JP3615880B2 - 廃棄物焼却炉 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭の一般ごみ及び生ごみ、食堂の残飯、医療廃棄物、工業からの木材・廃プラスチック等の焼却処理に適用できる廃棄物焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7,図8に生ごみから廃棄物まで適用可能な従来のごみ焼却炉の1例を示す。図7において、01は火格子、02は一次燃焼室、03は二次燃焼室、04はバーナ、05はごみ投入口、06はごみ、07は循環通路、08は煙突を示す。
【0003】
図7のバーナ設置部分の詳細を示す図8において、09は燃料供給管、10は一次空気供給管、11は二次空気供給管、12は保炎板、13は一次空気供給管10の先端に設けられた予混合空気噴出口、14は着火装置、15は火炎、16はディフューザ、17は吸引室を示す。
【0004】
図7に於いて炉内は火格子01を介して一次燃焼室02と二次燃焼室03に分かれており、二次燃焼室03入口にバーナ04を設置している。ごみ投入口05から投入されたごみ06は火格子01により一次燃焼室02に蓄えられ、バーナ04の燃焼ガスの一部(約30%)を火格子01下から一次燃焼室02に供給することにより、部分燃焼・ガス化される。
【0005】
この部分燃焼・ガス化ガスは、エゼクタ効果を有するバーナ04により循環通路07を通ってバーナ燃焼ガス部に吸引混合され、二次燃焼室03で完全焼却が図られ、燃焼ガスは煙突08から大気へ放出される。
【0006】
上述のようにバーナ04はエゼクタ効果を有しており、その作用を図8により説明する。図8においてバーナ04は燃料供給管09、一次空気供給管10、二次空気供給管11から成り、同軸の3重管となっている。燃料供給管09の下流先端は一次空気供給管10の管内まで伸び、一次空気供給管10の下流先端は二次空気供給管11の管外まで伸びて先端には保炎板12が設置されている。
【0007】
供給された燃料は燃料供給管09を通って一次空気供給管10管内へと流れ、供給された一次空気と混合し、予混合空気噴出口13から噴出後、着火装置14により着火し、火炎15を形成する。不足分の空気は二次空気として供給し、火炎15と拡散混合させる。
【0008】
この火炎15がディフューザ16へと入り込むことによりエゼクタ効果が発生し、この結果、吸引室17が負圧となり、部分燃焼・ガス化ガスがバーナ燃焼ガスへ供給されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した従来の廃棄物焼却炉においては、形成された火炎15はディフューザ16内で燃焼が進行し、体積の膨張により吸引室17の負圧発生を妨げるため、エゼクタの吸引効率が低下する。また、燃料及び空気の供給条件によっては全く吸引しないこともある。
【0010】
また、前記した形式の廃棄物焼却炉では、そのバーナが高温雰囲気に晒されるため十分な耐熱性を有するものとなっていないと焼損により寿命が短いという欠点をもつことになる。
【0011】
本発明は、廃棄物をバーナの燃焼ガスの一部を用いて部分燃焼・ガス化し、そのガスを循環通路を通じて前記バーナのエゼクタ効果により同バーナの設置部に循環させて完全燃焼させ、廃棄物を焼却させるように構成した廃棄物焼却炉において、エゼクタ吸引効果が高く、また、耐高温性に優れたバーナを備えたものとすることを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、火炎構成部分を覆うスカートを有すると共に、燃料と一次空気の予混合空気を導く供給管の先端部円周上に複数個の予混合空気噴出口を有しているバーナを備えた廃棄物焼却炉を提供する。
【0013】
本発明の廃棄物焼却炉では、そのバーナに前記したスカートを設けたことにより、形成火炎はスカート内で燃焼・体積膨張を終了するため、ディフューザ内での体積膨張を解消できる。
【0014】
また、そのバーナには、前記したように、燃料と一次空気の予混合空気を導く供給管の円周上に予混合空気噴出口を設けてあることにより火炎長を短くでき、スカートの全長を短縮化できる。
【0015】
前記したスカートはその先端を絞った構造とするのが好ましい。スカートの先端を絞ると噴出したバーナ燃焼ガスの拡がりが狭められるためエゼクタ効果の効率が向上する。
【0016】
更に、スカートはその内容積を火炎形成に伴う燃焼ガスの体積膨張分を見込んだ大きさとするのが好ましい。そのようにすることでスカート内圧が低下し、燃料及び空気の供給が僅かなヘッドで可能となる。
【0017】
本発明の廃棄物焼却炉に用いる前記したバーナにおいては、燃料と一次空気の予混合空気を導く供給管のまわりから前記スカートの内側に二次空気を供給すると共に、同スカートの外側に三次空気を供給する構成とするのが好ましい。このようにスカートの周囲から三次空気を供給することによりスカートが冷却されるため、その焼損を防止できる。
【0018】
また、前記したスカートにセラミックス材を内張りした構成とするとスカートの焼損を防止する上で好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の廃棄物焼却炉の実施の形態を図1〜図6により具体的に説明する。
なお、図1〜図6において、図7及び図8に示した従来の廃棄物焼却炉と同じ構成の部分には同一符号を付し、それらについての重複する説明は省略する。
【0020】
(実施の第1形態)
まず、図1〜図3に示す実施の第1形態による廃棄物焼却炉について説明する。図1〜図3において、18は一次空気供給管10の先端部円周上に形成された複数個の予混合空気外周噴出口を示し、また、19は二次空気供給管11の先端に設けられ火炎構成部分を覆うスカートである。
スカート19の内容積は、火炎形成に伴う燃焼ガスの体積膨張分を見込んだ大きさとされている。
【0021】
その他の焼却炉の構成は図7及び図8に示した廃棄物焼却炉と同様であって、バーナは燃料供給管09、一次空気供給管10、二次空気供給管11から成り、同軸の3重管となっている。
【0022】
燃料供給管09の下流先端は一次空気供給管10の管内まで伸び、一次空気供給管10の下流先端は二次空気供給管11の先端に設けられたスカート19内まで伸びて先端には保炎板12が設置されている。保炎板12には4個の予混合空気噴出口13が形成されている。
【0023】
供給された燃料は燃料供給管09を通って一次空気供給管10管内へと流れ、供給された一次空気と混合し、予混合空気噴出口13と予混合空気外周噴出口18の2系統から噴出後、着火装置14により着火し、火炎15をスカート19内に形成する。不足分の空気は二次空気として供給し、火炎15と拡散混合させる。
【0024】
この火炎15はスカート19内で燃焼を完結し、燃焼・体積膨張を終了し、それに伴い運動量の増加したバーナ燃焼ガスをディフューザ16内部へ噴出する事でエゼクタ効果が発生し、この結果、吸引室17が負圧となり、部分燃焼・ガス化ガスがバーナ燃焼ガスへ供給されることになる。
【0025】
(実施の第2形態)
次に、図4に示す実施の第2形態による廃棄物焼却炉について説明する。
図4に示す廃棄物焼却炉では、そのバーナに設けられたスカート19の先端が絞ってあり、その他の構造は図1に示したバーナ04と同じである。また、焼却炉の全体構造は図7に示したものと同じである。
【0026】
燃料は一次空気と混合後、着火装置14により着火し、二次空気により燃焼・体積膨張を終了し、バーナ燃焼ガスを噴出してエゼクタ効果を発生し部分燃焼・ガス化ガスを引き込む。このとき、スカート19の先端が絞ってあるので噴出したバーナ燃焼ガスの拡がりを狭めてそのエゼクタ効果がより向上される。
【0027】
(実施の第3形態)
次に、図5に示す実施の第3形態による廃棄物焼却炉について説明する。
図5においてバーナは同軸の4重管構造であり、内側の3重管部分とスカート19においては図4に示したものと同構造である。一番外側の三次空気供給管20の先端はスカート19の先端まで伸びており、スカート19と同様に先端が絞ってある。
その他の焼却炉の構成は先の実施形態のものと同じである。
【0028】
図5のバーナにおいて、燃料は一次空気と混合後、着火装置14により着火し、二次空気をその周囲から拡散混合させる。スカート19の周囲には三次空気を通気してスカート19の冷却を行い三次空気噴出口21より噴出後、バーナ燃焼ガスと拡散混合させ更なる完全燃焼を図る。燃焼・体積膨張を終了したバーナ燃焼ガスはエゼクタ効果を発生させ、他の流体を外部へ圧送する。
【0029】
なお、この実施形態ではスカート19と三次空気供給管20の先端を絞ってあるがスカート19は図1に示すように先端を絞らず、また、三次空気供給管20の先端も絞らないものであっても相当の効果を達成できる。
【0030】
(実施の第4形態)
次に、図6に示す実施の第4形態による廃棄物焼却炉について説明する。
図6に示すバーナでは、二次空気供給管11の先端に取付けられたスカートが次の構成となっている。すなわち、スカートは、スカートボディ22とスカートキャップ23から成り、スカート締め付け部24により円筒型セラミックス25を内側に固定させる構造となっている。
その他、焼却炉の構造は図4に示したものと実質同じである。
【0031】
図6に示した焼却炉において、燃料は一次空気と混合後着火し、二次空気により燃焼・体積膨張を終了させ、バーナ燃焼ガスを噴出してエゼクタ効果を発生させ、他の流体を吸引室に導入し、外部へ圧送する。
【0032】
なお、このバーナにおいて、図5に示したもののようにスカートの外側に三次空気供給管を設けた構成とすると尚好ましい。また、本実施形態では先端を絞った形にセラミックス材を内張りしているが、図1に示すように先端を絞らないスカートに内張りしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による廃棄物焼却炉では、火炎構成部分を覆うスカートを有すると共に、燃料と一次空気の予混合空気を導く供給管の先端部円周上に複数個の予混合空気噴出口を有するバーナを採用しており、このバーナによるエゼクタ効果が確実に得られ、ごみ燃焼ガスの循環が可能となる。この結果、焼却炉の性能を維持できる。
【0034】
また、そのスカートの外側に三次空気を供給する構造としたり、スカートにセラミックス材を内張りした構成とすることによってスカートの焼損を防ぐことができ、長期間に亘って所期の作動を行う焼却炉となしうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係る廃棄物焼却炉の要部を示す断面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】図1の III−III 矢視図。
【図4】本発明の実施の第2形態に係る廃棄物焼却炉の要部を示す断面図。
【図5】本発明の実施の第3形態に係る廃棄物焼却炉の要部を示す断面図。
【図6】本発明の実施の第4形態に係る廃棄物焼却炉の要部を示す断面図。
【図7】従来の廃棄物焼却炉の構成を示す断面図。
【図8】図7に示した廃棄物焼却炉におけるバーナ部分の詳細を示す断面図。
【符号の説明】
01 火格子
02 一次燃焼室
03 二次燃焼室
04 バーナ
05 ごみ投入口
06 ごみ
07 循環通路
08 煙突
09 燃料供給管
10 一次空気供給管
11 二次空気供給管
12 保炎板
13 予混合空気噴出口
14 着火装置
15 火炎
16 ディフューザ
17 吸引室
18 予混合空気外周噴出口
19 スカート
20 三次空気供給管
21 三次空気噴出口
22 スカートボディ
23 スカートキャップ
24 スカート締め付け部
25 円筒型セラミックス

Claims (4)

  1. 廃棄物をバーナの燃焼ガスの一部を用いて部分燃焼・ガス化し、そのガスを循環通路を通じて前記バーナのエゼクタ効果により同バーナの設置部に循環させて完全燃焼させ、廃棄物を焼却させるように構成した廃棄物焼却炉であって、前記バーナは火炎構成部分を覆うスカートを有すると共に、燃料と一次空気の予混合空気を導く供給管の先端部円周上に複数個の予混合空気噴出口を有していることを特徴とする廃棄物焼却炉。
  2. 前記スカートの先端部を絞った構造とした請求項1に記載の廃棄物焼却炉。
  3. 前記供給管のまわりから前記スカートの内側に二次空気を供給すると共に、同スカートの外側に三次空気を供給する構成としてなる請求項1又は2に記載の廃棄物焼却炉。
  4. 前記スカートにセラミックス材を内張りした請求項1〜3のいづれか1つに記載の廃棄物焼却炉。
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