JPH0666954U - 研磨具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被加工物のコーナーのだれや被研磨部分の研
磨を防止すると共に、目詰りを解消し、また研磨力を持
続する。 【構成】 放射状の切り込みを有する複数枚のドーナツ
状研磨布紙１とドーナツ状のネット４とを積層一体化し
て設けた輪状研磨材５と、研磨材の裏面に接着固定した
裏材７とから成り、被研磨部分の研磨をなくすると共
に、研磨布紙の目詰りを防止し、また研磨力を持続す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、円板状の裏材に研磨布紙製の研磨材を接着固定した形式の研磨具 に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】

従来、ホイール基板と研磨材とを組み合わせた研磨具としては、実開平１−１ １４２７３号公報に開示したものがある。

【０００３】 このものは、シート材の表面に研磨粒の接着された多数枚の研磨布紙片を基台 （円盤）上に放射条に並べて接着する。

【０００４】 なお、研磨布紙片は、基台の板面に対して直角に固定する場合と、傾斜させて 固定する場合とがある。

【０００５】 上記構成した研磨具は、ハンドグラインダの回転軸に取付け、そして回転させ ながら、被加工物に研磨布紙片を押し付けると共に、押し付け状態を維持しなが ら研磨する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような研磨具によると、研磨にともない円盤の回転方向に倒れた研磨布 紙片に復帰力が起生するので、被加工物のコーナー部分にあっては、通過直前の 研磨布紙片が復元力によりコーナーに強く押し付けられる。 このため、コーナーがだれる。

【０００７】 また、溶接のビードを研磨する際にも、上述のような研磨布紙片に作用する復 元力により被溶接部分にも研磨布紙片が押し付けられて、被溶接部分を研削する 問題もあった。

【０００８】 さらに、研磨にともなう研磨微粉末や研磨片から離脱した研磨粒は、後続の研 磨片と被加工物との間に侵入して逃げ場がないので、研磨布紙片に目詰りが発生 する。 このため、著しく研磨効率が低下する問題があった。

【０００９】 特に、所定の寸法に切断した研磨布紙片を放射状に並べ、かつ各研磨布紙片毎 に接着剤を介し固定するので、著しく手数がかかって大量生産性が悪くコストが 大幅にアップする問題があった。

【００１０】 そこで、この考案の課題は、コーナーにだれが発生したり、或は研磨部分と被 研磨部分との界から被研磨部分を研磨するのを阻止し、また、研磨効率が大幅に アップすると共に、大量生産に適し、かつ耐衝撃性にすぐれた研磨具を提供する ことである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、この考案は、ドーナツ状で、かつ内外周縁部の 少なくとも片方に繋ぎ連結部を残すように多数条の放射状切り込みを有する研磨 布紙とドーナツ状ネットとの所要数枚を積層一体化して輪状研磨材を設け、また 、この研磨材の裏面に中心に透孔を有する円板状の裏材を接着固定して成る研磨 具を採用したものである。

【００１２】

【作用】

ハンドグラインダの回転軸に裏材を取付けて、一方向に研磨具を回転すると共 に、被加工物に研磨材を押し付けて研磨（研削）する。

【００１３】 研磨にともなう研磨微粉末や研磨材から離脱した研磨粒は、切り込みの間隙に 嵌り込む。

【００１４】 切り込みに嵌り込んだ研磨微粉末や研磨粒は、研磨具の回転にともない発生す る遠心力により研磨材の外周に向い、そして、切り込みの外端から飛散する。

【００１５】 研磨にともない研磨材を構成する表層の研磨布紙が摩滅すると、次層のネット が露出し、露出したネットが摩滅すると次層の研磨布紙が露出する。

【００１６】 表層の研磨布紙は、次層のネットにより補強される。

【００１７】

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

【００１８】 図１に示す１は内外周縁部の少なくとも片方に繋ぎ連結部２を残すように多数 条の放射状切り込み３を有するドーナツ状の研磨布紙である。

【００１９】 上記の切り込み３は、図示の場合、外周縁から内周縁の手前に向けて切り込み 、研磨布紙１の内周縁に連結部２を残したが、研磨布紙１の内周縁から切り込ん で外周縁部に、或は研磨布紙１の内周縁部と外周縁部との間を切り込んで外周縁 部と内周縁部とに連結部を残すこともある。

【００２０】 図２に示す４はドーナツ状のネットである。

【００２１】 上記のネット４は、編成したもの以外に研磨性を付与するため、ネットに接着 剤を介し研磨粒を付着したものを使用することもある。

【００２２】 図３に示す５は積み重ねる複数枚の所定研磨布紙１間にネット４を介在すると 共に、接着剤（図示省略）を介し積層一体化した輪状研磨材である。

【００２３】 なお、図示の場合、三枚の研磨布紙１と二枚のネット４とを交互に積み重ねた が、枚数は限定されないと共に、任意の位置にネット４を介在することもある。

【００２４】 また、積層した研磨布紙１の切り込み３は、それぞれ同一線上に合致させてあ る。

【００２５】 上記の研磨材５は、図４及び図５に示すように、中心に透孔６を有する円板状 裏材７の表面に接着剤８を介し接着固定してある。

【００２６】 上記の裏材７には、研磨布紙や不織布などがあり研磨布紙や研磨粒の付着不織 布を用いると、柔軟性に富み、かつ研磨材５の摩滅後研磨材として使用すること ができる。

【００２７】 なお、図５に示すように、積層一体化のプレス時に研磨具の中央部分が裏材７ の表面方向に碗状に膨出成形することもある。

【００２８】 また、研磨布紙１の外周縁に連結部２が存在する場合は、まず表層の研磨布紙 １の連結部２を摩滅させてから使用すると、切り込み３内の研磨微粉末や研磨粒 を外方に放出することができる。

【００２９】 図中９は中心に透孔１０を有する補強円板である。

【００３０】

【効果】

この考案の研磨具は、以上のように構成してあるので、研磨微粉末や研磨布紙 片から離脱した研磨粒は、研磨具の回転方向の反対側の切り込みに嵌り込むと共 に、研磨具の回転により発生する遠心力によって切り込み内から研磨材の外周方 向に向い、そして研磨材の外周面から放出するので、研磨布紙片の目詰りが防止 され、かつ研磨効率が著しく向上する。

【００３１】 また、複数枚の研磨布紙とネットとを積層一体化して設けた研磨材を用いるの で、多数枚の研磨布紙片を放射状に並べて固着したようなコーナーのだれや研磨 部分と被研磨部分との界から被研磨部分を研磨するような不都合やびびり減少を なくすることができると共に、ネットにより補強される。

【００３２】 さらに、研磨布紙の積層研磨材を用いるため、表層の研磨布紙が摩滅するとネ ットを摩滅させて次層の研磨布紙が露出するので、研磨力を持続し、長時間の研 磨を可能にすると共に、著しく寿命が長くなる。

【００３３】 また、被加工物に研磨材を形成する研磨布紙の全面を接触するため、研磨布紙 の特長を最大限に発揮する。

【００３４】 さらに、研磨布紙を切り離さないような切り込みを設けるので、研磨布紙の積 層加工が極めて容易になると共に、衝撃に対して強い。

【００３５】 なお、介在したネットにより研磨布紙間に空気の流通路ができ、冷却効果が著 しく向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の研磨具に使用する研磨布紙の斜視図

【図２】同ネットの斜視図

【図３】同上を用いて形成した研磨材の縦断正面図

【図４】同上に裏材を接着固定下一部切欠斜視図

【図５】同縦断正面図

【符号の説明】

１ 研磨布紙 ２ 連結部 ３ 切り込み ４ ネット ５ 研磨材 ６ 透孔 ７ 裏材 ８ 接着剤

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドーナツ状で、かつ内外周縁部の少なく
   とも片方に繋ぎ連結部を残すように多数条の放射状切り
   込みを有する研磨布紙とドーナツ状ネットとの所要数枚
   を積層一体化して輪状研磨材を設け、また、この研磨材
   の裏面に中心に透孔を有する円板状の裏材を接着固定し
   て成る研磨具。