JPH0667815U - 能動型消音器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、排気ガスの騒音を、二次音源によ
り積極的に消音するようにした能動型消音器に関し、消
音性能を従来より大幅に向上することを目的とする。 【構成】 排気ガス流入管４９および排気ガス流出管５
１が開口される消音器本体４１内に二次音源５９を配置
するとともに、前記排気ガス流入管４９からの排気ガス
の流入方向Ａと、前記消音器本体４１内の二次音源５９
の放射中心軸方向Ｂとを対向する方向に形成して構成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、排気ガスの騒音を、二次音源により積極的に消音するようにした能 動型消音器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、排気ガスの騒音を、二次音源により積極的に消音するようにした能動型 消音器としては、例えば、特開平４−１６６８９８号公報に開示されるものが知 られている。

【０００３】 図６は、この種の能動型消音器を示すもので、図において符号１１は、消音器 本体を示している。 この消音器本体１１は、所定間隔を置いて配置される隔壁１３により３分割さ れ、中央に消音室１５が形成され、この消音室１５の両側にスピーカ室１７が形 成されている。

【０００４】 そして、消音室１５内には、排気ガスＧを流通する排気管１９が挿通されてお り、この排気管１９には、消音室１５内に位置する部分に、全体にわたって多数 の小孔２１が形成されている。

【０００５】 一対の隔壁１３には、排気管１９を中心にして対向する位置に開口部２３が形 成され、この開口部２３に二次音源であるスピーカ２５が配置されている。 隔壁１３の開口部２３には、スピーカ２５を保護するための保護板２７が配置 され、この保護板２７には、多数の小孔２９が形成されている。

【０００６】 消音室１５およびスピーカ室１７には、例えば、グラスウールからなる吸音材 ３１が収容されている。 また、消音室１５内には、マイクロホン３３が配置されている。

【０００７】 このような能動型消音器では、マイクロホン３３により排気ガスＧの騒音を検 出し、この検出された騒音と逆位相の消去音をスピーカ２５から放射することに より、いわゆる能動的な消音が行われる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の能動型消音器では、排気管１９の方向、すな わち、排気ガス流入方向Ａに対して、消音器本体１１内のスピーカ２５の放射中 心軸方向Ｂが直角な方向になるため、排気管１９内において排気管１９の方向に 方向性を有する排気ガスの音響体積速度を吸収することが困難であり、必ずしも 充分な消音効果を得ることができないという問題があった。

【０００９】 本考案は、かかる従来の問題を解決すべくなされたもので、消音性能を従来よ り大幅に向上することができる能動型消音器を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案の能動型消音器は、排気ガス流入管および排気ガス流出管が開口される 消音器本体内に二次音源を配置するとともに、前記排気ガス流入管からの排気ガ スの流入方向と、前記消音器本体内の二次音源の放射中心軸方向とを対向する方 向に形成してなるものである。

【００１１】

【作用】

本考案の能動型消音器では、排気ガス流入管からの排気ガスの流入方向と、消 音器本体内の二次音源の放射中心軸方向とを対向する方向に形成したので、排気 ガス流入管からの排気ガスの流入方向に方向性を有する排気ガスの音響体積速度 の慣性速度成分が、二次音源に対する加振入力となり、二次音源の振動板を押圧 するため、二次音源による消音効果を向上することができる。

【００１２】

【実施例】 以下、本考案の詳細を図面に示す実施例について説明する。 図１および図２は、本考案の能動型消音器の第１の実施例を示しており、図に おいて符号４１は、消音器本体を示している。

【００１３】 この消音器本体４１は、排気管用筒体４３と二次音源用筒体４５とから主体部 分が構成されている。 排気管用筒体４３の一側に形成される端板４７には、排気ガス流入管４９およ び排気ガス流出管５１が開口されている。

【００１４】 排気ガス流入管４９および排気ガス流出管５１は、排気管用筒体４３の軸長方 向に対して平行に配置されている。 排気管用筒体４３の他側には、多数の小孔５３ａが形成される端板５３が配置 されており、また、フランジ４３ａが形成されている。

【００１５】 また、排気管用筒体４３内には、マイクロホン５５が配置されている。 二次音源用筒体４５の一側には、隔壁５７が形成され、この隔壁５７に形成さ れる開口穴５７ａに、例えば、ラウンドスピーカからなるスピーカ５９が固定さ れている。

【００１６】 二次音源用筒体４５の一側には、多数の小孔６０ａが形成される端板６０が配 置されており、また、フランジ４５ａが形成されている。 また、二次音源用筒体４５の他側には、端板６１が配置されている。

【００１７】 排気管用筒体４３の端板４３ａの外側には、音響透過型断熱材６３が収容され ている。 また、排気管用筒体４３と二次音源用筒体４５のフランジ４３ａ，４５ａは、 連通孔６５ａの形成される断熱材６５を介して、ボルト６７とナット６９により 連結されている。

【００１８】 従って、この実施例では、排気ガス流入管４９からの排気ガスの流入方向Ａと 、消音器本体４１内のスピーカ５９の放射中心軸方向Ｂとが完全に対向する方向 になっている。

【００１９】 上述した能動型消音器では、マイクロホン５５により排気ガスＧの騒音を検出 し、この騒音と逆位相の消去音をスピーカ５９から放射することにより、いわゆ る能動的な消音が行われる。

【００２０】 しかして、上述した能動型消音器では、排気ガス流入管４９からの排気ガスの 流入方向Ａと、消音器本体４１内のスピーカ５９の放射中心軸方向Ｂとを対向す る方向に形成したので、消音性能を従来より大幅に向上することができる。

【００２１】 すなわち、上述した能動型消音器では、排気ガス流入管４９からの排気ガスの 流入方向Ａと、消音器本体４１内のスピーカ５９の放射中心軸方向Ｂとを対向す る方向に形成したので、排気ガス流入管４９からの排気ガスの流入方向Ａに方向 性を有する排気ガスの音響体積速度の慣性速度成分が、スピーカ５９に対する加 振入力となり、スピーカ５９の振動板を押圧するため、スピーカ５９による消音 効果を向上することができる。

【００２２】 すなわち、一般に、スピーカ５９は、音響体積速度源として働くことは勿論、 外から加振入力があると、スピーカ５９はマイクロホンとして働き、起電力が発 生し、これは、スピーカ５９への供給電力を軽減する方向に働く。

【００２３】 つまり、慣性速度成分を利用することにより、同じ音響体積速度を吸収するの に、より少ない電力で済むことになり、逆に同じ電力であれば、より大きな音響 体積速度を吸収することができる。

【００２４】 また、この実施例の能動型消音器では、円筒形状の消音器本体４１の端部にス ピーカ５９を配置することが可能になるため、例えば、排気管用筒体４３と二次 音源用筒体４５との間に断熱材６３，６５を配置することが容易に可能になり、 断熱構造を形成することが非常に容易になる。

【００２５】 そして、この実施例では、排気管用筒体４３の端板５３の外側に、音響透過型 断熱材６３を配置したので、排気管用筒体４３内の排気ガスの熱量が、スピーカ ５９側に流入することがなくなり、スピーカ５９にかかる熱負荷を低減し、また 、スピーカ５９からの放射音を最小限の損失で排気管用筒体４３側に伝達するこ とが可能になる。

【００２６】 また、排気管用筒体４３と二次音源用筒体４５のフランジ４３ａ，４５ａを、 連通孔６５ａの形成される断熱材６５を介して連結したので、排気管用筒体４３ から二次音源用筒体４５へ流れ込む熱の流動が阻止され、スピーカ５９にかかる 熱負荷を低減することができる。

【００２７】 図３は、本考案の能動型消音器の第２の実施例を示すもので、この実施例では 、排気管用筒体４３には、排気ガス流入管４９が、排気管用筒体４３の軸長方向 に平行に開口され、排気ガス流出管５１が、排気管用筒体４３の軸長方向に対し て直角方向に開口されている。

【００２８】 この実施例の能動型消音器においても、第１の実施例とほぼ同様の効果を得る ことができる。 図４は、本考案の能動型消音器の第３の実施例を示すもので、この実施例では 、スピーカ５９が、水平面Ｈに対して４５度の角度を置いて配置されている。

【００２９】 すなわち、排気ガス流入管４９からの排気ガスの流入方向Ａと、消音器本体４ １内のスピーカ５９の放射中心軸方向Ｂとが、４５度の角度θをもって、対向す る方向に形成されている。

【００３０】 この実施例の能動型消音器においても、第１の実施例とほぼ同様の効果を得る ことができる。 図５は、本考案の能動型消音器の第４の実施例を示すもので、この実施例では 、排気管用筒体４３の端部４３ｄと、二次音源用筒体４５の端部４５ｄとが巻き 締め成形により連結されている。

【００３１】 この実施例の能動型消音器においても、第１の実施例とほぼ同様の効果を得る ことができる。 なお、以上述べた実施例では、排気ガス流入管４９からの排気ガスの流入方向 Ａと、スピーカ５９の放射中心軸方向Ｂとを完全に、あるいは４５度の角度θを もって、対向する方向に形成した例について説明したが、本考案はかかる実施例 に限定されるものではなく、排気ガス流入管４９からの排気ガスの流入方向Ａと 、スピーカ５９の放射中心軸方向Ｂとが９０度の角度θになることなく、所定の 角度をもって対向するように形成されていれば良いことは勿論である。

【００３２】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案の能動型消音器では、排気ガス流入管からの排気ガ スの流入方向と、消音器本体内の二次音源の放射中心軸方向とを対向する方向に 形成したので、消音性能を従来より大幅に向上することができるという利点があ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の能動型消音器の第１の実施例を示す断
面図である。

【図２】図１の能動型消音器を示す分解斜視図である。

【図３】本考案の能動型消音器の第２の実施例を示す断
面図である。

【図４】本考案の能動型消音器の第３の実施例を示す断
面図である。

【図５】本考案の能動型消音器の第４の実施例を示す断
面図である。

【図６】従来の能動型消音器の一例を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

４１ 消音器本体 ４９ 排気ガス流入管 ５１ 排気ガス流出管 ５９ スピーカ（二次音源）

フロントページの続き (72)考案者 依田 隆志 東京都中野区南台５丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内 (72)考案者 北村 将彦 東京都中野区南台５丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 排気ガス流入管（４９）および排気ガス
   流出管（５１）が開口される消音器本体（４１）内に二
   次音源（５９）を配置するとともに、前記排気ガス流入
   管（４９）からの排気ガスの流入方向（Ａ）と、前記消
   音器本体（４１）内の二次音源（５９）の放射中心軸方
   向（Ｂ）とを対向する方向に形成してなることを特徴と
   する能動型消音器。