JP2004158684A - トロイダルコイル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルの巻線数に関わらず簡単な作業で組み立てることができ、且つ、導線の損傷を引き起こすことのないトロイダルコイルを提供する。
【解決手段】両端面が傾斜面とされた中空円筒形状をなし、長辺部2aと短辺部2bとを有する略台形の断面形状を有し、且つ、長辺部の端部に円筒係合部2c、及びC字係合部2dを備えた複数のボビン2と、各ボビン2に捲回される導線4と、複数個のコア片3aからなり、全体として円環形状をなすリングコア3と、を有し、各ボビン2どうしを、円筒係合部2c、及びC字係合部2dにて連結すると共に、各ボビン2の短辺部2bを内側に向けた状態で中空部に各コア片3aを挿通し、その後、各コア片3aを連結することにより全体として円環形状を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】両端面が傾斜面とされた中空円筒形状をなし、長辺部2aと短辺部2bとを有する略台形の断面形状を有し、且つ、長辺部の端部に円筒係合部2c、及びC字係合部2dを備えた複数のボビン2と、各ボビン2に捲回される導線4と、複数個のコア片3aからなり、全体として円環形状をなすリングコア3と、を有し、各ボビン2どうしを、円筒係合部2c、及びC字係合部2dにて連結すると共に、各ボビン2の短辺部2bを内側に向けた状態で中空部に各コア片3aを挿通し、その後、各コア片3aを連結することにより全体として円環形状を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トロイダルコイル及びその製造方法に係り、簡単な作業で製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
トロイダルコイル(円形断面単層環状コイル)は、リング形状をなすコアに導線を捲回して構成される。このようなトロイダルコイルは、リングコアに導線を1ターンずつ巻き付ける作業が必要であるので、多くの手間、工数がかかるという欠点がある。
【0003】
そこで、この問題を解決するため、特開2001−068364号公報(以下、特許文献1という)に記載された技術が提案されている。該特許文献1では、図6に示すように、予め導線を捲回して筒状コイル101を形成し、この筒状コイル101の空芯部に、分割されたリングコア102のそれぞれを挿入する。この際、筒状コイル101をリング状に撓めながら、リングコア102を該筒状コイル101の空芯部に挿入する。その後、リングコア102の分割面を接合して、全体として円環形状をなすトロイダルコイルを構成する。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−068364号公報(図6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されたものは、予め導線を捲回して形成した筒状コイル101をリング状に撓ませる必要があるので、コイルの巻き数が少ない場合でしか採用することができない。
【0006】
また、リングコア102を空芯部に挿入する際に、導線に傷が付き易いので、組立作業が容易でない。
【0007】
この発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、コイルの巻線数に関わらず簡単な作業で組み立てることができ、且つ、導線の損傷を引き起こすことのないトロイダルコイル、及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、リングコアに導線を捲回してなるトロイダルコイルにおいて、両端面が傾斜面とされた中空円筒形状をなし、長辺部と短辺部とを有する略台形の断面形状を有し、且つ、前記長辺部の端部に連結係合部を備えた複数のボビンと、前記各ボビンに捲回される導線と、複数個のコア片からなり、全体として円環形状をなすリングコアと、を有し、前記各ボビンどうしを、前記連結係合部にて連結すると共に、各ボビンの短辺部を内側に向けた状態で中空部に前記各コア片を挿通し、その後、各コア片を連結することにより全体として円環形状を形成することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記導線は、一つのボビンに捲回された後、該ボビンの長辺部側より隣接するボビン側に引き回し、当該隣接するボビンに連続して捲回されることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記連結係合部は導電性材料にて構成され、前記各ボビンに捲回された導線の端部は、ボビンが有する2つの連結係合部に連結され、互いに隣接したボビンに捲回された各導線は、前記連結係合部を介して電気的に接続されることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、リングコアに導線を捲回してなるトロイダルコイルにおいて、可撓性材料にて形成された複数のボビン体と、前記各ボビン体が有する各ボビンに捲回される導線と、円弧形状をなす複数のコア片からなり、全体とし円環形状をなすリングコアと、を有し、前記ボビン体は、両端面が傾斜面とされた中空円筒形状をなし長辺部と短辺部とを有する略台形の断面形状を有する複数のボビンを、当該各ボビンの前記長辺部の端部にて接合して形成され、且つ、前記短辺部を内側に向けて撓ませた際に、円弧形状をなす構成を有し、前記各コア片を前記各ボビン体の中空部に挿通した後、前記コア片どうしを連結することにより、全体として円環形状を形成することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の方法発明は、リングコアに導線を捲回してなるトロイダルコイルを製造する方法において、両端面が傾斜面とされた中空円筒形状をなし、長辺部と短辺部とを有する略台形の断面形状を有し、且つ、前記長辺部の端部に連結係合部を備えた複数のボビンを前記連結係合部にて連結する工程と、前記連結された複数のボビンを略直線状に配置した状態で、各ボビンに導線を捲回する工程と、複数個のコア片からなり、全体として円環形状をなすリングコアの、各コア片を前記ボビンの中空部に挿通し、その後、各コア片を連結することにより、前記連結されたボビンを円環形状に形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るトロイダルコイルを示す構成図、図2は、導線を捲回する際の様子を示す説明図、図3は、ボビンの連結を連結する様子を示す説明図である。
【0014】
図1,図2に示すように、該トロイダルコイル1は、中空部を有する複数のボビン2と、2つのコア片3aを有し各ボビン2の中空部に挿通され全体として円環形状をなすリングコア3と、各ボビン2に捲回される導線4と、を具備している。
【0015】
ボビン2は、中空円筒形状をなし、2つの端面はそれぞれ所定の角度を持った傾斜面とされている。即ち、長辺部2aと短辺部2bとを有する略台形の断面形状をなしている。また、図3(a)、(b)に示すように、長辺部2aの一方の端部には、円筒係合部2c(連結係合部)が設けられ、他方の端部にはC字係合部2d(連結係合部)が設けられている。
【0016】
また、円筒係合部2c、及びC字係合部2dは、同図(b)に示すように、中心部が切り欠かれている。この切り欠き部は、後述するように、導線4を通す部分となる。
【0017】
そして、互いに隣接するボビン2の円筒係合部2cとC字係合部2dとを連結することにより、2つのボビン2を傾動可能に連結することができる。
【0018】
次に、上述のように構成された本実施形態に係るトロイダルコイル1を製造する際の手順について説明する。ここでは、ボビン2の数が9個である場合を例に挙げて説明する。
【0019】
まず、図2に示すように、4個のボビン2を上述した円筒係合部2cとC字係合部2dとを用いて連結し、更に、各ボビン2の中空部に直線状の軸芯5を挿通する。
【0020】
そして、この状態で、一般的に使用されている巻線機を用いて各ボビン2に導線4を捲回する。この際、各ボビン2間では、図3(a)、(b)に示すように、長辺部2a側から、円筒係合部2c、及びC字係合部2dの切り欠き部を通して導線4を引き回し、連結する。他の5個のボビン2についても、同様の手順で連結し、且つ、導線4を捲回する。
【0021】
次いで、図4に示すように、連結された各ボビン2の、短辺部2bが内側を向くように撓ませ、この状態で、各ボビン2が有する中空部にコア片3aを挿通させる。その後、2つのコア片3aどうしを連結し、且つ、一方の連結部にて導線4どうしを連結することにより、図1に示したような円環形状のトロイダルコイル1が形成される。
【0022】
このようにして、本実施形態に係るトロイダルコイル1では、複数のボビン2を直線状に配置した状態で、各ボビン2に導線4を捲回することができるので、一般的な巻線機を使用して導線4を捲回することができる。これにより、導線4を捲回する労力を著しく軽減することができ、製造時間の短縮化、及び低コスト化を図ることができる。
【0023】
更に、リングコア3を構成するコア片3aを挿入する際に、該コア片3aと導線4とが接触しないので、製造時に導線4を損傷するというトラブルを回避することができる。
【0024】
また、隣接するボビン2間に引き回される導線4は、ボビン2の長辺部2a側の円筒係合部2cとC字係合部2dに形成された切り欠き部を通るので、導線4に無理な力が加えられることなく、断線の発生を防止することができる。
【0025】
また、上記した第1の実施形態に係るトロイダルコイル1の変形例として、円筒係合部2c、及びC字係合部2dを導電性材料にて形成し、各ボビン2に捲回される導線4の端部を、それぞれ円筒係合部2c、及びC字係合部2dに連結するように構成することも可能である。このような構成とすれば、互いに隣接するボビン2の円筒係合部2cとC字係合部2dとを連結することにより、2つのボビン2の導線4どうしが電気的に接続されるので、ボビン2間を引き回す導線4を省略することができる。
【0026】
なお、本実施形態では、リングコア3を2つのコア片3aに分割する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3以上に分割することも可能である。
【0027】
次に、本発明の第2の実施形態に係るトロイダルコイルについて説明する。図5は、第2の実施形態に係るトロイダルコイル11の構成図であり、同図に示すように、該トロイダルコイル11は、4個のボビン12が連結されたボビン体13aと、4個のボビン12が連結されたボビン体13bとを有している。各ボビン体13a,13bは、可撓性を有する材質にて構成されている。また、各ボビン12は、前述した第1の実施形態と同様に、長辺部12aと短辺部12bとを有する略台形の断面形状をなしており、且つ、中空円筒形状とされている。
【0028】
更に、各ボビン12は、長辺部12aの端部にて隣接するボビン12と連結されている。即ち、ボビン体13a,13bは、それぞれ一体構造とされている。従って、各ボビン体13a,13bは、ボビンどうしが可撓性材料で接続される構造となるため、ボビン12を直線状に配置したり、また、その連結部を撓ませることにより、短辺部12bを内側に向けた円弧形状とすることが可能である。
【0029】
次に、第2の実施形態に係るトロイダルコイル11を製造する際の手順について説明する。上述したように、各ボビン体13a,13bは可撓性を有する材質にて構成されているので、各ボビン12が直線状になるように配置する。即ち、図2に示したように、各ボビン12の中心軸が一致するように配置する。
【0030】
そして、この状態で各ボビン12に導線14を捲回する。その後、ボビン12の短辺部12bが内側を向くようにして各ボビン体13a,13bを撓ませ、この状態で、各ボビン体13a,13bの中空部にリングコア15を構成するコア片15aを挿入する。そして、2つのコア片15aを連結することにより、円環形状のトロイダルコイル11を形成することができる。
【0031】
このようにして、第2の実施形態では、可撓性材料にて構成された2つのボビン体13a,13bを用いているので、各ボビン12に導線を捲回する作業を極めて容易に行うことができる。これにより、製造時間の短縮化、製造コストの低減化を図ることができる。
【0032】
なお、第2の実施形態では、2つのボビン体13a,13b、及び2つのコア片15aを用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上に分割した構成とすることも可能である。
【0033】
以上、本発明のトロイダルコイル及びその製造方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0034】
例えば、上述した各実施形態では、9個のボビンを用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るトロイダルコイル及びその製造方法では、複数のボビンを直線状に配置した状態で、各ボビンに導線を捲回することができるので、導線を捲回する作業を極めて容易に行うことができる。
【0036】
また、ボビンの中空部内にコアを挿入する際に、コアと導線とが接触しないので、導線を損傷するというトラブルの発生を防止することができる。更に、隣接するボビン間に引き回される導線は、ボビンの長辺部側を通して配置されるので、導線に無理な力が加えられることなく、断線の発生を防止することができる。
【0037】
また、連結係合部として導電性材料を用いる構成とすれば、各ボビン間での導線の引き回しを省略することができる。
【0038】
更に、可撓性材料で構成されたボビン体を用いる構成とすれば、該ボビン体を直線状に配置することができるので、導線を捲回する作業を容易に行うことができ、また、ボビンどうしが可撓性材料で接続される構成となるため、各ボビン体を容易に円形状に撓ませることができるので、手間をかけずに円環形状とすることができる。これにより、トロイダルコイルを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るトロイダルコイルを示す構成図である。
【図2】ボビンを直線状に配置し、導線を捲回する様子を示す説明図である。
【図3】隣接するボビンの連結の様子を示す説明図である。
【図4】2つのコア片を連結してトロイダルコイルを形成する際の様子を示す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るトロイダルコイルを示す構成図である。
【図6】従来におけるトロイダルコイルの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1,11 トロイダルコイル
2,12 ボビン
2a,12a 長辺部
2b,12b 短辺部
2c 円筒係合部(連結係合部)
2d C字係合部(連結係合部)
3,15 リングコア
3a,15a コア片
4,14 導線
5 軸芯
13a,13b ボビン体
【発明の属する技術分野】
本発明は、トロイダルコイル及びその製造方法に係り、簡単な作業で製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
トロイダルコイル(円形断面単層環状コイル)は、リング形状をなすコアに導線を捲回して構成される。このようなトロイダルコイルは、リングコアに導線を1ターンずつ巻き付ける作業が必要であるので、多くの手間、工数がかかるという欠点がある。
【0003】
そこで、この問題を解決するため、特開2001−068364号公報(以下、特許文献1という)に記載された技術が提案されている。該特許文献1では、図6に示すように、予め導線を捲回して筒状コイル101を形成し、この筒状コイル101の空芯部に、分割されたリングコア102のそれぞれを挿入する。この際、筒状コイル101をリング状に撓めながら、リングコア102を該筒状コイル101の空芯部に挿入する。その後、リングコア102の分割面を接合して、全体として円環形状をなすトロイダルコイルを構成する。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−068364号公報(図6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されたものは、予め導線を捲回して形成した筒状コイル101をリング状に撓ませる必要があるので、コイルの巻き数が少ない場合でしか採用することができない。
【0006】
また、リングコア102を空芯部に挿入する際に、導線に傷が付き易いので、組立作業が容易でない。
【0007】
この発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、コイルの巻線数に関わらず簡単な作業で組み立てることができ、且つ、導線の損傷を引き起こすことのないトロイダルコイル、及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、リングコアに導線を捲回してなるトロイダルコイルにおいて、両端面が傾斜面とされた中空円筒形状をなし、長辺部と短辺部とを有する略台形の断面形状を有し、且つ、前記長辺部の端部に連結係合部を備えた複数のボビンと、前記各ボビンに捲回される導線と、複数個のコア片からなり、全体として円環形状をなすリングコアと、を有し、前記各ボビンどうしを、前記連結係合部にて連結すると共に、各ボビンの短辺部を内側に向けた状態で中空部に前記各コア片を挿通し、その後、各コア片を連結することにより全体として円環形状を形成することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記導線は、一つのボビンに捲回された後、該ボビンの長辺部側より隣接するボビン側に引き回し、当該隣接するボビンに連続して捲回されることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記連結係合部は導電性材料にて構成され、前記各ボビンに捲回された導線の端部は、ボビンが有する2つの連結係合部に連結され、互いに隣接したボビンに捲回された各導線は、前記連結係合部を介して電気的に接続されることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、リングコアに導線を捲回してなるトロイダルコイルにおいて、可撓性材料にて形成された複数のボビン体と、前記各ボビン体が有する各ボビンに捲回される導線と、円弧形状をなす複数のコア片からなり、全体とし円環形状をなすリングコアと、を有し、前記ボビン体は、両端面が傾斜面とされた中空円筒形状をなし長辺部と短辺部とを有する略台形の断面形状を有する複数のボビンを、当該各ボビンの前記長辺部の端部にて接合して形成され、且つ、前記短辺部を内側に向けて撓ませた際に、円弧形状をなす構成を有し、前記各コア片を前記各ボビン体の中空部に挿通した後、前記コア片どうしを連結することにより、全体として円環形状を形成することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の方法発明は、リングコアに導線を捲回してなるトロイダルコイルを製造する方法において、両端面が傾斜面とされた中空円筒形状をなし、長辺部と短辺部とを有する略台形の断面形状を有し、且つ、前記長辺部の端部に連結係合部を備えた複数のボビンを前記連結係合部にて連結する工程と、前記連結された複数のボビンを略直線状に配置した状態で、各ボビンに導線を捲回する工程と、複数個のコア片からなり、全体として円環形状をなすリングコアの、各コア片を前記ボビンの中空部に挿通し、その後、各コア片を連結することにより、前記連結されたボビンを円環形状に形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るトロイダルコイルを示す構成図、図2は、導線を捲回する際の様子を示す説明図、図3は、ボビンの連結を連結する様子を示す説明図である。
【0014】
図1,図2に示すように、該トロイダルコイル1は、中空部を有する複数のボビン2と、2つのコア片3aを有し各ボビン2の中空部に挿通され全体として円環形状をなすリングコア3と、各ボビン2に捲回される導線4と、を具備している。
【0015】
ボビン2は、中空円筒形状をなし、2つの端面はそれぞれ所定の角度を持った傾斜面とされている。即ち、長辺部2aと短辺部2bとを有する略台形の断面形状をなしている。また、図3(a)、(b)に示すように、長辺部2aの一方の端部には、円筒係合部2c(連結係合部)が設けられ、他方の端部にはC字係合部2d(連結係合部)が設けられている。
【0016】
また、円筒係合部2c、及びC字係合部2dは、同図(b)に示すように、中心部が切り欠かれている。この切り欠き部は、後述するように、導線4を通す部分となる。
【0017】
そして、互いに隣接するボビン2の円筒係合部2cとC字係合部2dとを連結することにより、2つのボビン2を傾動可能に連結することができる。
【0018】
次に、上述のように構成された本実施形態に係るトロイダルコイル1を製造する際の手順について説明する。ここでは、ボビン2の数が9個である場合を例に挙げて説明する。
【0019】
まず、図2に示すように、4個のボビン2を上述した円筒係合部2cとC字係合部2dとを用いて連結し、更に、各ボビン2の中空部に直線状の軸芯5を挿通する。
【0020】
そして、この状態で、一般的に使用されている巻線機を用いて各ボビン2に導線4を捲回する。この際、各ボビン2間では、図3(a)、(b)に示すように、長辺部2a側から、円筒係合部2c、及びC字係合部2dの切り欠き部を通して導線4を引き回し、連結する。他の5個のボビン2についても、同様の手順で連結し、且つ、導線4を捲回する。
【0021】
次いで、図4に示すように、連結された各ボビン2の、短辺部2bが内側を向くように撓ませ、この状態で、各ボビン2が有する中空部にコア片3aを挿通させる。その後、2つのコア片3aどうしを連結し、且つ、一方の連結部にて導線4どうしを連結することにより、図1に示したような円環形状のトロイダルコイル1が形成される。
【0022】
このようにして、本実施形態に係るトロイダルコイル1では、複数のボビン2を直線状に配置した状態で、各ボビン2に導線4を捲回することができるので、一般的な巻線機を使用して導線4を捲回することができる。これにより、導線4を捲回する労力を著しく軽減することができ、製造時間の短縮化、及び低コスト化を図ることができる。
【0023】
更に、リングコア3を構成するコア片3aを挿入する際に、該コア片3aと導線4とが接触しないので、製造時に導線4を損傷するというトラブルを回避することができる。
【0024】
また、隣接するボビン2間に引き回される導線4は、ボビン2の長辺部2a側の円筒係合部2cとC字係合部2dに形成された切り欠き部を通るので、導線4に無理な力が加えられることなく、断線の発生を防止することができる。
【0025】
また、上記した第1の実施形態に係るトロイダルコイル1の変形例として、円筒係合部2c、及びC字係合部2dを導電性材料にて形成し、各ボビン2に捲回される導線4の端部を、それぞれ円筒係合部2c、及びC字係合部2dに連結するように構成することも可能である。このような構成とすれば、互いに隣接するボビン2の円筒係合部2cとC字係合部2dとを連結することにより、2つのボビン2の導線4どうしが電気的に接続されるので、ボビン2間を引き回す導線4を省略することができる。
【0026】
なお、本実施形態では、リングコア3を2つのコア片3aに分割する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3以上に分割することも可能である。
【0027】
次に、本発明の第2の実施形態に係るトロイダルコイルについて説明する。図5は、第2の実施形態に係るトロイダルコイル11の構成図であり、同図に示すように、該トロイダルコイル11は、4個のボビン12が連結されたボビン体13aと、4個のボビン12が連結されたボビン体13bとを有している。各ボビン体13a,13bは、可撓性を有する材質にて構成されている。また、各ボビン12は、前述した第1の実施形態と同様に、長辺部12aと短辺部12bとを有する略台形の断面形状をなしており、且つ、中空円筒形状とされている。
【0028】
更に、各ボビン12は、長辺部12aの端部にて隣接するボビン12と連結されている。即ち、ボビン体13a,13bは、それぞれ一体構造とされている。従って、各ボビン体13a,13bは、ボビンどうしが可撓性材料で接続される構造となるため、ボビン12を直線状に配置したり、また、その連結部を撓ませることにより、短辺部12bを内側に向けた円弧形状とすることが可能である。
【0029】
次に、第2の実施形態に係るトロイダルコイル11を製造する際の手順について説明する。上述したように、各ボビン体13a,13bは可撓性を有する材質にて構成されているので、各ボビン12が直線状になるように配置する。即ち、図2に示したように、各ボビン12の中心軸が一致するように配置する。
【0030】
そして、この状態で各ボビン12に導線14を捲回する。その後、ボビン12の短辺部12bが内側を向くようにして各ボビン体13a,13bを撓ませ、この状態で、各ボビン体13a,13bの中空部にリングコア15を構成するコア片15aを挿入する。そして、2つのコア片15aを連結することにより、円環形状のトロイダルコイル11を形成することができる。
【0031】
このようにして、第2の実施形態では、可撓性材料にて構成された2つのボビン体13a,13bを用いているので、各ボビン12に導線を捲回する作業を極めて容易に行うことができる。これにより、製造時間の短縮化、製造コストの低減化を図ることができる。
【0032】
なお、第2の実施形態では、2つのボビン体13a,13b、及び2つのコア片15aを用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上に分割した構成とすることも可能である。
【0033】
以上、本発明のトロイダルコイル及びその製造方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0034】
例えば、上述した各実施形態では、9個のボビンを用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るトロイダルコイル及びその製造方法では、複数のボビンを直線状に配置した状態で、各ボビンに導線を捲回することができるので、導線を捲回する作業を極めて容易に行うことができる。
【0036】
また、ボビンの中空部内にコアを挿入する際に、コアと導線とが接触しないので、導線を損傷するというトラブルの発生を防止することができる。更に、隣接するボビン間に引き回される導線は、ボビンの長辺部側を通して配置されるので、導線に無理な力が加えられることなく、断線の発生を防止することができる。
【0037】
また、連結係合部として導電性材料を用いる構成とすれば、各ボビン間での導線の引き回しを省略することができる。
【0038】
更に、可撓性材料で構成されたボビン体を用いる構成とすれば、該ボビン体を直線状に配置することができるので、導線を捲回する作業を容易に行うことができ、また、ボビンどうしが可撓性材料で接続される構成となるため、各ボビン体を容易に円形状に撓ませることができるので、手間をかけずに円環形状とすることができる。これにより、トロイダルコイルを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るトロイダルコイルを示す構成図である。
【図2】ボビンを直線状に配置し、導線を捲回する様子を示す説明図である。
【図3】隣接するボビンの連結の様子を示す説明図である。
【図4】2つのコア片を連結してトロイダルコイルを形成する際の様子を示す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るトロイダルコイルを示す構成図である。
【図6】従来におけるトロイダルコイルの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1,11 トロイダルコイル
2,12 ボビン
2a,12a 長辺部
2b,12b 短辺部
2c 円筒係合部(連結係合部)
2d C字係合部(連結係合部)
3,15 リングコア
3a,15a コア片
4,14 導線
5 軸芯
13a,13b ボビン体
Claims (5)
- リングコアに導線を捲回してなるトロイダルコイルにおいて、
両端面が傾斜面とされた中空円筒形状をなし、長辺部と短辺部とを有する略台形の断面形状を有し、且つ、前記長辺部の端部に連結係合部を備えた複数のボビンと、
前記各ボビンに捲回される導線と、
複数個のコア片からなり、全体として円環形状をなすリングコアと、を有し、
前記各ボビンどうしを、前記連結係合部にて連結すると共に、各ボビンの短辺部を内側に向けた状態で中空部に前記各コア片を挿通し、その後、各コア片を連結することにより全体として円環形状を形成することを特徴とするトロイダルコイル。 - 前記導線は、一つのボビンに捲回された後、該ボビンの長辺部側より隣接するボビン側に引き回し、当該隣接するボビンに連続して捲回されることを特徴とする請求項1に記載のトロイダルコイル。
- 前記連結係合部は導電性材料にて構成され、前記各ボビンに捲回された導線の端部は、ボビンが有する2つの連結係合部に連結され、互いに隣接したボビンに捲回された各導線は、前記連結係合部を介して電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のトロイダルコイル。
- リングコアに導線を捲回してなるトロイダルコイルにおいて、
可撓性材料にて形成された複数のボビン体と、
前記各ボビン体が有する各ボビンに捲回される導線と、
円弧形状をなす複数のコア片からなり、全体とし円環形状をなすリングコアと、を有し、
前記ボビン体は、両端面が傾斜面とされた中空円筒形状をなし長辺部と短辺部とを有する略台形の断面形状を有する複数のボビンを、当該各ボビンの前記長辺部の端部にて接合して形成され、且つ、前記短辺部を内側に向けて撓ませた際に、円弧形状をなす構成を有し、
前記各コア片を前記各ボビン体の中空部に挿通した後、前記コア片どうしを連結することにより、全体として円環形状を形成することを特徴とするトロイダルコイル。 - リングコアに導線を捲回してなるトロイダルコイルを製造する方法において、
両端面が傾斜面とされた中空円筒形状をなし、長辺部と短辺部とを有する略台形の断面形状を有し、且つ、前記長辺部の端部に連結係合部を備えた複数のボビンを前記連結係合部にて連結する工程と、
前記連結された複数のボビンを略直線状に配置した状態で、各ボビンに導線を捲回する工程と、
複数個のコア片からなり、全体として円環形状をなすリングコアの、各コア片を前記ボビンの中空部に挿通し、その後、各コア片を連結することにより、前記連結されたボビンを円環形状に形成する工程と、
を有することを特徴とするトロイダルコイルの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2002323840A JP2004158684A (ja) | 2002-11-07 | 2002-11-07 | トロイダルコイル及びその製造方法 |
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Country | Link |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006147821A (ja) * | 2004-11-19 | 2006-06-08 | Cosel Co Ltd | 空芯トロイダルコイルの製造方法およびトロイダルコイル |
US7391294B2 (en) * | 2002-12-20 | 2008-06-24 | Wellington Drive Technologies Limited | Electrodynamic machine |
CN111316536A (zh) * | 2017-10-17 | 2020-06-19 | 移动磁体技术公司 | 环形多相电机 |
JP2020113646A (ja) * | 2019-01-11 | 2020-07-27 | 日置電機株式会社 | 巻線用ボビン、巻線部品及び電流センサ |
WO2023008007A1 (ja) * | 2021-07-30 | 2023-02-02 | 株式会社村田製作所 | インダクタ部品およびその製造方法 |
-
2002
- 2002-11-07 JP JP2002323840A patent/JP2004158684A/ja active Pending
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