JPH066805U - 歯車の防食装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間の休止中に、潤滑油塗布の為の空運転
を不要として、確実に防食を行える。 【構成】 ギヤボックス３の上部に、減速用の駆動歯車
６および受動歯車９の上方に開口する複数の散油孔13が
形成されたオイルヘッダー12を設け、このオイルヘッダ
ー12に吐出管17を介して潤滑油10を供給するオイルポン
プ16を設けた。 【効果】 長期間の休止中に適宜オイルポンプを駆動し
てオイルヘッダーから潤滑油を散布し、歯車の歯面に塗
布して油膜を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、１年〜数年に１度ぐらいしか使用しないたとえばダムの巻き上げ機 のウインチ用減速機等に設けられる歯車の防食装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、１年〜数年に１度ぐらいしか使用しないたとえばダムの巻き上げ機のウ インチ用減速機の歯車は、油溜めより上部の露出する部分に錆が発生するため、 歯車表面への潤滑油による被覆を目的として時々空運転し、油溜め内の潤滑油を 歯車の表面に付着させる防食作業を行っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記防食作業は、空運転であるため、巻き上げ機のワイヤロープを空 巻き代を設ける必要があり、また空巻き代があっても巻き過ぎると危険が伴うた め、空運転でも極めて注意深く作業を行う必要があった。

【０００４】 本考案は、長期間の休止中に防食のための空運転を不要として、確実に防食を 行える歯車の防食装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記問題点を解決するために本考案の歯車の防食装置は、ギヤボックス上部に 、歯車の上方に開口する複数の散油孔が形成されたオイルヘッダーを設け、この オイルヘッダーに潤滑油を供給するオイルポンプを設けたものである。

【０００６】

【作用】

上記構成によれば、適宜オイルポンプを駆動して潤滑油をオイルヘッダーに送 り、散油孔から歯車に潤滑油を散布することにより、歯車の表面に潤滑油を付着 させて油膜を形成し、錆の発生を防止することができる。したがって、従来のよ うに空運転による潤滑油の付着を行わなくてよく、たとえば巻き上げ機のウイン チ用減速機であればワイヤロープの空巻き代を設ける必要もなくなる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案に係る歯車の防食装置の一実施例を図１に基づいて説明する。 １は本考案の歯車防食装置２を具備した巻き上げ機のウインチ用減速機で、ウ インチ用減速機１のギヤボックス３内には、巻き上げ用モーター４の出力軸４ａ に連結された駆動軸５に減速用駆動歯車６が設けられるとともに、巻き上げ機入 力軸７に連結された受動軸８に、減速用駆動歯車６に噛み合う減速用受動歯車９ が設けられている。ギヤボックス３の底部ケーシング３ａには、減速用駆動歯車 ６および減速用受動歯車９の下端部が潤滑油１０に没入する油溜め１１が形成さ れている。

【０００８】 １２はギヤボックス３の上部で減速用駆動歯車６および減速用受動歯車９の歯 面６ａ，９ａ上方位置に配置されたオイルヘッダーで、ギヤボックス３の上部ケ ーシング３ｂにヘッダー空間を開けてヘッダーケース１２ａが取り付けられて構 成され、前記上部ケーシング３ｂには減速用駆動歯車６および減速用受動歯車９ の歯面６ａ，９ａの上方に対向する位置に複数の散油孔１３が形成されている。 前記ギヤボックス３の底部ケーシング３ａには、油溜め１１に連通するオイル流 出口１４が形成されて吸引管１５が接続され、この吸引管１５は電動式オイルポ ンプ１６の吸入口に接続されている。そして、このオイルポンプ１６の吐出口に 接続された吐出管１７が、オイルヘッダー１２のヘッダーケース１２ａ頂部に形 成されたオイル流入口１８に接続されている。また、前記オイルポンプ１６の駆 動電源ケーブル２０ａにはタイマー２０が介在されて、タイマー２０にセットさ れた期間毎に一定時間オイルポンプ１６を駆動し、油溜め１１内の潤滑油１０を 吸引管１５から吐出管１７を介してオイルヘッダー１２に供給することができる ように構成されている。１９は吸引管１５に接続されたドレンコックである。

【０００９】 上記構成によれば、巻き上げ機の駆動時と駆動時の間の休止期間中に、タイマ ー２０により一定期間毎にオイルポンプ１６を駆動することで、油溜め１１内の 潤滑油１０を吸引管１５および吐出管１７を介してオイルヘッダー１２に送り、 オイルヘッダー１２の散油孔１３から潤滑油を下方に散布して、油溜め１１の潤 滑油１０に浸されていない減速用駆動歯車６および減速用受動歯車９の歯面６ａ ，９ａを中心に潤滑油を塗布することができる。これにより、歯面６ａ，９ａの 表面に油膜を形成して空気と遮断することができ、錆の発生を未然に防止するこ とができる。

【００１０】 上記実施例では、オイルポンプ１６を電動式としてタイマー２０を接続したが 、これを手動式として、作業員が一定期間ごとにオイルポンプ１６を駆動しても よい。

【００１１】

【考案の効果】

以上に述べたごとく本考案によれば、適宜オイルポンプを駆動して潤滑油をオ イルヘッダーに送り、散油孔から歯車に潤滑油を散布することにより、歯車の表 面に潤滑油を付着させて油膜を形成し、錆の発生を防止することができる。した がって、長期の休止期間のある歯車装置であっても、従来のように空運転による 潤滑油の付着を行わなくてよく、たとえば巻き上げ機のウインチ用減速機であれ ばワイヤロープを空巻き代を設ける必要もなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る歯車防食装置を具備した減速機の
一実施例を示す一部切欠き斜視図である。

【符号の説明】

１ ウインチ用減速機 ２ 歯車防食装置 ３ ギヤボックス ３ｂ 上部ケーシング ５ 駆動軸 ６ 減速用駆動歯車 ６ａ 歯面 ７ 巻き上げ機入力軸 ８ 受動軸 ９ 減速用受動歯車 ９ａ 歯面 10 潤滑油 11 油溜め 12 オイルヘッダー 13 散油孔 15 吸引管 16 オイルポンプ 18 オイル流入口 20 タイマー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ギヤボックス上部に、歯車の上方に開口
   する複数の散油孔が形成されたオイルヘッダーを設け、
   このオイルヘッダーに潤滑油を供給するオイルポンプを
   設けたことを特徴とする歯車の防食装置。