JPH0667908B2 - 1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンの製造方法 - Google Patents

1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンの製造方法

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JPH0667908B2
JPH0667908B2 JP2122986A JP2122986A JPH0667908B2 JP H0667908 B2 JPH0667908 B2 JP H0667908B2 JP 2122986 A JP2122986 A JP 2122986A JP 2122986 A JP2122986 A JP 2122986A JP H0667908 B2 JPH0667908 B2 JP H0667908B2
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輝幸 永田
勝 和田
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三井東圧化学株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、式1で示されるN,N′−ジアルキルエチレ
ンジアミン (式中、Rは−C2H5、−C3H7、−C4H9である)及び/ま
たはその塩酸塩と、ホスゲンとを反応させて、式2で示
される1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン (式中、Rは式1のRと同じ。) を製造する方法の改良に関する。
上記式2で示される1,3−ジアルキル−2−イミダゾ
リジノンは極性非プロトン溶媒として有用な物質であ
る。とくにポリアミド類、ポリ塩化ビニル、ポリビニル
アルコール、ポリスチレン、ポリウレタン、フエノール
樹脂などの高分子化合物に優れた溶媒であり、また無機
塩類の多くのものと錯塩を形成して溶解し、多くの有機
反応の溶媒としても用いられる有用な物質である。
〔従来の技術〕
1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンの中でも一
般によく知られている1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン(DMI)の製造方法は多数提案されている。例え
ば、エチレンジアミンと尿素を反応後、ホルマリンを付
加させた反応生成物をトリクロロ酢酸、ギ酸などで還元
する方法、またこれらの還元方法を改良したものとして
貴金属触媒を使用した酸性下に水素添加する方法が提案
されている。
さらにN,N′−ジメチルエチレンジアミンとホスゲン
をトルエンなどの溶媒中で反応させるDMIの製造方法
も既に知られている〔ジヤーナル オブ ザ ケミカル
ソサイアテイー(J.Chem.Soc.1947 315頁)〕が、
収率は20%未満に過ぎない。またその改良方法とし
て、ホスゲン誘導体であるトリクロロメチルクロロホー
メートをホスゲンの替りに使用して、同じくトルエン等
有機溶媒中、脱塩酸剤及び触媒の存在下で反応させるこ
とにより収率70%以上でDMIを製造する方法(特開
昭53−73561号公報)も提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
N,N′−ジメチルエチレンジアミンと直接ホスゲンと
を反応させてDMIを製造する方法はこのように公知で
あるが、収率を極めて低く工業的方法としては満足でき
るものではなかった。この為の改良法として、前記のよ
うにホスゲンの替りにトリクロロメチルクロロホーメー
トを用い反応時反応系内で触媒によってホスゲンに分解
しながら反応させる方法が提案されている。しかしなが
らこの方法はわざわざホスゲン2量体であるトリクロロ
メチルクロロホーメートをつくり、DMI製造時には再
びホスゲンに分解して使用すると言った廻りくどい方法
であり、直接ホスゲンと反応させて高収率で得ることが
できるなら、より安価な工業的製造方法であることは明
白である。
〔問題を解決するための手段〕
本発明者らは、ホスゲンを用いた1,3−ジアルキル−
2−イミダゾリジノンの工業的製造方法を鋭意検討し以
下の知見を得た。
通常、ホスゲンを使用する反応は極力水の存在しない条
件下に実施され、さらにホスゲンはアルカリ性水溶液中
にて容易に加水分解されることが知られており、本発明
方法では大過剰量のホスゲンが必要となるであろうこと
が予想された。しかし意外にも、本発明方法において
は、ホスゲンはその化学量論量の1.1〜1.5倍で充分であ
ることが判明し、かつ、水及び脱塩酸剤を存在させてお
くことにより、DMIのみならず、N,N′−ジアルキ
ルエチレンジアミンとホスゲンの反応においても収率は
従来法より飛躍的に向上した。さらに、水存在下に、脱
塩酸剤によって反応時のpHを一定範囲、即ち、3.0〜10.
0に維持すればさらに飛躍的に収率が向上することがわ
かり、本発明に達したものである。
したがって、本発明の目的はN,N′−ジアルキルエチ
レンジアミンとホスゲンとから高い収率で1,3−ジア
ルキル−2−イミダゾリジノンを製造する改善された方
法を提供することである。
本発明方法では、水が実質的に存在している状態、即ち
水媒体中で反応が実施されるので、ホスゲン化反応によ
り副生する塩酸により逐次生成するN,N′−ジアルキ
ルエチレンジアミンの塩酸塩は、反応時に系外に析出す
ることなく、水に溶解されるので、いかなる場合におい
て均一状態で反応は実施できる。その為、反応時のpHの
管理も極めて容易に実施することができる。
また反応時に脱塩酸剤を併用するので、脱塩酸剤が副生
塩酸のキヤツチに効率よく作用するだけでなく、特にpH
を3.0〜10.0の範囲に維持しながら反応を行なうと、従
来の技術では予想もできない程の高収率で目的生成物が
得られる。その理由は、N,N′−ジアルキルエチレン
ジアミンのモノカルボキシクロライドが、分子内で一方
の窒素に結合している水素と反応閉環する際、とくにpH
を管理しておくことにより分子間での反応による副生物
及びホスゲンとの反応によるN,N′−ジカルボキシク
ロライドの生成等副生物の生成を抑制することが可能と
なった為と考えられる。
本発明において、前記式1で示される原料のN,N′−
ジアルキルエチレンジアミンとしては、N,N′−ジエ
チルエチレンジアミン、N,N′−ジプロピルエチレン
ジアミン、N,N′−ジイソピルエチレンジアミン、
N,N′−ジブチルエチレンジアミンなどである。これ
らのジアルキルエチレンジアミンは、相応するモノアミ
ンとエチレンジクロライドとの反応により容易に得るこ
とができる。
これらのN,N′−ジアルキルエチレンジアミンは直接
ホスゲン化させるか、塩酸塩にしてホスゲンとの反応に
供せられる。
しかしながら、反応をpH3.0〜10.0に維持しながら実施
する方法では、反応当初より塩酸塩として仕込むのが有
利である。
N,N′−ジアルキルエチレンジアミン塩酸塩として使
用する場合は、塩酸を当量用いてN,N′−ジアルキル
エチレンジアミン二塩酸塩として仕込めば、反応当初の
pHは約3程度となり、得られた二塩酸塩をホスゲン化反
応させても反応速度は極めて遅い。従って、塩酸塩とし
て使用する場合は塩酸を当量以下反応させた一塩酸塩付
近で反応させるのが好ましく、二塩酸塩を最初から仕込
む場合は脱塩酸剤で予め脱塩酸してpHを3以上とした
後、ホスゲン化反応を行なう。
また、N,N′−ジアルキルエチレンジアミンをそのま
ま仕込んで反応させる場合は、反応当初のpHは11以上
となり、ホスゲン化反応前に予め塩酸を加えておき、pH
を10以下にして行うのがよい。
本発明に用いられる水は、実質的に存在している必要が
あり、あらかじめ反応器中に入れておいてもよいし、脱
塩酸剤と一緒に、たとえばアルカリ金属化合物の水溶液
として滴下装入してもよい。使用する水の量は特に限定
されないが、均一反応が維持できる程度の充分な量が好
ましく、N,N′−ジアルキルエチレンジアミンに対し
て、0.5〜50重量倍、好ましくは5〜30重量倍がよい。
本発明で用いられる脱塩酸剤は、トリメチルアミン、ト
リエチルアミンのような脂肪族第三級アミン、ジメチル
アニリン、ジエチルアニリンのような芳香族第三級アミ
ン、ピリジン、ピラジンのような複素環式第三級アミン
などのような第三級アミンまたは、水酸化ナトリウム、
炭酸ナトリウムのようなアルカリ金属化合物が好適であ
る。
もし脱塩酸剤を使用しなければ、原料自体が副生塩酸の
キヤツチ剤となり、それ以上反応を進めることは困難と
なる。
また、本発明における反応温度は特に限定されないが、
好ましくは0〜70℃で行なう。
本発明の方法の好ましい実施態様では、上記脱塩酸剤に
よって反応時のpHを3.0〜10.0、好ましくは4.0〜9.0、
さらに好ましくは5.0〜8.0に維持しながら反応させる。
pHが低い場合、目的生成物の選択率は高いが、反応速度
が低下する傾向があり、逆に、pHが高い場合、反応速度
は大きくなるが、目的生成物への選択率が低下する傾向
となるので、出来得る限り中性付近で行うのが好まし
い。
また本発明の方法で用いられるホスゲン及び脱塩酸剤量
は、特に限定されないが原料ジアミンに対して化学量論
量の1.1〜1.5倍で充分である。また、ホスゲンに対する
脱塩酸剤量はほぼ化学量論量で良い。
本発明方法の通常の好ましい態様は次のようになる。
還流冷却器、温度計、ホスゲン吹き込み管、滴下ロー
ト、pH測定用電極及び攪拌機を備えた反応器中に、水及
びN,N′−ジアルキルエチレンジアミンを加える。そ
のまま反応を開始しても良いが、好ましくは塩酸を加え
て仕込み液のpHを3.0〜10.0程度にする。この液を適当
な温度下に攪拌しながら、ホスゲンをホスゲン吹込み管
より導入すると同時に脱塩酸剤を滴下ロートより滴下す
る。これにより反応液のpHを3.0〜10.0、好ましくは4.0
〜9.0、さらに好ましくは5.0〜8.0に維持する。
吹き込み及び滴下終了後、窒素により未反応ホスゲンを
パージし、抽出及び/もしくは蒸留等の常法により目的
生成物を取り出す。
以下実施例を示す。
実施例1 還流冷却器、温度計、滴下ロート、ホスゲン吹き込み管
及び攪拌機を備えた300mの4つ口フラスコ中に水
100m、N,N′−ジエチルエチレンジアミン11.6
g(0.1モル)を入れ、一方滴下ロート中にトリエチル
アミンを20.2g(0.2モル)用意した。フラスコを20
℃に維持し、攪拌しながらホスゲンをホスゲン吹き込み
管を通して10g/hrで1時間吹き込んだ。同時に、ト
リエチルアミンを滴下ロートより1時間かけて滴下し
た。吹き込み及び滴下終了後、20℃で1時間熟成し
た。この反応マスをサンプリングしてガスクロマトグラ
フイーにより1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン
の定量を行なった。理論収率は76.6%であった。
実施例2 N,N′−ジエチルエチレンジアミンの代りに、N,
N′−ジプロピルエチレンジアミン14.4g(0.1モル)
を使用した以外実施例1の通りに反応分析を行なった。
その結果、理論収率70.0%で1,3−ジプロピル−2−
イミダゾリジノンが生成していた。
実施例3 還流冷却器、温度計、滴下ロート、ホスゲン吹き込み
管、pH測定用電極、及び攪拌機を備えた500mのフ
ラスコ中に水100m、N,N′−ジエチルエチレン
ジアミン23.2g(0.2モル)及び36%塩酸30.4g(0.3
モル)を装入した。一方、滴下ロート中に20%水酸化
ナトリウム水168.0g(0.8モル)用意した。冷却しなが
ら反応温度を20℃に維持し、攪拌下にホスゲンを10
g/hrで2時間吹き込んだ。同時に、水酸化ナトリウム
水を2時間かけて反応後のpHを7.0±0.3に管理しながら
滴下した。
吹き込み及び滴下終了後、窒素20/分で0.2時間系
内をパージした。この反応マスをサンプリングして、ガ
スクロマトグラフイーにより1,3−ジエチル−2−イ
ミダゾリジノンの定量を行なったところ、未反応N,
N′−ジエチレエチレンジアミン1.2g(転化率94.8
%)と1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノンが25.6
g(選択率95.2%)生成していた。
反応終了後に48%水酸化ナトリウム水を加えてpH10
付近とした後、1,2−ジクロルエタン150g/回で
2回抽出し、油層を分離後蒸留して、1,3−ジエチル
−2−イミダゾリジノン(沸点146〜149℃/20
〜25mmHgの留分)24.5gを得た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式1で示されN,N′−ジアルキルエチレ
    ンジアミン (式中、Rは−C2H5、−C3H7、−C4H9である。) と、ホスゲンとの反応により式2で示される1,3−ジ
    アルキル−2−イミダゾリジノン (式中、Rは式1のRと同じ。) を得るに際し、実質的に水及び脱塩酸剤の存在下に反応
    させることを特徴とする1,3−ジアルキル−2−イミ
    ダゾリジノンの製造方法。
  2. 【請求項2】式1で示されN,N′−ジアルキルエチレ
    ンジアミン (式中、Rは−C2H5、−C3H7、−C4H9である。) 及び/またはその塩酸塩と、ホスゲンとの反応により式
    2で示される1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノ
    (式中、Rは式1のRと同じ。) を得るに際し、水溶媒中で、脱塩酸剤によりpHを3.0〜1
    0.0に維持しながら反応させることを特徴とする1,3
    −ジアルキル−2−イミダゾリジノンの製造方法。
  3. 【請求項3】pHを5.0〜8.0に維持する特許請求の範囲第
    2項記載の方法。
  4. 【請求項4】脱塩酸剤が第3級アミンである特許請求の
    範囲第1項または第2項記載の方法。
  5. 【請求項5】脱塩酸剤がアルカリ金属化合物である特許
    請求の範囲第1項または第2項記載の方法。
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