸に沿った方向において、互いに異なった位置にあることを特徴とする前記〔2〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記投影レンズは、前記スリットを挟んだ一方側に位置して、前記第1の入射部から入射した第1の光の一部を反射する第1の反射面と、
前記スリットを挟んだ他方側に位置して、前記第2の入射部から入射した第2の光の一部を反射する第2の反射面とを含み、
前記第1の反射面と前記第1の反射面とは、前記スリットの底部において互いに突き合わされていることを特徴とする前記〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記第1の入射部は、平面により構成される第1の入射面を含み、
前記第2の入射部は、平面により構成される第2の入射面を含むことを特徴とする前記〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔6〕 前記第1の光源及び前記第2の光源は、同じ基板の同一面上に設けられていることを特徴とする前記〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔7〕 前記投影レンズにより投影される第1の光が、上端に前記スリットの底部により形成されるカットオフラインを含む第1の配光パターンを形成し、
前記投影レンズにより投影される第2の光が、前記第1の配光パターンよりも上方に位置する第2の配光パターンを形成することを特徴とする前記〔1〕~〔6〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
以上のように、本発明によれば、良好な配光パターンを得ると共に、更なる小型化を可能とした車両用灯具を提供することが可能である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
本発明の一実施形態として、例えば図1~図5に示す車両用灯具1について説明する。
なお、図1は、車両用灯具1の外観を示す斜視図である。図2は、車両用灯具1を正面側から見た斜視図である。図3は、車両用灯具1の構成を示す縦断面図である。図4は、図3中に示す囲み部分Aを拡大した縦断面図である。図5は、カットオフラインCLの形状を説明するための模式図である。
なお、図1は、車両用灯具1の外観を示す斜視図である。図2は、車両用灯具1を正面側から見た斜視図である。図3は、車両用灯具1の構成を示す縦断面図である。図4は、図3中に示す囲み部分Aを拡大した縦断面図である。図5は、カットオフラインCLの形状を説明するための模式図である。
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両用灯具1の前後方向(長さ方向)、Y軸方向を車両用灯具1の左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両用灯具1の上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
したがって、以下の説明において、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両用灯具1を正面(車両前方)から見たときのそれぞれの方向を意味するものとする。
本実施形態の車両用灯具1は、例えば、自動二輪車や自動三輪車などの鞍乗型車両(図示せず。)の前側中央部に搭載される鞍乗型車両用灯具のうち、車両の前方に向けてロービームとハイビームとを切り替え自在に照射する車両用前照灯(ヘッドランプ)に本発明を適用したものである。
具体的に、この車両用灯具1は、図1~図3に示すように、灯体(図示せず。)の内側に、第1の光L1を出射する第1の光源2と、第2の光L2を出射する第2の光源3と、第1の光L1及び第2の光L2を投影する投影レンズ4とを備えている。
なお、灯体は、前面が開口したハウジングと、このハウジングの開口を覆う透明なカバーレンズ(アウターレンズ)とにより構成される。また、灯体の内側には、インナーレンズとなる投影レンズ4を保持するレンズホルダや、投影レンズ4の正面側の周囲を覆うエクステンションなどを配置することが可能である。また、灯体の形状については、車両のデザイン等に合わせて、適宜変更することが可能である。
第1の光源2及び第2の光源3は、例えば白色光を発する発光ダイオード(LED)からなる。なお、第1の光源2及び第2の光源3については、上述したLED以外にも、例えばレーザーダイオード(LD)などの発光素子を用いることができる。
本実施形態の車両用灯具1では、第1の光源2と第2の光源3とが互いに隣接した状態で、この車両用灯具1の鉛直方向(高さ方向)に並んで配置されている。このうち、第1の光源2を構成する1つのLEDが上部側に配置され、第2の光源3を構成する1つのLEDが下部側に配置されている。
第1の光源2及び第2の光源3は、それぞれのLEDを駆動する駆動回路が設けられた回路基板5の一面(本実施形態では正面)側に実装されている。これにより、第1の光源2と第2の光源3とは、前方に向けて第1の光L1と第2の光L2とを放射状に出射する。すなわち、これら第1の光源2及び第2の光源3は、同じ回路基板5の同一面上に設けられて、互いに同一方向に向けて第1の光L1及び第2の光L2を放射状に出射する構成となっている。
なお、本実施形態では、上述した第1の光源2及び第2の光源3を構成するLEDと、LEDを駆動する駆動回路とが回路基板5上に実装された構成となっているが、LEDが実装された実装基板と、LEDを駆動する駆動回路が設けられた回路基板とを別々に配置し、実装基板と回路基板との間をハーネスと呼ばれる配線コードを介して電気的に接続し、LEDが発する熱から駆動回路を保護する構成としてもよい。
また、本実施形態では、回路基板5の他面(本実施形態では背面)側に、第1の光源2及び第2の光源3が発する熱を放熱させるヒートシンクを取り付けた構成としてもよい。
投影レンズ4は、第1の光源2と対向する側に位置する第1の入射部6と、第2の光源3と対向する側に位置する第2の入射部7と、第1の入射部6及び第2の入射部7とは反対側に位置する出射部8と、第1の入射部6と第2の入射部7との間を切り欠くスリット9とを有している。
投影レンズ4は、第1の入射部6と第2の入射部7が設けられた背面側から出射部8が設けられた正面側に向かって、漸次拡大しながら延びた形状を有する多面レンズ体からなる。
なお、投影レンズ4には、例えば、ポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなど、空気よりも屈折率の高い材質のものを用いることができる。また、投影レンズ4に透明樹脂を用いた場合は、金型を用いた射出成形によって投影レンズ4を形成することが可能である。
第1の入射部6は、平面により構成される第1の入射面6aを有している。第1の入射部6では、第1の光源2から出射された第1の光L1を第1の入射面6aから投影レンズ4の内部へと入射する。第1の入射面6a(第1の入射部6)から投影レンズ4の内部へと入射した第1の光L1は、出射部8に向かって導光される。
第2の入射部7は、平面により構成される第2の入射面7aを有している。第2の入射部7では、第2の光源3から出射された第2の光L2を第2の入射面7aから投影レンズ4の内部へと入射する。第2の入射面7a(第2の入射部7)から投影レンズ4の内部へと入射した第2の光L2は、出射部8に向かって導光される。
また、投影レンズ4は、図4に示すように、スリット9を挟んだ一方(上方)側に位置する第1の反射面10aと、スリット9を挟んだ他方(下方)側に位置する第2の反射面10bとを有している。第1の反射面10aと第2の反射面10bとは、スリット9の底部において互いに突き合わされている。
すなわち、これら第1の反射面10aと第2の反射面10bとは、投影レンズ4の背面側を水平方向(幅方向)に切り欠く断面略V字状のスリット9により構成されている。
第1の反射面10aは、第1の入射面6a(第1の入射部6)から入射した第1の光L1の一部を出射部8に向けて反射する。一方、第2の反射面10bは、第2の入射面7a(第2の入射部7)から入射した第2の光Lの一部を出射部8に向けて反射する。
出射部8は、図1~図3に示すように、第1の入射部6と第2の入射部7とが並ぶ第1の方向(高さ方向)において、第1の入射部6と同じ側(上側)に位置する第1の出射面8aと、第2の入射部7と同じ側(下側)に位置する第2の出射面8bとを有している。また、第1の出射面8aと第2の出射面8bとの間には、第1の出射面8aよりも第2の出射面8bが後退した段差部8cが第2の方向(幅方向)に延在して設けられている。
第1の出射面8aは、第1の方向(高さ方向)において凸状に湾曲し、且つ、第1の方向とは直交する第2の方向(幅方向)において凹状に湾曲した球面状又は非球面状のレンズ面により構成されている。
第2の出射面8bは、第1の方向(高さ方向)において凸状に湾曲し、且つ、第2の方向(幅方向)において凸状に湾曲した球面状又は非球面状のレンズ面により構成されている。
また、第1の出射面8aを構成するレンズ面の焦点S1と、第2の出射面8bを構成するレンズ面の焦点S2とは、第2の光源3から出射される第2の光L2の光軸に沿った方向において、互いに異なった位置にある。
具体的に、図4に示す車両用灯具1Aの第1の方向(鉛直方向)に沿った断面(縦断面)において、第2の出射面8bの焦点S2が第1の出射面8aの焦点S1よりも後退した位置にある。また、第1の出射面の焦点S1は、スリット9の底部の近傍に位置している。
出射部8では、図3に示すように、第1の出射面8aにより第1の光L1を第1の方向(鉛直方向)に集光させ、第2の方向(水平方向)において拡散させながら、投影レンズ4の外部へと出射する。
一方、出射部8では、第2の出射面8bにより第1の光L1及び第2の光L2を第1の方向(鉛直方向)に集光させ、第2の方向(水平方向)に集光させながら、投影レンズ4の外部へと出射する。
第1の出射面8a及び第2の出射面8b(出射部8)から投影レンズ4の外部へと出射された第1の光L1及び第2の光L2は、車両用灯具1の前方に向けて投影される。
なお、上記投影レンズ4を構成する面のうち、図示や説明を省略したその他の面については、この投影レンズ4の内部で導光される第1の光L1及び第2の光L2に悪影響を与えない範囲で自由に設計(例えば、遮蔽するなど。)することが可能である。
以上のような構成を有する本実施形態の車両用灯具1では、すれ違い用ビーム(ロービーム)として、第1の光源2から出射された第1の光L1を投影レンズ4により車両の前方に向けて投影する。これにより、上端にスリット9の底部により形成されたカットオフラインを含むロービーム用配光パターン(第1の配光パターン)を形成することが可能である。
なお、スリット9の底部により形成されるカットオフラインには、図5(a)に示すような二輪用の第2の方向(水平方向)に直線状に延びる対称なカットオフラインCLと、図5(b)に示すような四輪用の第2の方向(水平方向)に段差を有して延びる非対称なカットオフラインCLとがある。
一方、本実施形態の車両用灯具1では、走行用ビーム(ハイーム)として、第2の光源3から出射された第2の光L2を投影レンズ4により車両の前方に向けて投影する。これにより、ロービーム用配光パターンの上方にハイビーム用配光パターン(第2の配光パターン)を形成することが可能である。
具体的に、この車両用灯具1について、第1の方向(鉛直方向)に沿った断面(縦断面)及び第2の方向(水平方向)に沿った断面(横断面)おける第1の光L1及び第2の光L2の光路をまとめたものを図6に示す。
なお、図6には、車両用灯具1の横断面及び縦断面において、第1の光L1の光路を「LOW」とし、第1の出射面8aから出射される第2の光L2(ワイド光L21)の光路を「HI WIDE」とし、第2の出射面8bから出射される第2の光L2(スポット光L22)の光路を、「HI SPOT」として図示している。
第1の光源2から出射された第1の光L1は、投影レンズ4の第1の入射面6a(第1の入射部6)から入射した後、出射部8の第1の出射面8aから出射されることによって、上述したロービーム用配光パターンを形成する。
第2の光源3から出射された第2の光L2は、投影レンズ4の第2の入射面7a(第2の入射部7)から入射した後、出射部8の第1の出射面8a及び第2の出射面8bから出射されることによって、上述したハイビーム用配光パターンを形成する。
このうち、第1の出射面8aから出射される第2の光L2は、第2の反射面10bで反射されずに、第2の入射面7a(第2の入射部7)から第1の出射面8aに直接向かう光成分であり、第1の出射面8aから拡散しながら出射されるため、ハイビーム用配光パターンを第2の方向(幅方向)に拡げるワイド光L21となる。
一方、第2の出射面8bから出射される第2の光L2は、第2の反射面10bで反射された後、第2の出射面8bに向かう光成分であり、第2の出射面8bから集光しながら出射されるため、ハイビーム用配光パターンの中央部分(遠方)を明るくするスポット光L22となる。
また、本実施形態の車両用灯具1について、投影レンズ4に正対した仮想鉛直スクリーンに対して、第1の光L1及び第2の光L2を投影したときの光源像を図7~図10に示す。
なお、図7は、第1の光L1により仮想鉛直スクリーンの面上に形成されたロービーム用配光パターンを示す光度分布図である。図8は、第2の光L2により仮想鉛直スクリーンの面上に形成されたハイビーム用配光パターンを示す光度分布図である。図9は、図8に示すハイビーム用配光パターンのうち、ワイド光L21により仮想鉛直スクリーンの面上に形成された配光パターンを示す光度分布図である。図10は、図8に示すハイビーム用配光パターンのうち、スポット光L22により仮想鉛直スクリーンの面上に形成された配光パターンを示す光度分布図である。
本実施形態の車両用灯具1では、図7~図10に示すように、上述した第1の光源2及び第2の光源3から出射された第1の光L1及び第2の光L2を投影レンズ4により投影することによって、良好なロービーム用配光パターン及びハイビーム用配光パターンを得ることが可能である。
また、本実施形態の車両用灯具1では、上述した第1の光源2及び第2の光源3を隣接して配置することで、この車両用灯具1の更なる小型化が可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態の車両用灯具1は、車両の前方に向けて投影される光の配光パターンを可変に制御する配光可変ヘッドランプ(ADB:Adaptive Driving Beam)を構成するものであってもよい。ADBは、車載カメラで前走車や対向車、歩行者などを認識し、前方のドライバーや歩行者に眩しさを与えることなく、夜間におけるドライバーの前方視界を拡大する技術である。
例えば、本実施形態の車両用灯具1は、車両の前方に向けて投影される光の配光パターンを可変に制御する配光可変ヘッドランプ(ADB:Adaptive Driving Beam)を構成するものであってもよい。ADBは、車載カメラで前走車や対向車、歩行者などを認識し、前方のドライバーや歩行者に眩しさを与えることなく、夜間におけるドライバーの前方視界を拡大する技術である。
本実施形態の車両用灯具1がADBを構成する場合は、例えば図11及び図12に示すように、複数の第2の光源3を第2の方向(幅方向)に並べて配置する。また、第2の入射部7において、複数の第2の光源3の各々に対応した第2の入射面7aを第2の方向(幅方向)に並べて配置する。
さらに、第2の入射部7において、互いに隣り合う第2の入射面7aの各間を第1の方向(高さ方向)に切り欠くスリット11を第2の方向(幅方向)に並べて配置する。これにより、スリット11を挟んだ両側に一対の反射面12a,12bが形成される。一対の反射面12a,12bは、スリット11の底部において互いに突き合わされている。
これにより、第2の入射部7では、各第2の光源3から出射された第2の光L2を各第2の入射面7aから投影レンズ4の内部へと入射することが可能である。また、第2の入射部7では、各第2の入射面7aから入射した第2の光L2の一部を一対の反射面12a,12bにより出射部8に向けて反射することが可能である。
なお、上記実施形態では、上述した自動二輪車や自動三輪車などの鞍乗型車両の車両用前照灯(ヘッドランプ)に本発明を適用した場合を例示したが、四輪自動車などの車両の前端側の両コーナー部に搭載される車両用前照灯(ヘッドランプ)に本発明を適用することも可能である。
1…車両用灯具 2…第1の光源 3…第2の光源 4…投影レンズ 5…回路基板 6…第1の入射部 6a…第1の入射面 7…第2の入射部 7a…第2の入射面 8…出射部 8a…第1の出射面 8b…第2の出射面 9…スリット 10a…第1の反射面 10b…第2の反射面 11…スリット 12a,12b…反射面 S1…第1の出射面の焦点 S2…第2の出射面の焦点 L1…第1の光(すれ違い用ビーム/ロービーム) L2…第2の光(走行用ビーム/ハイビーム) L21…ワイド光 L22…スポット光
Claims (7)
- 第1の光を出射する第1の光源と、
前記第1の光源と隣接して配置されて、前記第1の光と同一方向に向けて第2の光を出射する第2の光源と、
前記第1の光及び前記第2の光を互いに同一方向に向けて投影する投影レンズとを備え、
前記投影レンズは、前記第1の光源と対向する側に位置する第1の入射部と、
前記第2の光源と対向する側に位置する第2の入射部と、
前記第1の入射部及び前記第2の入射部とは反対側に位置する出射部と、
前記第1の入射部と前記第2の入射部との間を切り欠くスリットとを含むことを特徴とする車両用灯具。 - 前記出射部は、前記第1の入射部と前記第2の入射部とが並ぶ第1の方向において、前記第1の入射部と同じ側に位置する第1の出射面と、前記第2の入射部と同じ側に位置する第2の出射面とを含み、
前記第1の出射面は、前記第1の方向において凸状に湾曲し、前記第1の方向とは直交する第2の方向において凹状に湾曲したレンズ面により構成され、
前記第2の出射面は、前記第1の方向において凸状に湾曲し、前記第2の方向において凸状に湾曲したレンズ面により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。 - 前記第1の出射面を構成するレンズ面の焦点と、前記第2の出射面を構成するレンズ面の焦点とは、前記第2の光源から出射される第2の光の光軸に沿った方向において、互いに異なった位置にあることを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
- 前記投影レンズは、前記スリットを挟んだ一方側に位置して、前記第1の入射部から入射した第1の光の一部を反射する第1の反射面と、
前記スリットを挟んだ他方側に位置して、前記第2の入射部から入射した第2の光の一部を反射する第2の反射面とを含み、
前記第1の反射面と前記第1の反射面とは、前記スリットの底部において互いに突き合わされていることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の車両用灯具。 - 前記第1の入射部は、平面により構成される第1の入射面を含み、
前記第2の入射部は、平面により構成される第2の入射面を含むことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の車両用灯具。 - 前記第1の光源及び前記第2の光源は、同じ基板の同一面上に設けられていることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の車両用灯具。
- 前記投影レンズにより投影される第1の光が、上端に前記スリットの底部により形成されるカットオフラインを含む第1の配光パターンを形成し、
前記投影レンズにより投影される第2の光が、前記第1の配光パターンよりも上方に位置する第2の配光パターンを形成することを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の車両用灯具。
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JP2021067044A JP2022162292A (ja) | 2021-04-12 | 2021-04-12 | 車両用灯具 |
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FR3145594A1 (fr) * | 2023-02-02 | 2024-08-09 | Savoy Electronic Lighting | Dispositif d’eclairage avant pour vehicule terrestre |
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- 2021-04-12 JP JP2021067044A patent/JP2022162292A/ja active Pending
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