JPH0667263U - 操舵輪の操舵角規制装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】パワーステアリングの出力増大に伴うストッパ
ーボルトの緩みや座屈による破損を防止する。 【構成】フル操舵した時にナックルフランジ部１の回動
動作に伴ってストッパーボルト３頭部４がフロントアク
スル本体のＩビーム６の一側部に形成されたボス７の当
接面７ａに当接するが、ストッパーボルト３が当接面７
ａ側から受ける力Ｆの方向がストッパーボルト３の軸方
向に一致するようにθだけずらしてナックルフランジ部
１へのストッパーボルト３取付け角度を設定しているの
で、ストッパーボルト３には曲げ方向の無理な力が作用
することはなく、圧縮方向の荷重のみが作用する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、操舵輪の操舵角規制装置に関し、特に、パワーステアリングの出力 増大に伴うストッパーボルトの緩みや座屈を防止した技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、操舵輪の操舵角規制装置としては、実公昭６３−４１２５８号公報や実 開昭６３−１４２２７２号公報等に示すようなものがある。 このような操舵輪の操舵角規制装置の一例を図３に示す。 即ち、このものはフロントアクスル本体の両端にナックル（図示せず。）がキ ングピンを軸として回動自由に軸支されている。

【０００３】 そして、ナックルにはナックルフランジ部１が設けられ、該ナックルフランジ 部１には、ネジ孔２が形成されて該ネジ孔２にストッパーボルト３が進退調節自 在にねじ込まれている。そして、該ストッパーボルト３の胴部にはボルトの進退 調節を所望の位置に係止するためのロックナット５が設けられている。 フロントアクスル本体のＩビーム６の一側部には前記ストッパーボルト３のス トッパ用のボス７が形成されており、キングピン中心６ａを軸としてナックルフ ランジ部１がナックルと共に回転し、ストッパーボルト３の頭部４がボス７の当 接面７ａに当接することによりフロントアクスルの操舵角が規制されるようにな っている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、操舵力を軽減してハンドルの操作性を向上させるために、パワース テアリングの出力増大が図られている。このため、かかる操舵輪の操舵角規制装 置においては、ストッパーボルト３へ作用する力が増加すると共に、特に図３（ ｂ）に示すように、ストッパーボルト３へ作用する力Ｆの方向が該ボルト３の軸 方向に対してθ度のずれがあるために、ストッパーボルト３に対して曲げ方向の 力が作用してストッパーボルト３の緩みや座屈による破損が発生するといった問 題点があった。

【０００５】 そこで、本考案はかかる従来の問題点に鑑みなされたものであり、パワーステ アリングの出力増大に伴うストッパーボルトの緩みや座屈に伴う破損を防止した 操舵輪の操舵角規制装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案は、ステアリングホイール操作に連動して操舵される操舵輪 の操舵角を規制するものであって、アクスル両端に回動自由に軸支されるナック ル側又はアクスル側の何れか一方にストッパーボルトを設け、前記ステアリング ホイールを所定量操舵した時に前記ナックルの回動動作に伴って前記ストッパー ボルトがアクスル側又はナックル側の一方の当接面に当接して操舵輪の操舵角を 規制する構成の操舵輪の操舵角規制装置において、前記ストッパーボルトと前記 当接面との当接時に、ストッパーボルトが当接面側から受ける力の方向がストッ パーボルトの軸方向に一致するようにストッパーボルトの取付け角度を設定した 構成とする。

【０００７】

【作用】

かかる構成によれば、ステアリングホイールを所定量操舵した時にナックルの 回動動作に伴ってストッパーボルトがアクスル側又はナックル側の一方の当接面 に当接する。この時、ストッパーボルトが当接面側から受ける力の方向がストッ パーボルトの軸方向に一致するようにストッパーボルトの取付け角度を設定して いるので、ストッパーボルトには曲げ方向の無理な力が作用することはない。

【０００８】 従って、パワーステアリングの出力増大に伴ってフル操舵時にストッパーボル トに作用する力が増大しても、ストッパーボルトに緩みが生じたり、座屈により 破損することを防止できると共に、強度を増強するためにストッパーボルトのネ ジ径を大きくする等の設計変更を行う必要がなくなる。

【０００９】

【実施例】

以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 尚、従来例と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。 図１において、ナックルフランジ部１のストッパーボルト３取付け面には、傾 斜部１ａが形成されると共に、該傾斜部１ａに形成されたねじ孔２には、ストッ パーボルト３がナックルフランジ部１の垂直面１ｂに対してθの角度を保持して ねじ込まれている。

【００１０】 このθは、図３（ｂ）で示す従来例のフル操舵時におけるストッパーボルト３ へ作用する力Ｆの方向が該ボルト３の軸方向に対してずれた角度を予め測定して おいて設定される。従って、ストッパーボルトが受ける力の方向がストッパーボ ルトの軸方向に一致することになる。 そして、フロントアクスル本体のＩビーム６の一側部にストッパーボルト３の ストッパ用のボス７が形成され、キングピン中心６ａを軸としてナックルフラン ジ部１がナックルと共に回転し、ストッパーボルト３の頭部４がボス７の当接面 ７ａに当接することによりフロントアクスルの操舵角が規制されるのは従来例と 同様である。

【００１１】 かかる構成によれば、図１（ｂ）に示すように、フル操舵した時にナックルフ ランジ部１の回動動作に伴ってストッパーボルト３頭部４がフロントアクスル本 体のＩビーム６の一側部に形成されたボス７の当接面７ａに当接するが、ストッ パーボルト３が当接面７ａ側から受ける力Ｆの方向がストッパーボルト３の軸方 向に一致するようにθだけずらしてナックルフランジ部１へのストッパーボルト ３取付け角度を設定しているので、ストッパーボルト３には曲げ方向の無理な力 が作用することはなく、圧縮方向の荷重のみが作用することになる。

【００１２】 従って、パワーステアリングの出力増大に伴ってフル操舵時にストッパーボル ト３に作用する力が大きくなっても、ストッパーボルト３の緩みや座屈による破 損を防止できると共に、ストッパーボルト３のネジ径アップ等の設計変更をしな くてもよい。 次に、図２に他の実施例を示す。

【００１３】 即ち、このものは、ストッパーボルト３をフロントアクスル本体のＩビーム６ のボス７側にねじ込んだもので、他の構成は図１に示す実施例と同様であり、同 様の作用・効果を奏する。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、ステアリングホイールを所定量操舵し た時にナックルの回動動作に伴ってストッパーボルトがアクスル側又はナックル 側の一方の当接面に当接する時に、ストッパーボルトが当接面側から受ける力の 方向がストッパーボルトの軸方向に一致するようにストッパーボルトの取付け角 度を設定するように構成したので、ストッパーボルトには曲げ方向の無理な力が 作用することはなく、パワーステアリングの出力増大に伴ってフル操舵時にスト ッパーボルトに作用する力が増大しても、ストッパーボルトの緩みや座屈による 破損を防止でき、ストッパーボルトの設計変更をしなくてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る操舵輪の操舵角規制装置の一実施
例を示す側面図。

【図２】本考案に係る操舵輪の操舵角規制装置の他の実
施例を示す側面図。

【図３】従来の操舵輪の操舵角規制装置を示す側面図。

【符号の説明】

１ ナックルフランジ部 ２ ねじ孔 ３ ストッパーボルト ４ 頭部 ５ ロックナット ６ Ｉビーム ７ ボス ７ａ 当接面 θ ずれ角

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ステアリングホイール操作に連動して操舵
   される操舵輪の操舵角を規制するものであって、 アクスル両端に回動自由に軸支されるナックル側又はア
   クスル側の何れか一方にストッパーボルトを設け、前記
   ステアリングホイールを所定量操舵した時に前記ナック
   ルの回動動作に伴って前記ストッパーボルトがアクスル
   側又はナックル側の一方の当接面に当接して操舵輪の操
   舵角を規制する構成の操舵輪の操舵角規制装置におい
   て、 前記ストッパーボルトと前記当接面との当接時に、スト
   ッパーボルトが当接面側から受ける力の方向がストッパ
   ーボルトの軸方向に一致するようにストッパーボルトの
   取付け角度を設定したことを特徴とする操舵輪の操舵角
   規制装置。