JP3873245B2 - 重連型バーナー - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、逆火熱利用有酸素熱気化再燃焼式バーナー（特願平４−４２４９３号）をメーンバーナーとし、該メーンバーナーに、これと略同一構造よりなるサブバーナーを連設した重連型バーナーに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の技術としては前記の逆火熱利用有酸素熱気化再燃焼式バーナー（特願平４−４２４９３号）がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする問題点】
しかし、前記の逆火熱利用有酸素熱気化再燃焼式バーナーは、燃料を燃焼して、熱源としての高温高圧の完全燃焼ガスを得ることを目的としたもので、産業廃棄物を燃料とし、これを焼却して熱源としての高温高圧の完全燃焼ガスを得ると同時に、廃棄物の焼却処理をすることはできなかった。
【０００４】
本発明は前記の問題点の解決を目的とするもので、筒形周壁の周面に複数のガス噴出孔を穿設し、前方開口側を蓋板により被蓋した内側燃焼筒体の後方開口側周縁を、筒形で前方開口側を中心にガス放出口を有する前方側壁板に、又後方開口側を後方側壁板により閉塞する外側燃焼筒体の後方側壁板内面に接合して、内側燃焼筒体を外側燃焼筒体に内設し、内側燃焼筒体内に適量の流体燃料と加圧空気を供給点火して燃焼させ内側燃焼筒体を加熱すると共に、後方より外側燃焼筒体内に加圧空気を供給し周回させて加熱し、内側燃焼筒体に設けたガス噴出孔より外側燃焼筒体内に噴出する気化した不完全燃焼ガスを、周回する加熱ガスの逆火熱により再燃焼して反復周回させて更に内側燃焼筒体を加熱して熱気化を促進し、ガス放出口より外部に高温の完全燃焼ガスを放出する逆火熱利用有酸素熱気化再燃焼式バーナをメーンバーナとし、このガス放出口に突設するガス放出筒を、該メーンバーナと同一構造で点火装置を有しないでその位置にガス放出筒挿入孔を穿設したサブバーナのガス放出筒挿入孔に挿嵌固定し、メーンバーナとサブバーナを連設したもので、メーンバーナの稼働により高温に加熱したサブバーナ内に、粉砕した可燃性産業廃棄物や廃油などの燃料を供給して完全燃焼させ、高温高圧で無煙、無炎、無臭の燃焼ガスを得ることが出来、サブバーナの稼働により可燃性の産業廃棄物などの焼却処理に貢献するものである。
【０００５】
【実施例】
以下本発明を図に示す実施例によって説明する。
【０００６】
【メーンバーナーの構成】
図１はメーンバーナーの基本的構成を示す縦断面図で、外側燃焼筒体１は、筒形の周壁胴２と、下部に設けたダクト接続孔３に後方に向け突出して送風ダクト４を接続した後方側壁板５［ガスの流れ方向を前方とする］及び中央部にガス放出口６を穿設し、該放出口６に連通した前方に突出するガス放出筒７を接続した前方側壁板８とよりなる。
【０００７】
前記の外側燃焼筒体１の周壁胴２より小径で筒状の周壁胴９は、周壁に複数のガス噴出孔１０・１０……を穿設すると共に、下側周壁前部に燃焼用給気孔１１・１１……を、又後部に点火用給気孔１２・１２……を穿設し、周壁胴９の前方開口側を、蓋板１３により被蓋して内側燃焼筒体１４を構成し、周壁筒９の後端周縁１５を外側燃焼筒体１の後方側壁板内壁面１６の中間上部に密着接合する。
【０００８】
内側燃焼筒体１４には、周壁胴９の下側周壁前部に設けた燃焼用給気孔１１・１１……を介して内側燃焼筒体１４に連通する如く送風ダクト４より適寸法小径の給気管１７の前端周縁１８を接合し、該給気管１７の他端が送風ダクト４内に臨む如く取り付け、又下側周壁後部に設けた点火用給気孔１２・１２……を介し内側燃焼筒体１４に連通する如く、給気管１７より適寸法小径の補助給気管１９の上端周縁２０を接合し、他端が給気管１７に臨む如く取り付ける。
【０００９】
以上の如く給気管１７及び補助給気管１９を取付け、外側燃焼筒体１の後方側壁板内壁面１６に接合した内側燃焼筒体１４を、外側燃焼筒体１の周壁胴２の前方開口部をガス放出筒７を外方にして前方側壁板８により被蓋した該周壁胴２内に後方より挿入し、内側燃焼筒体１４の蓋板１３と、外側燃焼筒体１の前方側壁板８間が適間隔ｔを隔てる状態で外側燃焼筒体１の周壁胴２の後端周縁と後方側壁板５の外周縁を密着接合して外側燃焼筒体１内に内側燃焼筒体１４を円接すると共に、内側燃焼筒体１４内に連通する燃料供給管２１と点火装置Ｓを設けてメーンバーナーＡ′を構成する。
【００１０】
【サブバーナーの構成】
図２はサブバーナーＡ″の基本的構成を示す縦断面図で、サブバーナーＡ″は、前記のメーンバーナーＡ′と略同じ構造（但し点火装置は装着しない）で、該バーナーＡ′より適寸法大型である。
サブバーナーＡ″の外側燃焼筒体３０は、筒形の周壁胴３１と、下部に設けたダクト接続孔３２に後方に向け突出した送風ダクト３３を接続し、上部中間にメーンバーナーＡ′のガス放出筒７を挿入するガス放出筒挿入孔３４を設けた後方側壁板３５、及び中央部にガス放出口３６を穿設し、該放出口３６に連通した前方に突出するガス放出筒３７を接続した前方側壁板３８とよりなる。
【００１１】
前記の外側燃焼筒体３０の周壁胴３１より小径で筒状の周壁胴３９は、周壁に複数のガス噴出孔４０・４０……を穿設すると共に、下側周壁前部に燃焼用給気孔４１・４１……を、又後部に補助給気管挿入孔４２を穿設し、周壁胴３１の前方開口側を、蓋板４３により被蓋して内側燃焼筒体４４を構成し、周壁筒３９の後端周縁４５を、後方側壁板３５の内側壁面４６に、ガス放出筒挿入孔３４が内側燃焼筒体４４に連通する如く密着接合する。
【００１２】
内側燃焼筒体４４には、周壁胴３９の下側周壁前部に設けた燃焼用給気孔４１・４１……を介して内側燃焼筒体４４に連通する如く送風ダクト３３より適寸法小径の給気管４７の前端周縁４８を接合し、該給気管４７の他端が送風ダクト３３内に臨む如く取り付け、又下側周壁後部に設けた補助給気管挿入孔４２を通して、上端開口部４９がガス放出筒挿入孔３４の上部に対向し、内側燃焼筒体４４内に連通する如く、給気管４７より適寸法小径の補助給気管５０を、他端開口部が給気管４７に臨む如く取り付ける。
【００１３】
以上の如く給気管４７及び補助給気管５０を取り付け、外側燃焼筒体３０の後方側壁板内側壁面４６に接合した内側燃焼筒体４４を、外側燃焼筒体３０の周壁胴３１の前方開口部より挿入し、内側燃焼筒体４４の蓋板４３と外側燃焼筒体３０の前方側壁板３８間が適間隔ｔ′を隔てる状態で、外側燃焼筒体３０の周壁胴３１の後端周縁と後方側壁板３５の外周縁を密着接合し、外側燃焼筒体３０の前方開口部を、放出筒３７を外方にした前方側壁板３８により被蓋して、外側燃焼筒体３０内に内側燃焼筒体４４を内設すると共に、周壁胴３１の後部上壁部を貫通し、内側燃焼筒体４４に連通する燃料供給管５１と、燃料供給管５１の下方に、供給する燃料を分散する弧状の受け板５２を設けてサブバーナーＡ″を構成する。
【００１４】
【本発明の重連型バーナーの構成】
本発明の重連型バーナーＡは、メーンバーナーＡ′のガス放出筒７をサブバーナ−Ａ″のガス放出筒挿入孔３４に挿嵌固定し、メーンバーナーＡ′とサブバーナーＡ″を連設した構成よりなる。
【００１５】
【本発明の作用】
次に本発明の作用を図３によつて説明する。
メーンバーナーＡ′の送風ダクト４には中間に調整弁Ｖａを設けた送風ホース６０を介して、空気圧と給気量の調節可能な加圧空気供給装置Ｄに連結し、燃料供給管２１には燃料供給パイプ６１を介して供給量の調整可能な燃料供給装置Ｆを、又サーモスターター点火装置Ｓ（同一出願人による特許第２１１１２９４号）の点火用燃料供給管５３には点火用燃料供給ホース６２を介して供給圧と供給量を調節可能な点火用燃料ポンプＰに連結すると共に、端子金具５４のリード線接続用端子部５５にはリード線６３を介して電源Ｅに接続すると共に、サブバーナ−Ａ″の送風ダクト３３に、送風ホース６０より分岐して延長した送風ホース６０′を調整弁Ｖｂを介して連結する。
【００１６】
図３は本発明の稼働状態における作用を示すもので、加圧空気供給装置Ｄを稼働して、調整弁Ｖａの操作により適圧でかつ適量の加圧空気ａを送風ダクト４に供給すれば、加圧空気ａは送風ダクト４と給気管１７間を経て外側燃焼筒体１内と、給気管１７及び補助給気管１９を通り、燃料用給気孔１１・１１……及び点火用給気孔１２・１２……を介して内側燃焼筒体１４内に噴流する。
【００１７】
燃料供給装置Ｆより燃料供給パイプ６１を経て、適量の流体燃料ｆを内側燃焼筒体１４内に供給すれば、該燃料ｆは、給気管１７及び補助給気管１９を通り燃焼用給気孔１１・１１……と点火用給気孔１２・１２……を経て内側燃焼筒体１４内に噴流する加圧空気ａにより乱流拡散されて霧状となり、点火用給気孔１２・１２……より流入する加圧空気ａの補給により着火を確実とし、点火装置Ｓを作動して燃料ｆに点火し燃焼させれば、不完全燃焼ガスｇは内側燃焼筒体１４を加熱すると共に、内部の圧力を高めながら膨脹し、気化した状態で周壁筒９に設けたガス噴出孔１０・１０……より外側燃焼体１内に噴出する。
【００１８】
送風ダクト４より外側燃焼筒体１内に供給される加圧空気ａにより、該燃焼筒体１内の後部が減圧部となるので、加圧空気ａは内側燃焼筒体１４の外周に沿って逆流し、内側燃焼筒体１４より外側燃焼筒体１内に噴出する不完全燃焼ガスｇと混合し、外側燃焼筒体１内を繰返し周回して高温のガスとなって更に内側燃焼筒体１４を加熱して熱気化を促進し、周回する高温のガスの逆火熱により内側燃焼筒体１４より噴出する不完全燃焼ガスｇを高温の完全燃焼ガスＧとしてガス吐出筒７よりサブバーナーＡ″の内側燃焼筒体４４内に噴出する。
【００１９】
加圧空気供給装置Ｄより送風ホース６０′を通りサブバーナーＡ″の送風ダクト３３に給気される加圧空気ａ′は、本発明の重連型バーナーＡが稼働中、サブバーナーＡ″内の圧力が、メーンバーナーＡ′内の圧力と同圧か又は若干低圧となるよう調整弁Ｖｂにより調節してサブバーナーＡ″内に給気すれば、加圧空気ａ′は送風ダクト３３と給気管４７間を通り外側燃焼筒体３０内と、給気管４７及び補助給気管５０を経て、燃焼用給気管４１・４１……と、補助給気管５０の上端開口部４９より内側燃焼筒体４４内に噴流し、メーンバーナーＡ′のガス放出筒７よりサブバーナーＡ″内に噴流する完全燃焼ガスＧと合流して周回し、サブバーナーＡ″全体を加熱する。
【００２０】
プラスチック、ゴム、木材等、可燃性又は難燃性の産業廃棄物を粉砕した流体燃料ｆ′を、加熱されたサブバーナーＡ″の燃料供給管５１より内側燃焼筒体４４内に供給すれば、燃料ｆ′は受け板５２上に落下して拡散し、メーンバーナーＡ′のガス放出筒７から内側燃焼筒体４４内に噴出した高温の完全燃焼ガスＧと、補助給気管５０より給気される加圧空気ａ′の補給により着火して燃焼し、発生する不完全燃焼ガスｇ′は内側燃焼筒体４４内で膨脹しながら圧力を高め、気化した状態で周壁胴３９に設けたガス噴出孔４０・４０……より外側燃焼筒体３０内に噴出する。
【００２１】
送風ダクト３３より外側燃焼筒体３０内に供給される加圧空気ａ′により、該燃焼筒体３０内の後部が減圧部となるので、加圧空気ａ′は内側燃焼筒体４４の外周に沿って逆流し、内側燃焼筒体４４より外側燃焼筒体３０内に噴流する不完全燃焼ガスｇ′と混合し、外側燃焼筒体３０内を繰返し周回して高温のガスとなつて更に内側燃焼筒体４４を加熱して熱気化を促進し、周回する高温の逆火熱により内側燃焼筒体４４より噴出する不完全燃焼ガスｇ′を高温で無煙、無臭の完全燃焼ガスＧ′としてガス放出筒３７より外部に放出する。
【００２２】
【本発明の特徴】
本発明のサブバーナーＡ″は、メーンバーナーＡ′よりの高温高圧の完全燃焼ガスＧが着火源となつているので、燃料が変わっても種火は常に残っており、供給する加圧空気が高温高圧でも消火することがなく、不完全燃焼ガスが気化する際は酸素の量が少ないので、一酸化炭素が大量に発生し熱効率を高める。
又燃焼中サブバーナー内に鉱物状の炭化物の固まりが出来にくい等の特徴を有するものである。
【００２３】
【本発明の効果】
本発明のメーンバーナーＡ′は、供給する加圧空気の風圧、風量を調整することにより、時間当たりの発熱量を無段階に変化させることが可能であり、通常の状態でも点火後１分前後で燃焼ガスの温度は１０００度前後となり、時間の経過と共に燃焼ガスの温度を上昇させ、無煙、無炎、無臭の完全燃焼ガスをサブバーナーＡ″内に噴出させることができる。
サブバーナーＡ″は、可燃性又は難燃性の産業廃棄物で、通常の焼却炉等での焼却では煤煙や悪臭等の発生による環境破壊のため処理が困難な、プラスチックや木材及びその混合物等を粉砕した物、、不純物の多い廃油やコールタール等を燃料として使用し完全燃焼させることが可能であり、超高温で煤煙や悪臭の無い完全燃焼ガスをを得ることができるので、発生するガスの利用範囲は広く、且つ産業廃棄物の処理に優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明のメーンバーナーの構成を示す縦断面図
【図２】 本発明のサブバーナーの構成を示す縦断面図
【図３】 本発明の連続稼働状態におけ作用図
【符号の説明】
Ａ 重連型バーナー
Ａ′ メーンバーナー
Ａ″ サブバーナー
１ メーンバーナーの外側燃焼筒体
７ ガス放出筒
１４ メーンバーナーの円側燃焼筒体
３０ サブバーナーの外側燃焼筒体
３４ ガス放出筒挿入孔
４４ サブバーナーの内側燃焼筒体
Claims (1)
- 筒形周壁の周面に複数のガス噴出孔を穿設し、前方開口側を蓋板により被蓋した内側燃焼筒体の後方開口側周縁を、筒形で前方開口側を中心にガス放出口を有する前方側壁板に、又後方開口側を後方側壁板により閉塞する外側燃焼筒体の後方側壁板内面に接合して、内側燃焼筒体を外側燃焼筒体に内設し、内側燃焼筒体内に適量の流体燃料と加圧空気を供給点火して燃焼させ内側燃焼筒体を加熱すると共に、後方より外側燃焼筒体内に加圧空気を供給し周回させて加熱し、内側燃焼筒体に設けたガス噴出孔より外側燃焼筒体内に噴出する気化した不完全燃焼ガスを、周回する加熱ガスの逆火熱により再燃焼して反復周回させて更に内側燃焼筒体を加熱して熱気化を促進し、ガス放出口より外部に高温の完全燃焼ガスを放出する逆火熱利用有酸素熱気化再燃焼式バーナをメーンバーナとし、このガス放出口に突設するガス放出筒を、該メーンバーナと同一構造で点火装置を有しないでその位置にガス放出筒挿入孔を穿設したサブバーナのガス放出筒挿入孔に挿嵌固定し、メーンバーナとサブバーナを連設したことを特徴とする重連型バーナ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08989797A JP3873245B2 (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | 重連型バーナー |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08989797A JP3873245B2 (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | 重連型バーナー |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10246407A JPH10246407A (ja) | 1998-09-14 |
| JP3873245B2 true JP3873245B2 (ja) | 2007-01-24 |
Family
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08989797A Expired - Fee Related JP3873245B2 (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | 重連型バーナー |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3873245B2 (ja) |
-
1997
- 1997-03-03 JP JP08989797A patent/JP3873245B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10246407A (ja) | 1998-09-14 |
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