JPH0667214A - 液晶表示パネルとその製造方法 - Google Patents

液晶表示パネルとその製造方法

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JPH0667214A
JPH0667214A JP21792992A JP21792992A JPH0667214A JP H0667214 A JPH0667214 A JP H0667214A JP 21792992 A JP21792992 A JP 21792992A JP 21792992 A JP21792992 A JP 21792992A JP H0667214 A JPH0667214 A JP H0667214A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクティブマトリクアレイにMIM型非線形
素子を用いても、電圧印加時の電圧と電流特性の関係を
安定化させて、表示性能を向上可能な液晶表示パネルお
よびその製造方法を実現すること。 【構成】 MIM型非線形素子1を構成する第一金属電
極層であるTa膜12の表面の凹凸を陽極酸化膜の膜厚
の1/30〜1/3にする。表面の凹凸が1/30以下
ならば、基板の素子側を不活性ガス雰囲気中でスパッタ
リングすればよい。このとき陽極酸化の化成液はリン酸
にするとより効果があがる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示パネルおよびそ
の製造方法に関し、特に、そのMIM型非線形素子のス
イッチング動作の安定化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アクティブマトリクス方式の液
晶表示パネルにおいては、画素領域ごとに非線形素子を
設けてマトリクスアレイを形成した一方側の基板と、カ
ラ−フィルタが形成された他方側の基板との間に液晶を
充填しておき、各画素領域ごとの液晶の配向状態を制御
して、所定の情報を表示する。ここで、非線形素子とし
て薄膜トランジスタなどの3端子素子または金属−絶縁
体−金属(MIM)型非線形素子などの2端子素子を用
いるが、液晶表示素子に対する画面の大型化および低コ
スト化などの要求に対応するには、MIM型非線形素子
を用いた方式が有利である。しかも、MIM型非線形素
子を用いた場合には、マトリクスアレイを形成した一方
側の基板に走査線を設け、他方側の基板には信号線を設
けることができるので、3端子素子の不良の大きな原因
となっている走査線と信号線とのクロスオ−バ−短絡が
発生しないというメリットもある。
【0003】このようなMIM型非線形素子を用いたア
クティブマトリクス方式の液晶表示パネルにおいては、
図4に示すように、各画素領域2で各走査線401と各
信号線402との間にMIM型非線形素子1(図中、バ
リスタの符号で示す。)と液晶表示素子3(図中、コン
デンサの符号で示す。)が直列接続された構成として表
され、走査線401および信号線402に印加された信
号に基づいて、液晶表示素子3を表示状態および非表示
状態あるいはその中間状態に切り換えて表示動作を制御
する。
【0004】図5(a)の501で示すように、MIM
型非線形素子1において、印加電圧VNLと電流INLとは
非線形性の関係を有している。MIM型非線形素子1の
しきい値電圧をVth、液晶表示素子3のしきい値電圧を
b、表示状態となる電位を(Vb+△V)とすると、図
5(b)に示すように選択期間では、所定の画素領域2
における走査線401と信号線402との間の電位差V
(単位画素への印加電圧)を(Vb+Vth)とすること
によって、液晶表示素子3を非表示状態とする事がで
き、走査線401と信号線402との間の電位差Vを
(Vb+Vth+△V)とすることによって、液晶表示素
子3を表示状態とする事ができる。一方、非選択期間で
は単位画素に印加する電位Vを、液晶表示素子3に残留
した電位に対して概ね近接する様に設定しその差がVth
以下であれば、非選択期間ないでMIM型非線形素子1
は常に遮断状態となり、選択期間に定められた状態をそ
のまま維持する事になる。
【0005】以上は、容量が十分小さく、電圧−電流特
性の非線形性が十分高い理想的なMIM型非線形素子1
を得る事ができた場合の最も基本的な動作例である。実
際には、MIM型非線形表示素子1は、液晶表示素子3
に対して容量比が小さい事や電圧−電流特性の不十分な
非線形性などの問題が存在するために、非常に複雑な駆
動法(印加電圧波形)が考案され、使用されている。
【0006】MIM型非線形素子1は、図3に示すとお
り、透明基板11の表面側に形成されて、走査線401
を介して走査回路側に導電接続するTa膜12と、その
表面側のTaOX膜13と、その表面側に形成されて画
素電極14に導電接続するCr膜15とから構成されて
いる。また、TaOX膜13は、Ta膜12の表面に膜
厚が均一で、しかもピンホ−ルがない状態で形成される
ように、Ta電極12に対する陽極酸化によって形成さ
れる。
【0007】この構造を実現する一般的なプロセス例は
以下のようになる。
【0008】1.ガラス基板上に、Ta膜をスパッタリ
ングで堆積し、熱酸化をすることで、約1000ÅのT
25膜を形成する工程と、 2.次に、スパッタリング法でTa膜を約5000Å堆
積し、パタ−ニングする工程と、 3.次に、例えば、リン酸の希薄水溶液を化成液とし3
0Vで陽極酸化しTaOXを形成する工程と、 4.次に、真空中で400〜600℃の温度で1〜2時
間熱処理する工程と、 5.次に、MIM型非線形素子の上電極となるCrを1
500Åスパッタリング法で堆積し、パタ−ニングする
工程と、 6.次に、画素電極となるITO膜をスパッタリング法
で2000Å堆積し、パタ−ニングする工程からなる。
【0009】従来は、このTa膜12の表面状態とMI
M型非線形素子の電圧電流特性の関係は把握されておら
ず、表面状態はまったく制御していなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、MIM
型非線形素子1を用いた液晶表示パネルにおいては、従
来より静止画像などを表示した後に残像が発生しやす
く、表示性能が低いという問題点があった。その原因と
して、本発明ではマトリクスアレイの各構成要素と表示
性能との関係を調査した結果、その原因がMIM型非線
形素子1を構成するTa膜12の表面状態と関連がある
ことを確認した。
【0011】すなわち、MIM型非線形素子1におい
て、印加電圧VNLと電流INLとの関係が、初期状態にお
いて図5(a)の501で示す関係であったものが、電
圧印加によって経時的に502または503で示すよう
にシフトしてしまうためである。ここで、印加電圧VNL
と電流INLの関係が電圧印加によって経時的にシフトし
た場合には、例えば、表示状態から非表示状態に切り換
えるために、走査線401と信号線402との電位差V
を(Va+Vth+△V)から(Va+Vth)に切り換えて
も、MIM型非線形素子1を表示状態から非表示状態に
切換,制御することができなくなって、残像などを発生
させてしまう。また、逆の表示動作の場合も同様であ
る。
【0012】上記の問題を解決するために、本発明は、
Ta膜12の表面状態を制御し、Ta膜12の表面の凹
凸の度合いを最適化し、TaOX膜13を堆積するさい
の陽極酸化電解液を定めることで、MIM型非線形素子
1への印加電圧VNLと電流INLとの関係を安定化するよ
うに改質をはかることを提案するものである。Ta膜の
表面状態の制御は、Ta膜をエッチングした後にスパッ
タリングに代表される物理的処理を施すことで達成でき
るので、MIM型非線形素子1を用いたアクティブマト
リクス方式のコストメリットを確保しながら、表示性能
が向上可能な液晶表示パネルおよびその製造方法を実現
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明に係わる液晶表示パネルにおいて講じた手
段は、透明基板の表面側に形成されたマトリクスアレイ
の各画素に、その駆動回路側に導電接続する第一の金属
電極層と、この金属電極層表面に形成された陽極酸化膜
と、この陽極酸化膜の表面側に形成された第二の金属電
極層とによって金属−絶縁膜−金属(MIM)型非線形
素子が構成されており、前記第一の金属層にはTa膜を
用い、このTa膜の表面の凹凸は陽極酸化膜の厚さの1
/3から1/30にしておくことである。ここで、画素
電極は一般に第二の金属電極層の側に導電接続するよう
に形成されている。
【0014】また、エッチング等を行って表面の凹凸が
陽極酸化膜の膜厚の1/30以下であるTa膜を含む面
にMIM素子を作製する場合は、陽極酸化を行う前にこ
のTa膜を物理的エッチングすれば良く、例えば、不活
性ガスを用いたスパッタリング等の処理をすればよい。
【0015】
【実施例】以下、本発明について、実施例に基づき詳細
に説明する。ここで、マトリクスアレイの構造及び動作
を図1から5を用いて説明する。
【0016】本例に係わるアクティブマトリクス方式の
液晶表示パネルにおいては、図3および図4に示すよう
に、マトリクスアレイの画素領域2ごとに、走査線20
1を介して走査回路(駆動回路)側に導電接続するTa
膜12(第一の金属電極層)と、このTa膜の表面に陽
極酸化により形成されたTaOX膜13(陽極酸化膜)
と、この陽極酸化膜13の表面側に形成されて、ITO
(透明伝導膜)からなる画素電極14に導電接続するC
r膜15(第二の金属電極層)とによってMIM型非線
形素子1が構成されている。
【0017】ここで、Ta膜12の表面形状は、この凹
凸が陽極酸化膜厚(図2の中では”L”で表記してあ
る。)の1/30から1/3の範囲内にあればよい。表
面の凹凸とは、図2に示すように頂上と底の面に垂直方
向の差の1つのMIM非線形素子内での最大値で定義し
ている。(図2の中では”t”で表記してある。)陽極
酸化膜の1/30の厚さは通常30Å以下になるため、
測定には注意する必要がある。つまり、表面の凹凸は、
試料の垂直方向への分解能が0.1Å以下になるような
STM(走査型トンネル顕微鏡)またはAFM(原子間
力顕微鏡)等の測定装置で求めるべきである。
【0018】また、図1のA領域に表されているような
Ta膜12のエッチングされた面にMIM素子を形成す
る場合、前記Ta膜12のエッチングされた表面は図2
(b)に示すような凹凸の小さな面になって、この凹凸
は陽極酸化膜の厚さの1/30に満たないことになり、
MIM素子の安定性を損ねることがある。このようなと
きには、陽極酸化膜を形成する直前のTa膜の表面を、
物理的なエッチングを施すことで問題が解決できる。こ
のときのエッチングの方法は、20インチ程度の基板で
も均一性が保てるやり方である、Ar,Krなどの不活
性ガス中でのスパッタリングが最適である。
【0019】このため、本例のMIM型非線形素子1に
おいては、詳しくは実験結果に基ずいて後述するが、印
加電圧VNLと電流INLとの関係が、初期状態において図
5(a)の501で示す関係であったものが、たとえ
ば、静止画を表示するために長時間電圧が印加された後
でも、501の関係を保持し、図5(a)の502また
は503で示す関係にシフトすることがない。それ故、
走査線401および信号線402に対してそれぞれ印加
された信号に基ずいて発生する走査線401と信号線4
02との間に生じた電位差によって、液晶表示素子3を
表示状態と非表示状態との間で確実に切り換えて表示動
作を制御することができる。
【0020】すなわち、図5(b)に示すように、走査
線401と信号線402との間の電位差Vを(Vb+V
th)とすることによって、液晶表示状態3を非表示状態
とする一方、走査線401と信号線402との間の電位
差Vを(Vb+Vth+△V)とすることによって、液晶
表示素子3を表示状態とするときに、MIM型非線形素
子1の印加電圧VNLと電流INLが使用履歴によってシフ
トすることがないので、走査線401および信号線40
2からの信号の変化に追従して、液晶表示パネルの配向
状態が変化する。それ故、液晶表示パネルに残像などの
発生がなく、その表示品質は高くなる。
【0021】このような構成の液晶表示パネルの製造方
法を以下に説明する。
【0022】まず、予め透過率の高いTaOX膜11a
などを形成した透明基板11の表面側にTa膜12をス
パッタリングで形成する。スパッタリング法で堆積され
たTa膜は表面の凹凸は25Å前後であり、MIM素子
の陽極酸化膜13の厚さは300〜600Åになるの
で、このTa膜12の表面の凹凸は陽極酸化膜の膜厚の
1/30〜1/3の範囲に必ずはいっている。ここで、
堆積されたTa膜の表面の凹凸を25Å前後にするため
のスパッタリング条件は、スパッタ圧を0.05〜0.
2Pa,スパッタ温度を120℃〜250℃,スパッタ
パワ−を1〜3kW,Ta膜厚を0.2〜1μmにすれ
ばよい。
【0023】次に、Ta膜12をパタ−ニングする。こ
のTa膜12は、走査回路まで延長されて走査線401
も構成している。更に、Ta膜12に陽極酸化を施し
て、その表面層を膜厚約300〜600ÅのTaOX
13とする。ここで、陽極酸化用電解液としては、例え
ばリン酸水溶液を用いるとよい。また、膜厚は陽極酸化
の化成液やパネルの仕様によって変化させる。この後、
TaOX膜13の表面上にCrをスパッタリングで形
成、およびパタ−ニングしてCr膜15を形成し、Ta
膜12,TaOX膜13,Cr膜15からなるMIM型
非線形素子1を構成する。ここで、画素電極14につい
ては、図1に示すように、Cr膜15の下層側に形成す
る場合は、Cr膜15の形成工程の前に形成しておく
が、画素電極14を形成する工程の順序は、各電極材料
と、それをエッチングするエッチャント種との関係など
によって任意に設定される。
【0024】ところで、上記の方法でMIM型非線形素
子1を作製すると素子容量が大きくなり、液晶表示素子
3との容量比がとれなくなり液晶の保持機能が低下する
が、図1のA領域に示すように、横方向に素子を作製し
て素子面積を小さくし容量比が大きくなるように作られ
ることもある。この場合は図1のA領域に示すように、
MIM型非線形素子となるTa膜12の表面は、Ta膜
を成膜後一部エッチングされた面となる。つまり、この
場合のTa膜12の表面の凹凸は、陽極酸化膜13の膜
厚の1/30より小さくなることが多く、初期状態では
図5(a)の501のようになっている特性が、MIM
型非線形素子1に長時間の電圧を印加した後では502
または503の様な特性になってしまう。このときに
は、図6に示すような工程で液晶表示パネルを作製すれ
ばよい。
【0025】まず、上記に示したようなスパッタリング
の条件でTa膜601を堆積し、パタ−ニングを行う。
次に、図6(a)のように実際のMIM型非線形素子1
のTaOX膜の2倍以上の膜厚になるように、陽極酸化
法や熱酸化法を用いてTaOX膜602を形成する。次
に、図6(b)のように、Ta膜601をマスクにして
ポジレジスト603を裏露光し、次に、側面のTaOX
膜602とTa膜601の端部の一部をエッチングする
(図6c)。Ta膜601の一部がエッチングされるの
は、TaOX膜602がTa膜601の側面に残らない
ようにすると、レジスト603の後退から必然的であ
る。ここで、TaOX膜602が作製しようとするMI
M型非線形素子1のTa膜601の表面にあると、図1
のTaOX膜13の膜厚が制御できなくなり素子の不安
定性を引き起こすので、TaOX膜602のエッチング
残りは避けなければならないことである。次に、図6
(c)の状態でArに代表される不活性ガスを用いて、
基板の素子側を高周波電源を使い基板が電気的にフロ−
ティングした状態でスパッタリングして基板のエッチン
グを行う。このエッチングはほかにも、イオンビ−ムエ
ッチング法など物理的エッチング法を用いてもよい。次
に、図6(d)のように、Ta膜601を陽極酸化し、
TaOX膜604を形成する。このときの、陽極酸化の
化成液は例えば、リン酸水溶液にするとよい。このあと
は、前に記したようにCrなどの上電極と、画素電極と
なるITO膜を堆積する。
【0026】ここでは、Ta膜12の側面にMIM型非
線形素子1を形成する方法を述べたが、図3のように膜
の厚さ方向に素子を作製する場合でも、Ta膜12を分
子線成長法(MBE)等で堆積すると、表面の凹凸が陽
極酸化膜の膜厚の1/30よりも小さくなることがあ
る。このようなときも、Ta膜12の表面を不活性ガス
を用いたスパッタリング法で基板をエッチングしてから
陽極酸化してTaOX膜13を形成すればよい。
【0027】図6に示した製造方法で作製したMIM型
非線形素子1は、図1のA,Bに示すようにTaOX
13の膜厚の異なった素子が2つ並列に形成されること
になる。ところで、一般的にはMIM型非線形素子1に
おける印加電圧と電流の関係は、
【0028】
【数1】
【0029】のように表される。つまり、MIM型非線
形素子に流れる電流は、酸化膜の膜厚が増加すると小さ
くなり、しかも指数関数的に減少する。MIM型非線形
素子1でB部分のTaOX膜13の膜厚は、A部分の2
倍以上(通常は5倍程度)になるためにB部分に流れる
電流密度は、A部分よりも1桁以上小さくなる。また、
A,B部分の面積は、Ta膜12のテ−パを十分につけ
て、現在得られる最小線幅4μmのアライメントの技術
を利用すれば、A部分の面積はB部分の面積よりも小さ
くすることは可能である。従って、A部分に比してB部
分流れる電流は、1桁以上小さくなり、実質的にMIM
型非線形素子1はA部分からなっていると考えて差し支
えない。
【0030】Ta膜12の表面の状態とMIM型非線形
素子1のVthの安定性との関係を検討した結果を説明す
る。一般に、MIM型非線形素子における印加電圧と電
流の関係は数1のように表される。従って、log(I
/V)をV1/2に対してプロットすると直線で表され
る。本例における検討では、前記のプロットで直線上に
あるように、Vthを1mA/cm2の電流値が流れると
きの印加電圧値と定め、MIM型非線形素子1のVth
定性を評価した。すなわち、所定の電流値に対応する印
加電圧値Vthは、従来のMIM型非線形素子においては
電圧を印加した時間と、Vthがシフトする電圧△Vth
の間には図7に示すような関係があり、表示の安定性を
低下させる原因となることが確認されているので、ここ
では、従来および本例のMIM型非線形素子に対して、
同一の電圧を印加し、所定時間が経過した後の△Vth
比較した。従って、△Vthの値が小さな方が好ましい。
【0031】Ta膜12表面の凹凸と△Vthとの関係
は、凹凸が陽極酸化膜したTaOX膜13の1/30〜
1/3の範囲内であれば、△Vthは約0.2Vで一定と
なり変化しなくなる。ところが、Ta膜12の凹凸がT
aOX膜13の1/30以下になれば、凹凸が小さくな
るに従って△Vthは増加していく。表面の凹凸が前記の
ように小さい場合は、基板の素子側を不活性ガス雰囲気
中でスパッタリングすると、△Vthは0.2V程度まで
小さくなる。このときのスパッタリングの条件は、高周
波電源の出力が300W程度で5分程行えば良い。ま
た、Ta膜12の凹凸がTaOX膜13の1/3以上に
なれば、第一の金属電極層と第二の金属電極層が、電界
集中によって短絡してしまい非線形素子となりえなくな
る。このときの陽極酸化の化成液はリン酸のときの例で
あり、クエン酸を用いると△Vthは大きくなる。この傾
向については、電圧を第一の金属層に対して第二の金属
層を正にかけようが負にかけようがかわりはない。
【0032】このように、本例の液晶表示パネルにおい
ては、マトリクスアレイを構成するMIM型非線形素子
1のTa膜12の表面状態を制御することでMIM型非
線形素子1のVthの経時的なシフトを抑制して、そのス
イッチング動作の安定化を図っている。その結果、液晶
表示パネルにおいて、固定パタ−ンを長時間表示させて
も、残像,フリッカ−などの発生がなく品質の高い表示
が可能である。
【0033】
【発明の効果】以上のとうり本発明において、MIM型
非線形素子の第一の金属層をなすTa膜の表面の凹凸を
陽極酸化膜の膜厚の1/30〜1/3にすることに特徴
を有しており以下の効果がある。また、Ta膜の表面の
凹凸が陽極酸化膜の膜厚の1/30以下であるならば、
基板の素子側を不活性ガス雰囲気でスパッタリングする
と以下の効果がある。
【0034】MIM型非線形素子の印加電圧と電流との
関係が、電圧印加時において経時的に変化しにくくなる
ので、駆動信号の変化に液晶の配向状態の変化が確実に
追従する。それ故、液晶表示パネルに固定パタ−ンを表
示させた後においても残像が生じないなど、表示品質を
向上させることができる。このときの陽極酸化膜の形成
工程における陽極酸化用化成液はリン酸化成液を用いる
のがよい。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液晶表示パネルのマトリックスアレ
イを構成するMIM型非線形素子の構造を示す断面図。
【図2】 第一金属電極層のTa膜の表面状態図。
【図3】 従来の液晶表示パネルののマトリクスアレイ
を構成するMIM型非線形素子の構造を示す断面図。
【図4】 アクティブマトリクス方式の液晶表示パネル
の等価回路図。
【図5】 (a)は液晶表示パネルのマトリクスアレイ
を構成するMIM型非線形素子の印加電圧と電流との関
係図。(b)は単位画素への印加電圧と表示の明るさと
の関係を示す関係図。
【図6】 第一の金属電極層であるTa膜の側面にMI
M型非線形素子を作るときの工程図。
【図7】 MIM型非線形素子に対して電圧を印加した
時間と、そのVthがシフトした値との関係図。
【符号の説明】
1 MIM型非線形素子 2 画素領域 3 液晶表示素子 11 透明基板 11a TaOX膜 12、601 Ta膜(第一の金属電極層) 13、604 TaOX膜(陽極酸化膜) 14 画素電極 15 Cr膜(第二の金属電極層) 401 走査線 402 信号線 602 TaOX膜 603 ポジレジスト

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板の表面側に形成されたマトリクス
    アレイの各画素領域には、その駆動回路側に導電接続す
    る第一の金属電極層と、この金属電極層表面に形成され
    た陽極酸化膜と、この陽極酸化膜の表面側に形成された
    第二の金属電極層とによって構成された金属−絶縁膜−
    金属(MIM)型非線形素子において、陽極酸化をする
    前の第一の金属層の表面の凹凸は、陽極酸化膜の膜厚の
    1/30〜1/3の厚さの範囲にあることを特徴とする
    液晶表示パネル。
  2. 【請求項2】透明基板の表面側に形成されたマトリクス
    アレイの各画素領域には、その駆動回路側に導電接続す
    る第一の金属電極層と、この金属電極層表面に形成され
    た陽極酸化膜と、この陽極酸化膜の表面側に形成された
    第二の金属電極層とによって構成された金属−絶縁膜−
    金属(MIM)型非線形素子において、陽極酸化をする
    前の第一の金属層の表面を、Ar,Kr,Neなどの不
    活性ガス雰囲気中で高周波スパッタリングを施した後で
    陽極酸化を行って絶縁膜を形成することを特徴とする液
    晶表示パネルの製造方法。
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