JPH0665617U - 直動転がり案内ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 装備されるべき装置等において可動側を固定
することを図る場合、これを容易に達成させることがで
きると共に、該装置等の構造の簡略化に寄与する直動転
がり案内ユニットを提供すること。 【構成】 トラックレール１とケーシング６とを互いに
接触させて両者の相対運動を規制する規制手段２１を具
備させ、上記の効果を得ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば工作機械や産業用ロボットなどに装備されて、移動させるべ き可動部を直線的に案内する直動転がり案内ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の直動転がり案内ユニットの一例として、図５及び図６に示す
も のがある。

【０００３】 図示のように、当該直動転がり案内ユニットは、左右両側部に軌道として一条 ずつの軌道溝１ａが長手方向に沿って形成されたトラックレール１と、転動体循 環路２（詳細は後述する）を有してこのトラックレール１に対して相対運動自在 なスライドユニット３と、該転動体循環路２に配列収容されてこのスライドユニ ット３の移動に伴って上記軌道溝１ａ上を転動しつつ循環してトラックレール１ 及びスライドユニット３の間で荷重を負荷する転動体としての多数のボール４と で構成されている。

【０００４】 スライドユニット３は、トラックレール１を跨ぐように設けられたケーシング ６と、該ケーシング６の前後両端部に結合された一対のエンドキャップ７ａ及び ７ｂと、該エンドキャップ７ａ及び７ｂ各々の外面に取り付けられた２枚のシー ル８ａ及び８ｂとを有している。なお、エンドキャップ７ａには、上記ボール４ にグリースを供給するためのグリースニップル９が取り付けられている。図６に 示すように、転動体循環路２は、ケーシング６に夫々直線的にかつ互いに平行に 形成された負荷軌道溝２ａ及びリターン路２ｂと、両エンドキャップ７ａ、７ｂ に形成されて該負荷軌道溝２ａ及びリターン路２ｂをこれらの両端部にて連通さ せる一対の略半円状の方向転換路２ｃ及び２ｄとから成る。なお、上記負荷軌道 溝２ａがトラックレール１の軌道溝１ａに対応している。また、図５において参 照符号１１にて示すのは、上記負荷軌道溝２ａよりボール４が脱落しないように 保持する保持部材である。

【０００５】 上記構成を有する直動転がり案内ユニットは、例えば工作機械のベッド（図示 せず）上に配設され、トラックレール１が該ベッドに対してボルトにより固定さ れる。そして、スライドユニット３に対して被加工物等担持用のテーブル（図示 せず）がボルト締めされ、これが可動側として作動する。すなわち、該テーブル 上に被加工物等が載置された状態にて図示しない駆動手段により往復動せられる 。なお、図５に示すように、トラックレール１には、上記ベッド等に固定するた めのボルト挿通孔１ｂが複数形成されている。また、スライドユニット３のケー シング６の上面には複数のねじ孔６ａが形成されており、上記テーブルはこのね じ孔６ａに螺合するボルト（図示せず）によってスライドユニット３に締結され る。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記した構成においては、上記テーブルをある位置で完全に停止させるために は、固定側としてのベッドに対して該テーブルを固定するためのクランプ機構等 が設けられる。しかしながら、直動転がり案内ユニットが装備されるべき装置に よっては、その構造あるいは設置スペースなどの関係からクランプ機構等を設け 難い場合があり、又、設けた場合でも他の機構部分の設計変更を余儀なくされる などの欠点がある。

【０００７】 本考案は上記従来技術の欠点に鑑みてなされたもので、装備されるべき装置等 において可動側を固定することを図る場合、これを容易に達成させることができ ると共に、該装置等の構造の簡略化に寄与する直動転がり案内ユニットを提供す ることを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、長手方向に沿って軌道が形成されたトラックレールと、前記軌道に 対応する負荷軌道及びこれに略平行なリターン路が形成されて前記トラックレー ルに対して相対運動自在なケーシングと、該負荷軌道及びリターン路と共に転動 体循環路を形成する方向転換路が形成されて該ケーシングの両端に結合されたエ ンドキャップと、前記転動体循環路に配列収容されて前記軌道上を転動しつつ循 環して荷重を負荷する複数の転動体とを備えた直動転がり案内ユニットにおいて 、前記トラックレール及び前記ケーシングを互いに接触させることにより相対運 動を規制する規制手段を有するように構成したものである。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の実施例としての直動転がり案内ユニットについて添付図面を参 照しつつ説明する。なお、当該直動転がり案内ユニットは、以下に説明する部分 以外は図５及び図６に示した従来の直動転がり案内ユニットと同様に構成されて いる故に、ユニット全体としての説明は省略して要部のみの説明に留める。また 、以下の説明において、該従来の直動転がり案内ユニットの構成部材と同一の構 成部材については同じ参照符号を用いている。

【００１０】 本考案に係る直動転がり案内ユニットにおいては、トラックレール１に対する ケーシング６の移動を規制するための規制手段が設けられており、該規制手段は 下記のように構成されている。なお、この規制手段は、ケーシング６をトラック レール１に接触させることによって移動を規制する。

【００１１】 図１乃至図４に示すように、該規制手段は、トラックレール１の頂部から離間 した位置に配置されてケーシング６を横切る方向に伸長する長手規制部材２１か ら成る。なお、規制部材２１の配置は状況に応じて適宜変え得ることは当然であ るが、該規制部材２１をこのように配置したことにより、該規制部材２１が装置 の機構部分と干渉し難く、また、側方から容易に操作することができる。

【００１２】 図４から明らかなように、この規制部材２１は、一端部にねじ部２１ａが形成 されたロッド部２１ｂと、該ロッド部２１ｂの他端に一体成形された略円錐状の 頭部２１ｃとを有している。

【００１３】 一方、ケーシング６には、その幅方向における中央部に、該スライドユニット ３の進行方向において延在するようにスリット６ｃが形成されている。そして、 このスリット６ｃによって分たれる一方に形成された挿通孔６ｄに上記ロッド部 ２１ｂが挿通され、他方に形成されたねじ孔６ｅにねじ部２１ａが螺合している 。

【００１４】 上記規制部材２１には、その頭部２１ｃの近傍に、ケーシング６の側面６ｆに 当接してねじ部２１ａの螺入方向における該規制部材２１の移動を規制する当接 部２１ｄが形成されている。

【００１５】 ケーシング６に形成されたスリット６ｃは、上記のねじ部２１ａの進退方向に おいて該ケーシング６を可撓とするためのものである。かかる構成において、規 制部材２１を回動させて締め付けることによりケーシング６が矢印Ｒ（図４参照 ）にて示すように撓み、ケーシング６の内側面６ｈがトラックレール１の側面１ ｄに接触して制動力が作用し、スライドユニット３の移動が規制される。また、 規制部材２１を逆に回して緩めればケーシング６はその弾性によって復元し、規 制状態は解除される。なお、この場合、トラックレール１の側面１ｄとケーシン グ６の内側面６ｈとの隙間ｅ（図４参照）は、ボール４の軌道溝１ａとの接触部 の永久変形量の和が、ボール４の直径の一万分の一を超えると両者が接触するよ うに設定されている。

【００１６】 ところで、上記規制部材２１の頭部２１ｃには、該規制部材２１を回動させる ためのハンドル部２１ｅが設けられている。よって、作業者は特に工具等を用い ずとも、このハンドル部２１ｅを手で操作して規制及び解除を行うことができる 。但し、このハンドル部２１ｅを設けずに、頭部２１ｃを通常の六角柱状とした り六角穴つきとして、これに対応する工具等を用いて規制部材２１を回動させる 構成としてもよい。

【００１７】 なお、本実施例においては、トラックレール及びケーシングの相対運動を規制 する規制手段として、ねじ部２１ａを有する規制部材２１を用い、該規制部材２ １を締め付けることによりケーシング６を撓ませて両者を接触させて制動力を得 ることとしているが、このような制動力を生じさせるものであれば他に種々の構 成の規制手段を採用し得ることは勿論である。

【００１８】 また、本実施例においては、転動体としてボール４が使用されているが、ころ を用いた構成でもよい。また、本実施例においては、左右ボール各一条列である が、各２条列以上で構成してもよい。

【００１９】 更に、本実施例の他の実施例として、トラックレール１が直線上である曲率を もっており、曲線運動を行う場合にも同様に適用できる。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案による直動転がり案内ユニットにおいては、その 具備した規制手段によってトラックレールとケーシングを接触させて制動力を発 生させるので、該直動転がり案内ユニットが装備されるべき装置等において可動 側を固定する必要がある場合にこれを容易に達成することができ、また、該装置 等の設計変更が不要であることから該装置等の構造の簡略化に寄与するという効 果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案の実施例としての直動転がり案
内ユニットの要部の、一部断面を含む斜視図である。

【図２】図２は、図１に示した構成の平面図である。

【図３】図３は、図１に示した構成の側面図である。

【図４】図４は、図１に示した構成の縦断面図である。

【図５】図５は、従来の直動転がり案内ユニットの要部
の、一部断面を含む斜視図である。

【図６】図６は、図５に示した構成の平面図である。

【符号の説明】

１ トラックレール ３ スライドユニット（摺動台） ｅ トラックレールとケーシングとの
間の隙間 ４ ボール（転動体） ６ ケーシング ７ａ、７ｂ エンドキャップ ２１ 規制部材 ２１ａ ねじ部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向に沿って軌道が形成されたトラ
   ックレールと、前記軌道に対応する負荷軌道及びこれに
   略平行なリターン路が形成されて前記トラックレールに
   対して相対運動自在なケーシングと、該負荷軌道及びリ
   ターン路と共に転動体循環路を形成する方向転換路が形
   成されて該ケーシングの両端に結合されたエンドキャッ
   プと、前記転動体循環路に配列収容されて前記軌道上を
   転動しつつ循環して荷重を負荷する複数の転動体とを備
   えた直動転がり案内ユニットであって、前記トラックレ
   ール及び前記ケーシングを互いに接触させることにより
   相対運動を規制する規制手段を有することを特徴とする
   直動転がり案内ユニット。
2. 【請求項２】 前記規制手段は、前記ケーシングに対し
   て螺合するねじ部を有すると共に、前記ケーシングに当
   接して該ねじ部の螺入方向における自体の移動を規制す
   る当接部が形成された規制部材から成ることを特徴とす
   る請求項１記載の直動転がり案内ユニット。
3. 【請求項３】 前記ケーシングには、前記ねじ部の進退
   方向において該ケーシングを可撓とするスリットが形成
   されていることを特徴とする請求項２記載の直動転がり
   案内ユニット。
4. 【請求項４】 前記規制部材には該規制部材を回動させ
   るためのハンドル部が設けられていることを特徴とする
   請求項２又は請求項３記載の直動転がり案内ユニット。
5. 【請求項５】 前記規制部材は、前記トラックレールの
   頂部から離間した位置において、前記ケーシングを横切
   る方向に伸長するように配設されていることを特徴とす
   る請求項２乃至請求項４のうちいずれか１記載の直動転
   がり案内ユニット。