JPH0667337B2 - ジユーサ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、野菜あるいは、果実等を粉砕し、ジュースを
遠心分離するジューサに関するものである。

従来の技術 一般にこの種のジューサは、第８図に示すように、電動
機１を内蔵した本体２と、この本体２の上に着脱自在に
載置される容器３よりなり、前記容器３内には、電動機
１の回転軸４に結合して回転される分離籠５を有してお
り、前記分離籠５の内側には、細いスリット６を多数有
するフィルタ７を設け、内底部には上面に刃８をもつ平
板状のカッタ９を固定し、容器３の上部開口を覆う容器
蓋１０に設けられた投入口１１より材料を前記カッタ９
の上に供給し、押込棒１２で材料を前記カッタ９に押し
つけるように構成されている。

発明が解決しようとする問題点 従来のジューサはカッタ９で粉砕された材料の粉砕物が
カッタ９の側方に飛び散って、第７図に示すようにフィ
ルタ７の内側に付着し、粉砕物の層Ｗを形成する。そし
てジュースは前記粉砕物のＷとフィルタ７のスリット６
を通過して分離籠５とフィルタ７の間を通って容器３に
放出される。

このとき、フィルタ７のスリット６の幅が広いと、粉砕
物がスリット６に入り、ジュース液の流れる所がなくな
ってフィルタ７がフィルタの役目をなさず、ジュース液
が分離されない。そこでスリット６の幅は、加工上あま
り狭くできないこともあって、0.5mm程度の幅で形成さ
れている。そのため、フィルタ７の内側に粉砕物の層Ｗ
が形成されるまでの間は、0.5mm以下の粉砕物がジュー
ス液とともにフィルタ７のスリット６を通過し、その結
果、ジュース液中の繊維質の混入量が多くなり、繊維質
の混入の少ない済んだジュースを飲みたいと思っても無
理であった。また粉砕物の繊維質がフィルタ７のスリッ
ト６にはさまり使用後の後始末においてフィルタ７の内
側に付着した粉砕物の層Ｗが離れにくく、また、スリッ
ト６にはさまった粉砕物の洗浄が煩雑になるという問題
があった。

本発明のジューサはこのような問題点を解決するもの
で、好みにより繊維質の少ないジュースとある程度繊維
質の入ったジュースを作り分けられるとともに、使用後
の粉砕物の後始末を容易にすることを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明は、側壁に複数の貫
通孔を設けた分離籠の内側に、着脱自在に内籠を装着し
たもので、内籠は、外側にジュース液が流れる溝部を形
成した多数のリブを間隔を設けて連結することにより構
成し、かつ分離籠内壁との間の隙間でフィルタを形成す
るとともに、貫通孔をリブが覆う位置と、貫通孔がリブ
とリブの間に来る位置とに切換え自在に内籠を分離籠に
嵌合させるようにしたものである。

作用 この構成により、内籠のリブが貫通孔を覆う位置では繊
維質の少ないジュースが得られ、貫通孔がリブとリブの
間に来る位置では貫通孔を通じてある程度繊維質の入っ
たジュースが得られるものであり、しかも内籠のリブが
従来のものに比して少なくてすむため、内籠に付着した
粉砕物が離れやすく、洗浄しやすいものである。

実施例 以下、本発明の実施例を第１図〜第６図にもとづいて説
明する。第１図において、１３は本体１４に内蔵された
電動機で、前記本体１４の上には着脱自在に容器１５が
設けられ、容器１５内には前記電動機１３の回転軸１６
に結合して回転される筒状の分離籠１７を有しており、
その分離籠１７の側壁には、縦方向に複数個設けた貫通
孔１８を一定間隔をおいて側壁全体に設けている。分離
籠１７の内側には内籠１９が着脱自在に嵌合されてい
る。この内籠１９は、外側にジュース液の流れる溝部２
０を形成した多数のリブ２１を間隔を設けて連結するこ
とにより構成されており、リブ２１と分離籠１７の内壁
との間の隙間２２でフィルタを形成している。隙間２２
はリブ２１の分離籠１７との対向部に突起を設けること
により容易に形成することができるが、突起を設けずと
も加工上の寸法精度により自然に形成される隙間を利用
してもよい。そして分離籠１７と内籠１９は内籠１９に
設けられ突起２３と分離籠１７に設けられた切り欠き部
２４との間でバヨネット結合できるようになっている。

この分離籠１７のバヨネット結合部を９０°毎に４ケ所
設け、内籠１９のリブを１２°毎に３０本設けたとする
と、第４図，第５図に示すように分離籠１７と内籠１９
のバヨネット結合を９０°変えることにより、分離籠１
７の側壁の貫通孔１８をリブ２１が覆う場合（第４図）
と、分離籠１７側壁の貫通孔１８がリブ２１と２１の間
に来る場合（第５図）に切り換えることができる。上記
の設定以外に内籠１９のリブを１０°毎に３６本とした
場合には、分離籠１７に設けられる切り欠き部２４を４
５°毎に８ケ所として、内籠１９と分離籠１７の結合を
４５°変えることにより、分離籠１７の側壁の貫通孔１
８をリブ２１が覆う場合と分離籠１７側壁の貫通孔１８
がリブ２１とリブ２１の間に来る場合とに切り換えるこ
とができる。要は分離籠１７の側壁の貫通孔１８をリブ
２１が覆う場合と、分離籠１７の側壁の貫通孔１８がリ
ブ２１とリブ２１の間に来る場合の切り換えができれば
よく、その手段については特に限定されるものではな
い。

２５は前記分離籠１７の内底部に固定されたカッタで、
上面には刃２６が設けられており、容器１５の上部開口
を覆う容器蓋２７に設けられた投入口２８より材料を前
記カッタ２５上に供給し、押込棒２９で前記材料をカッ
タ２５に押し付けられるように構成されている。

上記構成において、次にその動作について説明する。ま
ず澄んだジュースを作る場合は、第４図に示すように、
内籠１９のリブ２１が分離籠１７の貫通孔１８を覆うよ
うに内籠１９を分離籠１７の内側に嵌合させる。そして
この分離籠１７を容器１５内に突出した電動機１３の回
転軸１６に結合し、容器蓋２７を閉じて電動機１３を駆
動させ、投入口２８より材料を投入し押込棒２９で押し
込むと、分離籠１７の内底部に設けられたカッタ２５の
刃２６で材料が粉砕される。粉砕物はカッタ２５の側方
に飛び、第６図に示すように内籠１９及び分離籠１７の
内壁に付着し、粉砕物の層Ｗ′を形成する。そしてジュ
ース液は、前記粉砕物の層Ｗ′そして内籠１９と分離籠
１７の隙間２２を通過し、内籠１９のリブ２１の外側に
設けられた溝部２０を通り、分離籠１７の貫通孔１８及
び分離籠１７の上端から容器１５へ放出される。この場
合、分離籠１７の内壁と内籠１９のリブ２１の間の隙間
２２は狭く形成されているので、繊維質は混入せず、澄
んだジュース液を得ることができる。

次にある程度繊維質の入ったジュースを作る場合は、第
５図のように内籠１９のリブ２１とリブ２１の間に分離
籠１７の貫通孔１８が来るように内籠１９を分離籠１７
の内側に嵌合させ、澄んだジュースを作る場合と同様に
分離籠１７をセットして材料を投入口２８より投入して
ジュースを作ると、リブ２１とリブ２１の間にある粉砕
物の一部が分離籠１７の貫通孔１８を通りジュース液中
に混入する。この場合、どの程度ジュース液中に繊維質
を混入するかは、貫通孔１８の数，大きさ，形状により
任意に決めることができる。なお、第６図，第７図に示
すように本発明のジューサにおける内籠１９のリブ２１
の数を従来のジューサのフィルタ７の半分にしても、隙
間２２（従来のジューサではスリット６）の数を同じに
することができ（Ａ〜Ｄの個所）、ジュース液中の繊維
質を除いた純粋な液分の量を従来のジューサと同じにす
ることができる。

次に使用後は、容器蓋２７を開き内籠１９を分離籠１７
から外す。この場合、粉砕物の層Ｗ′は内籠１９の多数
のリブ２１と分離籠１７に付着しているが、内籠１９を
外すと粉砕物の層Ｗ′は、ほとんど内籠１９のリブ２１
に付着したまま外れてくる。そして、この後、内籠１９
に付着した粉砕物の層Ｗ′の処理を行なうが、この場
合、特にみかん，パイナップル，トマト等の材料は付着
力が強いため、取り除くのが困難であるが、第６図に示
すように内籠１９のリブのピッチを倍（リブの数は半
分）にすると、粉砕物の層Ｗ′の付着力は半減する。し
たがって内籠１９を強く振ると、付着している粉砕物の
層Ｗ′は内籠１９のリブ２１に付着していない粉砕物の
層が移動するのに引っぱられるように剥離し、取り除か
れる。その後は再度分離籠１７に嵌合して運転しても、
粉砕物の層がほとんど付着していないので、振動が発生
することはない。また内籠１９を水洗いする場合でも簡
単に行なうことができる。特にリブ２１とリブ２１の間
隔が大きいので、水桶の中で内籠１９を動かすだけで容
易に洗浄することができる。

発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明のジューサは次
の特長を有するものである。

(1)分離籠内壁と内籠のリブとの間でフィルタを形成す
るため、隙間が0.5mm以下でも加工上容易に設定するこ
とができ、その結果、ジュース液中に繊維質の混入の少
ない澄んだジュース液を得ることができるとともに、分
離籠の貫通孔が内籠のリブとリブの間に来るようにする
ことにより、ある程度繊維質の混入したジュースを好み
により作ることができる。そして、繊維質の混入量は、
貫通孔の大きさ，個数などによって、自由に設定するこ
とができるものである。

(2)リブの数を従来のジューサより少なくしても、リブ
１本に対し２ケ所のフィルタ作用を行なう隙間を形成す
ることができるため、ジュース率を低下させることな
く、内籠から粉砕物を離れやすくすることができ、さら
にリブの間隔が広いため、内籠の洗浄が極めて容易とな
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すジューサの断面図、第
２図は同ジューサの内籠の斜視図、第３図は同ジューサ
の分離籠の斜視図、第４図は同ジューサの澄んだジュー
ス液を作る場合の分離籠と内籠の嵌合状態を示す第１図
のＡ−Ａ線で断面した平面図、第５図はある程度繊維質
の混入したジュース液を作る場合の分離籠と内籠の嵌合
状態を示す平断面図、第６図は同ジューサのフィルタを
示す部分平断面図、第７図は従来のジューサのフィルタ
を示す部分平断面図、第８図は従来のジューサの断面図
である。 １３……電動機、１７……分離籠、１８……貫通孔、１
９……内籠、２０……溝部、２１……リブ、２２……隙
間、２８……投入口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電動機を内蔵する本体と、この本体上に載
   置される容器と、電動機により駆動され、かつ内底部に
   カッタを有し、側壁に複数の貫通孔を設けた分離籠と、
   材料をカッタに案内する投入口と、容器の上部開口を覆
   う容器蓋と、分離籠の内側に着脱自在に装置される内籠
   とを備え、前記内籠は、外側にジュース液の流れる溝部
   を形成した多数のリブを間隔を設けて連結することによ
   り構成し、かつ分離籠内壁との間の隙間でフィルタを形
   成するとともに、前記貫通孔をリブが覆う位置と、貫通
   孔がリブとリブとの間に来る位置とに切換え自在に内籠
   を分離籠に嵌合させてなるジューサ。