JPH0668370U - 回転体と固定体間の伝送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 内筒部２を有する内側ケース１と外筒部５を
有する外側ケース４とを相対的に回転可能に組み合わ
せ、内側ケース１と外側ケース４で囲まれる空間内にフ
ラットケーブル７をゼンマイ巻きにして収納し、フラッ
トケーブル７の内端部を内側ケースのコネクタ部３に、
外端部を外側ケースのコネクタ部６に接続したものにお
いて、外側ケースのコネクタ部６を外側ケース４に対し
回動可能にした。 【効果】 自動車等への組み付けの際に、回動可能なコ
ネクタ部６を相手方コネクタが差込みやすい方向に向け
て、相手方コネクタの差込み接続作業を行うことがで
き、組み付け作業をきわめて容易に能率よく行える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、往復回転する回転体と固定体間で電気信号、光信号あるいは電力な どを伝送するのに用いる回転体と固定体間の伝送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば自動車のステアリング軸側の機器（回転体）に、車体側の機器（ 固定体）から電気信号を送る場合には、摺動接触部のない伝送装置が用いられて いる。

【０００３】 この伝送装置は、内筒部を有する内側ケースと外筒部を有する外側ケースとを 同軸配置して相対的に回転可能に組み合わせ、内側ケースと外側ケースで囲まれ る環状空間内にフラットケーブルを一方向に又は途中に巻き方向反転部ができる ように巻回した状態で収納し、フラットケーブルの内端部を内側ケースのコネク タ部に、外端部を外側ケースのコネクタ部に接続した構造となっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の装置は、内側ケースのコネクタ部および外側ケースのコネクタ部がそれ ぞれケースと一体となっており、相手方（ワイヤーハーネス側）コネクタの差込 み方向は伝送装置の軸線方向と平行である。このためこの伝送装置を車体等に組 み付けた後に、そのコネクタ部に相手方コネクタを差込み接続する場合には、差 込み方向が規制され、しかもこの作業は狭いスペースで手さぐり状態で行われる のが普通であるため、きわめて作業性がわるいという問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記のような課題を解決した回転体と固定体間の伝送装置を提供す るもので、その構成は、内筒部を有する内側ケースと外筒部を有する外側ケース とを同軸配置して相対的に回転可能に組み合わせ、内側ケースと外側ケースで囲 まれる環状空間内にフラットケーブルを一方向に又は途中に巻き方向反転部がで きるように巻回した状態で収納し、フラットケーブルの内端部を内側ケースのコ ネクタ部に、外端部を外側ケースのコネクタ部に接続してなる回転体と固定体間 の伝送装置において、前記内側ケースのコネクタ部および外側ケースのコネクタ 部の一方または双方をケースに対し回動可能に取り付けたことを特徴とするもの である。

【０００６】

【作用】

このようにすると、内側ケースまたは外側ケースのコネクタ部を、作業しやす い方向に向けて相手方コネクタを差込み接続することが可能となり、作業性が改 善される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明する。 図１および図２は本考案の一実施例を示す。図において、１は内筒部２とコネ クタ部３を有する内側ケース、４は外筒部５とコネクタ部６を有する外側ケース 、７はフラットケーブルである。

【０００８】 内側ケース１と外側ケース４は同軸配置され、相対的に回転可能に組み合わさ れている。フラットケーブル７は内側ケース１と外側ケース４で囲まれる環状空 間内にゼンマイ巻き状に巻回された状態で収納されている（なお図１では分かり 易くするためフラットケーブル７をらせん巻き状に描いてあるが実際にはゼンマ イ巻き状である）。フラットケーブル７の内端部は内側ケース１のコネクタ部３ の端子８に溶接接続されており、かつフラットケーブル７の外端部は外側ケース ４のコネクタ部６の端子９に溶接接続されている。端子８、９はそれぞれ樹脂モ ールドブロック１０、１１によりコネクタ部３、６内の定位置に固定されている 。

【０００９】 上記構成の装置は、例えば内側ケース１を回転体（ステアリング軸）に取り付 け、外側ケース４を固定体（車体）に取り付けると、内側ケース１はフラットケ ーブル７の巻き締まり、巻き広がりの可能な範囲で往復回転することができ、摺 動接触部なしで回転体と固定体間を電気的に接続できるものである。

【００１０】 さてこの実施例の装置の特徴は、外側ケース４側のコネクタ部６が外側ケース ４とは別部品で作られ、そのコネクタ部６が図２に示すように軸ピン１２により 回動自在に外側ケース４に取り付けられていることである。これによりコネクタ 部６は図１のＡの状態からＢの状態へ（またはその逆へ）回動させることが可能 である。

【００１１】 したがってコネクタ部６に、例えば車体側のワイヤーハーネス１３のコネクタ １４を接続するときは、コネクタ部６をまずＢの状態にしてコネクタ１４を斜め 方向から差込み接続した後、Ａの状態に戻せばよい。このようにすればコネクタ １４の差込み接続作業の自由度が大きくなり、作業性が改善される。

【００１２】 なおこの実施例では、内側ケース１のコネクタ部３は固定であるため、ステア リング軸側のワイヤーハーネス１５のコネクタ１６を接続するときは、差込み方 向が軸線方向に規制されるが、もし必要があれば内側ケース１のコネクタ部３も 回動可能にすることもできる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、内側ケースのコネクタ部および外側ケー スのコネクタ部の一方または双方がケースに対し回動可能になっているので、自 動車等への組み付けの際には、回動可能なコネクタ部を相手方コネクタが差込み やすい方向に向けて、相手方コネクタの差込み接続作業を行うことができ、組み 付け作業をきわめて容易に能率よく行える利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例に係る回転体と固定体間の
伝送装置を示す縦断面図。

【図２】 図１の装置における外側ケースのコネクタ部
の横断面図。 １：内側ケース ２：内筒部 ３：コネクタ部 ４：外側ケース ５：外筒部 ６：コネクタ部 ７：フラットケーブル ８、９：端子 １０、１１：樹脂モールドブロック １２：軸ピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内筒部を有する内側ケースと外筒部を有す
   る外側ケースとを同軸配置して相対的に回転可能に組み
   合わせ、内側ケースと外側ケースで囲まれる環状空間内
   にフラットケーブルを一方向に又は途中に巻き方向反転
   部ができるように巻回した状態で収納し、フラットケー
   ブルの内端部を内側ケースのコネクタ部に、外端部を外
   側ケースのコネクタ部に接続してなる回転体と固定体間
   の伝送装置において、前記内側ケースのコネクタ部およ
   び外側ケースのコネクタ部の一方または双方がケースに
   対し回動可能になっていることを特徴とする回転体と固
   定体間の伝送装置。