JPH0665719U - 焼却室用点火装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 石油燃焼器と兼用して固体燃料・塵芥等を焼
却する焼却室用点火装置の性能向上を目的とする。 【構成】 焼却室１へ中空筒状のセラミックヒータ２を
のぞませ、セラミックヒータ２内へ石油と燃焼空気を混
合して噴出する気化筒５を装置したもので、この気化筒
５内での気化ガスの拡散をよくするため、気化筒５はメ
ッシュ筒６を内装する。また、気化筒５とセラミックヒ
ータ２との先端位置にノズル用小孔７設け、燃焼炎は火
足の長い炎となって固体燃料に当り、着火性能を向上さ
せたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、石油燃焼器と兼用して固体燃料・塵芥等を焼却するための火足の長 い点火装置を得るものである。

【０００２】

【従来の技術】

石油燃焼器の排気を固体燃料・塵芥等を収容する焼却室へ導き燃焼させる機器 は、出願人の出願に係わる実公平２−５２１４号等があり、固体燃料・塵芥等へ の点火は、燃焼器の余熱により自然着火するものが一般的である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

固体燃料・塵芥等に石油燃焼器の余熱を利用して自然着火し燃焼させる機構の ものは、自然着火させるまでに、固体燃料や塵芥などを乾燥させ炭化させる必要 があり、長時間の予熱が必要で、燃焼を開始するまでに時間がかかり過ぎるとい う問題点がある。

【０００４】 石油燃焼器は、石油を燃焼させるために石油を圧送する燃料ポンプや、燃焼用 空気を送る送風機を備えているから、これらの機能を有効に活用して、着火待ち 時間を短縮することが望まれる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するため、固体燃料・塵芥等を焼却させる燃焼室１ へ中空筒状のセラミックヒータ２をのぞませ、筒状のセラミックヒータ２の内部 へ燃料ポンプ９と接続せる送油管３と、送風機８と接続せる送風管４とを合流さ せた気化筒５を挿通し、かつ気化筒５の内壁には金網等からなるメッシュ筒６を 内装し、該気化筒５の先端部にはノズル用小孔７を形成してなる焼却室用点火装 置としたものである。

【０００６】 また、セラミックヒータ２の先端部２ａから気化筒５の前方に向けて細片２ｂ をのぞませ、セラミックヒータ２の熱を細片２ｂに伝熱させて着火部を構成する ことにより、気化筒５のノズル用小孔７から噴出して来る石油の気化ガスが着火 し易くなるものである。

【０００７】 また、気化筒５はセラミックヒータ２の内壁にほゞ密接する外径とし、かつ気 化筒５の先端をセラミックヒータ２の中程に開口させると、セラミックヒータ２ の熱を気化筒５に十分伝熱し、気化筒５から噴出した気化ガスはセラミックヒー タ２内の赤熱部にて着火し噴炎となるので、細片２ｂを不要とすることができる 。

【０００８】

【作用】

焼却室１内に薪・塵芥等を収容し、セラミックヒータ２に通電してセラミック ヒータ２を赤熱させ、該セラミックヒータ２の通電よりも若干遅らせて送風機８ を作動させて送風を開始する。更に、送風よりも若干遅らせて燃料ポンプ９を作 動させて送油すると、気化筒５は石油が気化するのに十分な温度になっており、 気化ガスがノズル用小孔７から噴出する。

【０００９】 この石油ガスはセラミックヒータ２の熱により着火し、ノズル用小孔７から長 い炎となって吹き出して、薪・塵芥等に当たるので薪・塵芥等に着火できる。

【００１０】

【実施例】

以下、実施例を示す図により構成を説明すると、１は薪・塵芥等の固体燃料を 収容して燃焼させる焼却室で、上部に燃料を投入する蓋１ａを備えている。２は 中空筒状のセラミックヒータで、燃焼室１内へのぞませている。３は後記する燃 料ポンプ９からバイパス連結している送油管、４は後記する送風機８からバイパ ス連結している送風管である。

【００１１】 ５はセラミックヒータ２の中空筒内に挿通した気化筒で、気化筒５はセラミッ クヒータ２の熱が効率よく伝わり、かつ熱膨張・収縮により破壊しない程度に密 接装着しており、前記送油管３及び送風管４は気化筒５に合流させている。６は ステンレス材等を網状にしたメッシュ筒で、気化筒５内へ送られる石油が液状の まゝ直進することなくメッシュ筒６により拡散され、気化が十分に行なわせるも のである。また、気化筒５の内面を凹凸にしたり、ネジ溝を切ることも有効であ る。

【００１２】 ７は気化筒５の先端部を絞り込んだり、ノズル孔を備えた別部材を嵌着したノ ズル用小孔で、気化ガスと送風機から送られて来る空気とが気化筒５内で混合し た状態でノズル用小孔７より勢いよく噴出し、セラミックヒータ２の熱で着火し 、長炎となって固体燃料に着火させるものである。

【００１３】 気化筒５はセラミックヒータ２の先端部２ａとほゞ同位置に開口しても、セラ ミックヒータ２の中程に開口しても良いが、先端部２ａに開口する場合は、セラ ミックヒータ２の先端部２ａから気化筒５の前方に向けて細片２ｂをのぞませて おくと、セラミックヒータ２の熱が細片２ｂにも伝わり、或いはノズル用小孔７ から送られる熱風によって高熱となっており、気化ガスが細片２ｂに当たって着 火が確実に行われる。

【００１４】 また、気化筒５をセラミックヒータ２の中程に開口する場合は、小孔７を噴出 した気化ガスはセラミックヒータ２の内面赤熱部に直接触れて着火するので細片 ２ｂは必要ない。しかし、ノズル用小孔７から噴出する気化ガス中に油滴が混じ ると、セラミックヒータ２に油滴が直接触れて急冷され、割れる恐れがあるから 対策は必要である。

【００１５】 ８は送風機、１０は送風機８の送風路に設けたダンパーで、石油燃焼器のバー ナ１１と、焼却室１に連通するバイパス路１２とをダンパー１０によって夫々送 風するべく送風機８の風の切換操作が行なわれ、また、送風機８の風の一部は前 記送風管４へも送られる。従って、焼却室１へは石油燃焼器の送風機８からの風 がバイパス路１２を経て送られて固体燃料の燃焼に供される。９は燃料ポンプで 、石油を石油燃焼器のバーナ１１へ送っており、焼却室１の固体燃料に点火する 時には送油管３によって気化筒５にも送られる。

【００１６】 １３は焼却室１と石油燃焼器の燃焼室１４とを連絡する炎道、１５は燃焼室１ ４と連通して屋外に伸びる排気筒で、焼却室１で燃焼した固体燃料の熱気及び排 気は炎道１３を経て石油燃焼器の燃焼室１４へ入り、バーナ１１の燃焼排ガスと 合流して排気筒１５により屋外へ排出されるもので、焼却室１で不完全燃焼を起 こした時でも、バーナ１１が運転中であれば燃焼室１４にて再燃焼するものであ る。

【００１７】 尚、石油燃焼器の本体での燃焼は、燃料ポンプ９により石油をバーナ１１へ送 り、送風機８の風もバーナ１１へ送り、該バーナ１１内に取り付けた適宜な予熱 ヒータや点火器により着火燃焼を開始するものである。そして、バーナ１１及び 燃焼室１４内で燃焼が行なわれ、発生した燃焼ガスは排気筒１５から屋外へ排出 される。また、薪・塵芥等の固体燃料の燃焼と、石油燃焼器の燃焼は、夫々単独 使用或いは混焼使用が可能で、これは使用者によって使い分けておる。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は以上のような構成・作用を有するもので、赤熱するセラミックヒータ ２内へ石油と空気とを混合して送り込み、ノズル用小孔７から噴出するので、着 火後の炎は火足の長い噴炎状になり、薪などの固体燃料への着火がスムースに行 われるものである。

【００１９】 また、石油燃焼器の燃焼室１４と固体燃料の焼却室１とは炎道１３を介して連 結しているので、固体燃料への着火及び燃焼には共通の燃料ポンプ９及び送風機 ８を開いて行うことが出来、固体・液体燃料を夫々単独或いは混焼使用が出来る もので、省資源・省エネルギーの時代に合致した考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案品を使用する燃焼器の一実施例を示す概
略断面図である。

【図２】本考案品の要部の拡大断面図である。

【図３】本考案品の他の実施例を示す要部の拡大断面図
である。

【符号の説明】

１ 焼却室 ２ セラミックヒータ ２ａ セラミックヒータの先端部 ２ｂ 先端部に取り付けた細片 ３ 送油管 ４ 送風管 ５ 気化筒 ６ メッシュ筒 ７ ノズル用小孔 ８ 送風機 ９ 燃料ポンプ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 固体燃料・塵芥等を焼却させる燃焼室１
   へ中空筒状のセラミックヒータ２をのぞませ、筒状のセ
   ラミックヒータ２の内部へ燃料ポンプ９と接続せる送油
   管３と、送風機８と接続せる送風管４とを合流させた気
   化筒５を挿通し、かつ気化筒５の内壁には金網等からな
   るメッシュ筒６を内装し、該気化筒５の先端部にはノズ
   ル用小孔７を形成してなる焼却室用点火装置。
2. 【請求項２】 セラミックヒータ２の先端部２ａから気
   化筒５の前方に向けて細片２ｂをのぞませ、セラミック
   ヒータ２の熱を細片２ｂに伝熱させて着火部を構成した
   請求項１記載の焼却室用点火装置。
3. 【請求項３】 気化筒５はセラミックヒータ２の内壁に
   ほゞ密接する外径とし、かつ気化筒５の先端をセラミッ
   クヒータ２の中程に開口せしめてなる請求項１記載の焼
   却室用点火装置。