JPH066786U - 偏心差動方式減速機 - Google Patents

偏心差動方式減速機

Info

Publication number
JPH066786U
JPH066786U JP5085292U JP5085292U JPH066786U JP H066786 U JPH066786 U JP H066786U JP 5085292 U JP5085292 U JP 5085292U JP 5085292 U JP5085292 U JP 5085292U JP H066786 U JPH066786 U JP H066786U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eccentric
center line
gear
speed reducer
teeth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5085292U
Other languages
English (en)
Other versions
JP2563266Y2 (ja
Inventor
元一 中山
良治 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoho Machine Works Ltd
Original Assignee
Kyoho Machine Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoho Machine Works Ltd filed Critical Kyoho Machine Works Ltd
Priority to JP5085292U priority Critical patent/JP2563266Y2/ja
Publication of JPH066786U publication Critical patent/JPH066786U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2563266Y2 publication Critical patent/JP2563266Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Retarders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏心差動方式減速機の中心部分に貫通した中
空スペースを確保するとともに、減速比の設定の自由度
を向上させる。 【構成】 複数のクランク軸34にそれぞれ固定された
スパーギヤ38の各々と噛み合うようにリングギヤ48
を配設するとともに、そのリングギヤ48と噛み合うよ
うにインプットギヤ52を一中心線Lから偏心して設
け、保持部材14および偏心ギヤ22,24の中央部を
貫通して第1駆動シャフト60や第2駆動シャフト62
等を配設できるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ロボットの駆動機構などとして用いられる偏心差動方式減速機の改 良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動化された製造ライン等において配設されている工業用ロボットには、その 駆動機構の一部に減速機が用いられていることが多く、このような用途に用いら れる減速機の一種に偏心差動方式減速機がある。かかる偏心差動方式減速機は、 (a)一中心線まわりに多数の内周歯が設けられた環状部材と、(b)その環状 部材に対して上記一中心線まわりの相対回転可能に配設されるとともに、その一 中心線から偏心した位置において複数のクランク軸をそれぞれその軸心まわりの 回転可能に保持している保持部材と、(c)前記環状部材の内周歯と歯数が異な る外周歯を有してその環状部材の内側に偏心して配設されるとともに前記複数の クランク軸と係合させられ、それら複数のクランク軸が互いに同期して回転駆動 されることにより、前記外周歯の一部が前記内周歯と噛み合う状態で前記一中心 線まわりに偏心回転させられる偏心回転部材とを備え、前記環状部材および前記 保持部材の一方が前記一中心線まわりの回転不能に固定されることにより、前記 クランク軸に入力された回転を減速してそれら環状部材および保持部材の他方か ら出力を取り出すもので、共振点が高く剛性に優れる等の利点から最近特に多用 されるようになってきている。
【0003】 図7はこのような偏心差動方式減速機の一例を示す断面図であり、図8はその 構造的な概念図である。環状部材100は内周歯として多数のピン102を備え ており、そのピン102の数よりも1つ少ない歯数のトロコイド外周歯104を 備えた一対の偏心ギヤ(偏心回転部材)106,108が内側に偏心して配設さ れて、その外周歯104が上記ピン102と部分的に噛み合わされている。偏心 ギヤ106,108を両側から挟む2部材から構成された保持部材110は、ベ アリング112を介して環状部材100に対して一中心線まわりの相対回転可能 に配設されている。その保持部材110にベアリング114を介して回転可能に 配設されたクランク軸116は、一部を省略した左側面図である図9に示すよう に周方向の3箇所に等角度間隔で配置されており、その端部には互いに歯数が等 しいスパーギヤ118がそれぞれ固定されている。スパーギヤ118は、その各 々が中央のインプットギヤ120と噛み合わされており、各スパーギヤ118が 固定されたクランク軸116の偏心軸部122および124の回転がそれぞれ同 期させられている。上記インプットギヤ120にはサーボモータ等の出力軸が連 結されるようになっており、インプットギヤ120が回転駆動されると3つのク ランク軸116が同期回転させられ、これらのクランク軸116の偏心軸部12 2,124にそれぞれベアリング126を介して係合している偏心ギヤ106, 108は、その外周歯104の一部が環状部材100のピン102と噛み合いつ つ前記一中心線まわりに偏心回転させられる。上記一対の偏心軸部122,12 4はクランク軸116の軸心に対して対称的に偏心させられており、一対の偏心 ギヤ106,108は互いに反対側へ偏心させられて環状部材100と噛み合わ されるようになっている。
【0004】 そして、例えば一方の偏心ギヤ108は、図7の状態では図の下部において外 周歯104が環状部材100のピン102と噛み合っているが、インプットギヤ 120が図9における左まわりに回転駆動されてスパーギヤ118が右まわりに 略半回転した図10に示す状態となるまでの間では、偏心ギヤ108が図10に おける左側半分のピン102と噛み合いつつ偏心回転して、図の上部においてピ ン102と噛み合う位置にくる。このとき、ピン102の個数よりも内周歯10 4の歯数が1つ少ないため、偏心ギヤ108さらにはクランク軸116を介して その偏心ギヤ108を保持している保持部材110は、ピン102の半ピッチ分 の角度だけ環状部材100に対して相対回転させられることになる。そして、さ らにインプットギヤ120が左まわりに回転駆動されてスパーギヤ118がさら に半回転したときには、図11に示すように偏心ギヤ108が右側半分のピン1 02と噛み合いつつ偏心回転して再び図の下部においてピン102と噛み合う状 態となり、偏心ギヤ108および保持部材110は、ピン102の1ピッチ分の 角度だけ環状部材100に対して左まわりに相対回転させられたことになる。こ のようにして、スパーギヤ118の1回転毎に偏心ギヤ106および108更に は保持部材110が上記1ピッチ分の角度ずつ環状部材100に対して相対回転 させられるのであり、保持部材110および環状部材100の一方を回転不能に 固定すれば、他方からスパーギヤ118の回転を減速して取り出すことができる 。なお、インプットギヤ120とスパーギヤ118との歯数比に応じて第1段の 減速が行われる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このような偏心差動方式減速機をロボット等のアーム基端部な どに配設しようとする場合、アーム先端側における手首軸等の機構部を駆動する ための駆動軸やケーブルなどをその内部を通して配設することが困難であった。 具体的には、前記図7の偏心差動方式減速機においてその中心付近にスペースを 確保するために、例えば図12に示すように、歯車列128を1段設けてインプ ットギヤ130に対する駆動源入力軸132の連結位置を偏心させるとともに、 そのインプットギヤ130の中心に中空穴134を貫通して設けたとしても、イ ンプットギヤ130の歯底径以下の内径を有するものしか形成し得ないため、上 記駆動軸やケーブルを通し得る充分なスペースを確保することが困難であり、加 えて、そのインプットギヤ130自体を支えるベアリング136等の軸受構造が 必要となって構造が複雑となる不都合があった。
【0006】 また、インプットギヤ(入力回転部材)とスパーギヤ(中間回転部材)との歯 数比に応じて第1段の減速が行われるが、インプットギヤは複数のスパーギヤの 中心に配設されてそれらと直接噛み合わされているため、軸間距離等の相互関係 によって減速比の設定の自由度が制限されるとともに、減速比を変更する場合に は全部のギヤを変更する必要があるなどの問題があった。
【0007】 本考案は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、 中心部分に駆動軸やケーブルなどを貫通して配設できるとともに減速比の設定の 自由度が高い偏心差動方式減速機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本考案は、前記(a)環状部材と、前記(b)保 持部材と、前記(c)偏心回転部材とを備え、前記環状部材および前記保持部材 の一方が前記一中心線まわりの回転不能に固定されることにより、前記クランク 軸に入力された回転を減速してそれら環状部材および保持部材の他方から出力す る偏心差動方式減速機において、(d)前記複数のクランク軸にそれぞれ固定さ れた互いに歯数が等しい複数の中間回転部材と、(e)それら複数の中間回転部 材の各々に相対回転不能に噛み合わされた環状の動力伝達部材と、(f)前記一 中心線から偏心した位置に配設され、前記複数の中間回転部材および前記動力伝 達部材の何れかと噛み合わされて回転駆動する入力回転部材と、(g)前記一中 心線上において前記保持部材および前記偏心回転部材を貫通して設けられた挿通 孔とを有することを特徴とする。
【0009】
【作用および考案の効果】
上記偏心差動方式減速機においては、複数の中間回転部材、およびその複数の 中間回転部材の各々に相対回転不能に噛み合わされた環状の動力伝達部材の何れ かが、一中心線から偏心した位置に配設された入力回転部材によって回転駆動さ れ、互いに歯数の等しい複数の中間回転部材が動力伝達部材と噛み合いつつ回転 させられることにより、複数のクランク軸が同期して回転駆動されて偏心回転部 材が偏心回転させられる。これにより、クランク軸を介してその偏心回転部材を 保持している保持部材と環状部材とが所定の減速比で相対回転させられ、それら の一方が回転不能に固定されることにより他方から減速出力を取り出すことがで きる。
【0010】 ここで、本考案の偏心差動方式減速機は、複数のクランク軸や入力回転部材が 一中心線から偏心した位置に配設されているため、その一中心線上において偏心 回転部材および保持部材を貫通して挿通孔を設けることが可能で、その挿通孔内 を通して例えばロボットアーム等の駆動軸やケーブル等を配設することができる 。
【0011】 また、動力伝達部材を介して回転が伝達される中間回転部材および入力回転部 材は、従来のように軸間距離等の相互関係に拘束されることなく、歯数を比較的 自由に且つ広範囲に変更できるため、それらによる第1段減速比の設定範囲が拡 大するとともに、入力回転部材の歯数を変更するだけで減速比を変えることがで きるなど、比較的容易に変更できるようになる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】 図1は、本考案の一実施例である偏心差動方式減速機(以下、単に減速機とい う)10を示す図であり、この減速機10が用いられたロボットアームの基端部 付近における一中心線Lと平行な断面図である。また、図2はその図1における IIa−IIa 断面および IIb−IIb 断面を紙面の左右に半分ずつ示す複合断面図で ある。この減速機10は、ロボットアームの基端部においてベース部材12に保 持部材14が一体的に取り付けられているとともに、アーム部材16に環状部材 18が一体的に連結されており、駆動源から入力された回転を減速して環状部材 18から出力することにより、アーム部材16が一中心線Lまわりに回転駆動さ れるように構成されている。なお、図示は省略するが、ロボットアームの先端側 には手首軸等の作動軸が設けられている。
【0014】 一中心線Lを中心とする円筒状の環状部材18の内周面には、ピン歯車を構成 する内周歯としての多数(本実施例では40本)のピン20が一中心線Lと平行 に一定のピッチで一体的に設けられている。環状部材18の内側には、円板状を なす一対の偏心ギヤ22および24が一中心線Lに対して直角な姿勢で偏心して 配設されており、それぞれの外周には上記多数のピン20と噛み合い可能なトロ コイド歯形の外周歯26がピン20より1つ少ない数だけ一定のピッチで設けら れている。これら偏心ギヤ22,24は偏心回転部材に相当するものであり、外 周歯26とピン20とが部分的に噛み合う状態で環状部材18内を偏心回転させ られるようになっている。また、偏心ギヤ22,24は、それぞれ周方向におい て等間隔で3つの逃げ穴28を備えている。保持部材14は、それら3箇所の逃 げ穴28を貫通しつつそれらの両側に位置してピン29およびボルト31により 一体的に連結された第1部材14aおよび第2部材14bにて構成されており、 その第1部材14aはピン33およびボルト35によりベース部材12に固設さ れている。前記環状部材18は、これら第1部材14aおよび第2部材14bに より一対のベアリング30を介して一中心線Lまわりの回転可能に支持されてい る。なお、保持部材14および環状部材18の外周側の隙間部分にはシール部材 32が介挿されている。
【0015】 保持部材14には、図2から判るように、一中心線Lを中心とする一円周上に おいて等間隔で3本のクランク軸34が配設されており、その各々が一対のベア リング36を介して保持部材14の第1部材14aおよび第2部材14bに軸心 まわりの回転可能に支持されているとともに、そのベース部材12側の端部には それぞれスパーギヤ38がスプライン軸嵌合などにより相対回転不能に固定され ている。これら3つのスパーギヤ38は中間回転部材に相当するものであり、そ れぞれの歯数および諸寸法はいずれも同じである。そして、各クランク軸34の 一対の偏心軸部40および42は、それぞれ上記一対の偏心ギヤ22および24 と、前記3箇所の逃げ穴28の周方向の中間位置においてベアリング44を介し て相対回転可能に係合させられている。この係合により、一対の偏心ギヤ22, 24は、偏心軸部40,42の偏心量だけ一中心線Lに対して偏心させられるよ うになっている。図1において左側の偏心ギヤ22は環状部材18の上部におい てピン20と噛み合っている一方、右側の偏心ギヤ24は逆に環状部材18の下 部においてピン20と噛み合っている。つまり、偏心軸部40,42の偏心位相 が180゜ずらされているのである。なお、それら偏心軸部40および42の各 クランク軸34間での相互の位相は、組付状態で3箇所とも同期するように予め 3つのスパーギヤ38とリングギヤ48との噛合い時の初期角度等が規定されて いる。
【0016】 保持部材14の第1部材14aにはまた、ベアリング46を介してリングギヤ 48が前記3つのスパーギヤ38の外側において一中心線Lまわりの回転可能に 配設されており、各スパーギヤ38はこのリングギヤ48の内周歯50とそれぞ れ噛み合っている。一方、一中心線Lから偏心した位置には、インプットギヤ5 2を出力軸端部に備えたサーボモータ54がベース部材12に固定して配設され ており、そのインプットギヤ52もリングギヤ48の内周歯50に噛み合ってい る。したがって、サーボモータ54が駆動されてインプットギヤ52が図1の左 側面から見て右まわりに回転させられると、リングギヤ48が図2において右ま わりに回転駆動されるとともに3つのスパーギヤ38がそれぞれ図2において右 まわりに回転駆動させられ、一対の偏心ギヤ22,24が同じく右まわりに偏心 回転させられることとなる。このとき、保持部材14および3本のクランク軸3 4の回転中心は位置固定であるため、一対の偏心ギヤ22および24の外周歯2 6の一部と環状部材18のピン20との噛合いにより、それら偏心ギヤ22,2 4が1回転する毎に環状部材18がピン20のピッチに相当する角度(本実施例 では1/40回転)ずつ図2における右まわりに回転させられる。
【0017】 上記のように構成された減速機10の構造的な概念図を図3に示す。本実施例 では上記リングギヤ48が動力伝達部材に相当するとともに、インプットギヤ5 2が入力回転部材に相当する。また、スパーギヤ38、リングギヤ48、インプ ットギヤ52等により第1減速部90が構成されているとともに、保持部材14 、環状部材18、偏心ギヤ22,24、クランク軸34等により第2減速部92 が構成されている。このときのインプットギヤ52の歯数をZ1 , スパーギヤ3 8の歯数をZ2 ,ピン20の本数をZ3 とすると、減速比(環状部材18の回転 数/インプットギヤ52の回転数)iは次式(1)で表される。
【0018】
【数1】 i=Z1 /(Z2 ・Z3 ) ・・・・(1)
【0019】 ところで、前記保持部材14および一対の偏心ギヤ22,24には、一中心線 L付近の中央部に挿通孔56および58がそれぞれ設けられており、それら挿通 孔56および58内には、第1駆動シャフト60、第2駆動シャフト62、およ びケーブル64がそれぞれ挿通させられている。上記第1駆動シャフト60およ び第2駆動シャフト62は、ベアリング66および68を介してベース部材12 により一中心線Lと同心に且つ軸心まわりの回転可能に支持されており、図1に おけるアーム部材16の右方向の図示しない先端側において手首軸等の作動軸と それぞれ連結されている。それら第1駆動シャフト60および第2駆動シャフト 62にはベース部材12側の端部にギヤ70および72がそれぞれ一体的に固定 されている一方、ベース部材12には一中心線Lまわりに上記手首軸等を駆動す るための第2サーボモータ74および第3サーボモータ76がそれぞれ固設され ており、それらサーボモータ74,76の出力軸ギヤ78および80(図4参照 )と上記ギヤ70,72とがそれぞれ噛み合って駆動されることにより、第1駆 動シャフト60および第2駆動シャフト62を介して上記作動軸へ回転が伝達さ れるようになっている。また、ケーブル64は、アーム部材16の先端側との電 気的な接続を行っている。図4は図1における左側面図であり、一中心線Lまわ りにサーボモータ54、第2サーボモータ74および第3サーボモータ76が偏 心して配置されている状態を示している。
【0020】 このように、本実施例においては、スパーギヤ38と噛み合うリングギヤ48 が配設されるとともに、そのリングギヤ48を駆動するインプットギヤ52が一 中心線Lから偏心した位置に配設されていることから、減速機10の一中心線L 付近において保持部材14および偏心ギヤ22,24に挿通孔56,58を形成 し、その挿通孔56,58内を通してアーム部材16先端側における作動軸を駆 動するための第1駆動シャフト60や第2駆動シャフト62、およびケーブル6 4を配設することができる。これにより、駆動シャフトなどをアーム部材16の 外部に露出して配設することなく、減速機10を用いたロボットアームを簡単且 つコンパクトに構成することができるのである。
【0021】 また、リングギヤ48を介して回転が伝達されるインプットギヤ52およびス パーギヤ38は、従来のように軸間距離等の相互関係に拘束されることなく、歯 数Z1 ,Z2 を比較的自由に且つ広範囲に変更できるため、それらに基づく第1 減速部90における減速比の設定可能な範囲が拡大するとともに、容易にその減 速比を変更することが可能となる。
【0022】 図5は、本考案の他の実施例を示す図であり、前述した図1の実施例における リングギヤ48をタイミングベルト82に置き換えるとともに、スパーギヤ38 およびインプットギヤ52をタイミングプーリ84および86にそれぞれ置き換 えたものである。この場合においても、タイミングプーリ86と同心に配設され た図示しないサーボモータ等によりそのタイミングプーリ86が回転駆動される と、タイミングベルト82にそれぞれ相対回転不能に噛み合っている互いに歯数 の等しい3つのタイミングプーリ84が同期して回転させられる。なお、必要に 応じてタイミングプーリ86の位置におけるタイミングベルト82の外側にバッ クアッププーリを設けても良い。そして、一中心線Lの付近には、前記第1駆動 シャフト60、第2駆動シャフト62、およびケーブル64をそれぞれ配設させ 得るだけのスペースが確保されている。上記タイミングベルト82は動力伝達部 材に相当し、タイミングプーリ84は中間回転部材に相当し、タイミングプーリ 86は入力回転部材に相当する。
【0023】 本実施例においても、図1の実施例と同様に一中心線L付近に充分な中空スペ ースを確保できるとともに、減速比の設定の自由度が向上する。また、タイミン グベルト82は、前記リングギヤ48に比較してイナーシャが小さいとともに、 バックラッシを僅少に抑えることができるため、回転精度を上げることが可能と なる。さらに、タイミングベルト82はゴムなどの弾性材料で構成されているこ とから、駆動開始および停止時のイナーシャを吸収して作動を円滑にしたり、出 力側からの衝撃負荷を吸収して減速機の破損を防いだりする効果が得られる。
【0024】 以上、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本考案は他の態様 で実施することもできる。
【0025】 たとえば、前述した図1の実施例においては、保持部材14が固定されるとと もに環状部材18から減速出力される場合について説明したが、図6の構造概念 図に示すように、環状部材18をベース部材12へ回転不能に固定するとともに 保持部材14をアーム部材16に連結し、偏心ギヤ22および24が偏心回転に 伴って自転させられることにより、保持部材14から減速出力させてアーム部材 16を駆動することも可能である。
【0026】 また、前述の実施例のように保持部材14を固定して環状部材18を減速回転 させる場合には、複数のクランク軸34は必ずしも一中心線Lを中心とする一円 周上に配設される必要はなく、一中心線Lから偏心した任意の位置に設けること もできるし、インプットギヤ52やタイミングプーリ86を複数のスパーギヤ3 8またはタイミングプーリ84の任意の一つに噛み合わせることも可能である。
【0027】 また、前述の実施例においては、保持部材14が3本のクランク軸34を保持 するとともに3つのスパーギヤ38がそれぞれ配設されている場合であったが、 クランク軸34の数は2本以上であれば偏心ギヤ22,24を偏心回転させるこ とができるため、クランク軸34およびスパーギヤ38の数は2つでも4つ以上 でも良い。
【0028】 また、前述した図1の実施例においては、互いに噛み合うリングギヤ48、ス パーギヤ38、インプットギヤ52の歯形については特に言及されていなかった が、平歯車やはすば歯車の歯形は勿論、互いに相対回転不能な噛合いが可能であ れば特殊な歯形を有する歯車や他の係合要素も用いられ得る。
【0029】 また、前述の実施例においては、環状部材18に多数のピン20が内周歯とし て設けられるとともに、偏心ギヤ22,24に多数のトロコイド外周歯26が設 けられていたが、これらに替えて、一般的な内歯車における互いに噛合い可能な インボリュート歯形やサイクロイド歯形などの他の歯形の内周歯および外周歯が それぞれ設けられても差し支えない。
【0030】 また、前述の実施例においては、一対の偏心ギヤ22および24が、ピン20 の数より1つ少ない数の外周歯26を有していたが、外周歯26の歯数はピン2 0の数より2つ以上少なくても偏心差動方式減速機を構成することは可能である 。
【0031】 また、前述した図5の実施例においては、タイミングベルト82が動力伝達部 材として用いられ、そのタイミングベルト82に噛み合うタイミングプーリ84 および86が中間回転部材および入力回転部材として用いられた場合であったが 、タイミングベルト82およびタイミングプーリ84,86に替えて、チェーン およびスプロケットが用いられても良い。
【0032】 また、前述の実施例においては、挿通孔56および58内に作動軸を駆動する ための第1駆動シャフト60、第2駆動シャフト62、およびケーブル64が配 設されていたが、空油圧配管やクーラント或いはバキューム用のホース類、更に はパーツフィーダ等の供給ダクトなどを配設することも可能である。
【0033】 また、前述の実施例においては、減速機10がロボットアームの基端部に配設 された場合であったが、多軸関節ロボットの関節部等にも同様に配設することが できる。
【0034】 その他一々例示はしないが、本考案は当業者の知識に基づいて種々の変更,改 良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の偏心差動方式減速機の一実施例を示す
一中心線Lに平行な断面図である。
【図2】図1における IIa−IIa 断面と IIb−IIb 断面
とを複合して示す図である。
【図3】図1に示す偏心差動方式減速機の構造概念図で
ある。
【図4】図1の実施例の左側面図である。
【図5】本考案の他の実施例の要部を示す図である。
【図6】本考案の更に別の実施例を説明するための構造
概念図である。
【図7】従来の偏心差動方式減速機の一例を示す断面図
である。
【図8】図7の従来例の構造概念図である。
【図9】図7の従来例の一部を省略した左側面図であ
る。
【図10】図7の従来例の作動を説明するための要部断
面図である。
【図11】図7の従来例の作動を説明するための要部断
面図である。
【図12】従来の偏心差動方式減速機における問題点を
説明するための要部断面図である。
【符号の説明】
10:偏心差動方式減速機 14:保持部材 18:環状部材 20:ピン(内周歯) 22,24:偏心ギヤ(偏心回転部材) 26:外周歯 34:クランク軸 38:スパーギヤ(中間回転部材) 48:リングギヤ(動力伝達部材) 52:インプットギヤ(入力回転部材) 56,58:挿通孔 82:タイミングベルト(動力伝達部材) 84:タイミングプーリ(中間回転部材) 86:タイミングプーリ(入力回転部材)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一中心線まわりに多数の内周歯が設けられ
    た環状部材と、 該環状部材に対して前記一中心線まわりの相対回転可能
    に配設されるとともに、該一中心線から偏心した位置に
    おいて複数のクランク軸をそれぞれその軸心まわりの回
    転可能に保持している保持部材と、 前記環状部材の内周歯と歯数が異なる外周歯を有して該
    環状部材の内側に偏心して配設されるとともに前記複数
    のクランク軸と係合させられ、該複数のクランク軸が互
    いに同期して回転駆動されることにより、前記外周歯の
    一部が前記内周歯と噛み合う状態で前記一中心線まわり
    に偏心回転させられる偏心回転部材とを備え、前記環状
    部材および前記保持部材の一方が前記一中心線まわりの
    回転不能に固定されることにより、前記クランク軸に入
    力された回転を減速して該環状部材および該保持部材の
    他方から出力する偏心差動方式減速機において、 前記複数のクランク軸にそれぞれ固定された互いに歯数
    が等しい複数の中間回転部材と、 該複数の中間回転部材の各々に相対回転不能に噛み合わ
    された環状の動力伝達部材と、 前記一中心線から偏心した位置に配設され、前記複数の
    中間回転部材および前記動力伝達部材の何れかと噛み合
    わされて回転駆動する入力回転部材と、 前記一中心線上において前記保持部材および前記偏心回
    転部材を貫通して設けられた挿通孔とを有することを特
    徴とする偏心差動方式減速機。
JP5085292U 1992-06-26 1992-06-26 偏心差動方式減速機 Expired - Lifetime JP2563266Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5085292U JP2563266Y2 (ja) 1992-06-26 1992-06-26 偏心差動方式減速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5085292U JP2563266Y2 (ja) 1992-06-26 1992-06-26 偏心差動方式減速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH066786U true JPH066786U (ja) 1994-01-28
JP2563266Y2 JP2563266Y2 (ja) 1998-02-18

Family

ID=12870256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5085292U Expired - Lifetime JP2563266Y2 (ja) 1992-06-26 1992-06-26 偏心差動方式減速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2563266Y2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5344350U (ja) * 1976-09-21 1978-04-15
JP2006038234A (ja) * 2005-10-17 2006-02-09 Nabtesco Corp 回転駆動装置
JP2006046664A (ja) * 2005-09-15 2006-02-16 Nabtesco Corp 駆動モータ付き歯車装置
JP2007321970A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Sumitomo Heavy Ind Ltd 減速機
WO2009081451A1 (ja) * 2007-12-21 2009-07-02 Nabtesco Corporation 偏心型減速機
JP2009275717A (ja) * 2008-05-12 2009-11-26 Nabtesco Corp 減速機
JP4707499B2 (ja) * 2005-08-17 2011-06-22 ナブテスコ株式会社 回転駆動機構
JP2012177481A (ja) * 2003-03-28 2012-09-13 Sumitomo Heavy Ind Ltd 揺動型遊星歯車装置
JP5409397B2 (ja) * 2008-02-07 2014-02-05 ナブテスコ株式会社 歯車伝動装置
JP2014059065A (ja) * 2013-12-20 2014-04-03 Sumitomo Heavy Ind Ltd 揺動型遊星歯車装置
JP2021139427A (ja) * 2020-03-04 2021-09-16 住友重機械工業株式会社 減速装置、ロボットの関節構造の組立方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4657747B2 (ja) * 2005-01-31 2011-03-23 ナブテスコ株式会社 産業用ロボットの関節装置
JP2007218436A (ja) * 2007-05-15 2007-08-30 Nabtesco Corp 産業用ロボットの関節装置
JP2007263372A (ja) * 2007-05-15 2007-10-11 Nabtesco Corp 産業用ロボットの関節装置
JP4658088B2 (ja) * 2007-05-15 2011-03-23 ナブテスコ株式会社 産業用ロボットの関節装置
JP5401707B2 (ja) * 2007-05-23 2014-01-29 ナブテスコ株式会社 減速装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5344350U (ja) * 1976-09-21 1978-04-15
JP2012177481A (ja) * 2003-03-28 2012-09-13 Sumitomo Heavy Ind Ltd 揺動型遊星歯車装置
JP4707499B2 (ja) * 2005-08-17 2011-06-22 ナブテスコ株式会社 回転駆動機構
JP2006046664A (ja) * 2005-09-15 2006-02-16 Nabtesco Corp 駆動モータ付き歯車装置
JP2006038234A (ja) * 2005-10-17 2006-02-09 Nabtesco Corp 回転駆動装置
JP2007321970A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Sumitomo Heavy Ind Ltd 減速機
WO2009081451A1 (ja) * 2007-12-21 2009-07-02 Nabtesco Corporation 偏心型減速機
JP5409397B2 (ja) * 2008-02-07 2014-02-05 ナブテスコ株式会社 歯車伝動装置
JP2009275717A (ja) * 2008-05-12 2009-11-26 Nabtesco Corp 減速機
JP2014059065A (ja) * 2013-12-20 2014-04-03 Sumitomo Heavy Ind Ltd 揺動型遊星歯車装置
JP2021139427A (ja) * 2020-03-04 2021-09-16 住友重機械工業株式会社 減速装置、ロボットの関節構造の組立方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2563266Y2 (ja) 1998-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2563266Y2 (ja) 偏心差動方式減速機
KR101030276B1 (ko) 산업용 로봇의 선회부 구조
US8162789B2 (en) Reduction gear box
US5242336A (en) Planet gear apparatus
JP4267950B2 (ja) 内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置
US7510497B2 (en) Internal teeth oscillating inner gearing planetary gear system
JP2866246B2 (ja) 内接噛合式遊星歯車構造を採用した増減速機シリーズ
KR101408203B1 (ko) 유성기어 방식의 rv감속기
WO2019114033A1 (zh) 一种变厚机器人关节传动结构
KR930004656A (ko) 내접 맞물림 유성기어 구조
JP3893302B2 (ja) 減速機及びギヤドモータ
JP2023184669A (ja) 歯車ユニット
JP7304717B2 (ja) 伝達装置
JP6629106B2 (ja) ロボットの関節駆動構造
JP2000065158A (ja) 内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置
JPH01169154A (ja) 遊星歯車減速機
JP7339745B2 (ja) 伝達装置
JPS62233540A (ja) 遊星歯車減速機の出力軸支持装置
JP4925992B2 (ja) 偏心差動型減速機および該偏心差動型減速機を用いた旋回部構造
JP7220553B2 (ja) 産業機械の回転機構、減速機、産業機械および駆動装置
JPS6388346A (ja) 差動遊星歯車装置
JP2008025846A5 (ja)
WO2019200899A1 (zh) 新型行星减速器
JPS6325108Y2 (ja)
JP2676286B2 (ja) 内接噛合形遊星歯車減速機構を使用した制御装置